(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切換部は、前記交差方向において前記第3ローラが前記第1ローラ及び前記第2ローラに接近することを禁止及び許可可能な、ストッパーを有することを特徴とする請求項2に記載のフィラメントワインディング装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2つのボビンに巻かれた炭素繊維の端部同士を接着固定する際には、2つのボビンの回転を停止させる必要がある。つまり、接着固定の作業の際には、ボビンからヘリカル巻ユニットへの炭素繊維の供給を一時的に止めることになる。このため、繊維束の巻き付け動作が行われている最中等、任意のタイミングで接着固定の作業を行いたい状況が生じた場合、特許文献1に記載のフィラメントワインディング装置では、それができないという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、繊維束の巻き付け動作が行われている最中でも、複数のボビンに巻かれた繊維束の端部同士を繋ぐ作業を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明のフィラメントワインディング装置は、ライナーに繊維束を巻き付ける巻付ユニットと、前記巻付ユニットに繊維束を供給している供給ボビンと、前記供給ボビンとは別の予備ボビンとを、前記供給ボビンに巻かれた繊維束の巻取開始端部と前記予備ボビンに巻かれた繊維束の巻取終端部とが繋がれた状態で回転可能に支持するボビン支持軸と、繊維束の走行方向において前記ボビン支持軸と前記巻付ユニットの間に配置され、前記巻付ユニットに供給される繊維束を一時的に貯留する繊維束貯留部と、を備え、前記繊維束貯留部は、前記繊維束貯留部による繊維束の貯留が行われている貯留状態と、前記繊維束貯留部による繊維束の貯留が解除されており、且つ、前記繊維束貯留部から前記巻付ユニットに繊維束が供給されている貯留解除状態との間で、前記繊維束貯留部の状態を切換可能な切換部を有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、供給ボビン及び予備ボビンが、ボビン支持軸によって回転可能に支持される。供給ボビンの繊維束の巻取開始端部(供給ボビンの径方向内側における繊維束の端部)と、予備ボビンの繊維束の巻取終端部(予備ボビンの径方向外側における繊維束の端部)とが繋がれることで、供給ボビンが空になった後でも、予備ボビンから巻付ユニットに繊維束を引き続き供給できる。
【0009】
上述したように供給ボビンが空になった場合、空になったボビンを満巻き状態の新たなボビン(新ボビン)と交換する交換作業、及び、繊維束を供給中の予備ボビンの繊維束の端部と新ボビンの繊維束の端部を繋ぐ、繋ぎ作業を行う必要がある。ここで、ボビンを回転させつつ繋ぎ作業を行うことは極めて困難なので、少なくとも繋ぎ作業の際には、予備ボビン及び新ボビンの回転を停止させる必要がある。本発明では、切換部によって、繊維束貯留部の状態が、貯留状態と貯留解除状態との間で切り換えられる。繊維束を供給中の予備ボビンの回転を停止させる必要がないときは、繊維束貯留部が貯留状態に維持されることで、繊維束を繊維束貯留部に貯留できる。一方、繋ぎ作業を行う必要が生じたときは、繊維束貯留部が貯留解除状態に切り換えられることで、予備ボビンと新ボビンの回転を停止させた状態であっても、繊維束貯留部に貯留されている繊維束を巻付ユニットに供給しつつ、繋ぎ作業を行うことができるようになる。したがって、繊維束の巻き付け動作が行われている最中でも、繋ぎ作業をすることができる。
【0010】
第2の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第1の発明において、前記繊維束貯留部は、繊維束が掛けられる第1ローラと、同じく繊維束が掛けられ、前記走行方向において前記第1ローラとの間に繊維束を貯留する第2ローラと、前記走行方向において前記第1ローラと前記第2ローラの間に配置されており、前記第1ローラの中心と前記第2ローラの中心とを結ぶ直線に交差する交差方向において、前記第1ローラ及び前記第2ローラに対し移動可能な第3ローラと、を有し、前記切換部は、前記第3ローラの位置を、前記交差方向において所定の貯留位置に維持することで、前記繊維束貯留部を前記貯留状態にし、前記貯留位置にある前記第3ローラを、前記交差方向において前記貯留位置よりも前記第1ローラ及び前記第2ローラに近い側に移動可能にすることで、前記繊維束貯留部を前記貯留解除状態にすることを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、切換部が、第3ローラを貯留位置に維持することで繊維束貯留部を貯留状態にし、第3ローラを貯留位置よりも第1ローラ及び第2ローラに近い側に移動可能にすることで繊維束貯留部を貯留解除状態にする。このように、単純な構成によって貯留状態と貯留解除状態を切り換えることができる。
【0012】
第3の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第2の発明において、前記切換部は、前記交差方向において前記第3ローラが前記第1ローラ及び前記第2ローラに接近することを禁止及び許可可能な、ストッパーを有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明では、第3ローラが上述した貯留位置にあるとき、交差方向において第3ローラが第1ローラ及び第2ローラに接近することをストッパーによって禁止することで、繊維束貯留部の貯留状態を維持することができる。また、繋ぎ作業を行うために2つのボビンの回転を停止させる場合、交差方向において第3ローラが第1ローラ及び第2ローラに接近することを許可することで、繊維束貯留部に貯留された繊維束が短くなるように第3ローラを移動可能にする(すなわち、繊維束貯留部を貯留解除状態にする)ことができる。このように、単純な構成によって、繊維束貯留部を貯留状態に維持することができ、また、繊維束貯留部を貯留状態から貯留解除状態に切り換えることができる。
【0014】
第4の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第3の発明において、前記ストッパーは、前記交差方向において前記第3ローラを前記第1ローラ及び前記第2ローラから離間する側に押圧可能な押圧部を有し、前記押圧部は、前記第3ローラを押さえることで前記第3ローラを前記貯留位置に維持する第1位置と、前記交差方向において前記第1位置よりも前記第1ローラ及び前記第2ローラに近い第2位置との間で移動可能であることを特徴とするものである。
【0015】
本発明では、ストッパーの押圧部が第1位置にあるとき、第3ローラが貯留位置に維持され、繊維束貯留部が貯留状態に維持されている。押圧部が第1位置から第2位置に移動することで、第3ローラの移動が許可され、繊維束貯留部が貯留解除状態に切り換えられる。また、押圧部が第2位置から第1位置に移動することで、第3ローラが押圧部によって貯留位置に戻され、繊維束貯留部が貯留状態に戻る。このように、単純な構成によって、繊維束貯留部を貯留状態と貯留解除状態との間で切り換えることができる。
【0016】
第5の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第1〜第4のいずれかの発明において、前記供給ボビン及び前記予備ボビンの回転を停止させる停止部を備えることを特徴とするものである。
【0017】
本発明では、巻付ユニットが動作している最中でも、繊維束貯留部を貯留解除状態にし、且つ、停止部によって供給ボビン及び予備ボビンの回転を強制的に止めることで、任意のタイミングで繋ぎ作業を行うことができる。また、巻付ユニットの動作中に繋ぎ作業を行っているときに、供給ボビン及び予備ボビンが意図せず回転することを停止部によって防ぐことができるので、安全に作業することができる。
【0018】
第6の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第1〜第5のいずれかの発明において、前記ボビン支持軸は、前記供給ボビン及び前記予備ボビンを前記ボビン支持軸の軸方向に並べて支持可能であり、且つ、前記供給ボビン及び前記予備ボビンと一体回転可能であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明では、供給ボビンと予備ボビンが軸方向に並べて(すなわち、同軸に)支持され、且つ、ボビン支持軸と一体回転可能であるため、供給ボビンの回転速度と予備ボビンの回転速度を確実に等しくすることができる。したがって、2つのボビンの繊維束の端部同士が繋がれている状態で、当該端部が捻れること等を、確実に防止できる。
【0020】
第7の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第6の発明において、前記ボビン支持軸は、前記供給ボビン及び前記予備ボビンのうちいずれか一方と一体回転可能な第1支持軸と、前記供給ボビン及び前記予備ボビンのうちいずれか他方と一体回転可能な第2支持軸と、前記軸方向において前記第1支持軸と前記第2支持軸との間に設けられ、前記第1支持軸と前記第2支持軸とを一体回転可能に連結及び連結解除可能な連結部と、を有することを特徴とするものである。
【0021】
本発明では、第1支持軸と第2支持軸が連結部によって連結されている状態では、第1支持軸と第2支持軸が一体回転し、供給ボビンと予備ボビンが等しい回転速度で回転する。また、供給ボビンが空になって、予備ボビンから巻付ユニットに繊維束を引き続き供給している場合に、第1支持軸と第2支持軸の連結を解除することで、空のボビン(旧供給ボビン)のみ回転を止めることができる。このため、予備ボビンから巻付ユニットに繊維束を引き続き供給しつつ(すなわち、繊維束貯留部による繊維束の貯留を解除することなく)、空のボビンの交換作業を行うことができる。つまり、交換作業時には繊維束の貯留を解除する必要がなく、繋ぎ作業時にのみ、2つのボビンの回転を停止させるために繊維束の貯留を解除すれば良い。したがって、繊維束貯留部を貯留解除状態にする時間が長くなることを抑制し、繊維束貯留部に貯留された繊維束を枯渇しにくくすることができる。
【0022】
第8の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第7の発明において、前記第1支持軸及び前記第2支持軸の、前記軸方向における前記連結部とは反対側の端部をそれぞれ回転可能に支持する支持部を備え、前記支持部は、前記第1支持軸と前記第2支持軸とが連結解除されている状態で、前記第1支持軸と前記第2支持軸を互いに離間させることが可能であることを特徴とするものである。
【0023】
ボビンの交換作業の際には、ボビンを軸方向に移動させてボビン支持軸に着脱する必要がある。このため、例えば、ボビン支持軸が片持ち支持されている(すなわち、第1支持軸と第2支持軸のうちいずれか一方のみが回転可能に支持されている)と、以下の問題が生じる。すなわち、基端側のボビンが空になって、先端側のボビンから繊維束を巻付けユニットに供給しつつ基端側の空ボビンを新ボビンと交換する場合、空ボビンを先端側から抜き取ることは、先端側のボビンと空ボビンが干渉するため不可能である。このため、基端側のボビンを基端側において抜き取るための構成が必要となり、装置の構造が複雑化するおそれがある。本発明では、支持部が、第1支持軸及び第2支持軸の軸方向における連結部とは反対側の端部をそれぞれ回転可能に支持している。言い換えると、支持部が、ボビン支持軸の両端部を支持している。さらに、第1支持軸及び第2支持軸は、連結解除されている状態で互いに離間可能である。このため、交換作業の際に、第1支持軸と第2支持軸を互いに離間させることで、ボビンを着脱することができる。したがって、装置の構造の複雑化を抑えることができる。
【0024】
第9の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第8の発明において、前記第1支持軸及び前記第2支持軸のうち少なくとも一方は、連結解除されている状態で、少なくとも前記軸方向に直交する方向に移動可能であることを特徴とするものである。
【0025】
上述したように、ボビンの交換作業の際には、ボビンを軸方向に移動させる必要がある。つまり、ボビンを着脱するためには、ボビン支持軸の軸方向における延長線上に、少なくともボビンの長さ分のスペースが必要である。このため、第8の発明の構成において、第1支持軸と第2支持軸が軸方向にのみ離間可能である場合、ボビンの軸方向の長さ分だけ互いを離間させる必要があり、軸方向において交換作業のためのスペースを広く確保しなければならず、装置が大型化するおそれがある。本発明では、第1支持軸と第2支持軸が、少なくとも軸方向に直交する方向に移動可能である。すなわち、第1支持軸の軸心と第2支持軸の軸心を互いにずらすことが可能である。これにより、第1支持軸に装着されたボビンは、軸方向における第2支持軸側の空間を利用して着脱できる。同様に、第2支持軸に装着されたボビンは、軸方向における第1支持軸側の空間を利用して着脱できる。したがって、装置の大型化を抑制できる。
【0026】
第10の発明のボビン交換方法は、ライナーに繊維束を巻き付ける巻付ユニットと、前記巻付ユニットに繊維束を供給している供給ボビンと、前記供給ボビンとは別の予備ボビンとを、前記供給ボビンに巻かれた繊維束の巻取開始端部と前記予備ボビンに巻かれた繊維束の巻取終端部とが繋がれた状態で回転可能に支持するボビン支持軸と、を備えるフィラメントワインディング装置において、前記巻付ユニットによって前記ライナーに繊維束を巻き付けている最中に前記供給ボビンが空になった場合に、引き続き前記予備ボビンから繊維束を前記巻付ユニットに供給しながら、空ボビンを新ボビンに交換するボビン交換方法であって、前記空ボビンの回転を停止させた状態で、前記空ボビンを前記ボビン支持軸から取り外し、前記新ボビンを前記ボビン支持軸に装着する交換工程と、前記交換工程の後に、前記新ボビン及び前記予備ボビンの回転を停止させた状態で、前記新ボビンに巻かれた繊維束の巻取開始端部と前記予備ボビンに巻かれた繊維束の巻取終端部とを繋ぐ繋ぎ工程と、前記繋ぎ工程の後に、前記新ボビン及び前記予備ボビンの回転停止状態を解除する回転再開工程と、を備え、前記フィラメントワインディング装置は、前記巻付ユニットに供給される繊維束を一時的に貯留する貯留状態と前記貯留状態が解除された貯留解除状態との間で状態を切換可能な繊維束貯留部をさらに備えるものであり、少なくとも前記交換工程の前までは、前記繊維束貯留部を前記貯留状態に維持しておき、前記予備ボビンの回転を停止させる前に、前記繊維束貯留部を前記貯留状態から前記貯留解除状態に切り換え、さらに、前記回転再開工程の後に、前記繊維束貯留部を前記貯留解除状態から前記貯留状態に戻すことを特徴とするものである。
【0027】
本発明では、供給ボビンが空になった場合に、引き続き予備ボビンから繊維束を巻付ユニットに供給しながら、空ボビンを新ボビンに交換する。本発明では、予備ボビンの回転を停止させる前に、繊維束貯留部を貯留状態から貯留解除状態に切り換える。このため、予備ボビンの回転を停止させた後も、繊維束貯留部から巻付ユニットに繊維束を供給しつつ繋ぎ工程を実行できる。また、回転再開工程の後に繊維束貯留部を貯留解除状態から貯留状態に切り換えることで、再び繊維束を貯留することができる。以上のようにして、繊維束の巻き付け動作が行われている最中でも、繋ぎ工程を実行することができる。
【0028】
第11の発明のボビン交換方法は、前記第10の発明において、前記交換工程では、前記予備ボビンの回転は停止させず、前記繊維束貯留部を前記貯留状態に維持しておくことを特徴とするものである。
【0029】
本発明では、交換工程で繊維束貯留部を貯留状態に維持しておく。このため、交換工程の間も、予備ボビンから供給される繊維束を繊維束貯留部に貯留できるので、繊維束貯留部を貯留解除状態にしておく時間をさらに短縮できる。したがって、繊維束貯留部に貯留された繊維束を枯渇しにくくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の実施の形態について、
図1〜
図14を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、
図1に示す方向を前後左右方向とする。また、前後左右方向と直交する方向を、重力が作用する上下方向(本発明の交差方向)とする。
【0032】
(フィラメントワインディング装置の概略構成)
まず、フィラメントワインディング装置1の概略構成について、
図1を用いて説明する。フィラメントワインディング装置1は、巻付装置2と、クリールスタンド3と、コントロールパネル4と、を備える。
【0033】
巻付装置2は、ライナーLに繊維束を巻き付けるためのものである。繊維束は、例えば炭素繊維等の繊維材料に、熱硬化性の合成樹脂材が含浸されたものである。ライナーLは、例えば、圧力タンクを製造するためのものとして、高強度アルミニウム等で形成されており、円筒部と、円筒部の両側に形成されたドーム部とを有する。なお、巻付装置2の詳細については後述する。
【0034】
クリールスタンド3は、後述するヘリカル巻ユニット40(本発明の巻付ユニット)に繊維束を供給するためのものである。クリールスタンド3は、支持フレーム11と、支持フレーム11に支持された複数のボビン支持部60(本発明の支持部)とを有する。支持フレーム11は、概ね左右対称に配置されており、支持フレーム11の左右方向における中央部には、巻付装置2の一部が配設される配設空間12が形成されている(なお、配設空間12内の詳細については、図示を省略している)。複数のボビン支持部60には、ヘリカル巻ユニット40に供給される繊維束が巻かれているボビンBが、それぞれ回転可能に支持されている。なお、各ボビン支持部60は、それぞれ2つのボビンBを支持可能である。ボビン支持部60の詳細については、後述する。
【0035】
コントロールパネル4は、制御装置5と、表示部6と、操作部7とを有する。制御装置5は、巻付装置2の各部の動作を制御する。表示部6は、巻付装置2によるライナーLへの繊維束の巻付条件等を表示する。操作部7は、オペレータが巻付装置2による巻付条件等を制御装置5に入力するためのものである。
【0036】
(巻付装置の構成)
次に、巻付装置2の構成について、
図2及び
図3を用いて説明する。巻付装置2は、基台15と、支持ユニット20(第1支持ユニット21及び第2支持ユニット22)と、フープ巻ユニット30と、ヘリカル巻ユニット40と、を備える。
【0037】
基台15は、支持ユニット20、フープ巻ユニット30、及び、ヘリカル巻ユニット40(本発明の巻付ユニット)を支持するためのものである。基台15は、前後方向に延びている。基台15上には、前側から第1支持ユニット21、フープ巻ユニット30、ヘリカル巻ユニット40、第2支持ユニット22の順で、前後方向に並べて配置されている。また、基台15の上面には、前後方向に延びる複数のレール16が配設されている。支持ユニット20及びフープ巻ユニット30は、レール16上に配置され、レール16に沿って前後方向に移動可能に構成されている。ヘリカル巻ユニット40は、クリールスタンド3の配設空間12の前端部において、基台15に固定されている(
図1参照)。
【0038】
支持ユニット20は、フープ巻ユニット30よりも前側に配置される第1支持ユニット21と、ヘリカル巻ユニット40よりも後側に配置される第2支持ユニット22と、を有する。支持ユニット20は、ライナーLの軸方向(前後方向)に延びる支持軸23を中心として、ライナーLを回転可能に支持する。支持ユニット20は、支持ユニット20をレール16に沿って前後方向に移動させるための移動用モータ24と、ライナーLを回転させるための回転用モータ25と、を有する(
図3参照)。移動用モータ24及び回転用モータ25は、制御装置5によって駆動制御される。
【0039】
フープ巻ユニット30は、ライナーLに対して繊維束をフープ巻きする(ライナーLの軸方向に対して概ね直角な方向に繊維束を巻き付ける)ためのものである。フープ巻ユニット30は、本体部31と、回転部材32と、を有する。本体部31は、レール16上に配置されており、回転部材32をライナーLの軸周りに回転可能に支持する。回転部材32は、円板形状を有する部材である。回転部材32の径方向中央部には、ライナーLが通過可能な円形の通過穴34が形成されている。フープ巻ユニット30には、それぞれ繊維束が巻かれている複数のボビン33が取り付けられている。複数のボビン33は、回転部材32の周方向に等間隔で配置されている。
【0040】
フープ巻ユニット30は、
図3に示すように、フープ巻ユニット30をレール16に沿って前後方向に移動させるための移動用モータ35と、回転部材32を回転させるための回転用モータ36と、を有する。移動用モータ35及び回転用モータ36は、制御装置5によって駆動制御される。制御装置5は、ライナーLが相対的に通過穴34を通過するようにフープ巻ユニット30をレール16に沿って往復移動させながら、回転部材32を回転させる。これにより、複数のボビン33がライナーLの軸周りに公転し、複数の繊維束が複数のボビン33から引き出される。引き出された複数の繊維束は、ライナーLの表面に一斉にフープ巻きされる。
【0041】
ヘリカル巻ユニット40は、ライナーLに対して繊維束をヘリカル巻きする(ライナーLの軸方向に対して概ね平行な方向に繊維束を巻き付ける)ためのものである。ヘリカル巻ユニット40は、本体部41と、複数のガイド42と、複数のノズル43と、を有する。本体部41は、基台15に固定的に立設配置されている。本体部41の左右方向における中央部には、ライナーLが前後方向に通過可能な円形の通過穴44が形成されている。複数のガイド42及び複数のノズル43は、通過穴44の周方向に沿って配置されている。クリールスタンド3に配置されている複数のボビンBから引き出された複数の繊維束は、複数のガイド42を経由して、複数のノズル43に通される。ノズル43は、ライナーLの径方向に沿って延びており、当該径方向における外側から内側に向けて繊維束Fを案内する。ノズル43は、同軸で入れ子状に配置された径の異なる複数の管状部材を有しており、径方向に伸縮可能に構成されている。
【0042】
ヘリカル巻ユニット40は、
図3に示すように、複数のノズル43を伸縮させるためのノズル用モータ45を有する。ノズル用モータ45は、制御装置5によって駆動制御される。制御装置5は、ライナーLが通過穴44を通過するように、支持ユニット20をレール16に沿って往復移動させながら、複数のノズル43をライナーLの外形に合わせて伸縮させる。これにより、複数のノズル43から引き出された複数の繊維束Fが、ライナーLの表面に一斉にヘリカル巻きされる。
【0043】
巻付装置2でライナーLへの繊維束の巻き付け動作を開始する際には、まず、例えば、オペレータが繊維束の糸端をテープ等でライナーLに固定する。或いは、繊維束の糸端の固定等を自動化するための装置を設けてもよい。繊維束の糸端がライナーLに固定された後、制御装置5が各モータ24、25、35、36、45(
図3参照)を駆動制御することで、支持ユニット20に支持されたライナーLに対して、フープ巻ユニット30によってフープ巻きを施すことができるとともに、ヘリカル巻ユニット40によってヘリカル巻きを施すことができる。
【0044】
ここで、上述したように、ヘリカル巻ユニット40に繊維束を供給するための複数のボビン支持部60は、それぞれが、2つのボビンBを支持可能に構成されている(
図1参照)。2つのボビンBのうち一方に巻かれている繊維束が、ヘリカル巻ユニット40に供給される。また、他方のボビンBに巻かれている繊維束の巻取終端部(ボビン径方向の外側端部)は、一方のボビンBに巻かれている繊維束の巻取開始端部(ボビン径方向の内側端部)と接着固定されている(すなわち、繋ぎ目部分Fcが形成されている。
図1参照)。これにより、一方のボビンBが空になった後も、他方のボビンBから繊維束をヘリカル巻ユニット40に引き続き供給することが可能である。なお、一方のボビンBが空になった後は、空ボビンを新たな満巻きのボビンと交換し、新たなボビンに巻かれている繊維束の端部と、繊維束を供給中のボビンBに巻かれている繊維束の端部とを接着固定する必要がある。
【0045】
2つのボビンBに巻かれた繊維束の端部同士を接着固定する際には、2つのボビンBの回転を停止させる必要がある。つまり、接着固定の作業の際には、ボビンBからヘリカル巻ユニット40への繊維束の供給を一時的に止めることになる。このため、繊維束の巻き付け動作が行われている最中等、任意のタイミングで接着固定の作業を行いたい状況が生じた場合、従来の構成では、それができないという問題があった。そこで、上記の問題を解決するため、フィラメントワインディング装置1は、繊維束の走行経路上において、以下の構成を備える。
【0046】
(繊維束の走行経路上の構成)
図4は、繊維束の走行経路上におけるフィラメントワインディング装置1の構成を示す模式図である。
図4に示すように、繊維束Fの走行方向(以下、単に走行方向とする)において、上流側から順に、ボビン支持部60と、繊維束貯留部50と、ヘリカル巻ユニット40とが配置されている。以下では、まず、繊維束貯留部50の構成について説明し、その次に、ボビン支持部60の構成について説明する。
【0047】
(繊維束貯留部)
繊維束貯留部50の構成について、
図4及び
図5を用いて説明する。なお、
図5に示す方向を、上下方向とする。繊維束貯留部50は、ボビンBからヘリカル巻ユニット40に供給される繊維束Fを一時的に貯留しておくためのものである。繊維束貯留部50は、第1ローラ51と、第2ローラ52と、第3ローラ53と、ストッパー54(本発明の切換部)等を有する。
【0048】
繊維束Fの走行方向において、上流側から順に第1ローラ51、第3ローラ53、第2ローラ52が配置されており、各ローラ51、52、53に繊維束Fが掛けられている。第1ローラ51及び第2ローラ52の位置は、固定されている。後述するように、走行方向において、第1ローラ51と第2ローラ52との間に繊維束Fが貯留される。なお、
図5に示すように、第1ローラ51と第2ローラ52は、略水平に並べて配置されているが、これに限られるものではない。
【0049】
第3ローラ53は、ローラ本体53aと、被押圧部53bとを有する。第3ローラ53は、ばね55(
図5参照)によって下方へ付勢されている。ローラ本体53aの周面に、上流側の第1ローラ51から案内されてくる繊維束Fが掛けられ、下流側の第2ローラ52へ案内される。被押圧部53bは、後述するストッパー54に押圧される部分である。第3ローラ53は、第1ローラ51と第2ローラ52とを結ぶ直線101に直交する方向、すなわち上下方向に移動可能に構成されている(
図4のブロック矢印102参照)。
【0050】
ストッパー54は、以下に述べる貯留状態と貯留解除状態との間で、繊維束貯留部50の状態を切り換えるためのものである。貯留状態とは、繊維束貯留部50による繊維束Fの貯留が行われている状態である。貯留解除状態とは、繊維束貯留部50による繊維束Fの貯留が解除されており、且つ、繊維束貯留部50からヘリカル巻ユニット40に繊維束Fが供給されている状態である。ストッパー54は、より具体的には、第3ローラ53の上下移動を禁止及び許可可能にするためのものである。ストッパー54は、可動部54aと、押圧部54bとを有する。
【0051】
可動部54aは、上下方向に延びた軸56に沿って、上下移動可能に構成されている。可動部54aには雌ねじ(不図示)が形成されており、軸56には雄ねじ(不図示)が形成されている。可動部54aの雌ねじと軸56の雄ねじが、互いに螺合している。軸56は、ストッパー用モータ57(
図3、
図4参照)によって回転駆動可能であり、軸56の回転に伴って可動部54aが上下移動可能になっている(
図4のブロック矢印103参照)。
【0052】
押圧部54bは、第3ローラ53の被押圧部53bに上方から接触することで、被押圧部53bを下方へ押圧するためのものである。押圧部54bは、可動部54aに固定されている。押圧部54bは、上下方向において、被押圧部53bが移動する軌道上を可動部54aと一体的に移動可能である。具体的には、押圧部54bは、第3ローラ53を下方に押し切っている第1位置(
図4の実線参照)と、第1位置よりも第1ローラ51及び第2ローラ52に近い第2位置(
図4の二点鎖線参照)との間で移動可能である。
【0053】
押圧部54bが被押圧部53bに接触した状態で、可動部54aが下方へ移動すると、第3ローラ53が押圧部54bによって押されて下方へ移動する。押圧部54bが第1位置に位置しており、被押圧部53bを押さえている状態では、第3ローラ53の上方への移動(すなわち、第1ローラ51及び第2ローラ52側への上下方向における接近)が禁止される。一方、押圧部54bが第2位置に位置しており、被押圧部53bと接触していない状態では、第3ローラ53の上下移動が許可されている。
【0054】
以上の構成を有する繊維束貯留部50において、ストッパー54の押圧部54bが第1位置に位置しているとき、第1ローラ51と第2ローラ52の間の繊維束Fの貯留量が最も多くなる。このときの第3ローラの位置が、本発明の貯留位置に相当する。ストッパー54が第3ローラ53を貯留位置に維持することで、繊維束貯留部50は、貯留状態に維持される。また、ストッパー54の押圧部54bが第2位置に位置し、第3ローラ53の上方への移動を許可しているとき、繊維束貯留部50からヘリカル巻ユニット40に繊維束Fを供給することが可能である。このとき、繊維束貯留部50は、貯留解除状態である。このようにして、ストッパー54は、繊維束貯留部50を貯留状態と貯留解除状態との間で切換可能である。
【0055】
(ボビン支持部)
次に、ボビン支持部60の構成について説明する。まず、ボビン支持部60の概略構成について、
図6〜
図8を用いて説明する。
図6は、ボビン支持部60の斜視図である。
図7(a)、(b)は、ボビン支持部60の正面図である。なお、
図6及び
図7に示す方向を、軸方向と称する。この軸方向とは、後述する固定軸63、第1支持軸71、及び第2支持軸91の軸方向である。
【0056】
ボビン支持部60は、2つのボビンBを回転可能に支持するためのものである。
図6〜
図8に示すように、ボビン支持部60は、第1ボビン支持部61と、第2ボビン支持部62と、固定軸63と、を有する。
【0057】
第1ボビン支持部61は、一方のボビンB(ボビンB1)を回転可能に支持するためのものである。第2ボビン支持部62は、他方のボビンB(ボビンB2)を回転可能に支持するためのものである。第1ボビン支持部61と第2ボビン支持部62は、軸方向に並べて配置されており、軸方向において互いに略対称に構成されている。固定軸63は、軸方向に延びた部材である。固定軸63の軸方向中央部は、不図示の止着具を介して支持フレーム
11(
図1参照)に取り付けられている。固定軸63の軸方向における一方側部分(
図7の紙面右側部分)には第1ボビン支持部61が、軸方向における他方側部分(
図7の紙面左側部分)には第2ボビン支持部62が、それぞれ取り付けられている。固定軸63は、第1ボビン支持部61及び第2ボビン支持部62を、それぞれ軸方向に移動可能、且つ、固定軸63周りに回動可能に支持している。固定軸63の軸方向両端部には、2つのばね64(
図7参照。詳細は後述)が装着されている。
【0058】
次に、第1ボビン支持部61及び第2ボビン支持部62の詳細構成について、
図6〜
図10を用いて説明する。
図8(a)は、
図7(a)のボビン支持部60を矢印VIII(a)の方向から見た側面図である。
図8(b)は、
図7(b)のボビン支持部60を矢印VIII(b)の方向から見た側面図である。
図9(a)は、後述する連結部74を軸方向から見た図である。
図9(b)は、第1ボビン支持部61の連結部74及び第2ボビン支持部62の連結部94の正面図である。
図9(c)は、第1支持軸71と第2支持軸91が連結部74、
94によって連結されている状態を示す図である。
図10(a)は、後述する停止部75がボビンBの回転を許可している状態を示す図である。
図10(b)は、停止部75がボビンBの回転を停止させている状態を示す図である。
【0059】
図6及び
図7に示すように、第1ボビン支持部61は、ボビンB(ボビンB1)が装着される第1支持軸71と、アーム72と、可動部73と、連結部74等を有する。第1ボビン支持部61は、第1支持軸71がアーム72を介して可動部73に連結された構成になっている。可動部73は、固定軸63に沿って軸方向に移動可能、且つ、固定軸63周りに回動可能に構成されており、これにより、第1支持軸71も軸方向に移動可能、且つ、固定軸63周りに回動可能となっている。第2ボビン支持部62は、ボビンB(ボビンB2)が装着される第2支持軸91と、アーム92と、可動部93と、連結部94等を有する。第2ボビン支持部62は、第1ボビン支持部61と同様の構成となっており、固定軸63の軸方向中心を通る直交面に関して第1ボビン支持部61と対称に構成されている。第1ボビン支持部61と第2ボビン支持部62は、連結部74、94を介して互いに連結及び連結解除可能に構成されている。第1支持軸71と第2支持軸91を合わせたものが、本発明のボビン支持軸に相当する。なお、上述したように、第1ボビン支持部61と第2ボビン支持部62は、軸方向において互いに略対称に構成されているため、以下では、主に第1ボビン支持部61について説明し、必要に応じて、第2ボビン支持部62についても説明する。
【0060】
第1支持軸71は、軸方向に延びた複数の軸76と、基端側円板部材77と、先端側円板部材78とを有する(
図6参照)。基端側円板部材77には、複数の軸76の、軸方向における一方側の端部(軸方向における第2支持軸91とは反対側の端部)が固定されている。先端側円板部材78は、複数の軸76の他方側(軸方向における第2支持軸91側の端部)の端部に固定されている。軸76、基端側円板部材77及び先端側円板部材78にボビンB1が嵌装されることで、第1支持軸71とボビンB1とが一体回転可能になっている。第1支持軸71は、ボビンB1の回転に伴い従動回転する構成になっている。先端側円板部材78には、連結部74が取り付けられている。第2支持軸91も同様の構成を有しており、第2支持軸91とボビンB2とが一体回転可能になっている。
【0061】
アーム72は、第1支持軸71の径方向における外側に向かって延びた部材である。アーム72は、第1支持軸71を回転自在に支持している。アーム72の径方向外側部分には開口72a(
図7(a)及び
図8(a)参照)が形成されており、固定軸63、及び、ばね64(
図7参照)を通過させることが可能になっている。これにより、後述する可動部73が、軸方向に移動可能になっている。また、アーム72の径方向外側部分には、軸72b(
図7(a)参照)が固定されている。第2ボビン支持部62のアーム92も、同様の構成を有する。
【0062】
可動部73は、回動軸73aと、被付勢部73bと、を有する。回動軸73aは、軸方向に延びた部材であり、固定軸63に遊嵌されている。これにより、可動部73は、固定軸63に沿って軸方向に移動可能であり(
図6の実線矢印110参照)、且つ、固定軸63周りに回動可能である(
図7(b)の実線矢印112及び
図8(b)の実線矢印113参照)。被付勢部73bは、回動軸73aの軸方向における一方側の端部に固定された円板状の部材である。被付勢部73bは、軸72bを介してアーム72と連結されている。被付勢部73bの軸方向における一方側の端面には、ばね64の軸方向における他方側の端部が固定されている。被付勢部73bは、ばね64によって、固定軸63の軸方向中央側へ付勢されている。第2ボビン支持部62の可動部93も、同様の構成を有する。
【0063】
連結部74は、第1支持軸71と第2支持軸91を連結及び連結解除可能にするためのものである。連結部74は、上述したように、先端側円板部材78に取り付けられている。
図9(a)に示すように、連結部74は、一例として、第1連結部材81と、第2連結部材82とを有する。
【0064】
第1連結部材81は、
図9(b)に示すように、突起部81aと、軸部81bと、底部81cとを有する。第1連結部材81は、先端側円板部材78の径方向外側部分に配置されている。突起部81aは、略円錐台形状を有する。軸部81bは、突起部81aの先端側円板部材78側の端面に固定され、先端側円板部材78に形成された開口78aに沿って移動可能である(
図9(a)の実線矢印114参照)。底部81cは、軸部81bの突起部81aとは反対側の端部に固定されている。なお、底部81cは、ばね83によって、先端側円板部材78の径方向外側に付勢されている。これにより、突起部81aの一部が、先端側円板部材78よりも上記径方向外側に突出することで、先端側円板部材78に嵌装されているボビンBが軸方向に抜け出ることが防止される。ボビンBの着脱の際には、第1連結部材81を先端側円板部材78の周面よりも径方向内側に移動させることで、突起部81aがボビンBと干渉しなくなり、ボビンBの着脱が可能になる。第2連結部材82は、軸方向から見て、概ね凹状の部材である。第2連結部材82は、先端側円板部材78の径方向において、第1連結部材81とは反対側に配置されている。第2連結部材82には、軸方向から見て曲線状の切欠き82aが形成されている。第2ボビン支持部62の連結部94も、同様の構成を有する。
【0065】
連結部74の第1連結部材81は、連結部94の第2連結部材82と嵌合可能になっている。また、連結部74の第2連結部材82は、連結部94の第1連結部材81と嵌合可能になっている。これにより、
図9(c)に示すように、連結部74と連結部94は、軸方向に並んでおり(すなわち、ボビンB1、B2が並べて配置されており)、且つ、周方向において互いに180°ずれた状態で、互いに嵌合可能である。2つの連結部74、94が互いに嵌合することで、第1支持軸71と第2支持軸91が互いに連結され、一体回転可能になる。上述したように、第1支持軸71とボビンB1が一体回転可能であり、第2支持軸91とボビンB2が一体回転可能であるため、第1支持軸71と第2支持軸91が互いに連結されている状態では、ボビンB1、B2が一体回転可能である。なお、この状態で、連結部74と連結部94は、上述した2つのばね64(
図7参照)によって、軸方向において互いに押圧し合う方向に付勢されるので、連結は確実に維持される。また、連結部74と連結部94が軸方向において互いに離間している状態(
図9(b)参照)では、第1支持軸71と第2支持軸91は連結解除されている。この状態では、第1支持軸71と第2支持軸91は、互いに独立して回転可能且つ固定軸63周りに回動可能である。
【0066】
また、第1ボビン支持部61は、停止部75を有する。停止部75は、ボビンBの回転を停止させるためのものである。停止部75は、第1支持軸71の基端側円板部材77及びアーム72に設けられている。
図10に示すように、停止部75は、一例として、円板85と、係合ピン86とを有する。円板85は、軸方向において基端側円板部材77とアーム72との間に配置されている。円板85は、基端側円板部材77と互いに固定されており、アーム72に回転可能に支持されている。円板85の、軸方向におけるアーム72側の端面には、複数の孔85aが形成されている(
図8及び
図10参照)。係合ピン86は、アーム72に取り付けられている。係合ピン86は、軸方向に移動可能であり(
図10(b)の実線矢印115参照)、且つ、孔85aと係合可能である。
図10(a)に示すように、係合ピン86の先端部86aが孔85aと係合していない状態では、第1支持軸71が回転可能である(すなわち、ボビンB1が回転可能である)。
図10(b)に示すように、係合ピン86が軸方向において円板85側に押し込まれて、先端部86aが複数の孔85aのいずれかと係合している状態では、円板85の回転が停止しており、これによって第1支持軸71の回転が停止している。第2ボビン支持部62も、同様の構成の停止部95を有する。
【0067】
図7に戻って、以上の構成を有するボビン支持部60において、第1支持軸71にボビンB1が、第2支持軸91にボビンB2がそれぞれ装着されている状態について説明する。
図7(a)においては、第1支持軸71と第2支持軸91が互いに連結されている状態で、ボビンB1に巻かれている繊維束Fがヘリカル巻ユニット40側に供給されている。また、ボビンB2に巻かれている繊維束Fの巻取終端部(ボビン径方向の外側端部)は、ボビンB1に巻かれている繊維束Fの巻取開始端部(ボビン径方向の内側端部)と接着固定されている。これにより、繋ぎ目部分Fcが形成されている。このため、ボビンB1が空になった後も、ボビンB2からヘリカル巻ユニット40に引き続き繊維束Fを供給することが可能である。
【0068】
また、上述したように、第1支持軸71及び第2支持軸91は、固定軸63を中心に回動可能である。このため、
図7(b)及び
図8(b)に示すように、第1支持軸71及び第2支持軸91は、連結解除されている状態で、軸方向に直交する方向に相対移動可能であり、互いに離間可能である。これにより、ボビンBを軸方向に移動させて着脱することができる(
図7(b)の実線矢印111参照)。
【0069】
(ボビン交換方法)
次に、以上のような構成を有するフィラメントワインディング装置1におけるボビン交換方法について、
図11〜
図14を用いて説明する。ここでのボビン交換とは、ヘリカル巻ユニット40によってライナーLに繊維束Fを巻き付けている最中に一方のボビンBが空になった場合に、引き続き他方のボビンBから繊維束Fをヘリカル巻ユニット40に供給しつつ、空のボビンBを新たなボビンBと交換することである。
図11は、ボビン交換作業の一連の工程を示すフローチャートである。
図12〜
図14は、ボビン交換時のボビン支持部60の状態(各図の(a)、(c)、(e))、及び繊維束貯留部50の状態(各図の(b)、(d)、(f))を順番に示す図である。なお、一連の作業は、オペレータが行う。
【0070】
まず、初期状態として、
図12(a)に示すように、ボビン支持部60の第1支持軸71にボビンB1が装着され、第2支持軸91にボビンB2が装着されており、ヘリカル巻ユニット40(
図4参照)によってライナーLに繊維束Fが巻き付けられている。繊維束Fは、ボビンB1から解舒され、繊維束貯留部50を経由して、ヘリカル巻ユニット40に供給されている(
図12(a)の実線矢印121及び
図12(b)の実線矢印122参照)。この場合、ボビンB1が、本発明の供給ボビンに相当する。また、ボビンB2が、本発明の予備ボビンに相当する。ボビンB1に巻かれている繊維束Fの巻取開始端部と、ボビンB2に巻かれている繊維束Fの巻取終端部とは、互いに接着固定されている(すなわち、繋ぎ目部分Fcが形成されている)。繊維束貯留部50は貯留状態であり、第3ローラ53は、貯留位置に位置している(
図12(b)参照)。
【0071】
ボビンB1に巻かれている繊維束Fが全て解舒され、ボビンB1が空になった後(
図12(c)参照)、第1支持軸71を軸方向に移動させて第2支持軸91との連結を解除し(S201。
図12(e)の実線矢印131参照)、さらに、第1支持軸71を回動させる(
図12(e)の実線矢印132参照)。この状態では、第1支持軸71及び空になったボビンB1(本発明の空ボビン)の回転は停止している。その後、ボビンB1を軸方向に移動させて第1支持軸71から取り外し、ボビンB3(本発明の新ボビン)を第1支持軸71に装着する(S202。本発明の交換工程。
図13(a)参照)。なお、ボビンB1が空になってからボビン交換が完了するまでの間、ボビンB2の回転は停止させず、繊維束貯留部50を貯留状態に維持しておく。これにより、繊維束FがボビンB2から引き続き解舒され、繊維束貯留部50を経由してヘリカル巻ユニット40に供給される(
図12(d)、(f)及び
図13(b)の実線矢印
122参照)。
【0072】
次に、ボビンB2が回転しており、ボビンB2から繊維束Fが解舒されている状態を維持しつつ(
図13(c)参照)、軸56を回転駆動させてストッパー54を上方に移動させ、ストッパー54を第3ローラ53から離間させる(
図13(d)のブロック矢印133参照)。これにより、繊維束貯留部50を貯留解除状態に切り換える(S203)。なお、上述したように、第3ローラ53は、ばね55(
図5参照)によって下方へ付勢されている。このため、繊維束貯留部50を貯留解除状態にした直後は、ボビンB2からヘリカル巻ユニット40への繊維束Fの供給を継続させつつ、第3ローラ53が直ちに上方へ移動する(すなわち、繊維束Fの貯留量が減少する)ことを抑制することが可能である。
【0073】
次に、第2ボビン支持部62の停止部95の係合ピン86を孔85a(
図10参照)に押し込んで、繊維束Fを供給中のボビンB2の回転を強制的に停止させる(S204。
図13(e)の実線矢印134参照)。すると、ヘリカル巻ユニット40には、繊維束貯留部50からのみ繊維束Fが供給されるようになる(
図13(f)の実線矢印124参照)。このため、繊維束貯留部50の繊維束Fの貯留量が減少し始め、第3ローラ53が上方へ移動し始める(
図13(f)のブロック矢印135参照)。なお、係合ピン86が孔85aに係合しているので、ボビンB2が意図せず回転することが防止される。また、第1支持軸71の回転は既に停止しているので、第1ボビン支持部61の停止部75の係合ピン86を押し込む必要はない。
【0074】
次に、第1支持軸71を回動させて、軸方向において第2支持軸91側に移動させ(
図14(a)の実線矢印136、137参照)、第1支持軸71と第2支持軸91を再び連結させる(S205)。そして、ボビンB2の繊維束Fの巻取開始端部と、ボビンB3の繊維束Fの巻取終端部とを熱圧着等により接着固定させる繋ぎ作業を行い、繋ぎ目部分Fcを形成する(S206。本発明の繋ぎ工程。
図14(c)参照)。なお、これらの作業を行っている間、繊維束貯留部50からヘリカル巻ユニット40への繊維束Fの供給が継続される。このため、繊維束貯留部50の繊維束Fの貯留量は減少し続け、第3ローラ53は上方へ移動し続ける(
図14(b)のブロック矢印138及び
図14(d)のブロック矢印139参照)。なお、貯留されている繊維束Fが一連の作業の途中で枯渇しそうな場合は、オペレータは、コントロールパネル4を操作してヘリカル巻きを中断する。
【0075】
次に、第2ボビン支持部62の係合ピン86を孔85a(
図10参照)から引き抜いて(
図14(e)の実線矢印140参照)、第2支持軸91の回転停止状態を解除する(S207。本発明の回転再開工程)。これにより、ボビンB2からヘリカル巻ユニット40への繊維束Fの供給が再開される。なお、第1支持軸71は第2支持軸91と連結されているので、第2支持軸91の回転停止状態の解除と同時に第1支持軸71の回転停止状態も解除される。
【0076】
最後に、ストッパー54を下方に移動させることで第3ローラ53を下方へ移動させ(
図14(f)のブロック矢印141、142参照)、繊維束貯留部50を貯
留状態に戻す(S208)。以上のようにして、一連のボビン交換の作業が完了する。
【0077】
以上のように、ストッパー54によって、繊維束貯留部50の状態が、貯留状態と貯留解除状態との間で切り換えられる。ボビンBの回転を停止させる必要がないときは、繊維束貯留部50が貯留状態に維持されることで、繊維束Fを繊維束貯留部50に貯留できる。一方、繋ぎ作業を行う必要が生じたときは、繊維束貯留部50が貯留解除状態に切り換えられることで、2つのボビンBの回転を停止させた状態であっても、繊維束貯留部50に貯留されている繊維束Fをヘリカル巻ユニット40に供給しつつ、繋ぎ作業を行うことができるようになる。したがって、ヘリカル巻ユニット40による繊維束Fの巻き付け動作が行われている最中でも、繋ぎ作業をすることができる。
【0078】
また、ストッパー54が、第3ローラ53を貯留位置に維持することで繊維束貯留部50を貯留状態にし、第3ローラ53を貯留位置よりも第1ローラ51及び第2ローラ52に近い側に移動可能にすることで繊維束貯留部50を貯留解除状態にする。このように、単純な構成によって貯留状態と貯留解除状態を切り換えることができる。
【0079】
また、第3ローラ53が貯留位置にあるとき、上下方向において第3ローラ53が第1ローラ51及び第2ローラ52に接近することをストッパー54によって禁止することで、繊維束貯留部50の貯留状態を維持することができる。また、繋ぎ作業を行うために2つのボビンBの回転を停止させる場合、上下方向において第3ローラ53が第1ローラ51及び第2ローラ52に接近することを許可することで、繊維束貯留部50に貯留された繊維束Fが短くなるように第3ローラ53を移動可能にする(すなわち、繊維束貯留部50を貯留解除状態にする)ことができる。このように、単純な構成によって、繊維束貯留部50を貯留状態に維持することができ、また、繊維束貯留部50を貯留状態から貯留解除状態に切り換えることができる。
【0080】
また、ストッパー54の押圧部54bが第1位置にあるとき、第3ローラ53が貯留位置に維持され、繊維束貯留部50が貯留状態に維持されている。押圧部54bが第1位置から第2位置に移動することで、第3ローラ53の移動が許可され、繊維束貯留部50が貯留解除状態に切り換えられる。また、押圧部54bが第2位置から第1位置に移動することで、第3ローラ53が押圧部54bによって貯留位置に戻され、繊維束貯留部50が貯留状態に戻る。このように、単純な構成によって、繊維束貯留部50を貯留状態と貯留解除状態との間で切り換えることができる。
【0081】
また、ヘリカル巻ユニット40が動作している最中でも、繊維束貯留部50を貯留解除状態にし、且つ、停止部75
又は停止部95によってボビンBの回転を強制的に止めることで、任意のタイミングで繋ぎ作業を行うことができる。また、ヘリカル巻ユニット40の動作中に繋ぎ作業を行っているときに、2つのボビンBが意図せず回転することを停止部75
又は停止部95によって防ぐことができるので、安全に作業することができる。
【0082】
また、2つのボビンBが軸方向に並べて支持され、且つ、第1支持軸71及び第2支持軸91と一体回転可能であるため、2つのボビンBの回転速度を確実に等しくすることができる。したがって、2つのボビンBの繊維束Fの端部同士が繋がれている状態で、当該端部が捻れること等を、確実に防止できる。
【0083】
また、第1支持軸71と第2支持軸91が連結部74、94によって連結されている状態では、第1支持軸71と第2支持軸91が一体回転し、2つのボビンBが等しい回転速度で回転する。また、一方のボビンBが空になって、他方のボビンBからヘリカル巻ユニット40に繊維束Fを引き続き供給している場合に、第1支持軸71と第2支持軸91の連結を解除することで、一方のボビンBのみ回転を止めることができる。このため、他方のボビンBからヘリカル巻ユニット40に繊維束Fを引き続き供給しつつ(すなわち、繊維束貯留部50による繊維束Fの貯留を解除することなく)、空のボビンの交換作業を行うことができる。つまり、交換作業時には繊維束Fの貯留を解除する必要がなく、繋ぎ作業時にのみ、2つのボビンBの回転を停止させるために繊維束Fの貯留を解除すれば良い。したがって、繊維束貯留部50を貯留解除状態にする時間が長くなることを抑制し、繊維束貯留部50に貯留された繊維束Fを枯渇しにくくすることができる。
【0084】
また、ボビン支持部60が、第1支持軸71及び第2支持軸91の、軸方向における連結部74、94とは反対側の端部をそれぞれ回転可能に支持している。さらに、第1支持軸71及び第2支持軸91は、連結解除されている状態で互いに離間可能である。このため、交換作業の際に、第1支持軸71と第2支持軸91を互いに離間させることで、ボビンを着脱することができる。したがって、装置の構造の複雑化を抑えることができる。
【0085】
また、第1支持軸71と第2支持軸91が、少なくとも軸方向に直交する方向に移動可能である。すなわち、第1支持軸71の軸心と第2支持軸91の軸心を互いにずらすことが可能である。これにより、第1支持軸71に装着されたボビンB(ボビンB1、B3)は、軸方向における第2支持軸91側の空間を利用して着脱できる。同様に、第2支持軸91に装着されたボビンB(ボビンB2)は、軸方向における第1支持軸71側の空間を利用して着脱できる。したがって、装置の大型化を抑制できる。
【0086】
また、ボビンB2の回転を停止させる前に、繊維束貯留部50を貯留状態から貯留解除状態に切り換える。このため、ボビンB2の回転を停止させた後も、繊維束貯留部50からヘリカル巻ユニット40に繊維束Fを供給しつつ繋ぎ工程を実行できる。また、回転再開工程の後に繊維束貯留部50を貯留解除状態から貯留状態に切り換えることで、再び繊維束Fを貯留することができる。以上のようにして、繊維束Fの巻き付け動作が行われている最中でも、繋ぎ工程を実行することができる。
【0087】
また、交換工程で繊維束貯留部50を貯留状態に維持しておくため、交換工程の間も、ボビンBから供給される繊維束Fを繊維束貯留部50に貯留できるので、繊維束貯留部50を貯留解除状態にしておく時間を短縮できる。したがって、繊維束貯留部50に貯留された繊維束Fを枯渇しにくくすることができる。
【0088】
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0089】
(1)前記実施形態において、第1支持軸71と第2支持軸91の連結解除(S201)や交換工程(S202)の際にボビンB2の回転を停止させないものとしたが、これには限られない。すなわち、これらの作業を行う前にボビンB2の回転を停止させても良い。
【0090】
(2)前記までの実施形態において、繋ぎ工程(S206)でボビンB2の繊維束Fの巻取開始端部とボビンB3の繊維束Fの巻取終端部とを熱圧着等により接着固定させるものとしたが、これには限られない。例えば、樹脂が含浸されていない繊維束をライナーLに巻き付ける場合に、繊維束の端部同士を繋ぐ際に、スプライサーやノッター等の糸継装置を用いて繋ぎ工程を行っても良い。
【0091】
(3)前記までの実施形態において、繊維束貯留部50の第3ローラ53は、直線101に垂直な方向に移動可能であるものとしたが、これには限られない。すなわち、第3ローラ53は、直線101に交差する方向に移動可能であれば良い。
【0092】
(4)前記までの実施形態において、繊維束貯留部50の第3ローラ53は、ばね55によって下方に付勢されているものとしたが、これには限られない。例えば、第3ローラ53は、下方以外の方向に付勢されていても良い。或いは、第3ローラ53は、重力のみによって付勢されていても良い。
【0093】
(5)ストッパー54が上下移動するための構成は、上述したものに限られない。例えば、ストッパー54は、いわゆるラックアンドピニオンの構成を有していても良い。或いは、ストッパー54は、エアシリンダ等によって上下駆動されても良い。或いは、ストッパー54は、手動で移動可能に構成されていても良い。
【0094】
(6)前記までの実施形態において、ストッパー54が上下移動可能であるものとしたが、これには限られない。例えば、
図15に示すように、繊維束貯留部50aにおいて、ストッパー54が、単に軸56aを中心に回転可能に構成されていても良い(二点鎖線の押圧部54b参照)。この場合、押圧部54bは、貯留位置にある第3ローラ53の被押圧部53bを押さえることで第3ローラ53の上下移動を禁止し(貯留状態)、回転して被押圧部53bから離間することで第3ローラ53の上下移動を許可する(貯留解除状態)。つまり、ストッパー54は、繊維束貯留部50aを貯留状態に維持する機能と、貯留状態にある繊維束貯留部50aを貯留解除状態に切り換える機能とを有する。なお、この変形例において、移動を許可されて上方に移動した第3ローラ53を再び下方に戻すためには、例えばエアシリンダ99等の駆動源で第3ローラ53を押し下げても良く、或いは、オペレータが手動で第3ローラ53を移動させても良い。
【0095】
(7)前記までの実施形態において、ストッパー54が第3ローラ53の移動を禁止及び許可可能であるものとしたが、これには限られない。例えば、第3ローラ53は、不図示のモータ等の駆動源によって移動可能な構成になっていても良い。この場合、モータによって、繊維束貯留部50を貯留状態と貯留解除状態との間で切り換えることが可能である。
【0096】
(8)前記までの実施形態において、第1支持軸71及び第2支持軸91は、共に固定軸63を中心に回動可能であるものとしたが、これには限られない。すなわち、いずれか一方が回動可能であっても良い。少なくとも一方が回動可能であることで、第1支持軸71と第2支持軸91を互いに離間させることができる。
【0097】
(9)ボビンBを着脱するための構成として、第1支持軸71及び第2支持軸91は、回動可能になっていなくても良く、軸方向にのみ移動可能であっても良い。つまり、ボビンBを軸方向に移動させて着脱させるためのスペースが確保できれば良い。
【0098】
(10)第1支持軸71及び第2支持軸91は、必ずしもボビンBと一体回転可能に構成されていなくても良い。また、ボビン支持部60は、互いに連結及び連結解除可能な第1支持軸71及び第2支持軸91を有していなくても良い。例えば、特開2014−231145号公報に記載されているようなボビンシャフトが2つのボビンBを支持していても良い。
【0099】
(11)前記までの実施形態において、ボビン支持部60は、停止部75、95を有するものとしたが、これには限られない。例えば、ボビン支持部が停止部を有しておらず、ボビンBの回転を止めるための装置等が別に設けられていても良い。
【0100】
(12)前記までの実施形態において、ヘリカル巻ユニット40が本発明の巻付ユニットであるものとしたが、これには限られない。フープ巻ユニット30に本発明を適用することも可能である。