特許第6897823号(P6897823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6897823
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20210628BHJP
   H01B 17/58 20060101ALI20210628BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20210628BHJP
   H02G 3/06 20060101ALI20210628BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20210628BHJP
   H01F 17/06 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   H02G3/22
   H01B17/58 C
   H02G3/04 081
   H02G3/06
   H01B7/00 301
   H01F17/06 D
   H01F17/06 K
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-41591(P2020-41591)
(22)【出願日】2020年3月11日
(62)【分割の表示】特願2020-6543(P2020-6543)の分割
【原出願日】2016年6月16日
(65)【公開番号】特開2020-129958(P2020-129958A)
(43)【公開日】2020年8月27日
【審査請求日】2020年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大平 雄貴
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−53957(JP,A)
【文献】 実開昭63−96721(JP,U)
【文献】 特開2015−27205(JP,A)
【文献】 特開2016−92264(JP,A)
【文献】 米国特許第5763825(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
H01B 17/58
H02G 3/04
H02G 3/06
H01B 7/00
H01F 17/06
F16L 5/02
B60R 16/02
H01B 7/282
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と、
前記電線を包囲する第1外装材と、
前記電線を包囲するとともに前記電線の長さ方向において前記第1外装材と離れて設けられた第2外装材と、
前記電線を包囲するとともに、前記第1外装材と前記第2外装材とに接続された筒状の本体部を有するグロメットと、
前記電線の外側に設けられるとともに前記グロメットに収納された磁性体コアと、
を有し、
前記本体部は、前記磁性体コアを収納した収納部と、前記第1外装材と前記第2外装材とにそれぞれ接続された一対の接続部と、を有し、
前記収納部の内部空間の幅寸法は、前記接続部の内部空間の幅寸法よりも大きく、前記収納部は、前記磁性体コアが前記電線の長さ方向に移動可能なように前記磁性体コアを収納しているワイヤハーネス。
【請求項2】
記収納部の内周面は、前記磁性体コアの外周面と接触している請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記収納部は、前記電線の長さ方向において、前記磁性体コアと当接可能な当接面を有する請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に取り付けられるワイヤハーネスを、合成樹脂製または金属製のパイプやコルゲートチューブ等の外装材によって包囲し、防水、保護することが知られている(例えば下記特許文献1に記載)。
【0003】
また、ノイズ吸収具として、磁性体コアをワイヤハーネスに取り付けることが知られている。例えば下記特許文献2に記載されたワイヤハーネスは、磁性体コアが合成樹脂製の収納ケースに収納され、コルゲートチューブの外側に装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−62063号公報
【特許文献2】特開2015−27205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように、外装材の外側に磁性体コアを装着する構成では、磁性体コアの装着部位が大径化せざるを得ないという問題がある。かといって、外装材の端から所定の部位に磁性体コアを入れ込む作業は容易ではなく、また、外装材を分割して半割構造にすることは、防水性の低下を招くため望ましくない。
【0006】
本開示の目的は、ワイヤハーネスの大径化を抑制しつつ、磁性体コアを容易に取り付けることが可能なワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のワイヤハーネスは、電線と、前記電線を包囲する第1外装材と、前記電線を包囲するとともに前記電線の長さ方向において前記第1外装材と離れて設けられた第2外装材と、前記電線を包囲するとともに、前記第1外装材と前記第2外装材とに接続された筒状の本体部を有するグロメットと、前記電線の外側に設けられるとともに前記グロメットに収納された磁性体コアと、を有し、前記本体部は、前記磁性体コアを収納した収納部と、前記第1外装材と前記第2外装材とにそれぞれ接続された一対の接続部と、を有し、前記収納部の内部空間の幅寸法は、前記接続部の内部空間の幅寸法よりも大きい。
【0008】
本開示のワイヤハーネスは、電線と、前記電線を包囲する第1外装材と、前記電線を包囲するとともに前記電線の長さ方向において前記第1外装材と離れて設けられた第2外装材と、前記電線を包囲するとともに、前記第1外装材と前記第2外装材とに接続された筒状の本体部を有するグロメットと、前記電線の外側に設けられるとともに前記グロメットに収納された磁性体コアと、を有し、前記本体部は、前記磁性体コアを収納した収納部を有し、前記収納部の内周面は、前記磁性体コアの外周面と接触している。
【発明の効果】
【0009】
本開示のワイヤハーネスによれば、ワイヤハーネスの大径化を抑制しつつ、磁性体コアを容易に取り付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施例におけるワイヤハーネスを示す斜視図である。
図2図2は、グロメットを示す斜視図である。
図3図3は、グロメットを示す側面図である。
図4図4は、グロメットを示す底面図である。
図5図5は、グロメットを示す断面図であって、図3のA−A位置における断面に相当する断面図である。
図6図6は、グロメットを示す断面図であって、図3のB−B位置における断面に相当する断面図である。
図7図7は、グロメットを示す断面図であって、図3のC−C位置における断面に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態を以下に示す。
本開示のワイヤハーネスは、電線と、前記電線を包囲する第1外装材と、前記電線を包囲するとともに前記電線の長さ方向において前記第1外装材と離れて設けられた第2外装材と、前記電線を包囲するとともに、前記第1外装材と前記第2外装材とに接続された筒状の本体部を有するグロメットと、前記電線の外側に設けられるとともに前記グロメットに収納された磁性体コアと、を有し、前記本体部は、前記磁性体コアを収納した収納部と、前記第1外装材と前記第2外装材とにそれぞれ接続された一対の接続部と、を有し、前記収納部の内部空間の幅寸法は、前記接続部の内部空間の幅寸法よりも大きい。このような構成によれば、磁性体コアを外装材の外側に装着する場合に比して、ワイヤハーネスの大径化を抑制することができる。また、グロメットは、長さ寸法が短いので、磁性体コアを端から容易に収納することができる。これにより、ワイヤハーネスの大径化を抑制しつつ、磁性体コアを容易に取り付けることができる。
【0012】
本開示のワイヤハーネスは、電線と、前記電線を包囲する第1外装材と、前記電線を包囲するとともに前記電線の長さ方向において前記第1外装材と離れて設けられた第2外装材と、前記電線を包囲するとともに、前記第1外装材と前記第2外装材とに接続された筒状の本体部を有するグロメットと、前記電線の外側に設けられるとともに前記グロメットに収納された磁性体コアと、を有し、前記本体部は、前記磁性体コアを収納した収納部を有し、前記収納部の内周面は、前記磁性体コアの外周面と接触している。このような構成によれば、磁性体コアを外装材の外側に装着する場合に比して、ワイヤハーネスの大径化を抑制することができる。また、グロメットは、長さ寸法が短いので、磁性体コアを端から容易に収納することができる。これにより、ワイヤハーネスの大径化を抑制しつつ、磁性体コアを容易に取り付けることができる。
【0013】
また、本開示のワイヤハーネスは、前記収納部が、前記磁性体コアが前記電線の長さ方向に移動可能なように前記磁性体コアを収納しているものとしてもよい。
また、本開示のワイヤハーネスは、前記収納部が、前記電線の長さ方向において、前記磁性体コアと当接可能な当接面を有するものとしてもよい。
【0014】
<実施例>
以下、本開示のワイヤハーネスを具体化した一実施例について、図1図7を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
本実施例におけるワイヤハーネス10は、ハイブリッド自動車等に取り付けられる高圧用ワイヤハーネスであり、大部分が車体の床下に配索されるものである。ワイヤハーネス10は、両端部にコネクタ11が接続されるとともに、外装材12によって包囲されており、外装材12の内部は完全に密閉されている。外装材12は、複数の電線13を一括して包囲可能な金属製または樹脂製のパイプ、スリット無しのコルゲートチューブ、またコネクタ11に密着可能な防水カバー等を備えている。
【0016】
ワイヤハーネス10は、ワイヤハーネス10を包囲可能な筒状をなして、ワイヤハーネス10の長さ方向における中間部に配されるグロメット20と、グロメット20の収納部24に収納された磁性体コア40とを備えている。
【0017】
磁性体コア40は、複数の電線13が一括して挿通される中空部41を有した環状をなしている。磁性体コア40は、図5に示すように、断面長円形状をなし、外周面は、断面長手方向における両端に位置する第1外面42と、短手方向における両端に位置する第2外面43を有している。一対の第1外面42は円弧面とされ、一対の第2外面43は互いに略平行な面とされている。中空部41は長円形状をなし、磁性体コア40の厚さ寸法は全周において概ね一定とされている。
【0018】
グロメット20は、ゴム等の弾性材料からなり、軸方向における両端部が外装材12に接続される本体部21を有している。本体部21は、断面円形状(円筒状)をなしている。グロメット20は、軸方向(長さ方向)における中心を基準に対称な形状をなし、取付方向を自在に変えることができる。
【0019】
本体部21の軸方向における両端部(以後、接続部22と称する)は、外装材12の端部の外側に嵌合可能とされている(図7参照)。接続部22の内周面には、複数(3つ)のリップ部23が突設され、外装材12の外周面に密着するようになっている。
【0020】
本体部21には、磁性体コア40を収納可能な収納部24が設けられている。収納部24は、本体部21の軸方向における中心に位置している。収納部24は、接続部22よりも上下左右に一回り大きい円筒形状をなし、収納部24の内部空間は、接続部22の内部空間に比して幅寸法が大きくなっている。収納部24の内周面は、図5に示すように、磁性体コア40の第1外面42に沿う円弧状をなし、磁性体コア40は、収納部24において360度回転可能とされている。また、図7に示すように、収納部24の軸方向の長さ寸法は、磁性体コア40の軸方向の長さ寸法に比して大きく、磁性体コア40は、収納部24において軸方向に移動可能とされている。
【0021】
収納部24は、図7に示すように、磁性体コア40の軸方向の両端面に当接可能な当接面25を有している。当接面25は、本体部21の軸方向に対して略直交する面であり、収納部24の軸方向における両端に形成されている。当接面25は、図5に示すように、収納部24の全周にわたって連続した環状をなし、接続部22の内周面よりも内側に突出している。磁性体コア40は、当接面25に当接することで、収納部24から接続部22側へ出ることが防がれる。
【0022】
本体部21には、通気性を有する防水材29が嵌合可能な貫通孔28が形成されている(図5参照)。貫通孔28は、収納部24から外側に突出する筒状突部27に形成されている。
【0023】
筒状突部27は、円筒形状をなし、収納部24の軸方向および幅方向における中心に突出して設けられている。筒状突部27は、収納部24から垂直に立ち、筒状突部27の軸線と収納部24の軸線とは直交している。
【0024】
防水材29は、通気性を有しつつ防水、防塵機能を発揮する透湿防水素材の通気膜31と、通気膜31を保持して筒状突部27に密着嵌合可能な取付部品32とを備えている。取付部品32は、筒状突部27に内嵌可能な円筒形状をなし、通気膜31は、取付部品32の端面に固定されている。
【0025】
筒状突部27および防水材29を備えてなる通気構造部26は、外装材12の内部圧力を調整可能とされている。
グロメット20には、本体部21の端側(接続部22側)と筒状突部27との間の通気を十分に確保するための第1通気路33および第2通気路34が設けられている。
【0026】
第1通気路33は、収納部24と接続部22側とに連通する通気路であり、図5に示すように、当接面25に複数(本実施例では8つ)が形成されている。第1通気路33は、当接面25において周方向に等間隔で配置されている。当接面25の複数の第1通気路33のうち1つは、当接面25の周方向において筒状突部27と同じ位置に配されている。各第1通気路33は、当接面25の内周縁側に開放された半円形状をなしている。第1通気路33の面積は、当接面25において最も大きく、本体部21の端に向かって次第に小さくなっている。第1通気路33は、収納部24の両当接面25において同位置、同数、同形状に形成されている。
【0027】
第1通気路33は、図5に示すように、収納部24の端部に形成された突起部35の内部空間である。各突起部35は、幅寸法および高さ寸法(本体部21からの突出寸法)が、収納部24側から接続部22側に向かって次第に小さくなっている。すべての突起部35は同形状をなしている。
【0028】
第2通気路34は、図5に示すように、収納部24と筒状突部27とに連通する通気路であり、収納部24の周面のうち筒状突部27の根元に形成されている。第2通気路34は、収納部24から径方向の外側に広がるとともに、筒状突部27から径方向の外側に広がって形成されている。
【0029】
第2通気路34は、収納部24のうち筒状突部27の根元部分に設けられた膨出部36の内部空間である。膨出部36は、収納部24から部分的に外側に膨出した形態をなし、筒状突部27の軸線に対して略直交する第1壁部37と、第1壁部37の周縁から収納部24に傾斜して連なる第2壁部38とを有している。第1壁部37は、図7に示すように、筒状突部27の全周から外側に張り出した円環状をなし、第2壁部38は、第1壁部37の全周からほぼ同勾配で収納部24に下っている。
【0030】
第1通気路33および第2通気路34が設けられることによって、収納部24において磁性体コア40がどの位置にどのような向きで配されても、磁性体コア40とグロメット20との間に十分な空気の通り道(通気膜31の面積よりも大きい面積を有する空間)が確保されるようになっている。すなわち磁性体コア40が、図7に示すように、収納部24の軸方向における端に配され、磁性体コア40の軸方向の端面が当接面25に突き当たったとしても、第1通気路33によって、グロメット20と磁性体コア40との間に十分な空気の通り道が確保される。また、図5に示すように、磁性体コア40が、通気構造部26の直下(収納部24の軸方向における中心位置)に配され、第1外面42が筒状突部27の根元を塞ぐような向きで配された場合であっても、第2通気路34によって、グロメット20と磁性体コア40との間に十分な空気の通り道が確保される。
【0031】
次に、本実施例におけるワイヤハーネス10の組み立て作業の一例を説明する。
まず、グロメット20に磁性体コア40を収納する。グロメット20の端から磁性体コア40を内部に入れ込む。グロメット20の接続部22が弾性的に拡開され、磁性体コア40は収納部24に収納される。収納部24に収納された磁性体コア40は、中空部41がグロメット20の軸線と同一方向に開口し、一対の第1外面42が収納部24の内周面に沿った姿勢で配される。
【0032】
次いで、外装材12を接続する。グロメット20の接続部22の内側に外装材12の端部を嵌合し、結束バンド等の固定部材(図示せず)を外周に巻き付けて固定する。グロメット20の接続部22は、外装材12の端部に密着した状態になる。グロメット20の両端部に外装材12を接続することにより、異なる外装材12がシール状態で接続される。
【0033】
次に、外装材12に電線13を通す。電線13の両端部のうち一方の端部に端子金具(図示せず)を接続し、端子金具が接続されていない側の端部から外装材12に通す。束ねられた複数の電線13を外装材12およびグロメット20(磁性体コア40の中空部41)に挿通し、電線13の端部を外装材12から引き出す。
【0034】
次に、電線13の端部にコネクタ11を接続する。外装材12から引き出された電線13の端部に端子金具を接続し、電線13の両端部に接続された端子金具をそれぞれ順にコネクタ11に挿入する。
【0035】
次いで、外装材12の端部(防水カバー)をコネクタ11に被せ付ける。これにより、外装材12の内部が密閉された状態になる。
以上により、ワイヤハーネス10の組み立て作業が完了する。
【0036】
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
本実施例のグロメット20は、ワイヤハーネス10を包囲可能な筒状をなしてワイヤハーネス10の長さ方向における中間部に配されるグロメットであり、軸方向における両端部がワイヤハーネス10を包囲する他の外装材12に接続される本体部21を有し、本体部21には、磁性体コア40を収納可能な収納部24が備えられている。この構成によれば、磁性体コア40を外装材12の外側に装着する場合に比して、ワイヤハーネス10の大径化を抑制することができる。また、グロメット20は、長さ寸法が短いので、磁性体コア40を端から容易に収納することができる。すなわち、本実施例のグロメット20によれば、ワイヤハーネス10の大径化を抑制しつつ、磁性体コア40を容易にワイヤハーネス10に取り付けることができる。
【0037】
また、本体部21に、通気性を有する防水材29を嵌合可能な貫通孔28が形成されている。この構成によれば、熱源となり得る磁性体コア40を収納するグロメット20に、通気構造部26が設けることができるから、外装材12の内部圧力を効果的に調整することができる。
【0038】
また、貫通孔28が、収納部24に形成されている。この構成によれば、通気構造部26と収納部24とを長さ方向にずらして設ける場合に比して、本体部21の長さ寸法を小さく抑えることができ、また通気構造部26が磁性体コア40の近傍に配されるので、外装材12の内部圧力をより効果的に調整することができる。
【0039】
また、収納部24が、磁性体コア40の軸方向の両端面に当接可能な当接面25を有し、当接面25に、本体部21の軸方向における端側に連通する第1通気路33が設けられている。この構成によれば、磁性体コア40が当接面25に当接しても、通気構造部26への通気が妨げられないから、外装材12の内部圧力を調整する機能が低下することを防ぐことができる。
【0040】
また、貫通孔28が、収納部24から外側に突出する筒状突部27に形成され、収納部24の周面のうち筒状突部27の根元に、筒状突部27に連通する第2通気路34が設けられている。この構成によれば、収納部24の周面のうち筒状突部27の根元に磁性体コア40が当接しても、通気構造部26への通気が妨げられないから、外装材12の内部圧力を調整する機能が低下することを防ぐことができる。
【0041】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0042】
(1)上記実施例では、グロメット20が通気構造部26を備えているが、必ずしもグロメットに通気構造部を設けなくてもよい。
(2)上記実施例では、通気構造部26の具体的な構造を示したが、これに限らず、通気構造部の構造は任意に変更することができる。
【0043】
(3)上記実施例では、通気構造部26が収納部24に設けられているが、これに限らず、通気構造部を、収納部と軸方向にずれた位置に設けても良い。
(4)上記実施例では、貫通孔28が筒状突部27に形成されているが、これに限らず、貫通孔は、例えば本体部に突部を設けることなく貫通形成してもよい。
【0044】
(5)上記実施例では、収納部24が、磁性体コア40の軸方向の両端面に当接可能な当接面25を有しているが、これに限らず、必ずしも収納部に当接面を設けなくてもよく、例えば、収納部の縮径方向の弾性力で磁性体コアを保持するようにしてもよい。
【0045】
(6)上記実施例では、第1通気路33の形状、数、位置等を例示したが、これに限らず、第1通気路の形状等は任意に変更することができる。
(7)上記実施例では、第2通気路34の形状等を例示したが、これに限らず、第2通気路の形状等は任意に変更することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…ワイヤハーネス
12…外装材
20…グロメット
21…本体部
24…収納部
25…当接面
27…筒状突部
28…貫通孔
29…防水材
33…第1通気路(本体部の長さ方向における端側に連通する通気路)
34…第2通気路(筒状突部に連通する通気路)
40…磁性体コア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7