(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1電極シートの両面がセパレータで覆われた第1電極ユニットと、前記第1電極シートとは極性の異なる第2電極シートと、が交互に積層された電極体を有する蓄電装置であって、
前記第1電極シートは、矩形状の集電部と、前記集電部の1辺に設けられたタブ部と、を備えた金属箔を有し、
前記金属箔は、前記集電部において、当該金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに前記第1面とは反対側の第2面に第2面活物質層を有し、
前記タブ部は、前記金属箔が露出されており、
前記第1面活物質層は、前記集電部における前記第1面に沿って設けられた第1面平行部と、前記集電部における前記第1面の一辺であるテーパ辺と前記第1面平行部との間に設けられているとともに前記第1面活物質層の厚み方向において前記集電部の内方側に傾斜した第1面テーパ部と、前記第1面平行部と前記第1面テーパ部との間で前記第1面平行部と前記第1面テーパ部とに亘って曲面状に連続した第1面湾曲部と、を有し、
前記第2面活物質層は、前記集電部における前記第2面に沿って設けられた第2面平行部と、前記集電部における前記第2面の一辺であって前記テーパ辺と対応する一辺から連続して設けられているとともに前記第2面に対して直交するように設けられた第2面直交
部と、前記第2面平行部と前記第2面直交部との間で前記第2面平行部と前記第2面直交部とに亘って曲面状に連続した第2面湾曲部と、を有し、
前記セパレータは、前記集電部における前記第1面の側を覆う第1セパレータと、前記集電部における前記第2面の側を覆う第2セパレータと、を有し、
前記第1セパレータと前記第2セパレータとは、少なくとも前記テーパ辺に沿って互いに接合されており、
前記第1セパレータにおいて前記第1面テーパ部に対向している箇所は、前記第1面テーパ部に沿って配置されている、
蓄電装置。
第1電極シートの両面がセパレータで覆われた第1電極ユニットと、前記第1電極シートとは極性の異なる第2電極シートと、が交互に積層された電極体を有する蓄電装置であって、
前記第1電極シートは、矩形状の集電部と、前記集電部の1辺に設けられたタブ部と、を備えた金属箔を有し、
前記金属箔は、前記集電部において、当該金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに前記第1面とは反対側の第2面に第2面活物質層を有し、
前記タブ部は、前記金属箔が露出されており、
前記第1面活物質層は、前記集電部における前記第1面に沿って設けられた第1面平行部と、前記集電部における前記第1面の一辺であるテーパ辺と前記第1面平行部との間に設けられているとともに前記第1面活物質層の厚み方向において前記集電部の内方側に傾斜した第1面テーパ部と、前記第1面平行部と前記第1面テーパ部との間で前記第1面平行部と前記第1面テーパ部とに亘って曲面状に連続した第1面湾曲部と、を有し、
前記第1面テーパ部は、前記第1面活物質層の厚み方向において前記集電部の内方側に第1面傾斜角度で傾斜しており、
前記第2面活物質層は、前記集電部における前記第2面に沿って設けられた第2面平行部と、前記集電部における前記第2面の一辺であって前記テーパ辺と対応する一辺から前記第2面平行部までの間に設けられているとともに前記第2面活物質層の厚み方向において前記集電部の内方側に前記第1面傾斜角度よりも小さい第2面傾斜角度で傾斜した第2面テーパ部と、前記第2面平行部と前記第2面テーパ部との間で前記第2面平行部と前記第2面テーパ部とに亘って曲面状に連続した第2面湾曲部と、を有し、
前記セパレータは、前記集電部における前記第1面の側を覆う第1セパレータと、前記集電部における前記第2面の側を覆う第2セパレータと、を有し、
前記第1セパレータと前記第2セパレータとは、少なくとも前記テーパ辺に沿って互いに接合されており、
前記第1セパレータにおいて前記第1面テーパ部に対向している箇所は、前記第1面テーパ部に沿って配置されており、
前記第1セパレータは、前記第1面平行部に沿って配置された第1セパレータ平行部と、前記第1面湾曲部に沿って配置された第1セパレータ湾曲部と、前記第2セパレータと接合された第1セパレータ接合部と、前記第1セパレータ湾曲部と前記第1セパレータ接合部との間に設けられているとともに前記第1セパレータ平行部に対して前記第2セパレータの側へ傾斜して設けられた第1セパレータ傾斜部と、を有し、
前記第1セパレータ傾斜部は、前記第1面テーパ部に沿って配置された第1セパレータ第1傾斜部と、前記第1セパレータ第1傾斜部から延長して設けられて前記第1セパレータ接合部につながった第1セパレータ第2傾斜部と、を有し、
前記第1セパレータ第2傾斜部は、前記第1セパレータ接合部に近づくにしたがって前記第2面テーパ部から離れるように配置されている、
蓄電装置。
第1電極シートの両面がセパレータで覆われた第1電極ユニットと、前記第1電極シートとは極性の異なる第2電極シートと、が交互に積層された電極体を有する蓄電装置であって、
前記第1電極シートは、矩形状の集電部と、前記集電部の1辺に設けられたタブ部と、を備えた金属箔を有し、
前記金属箔は、前記集電部において、当該金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに前記第1面とは反対側の第2面に第2面活物質層を有し、
前記タブ部は、前記金属箔が露出されており、
前記第1面活物質層は、前記集電部における前記第1面に沿って設けられた第1面平行部と、前記集電部における前記第1面の一辺であるテーパ辺と前記第1面平行部との間に設けられているとともに前記第1面活物質層の厚み方向において前記集電部の内方側に傾斜した第1面テーパ部と、前記第1面平行部と前記第1面テーパ部との間で前記第1面平行部と前記第1面テーパ部とに亘って曲面状に連続した第1面湾曲部と、を有し、
前記第1面テーパ部は、前記テーパ辺から連続して設けられており、
前記第2面活物質層は、前記集電部における前記第2面に沿って設けられた第2面平行部と、前記集電部における前記第2面の一辺であって前記テーパ辺と対応する一辺から連続して設けられているとともに前記第2面活物質層の厚み方向において前記集電部の外方側に傾斜した第2面外向きテーパ部と、前記第2面平行部と前記第2面外向きテーパ部との間で前記第2面平行部と前記第2面外向きテーパ部とに亘って曲面状に連続した第2面湾曲部と、を有し、
前記第1面テーパ部と、前記第2面外向きテーパ部とは、前記金属箔を挟んで連続した面を構成しており、
前記セパレータは、前記集電部における前記第1面の側を覆う第1セパレータと、前記集電部における前記第2面の側を覆う第2セパレータと、を有し、
前記第1セパレータと前記第2セパレータとは、少なくとも前記テーパ辺に沿って互いに接合されており、
前記第1セパレータにおいて前記第1面テーパ部に対向している箇所は、前記第1面テーパ部に沿って配置されており、
前記第1セパレータは、前記第1面平行部に沿って配置された第1セパレータ平行部と、前記第1面湾曲部に沿って配置された第1セパレータ湾曲部と、前記第2セパレータと接合された第1セパレータ接合部と、前記第1セパレータ湾曲部と前記第1セパレータ接合部との間に設けられているとともに前記第1セパレータ平行部に対して前記第2セパレータの側へ傾斜して設けられた第1セパレータ傾斜部と、を有し、
前記第1セパレータ傾斜部は、前記第1面テーパ部に沿って配置された第1セパレータ第1傾斜部と、前記第1セパレータ第1傾斜部から延長して設けられて前記第1セパレータ接合部につながっているとともに前記第2面外向きテーパ部に沿って配置された第1セパレータ第2傾斜部と、を有する、
蓄電装置。
矩形状の集電部と、前記集電部の一辺に設けられたタブ部と、を有する金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに前記第1面とは反対側の第2面に第2面活物質層を有し且つ前記タブ部は前記金属箔が露出された電極シートにおいて、前記集電部における前記第1面が前記集電部よりも大きな面積を有する第1セパレータで覆われ且つ前記集電部における前記第2面が前記集電部よりも大きな面積を有する第2セパレータで覆われた電極ユニットの製造方法であって、
帯状の前記金属箔の前記第1面に前記第1面活物質層を有するとともに前記第2面に前記第2面活物質層を有し且つ前記第1面活物質層が当該第1面活物質層の表面に前記第1面に沿う第1面平行部を有し且つ前記第2面活物質層が当該第2面活物質層の表面に前記第2面に沿う第2面平行部を有する母シートを準備する母シート準備工程と、
前記母シートに対してレーザを前記第1面活物質層の側から前記第2面活物質層の側に向けて照射して、前記母シートから前記電極シートを切り出すとともに、前記第1面活物質層に、前記集電部における前記第1面の1辺であるテーパ辺と前記第1面平行部との間に設けられているとともに前記第1面活物質層の厚み方向において前記集電部の内方側に傾斜した第1面テーパ部を形成する電極シート切り出し工程と、
前記第2セパレータに対して、当該第2セパレータの範囲内に前記集電部が収まるように、前記第2面活物質層の側から前記電極シートを載置する電極シート載置工程と、
前記第1セパレータの範囲内に前記集電部が収まる位置にて前記第1セパレータを前記第1面活物質層の側から前記電極シート及び第2セパレータに重ね合わせるセパレータ重ね合わせ工程と、
前記第1セパレータと前記第2セパレータとを互いに接合する接合工程と、を有する、
電極ユニットの製造方法。
第1電極シートの両面がセパレータで覆われた第1電極ユニットと、前記第1電極シートとは極性の異なる第2電極シートと、が交互に積層された電極体を有する蓄電装置であって、
前記第1電極シートは、矩形状の集電部と、前記集電部の1辺に設けられたタブ部と、を備えた金属箔を有し、
前記金属箔は、前記集電部において、当該金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに前記第1面とは反対側の第2面に第2面活物質層を有し、
前記タブ部は、前記金属箔が露出されており、
前記第1面活物質層は、前記集電部における前記第1面に沿って設けられた第1面平行部と、前記集電部における前記第1面の一辺であるテーパ辺と前記第1面平行部との間に設けられているとともに前記第1面活物質層の厚み方向において前記集電部の内方側に傾斜した第1面テーパ部と、前記第1面平行部と前記第1面テーパ部との間で前記第1面平行部と前記第1面テーパ部とに亘って曲面状に連続した第1面湾曲部と、を有し、
前記第1面テーパ部は、直線的な平面形状であり、
前記第2面活物質層は、前記集電部における前記第2面に沿って設けられた第2面平行部を有し、
前記セパレータは、前記集電部における前記第1面の側を覆う第1セパレータと、前記集電部における前記第2面の側を覆う第2セパレータと、を有し、
前記第1セパレータと前記第2セパレータとは、前記第2面平行部を含む平面上にて、少なくとも前記テーパ辺に沿って互いに接合されており、
前記第1セパレータにおいて前記第1面テーパ部に対向している箇所は、前記第1面テーパ部に沿って配置されている、
蓄電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
第1セパレータ920は、第1活物質層914の角部914aで突っ張って破れてしまう恐れがある。特に、正極ユニット900が図示しない負極シートと積層状態にある場合、正極ユニット900は第1セパレータ920を介して角部914aにて積層の荷重を受けるため、角部914aにて第1セパレータ920が突き破れる恐れがある。第1セパレータ920が破れると、正極シート910と負極シートとが接触(内部短絡)して異常発熱が生じうる。
【0004】
そこで、活物質層を覆うセパレータが活物質層の周縁で破れることを防止することが従来必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴によると、蓄電装置は、第1電極シートの両面がセパレータで覆われた第1電極ユニットと、第1電極シートとは極性の異なる第2電極シートと、が交互に積層された電極体を有する。第1電極シートは、矩形状の集電部と、集電部の1辺に設けられたタブ部と、を備えた金属箔を有する。金属箔は、集電部において、当該金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに第1面とは反対側の第2面に第2面活物質層を有する。タブ部は、金属箔が露出されている。第1面活物質層は、集電部における第1面に沿って設けられた第1面平行部と、集電部における第1面の一辺であるテーパ辺と第1面平行部との間に設けられているとともに第1面活物質層の厚み方向において集電部の内方側に傾斜した第1面テーパ部と、第1面平行部と第1面テーパ部との間で第1面平行部と第1面テーパ部とに亘って曲面状に連続した第1面湾曲部と、を有する。セパレータは、集電部における第1面の側を覆う第1セパレータと、集電部における第2面の側を覆う第2セパレータと、を有する。第1セパレータと第2セパレータとは、少なくともテーパ辺に沿って互いに接合されている。そして、第1セパレータにおいて第1面テーパ部に対向している箇所は、第1面テーパ部に沿って配置されている。
【0006】
上述の構成においては、第1面活物質層の周縁に第1面テーパ部が形成されており、この第1面テーパ部に沿って第1セパレータが配置されている。このことから、例えば
図25に示すように活物質層の表層の周縁が、略直角な角部となっている場合とは異なり、第1セパレータが第1面活物質層の周縁で突っ張って破れることが防止される。この結果、第1電極シートと第2電極シートとの接触(内部短絡)が回避され、蓄電装置の出荷前状態での放電試験における歩留まりが向上し、また、蓄電装置の使用時の安全性が向上する。
【0007】
本発明の他の特徴によると、第1面テーパ部及び第1面湾曲部は、第1面活物質層の表面が溶融した溶融部である。
【0008】
上述の構成においては、第1面テーパ部及び第1面湾曲部が溶融部であることから、これらの第1面テーパ部及び第1面湾曲部がバリのないなだらかな面にて構成される。したがって、第1面を覆う第1セパレータが破れることが防止される。
【0009】
本発明の他の特徴によると、蓄電装置は、テーパ辺から連続して設けられているとともにテーパ辺から第1面テーパ部に亘って曲面状に形成され且つ第1面活物質層の厚み方向において集電部の内方側に傾斜した第1面縁部を有する。
【0010】
上述の構成においては、第1面縁部が曲面状であることから、当該第1面縁部はなだらかな面にて構成される。したがって、第1面を覆う第1セパレータが破れることが防止される。
【0011】
本発明の他の特徴によると、第2面活物質層は、集電部における第2面に沿って設けられた第2面平行部と、集電部における第2面の一辺であってテーパ辺と対応する一辺から連続して設けられているとともに第2面に対して直交するように設けられた第2面直交部と、第2面平行部と第2面直交部との間で第2面平行部と第2面直交部とに亘って曲面状に連続した第2面湾曲部と、を有する。
【0012】
上述の構成においては、第2面活物質層の周縁が第2面直交部となっていることから、例えば第2面活物質層の周縁を、集電部の内方側に傾斜したテーパ部とした場合とは異なり、第2面活物質層は、集電部の辺の際まで第2面に対して直立的に形成され、この結果、活物質の容量が確保される。
【0013】
本発明の他の特徴によると、第1面テーパ部は、第1面活物質層の厚み方向において集電部の内方側に第1面傾斜角度で傾斜している。第2面活物質層は、集電部における第2面に沿って設けられた第2面平行部と、集電部における第2面の一辺であってテーパ辺と対応する一辺から第2面平行部までの間に設けられているとともに第2面活物質層の厚み方向において集電部の内方側に第1面傾斜角度よりも小さい第2面傾斜角度で傾斜した第2面テーパ部と、第2面平行部と第2面テーパ部との間で第2面平行部と第2面テーパ部とに亘って曲面状に連続した第2面湾曲部と、を有する。第1セパレータは、第1面平行部に沿って配置された第1セパレータ平行部と、第1面湾曲部に沿って配置された第1セパレータ湾曲部と、第2セパレータと接合された第1セパレータ接合部と、第1セパレータ湾曲部と第1セパレータ接合部との間に設けられているとともに第1セパレータ平行部に対して第2セパレータの側へ傾斜して設けられた第1セパレータ傾斜部と、を有する。第1セパレータ傾斜部は、第1面テーパ部に沿って配置された第1セパレータ第1傾斜部と、第1セパレータ第1傾斜部から延長して設けられて第1セパレータ接合部につながっている第1セパレータ第2傾斜部と、を有する。第1セパレータ第2傾斜部は、第1セパレータ接合部に近づくにしたがって第2面テーパ部から離れるように配置されている。
【0014】
上述の構成においては、第1セパレータ第2傾斜部が、第1セパレータ接合部に近づくにしたがって第2面テーパ部から離れるように配置されることで、第1セパレータ第2傾斜部と第2面テーパ部との接触が回避される。したがって、第1セパレータ第2傾斜部は、第2面テーパ部との接触に起因した何らの破損が防止される。なお、第2面テーパ部の傾斜角度が小さく設定されることで、第1電極シートにおいては活物質の容量が確保される。
【0015】
本発明の他の特徴によると、第1面テーパ部は、テーパ辺から連続して設けられている。第2面活物質層は、集電部における第2面に沿って設けられた第2面平行部と、集電部における第2面の一辺であってテーパ辺と対応する一辺から連続して設けられているとともに第2面活物質層の厚み方向において集電部の外方側に傾斜した第2面外向きテーパ部と、第2面平行部と第2面外向きテーパ部との間で第2面平行部と第2面外向きテーパ部とに亘って曲面状に連続した第2面湾曲部と、を有する。第1面テーパ部と、第2面外向きテーパ部とは、金属箔を挟んで連続した面を構成している。第1セパレータは、第1面平行部に沿って配置された第1セパレータ平行部と、第1面湾曲部に沿って配置された第1セパレータ湾曲部と、第2セパレータと接合された第1セパレータ接合部と、第1セパレータ湾曲部と第1セパレータ接合部との間に設けられているとともに第1セパレータ平行部に対して第2セパレータの側へ傾斜して設けられた第1セパレータ傾斜部と、を有する。第1セパレータ傾斜部は、第1面テーパ部に沿って配置された第1セパレータ第1傾斜部と、第1セパレータ第1傾斜部から延長して設けられて第1セパレータ接合部につながっているとともに第2面外向きテーパ部に沿って配置された第1セパレータ第2傾斜部と、を有する。
【0016】
上述の構成においては、第1面テーパ部と第2面外向きテーパ部とが一つながりの面を構成し、この面に沿って第1セパレータ第1傾斜部と第1セパレータ第2傾斜部とが配置される。このことから、これらの第1セパレータ第1傾斜部及び第1セパレータ第2傾斜部が突っ張って破れることが防止される。また、上述の構成では、第1面テーパ部から第2面外向きテーパ部までが、正極シートの外方へ向けた連続した傾斜面となっている。このことから、負極シートとの積層によって第1面平行部の周縁に荷重がかかった場合に、当該荷重が第1面テーパ部から第2面外向きテーパ部に向けて正極シートの外方側へ分散される。この結果、第1面平行部の周縁を覆うセパレータ部分である第1セパレータ平行部の周縁にかかる荷重が緩和され、第1セパレータ平行部の周縁が破れることが抑制ないし防止される。
【0017】
本発明の他の特徴によると、第2セパレータは、第2面平行部に沿って第1電極シートの外方まで配置されている。
【0018】
上述の構成においては、第2セパレータが第2面平行部に沿って第1電極シートの外方まで面一に配置されることとなるため、当該第2セパレータが第2面活物質層の周縁で屈曲して突っ張って破れることが防止される。
【0019】
本発明の他の特徴によると、第2セパレータは、第2面平行部に沿って配置された第2セパレータ平行部と、第2面湾曲部に沿って配置された第2セパレータ湾曲部と、第1セパレータと接合された第2セパレータ接合部と、第2セパレータ湾曲部と第2セパレータ接合部との間に設けられているとともに第2セパレータ平行部に対して第1セパレータの側へ傾斜して設けられた第2セパレータ傾斜部と、を有する。
【0020】
上述の構成においては、第2セパレータが第2セパレータ傾斜部を有することで、当該第2セパレータは第1セパレータの側へ近づけられる。これにより、第1セパレータにおいて、第2セパレータの側へ近づけられる部分を短く設定して、両セパレータを接合させることができ、第1セパレータにかかる負担が低減される。したがって、第1セパレータが破れることが防止される。
【0021】
本発明の他の特徴によると、蓄電装置においては、複数の第1電極ユニットと複数の第2電極シートとが交互に積層されており、それぞれの第1電極ユニットは第1面が同一方向に向けられている。
【0022】
上述の構成においては、各第1電極ユニットが、それぞれの第1面を同一方向に向けて積層されている。したがって、積層体の製造に際して、各第1電極ユニットは、表裏反転させることなく常に一定の向きにて負極シートと交互に積層すればよく、積層体の製造が容易となる。
【0023】
本発明の1つの特徴によると、電極ユニットの製造方法は、矩形状の集電部と、集電部の一辺に設けられたタブ部と、を有する金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに第1面とは反対側の第2面に第2面活物質層を有し且つタブ部は金属箔が露出された電極シートにおいて、集電部における第1面が集電部よりも大きな面積を有する第1セパレータで覆われ且つ集電部における第2面が集電部よりも大きな面積を有する第2セパレータで覆われた電極ユニットを製造する。電極ユニットの製造方法は、帯状の金属箔の第1面に第1面活物質層を有するとともに第2面に第2面活物質層を有し且つ第1面活物質層が当該第1面活物質層の表面に第1面に沿う第1面平行部を有し且つ第2面活物質層が当該第2面活物質層の表面に第2面に沿う第2面平行部を有する母シートを準備する母シート準備工程と、母シートに対してレーザを第1面活物質層の側から第2面活物質層の側に向けて照射して、母シートから電極シートを切り出すとともに、第1面活物質層に、集電部における第1面の1辺であるテーパ辺と第1面平行部との間に設けられているとともに第1面活物質層の厚み方向において集電部の内方側に傾斜した第1面テーパ部を形成する電極シート切り出し工程と、第2セパレータに対して、当該第2セパレータの範囲内に集電部が収まるように、第2面活物質層の側から電極シートを載置する電極シート載置工程と、第1セパレータの範囲内に集電部が収まる位置にて第1セパレータを第1面活物質層の側から電極シート及び第2セパレータに重ね合わせるセパレータ重ね合わせ工程と、第1セパレータと第2セパレータとを互いに接合する接合工程と、を有する。
【0024】
上述の構成においては、第1面活物質層の周縁に第1面テーパ部を有する電極ユニットが製造される。この電極ユニットにおいては、例えば
図25に示すように活物質層の表層の周縁が、略直角な角部となっている場合とは異なり、第1セパレータが第1面活物質層の周縁で突っ張って破れることが防止される。また、第1面テーパ部は、レーザにて溶融されて形成されていることから、この第1面テーパ部はバリのないなだらかな面にて構成される。したがって、第1面を覆う第1セパレータが破れることが防止される。
【0025】
本発明の他の特徴によると、接合工程では、第1セパレータと第2セパレータとを、少なくともテーパ辺に沿って互いに接合する。
【0026】
上述の構成においては、第1セパレータと第2セパレータとを、少なくともテーパ辺に沿って互いに接合することにより、第1セパレータにおいて第1面テーパ部に対向している箇所が、当該第1面テーパ部に沿って配置される。
【0027】
本発明の他の特徴によると、接合工程では、第1セパレータにおいて第1面テーパ部に対向している箇所が当該第1面テーパ部に沿って配置されるように、第1セパレータにテンションをかけて第1セパレータと第2セパレータとを互いに接合する。
【0028】
上述の構成においては、第1セパレータにおいて第1面テーパ部に対向している箇所が、確実に当該第1面テーパ部に沿って配置される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1に示す蓄電装置1は、例えばリチウムイオン2次電池である。蓄電装置1のケース10は、有底の直方体状のケース本体12と、ケース本体12の開口部を塞ぐ平板状の蓋11と、を有する。蓋11は、外部接続端子14,16を有する。外部接続端子14,16は、蓋11を厚み方向に貫通している。
【0031】
蓄電装置1は、
図1に示すように、ケース10の内部に電極組立体20(電極体)と電解液(図示省略)とを有する。電極組立体20は、後述の正極タブ部31b及び負極タブ部41bを介して外部接続端子14,16と接続されている。電極組立体20は、外部接続端子14,16を通じて、蓄電装置1の外部に電力を供給し(放電)、蓄電装置1の外部から電力が供給される(充電)。
【0032】
電極組立体20においては、
図2,
図3に示すように、正極ユニット50(第1電極ユニット)と負極シート40(第2電極シート)とが交互に積層されている。正極ユニット50は、
図2,
図3,
図4に示すように、正極シート30(第1電極シート)と、正極シート30の両面を覆うセパレータ54と、を有する。
図2に示すように、正極ユニット50は、後述の第1面AAを同一方向に向けて積層されている。
【0033】
正極シート30は、
図2,
図4,
図5に示すように、正極金属箔31(金属箔)を母体としている。正極金属箔31は、例えば、アルミニウム箔である。以下、正極金属箔31の両面をそれぞれ第1面AA及び第2面BBと記す。正極金属箔31は、矩形状の正極集電部31a(集電部)と、正極集電部31aの1辺である正極タブ辺30dから突出した形状の正極タブ部31b(タブ部)と、を有する。正極集電部31aは、第1面AAに第1面正極活物質層32(第1面活物質層)を有し、第2面BBに第2面正極活物質層36(第2面活物質層)を有する。両正極活物質層32,36は、例えば正極集電部31aの略全域に形成されている。両正極活物質層32,36は、例えばリチウム含有金属酸化物を含んでいる。なお、第1面正極活物質層32の厚み方向は、第1面AAから後述の第1面平行部33へ向かう方向であり、
図2及び後で説明する
図7,
図8において符号AA1を付している。第2面正極活物質層36の厚み方向は、第2面BBから後述の第2面平行部37へ向かう方向であり、
図2及び後で説明する
図7,
図8において符号BB1を付している。
【0034】
正極タブ部31bは、
図4,
図5に示すように、第1面正極活物質層32と第2面正極活物質層36とを有さず、正極金属箔31が露出されている。各正極シート30の正極タブ部31bは、相互に重ねられて、一方の外部接続端子14(
図1参照)に例えば溶着されている。なお、正極集電部31aにおいて、正極タブ辺30dと対向する辺を、正極タブ対向辺30bと記す。また、正極タブ辺30d及び正極タブ対向辺30bと直交する2辺を、正極第1側辺30a及び正極第2側辺30cと記す。なお、正極集電部31aの各辺30a,30b,30c,30dは、正極シート30の各辺を構成する。
【0035】
第1面正極活物質層32は、
図5に示すように、第1面平行部33と、第1面溶融部133と、第1面塗工縁部833と、を有する。第1面溶融部133は、正極第1側辺30a、正極タブ対向辺30b及び正極第2側辺30cのそれぞれに沿って設けられている。各第1面溶融部133は、第1面正極活物質層32の表面を例えばレーザにて溶融して形成された溶融部である。各第1面溶融部133の構成は同一である。第1面塗工縁部833は、正極タブ辺30dに沿って設けられている。第1面塗工縁部833は、正極用の活物質を第1面AAに塗工した際に形成された活物質層の縁部である。第1面平行部33、各第1面溶融部133、及び第1面塗工縁部833はそれぞれ、第1面正極活物質層32の表面部分を構成している。
【0036】
第1面平行部33は、
図7に示すように、第1面AAの中央部分にて第1面AAに沿って設けられている。第1面溶融部133は、第1面湾曲部35と、第1面テーパ部34と、第1面縁部134と、を有する。第1面湾曲部35は、第1面平行部33と、次に説明する第1面テーパ部34と、の間で当該第1面平行部33と当該第1面テーパ部34とに亘って曲面状に連続している。第1面テーパ部34は、第1面正極辺30Yと第1面平行部33との間に設けられているとともに第1面正極活物質層32の厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に直線的に傾斜した平面形状に構成されている。第1面正極辺30Yは、第1面AAにおける正極第1側辺30aである。第1面縁部134は、第1面正極辺30Yから連続して設けられているとともに当該第1面正極辺30Yから第1面テーパ部に亘って曲面状に形成され且つ第1面正極活物質層32の厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に傾斜している。
【0037】
第1面塗工縁部833は、
図8に示すように、第1面塗工湾曲部835と第1面塗工テーパ部834とを有する。第1面塗工湾曲部835は、第1面平行部33と、次に説明する第1面塗工テーパ部834と、の間で当該第1面平行部33と当該第1面塗工テーパ部834とに亘って曲面状に連続している。第1面塗工テーパ部834は、第1面タブ正極辺30Y2と第1面塗工湾曲部835との間に設けられており、詳細には、第1面タブ正極辺Y2の近傍から第1面塗工湾曲部835に亘って連続している。第1面タブ正極辺30Y2は、第1面AAにおける正極タブ辺30dである。第1面塗工テーパ部834は、第1面正極活物質層32の厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に向けて緩やかに湾曲した曲面形状に構成されている。なお、第1面塗工テーパ部834は、正極集電部31aの内方側に向けて直線的に傾斜した平面形状であってもよい。第1面塗工湾曲部835は、本発明の「第1面湾曲部」に含まれる。第1面塗工テーパ部834は、本発明の「第1面テーパ部」に含まれる。
【0038】
本発明の「テーパ辺」は第1面AAにおける第1面テーパ部34または第1面塗工テーパ部834が設けられた辺である。すなわち、本実施形態では、正極集電部31aの4辺30a,30b,30c,30dの全てが、テーパ辺に相当する。
【0039】
第2面正極活物質層36は、
図5に示すように、第2面平行部37と、第2面溶融部137と、第2面塗工縁部837と、を有する。第2面溶融部137は、正極第1側辺30a、正極タブ対向辺30b及び正極第2側辺30cのそれぞれに沿って設けられている。各第2面溶融部137は、第2面正極活物質層36の表面を例えばレーザにて溶融して形成された溶融部である。各第2面溶融部137の構成は、同一である。第2面塗工縁部837は、正極タブ辺30dに沿って設けられている。第2面塗工縁部837は、正極用の活物質を第2面BBに塗工した際に形成された活物質層の縁部である。第2面平行部37、第2面溶融部137、及び第2面塗工縁部837はそれぞれ、第2面正極活物質層36の表面部分を構成している。
【0040】
第2面平行部37は、
図7に示すように、第2面BBの中央部分にて第2面BBに沿って設けられている。第2面溶融部137は、第2面湾曲部39と、第2面直交部38と、を有する。第2面湾曲部39は、第2面平行部37と、次に詳しく説明する第2面直交部38と、の間で当該第2面平行部37と当該第2面直交部38とに亘って曲面状に連続している。第2面直交部38は、第2面湾曲部39から連続して設けられているとともに正極第1面BBに対して直交するように設けられ、かつ、第2面正極辺30Wに連続している。第2面正極辺30Wは、第2面BBにおける正極第1側辺30aである。
【0041】
第2面塗工縁部837は、
図8に示すように、第2面塗工湾曲部839と第2面塗工テーパ部838とを有する。第2面塗工湾曲部839は、第2面平行部37と、次に説明する第2面塗工テーパ部838と、の間で当該第2面平行部37と当該第2面塗工テーパ部838とに亘って曲面状に連続している。第2面塗工テーパ部838は、第2面塗工湾曲部839と第2面タブ正極辺30W2との間に設けられており、詳細には、第2面塗工湾曲部839から第2面タブ正極辺W2の近傍に亘って連続している。第2面タブ正極辺30W2は、第2面BBにおける正極タブ辺30dである。第2面塗工テーパ部838は、第2面正極活物質層36の厚み方向BB1において正極集電部31aの内方側に向けて緩やかに湾曲した曲面形状に構成されている。なお、第2面塗工テーパ部838は、正極集電部31aの内方側に向けて直線的に傾斜した平面形状であってもよい。
【0042】
セパレータ54は、
図2に示すように、正極集電部31aの第1面AAの側を覆う第1セパレータ55と、正極集電部31aの第2面BBの側を覆う第2セパレータ56と、を有する。両セパレータ55,56は、
図4に示すように、矩形状かつ正極集電部31aよりも大きな面積を有する。両セパレータ55,56は、
図3に示すように、正極集電部31aの各辺30a,30b,30c,30dに沿って互いに溶着(接合)されている。正極タブ部31bは、両セパレータ55,56の間から突出している。
図3では、両セパレータ55,56の溶着領域がハッチングにて示されている。
【0043】
両セパレータ55,56は、
図7に示すように、第1セパレータ55において第1面テーパ部34に対向する箇所が当該第1面テーパ部34に沿って配置されるように、互いに溶着されている。
図7では、両セパレータ55,56の溶着部分が太実線にて示されている。
図7では、正極第1側辺30aにおいて、両セパレータ55,56が溶着されている様子が示されているが、正極タブ対向辺30b(
図5参照)及び正極第2側辺30cにおいても、正極第1側辺30aと同様にして両セパレータ55,56が互いに溶着されている。正極タブ辺30dにおける両セパレータ55,56の溶着の様子については、後で
図8を用いて説明する。
【0044】
第1セパレータ55は、
図7に示すように、第1セパレータ平行部55aと、第1セパレータ湾曲部55bと、第1セパレータ傾斜部55cと、第1セパレータ接合部55dと、を有する。第1セパレータ平行部55aは、第1面平行部33に沿って平面状に配置され、かつ、第1面平行部33と接触している。第1セパレータ湾曲部55bは、第1面湾曲部35に沿って湾曲して配置され、かつ、第1面湾曲部35と接触している。第1セパレータ傾斜部55cは、第1セパレータ湾曲部55bと第1セパレータ接合部55dとの間に設けられているとともに、第1セパレータ平行部55aに対して第2セパレータ56の側に傾斜し、例えば直線的に傾斜している。第1セパレータ傾斜部55cは、第1面テーパ部34に対向する第1セパレータ第1傾斜部OP1と、第1セパレータ第1傾斜部OP1から延長して設けられて第1セパレータ接合部55dにつながっている第1セパレータ第2傾斜部OP2と、を有する。第1セパレータ第1傾斜部OP1は、第1面テーパ部34に沿って配置されているとともに第1面テーパ部34と接触している。第1セパレータ第2傾斜部OP2は、第1面縁部134、正極金属箔31の厚みに対応する端面E、第2面直交部38、及び第2面湾曲部39と対応した位置に配置されている。第1セパレータ第2傾斜部OP2は、第1セパレータ接合部55dに近づくにしたがって、第1面縁部134、端面E、第2面直交部38、及び第2面湾曲部39から離れるように配置されている。第1セパレータ接合部55dは、第2セパレータ56の表面に位置しており、後述の第2セパレータ接合部56cと溶着されている。
【0045】
第2セパレータ56は、第2面平行部37に沿って、正極シート30の外方まで面一に配置されている。第2セパレータ56は、第2セパレータ平行部56aと、第2セパレータ外側部56bと、第2セパレータ接合部56cと、を有する。第2セパレータ平行部56aは、第2面平行部37に沿って平面状に配置され、かつ、第2面平行部37と接触している。第2セパレータ外側部56bは、正極シート30の外方に位置しており、正極シート30及び第1セパレータ55と接触していない。第2セパレータ接合部56cは、第1セパレータ接合部55dと溶着されている。
【0046】
図8に示すように、両セパレータ55,56は、第1セパレータ55において第1面塗工テーパ部834に対向する箇所が、第1面塗工テーパ部834に沿って配置されるように、互いに溶着されている。なお、第1セパレータ55は、第1面塗工テーパ部834の一部のみに沿っている。両セパレータ55,56において、
図7と同一もしくは実質同一な構成・機能を有する箇所には
図7と同一の符号を付すことで、重複した説明を省略する。第1セパレータ湾曲部55bは、第1面塗工湾曲部835に沿って湾曲して配置され、かつ、第1面塗工湾曲部835と接触している。第1セパレータ第1傾斜部OP1は、第1面塗工テーパ部834における第1面タブ正極辺30Y2の側の縁部を除いた箇所において、当該第1面塗工テーパ部834に沿って配置され、かつ、当該第1面塗工テーパ部834と接触している。第1セパレータ第2傾斜部OP2は、第1面塗工テーパ部834における第1面タブ正極辺30Y2の側の縁部、正極金属箔31の端面E2、第2面塗工テーパ部838、及び第2面塗工湾曲部839と対応した位置に配置されているとともに、これらの各箇所から離れた位置に配置されている。
【0047】
負極シート40は、
図2,
図3,
図6に示すように、負極金属箔41を母体としている。負極金属箔41は、例えば、銅箔である。以下、負極金属箔41の両面をそれぞれ負極第1面CC及び負極第1面DDと記す。負極金属箔41は、矩形状の負極集電部41aと、負極集電部41aの1辺である負極タブ辺40dから突出した形状の負極タブ部41bと、を有する。負極集電部41aは、負極第1面CCに第1面負極活物質層42を有し、負極第2面DDに第2面負極活物質層46を有する。両負極活物質層42,46は、例え負極集電部41aの略全域に形成されている。両負極活物質層42,46は、例えば炭素を含んでいる。
【0048】
負極タブ部41bは、
図3,
図6に示すように、第1面負極活物質層42と第2面負極活物質層46とを有さず、負極金属箔41が露出されている。各負極シート40の負極タブ部41bは、相互に重ねられて、一方の外部接続端子16(
図1参照)に例えば溶着されている。なお、負極集電部41aにおいて、負極タブ辺40dと対向する辺を、負極タブ対向辺40bと記す。また、負極タブ辺40d及び負極タブ対向辺40bと直交する2辺を、負極第1側辺40a及び負極第2側辺40cと記す。なお、負極集電部41aの各辺40a,40b,40c,40dは、負極シート40の各辺を構成する。
【0049】
第1面負極活物質層42は、
図2,
図3,
図6に示すように、負極テーパ部42aを有する。負極テーパ部42aは、負極第1側辺40a、負極タブ対向辺40b、及び負極第2側辺40cのそれぞれに沿って設けられている。各負極テーパ部42aは、対応する各辺40a,40b,40cから負極集電部41aの内方側に傾斜し、例えば直線的に傾斜している。なお、各負極テーパ部42aは、廃止してもよい。
【0050】
電極組立体20は以上のように構成されている。上述の構成においては、第1面正極活物質層32の周縁に第1面湾曲部35及び第1面テーパ部34が形成されており(
図7参照)、これらの第1面湾曲部35及び第1面テーパ部34に沿って第1セパレータ湾曲部55b及び第1セパレータ第1傾斜部OP1が配置されていることから、例えば
図25に示す正極シート910のように活物質層の表層の周縁が、略直角な角部914aとなっている場合とは異なり、第1セパレータ55が第1面正極活物質層32の周縁で突っ張って破れることが防止される。この結果、電極組立体20(
図2参照)では、正極シート30と負極シート40との接触(内部短絡)が回避され、蓄電装置の出荷前状態での放電試験における歩留まりが向上し、また、蓄電装置の使用時の安全性が向上する。
【0051】
上述の構成においては、第1面湾曲部35、第1面テーパ部34及び、第1面縁部134(
図7参照)が溶融部であることから、これらの第1面湾曲部35、第1面テーパ部34及び、第1面縁部134がバリのないなだらかな面にて構成される。したがって、第1面湾曲部35を覆う第1セパレータ湾曲部55b、及び第1面テーパ部34を覆う第1セパレータ第1傾斜部OP1、が破れることが防止される。また、第1セパレータ第2傾斜部OP2が第1面縁部134に接触した場合であっても、当該第1セパレータ第2傾斜部OP2が破れることが防止される。
【0052】
上述の構成においては、第1面湾曲部35及び第1面縁部が曲面状であることから、当該第1面湾曲部35及び当該第1面縁部はなだらかな面にて構成される。したがって、第1面湾曲部35を覆う第1セパレータ湾曲部55bが破れることが防止される。また、第1セパレータ第2傾斜部OP2が第1面縁部134に接触した場合であっても、当該第1セパレータ第2傾斜部OP2が破れることが防止される。
【0053】
上述の構成においては、第2面正極活物質層36の周縁が第2面直交部38となっている(
図7参照)ことから、例えば第2面正極活物質層36の周縁を、正極集電部31aの内方側に傾斜したテーパ部とした場合とは異なり、第2面正極活物質層36は、正極集電部31aの際まで第2面BBに対して直立的に形成され、この結果、活物質の容量が確保される。
【0054】
上述の構成においては、各正極ユニット50が、それぞれの第1面AAを同一方向に向けて積層されている(
図2参照)。したがって、電極組立体20の製造に際して、各正極ユニット50は、表裏反転させることなく常に一定の向きにて負極シート40と交互に積層すればよく、電極組立体20の製造が容易となる。
【0055】
つづいて、電極組立体20の製造方法について説明する。電極組立体20の製造方法は、
図9に示すように、正極ユニット作製工程S1と負極シート作製工程S2と積層工程S3とを有する。正極ユニット作製工程S1は、正極母シート準備工程S1a(母シート準備工程)と、正極シート切り出し工程S1b(電極シート切り出し工程)と、セパ包み工程S1cと、を有する。セパ包み工程S1cは、正極シート載置工程P1(電極シート載置工程)と、セパレータ重ね合わせ工程P2と、接合工程P3と、切断工程P4と、を有する。負極シート作製工程S2は、負極母シート準備工程S2aと、負極シート切り出し工程S2bと、を有する。正極ユニット作製工程S1と負極シート作製工程S2とは、並行して行っても、前後して行ってもよい。なお、本発明の「電極ユニットの製造方法」は、正極ユニット作製工程S1の各工程S1a,S1b,S1cを有する。
【0056】
正極母シート準備工程S1aでは、
図10に示すように、塗工乾燥装置70が使用される。塗工乾燥装置70は、供給ローラ71、塗工機72、乾燥機73、プレスローラ74、巻取りローラ76、を有する。供給ローラ71には、帯状の正極金属箔31が巻かれている。正極金属箔31は、供給ローラ71から巻きだされて、塗工機72、乾燥機73、プレスローラ74、を順に通過する。なお、正極金属箔31は、所定のテンションを受けている。正極金属箔31は、塗工機72によって、第1面AAと第2面BBとのそれぞれに正極用の活物質が塗工される。これによって、第1面AAに第1面正極活物質層32が形成され、第2面BBに第2面正極活物質層36が形成される。両正極活物質層32,36は、乾燥機73によって乾燥され、プレスローラ74によって厚み方向に圧縮される。こうして、正極母シート61が完成する。すなわち、正極母シート61は、帯状の正極金属箔31と、その第1面AAに形成された第1面正極活物質層32と、第2面BBに形成された第2面正極活物質層36と、を有する。両正極活物質層32,36は、それぞれの厚み方向の表面に、既に説明した第1面平行部33及び第2面平行部37を有する。正極母シート61は、各ローラ77で張られた状態で、巻取りローラ76にて巻き取られる。
【0057】
図11は、正極母シート61を、第1面AAの側から見た平面図である。正極母シート61は、
図11に示すように、活物質層形成領域61aを有する。活物質層形成領域61aは、
図11においてハッチングにて示されている。この活物質層形成領域61aに、第1面正極活物質層32が形成されている。活物質層形成領域61aは、正極母シート61の幅方向の中央に設けられ、かつ、正極母シート61の全長に亘って連続している。活物質層形成領域61aの幅は、正極第1側辺30aの略2倍の長さに相当する。正極母シート61の幅方向の両側はそれぞれ、正極金属箔31が露出した金属箔露出領域61b,61cとなっている。両金属箔露出領域61b,61cはそれぞれ、正極母シート61の全長に亘って連続している。両金属箔露出領域61b,61cの幅はそれぞれ、正極タブ部31bの突出方向の長さに相当する。なお、
図11では、後述のレーザLS(
図12参照)による切断ラインが点線にて示されている。正極シート30は、正極母シート61の幅方向に2つ切り出されるとともに、正極母シート61の長手方向に連続して切り出される。正極母シート61の幅方向に隣り合う正極シート30においては、互いの正極タブ対向辺30bが一致している。正極母シート61の長手向に隣り合う正極シート30においては、互いの正極第1側辺30aと正極第2側辺30cとが一致している。なお、正極母シート61において、第2面正極活物質層36は、正極金属箔31を挟んで活物質層形成領域61aと対向した領域に形成されている。なお、活物質層形成領域61aの幅は、正極第1側辺30aの略1倍としてもよい。この場合、正極シート30は、正極母シート61の幅方向に一つのみ切り出される。正極母シート61は、つぎに説明する正極シート切り出し工程S1bにまわされる。
【0058】
正極シート切り出し工程S1bでは、
図12に示すレーザ加工装置80が使用される。レーザ加工装置80は、
図12に示すように、供給ローラ81と、コンベア82と、コントローラ86と、レーザ装置88と、を有する。供給ローラ81には、帯状の正極母シート61が巻かれている。コンベア82は、ローラ82bに張設されたベルト82aを有する。
【0059】
レーザ装置88は、
図12に示すように、活物質層形成領域61aに第1レーザLS1を照射する第1レーザ装置90と、両金属箔露出領域61b,61cに第2レーザLS2を照射する第2レーザ装置190と、を有する。以下、両レーザLS1,LS2に関して、それらの個々については、第1レーザLS1及び第2レーザLS2として区別し、それらを総称するときにはレーザLSとして説明する。第2レーザ装置190は、個々の金属箔露出領域61b,61cに対応させて2つ設けてもよい。
【0060】
第1レーザ装置90は、
図12に示すように、レーザヘッド92と、X−Y軸ロボット94と、アシストガス供給装置96と、レーザ発振機98と、を有する。レーザヘッド92は、X−Y軸ロボット94に取付けられている。X−Y軸ロボット94は、レーザヘッド92をX−Y軸方向に移動させる。X−Y軸ロボット94は、例えば、レーザヘッド92を正極母シート61の幅方向であるX方向に移動可能に支持するX軸部材94aと、正極母シート61の長手方向であるY方向にX軸部材94aを移動可能に支持するY軸部材94bと、を有する。X−Y軸ロボット94は、コントローラ86に記憶されたプログラムにしたがって、レーザヘッド92を移動させる。
【0061】
アシストガス供給装置96は、
図12に示すように、レーザヘッド92に接続されている。アシストガス供給装置96は、アシストガスを供給する。レーザ発振機98は、例えばファイバケーブルによってレーザヘッド92に接続されている。レーザ発振機98は、コントローラ86からの制御信号に基づいて、レーザヘッド92にレーザビームを供給する。
【0062】
レーザヘッド92は、
図13に示すように、レンズ92aを有する。このレンズ92aによって、第1レーザLS1は、正極母シート61の所定位置に設定された焦点Pに向けて集光される。焦点Pは、正極金属箔31の厚み中心の近傍に設定されており、例えば正極金属箔31の厚み内に設定されている。あるいは焦点Pは、正極金属箔31の近傍における第1面正極活物質層32内、または正極金属箔31の近傍における第2面正極活物質層36内に設定されている。なお、第1レーザLS1は、第1面正極活物質層32の側から第2面正極活物質層36の側に向けて照射される。
【0063】
第1レーザLS1は、
図13に示すように、その光軸Jが正極母シート61に対して垂直となるように照射される。したがって、第1レーザLS1は、自身が正極母シート61に対して斜めに照射された場合とは異なり、当該第1レーザLS1が両正極活物質層32,36及び正極金属箔31を通過する直線距離が最短となる。そのため、第1レーザLS1は、その出力を弱く設定可能である。なお、光軸Jとは、レンズ92aの中心と焦点Pとを通る直線である。
【0064】
第1レーザLS1は、連続波レーザである。第1レーザLS1の波長は、300〜1100nmの範囲内に設定されることが好ましい。第1レーザLS1のスポット径は、10〜100μm(マイクロメートル)の範囲内に設定されることが好ましい。第1レーザLS1による切断速度は、0.5〜3m/sの範囲内に設定されることが好ましい。第1レーザLS1の出力は、0.01〜2.0kWの範囲内に設定されることが好ましい。
【0065】
第2レーザ装置190は、
図12に示すように、レーザヘッド192と、X−Y軸ロボット194と、アシストガス供給装置196と、レーザ発振機198と、を有する。X−Y軸ロボット194は、X軸部材194aとY軸部材194bとを有する。第2レーザ装置190の各機器192,194,196,198は、第1レーザ装置90の各機器92,94,96,98と同様に機能する。レーザヘッド192は、図示しないレンズを有する。このレンズによって、第2レーザLS2は、正極母シート61の所定位置に設定された焦点に向けて集光される。焦点は、正極金属箔31の厚み中心の近傍に設定され、例えば正極金属箔31の厚み内に設定されている。第2レーザLS2は、例えば、その光軸が正極母シート61に対して垂直となるように照射される。
【0066】
第2レーザLS2は、パルス波レーザである。第2レーザLS2の波長は、500〜1100nmの範囲内に設定されることが好ましい。第2レーザLS2のスポット径は、25〜100μm(マイクロメートル)の範囲内に設定されることが好ましい。第2レーザLS1による切断速度は、1〜3m/sの範囲内に設定されることが好ましい。第2レーザLS2の出力は、10〜100Wの範囲内に設定されることが好ましい。第2レーザLS2のパルス幅は、20ps(ピコ秒)よりも小さく設定されることが好ましい。第2レーザLS2の繰り返し周波数は、0.1〜1MHzの範囲内に設定されることが好ましい。
【0067】
レーザ加工装置80の動作について説明する。正極母シート61は、
図12に示すように、供給ローラ81から巻き出されて所定のテンションを受けながら搬送方向FF1へ搬送される。正極母シート61は、コンベア82にて搬送される。この正極母シート61に対して、レーザ装置88からレーザLSが照射される。第1レーザ装置90は、活物質層形成領域61aに向けて第1レーザLS1を照射する。第1レーザLS1は、活物質層形成領域61aにて両正極活物質層32,36(
図13参照)及び正極金属箔31を溶融して切断する。アシストガス供給装置96からのアシストガスは、溶融された両正極活物質層32,36及び正極金属箔31を吹き飛ばす。第2レーザ装置190は、両金属箔露出領域61b,61cに向けて第2レーザLS2を照射する。第2レーザLS2は、両金属箔露出領域61b,61cにて正極金属箔31を溶融して切断する。アシストガス供給装置196からのアシストガスは、溶融された正極金属箔31を吹き飛ばす。
【0068】
図12では、レーザLSによる切断ラインが点線にて示されている。第1レーザLS1は、活物質層形成領域61aの幅方向の中央にて、正極母シート61の長手方向に沿って正極タブ対向辺30bを切り出す。また、第1レーザLSは、正極母シート61の幅方向に沿って、正極第1側辺30a及び正極第2側辺30cを切り出す。第2レーザLSは、両金属箔露出領域61b,61cと活物質層形成領域61aとの境界にて、正極母シート61の長手方向に沿って正極タブ辺30dを切り出す。また、第2レーザLS2は、両金属箔露出領域61b,61cのそれぞれにて正極タブ部31bを切り出す。こうして、正極母シート61から正極シート30が切り出される。
図11にて説明したとおり、正極シート30は、正極母シート61の幅方向に2つ切り出されるとともに、正極母シート61の長手方向に連続して切り出される。なお、正極タブ辺30dは、第1レーザLS1によって活物質層形成領域61a上で切り出してもよい。
図12では、活物質層形成領域61aがハッチングにて示されている。
【0069】
第1レーザLS1は、
図13に示すように、第1面正極活物質層32に第1面溶融部133を形成するとともに、第2面正極活物質層36に第2面溶融部137を形成する。既に説明したとおり、第1面溶融部133は、第1面湾曲部35、第1面テーパ部34、及び第1面縁部134を有する。第2面溶融部137は、第2面直交部38、及び第2面湾曲部39を有する。
図13に示すように、第1レーザLS1は、正極母シート61に対して垂直に照射される。これにより、第1レーザLS1の切断ラインを間においた両側では、第1面溶融部133及び第2面溶融部137が対称に形成される。レーザLSにて切り出された正極シート30は、例えば図示しない積層ボックスにストックされ、つぎに説明するセパ包み工程S1cにまわされる。なお、第1面溶融部133及び第2面溶融部137は第1レーザLSにて溶融されて形成されることから、これらの第1面溶融部133及び第2面溶融部137はバリのないなだらかな面にて構成される。したがって、後述の接合工程P3において第1面溶融部133の第1面湾曲部35及び第1面テーパ部34をそれぞれ覆う第1セパレータ湾曲部55b及び第1セパレータ第1傾斜部OP1が破れることが防止される。
【0070】
セパ包み工程S1cでは、
図14に示すように、セパ包み装置100が使用される。セパ包み装置100は、正極シート載置工程P1、セパレータ重ね合わせ工程P2、接合工程P3、及び切断工程P4の各工程を順に実施する。セパ包み装置100は、第1供給ローラ102、吸引ハンド112、第2供給ローラ104、押さえローラ106、溶着ローラ108、及び切断ローラ110を有する。
【0071】
第1供給ローラ102には、帯状の第2セパレータ56が巻かれている。第2セパレータ56の幅H1は、正極第1側辺30aの長さよりも長い。
【0072】
吸引ハンド112は、正極シート30の吸引と、その吸引の解除と、が可能な吸引部113(
図15参照)を有する。吸引部113は、例えば、正極シート30に面接触する対向面113aを有し、当該対向面113aには複数の吸引孔113bが設けられている。
【0073】
第2供給ローラ104には、
図14に示すように、帯状の第1セパレータ55が巻かれている。第1セパレータ55の幅H2は、第2セパレータ56の幅H1と略一致している。押さえローラ106は、上下に対となる第1押さえローラ106a及び第2押さえローラ106bを有する。
【0074】
溶着ローラ108は、上下に対となる第1溶着ローラ108a及び第2溶着ローラ108bを有する。第1溶着ローラ108a(
図16参照)は、その軸線aJ方向の両縁に、ローラ本体210よりも径の大きい第1加熱円盤部212及び第2加熱円盤部214を有する。また、第1溶着ローラ108aは、ローラ本体210の外周面に、当該外周面から径方向に張り出した加熱張出部216を有する。加熱張出部216は、ローラ本体210の周方向の一定箇所にて、両加熱円盤部212,214に亘って軸線aJ方向に延びている。加熱張出部216の外周面216aの径は、両加熱円盤部212,214の径と一致している。加熱張出部216及び両加熱円盤部212,214は、第1セパレータ55と第2セパレータ56とを互いに溶着できる温度に設定されている。第2溶着ローラ108bは、円柱形状であり、軸線bJ方向に亘って凹凸がない。
【0075】
切断ローラ110は、
図14に示すように、上下に対となる第1切断ローラ110a及び第2切断ローラ110bを有する。第1切断ローラ110aは、その両縁に亘る刃MFを有する。
【0076】
セパ包み装置100の動作について説明する。まず、
図14に示すように、第2セパレータ56が第1供給ローラ102から巻きだされる。第2セパレータ56は、所定のテンションを受けながら搬送方向FF2へ搬送される。この第2セパレータ56に対して、正極シート載置工程P1が実施される。正極シート載置工程P1では、吸引ハンド112が第2セパレータ56上に正極シート30を載置する。吸引ハンド112は、レーザ加工装置80(
図12参照)にて切り出された正極シート30を吸引して第2セパレータ56上に運ぶ。そして、吸引ハンド112は、第2セパレータ56上にて正極シート30の吸引を解除して当該正極シート30を第2セパレータ56に載置する。正極シート30は、正極集電部31aが第2セパレータ56の範囲内に収まるようにして、第2面正極活物質層36(
図5参照)の側から第2セパレータ56に載置される。
【0077】
正極シート載置工程P1の後、セパレータ重ね合わせ工程P2が実施される(
図14参照)。セパレータ重ね合わせ工程P2では、第2供給ローラ104から第1セパレータ55が巻き出されるとともに、当該第1セパレータ55が正極シート30及び第2セパレータ56とともに両押さえローラ106a,106bにて上下から挟み込まれる。両押さえローラ106a,106bは、第1セパレータ55を正極シート30及び第2セパレータ56に重ね合わせた状態で、これらの第1セパレータ55、正極シート30及び第2セパレータ56を搬送方向FF2に搬送する。なお、第1セパレータ55は、当該第1セパレータ55の範囲内に正極集電部31aが収まる位置にて、第1面正極活物質層32(
図5参照)の側から第2セパレータ56に重ね合わされる。
【0078】
セパレータ重ね合わせ工程P2の後、接合工程P3が実施される(
図14参照)。接合工程P3では、両溶着ローラ108a,108bが、両セパレータ55,56及び正極シート30を上下から挟み込んで両セパレータ55,56を溶着しながら、両セパレータ55,56及び正極シート30を搬送方向FF2へ搬送する。第1加熱円盤部212は、第1溶着領域F1を溶着する。第1溶着領域F1は正極タブ辺30dの外周であって正極タブ辺30dに沿う領域である。第2加熱円盤部214は、第2溶着領域F2を溶着する。第2溶着領域は正極タブ対向辺30bの外周であって正極タブ対向辺30bに沿う領域である。加熱張出部216は、第3溶着領域F3を溶着する。第3溶着領域F3は、隣り合う正極シート30の間の領域であって、正極第1側辺30a及び正極第2側辺30cに沿う領域である。各溶着領域F1,F2,F3では、既に説明した第1セパレータ接合部55d及び第2セパレータ接合部56c(
図7参照)が形成される。
【0079】
図17は、両セパレータ55,56が溶着される様子を、第3溶着領域F3に関して示している。なお、
図17では、第2溶着ローラ108bが側面図によって表されている。
図17に示すように、第1溶着ローラ108aは第1セパレータ55の側に位置し、第2溶着ローラ108bは第2セパレータ56の側に位置している。第1溶着ローラ108aの加熱張出部216は、正極シート30の厚みの分だけ第1セパレータ55を第2セパレータ56の側に押付けて両セパレータ55,56を互いに溶着する。第2溶着ローラ108bは、第2セパレータ56を面一に保持する。両セパレータ55,56は、第1セパレータ55における第1テーパ部34に対向する箇所(第1セパレータ第1傾斜部OP1)が第1テーパ部34に沿って配置されるように、第1セパレータ55にテンションがかけられた状態で互いに溶着される。なお、既に説明したとおり、第1面平行部33と第1面テーパ部34との曲がり目となる第1面湾曲部35が曲面形状であることから、第1セパレータ55に第2セパレータ56の側へのテンションがかかっても、第1面湾曲部35を覆う第1セパレータ湾曲部55bが突っ張って破れることが防止される。加熱張出部216と同様にして、両加熱円盤部212,214(
図14参照)は、第1セパレータ55を正極シート30の厚みの分だけ第2セパレータの側へ押付けて、両セパレータ55,56を互いに溶着する。
【0080】
接合工程P3(
図14参照)の後、切断工程P4が実施される。切断工程P4では、両切断ローラ110a,110bが、両セパレータ55,56及び正極シート30を上下から挟み込んでこれらの両セパレータ55,56及び正極シート30を搬送方向FF2に搬送するとともに、第1切断ローラ110aの刃MFが隣り合う正極シート30の間で両セパレータ55,56を幅方向に亘って切断する。これにより、正極ユニット50が完成する。
【0081】
負極シート作製工程S2(
図9参照)について説明する。負極シート作製工程S2は、負極母シート準備工程S2aと、負極シート切り出し工程S2bと、を有する。負極母シート準備工程S2aでは、
図10に示した塗工乾燥装置70を用いて、帯状の負極金属箔の両面に第1面負極活物質層と第2面負極活物質層とがそれぞれ形成された負極母シートが作製される。負極母シートの作製手順については、正極母シート61の作製手順と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0082】
負極シート切り出し工程S2bでは、
図12に示したレーザ加工装置80が用いられる。そして、レーザ加工装置80にて、負極母シートから負極シートが切り出される。負極シートの切り出しの手順については、正極シート30の切り出しの手順と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0083】
積層工程S3(
図9参照)について説明する。積層工程S3では、
図18に示す積層装置150が使用される。積層装置150は、例えば、スライド面152と積層ボックス154とを有する。スライド面152には、図示しないコンベアから順次、正極ユニット50と負極シート40とが交互に搬送されてくる。正極ユニット50と負極シート40とは、スライド面152から積層ボックス154に落下する。積層ボックス154は、水平面に対して所定角度Tで傾斜している。したがって、積層ボックス154に落下した正極ユニット50と負極シート40とは、積層ボックス154の前面154a側に動いて、当該前面154aの側から順に積層されていく。これによって、正極ユニット50と負極シート40とが交互に積層された電極組立体20(
図2参照)が作製される。
【0084】
積層工程S3においては、各正極ユニット50が、それぞれの第1面AA(
図2参照)を同一方向に向けて積層される。したがって、積層工程S3においては、セパ包み工程S1cにて作製された各正極ユニット50を、その後、表裏反転させることなく一定の向きにて負極シート40と交互に積層すればよく、積層工程S3が容易となる。同様に、各負極シート40は、それぞれの負極第1面CCを同一方向に向けて積層される。したがって、積層工程S3においては、負極シート切り出し工程S2bにて作製された各負極シート40を、その後、表裏反転させることなく一定の向きにて正極ユニット50と交互に積層すればよく、積層工程S3が容易となる。積層工程S3にて作製された電極組立体20は、電解液とともにケース10(
図1参照)に封入される。こうして蓄電装置1が完成する。
【0085】
以上は、本発明を実施するための形態を図面に関連して説明したが、本発明は上述の実施形態にて説明した構造、構成、外観、形状等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。第1セパレータ接合部55dと第2セパレータ接合部56cとの接合は、溶着に限定されるものではなく、例えば接着によって接合してもよい。第1面溶融部133及び第2面溶融部137の形成方法は、レーザによる溶融に限定されるものではなく、例えば高温の刃やバーナー等にて溶融して形成してもよい。第1面溶融部133は、正極第1側辺30a、正極タブ対向辺30b、正極第2側辺30cの3辺のうちの2辺もしくは1辺のみに設けてもよく、また、正極タブ辺30dに沿って設けてもよい。第2面溶融部137は、第1面溶融部133が設けられた辺に沿って設けられる。なお、この後説明する
図21,
図22に示すように、本発明の「第1セパレータが第1面テーパ部に沿う」は、第1セパレータが第1面テーパ部の一部に沿う場合も含む。第1溶融部34が正極第1側辺30a、正極タブ対向辺30b、正極第2側辺30cの3辺のうちの2辺または1辺にのみに設けられる場合、正極シート30は、テーパ辺と非テーパ辺とを有する。テーパ辺は、既に説明したとおり、正極金属箔31の第1面AAにおける第1面テーパ部34または第1面塗工テーパ部834が設けられた辺である。非テーパ辺は、第1面テーパ部34及び第1面塗工テーパ部834がともに設けられていない辺である。正極シート30がテーパ辺と非テーパ辺とを有する場合、接合工程P3においては、全てのテーパ辺と全ての非テーパ辺とに沿って両セパレータ55,56を互いに接合してもよい。全てのテーパ辺と一部の非テーパ辺とに沿って両セパレータ55,56を互いに接合してもよい。一部のテーパ辺と一部の非テーパ辺とに沿って両セパレータ55,56を互いに接合してもよい。一部のテーパ辺と全ての非テーパ辺とに沿って両セパレータ55,56を互いに接合してもよい。全てのテーパ辺、または、一部のテーパ辺のみに沿って両セパレータ55,56を互いに接合し、非テーパ辺においては両セパレータ55,56を接合しなくてもよい。全ての非テーパ辺、または、一部の非テーパ辺のみに沿って両セパレータ55,56を互いに接合し、テーパ辺においては両セパレータ55,56を互いに接合しなくてもよい。
【0086】
以下、第1面正極活物質層32及び第2面正極活物質層36の周縁の構成の変更例を、
図19〜
図24を用いて説明する。
図19〜
図24において
図7と同一もしくは実質同一な構成・機能を有する箇所には
図7と同一の符号を付すことで、重複した説明を省略する。なお、
図19〜
図24では、第1面正極活物質層32及び第2面正極活物質層36の周縁の変更例を、正極第1側辺30aを用いて説明するが、
図19〜
図24に示す構成を、正極タブ対向辺30b、正極第2側辺30c、及び正極タブ辺30dに採用してもよい。
【0087】
図19に示す第1面正極活物質層32aにおいては、
図7に示した第1面溶融部133に代えて、第1面溶融部133aが形成されている。第1面溶融部133aでは、第1面テーパ部34aが第1面正極辺30Yから連続して設けられており、当該第1面テーパ部34aは、第1面正極活物質層32aの厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に直線的に傾斜した平面形状に構成されている。第1セパレータ第1傾斜部OP1は、第1面テーパ部34aに沿って直線的に配置されて当該第1面テーパ34aに接触している。
【0088】
図20に示す第1面正極活物質層32bにおいては、
図7に示した第1面溶融部133に代えて、第1面溶融部133bが形成されている。第1面溶融部133bでは、第1面テーパ部34bが第1面正極辺30Yから連続して設けられているとともに、当該第1面テーパ部34bは第1面正極活物質層32bの厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に曲面状に湾曲しつつ傾斜している。第1面テーパ部34bは、第1面湾曲部35と一つながりの曲面形状を形成している。第1セパレータ第1傾斜部OP1は、第1面テーパ部34bの一部に沿って湾曲して配置されて当該第1面テーパ部34bの一部と接触している。第1面テーパ部34bの一部とは、詳細には、第1面テーパ部34bにおいて第1面正極辺30Yに連続する側の縁部を除いた箇所である。
【0089】
図21に示す第1面正極活物質層32cにおいては、
図7に示した第1面溶融部133に代えて、第1面溶融部133cが形成されている。第1面溶融部133cは、既に説明した第1面湾曲部35に加えて、第1面テーパ部34cと、第1面直交部534と、を有する。第1面テーパ部34cは、第1面正極活物質層32cの厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に曲面状に湾曲しつつ傾斜しており、詳細には、第1面湾曲部35と次に説明する第1面直交部534との間で、当該第1面湾曲部35と当該第1面直交部534とに亘って曲面状に湾曲している。第1面テーパ部34cは、第1面湾曲部35と一つながりの曲面形状を形成している。第1面直交部534は、第1面正極辺30Yから連続して設けられているとともに第1面AAに対して直交するように設けられている。第1セパレータ第1傾斜部OP1は、第1面テーパ部34cの一部に沿って湾曲して配置されて当該第1面テーパ部34cの一部と接触している。第1面テーパ部34cの一部とは、詳細には、第1面テーパ部34cにおいて第1面直交部534の側の縁部を除いた個所である。
【0090】
図22に示す第1面正極活物質層32は、
図7と同様に構成された第1面溶融部133を有する。第1面テーパ部34は、第1面正極活物質層32の厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に第1面傾斜角度θ1で傾斜している。第1面傾斜角度θ1及び後述の第2面傾斜角度θ2は、正極金属箔31の端面Eを延長させた基準線CRからの角度である。第2面正極活物質層36aにおいては、
図7に示した第2面溶融部137に代えて、第2面溶融部137aが形成されている。第2面溶融部137aは、第2面テーパ部138と、第2面湾曲部39aと、を有する。第2面テーパ部138は、第2面正極辺30Wから連続して設けられているとともに、第2面正極活物質層36aの厚み方向BB1において正極集電部31aの内方側に第1面傾斜角度θ1よりも小さい第2面傾斜角度θ2で傾斜している。第2面テーパ部138は、例えば直線的に傾斜した平面形状に構成されている。第2面湾曲部39aは、第2面テーパ部138と第2面平行部37との間で当該第2面テーパ部138と当該第2面平行部37とに亘って曲面状に連続している。
【0091】
第1セパレータ第2傾斜部OP2は、第1面縁部134、正極金属箔31の端面E、第2面テーパ部138、及び第2面湾曲部39aと対応した位置に配置されている。第1セパレータ第2傾斜部OP2は、第1セパレータ接合部55dに近づくにしたがって、第1面縁部134、端面E、第2面テーパ部138、及び第2面湾曲部39aから離れるように配置されている。したがって、第1セパレータ第2傾斜部OP2は、第1面縁部134、端面E、第2面テーパ部138、及び第2面湾曲部39aと接触することが回避される。したがって、第1セパレータ第2傾斜部OP2は、第1面縁部134、端面E、第2面テーパ部138、及び第2面湾曲部39aとの接触に起因する何らの破損が防止される。なお、
図22に示した構成を変更し、第1面テーパ部34及び第2面テーパ部138が曲面状に湾曲しつつ傾斜する構成としてもよい。
【0092】
図23に示す第1面正極活物質層32dにおいては、
図19に示した第1面溶融部133aと実質的に同一に構成された第1面溶融部133dが形成されている。すなわち、第1面テーパ部34dは、第1面正極辺30Yから連続して設けられており、当該第1面テーパ部34dは、第1面正極活物質層32aの厚み方向AA1において正極集電部31aの内方側に直線的に傾斜した平面形状に構成されている。第2面正極活物質層36bにおいては、
図7に示した第2面溶融部137に代えて、第2面溶融部137bが形成されている。第2面溶融部137bは、第2面外向きテーパ部238と第2面湾曲部39bとを有する。第2面外向きテーパ部238は、第2面正極辺30Wから連続して設けられているとともに、第2面正極活物質層36bの厚み方向BB1において正極集電部31aの外方側に直線的に傾斜した平面状に形成されている。第2面湾曲部39bは、第2面外向きテーパ部238と第2面平行部37との間で当該第2面外向きテーパ部238と当該第2面平行部37とに亘って曲面状に連続している。正極金属箔31の端面E1は、第1面AA及び第2面BBに対して傾斜した平面形状に構成されており、詳細には、第2面正極辺30Wから第1面正極辺30Yに向けて正極シート30の外方側に傾斜している。第1面テーパ部34dと端面E1と第2面外向きテーパ部238とは、一つながりに連続した平面形状を構成している。
【0093】
第1セパレータ第1傾斜部OP1は、第1面テーパ部34dに沿って直線的に配置されて当該第1面テーパ部34dに接触している。第1セパレータ第2傾斜部OP2は、正極金属箔31の端面E1及び第2面外向きテーパ部238に沿って直線的に配置されて当該端面E1及び当該第2面外向きテーパ部238に接触している。このように、
図23に示す構成においては、第1面テーパ部34dと正極金属箔31の端面E1と第2面外向きテーパ部238とが構成する一つながりの面に沿って、第1セパレータ第1傾斜部OP1と第1セパレータ第2傾斜部OP2とが配置されることから、これらの第1セパレータ第1傾斜部OP1及び第1セパレータ第2傾斜部OP2が突っ張って破れることが防止される。また、
図23に示す構成においては、第1面テーパ部34dから第2面外向きテーパ部238までが、正極シート30の外方へ向けた連続した傾斜面となっていることから、負極シート40との積層によって第1面平行部33の周縁にかかる荷重は、第1面テーパ部34dから第2面外向きテーパ部238に向けて正極シート30の外方側へ分散される。この結果、第1面平行部33の周縁を覆うセパレータ部分である第1セパレータ平行部55aの周縁にかかる荷重が緩和され、当該第1セパレータ平行部55aの周縁が破れることが抑制ないし防止される。なお、
図23に示した構成を変更し、例えば、第1面テーパ部34dと正極金属箔31の端面E1と第2面外向きテーパ部とが、一つながりに連続した曲面形状となるように構成しもよい。
【0094】
図24に示す構成においては、第1セパレータ接合部55dと第2セパレータ接合部56cとが、正極金属箔31の厚みに対応する位置にて互いに溶着されている。第2セパレータ56は、既に説明した第2セパレータ平行部56aと第2セパレータ接合部56cとの間に、第2セパレータ湾曲部56dと第2セパレータ傾斜部56eとを有する。第2セパレータ湾曲部56dは、第2面湾曲部39に沿って湾曲して配置され、かつ、第2面湾曲部39に接触している。第2セパレータ傾斜部56eは、第2セパレータ平行部56aに対して第1セパレータ55の側へ傾斜して配置され、かつ、第2面直交部38に対向して配置されている。第2セパレータ傾斜部56eは、第2面直交部38から離れた位置に配置されている。なお、既に説明したとおり、第2面湾曲部39は、溶融部でありかつ曲面状である。したがって、第2面湾曲部39は、バリのないなだらかな面にて構成される。したがって、第2面湾曲部39を覆う第2セパレータ湾曲部56dは破れることが防止される。また、
図24の構成においては、第2セパレータ56が第2セパレータ傾斜部56eを有することで、当該第2セパレータ56は第1セパレータ55の側へ近づけられる。これにより、例えば第2セパレータ56を第2面平行部37に沿って面一に配置した場合に比べて、第1セパレータ傾斜部55cを短く設定して両セパレータ接合部55d,56cを接合でき、第1セパレータ傾斜部55cにかかる負担が低減される。したがって、第1セパレータ傾斜部55cが破れることが防止される。
【0095】
以下、第1面活物質層32及び第2面活物質層36の周縁以外の変更例について説明する。塗工乾燥装置70、レーザ加工装置80、及びセパ包み装置100の構成は、上述の実施形態に示した構成に限定されるものではなく、上述の実施形態と同様に機能する構成であれば如何なる構成であってもよい。例えば、レーザ装置88はスキャナタイプでもよい。この場合、レーザの照射位置はミラーによって3次元的に変更される。
【0096】
正極タブ部31bの幅(正極タブ辺30dに沿う方向の長さ)は、正極タブ辺30dの長さよりも小さいことに限定されず、例えば正極タブ辺30dの長さと同等であってもよい。負極タブ部41bの幅(負極タブ辺40dに沿う方向の長さ)についても同様である。
【0097】
正極ユニット及び負極シートは、それぞれ帯状に構成してもよい。そして、一枚ずつの正極ユニット及び負極シートを互いに重ね合わせて巻回し、巻回式の電極体を作製してもよい。
【0098】
正極シートと負極シートとは、それぞれの構成を互いに入れ替えてもよい。すなわち、正極シートをセパレータで覆うことなく露出した状態とし、負極シートを両面からセパレータで覆って負極ユニットを構成する。この場合、正極シートと負極シートとで、活物質層の周縁の構成も、互いに入れ替えられる。