(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明器具1の構成を示す斜視図である。
図2は照明器具1の側面図、
図3は照明器具1の後端10Aをみた背面図、
図4は照明器具1の平面図である。また
図5は
図4のV−V断面線における断面図である。なお、
図2〜
図6では、照明器具1の後端10Aの側を拡大して示し、また
図3では、
図1に示す蓋体4Aを取り外した状態を示している。
照明器具1は、これらの図に示すように、器具本体10と、クランプ5と、を備え、この器具本体10が、道路脇、街路脇、駐車場、公園などの屋外に立設された支柱2の先端部2Aにクランプ5に支持させて設置される。なお。以下では、器具本体10からみて道路などの照射面が位置する方向を前方とし、その反対方向を後方と言う。
【0016】
器具本体10は、アルミニウム合金等のダイキャスト成型によって、平面視において略矩形状に形成されており、後端10Aの側で支柱2に支持されている。器具本体10の上面4には、
図1に示すように、後端10Aの側に、蓋体4Aが開閉可能に設けられている。
【0017】
図6は、蓋体4Aを除いた器具本体10の後端10Aの側の内部構成を示す図である。
同図に示すように、器具本体10には後端10Aの側には結線室12が設けられている。結線室12には、中空の支柱2の内部を通じて導かれた電力供給線25を器具本体10に引き込む配線引込孔30が設けられている。支柱2から結線室12に引き込まれた電力供給線25は、器具本体10の各種の配線(例えば光源用の電気回路)と結線される。
【0018】
結線室12には、ワイヤ結合部13が設けられており、このワイヤ結合部13には、落下防止ワイヤ15の一端が結合される。落下防止ワイヤ15は他端が支柱2の内部のワイヤ固定部2C(
図9)に固定されており、この落下防止ワイヤ15によって、支柱2からの器具本体10の落下防止が図られている。
【0019】
また器具本体10には、光源室23(
図10)が設けられ、この光源室23には、例えばLEDやランプなどの光源が収められている。また器具本体10の下面にはカバーガラス8(
図10)が嵌め込まれることで、光源室23が閉塞されている。
【0020】
本実施形態の照明器具1は、
図2、及び
図3に示すように、支柱2に固定される支持部材としてのクランプ5を備え、当該クランプ5が器具本体10を支持しており、さらに、このクランプ5が器具本体10の外側に設けられている。
【0021】
図7は、クランプ5の構成を示す斜視図である。
図8は、クランプ5の構成を示す図であり、
図8(A)は平面図、
図8(B)は側面図、
図8(C)は正面図である。
図9は
図8(C)のIX−IX断面線における断面図である。また
図10は器具本体10とクランプ5の分解斜視図である。
【0022】
これらの図に示すように、クランプ5は、筒部6と、フランジ部7と、を備えている。
筒部6は、支柱2に挿嵌されて固定される部位であり、筒部6の周面には、ねじ孔6Aが設けられている。ねじ孔6Aには、取付ボルトが螺合し、取付ボルトによってクランプ5が支柱2に固定される。
支柱2を筒部6に嵌挿した状態では、
図9に示すように、支柱2のフラットな先端面2Bが筒部6の先端部6Bに面で当接した(突き当てられた)状態で係合する。この突き当てにより、支柱2と筒部6との係合が安定する。
【0023】
フランジ部7は、器具本体10と係合し、固定される部位であり、
図10に示すように、器具本体10の後端10Aの外面11に係合する形状を成し、固定具たる複数本の固定ボルト16によって器具本体10に外側から固定される。
具体的には、
図10に示すように、フランジ部7には、筒部6を挟んだ両側のそれぞれにボルト挿通孔18が設けられており、また器具本体10の外面11には、ボルト孔20が設けられている。固定ボルト16は、クランプ5のボルト挿通孔18から挿通され、器具本体10のボルト孔20に螺合し、これによって、固定ボルト16によってクランプ5と器具本体10とが固定される。また、クランプ5が器具本体10に固定されることで、器具本体10がクランプ5を介して支柱2に結合されるので、クランプ5によって器具本体10の落下防止も図られる。また、複数の固定ボルト16が固定に用いられているので、落下防止が、より確実に行われる。
【0024】
ここで、本実施形態の照明器具1は、クランプ5に対して器具本体10の取付角度θ(
図2)を調整可能に構成されている。
詳述すると、
図8(B)に示すように、クランプ5のフランジ部7は、器具本体10の外面11と係合する係合面7Aを有し、この係合面7Aの側面視形状が、中心Oを中心とした円弧に形成されている。また、
図10に示すように、器具本体10の側は、係合面7Aに係合する外面11が、この係合面7Aと同じ側面視円弧状に形成されている。これら係合面7Aと外面11の係合によって、器具本体10が係合面7Aの円弧の中心O(
図2)を中心に回転移動し、これにより、取付角度θが調整可能となる。
【0025】
またフランジ部7の上記ボルト挿通孔18は、中心Oの円弧に沿って延びる長孔形状に形成されており、固定ボルト16がボルト挿通孔18に挿入されたまま、器具本体10が回転可能になる。これにより、作業者は、器具本体10の外側から固定ボルト16を外さずとも、固定ボルト16を緩めるだけで、当該器具本体10を回転させ取付角度θを調整できる。
【0026】
また
図7に示すように、フランジ部7の係合面7Aには、ボルト挿通孔18の周囲に、凹凸部19が形成されており、また器具本体10の外面11には、
図10に示すように、フランジ部7の凹凸部19に噛み合う凹凸部21が形成されている。これら凹凸部19、21の噛み合いによって取付角度θが多段階に調整される。
【0027】
フランジ部7の係合面7Aには、
図7、及び
図8(A)に示すように、支柱2の中空に連通する配線引出孔14が形成されており、この配線引出孔14を通じて電力供給線25が支柱2から引き出され、器具本体10の内部に配線引込孔30を通じて導入される。なお、配線引出孔14には、アース接続部26が設けられており、このアース接続部26には、器具本体10から延びるアース線が接続される。
【0028】
器具本体10の配線引込孔30は、取付角度θにかかわらず常に筒部6の配線引出孔14が臨むように、比較的大きな開口寸法に形成されている。一方、クランプ5は、そのフランジ部7が、取付角度θにかかわらず器具本体10の配線引込孔30を露出させずに覆い隠す大きさに形成されており、当該フランジ部7が配線引込孔30のカバーとして機能している。
【0029】
また本実施形態の照明器具1では、
図5に示すように、器具本体10は、フランジ部7で覆われる外面11を含む範囲が凹状の凹部32に形成されており、この凹部32の上縁部32Aが、フランジ部7の上方を覆う、いわゆる庇として機能する。この上縁部32Aによって、器具本体10の上面4の側から流れ落ちる雨水がフランジ部7に入り込み難くなっている。また、凹部32によって器具本体10の外面11の厚みが小さくなるので、軽量化が図られる。
【0030】
次いで、クランプ5のフランジ部7の構成について詳述する。
フランジ部7は、上述の通り、器具本体10の外面11に係合する係合面7Aを有し、
図8(A)、及び
図8(B)に示すように、この係合面7Aの略中央に、上記配線引出孔14が設けられている。この配線引出孔14の全周には、配線引出孔14への雨水の浸入を防ぐ壁部17(いわゆる土手)が設けられている。この壁部17により、雨水がフランジ部7に係合面7Aに入り込んだ場合でも、配線引出孔14を通じて支柱2への雨水の浸入が防止され、支柱2の内部に収められた部品(例えば電源装置など)の雨水による損傷が抑えられる。
【0031】
図7に示すように、係合面7Aにおいて、平面状の傾斜面34Aの中に、配線引出孔14、及び壁部17が形成されている。円弧状に湾曲した係合面7Aの面内に平面状の傾斜面34Aが設けられることで、係合面7Aに凹みが生じクランプ5の軽量化が図られる。
【0032】
図11は、
図5のX部の拡大図である。
傾斜面34Aは、
図7、及び
図11に示すように、配線引出孔14の側から係合面7Aの一端部7A1にかけて傾斜した平面である。また係合面7Aには、傾斜面34Aとは別に、係合面7Aの他端部7A2から傾斜面34Aに亘って形成された平面状の傾斜面34Bが設けられている。そして、これら傾斜面34A、34Bによって、係合面7A内に、比較的大きく凹む面内凹部34が形成される。
【0033】
これら傾斜面34A、34Bは、面内凹部34に入り込んだ雨水を外部に流す機能を有する。具体的には、クランプ5が支柱2に取り付けられた状態において、係合面7Aの一端部7A1は、配線引出孔14及び壁部17よりも下方に位置するので、傾斜面34Aは、一端部7A1にかけて水平面よりも下方に傾斜する。
これにより、傾斜面34Aに浸入した雨水は、この傾斜面34Aの傾斜により、壁部17の周囲を抜けながら一端部7A1に向かって流下し、外部に排水される。これにより、配線引出孔14の周囲に雨水が溜まることがないので、壁部17を超えて配線引出孔14に雨水が浸入することもない。また、フランジ部7の係合面7Aに外部に貫通する貫通孔を形成して、面内凹部34の雨水をフランジ部7の外部に排水する構成も考え得る。しかしながら、貫通孔を設けた場合、当該貫通孔から雨水がフランジ部7の内側にダイレクトに入り込む恐れもある。これに対して、本実施形態のクランプ5によれば、傾斜面34Aによって雨水を排水するので、外側からの入り込みを抑えつつ排水できる。
【0034】
図12は、アーム型の支柱2への照明器具1の取付状態を示す断面図であり、
図13は
図12のY部拡大図である。
本実施形態の照明器具1は、いわゆるアーム型の支柱2にも固定できる。アーム型の支柱2は、地面等に立設された、いわゆるポール型の支柱2(
図1)に対し、
図12に示すように、その先端部2Aが略水平に延びている。係る支柱2に照明器具1を固定する場合、クランプ5は、筒部6が器具本体10の後方に延び、かつ、フランジ部7が器具本体10の外面11に係合する姿勢の状態で、固定ボルト16によって器具本体10に固定される。
【0035】
図13に示すように、アーム型の支柱2への取付状態では、クランプ5の係合面7Aは、他端部7A2が配線引出孔14及び壁部17よりも下方に位置し、傾斜面34Bは、配線引出孔14の側から一端部7A2にかけて水平面よりも下方に傾斜する。これにより、係合面7Aに浸入した雨水は、傾斜面34Bの傾斜によって他端部7A2に向かって流下し、外部に排水される。
なお、アーム型の支柱2の先端部2Aが水平面に対し上方に傾いて延びている場合がある。この場合、先端部2Aの傾きの角度に基づいて傾斜面34Bの傾斜角を予め設定し、取付状態において、傾斜面34Bを水平面よりも下方に確実に傾斜させる。一般に、アーム型の支柱2は、先端部2Aが水平方向から上方に約5度傾いているので、本実施形態では、一般的なアーム型の支柱2の傾きに合わせて傾斜面34Bの傾斜角を5度より大きな角度に設定している。例えば本実施形態では傾斜面34Bの傾斜角を6度に設定している。
【0036】
前掲
図11、
図13に示すように、本実施形態の照明器具1では、器具本体10の後端10Aの外面11の面内に、クランプ5の係合面7Aと対面する箇所に、一端部40Aが器具本体10の底面側に露出する排水凹部40が形成されている。
図11に示すように、ポール型の支柱2への取付状態においては、排水凹部40が、傾斜面34Aとの間で、雨水を器具本体10の外部に排水する排水路42を形成し、また、アーム型の支柱2への取付状態においては、排水凹部40が、傾斜面34Bとの間で、上記排水路42を形成する。これにより、係合面7Aに浸入した雨水が効率良く外部に排水され雨水の停留が防止される。
また、排水凹部40の一端部40Aが排水路42の出口Aを構成し、この出口42Aは、器具本体10の底面側に位置するので、排水路42へ雨水が浸入し難くなっている。
【0037】
なお、排水凹部40は、器具本体10の側ではなく、係合面7Aの傾斜面34A、34Bに設けてもよい。
【0038】
上述の通り、係合面7Aには、2つの傾斜面34A、34Bが設けられており、また前掲
図9に示すように、配線引出孔14、及び壁部17は、一方の傾斜面34Aの面内に設けられ、この壁部17は、他方の傾斜面34Bとの間に間隔αをあけて設けられている。これにより、ポール型の支柱2に取付状態において(
図11)、他方の傾斜面34Bを伝って雨水が傾斜面34Aに流れても、傾斜面34Bから離れた壁部17によって配線引出孔14への浸入が確実に防止される。
【0039】
ところで、本実施形態の照明器具1では、クランプ5の固定ボルト16を外側から止めているため、固定ボルト16の全てが抜けた状態になることがある。この場合、何ら対策を施さなければ、クランプ5が器具本体10から外れてしまい、クランプ5は落下防止の機能を生じず、落下防止ワイヤ15のみで落下が防止された状態となる。
そこで、本実施形態の照明器具1は、固定ボルト16がクランプ5から外れた場合でも、クランプ5と器具本体10の結合が維持される構成となっている。
【0040】
詳述すると、
図7に示すように、クランプ5には、その係合面7Aの凹凸部19の各々の近傍に、器具本体10の側に延びる2本のボス50が設けられている。また、
図10に示すように、器具本体10の外面11には、ボス50が挿入されるボス挿入孔51が形成されている。クランプ5のボス50は、その先端に、ねじ孔50A(
図7)が設けられており、ねじ孔50Aには、
図11、及び
図13に示すように、ポール型、及びアーム型の支柱2のいずれの取付状態においても、器具本体10の内面60に係合する座金56が組み込まれた座金組込ネジ58がネジ止めされている。座金組込ネジ58のネジ止めが、
図6に示すように、器具本体10の内側(より具体的には、結線室12の内部)から行われることで、固定ボルト16とは別に、クランプ5が器具本体10の内側から脱落不能に結合される。
【0041】
これにより、固定ボルト16が脱落した場合でも、座金組込ネジ58がクランプ5を器具本体10の内側から結合しているので、クランプ5と器具本体10との結合が維持されることとなる。また、固定ボルト16が器具本体10の外側からネジ止めされるのに対し、座金組込ネジ58は、角度調整作業や設置作業時にアクセスが不要な器具本体10の内側にネジ止めされる構成なので、これらの作業時に座金組込ネジ58が誤って外される、といったことがない。
【0042】
図11、及び
図13に示すように、ボス50は、器具本体10の内面60よりも幅δだけ浸入する長さに形成されており、器具本体10の内面60と座金56の間に幅δの隙間が設けられている。この隙間によってクランプ5と器具本体10との結合に遊びが設けられる。これにより、固定ボルト16を緩めれば、座金組込ネジ58の結合に阻害されることなく、クランプ5に対して器具本体10をスムーズに回転させ、取付角度θを調整できる。
【0043】
また本実施形態の照明器具1では、
図6、及び
図10に示すように、器具本体10のボス挿入孔51は、取付角度θの調整時に、ボス50の移動を案内する寸法の長孔に形成されている。これにより、2本のボス50と各ボス挿入孔51との係合によって取付角度θの調整時のガタ付きが抑えられる。また、このガタ付きによって、フランジ部7の2箇所の凹凸部19のそれぞれが異なった噛み合わせ状態となる器具本体10の誤取付も防止できる。
【0044】
本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
本実施形態の照明器具では、フランジ部7の係合面7Aに、配線引出孔14の全周を囲む壁部17が設けられている。これにより、配線引出孔14への雨水の浸入が壁部17によって防止されるので、支柱2への雨水の浸入が抑えられる。
【0045】
本実施形態の照明器具1では、器具本体10の外面11とクランプ5のフランジ部7の係合面7Aとの間に、排水凹部40によって形成された排水路42が設けられているので、フランジ部7の内部に浸入した雨水を排水路42で外部に排水し、内部での溜まりを防止できる。
【0046】
本実施形態の照明器具1では、排水路42の出口42Aが、器具本体10の底面の側に配置されているので、この排水路42へ雨水が浸入し難くなる。
【0047】
本実施形態の照明器具1では、フランジ部7の係合面7Aに、水を外部に流す平面状の傾斜面34A、34Bが設けられているので、ポール型、及びアーム型のいずれの支柱2に取り付けられた状態においても、フランジ部7に入り込んだ雨水を傾斜面34A、34Bで確実に外部に流すことができる。
【0048】
本実施形態の照明器具1では、配線引出孔14、及び壁部17は、一方の傾斜面34Aの面内に設けられ、この壁部17は、他方の傾斜面34Bとの間に間隔αをあけて設けられている。これにより、雨水が傾斜面34Bを伝ってフランジ部7に浸入した場合でも、配線引出孔14に入り込み難くできる。
【0049】
本実施形態の照明器具1では、器具本体10には、外面11を含む範囲に凹部32が形成され、この凹部32に、クランプ5のフランジ部7が収められている。
これにより、凹部32がクランプ5のフランジ部7の上方を覆う、いわゆる庇となり、当該フランジ部7への雨水の入り込みが抑えられる。
【0050】
本実施形態の照明器具1では、器具本体10がクランプ5に取付角度θを調整可能に支持されている。これにより、器具本体10がクランプ5に対して可動することで隙間が増え、これらの隙間から雨水がクランプ5の中に浸入し易くなった場合でも、配線引出孔14への雨水の入り込みを防止できる。
【0051】
本実施形態の照明器具1では、器具本体10は、固定ボルト16を緩め、或いは外した状態において、クランプ5との結合を維持しつつ取付角度θを調整可能にクランプ5に設けられている。これにより、器具本体10をクランプ5に固定する全ての固定ボルト16が外れた場合でも、器具本体10とクランプ5の結合が維持され、クランプ5による器具本体10の落下を防止できる。
【0052】
本実施形態の照明器具1では、器具本体10の内側でクランプ5と器具本体10とを座金組込ネジ58で結合した。これにより、角度調整作業時にアクセスが不要な器具本体10の内側で座金組込ネジ58がネジ止めされる構成なので、この作業時に座金組込ネジ58が誤って外される、といったことがない。
【0053】
本実施形態の照明器具1では、座金組込ネジ58が、取付角度調整を阻害しない遊びを有した状態で器具本体10とクランプ5とを結合する構成とした。
これにより、取付角度θの調整をスムーズに行うことができる。
【0054】
本実施形態の照明器具1では、クランプ5から器具本体10のボス挿入孔51を通って当該器具本体10の内部に延びるボス50と、このボス50に固定され、器具本体10の内面60に係合する上記座金組込ネジ58とによって、固定ボルト16とは別に、クランプ5を器具本体10に内側で結合する結合手段が構成されている。
これにより、クランプ5を器具本体10に組み付け、器具本体10の内部でボス50に座金組込ネジ58を設けるだけで、固定ボルト16とは別に、クランプ5を器具本体10に簡単に結合させることができる。
【0055】
本実施形態の照明器具1では、取付角度θの調整に伴うボス50の移動をボス挿入孔51が案内する構成となっている。
これにより、ボス50とボス挿入孔51との案内時の係合によって、取付角度調整時のガタ付きが抑えられ、このガタ付きに起因した、器具本体10の誤取付が防止される。
【0056】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0057】
(変形例1)
上述した実施形態では、クランプ5の係合面7Aには、配線引出孔14の両脇にボス50を設けたが、これに限らない。例えば、配線引出孔14を囲む壁部17を器具本体10の側に延ばしてボスを形成してもよい。
【0058】
図14は本変形例に係る照明器具100の平面図である。
図15は
図14のXV−XV断面線における断面図である。なお、これらの図において、上述の実施形態で説明した部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
図15に示すように、照明器具100のクランプ105は、係合面7Aの配線引出孔14を囲む壁部が器具本体110の内部まで柱状に延出し、当該壁部によってボス150が形成されている。このボス150の頂部には、器具本体110の内面60に係合する係合片160が固定されている。この係合片160には、孔部161が設けられ、この孔部161を通じて電力供給線25が引き出される。
【0060】
そして、本変形例においては、係合片160により、クランプ105が器具本体110の内部で締結される。また、この照明器具100にあっては、クランプ105の係合面7Aの配線引出孔14を囲む壁部が器具本体110の内部に至るほど延びているので、係合面7Aに浸入した雨水が配線引出孔14に入り込むことを防止できる。
【0061】
また本変型例においては、ボス150が中空を成し、支柱2の内部を通る電力供給線25がボス150の中を通して器具本体10に導かれるので、電力供給線25を通す引き出すための配線引出孔14と、ボス150とを別々の位置に設ける必要がなく、構成が簡易になる。
【0062】
なお、本変形例の照明器具100において、上述の照明器具1と同様に、排水凹部40を設けて排水路42を形成してもよい。
また、本変形例の照明器具100も、上述の照明器具1と同様に、クランプ105の姿勢を変えることで、アーム型の支柱2に取り付けることができる。
【0063】
(変形例2)
クランプを器具本体の内側で結合する構成の別例を説明する。
図16は、本変形例に係る器具本体210を、後端10Aの斜め下側からみた図である。
図17は、本変形例に係るクランプ205の斜視図であり、
図18はクランプ205を上側から見た平面図である。
図16に示すように、器具本体210の配線引込孔230は、長軸aの長さが短軸bの長さよりも長い楕円形状に形成されている。また、配線引込孔230は、器具本体210の幅方向に、短軸bが略平行に配置されている。
【0064】
クランプ205は、
図17、
図18に示すように、筒部6と、フランジ部7と、挿入部208とを備えている。
挿入部208は、フランジ部7を器具本体210に外側から固定する際に、配線引込孔230に挿入される部位である。挿入部208は、配線引出孔14の円周に沿った円弧形状に形成され、配線引出孔14の縁に沿って設けられている。挿入部208は、配線引出孔14の円周の半分より狭い範囲に沿って設けられており、係合面7Aにおいて、配線引出孔14の下縁部に設けられているのが望ましい。
【0065】
挿入部208の上端には、引掛片208Aが設けられている。引掛片208Aは、挿入部208の上端に沿って設けられ、例えば配線引出孔14の外径方向に広がる扇状に形成されている。引掛片の形状は他に楕円形状や矩形形状であっても良く、長手方向の寸法L2が、配線引込孔230の長軸aの長さより短く、短軸bの長さよりも長く構成されていれば良い。長手方向に対して90度回転した短手方向の寸法は、配線引込孔230の短軸bの長さより短く構成されている必要がある。
【0066】
図19、
図20は、クランプ205を器具本体210に組み付ける際の組み付け作業の様子を示す図である。
図19は、クランプ205を器具本体210に略垂直な方向なら組み付ける際の組み付け作業の様子を示している。
図20は、クランプ205を器具本体210に略平行な方向なら組み付ける際の組み付け作業の様子を示している。
図19に示すように、クランプ205を器具本体210に略垂直な方向なら組み付ける際は、まず、
図19(A)に示すように、引掛片208Aの長手L2の方向を、配線引込孔230の長軸aの方向に合わせて、
図19(B)に示すように、挿入部208を、配線引込孔230に挿入する。挿入部208を、配線引込孔230に挿入した後に、
図19(C)に示すように、引掛片208Aが配線引込孔230の下縁部230Aの側に引っ掛かるように、クランプ205を回転させる。そして、
図19(D)に示すように、フランジ部7を、任意の角度で器具本体210の外側に固定する。
【0067】
また、
図20に示すように、クランプ205を器具本体210に略平行な方向なら組み付ける際は、まず、
図20(A)に示すように、引掛片208Aの長手L2の方向を、配線引込孔230の長軸aの方向に合わせて、
図20(B)に示すように、挿入部208を、配線引込孔230に挿入する。挿入部208を、配線引込孔230に挿入した後に、
図20(C)に示すように、引掛片208Aが配線引込孔230の上縁部230Bの側に引っ掛かるように、クランプ205を回転させる。そして、
図11(D)に示すように、フランジ部7を、器具本体210の外側に固定する。
【0068】
このように、クランプ205は、フランジ部7が器具本体210の外側に固定ボルト16で固定されているとともに、引掛片208Aが配線引込孔230の内側に引っ掛けられている。これによって、フランジ部7と器具本体210とを固定する固定ボルト16が外れたとしても、引掛片208Aが配線引込孔230の内側に引っ掛かり結合が維持されるため、器具本体210が落下することがない。
また、クランプ205の器具本体210に対する回転方向を変えるだけで、共通のクランプ205を用いて、器具本体210を地面から立設されたポール型、及びアーム型の支柱2のいずれにも設置することができる。
なお、本変形例の照明器具100において、上述の照明器具1と同様に、器具本体110の外面11に排水凹部40を設けて排水路42を形成してもよい。
また、本変形例の照明器具100も、上述の照明器具1と同様に、クランプ105の姿勢を変えることで、アーム型の支柱2に取り付けることができる。
【0069】
なお、本変形例において、上述した照明器具1と同様に、クランプ205には、係合面7Aの配線引出孔14を囲む壁部17、傾斜面34A、34B、及び、排水凹部40による排水路42を設けてもよい。
【0070】
上述した実施形態、及び変形例では、道路や街路を照明する照明器具に本発明を適用した場合を例示した。しかしながら、これに限らず、本発明は、支柱に取り付けられる任意の照明器具に適用可能である。