特許第6897211号(P6897211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社富士通ゼネラルの特許一覧

<>
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000002
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000003
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000004
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000005
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000006
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000007
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000008
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000009
  • 特許6897211-空気調和機の天井埋込型室内機 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6897211
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】空気調和機の天井埋込型室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20210621BHJP
   F24F 1/0047 20190101ALI20210621BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   F24F1/0007 401E
   F24F1/0047
   F24F13/20 207
   F24F13/32
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-57873(P2017-57873)
(22)【出願日】2017年3月23日
(65)【公開番号】特開2018-159525(P2018-159525A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2020年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002653
【氏名又は名称】特許業務法人アズテックIP
(72)【発明者】
【氏名】横井 裕貴
【審査官】 浅野 弘一郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0045259(US,A1)
【文献】 特開平11−201496(JP,A)
【文献】 特開平09−060917(JP,A)
【文献】 特開2016−191492(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0290662(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 1/0047
F24F 13/20
F24F 13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に空気吸込口が形成され該空気吸込口の周囲に複数の空気吹出口が形成された化粧パネルと、下部に大口径部が形成され上部に小口径部が形成され前記大口径部が前記化粧パネルの前記空気吸込口の上方になるよう配置されるベルマウスと、該ベルマウスの前記小口径部の上部に配置される送風機と、該送風機及び前記ベルマウスを囲むように配置される筒形状の熱交換器と、前記ベルマウスの下部に配置される電装品箱と、前記ベルマウスの下部で前記電装品箱の近傍に配置される直方体形状のスイッチボックスとを備える空気調和機の天井埋込型室内機において、
前記スイッチボックスは、スイッチ基板が操作部を下方に向けた状態で搭載されるボックス本体と、該ボックス本体の前記下面を閉じるボックス蓋とで構成され、
前記ボックス本体は、対向する第1壁部及び第2壁部を備え前記スイッチ基板に対応した大きさの底面の四周から立設された周壁と、前記第1壁部の端部から外方向に突出して形成されたヒンジと、前記第2壁部の端部から外方向に突出して形成された第1ネジ止め部とを備え、
前記ヒンジは、前記第1壁部の端部から外方向に伸びる引出片と、該引出片の先端から前記ボックス本体の前記底面方向に向かう方向で且つ前記第1壁部に平行な方向に伸びる立上り片とからなる、L字形状であり、
前記ボックス蓋は、前記ボックス本体に対して前記ボックス蓋を閉じるとき前記第1壁部の側となる第1辺と、前記ボックス本体に対して前記ボックス蓋を閉じるとき前記第2壁部の側となる第2辺と、前記第1辺の側に前記ボックス本体の前記ヒンジが挿通するよう形成されたスリットと、前記第2辺の側に前記ボックス本体の前記第1ネジ止め部にネジ止めされるよう形成された第2ネジ止め部とを備え、
前記ボックス蓋は、前記スリットが前記ボックス本体の前記ヒンジに挿通され、前記第2ネジ止め部が前記ボックス本体の前記第1ネジ止め部から離れると、前記スリットを支点に前記ボックス本体の前記ヒンジから垂れ下がる、
ことを特徴とする空気調和機の天井埋込型室内機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機の天井埋込型室内機において、
前記ボックス本体の前記ヒンジの前記立上り片から前記第1ネジ止めまでの長さは、前記ボックス蓋の前記スリットから前記第2ネジ止め部までの長さより長く設定されていることを特徴とする空気調和機の天井埋込型室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の天井に埋め込んで設置される空気調和機の天井埋込型室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の天井埋込型室内機は、一般的に、図5図7に示すように構成されている(例えば、特許文献1)。1は板金製の略直方体形状の筐体であり、上面が天板1aで閉じられ側面周囲が側板1bで閉じられ下面が開口している。そして、側板1bの内壁に断熱材2が貼付され、側板1bの4か所の角部分1b1の外側に、吊り金具によって天井の梁等に室内機全体を吊り下げるための吊下げ具3が取り付けられている。
【0003】
この筐体1の天板1aの内側の中央にはモータ4が取り付けられ、このモータ4の下方に突出する出力軸4aにターボファン5が結合している。このモータ4とターボファン5により送風機が構成されている。6は下面部からみた形状が四角筒形状の熱交換器である。7は発泡樹脂製のドレンパンであり、熱交換器6で生じる結露水を回収溝7aに集める。
【0004】
8は化粧パネルであり、中央部分に空気吸込口8aが形成され、その空気吸込口8aの周囲の4か所に空気吹出口8bが形成されている。9は化粧パネル8の空気吸込口8aから吸い込まれる空気をターボファン5にガイドするベルマウスであり、下部が大口径に上部が小口径に形成され、下部の上面肩部分9aがドレンパン7の内周縁部7bの下面に押し付けられるように組み込まれている。熱交換器6は、このベルマウス9とターボファン5を囲むように配置されている。
【0005】
10は熱交換器6を通過した空気を空気吹出口8bにガイドする送風ガイド、11は化粧パネル8の空気吸込口8aの内側に配置される除塵用のフィルタである。12はモータ4その他を制御する制御基板が内部に搭載された電装品箱であり、ベルマウス9の下部に配置されている。13は天井埋込型室内機が配置される室内天井板である。
【0006】
ところで、複数の室内機を1又は複数の室外機に接続して冷凍サイクルが構成できるようにし、個々の室内機に電子膨張弁を装備させて、個々の室内機において冷媒の流量を個別制御できるようにするには、個々の室内機に個別のアドレスを設定する必要がある。このため従来では、アドレス設定用のスイッチ基板30を搭載した図8図9に示すようなスイッチボックス50を、通風路への影響を低減するために、図6に示すように、ベルマウス9の下面の電装品箱12の近くの隅部9bに埋込搭載している。
【0007】
このスイッチボックス50は、板金製のボックス本体51とそのボックス本体51のボックス内部51aを閉じる板金製のボックス蓋52で構成され直方体形状である。ボックス本体51は、ボックス内部51aにスイッチ基板30を搭載する2個のボス51b,51cと、電装品箱12に接続されるケーブル40をクランパ51dで固定するケーブル固定部51eと、ボックス蓋52を取り付けるための取付片51f、51gと、ベルマウス9への取付片51hとを備える。なお、ボックス蓋52を取り付けるための取付片51fはベルマウス9への取付片としても機能する。
【0008】
ボックス蓋52は、両端に取付片52a,52bを備える。一方の取付片52aには、ネジB2の頭部より狭くネジ部より広いU字形状の切欠き部52a1が形成されている。他方の取付片52bには、図9において左側にネジB3の頭部より狭くネジ部より広いスリット部52b1が形成され、そのスリット部52b1に連続する図9において右側にネジB3の頭部より広いガイド孔52b2が形成されている。
【0009】
そして、ボックス本体51の取付片51fのネジ部51f1、取付片51gのネジ部51g1にそれぞれネジB2、B3を仮止めしておいてから、ボックス蓋52のガイド孔52b2がネジB3に入るようにそのボックス蓋52をボックス本体51に押し付けて、ボックス蓋52の切欠き52a1がネジB2に向き合うように位置づけしてから、そのボックス蓋52を矢印D方向にスライドさせる。これによって、ボックス蓋52の切欠き52a1がネジB2のネジ部に嵌り込み、スリット52b1がネジB3のネジ部に位置する。よって、この状態でネジB2,B3を締め付ければ、図9(a)に示すように、ボックス本体51のボックス内部51aがボックス蓋52によって閉じられ、スイッチ基板30が保護される。
【0010】
また、ネジB2,B3を緩めてから、ボックス蓋52を図9(b)に示すように矢印E方向にスライドさせれば、切欠き52a1がネジB2から外れ、ネジB3がガイド孔52b2に位置するので、そのボックス蓋52をボックス本体51から取り外すことができ、この状態でスイッチ基板30に対するアクセスが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4582818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、このスイッチボックス50は、ボックス蓋52をボックス本体51から完全に取り外さなければ、スイッチ基板30に対する完全なアクセスができないという問題があり、その作業が煩雑であった。また、ボックス本体51に、スイッチ基板30を保持させるためにボス51b,51cやクランパ51dが必要であり、ボックス蓋52をボックス本体51に取り付けるために2個のネジB2,B3も必要であり、部品点数が多くなる問題もあった。
【0013】
本発明の目的は、ボックス蓋をボックス本体から完全に取り外さなくても内部のスイッチ基板にアクセスでき、さらに部品点数も削減できるようにした空気調和機の天井埋込型室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、中央に空気吸込口が形成され該空気吸込口の周囲に複数の空気吹出口が形成された化粧パネルと、下部に大口径部が形成され上部に小口径部が形成され前記大口径部が前記化粧パネルの前記空気吸込口の上方になるよう配置されるベルマウスと、該ベルマウスの前記小口径部の上部に配置される送風機と、該送風機及び前記ベルマウスを囲むように配置される筒形状の熱交換器と、前記ベルマウスの下部に配置される電装品箱と、前記ベルマウスの下部で前記電装品箱の近傍に配置され前記ベルマウスに形成されたボスに取り付けられる直方体形状のスイッチボックスとを備える空気調和機の天井埋込型室内機において、前記スイッチボックスは、スイッチ基板が操作部を下方に向けた状態で搭載されるボックス本体と、該ボックス本体の前記下面を閉じるボックス蓋とで構成され、前記ボックス本体は、対向する第1壁部及び第2壁部を備え前記スイッチ基板に対応した大きさの底面の四周から立設された周壁と、前記第1壁部の端部から外方向に突出して形成されたヒンジと、前記第2壁部の端部から外方向に突出して形成された第1ネジ止め部とを備え、前記ヒンジは、前記第1壁部の端部から外方向に伸びる引出片と、該引出片の先端から前記ボックス本体の前記底面方向に向かう方向で且つ前記第1壁部に平行な方向に伸びる立上り片とからなる、L字形状であり、前記ボックス蓋は、前記ボックス本体に対して前記ボックス蓋を閉じるとき前記第1壁部の側となる第1辺と、前記ボックス本体に対して前記ボックス蓋を閉じるとき前記第2壁部の側となる第2辺と、前記第1辺の側に前記ボックス本体の前記ヒンジが挿通するよう形成されたスリットと、前記第2辺の側に前記ボックス本体の前記第1ネジ止め部にネジ止めされるよう形成された第2ネジ止め部とを備え、前記ボックス蓋は、前記スリットが前記ボックス本体の前記ヒンジに挿通され、前記第2ネジ止め部が前記ボックス本体の前記第1ネジ止め部から離れると、前記スリットを支点に前記ボックス本体の前記ヒンジから垂れ下がる、ことを特徴とする。
請求項にかかる発明は、請求項1に記載の空気調和機の天井埋込型室内機において、前記ボックス本体の前記ヒンジの前記立上り片から前記第1ネジ止めまでの長さは、前記ボックス蓋の前記スリットから前記第2ネジ止め部までの長さより長く設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のスイッチボックスによれば、ボックス蓋の第2ネジ止め部をボックス本体の第1ネジ止め部から外せば、ボックス蓋がボックス本体から垂れ下がるので、その状態でボックス本体内のスイッチ基板へのアクセスが可能となる。つまり、通常のメンテナンスではボックス蓋を完全に取り外す必要がなくなる。また、スイッチボックスの部品点数もボックス本体とボックス蓋と1個のネジの3点に削減できる
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】化粧パネルを取り外した状態の本発明の実施例の空気調和機の天井埋込型室内機の下面図である。
図2】本発明の実施例のスイッチボックスのボックス本体の上を向けた状態の斜視図である。
図3】(a)は本発明の実施例のスイッチボックスのボックス本体の下面図、(b)はボックス蓋の下面図である。
図4】(a)は本発明の実施例のスイッチボックスのボックス蓋を閉じた状態の下面斜視図、(b)はボックス蓋を開いた状態の下面斜視図である。
図5】従来の空気調和機の天井埋込型室内機の下面からみた斜視図である。
図6】従来の空気調和機の天井埋込型室内機の化粧パネルを取り外した状態の下面図である。
図7図6のVII−VII線断面図である。
図8】従来のスイッチボックスのボックス本体の上を向けた状態の斜視図である。
図9】(a)は従来のスイッチボックスのボックス蓋を閉じた状態の下面斜視図、(b)はボックス蓋をスライドさせた状態の下面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の実施例の直方体形状のスイッチボックス20を取り付けた空気調和機の天井埋込型室内機の下面図であり、ここでは化粧パネル8を取り外している。スイッチボックス20は、ベルマウス9の下部において、電装品箱12の端部12aに最も近い1つの隅部9bに形成された2個のボス9c1、9c2に、図示しないネジによって取り付けられる。このスイッチボックス20は、図2図4に示すように、樹脂製のボックス本体21と樹脂製のボックス蓋22で構成され、内部にスイッチ基板30が搭載される。
【0018】
ボックス本体21は、底面21aと、その底面21aの四周から立設された壁部21b1,21b2,21b3,21b4で形成された周壁21bと、ボックス本体21をベルマウス9のボス9b1,9b2に取り付けるための取付片21c,21dと、ボックス蓋22をボックス本体21に係合するためのヒンジ21eと、ボックス蓋22をボックス本体21にネジ止めするためのボス21f(請求項記載の第1ネジ止め部)を有する。
【0019】
取付片21c,21dは、周壁21bの互いに平行で対向する壁部21b1,21b2の外面から外方向に突出するように形成されている。ヒンジ21eは、壁部21b3(請求項記載の第1壁部)からその壁部21b3に垂直方向で且つ底面21aと反対側である下面側の端部から底面21aに平行に外方向に伸びる引出片21e1と、引出片21e1の先端から底面21aに向かう方向で且つ壁部21b3に平行な方向に伸びる立上り片21e2とからなる、厚みがt1のL字形状に形成されている。そして、立上り片21e2の高さH1は、図2に示すように、壁部21b3の高さH2よりも低く(H1<H2)なっている。ボス21fは、周壁21bの開口面側から壁部21b3の反対側の壁部21b4(請求項記載の第2壁部)に直交する外方向に壁部21b3から伸びるように形成され、そこにはネジ穴21f1が形成されている。
【0020】
ボックス本体21はさらに、第1ケーブルガイド21g、第2ケーブルガイド21h、第3ケーブルガイド21i、第4ケーブルガイド21jを備える。
【0021】
第1ケーブルガイド21gはヒンジ21eが形成された壁部21b3の側に、周壁21bの下面側からU形に切り欠いた形状に形成されている。第2ケーブルガイド21hは、壁部21b3の外面に先端が底面21aの方向に曲折するようL字形状に形成されている。この第2ケーブルガイド21hは、図3に示すように、壁部21b3の内の第1ケーブルガイド21gの側の壁部21b31の外面からの突出長さL1が、ヒンジ21eの立上り片21e2と壁部21b3の間の距離L2の半分程度になる(L1<L2)ように形成されている。第3ケーブルガイド21iは、壁部21b2の外面か突出し周壁21bの下面方向に曲折するように、L字形状に形成されている。第4ケーブルガイド21jは、壁部21b2の外面から突出し第2ケーブルガイド21hと同様な向きに曲折するようにL字形状に形成されている。
【0022】
ボックス本体21にはさらに、周壁21bの壁部21b3の内面に2個の基板受けガイド21kと21lが形成され、壁部21b4の内面に2個の基板受けガイ21mと21nが形成されている。また、壁部21b1の内面に1個の基板固定弾性爪21oが形成され、壁部21b2の内面に1個の基板固定弾性爪21pが形成されている。さらに、壁部21b1の内面には型抜き孔21qが形成され、壁部21b2の内面には型抜き孔21rが形成されている。
【0023】
基板受けガイド21k,21l,21m,21nは、ボックス本体21内に押し付けられるスイッチ基板30の縁部を受け止めるためのものであり、基板固定弾性爪21o,21pは基板受けガイド21k〜21nに押し付けたスイッチ基板30が外れないようにそのスイッチ基板30の縁部をロックするためのものである。型抜き孔21q,21rは、基板固定弾性爪21o,21pを樹脂成形するためのものである。
【0024】
四角形状のボックス蓋22は、ボックス本体21の周壁21bの内側を完全に閉じる大きさより若干大きく形成されている。そして、ボックス蓋22の1つの辺22a(請求項記載の第1辺)の側に、ボックス本体21の厚みt1のヒンジ21eが挿入される幅がW1(W1>t1)の全周が閉じたスリット22bが形成されている。そして、スリット22bと辺22aの外縁22a1の間の幅W2は、前記したボックス本体21の高さH1とH2の差(H2−H1)よりも狭くなっている(W2<H2−H1)。
【0025】
また、辺22aと反対側の辺22c(請求項記載の第2辺)に切欠き部22d(請求項記載の第2ネジ止め部)が形成されている。この切欠き部22dは、ボックス本体21のボス21fのネジ穴21f1に螺合するネジB1の頭部が係合する第2ネジ止め部として機能し、辺22aと反対方向が開口するよう形成され、その切欠き部22dの周囲の縁部には平らな平坦部22b1が形成されている。この切欠き部22dの幅W3は、ネジB1のネジ部よりも広く頭部よりも狭く形成されている。
【0026】
ボックス本体21のヒンジ21eの立上り片21e2の内面からボス21fのネジ穴21f1までの長さL3は、ボックス蓋22のスリット22bの外側の面から切欠き部22dの形成された辺22cまでの長さL4よりも、長く(L4<L3)設定されている。
【0027】
スイッチ基板30には、図2に示すように、複数のロータリスイッチ31、複数のディップスイッチ32、コネクタ33が搭載されている。
【0028】
ケーブル40は、一方の端部に、スイッチ基板30のコネクタ33に結合するコネクタ41が接続され、そのコネクタ41から引き出されたケーブル40は、ボックス本体21の第1ケーブルガイド21g、第2ケーブルガイド21h、第3ケーブルガイド21i、及び第4ケーブルガイド21jにより、順次曲折してガイドされている。そして、他方の端部が電装品箱12に接続される。このようにケーブル40は第1乃至第4ケーブルガイド21g,21h,21i,21jで曲折してガイドされることで、引き抜け難いようになっている。
【0029】
さて、本実施例のボックス本体21は、周壁21bで囲まれた底面21aに、ロータリスイッチ31やディップスイッチ32等の操作部が外側を向く姿勢でスイッチ基板30を押し込むと、そのスイッチ基板30の縁部が、基板受けガイド21k〜21nと基板固定弾性爪21o,21pで挟持されて、脱落し難いように取り付けられる。
【0030】
スイッチボックス20の組み立ては、まず、ボックス本体21の取付片21c,21dを、周壁21bで囲まれた底面21aが下方を向くようにベルマウス9の隅9bのボス9c1,9c2に、図示しないネジによって取り付ける。このとき、ボス9c1,9c2の高さを、ボックス本体21の取付片21c、21dの底面21aの裏面(つまり、ボックス本体21の上面:図示せず)からの高さに応じて設定しておくことで、ベルマウス9にボックス本体21を埋め込ませるための凹部を形成する必要はなくなる。ボックス蓋22は、図3(b)に示した下面22eを下向きの姿勢にして、そのスリット22bをボックス本体21のヒンジ21eの立上り片21e2に挿入する。
【0031】
そして、そのボックス蓋22を、ボックス本体21の周壁21bで囲まれた底面21aを閉じるように回動させてから、引出片21e1に沿ってボス21fの方向(図4(a)に示す矢印A方向)にスライドさせると、そのボックス蓋22の切欠き部22dがボックス本体21のボス21fに合致する。このとき、ボックス本体21のボス21fのネジ穴21f1に予めネジB1を仮り止めしておけば、ボックス蓋22の切欠き部22dがそのネジB1のネジ部に嵌め込まれる。そこで、この状態でネジB1をさらにネジ込めば、そのネジB1の頭部が切欠き部22dの周囲の平坦部22d1に締め付けられ、図4(a)に示すように、ボックス蓋22によってボックス本体21の底面21aが閉じられ、ボックス本体21の内部に取り付けられたスイッチ基板30が保護される。
【0032】
次に、ネジB1を緩めてから、ボックス蓋22を矢印A方向と反対方向に手によって若干スライドさせると、ボックス蓋22の切欠き部22dがネジB1から外れるので、そこで手を離すとボックス蓋22がが自重によって、図4(b)に示すように、ボックス本体21のヒンジ21eを支点にして矢印Bの方向に垂れ下がる。このときボックス蓋22は、そのスリット22bがヒンジ21eの立上り辺21e2にガイドされているので、脱落が防止される。
【0033】
そして、ボックス蓋22を、下面22eが上向きとなるように矢印C方向に回動させて、さらにヒンジ21eの立上り辺21e2の高さH1だけ持ち上げれば、ボックス蓋22のスリット22bがボックス本体21のヒンジ21eから外れるので、ボックス蓋22をボックス本体21から取り外すことができる。
【0034】
このように、ネジB1を緩めてボックス蓋22を矢印Aと反対方向に若干スライドさせるのみで、ボックス蓋22がボックス本体21から外れて垂れ下がるので、スイッチ基板30の操作を行う通常のメンテナンスは、この状態で行うことができる。また、スイッチ基板30の交換やケーブル40の着脱の際には、ボックス蓋22が邪魔になるようであれば、そのボックス蓋22を簡単に取り外すことができる。
【0035】
以上から、本実施例のスイッチボックス20によれば、ボックス本体21の下面を簡単に開放させることができ、その状態でボックス本体21内のスイッチ基板30へのアクセスが可能となる。つまり、通常のメンテナンスではボックス蓋22を完全に取り外す必要がなくなる。また、ベルマウス9には取付用の所定長さのボス9c1,9c2を形成すればよく、ボックス本体21の埋込用の凹部をベルマウス9に形成する必要はない。このため、ベルマウス9の大幅な設計変更は必要ない。さらに、スイッチボックス20の部品点数もボックス本体21とボックス蓋22と1個のネジB1の3点に削減できる。さらに、ボックス蓋22は上下の抜き型のみで樹脂成型することできるので、スイッチボックスを小型化できるとともに、その製造コストを低減することができる。
【0036】
なお、スイッチ基板30のボックス本体21への取り付けは、基板受けガイド21k〜21nと基板固定弾性爪21o,21pを使用せずに、ネジを使用して行ってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1:筐体、1a:天板、1b:側板
2:断熱材
3:吊下げ具
4:モータ、4a:出力軸
5:ターボファン
6:熱交換器
7:ドレンパン、7a:回収溝、7b:内周縁部
8:化粧パネル、8a:空気吸込口、8b:空気吹出口
9:ベルマウス、9a:肩部、9b:隅部、9c1,9c2:ボス
10:送風ガイド
11:フィルタ
12:電装品箱、12a:端部
13:室内天井板
20:スイッチボックス
21:ボックス本体、21a:底面、21b:周壁、21b1〜21b4,21b31:壁部、21c,21d:取付片、21e:ヒンジ、21e1:引出片、21e2:立上り片、21f:ボス(第1ネジ止め部)、21f1:ネジ穴、21g:第1ケーブルガイド、21h:第2ケーブルガイド、21i:第3ケーブルガイド、21j:第4ケーブルガイド、21k,21l,21m,21n:基板受けガイド、21o,21p:基板固定弾性爪、21q,21r:型抜き孔
22:ボックス蓋、22a:辺、22b:スリット、22c:辺、22d:切欠き部(第2ネジ止め部)、22d1:平坦部、22e:下面
30:スイッチ基板、31:ロータリスイッチ、32:ディップスイッチ、33:コネクタ
40:ケーブル、41:コネクタ
50:スイッチボックス
51:ボックス本体、51a:ボックス内部、51b,51c:ボス、51d:クランパ、51e:ケーブル固定部、51f:取付片、51f1:ネジ穴、51g:取付片、51g1:ネジ穴、51h:取付片
52:ボックス蓋、52a:取付片、52a1:切欠き、52b:取付片、52b1:スリット部、42b2:ガイド孔

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9