特許第6897193号(P6897193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6897193タンク内水位確認器具及びタンク内水位確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6897193
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】タンク内水位確認器具及びタンク内水位確認方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/48 20060101AFI20210621BHJP
   G01F 23/00 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   B65D90/48 A
   G01F23/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-53448(P2017-53448)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-154380(P2018-154380A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】広田 太志
(72)【発明者】
【氏名】空 秀昭
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04335606(US,A)
【文献】 特開2000−298051(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0268714(US,A1)
【文献】 実開昭50−011552(JP,U)
【文献】 実開昭56−102604(JP,U)
【文献】 実開昭54−148174(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D88/00−90/66
G01F23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油性液体を貯蔵するタンク内の水位を確認するために用いるタンク内水位確認器具であって、
透光性を有する長尺管と、
前記長尺管の一方端に設けられ、当該長尺管の一方端を開放あるいは閉塞する弾性体と、
を備え、
液体が前記長尺管の一方端から管内に流入可能に前記弾性体が開放固定された状態で、前記タンクに前記長尺管の一方端を下にして挿入され、前記タンクの底面に前記弾性体が突き当たり、当該弾性体が弾性変形して前記長尺管の一方端に嵌め込まれ、前記長尺管の一方端が閉塞固定され
前記長尺管は、少なくとも一方端に円形の開口を有する筒状の管体であり、
前記弾性体は、上端部が前記開口よりも直径が小さく、下端部が前記開口よりも直径が大きい略台形錐状の形状を有し、少なくとも前記開口と同径の仮栓位置の一部を含み切り欠かれた切欠き部を有する
タンク内水位確認器具。
【請求項2】
前記弾性体は、前記長尺管の一方端が閉塞固定された際に、前記長尺管の一方端の端面が突き当たる止栓部を有する
請求項に記載のタンク内水位確認器具。
【請求項3】
前記長尺管は、複数の管体が継手部によって接続されている
請求項1又は請求項2に記載のタンク内水位確認器具。
【請求項4】
油性液体を貯蔵するタンク内の水位を確認するために用いるタンク内水位確認器具であって、
透光性を有する長尺管と、
前記長尺管の一方端に設けられ、当該長尺管の一方端を開放あるいは閉塞する弾性体と、
を備え、
液体が前記長尺管の一方端から管内に流入可能に前記弾性体が開放固定された状態で、前記タンクに前記長尺管の一方端を下にして挿入され、前記タンクの底面に前記弾性体が突き当たり、当該弾性体が弾性変形して前記長尺管の一方端に嵌め込まれ、前記長尺管の一方端が閉塞固定され
前記長尺管の内壁面に沿う第1磁石と、
前記長尺管の外壁面に沿う第2磁石と、
を有し、
前記第1磁石と前記第2磁石とが前記長尺管を介して吸着することで、当該長尺管の一部がマスキングされる
タンク内水位確認器具。
【請求項5】
前記長尺管は、少なくとも一方端に円形の開口を有する筒状の管体であり、
前記弾性体は、上端部が前記開口よりも直径が小さく、下端部が前記開口よりも直径が大きい略台形錐状の形状を有し、少なくとも前記開口と同径の仮栓位置の一部を含み切り欠かれた切欠き部を有する
請求項に記載のタンク内水位確認器具。
【請求項6】
前記弾性体は、前記長尺管の一方端が閉塞固定された際に、前記長尺管の一方端の端面が突き当たる止栓部を有する
請求項に記載のタンク内水位確認器具。
【請求項7】
前記長尺管は、複数の管体が継手部によって接続されている
請求項から請求項の何れか一項に記載のタンク内水位確認器具。
【請求項8】
作業対象のタンクの運用を停止し、前記タンク内の液体を所定期間鎮静させる第1ステップと、
前記第1ステップの後、透光性を有する長尺管の内壁面に沿う第1磁石と前記長尺管の外壁面に沿う第2磁石とを、前記長尺管を介して吸着させ、前記長尺管の一部をマスキングする第2ステップと、
前記第2ステップの後、前記タンク内の液体が前記長尺管の一方端から管内に流入可能に弾性体が開放固定された状態で、前記タンクに前記長尺管の一方端を下にして挿入する第3ステップと、
前記第3ステップの後、前記タンクの底面に前記弾性体が突き当たった状態で、さらに前記長尺管を押し下げ、弾性体を弾性変形させて前記長尺管の一方端に嵌め込み、前記長尺管の一方端を前記弾性体によって閉塞固定する第4ステップと、
前記第4ステップの後、前記長尺管を前記タンクから引き揚げる第5ステップと、
前記第5ステップの後、前記長尺管から前記第1磁石と前記第2磁石とを取り外し、前記マスキングされていた前記長尺管の一部を露出させる第6ステップと、
を有する
タンク内水位確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内水位確認器具及びタンク内水位確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所などでは、原油、重油などの石油を貯蔵するため大型の浮き屋根式のタンクが広く使用されている。このような浮き屋根式のタンクは、タンク本体内に石油が貯蔵され、金属製の浮き屋根が貯蔵された石油に浮いた状態で設けられている。浮き屋根は、石油の液面の上下動に追従し移動できる構造であり、石油の漏洩及び蒸発を防止するため、タンク本体の内面に接するように外周部にシール材が設けられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−140341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような浮き屋根式のタンクは、一般に屋外に設置されるため、タンク本体の内面とシール材との隙間から雨水が浸入し易い。タンクの運用時にはタンク内の石油が撹拌され、タンク内に浸入した雨水が石油と混合された状態でボイラに送られる。雨水が混入した石油は、ボイラの焼き付けや失火の要因となる。また、タンクの腐食の要因にもなるため、定期的にタンク内に貯留した雨水の量を確認し、雨水を排出する必要がある。また、雨水の混入によってタンクの腐食の進行が早くなると、定期点検時におけるタンクの修繕費が増加する。
【0005】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであって、タンク内の水位を確認できるタンク内水位確認器具及びタンク内水位確認方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のタンク内水位確認器具は、油性液体を貯蔵するタンク内の水位を確認するために用いるタンク内水位確認器具であって、透光性を有する長尺管と、前記長尺管の一方端に設けられ、当該長尺管の一方端を開放あるいは閉塞する弾性体と、を備え、液体が前記長尺管の一方端から管内に流入可能に前記弾性体が開放固定された状態で、前記タンクに前記長尺管の一方端を下にして挿入され、前記タンクの底面に前記弾性体が突き当たり、当該弾性体が弾性変形して前記長尺管の一方端に嵌め込まれ、前記長尺管の一方端を閉塞固定する。
【0007】
本発明の望ましい態様として、前記長尺管は、少なくとも一方端に円形の開口を有する筒状の管体であり、前記弾性体は、上端部が前記開口よりも直径が小さく、下端部が前記開口よりも直径が大きい略台形錐状の形状を有し、少なくとも前記開口と同径の仮栓位置の一部を含み切り欠かれた切欠き部を有する。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記弾性体は、前記長尺管の一方端が閉塞固定された際に、前記長尺管の一方端の端面が突き当たる止栓部を有する。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記長尺管は、複数の管体が継手部によって接続されている。
【0010】
本発明の望ましい態様として、前記継手部は、前記管体の一方端に設けられた雌ねじと他方端に設けられた雄ねじとで構成されている。
【0011】
本発明の望ましい態様として、前記長尺管の内壁面に沿う第1磁石と、前記長尺管の外壁面に沿う第2磁石と、を有し、前記第1磁石と前記第2磁石とが前記長尺管を介して吸着することで、当該長尺管の一部がマスキングされる。
【0012】
本発明の望ましい態様として、前記長尺管は、不燃性の透明塩化ビニル管である。
【0013】
本発明の望ましい態様として、前記弾性体は、不燃性のゴム栓である。
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のタンク内水位確認方法は、作業対象のタンクの運用を停止し、前記タンク内の液体を所定期間鎮静させる第1ステップと、前記第1ステップの後、透光性を有する長尺管の内壁面に沿う第1磁石と前記長尺管の外壁面に沿う第2磁石とを、前記長尺管を介して吸着させ、前記長尺管の一部をマスキングする第2ステップと、前記第2ステップの後、前記タンク内の液体が前記長尺管の一方端から管内に流入可能に弾性体が開放固定された状態で、前記タンクに前記長尺管の一方端を下にして挿入する第3ステップと、前記第3ステップの後、前記タンクの底面に前記弾性体が突き当たった状態で、さらに前記長尺管を押し下げ、弾性体を弾性変形させて前記長尺管の一方端に嵌め込み、前記長尺管の一方端を前記弾性体によって閉塞固定する第4ステップと、前記第4ステップの後、前記長尺管を前記タンクから引き揚げる第5ステップと、前記第5ステップの後、前記長尺管から前記第1磁石と前記第2磁石とを取り外し、前記マスキングされていた前記長尺管の一部を露出させる第6ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、タンク内の水位を確認できるタンク内水位確認器具及びタンク内水位確認方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、浮き屋根式のタンクの基本的構成を示す縦断面図である。
図2図2は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の一例を示す開放固定状態における縦断面図である。
図3図3は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の一例を示す閉塞固定状態における縦断面図である。
図4図4は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の図2に示す開放固定状態における弾性体の上面視図である。
図5図5は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の図2に示すC−C断面図である。
図6図6は、実施形態に係るタンク内水位確認器具を用いたタンク内の水位確認作業の第1説明図である。
図7図7は、実施形態に係るタンク内水位確認器具を用いたタンク内の水位確認作業の第2説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0018】
(実施形態)
図1は、浮き屋根式のタンクの基本的構成を示す縦断面図である。タンク10は、屋外に設置された、例えば、高さが約22m、直径が約32m程度の円筒形の大型のタンクである。タンク10内には重原油等の石油(油性液体)100が貯蔵され、貯蔵された石油100に金属製の浮き屋根13が浮いた状態で設けられている。
【0019】
浮き屋根13は、石油100の液面101の上下動、すなわち底板12の底面12aから石油100の液面101までの深さDの変動に追従し移動できる構造を有している。また、浮き屋根13は、タンク10内に貯蔵された石油100の漏洩及び蒸発を防止するため、タンク10の外壁11の内壁面11aに接するように、外周部にシール材15が設けられている。
【0020】
タンク10の外壁11の下部には、ボイラー(図示せず)に石油100を送油するための送油ポンプPに接続された配管14が設けられている。また、配管14の下には、タンク10の外壁11の内壁面11aとシール材15との隙間から浸入した雨水200を排水するためのタンクブロー弁Vに接続された配管16が設けられている。
【0021】
浮き屋根13には、ハッチHが設けられている。本実施形態において、ハッチHは、タンク10の底部に貯留した雨水200の水位d、すなわちタンク10の底面12aから石油100と雨水200との境界面201までの深さを確認する際に開かれる。
【0022】
図2は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の一例を示す開放固定状態における縦断面図である。図3は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の一例を示す閉塞固定状態における縦断面図である。
【0023】
図2及び図3に示すように、実施形態に係るタンク内水位確認器具1は、基本的な構成として、例えば不燃性の透明塩化ビニル管等の筒状の透光性を有する長尺管2と、長尺管2の一方端に設けられた、例えば不燃性のゴム栓である弾性体3とを有する。
【0024】
長尺管2は、少なくとも一方端に円形の直径rの開口を有する筒状の管体である。長尺管2は、図2及び図3に示す例では、複数の管体21が継手部22によって接続されている。管体21の数は、タンク10の底面12aから石油100の液面101までの深さDにより決まる。より具体的には、タンク10の底面12aから石油100の液面101までの深さDよりも弾性体3を含むタンク内水位確認器具1の長さL1(L2)を長くする。なお、図3に示す閉塞固定状態におけるタンク内水位確認器具1の長さL2は、図2に示す開放固定状態におけるタンク内水位確認器具1の長さL1よりもΔLだけ短くなる(L2=L1−ΔL)。
【0025】
継手部22は、例えば、管体21の一方端に設けられた雌ねじと他方端に設けられた雄ねじとで構成されている。なお、継手部22の構造はこれに限るものではない。
【0026】
図4は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の図2に示す開放固定状態における弾性体の上面視図である。弾性体3は、上端部が長尺管2の開口の直径rよりも小さい直径r1であり、下端部が長尺管2の開口の直径rよりも大きい直径r2の略台形錐状の形状を有している。このため、弾性体3が長尺管2の開口に固定される程度に弾性体3が弾性変形した仮栓状態において、長尺管2の一方端は、長尺管2の開口と同径の仮栓位置Aにおいて内縁部が接する。
【0027】
弾性体3には、仮栓位置Aの一部を含む切欠き部31が設けられている。図4に示す例では、弾性体3の上端部から仮栓位置Aを含む切欠き部31が2箇所に設けられている。これにより、図2に示す実線矢示のように、弾性体3が長尺管2の開口に固定される程度に弾性体3が弾性変形した仮栓状態において、切欠き部31と長尺管2の開口との間に、長尺管2の管内に液体が流入可能な通流経路が設けられ、長尺管2に弾性体3が開放固定される。なお、弾性体3に設けられる切欠き部31の数はこれに限るものではなく、例えば、1箇所又は3箇所以上の複数箇所に設けても良い。また、弾性体3に設けられる切欠き部31の形状はこれに限るものではなく、少なくとも長尺管2の開口と同径の仮栓位置Aの一部を含む領域が切り欠かれ、長尺管2の管内に液体が流入可能な通流経路が設けられていれば良い。
【0028】
また、弾性体3には、略台形錐状の下端部に直径r2よりも大きい止栓部32が設けられている。これにより、タンク内水位確認器具1に対し、図2に示す破線矢示方向に力が加えられることで、図3に示すように、弾性体3が弾性変形して完封位置Bにおいて止栓部32に長尺管2の一方端の端面が突き当たり、長尺管2に弾性体3が閉塞固定される。
【0029】
図5は、実施形態に係るタンク内水位確認器具の図2に示すC−C断面図である。図5に示すように、実施形態に係るタンク内水位確認器具1は、長尺管2の内壁面23に沿う第1磁石4と、長尺管2の外壁面24に沿う第2磁石5とが長尺管3を介して吸着することで、長尺管3の一部がマスキングされている。
【0030】
また、図2から図5に示すように、弾性体3、第1磁石4、第2磁石5は、それぞれ長尺管2の上端部よりも上に延びるワイヤW1,W2,W3に接続されている。これにより、タンク10内の水位確認作業中に弾性体3、第1磁石4、第2磁石5が長尺管2から外れた場合でも、弾性体3、第1磁石4、第2磁石5を回収可能となる。
【0031】
次に、上述したタンク内水位確認器具1を用いたタンク10内の水位確認作業の手順について、図1から図7の各図を参照して説明する。図6は、実施形態に係るタンク内水位確認器具を用いたタンク内の水位確認作業の第1説明図である。図7は、実施形態に係るタンク内水位確認器具を用いたタンク内の水位確認作業の第2説明図である。
【0032】
タンク10内の水位確認作業を実施する際には、作業対象のタンク10の運用を停止し、所定期間(例えば、2日から3日程度)鎮静させ、タンク10内の石油100と雨水200とを分離させておく。
【0033】
タンク10内の水位確認作業では、まず、浮き屋根13のハッチHを開き、図2に示す長尺管2の一方端の開口の内縁部が仮栓位置Aに接した開放固定状態のタンク内水位確認器具1を、石油100の液面101に対して垂直に挿入する。
【0034】
このとき、作業者は、長尺管2の管内に流入する石油100の液面位置を確認しながら、タンク内水位確認器具1を徐々に挿入していく。弾性体3の切欠き部31と長尺管2の開口との間に設けられた通流経路の大きさや、石油100の粘度によっては、長尺管2の管内への石油100の流入速度が遅い場合がある。このため、弾性体3の切欠き部31と長尺管2の開口との間に設けられる通流経路は、長尺管2の開口の大きさに対して出来るだけ大きい方が望ましい。
【0035】
弾性体3が開放固定された長尺管2の一方端の端面が石油100と雨水200との境界面201に至るまでは、弾性体3の切欠き部31と長尺管2の開口との間に設けられる通流経路から石油100が長尺管2に流入し、石油100と雨水200との境界面201を超えると、タンク10の底部に貯留した雨水200が長尺管2に流入する。
【0036】
タンク内水位確認器具1の先端、すなわち、長尺管2の一方端に開放固定された弾性体3がタンク10の底面12aに突き当たると、作業者は、さらにタンク内水位確認器具1に対し、図2及び図6に示す破線矢示方向に力を加えて長尺管2を押し下げる。これにより、図4及び図6に示すように、弾性体3が弾性変形して完封位置Bにおいて止栓部32に長尺管2の一方端の端面が突き当たり、長尺管2に弾性体3が閉塞固定される。このとき、長尺管2内の水位は、タンク10の底部に貯留した雨水200の水位dと略一致する。
【0037】
その後、作業者は、タンク内水位確認器具1をタンク10から引き揚げ、タンク内水位確認器具1の全体がタンク10に貯蔵された石油100の液面101よりも上に引き上げられた状態で、長尺管2の外壁面24に取り付けた第2磁石5を外す。これにより、長尺管2の内壁面23に取り付けた第1磁石4が外れ、第1磁石4及び第2磁石5によってマスキングされていた長尺管2の一部が露出する(図7)。
【0038】
第1磁石4及び第2磁石5によってマスキングされていない長尺管2の他の箇所は、内壁面23及び外壁面24に石油100が付着して長尺管2内の水位が確認し辛い。本実施形態では、第1磁石4及び第2磁石5によって長尺管2の一部をマスキングし、第1磁石4及び第2磁石5を外した際に石油100が付着していない箇所を図7に示す矢示方向から観測することで、タンク10の底部に貯留した雨水200の水位dと略一致した長尺管2内の水位を視認し易くなる。
【0039】
ここで、第1磁石4及び第2磁石5は、タンク10における水抜き要否判定の基準となる基準水位を含む位置に設ければ良い。例えば、長尺管2内の水位が基準水位よりも高いか、又は、第1磁石4及び第2磁石5によってマスキングされていた全領域で雨水200が視認できる状態であれば、タンクブロー弁Vを開放して雨水200を排水する必要があるものと判断し、長尺管2内の水位が基準水位以下であるか、又は、第1磁石4及び第2磁石5によってマスキングされていた全領域で石油100が視認できる状態であれば、排水不要と判断する。なお、タンク10内に貯留した雨水200の排水要否判定手法により本発明が限定されるものではない。
【0040】
以上説明したように、実施形態に係るタンク内水位確認器具1は、透光性を有する長尺管2と、長尺管2の一方端に設けられ、この長尺管2の一方端を開放あるいは閉塞する弾性体3と、を備える。タンク10内に貯蔵された石油100又はタンク10の底部に貯留した雨水200が長尺管2の一方端から管内に流入可能に弾性体3が開放固定された状態で、タンク10に長尺管2の一方端を下にして石油100の液面101に対して垂直に挿入され、タンク10の底部に弾性体3が突き当たり、この弾性体3が弾性変形して長尺管2の一方端に嵌め込まれ、長尺管2の一方端が閉塞固定される。
【0041】
より具体的には、長尺管2は、少なくとも一方端に円形の開口を有する筒状の管体であり、例えば、不燃性の透明塩化ビニル管である。また、弾性体3は、例えば、不燃性のゴム栓である。
【0042】
弾性体3は、上端部が長尺管2の開口の直径rよりも小さい直径r1であり、下端部が長尺管2の開口の直径rよりも大きい直径r2の略台形錐状の形状を有している。このため、弾性体3が長尺管2の開口に固定される程度に弾性体3が弾性変形した仮栓状態において、長尺管2の一方端は、長尺管2の開口と同径の仮栓位置Aにおいて内縁部が接する。
【0043】
また、弾性体3には、仮栓位置Aの一部を含む切欠き部31が設けられている。これにより、弾性体3が長尺管2の開口に固定される程度に弾性体3が弾性変形した仮栓状態において、切欠き部31と長尺管2の開口との間に、長尺管2の管内に液体が流入可能な通流経路が設けられ、長尺管2に弾性体3が開放固定される。
【0044】
また、弾性体3には、略台形錐状の下端部に直径r2よりも大きい止栓部32が設けられている。
【0045】
長尺管2の一方端の開口の内縁部が仮栓位置Aに接した開放固定状態のタンク内水位確認器具1は、石油100の液面101に対して垂直に挿入される。弾性体3が開放固定された長尺管2の一方端の端面が石油100と雨水200との境界面201に至るまでは、弾性体3の切欠き部31と長尺管2の開口との間に設けられる通流経路から石油100が長尺管2に流入し、石油100と雨水200との境界面201を超えると、タンク10の底部に貯留した雨水200が長尺管2に流入する。
【0046】
長尺管2の一方端に開放固定された弾性体3がタンク10の底板12の底面12aに突き当たり、さらに長尺管2を押し下げると、弾性体3が弾性変形して完封位置Bにおいて止栓部32に長尺管2の一方端の端面が突き当たり、長尺管2に弾性体3が閉塞固定される。
【0047】
これにより、長尺管2内の水位は、タンク10の底部に貯留した雨水200の水位dと略一致する。従って、タンク内水位確認器具1をタンク10から引き揚げ、長尺管2内の水位を確認することで、タンク10の底部に貯留した雨水200の水位dを確認することができる。
【0048】
また、実施形態に係るタンク内水位確認器具1は、長尺管2の内壁面23に沿う第1磁石4と、長尺管2の外壁面24に沿う第2磁石5とが長尺管3を介して吸着することで、長尺管3の一部がマスキングされている。
【0049】
タンク内水位確認器具1がタンク10から引き揚げられた後、第1磁石4及び第2磁石5を取り外し、第1磁石4及び第2磁石5によってマスキングされて石油100が付着していない箇所を観測することで、長尺管2内の水位を視認し易くなる。
【0050】
また、実施形態に係るタンク内水位確認器具1は、複数の管体21が継手部22によって接続されて長尺管2が構成される。これにより、タンク10の底板12の底面12aから石油100の液面101までの深さDに応じて、タンク内水位確認器具1の長さL1(L2)を調整することができる。
【0051】
また、実施形態に係るタンク内水位確認器具1は、作業対象のタンク10の運用を停止し、タンク10内の石油100及び雨水200を所定期間鎮静させる第1ステップと、透光性を有する長尺管2の内壁面に沿う第1磁石4と長尺管2の外壁面に沿う第2磁石5とを、長尺管2を介して吸着させ、長尺管2の一部をマスキングする第2ステップと、タンク10内の液体が長尺管2の一方端から管内に流入可能に弾性体3が開放固定された状態で、タンク10に長尺管2の一方端を下にして挿入する第3ステップと、タンク10の底面12aに弾性体3が突き当たった状態で、さらに長尺管2を押し下げ、弾性体3を弾性変形させて長尺管2の一方端に嵌め込み、長尺管2の一方端を弾性体3によって閉塞固定する第4ステップと、長尺管2をタンク10から引き揚げる第5ステップと、長尺管2から第1磁石4と第2磁石5とを取り外し、マスキングされていた長尺管2の一部を露出させる第6ステップと、を有する。
【0052】
これにより、長尺管2内の水位を確認することで、タンク10の底部に貯留した雨水200の水位dを確認することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 タンク内水位確認器具
2 長尺管(透明塩化ビニル管)
3 弾性体(ゴム栓)
4 第1磁石
5 第2磁石
10 タンク
11 外壁(タンク)
11a 内壁面(タンク)
12 底板
12a 底面
13 浮き屋根
14 配管
15 シール材
16 配管
21 管体
22 継手部
23 内壁面(長尺管)
24 外壁面(長尺管)
31 切欠き部
32 止栓部
100 石油(油性液体)
101 液面(石油)
200 雨水
201 境界面
H ハッチ
P 送油ポンプ
V タンクブロー弁
W1,W2,W3 ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7