(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作ジェスチャは、前記ユーザが前記タッチパネルを操作する第1の操作状況を表す第1のジェスチャ、前記ユーザが前記カードリーダの挿入口へカードを挿入する第2の操作状況を表す第2のジェスチャ、および前記ユーザが前記テンキーを操作する第3の操作状況を表す第3のジェスチャのうちの少なくとも2つを含む、請求項3に記載のデバイスの障害検出装置。
前記故障判定制御部は、前記故障判定部において前記ユーザ操作状態と前記デバイス動作状態とが不一致であると判定されたときに、故障と判定されたデバイスを回復するためのリセット信号を出力する回復制御部を更に有する、請求項5に記載のデバイスの障害検出装置。
前記故障判定部は、故障有の判定結果を示す前記故障結果判定信号の回数をカウントし、該カウントした回数が所定回数に達したときに、エラーメッセージをエラー通知部に発行する、請求項5又は6に記載のデバイスの障害検出装置。
【背景技術】
【0002】
周知のように、現在、世の中にはユーザが操作を行う必要がある処理装置が多数存在する。例えば、そのような処理装置としては、ATM(automatic teller’s machine)等の現金処理装置や、マルチメディア端末、POS(point of sales)端末のような店舗端末等が挙げられる。
【0003】
このようなユーザが操作を行う必要がある処理装置は、ユーザが操作をするための複数の入力装置(操作ユニット)を備えている。複数の入力装置(操作ユニット)としては、例えば、タッチパネルやテンキー、カードの情報を読み取るためのカードリーダなどが挙げられる。タッチパネルは複数のボタン(ソフトウェアキー)を持つ。テンキーは複数のハードウェアキーから成る。カードリーダは、キャッシュカードなどのカードを挿入するための挿入口を持つ。
【0004】
本明細書中においては、入力装置(操作ユニット)を「デバイス」とも呼ぶことにする。なお、デバイスは、上記のものに限定されないのは勿論であり、ユーザが操作をするための任意の入力装置(操作ユニット)を含んでもよい。
【0005】
この種の処理装置においては、一般的に、各デバイスの障害検出を、コマンド・レスポンス方式により行っている。しかしながら、後で図面を参照して詳細に説明するように、このコマンド・レスポンス方式では、次に述べるような2種類の故障フェーズを検出することができない。
【0006】
第1の故障フェーズは、処理装置の操作中にユーザが特定のデバイスを操作したにも拘わらず、当該特定のデバイスが動作しない故障フェーズである。第2の故障フェーズは、ユーザが何もデバイスを操作していないにも拘わらず、あるデバイスが勝手に動作する故障フェーズである。このように、コマンド・レスポンス方式では、上記第1および第2の故障フェーズを検出することができない。したがって、そのような場合には、処理装置を操作した操作者(ユーザ)の申告でしか、処理装置の当該デバイスの障害を検出できないことになる。そのため、関連技術では、事前に運用側で故障を検出することができず、保守対応が遅れる可能性があるという課題がある。
【0007】
また、本発明に関連する先行技術文献が、種々、知られている。
【0008】
例えば、特許文献1は、操作部と表示部と制御部とを含む携帯端末を開示している。操作部は、利用者が携帯端末を操作するための操作インターフェースである。操作部は、テンキーやタッチパネル等の入力装置で構成され、利用者からの各種操作を受け付け、それらの操作に対応する信号を制御部へ出力する。表示部をタッチパネルディスプレイで構成することで、表示部と操作部とを一体化してもよい。
【0009】
特許文献2は、監視カメラとして機能するネットワークカメラを備えたデバイス管理システムを開示している。特許文献2において、撮像手段として機能するネットワークカメラはネットワークデバイスの操作を行うユーザを撮像する。ユーザが管理の対象となるネットワークデバイスとして、MFP(Multifunction Peripheral)の操作を行う際に、撮像手段として機能するネットワークデバイスにより操作記録の画像が録画される。
【0010】
また、特許文献3は、誤入力に起因する情報処理装置の誤動作を軽減する座標入力装置を開示している。特許文献3に開示された座標入力装置は、タッチパネルと、入力座標検出部と、振動センサと、波形パターン記憶部と、振動波形識別部と、判定部とを含む。タッチパネルは、オペレータからのタッチ入力操作を受け付ける。入力座標検出部は、タッチパネル上でタッチ入力操作された際に生じる電気信号に基づいて座標位置を検出して、タッチ入力通知信号を出力する。振動センサは、タッチパネルの表面に設けられ、タッチパネル操作時にタッチパネルを振動伝達板として伝達された振動を検出する。波形パターン記憶部は、タッチ入力操作が良好に行われた際に生じる操作振動を周波数解析して得られる波形パターンを基準波形パターンとして記憶している。振動波形識別部は、振動センサによって検出された振動を周波数解析して検出波形パターンを取得し、この検出波形パターンおよび基準波形パターンを比較し、各タッチ入力操作がオペレータが意図した正常な操作か否かを識別し、識別結果を操作状態通知信号として出力する。判定部は、タッチ入力通知信号および操作状態通知信号に基づいて、タッチ入力操作が有効か無効かを判定し、その判定結果を出力する。
【0011】
特許文献4は、情報処理システムの可用性を向上させた「処理装置」を開示している。情報処理システムは、複数の処理装置によって冗長化されて、いずれかの処理装置が故障しても業務を継続できるように構築されている。処理装置は、処理装置を構築するデバイスと、処理部とを含む。特許文献4におけるデバイスは、フロントエンド(FE)、FE中継デバイス、制御部、メモリ、状態管理部、バックエンド(BE)、BE中継デバイス等の機能ブロックのことである。処理部は、デバイスまたはデバイス間の異常を検知する。処理部は、検知したデバイスの異常の回数を計測する。処理部は、計測したデバイスの異常の回数が閾値以上の場合、該デバイスを情報処理装置システムから論理的に切り離す。処理部は、検知したデバイスの異常の回数が閾値より小さい場合には、デバイスのリブートを実行する。
【0012】
特許文献4の処理装置において、状態管理部は、ポーリングにより、各機能ブロックへ状態確認パケット(コマンド)を送信する。各機能ブロックは、状態監視コマンドを受信した場合、自身の状態情報(自身の機能ブロック内のエラー発生の有無)を状態管理部へ送信する。各機能ブロックが自分の異常状態を示す情報を状態管理部に通知する。致命的エラーが発生した場合には、各機能ブロックは、エラー通知パケット(コマンド)を送信する。また、特許文献4では、状態確認部が、ポーリングにより機能ブロックに状態確認パケットを送信して、各機能ブロックの状態確認を行っている。
【0013】
特許文献5は、セキュリティを確保しつつ、複雑化するパスワードの入力操作の簡易化を図ることが可能な「画像処理装置の簡易認証システム」を開示している。特許文献5では、ユーザが画像処理装置にログインする際に、表示手段に表示されたパスワード入力画面に、ユーザの登録済パスワードが登録済のジェスチャパターンの並び順で表示されるようになっている。これにより、ユーザはパスワード入力画面に対して、ジェスチャパターン通りに表示中のソフトウェアキーを押下するだけでパスワードを入力することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1〜5には、それぞれ、次に述べるような問題がある。
【0016】
特許文献1では、単に操作部での操作に対応する信号を制御部へ出力することを開示しているに過ぎない。換言すれば、特許文献1では、本発明が解決しようとする、デバイスの障害検出を行う技術思想を、何ら認識も開示も示唆もしていない。
【0017】
特許文献2は、単に、ネットワークデバイスの操作を行うユーザを撮像するネットワークカメラ(監視カメラ)を開示しているに過ぎない。特許文献2でも、本発明が解決しようとする、デバイスの障害検出を行う技術思想を、何ら認識も開示も示唆もしていない。
【0018】
特許文献3は、タッチパネルと振動センサによる位置検出で二重化することで、タッチ入力操作が正常な操作か否かを識別するようにした技術を開示しているに過ぎない。したがって、特許文献3は単に誤入力を識別し、除外することを開示するのみで、本発明が検出しようとする、上記2種類の故障フェーズを検出することはできない。
【0019】
特許文献4は、処理装置の内部にあるデバイスで発生した異常を、上記コマンド・レスポンス方式で検知し、デバイスの異常検知を回数で検出する技術を開示しているに過ぎない。したがって、特許文献4の処理装置では、本発明が検出しようとする、上記2種類の故障フェーズを検出することはできない。
【0020】
また、特許文献4のデバイスは、処理装置の側(内部)で障害(故障)を検出できる機器を対象としている。これに対して、本発明が対象としているデバイスは、処理装置の側(内部)で障害を検出できない機器(入力装置)である。換言すれば、特許文献4のデバイスには、本発明が対象としている入力装置(操作ユニット)が含まれておらず、本発明が対象とするデバイスとは異なる。
【0021】
特許文献5は、認証に必要なパスワードの入力としてジェスチャパターンを用いた技術的思想を開示しているに過ぎない。特許文献5でも、本発明が解決しようとする、デバイスの障害検出を行う技術思想を、何ら認識も開示も示唆もしていない。
【0022】
本発明の目的は、上述した課題を解決するデバイスの障害検出装置、障害検出方法、および障害検出プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の1つの態様として、デバイスの障害検出装置は、処理装置の中でユーザによって操作可能な複数のデバイスの障害を検出する障害検出装置であって、前記複数のデバイスに対する前記ユーザによる操作状況を撮影可能なカメラと;
前記処理装置を実際に操作する前に、前記ユーザが前記複数のデバイスに対して操作する操作状況をあらかじめ前記カメラで撮影したカメラ画像で表された操作ジェスチャを、前記複数のデバイス毎にパターン化して得られる複数のユーザ操作パターンを
あらかじめ格納するユーザ操作パターン格納部を含み、前記処理装置の操作中に、前記カメラで撮影されたカメラ画像に基づいて、前記ユーザ操作パターン格納部に格納された前記複数のユーザ操作パターンを参照することにより、前記ユーザがどのデバイスを操作しているかを特定し、ユーザ操作検出結果信号を出力する操作デバイス特定部と;前記複数のデバイスのいずれかから出力される信号を検出し、デバイス出力検出信号を出力するデバイス出力検出部と;前記デバイス出力検出信号と前記ユーザ操作検出結果信号とを比較して、前記複数のデバイスのいずれかの故障の有無を判定する故障判定制御部と;を備える。
【0024】
本発明の他の態様として、デバイスの障害検出方法は、処理装置の中でユーザによって操作可能な複数のデバイスの障害を検出する障害検出方法であって、
前記処理装置を実際に操作する前に、前記複数のデバイスに対する前記ユーザによる操作状況を撮影可能なカメラ
で、前記ユーザが前記複数のデバイスに対して操作する操作状況をあらかじ
め撮影したカメラ画像で表された操作ジェスチャを、前記複数のデバイス毎にパターン化して得られる複数のユーザ操作パターンを
あらかじめユーザ操作パターン格納部に格納しておき; 前記処理装置の操作中に、前記カメラで撮影されたカメラ画像に基づいて、前記ユーザ操作パターン格納部に格納された前記複数のユーザ操作パターンを参照することにより、前記ユーザがどのデバイスを操作しているかを特定し、ユーザ操作検出結果信号を出力し;前記複数のデバイスのいずれかから出力される信号を検出し、デバイス出力検出信号を出力し;前記デバイス出力検出信号と前記ユーザ操作検出結果信号とを比較して、前記複数のデバイスのいずれかの故障の有無を判定する。
【0025】
本発明の他の態様として、障害検出プログラムは、コンピュータに、処理装置の中でユーザによって操作可能な複数のデバイスの障害を検出させる障害検出プログラムであって、
前記処理装置を実際に操作する前に、前記複数のデバイスに対する前記ユーザによる操作状況を撮影可能なカメラ
で、前記ユーザが前記複数のデバイスに対して操作する操作状況をあらかじ
め撮影したカメラ画像で表された操作ジェスチャを、前記複数のデバイス毎にパターン化して得られる複数のユーザ操作パターンを
あらかじめユーザ操作パターン格納部に格納しておくユーザ操作パターン格納手順と; 前記処理装置の操作中に、前記カメラで撮影されたカメラ画像に基づいて、前記ユーザ操作パターン格納部に格納された前記複数のユーザ操作パターンを参照することにより、前記ユーザがどのデバイスを操作しているかを特定し、ユーザ操作検出結果信号を出力する操作デバイス特定手順と;前記複数のデバイスのいずれかから出力される信号を検出し、デバイス出力検出信号を出力するデバイス出力検出手順と;前記デバイス出力検出信号と前記ユーザ操作検出結果信号とを比較して、前記複数のデバイスのいずれかの故障の有無を判定する故障判定制御手順と;を前記コンピュータに実行させる。
【0026】
さらに、係るプログラムを記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体によっても実現される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、コマンド・レスポンス方式では検出することができない、2種類の故障フェーズを検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[関連技術]
本発明の理解を容易にするために、先ず、本発明の関連技術について説明する。
【0030】
図1は、関連技術のデバイスの障害検出フローを示すフローチャートである。
図1に示すように、関連技術のデバイスの障害検出方法では、ユーザ操作(ステップS101)をトリガとして、ユーザの動作コマンドが発行される(ステップS102)。このユーザの動作コマンドの発行(ステップS102)に対して、デバイスの動作レスポンスの検出が行われる(ステップS103)。レスポンスが検出された場合(ステップS103のYES)、処理装置は通常の動作を継続する(ステップS104)。一方、レスポンスを検出できない場合(ステップS103のNO)、処理装置はエラー通知を行う(ステップS105)。
【0031】
図1に示した、関連技術のデバイスの障害検出方法では、次に述べるような第1および第2の故障フェーズを処理装置で検出することができない。
【0032】
第1の故障フェーズは、処理装置の操作中にユーザが特定のデバイスを操作した(ステップS101)にも拘わらず、ステップS102の動作コマンドが特定のデバイスから発行されず、特定のデバイスが動作しない故障フェーズである。第2の故障フェーズは、ステップS101にてユーザがデバイスを操作していないにも拘わらず、ステップS102で動作コマンドがあるデバイスから発行され、当該デバイスが動作する故障フェーズである。
【0033】
このように関連技術のデバイスの障害検出方法では、第1または第2の故障フェーズを処理装置で検出することができない。その結果、処理装置を操作した操作者の申告でしか、デバイスの障害を検知できない場合があった。
【0034】
[実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0035】
[第1の実施形態]
図2及び
図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るデバイスの障害検出装置について説明する。
【0036】
図2は本第1の実施形態に係るデバイスの障害検出装置が適用される処理装置200のハードウェア構成を示す図である。
図2において、(A)は処理装置200の正面図であり、(B)は処理装置200のパネル側面図である。
図3は本第1の実施形態に係る障害検出装置300の構成を示すブロック図である。
【0037】
図2(A)に示されるように、図示の処理装置200は、例えば、コンビニエンスストア内に設置される現金処理装置から成ってよい。
【0038】
処理装置200はカメラ202を実装している。処理装置200は、その両側面にバイザー204を備えている。処理装置200は、バイザー204の間に、ユーザによって操作可能な、タッチパネルディスプレイ206を備える。また、処理装置200は、タッチパネルディスプレイ206の下部に、テンキー208を備える。なお、
図2(A)には図示はしないが、処理装置200は、その内部に、キャッシュカード等のカードの情報を読み取り可能な、カードリーダ210を備えている。処理装置200は、その正面に、カードリーダ210の挿入口210aを備えている。
【0039】
図2(B)に示されるように、タッチパネルディスプレイ206は、タッチパネル212と、表示パネル214と、視野角制限フィルタ216とを備える。タッチパネルディスプレイ206の上部に、カメラ202が実装されている。カメラ202は、
図2(A)に示されるように、撮影範囲を撮影可能である。すなわち、カメラ202は、タッチパネルディスプレイ206、テンキー208、およびカードリーダの挿入口210を含む撮影範囲を撮影可能である。
【0040】
したがって、図示の処理装置200は、デバイスとして、タッチパネル210、テンキー208、およびカードリーダ210(の挿入口210a)を備えている。
【0041】
本発明の第1の実施形態によるデバイスの障害検出方法は、処理装置200に実装されているカメラ202を利用して、ユーザによる上記デバイスに対する操作動作を検出する。そして、デバイスの障害検出方法は、ユーザの操作動作の検出時に、デバイスからの出力信号(動作レスポンス)を検出する。デバイスの障害検出方法は、操作動作検出と出力信号検出(動作レスポンス検出)との一致、不一致により、デバイスの障害検出を、
図3に示す障害検出装置300で行う。
【0042】
前述したように、関連技術では、処理装置の操作中にユーザが操作したにも拘わらずデバイスが動作しない第1の故障フェーズと、ユーザが操作していないにも拘わらずデバイスが動作する第2の故障フェーズとを、現状では操作者の申告でしか検知できない。
【0043】
これに対して、本第1の実施形態では、後述する
図3に示す障害検出装置300により、操作動作検出とデバイスの動作レスポンス検出との一致、不一致により、デバイスの故障検出を行い、自律的にHW(hardware)リセット、故障検出を行うことを実現する。
【0044】
図3は、
図2(A)の処理装置200に備えられる、デバイスの障害検出装置300を示すブロック図である。
【0045】
デバイスの障害検出装置300は、操作デバイス特定部302と、デバイス出力検出部304と、故障判定制御部306とを備える。
【0046】
操作デバイス特定部302は、カメラ202で撮像された、ユーザのデバイスの操作状況を表すカメラ画像を受け、このカメラ画像に基づいて、ユーザがどのデバイスを操作しているかを特定し、ユーザ操作検出結果信号を出力する。このユーザ操作検出結果信号は、上記操作動作検出、すなわち、ユーザ操作を表している。
【0047】
デバイス出力検出部304は、複数のデバイス208、210、212のいずれかから出力される信号(動作レスポンス)を検出し、デバイス出力検出信号を出力する。このデバイス出力検出信号は、上記デバイスの動作レスポンス検出、すなわち、デバイス状態を表している。
【0048】
故障判定制御部306は、デバイス出力検出信号とユーザ操作検出結果信号とを比較して、上記複数のデバイス208、210、212のいずれかの故障の有無を判定する。すなわち、デバイス出力検出信号とユーザ操作検出結果信号とが一致しない場合、当該デバイスは、上記第1の故障フェーズまたは上記第2の故障フェーズにあることになる。
【0049】
具体的には、ユーザ操作検出結果信号を受けたが、デバイス出力検出信号を受けなかった場合、故障判定制御部306は、当該デバイスが第1の故障フェーズにあると判定することができる。一方、ユーザ操作検出結果信号を受けなかったが、デバイス出力検出信号を受けた場合、故障判定制御部306は、当該デバイスが第2の故障フェーズにあると判定することができる。
【0050】
このように本第1の実施形態によれば、第1及び第2の故障フェーズを、ユーザの申告を伴わずに、処理装置200で故障判定を行うことができる。
【0051】
[第2の実施形態]
図4乃至
図8を参照して、本発明の第2の実施形態に係るデバイスの障害検出装置300Aについて説明する。
【0052】
図4は本第2の実施形態に係るデバイスの障害検出装置300Aの構成を示すブロック図である。
図5は
図4に示した障害検出装置300Aに用いられる操作デバイス特定部302の内部構成を詳細に示すブロック図である。
図6は、操作デバイス特定部302のユーザ操作パターン格納部(後述)に格納された複数のユーザ操作パターンの一例を示す図である。
図7は
図4に示した障害検出装置300Aに用いられる故障判定制御部306の内部構成を詳細に示すブロック図である。
図8は
図4に示した障害検出装置300Aの操作フローを示すフローチャートである。
【0053】
図示の障害検出装置300Aは、
図3に図示した障害検出装置300に対して、CPU(central processing unit)301と、デバイスリセット制御部308と、エラー通知部310とを更に備える点を除いて、
図3に図示した障害検出装置300と同様の構成を有し、動作をする。以下では説明を簡略化するために、
図3に図示した障害検出装置300と異なる点についてのみ詳細に説明する。
【0054】
CPU301は、障害検出装置300A全体を主制御する。
【0055】
デバイスリセット制御部308は、検出したユーザ操作状態とデバイス状態とが一致しない時に、デバイスをリセットする。換言すれば、デバイスリセット制御部308は、後述するように、故障判定制御部306から供給されるリセット信号に応答して、該当デバイスをリセットする。
【0056】
エラー通知部310は、デバイスの故障が有ると判定したときに通知する。詳述すると、故障判定制御部306は、まず、故障有の判定結果を示す故障結果判定信号の回数をカウントする。そして、故障判定制御部306は、このカウントした回数が所定回数に達したときに、エラーメッセージをエラー通知部310に発行する。
【0057】
本障害検出装置300Aでは、
図1に示した関連技術の課題を、次の様にして解決している。すなわち、後述するように、操作デバイス特定部302のユーザ操作パターン格納部(後述)で対象デバイスの操作パターンをあらかじめ保存しておく。そして、操作デバイス特定部302は、
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202で撮像したカメラ画像で示されるユーザ操作と、操作パターンとを比較し、ユーザが当該デバイスを操作しているかどうかを判定する。これより、上記関連技術の課題を解決している。
【0058】
図5は、
図4に示される操作デバイス特定部302の内部構成を詳細に示すブロック図である。
【0059】
操作デバイス特定部302は、カメラ制御部502と、ユーザ操作検出部504と、ユーザ操作パターン格納部506とを備える。
【0060】
カメラ制御部502は、処理装置200に実装されたカメラ202を制御し、カメラ画像を取得する。
【0061】
ユーザ操作パターン格納部506は、ユーザが複数のデバイス212、210、208に対して操作する操作状況を、あらかじめカメラ202で撮影したカメラ画像で表された操作ジェスチャを、複数のデバイス212、210、208毎にパターン化して得られる複数のユーザ操作パターンを格納する。
【0062】
ユーザ操作検出部504は、上記取得したカメラ画像からユーザ操作を検出する。詳述すると、ユーザ操作検出部504は、取得したカメラ画像から、ユーザ操作パターン格納部506に格納されている複数のユーザ操作パターンを参照することにより、ユーザが操作したデバイスを特定し、上記ユーザ操作検出結果信号を出力する。
【0063】
本例の場合、上記操作ジェスチャは、次に述べる第1乃至第3のジェスチャから成る。第1のジェスチャは、ユーザがタッチパネル212を操作する第1の操作状況を表す。第2のジェスチャは、ユーザがカードリーダ210の挿入口210aへカードを挿入する第2の操作状況を表す。第3のジェスチャは、ユーザがテンキー208を操作する第3の操作状況を表す。
【0064】
図6は、ユーザ操作パターン格納部506に格納された複数のユーザ操作パターンの一例を示す図である。
【0065】
図6に示されるように、ユーザ操作パターン格納部506には、複数の操作種別と複数のユーザ操作パターンとが一対一に紐付けて登録されている。例えば、操作種別が「タッチパネルの操作」である場合には、対応するユーザ操作パターンとして上記第1のジェスチャが登録される。同様に、操作種別が「カードリーダの操作」である場合には、対応するユーザ操作パターンとして上記第2のジェスチャが登録される。操作種別が「テンキーの操作」である場合、対応するユーザ操作パターンとして第3のジェスチャが登録される。
【0066】
より詳細に説明すると、第1のジェスチャとは、タッチパネル212の表面を押下しようとするユーザの動きをパターン化したものであって、パネル表面をユーザが押そうとした時の動作をパターン化したものである。第2のジェスチャは、カードリーダ210の挿入口210aにカードを挿入しようとするユーザの動きをパターン化したものである。第3のジェスチャは、テンキー208を押下しようとするユーザの動きをパターン化したものである。
【0067】
尚、各ユーザ操作パターンは、各操作種別に対応したユーザ操作の操作状況の特徴を表すデータである。このユーザ操作パターンは、カメラ202で撮像したカメラ画像に対して、予め、ソフトウェアの画像解析システムを用いて解析を行い、どのような操作ジェスチャであったかを認識して得られるデータである。
【0068】
図7は、
図4に示される故障判定制御部306の内部構成を詳細に示すブロック図である。
【0069】
故障判定制御部306は、デバイス動作判定部402と、操作デバイス判定部404と、故障判定部406と、回復制御部408とを備える。
【0070】
デバイス動作判定部402は、デバイスから出力された信号を検出し、デバイスが動作しているかどうかを判定する。詳述すると、デバイス動作判定部402は、デバイス出力検出部304から供給される上記デバイス出力検出信号を検出して、複数のデバイス212、210、208のいずれかが動作しているか否かを判定して、デバイス動作状態を表すデバイス動作判定結果信号を出力する。
【0071】
操作デバイス判定部404は、操作デバイス特定部302のユーザ操作検出部504で検出されたユーザ操作から操作されているデバイスを判定する。詳述すると、操作デバイス判定部404は、ユーザ操作検出部504から送出される上記ユーザ操作検出結果信号に応答して、ユーザによって操作されているデバイスを判定して、ユーザ操作状態を表すユーザ操作状態判定結果信号を出力する。
【0072】
故障判定部406は、デバイス動作状態とユーザ操作状態とを比較して、デバイスの動作状態を判定する。詳述すると、故障判定部406は、上記デバイス動作判定結果信号と上記ユーザ操作状態判定結果信号とを比較することにより、ユーザ操作状態とデバイス動作状態との一致又は不一致を判定して、複数のデバイス212、210、208のいずれかの故障の有無の判定結果を示す故障判定結果信号を出力する。
【0073】
回復制御部408は、検出したユーザ操作状態とデバイス動作状態とが一致しない時に、デバイスをリセットする。詳述すると、回復制御部408は、故障判定部406においてユーザ操作状態とデバイス動作状態とが不一致であると判定されたときに、故障と判定されたデバイスを回復するための上記リセット信号を出力する。
【0074】
本第2の実施形態の動作の概略について説明する。
【0075】
まず、操作デバイス特定部302のユーザ操作検出部504が、
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202で撮像されたカメラ画像からユーザ操作を検出したとする。この時、操作デバイス判定部404は、ユーザ操作検出結果信号に応答して、操作対象デバイスを判定する。デバイス出力検出部304は、判定した操作対象デバイスからの出力信号を監視し、デバイス動作判定部402は、デバイスの動作状態を判定する。故障判定部406は、検出した操作対象デバイスのユーザ操作状態とデバイス動作状態とから、デバイスの故障の有無を判定する。このことで、ユーザ申告を伴わずに、処理装置200で故障判定を行うことができる。
【0076】
本発明の第2の実施形態は、次を特徴とする。
【0077】
操作デバイス特定部302のユーザ操作パターン格納部506は、上述したように、あらかじめデバイスを操作する操作ジェスチャをパターン化して格納している。操作デバイス特定部302のユーザ操作検出部504が、
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202でのカメラ画像からユーザ操作を検出した時、操作デバイス判定部404は、一致するパターンから操作されるデバイスを判定する。デバイス出力検出部304は、判定されたデバイスからの出力信号を監視する。デバイス動作判定部402は、デバイスの動作状態を判定する。故障判定部406は、ユーザ操作状態とデバイス動作状態との一致、不一致を判定する。これにより、デバイスの故障を処理装置200で検出可能としている。
【0078】
次に、
図8の操作フロー図に従って、第2の実施形態の動作について説明する。
【0079】
開始に先立って、あらかじめ、押下する画像をパターン化したものを障害検出装置300Aにあるユーザ操作パターン格納部506に登録する。登録方法は、基本動作パターン取得のために各種方向からのデバイス操作を実施し、デバイスが動作した時のパターンをユーザ操作パターン格納部506に保存する(ステップS201)。
【0080】
ユーザ操作検出部504は、デバイス操作の有無をカメラ202で撮像したカメラ画像から検出する(ステップS202)。デバイス操作の検出が有りの場合(ステップS202のYES)、デバイス出力検出部304は、特定されたデバイスからのデバイス出力信号の取得を行う(ステップS203)。デバイス出力信号の検出が有りの場合(ステップS203のYES)、故障判定制御部306は正常動作と判定し、処理装置200は動作を継続する(ステップS204)。デバイス出力信号の検出が無しの場合(ステップS203のNO)、故障判定制御部306は、故障判定モードを実行する。
【0081】
故障判定モードでは、回復制御部408からのリセット信号に応答して、デバイスリセット制御部308は、該当デバイスをリセットする(ステップS209)。そして、故障判定制御部306は、再度デバイス操作のメッセージをユーザに示して再操作を促す(ステップS210)。故障判定部406は、複数回で復帰しなければ故障と判定し(ステップS211)、エラー通知部310へエラー通知を行う(ステップS212)。
【0082】
一方、デバイス操作の検出が無しの場合(ステップS202のNO)、デバイス出力検出部304は、各デバイスからのデバイス出力信号を監視する(ステップS205)。デバイス出力信号がない場合(ステップS105のNO)、故障判定部406は、ユーザ操作状態とデバイス動作状態とが一致していると判定して、処理装置200は通常動作を継続する(S206)。デバイス出力信号がある場合(ステップS205のYES)、ユーザ操作状態とデバイス動作状態とが不一致となるので故障判定モードに入る。
【0083】
この故障判定モードでは、回復制御部408は、デバイス信号出力のあったデバイスをリセットするためにリセット信号をデバイスリセット制御部308へ供給する(ステップS207)。故障判定部406は、複数回で回復しなければ故障と判定し(ステップS208)、エラー通知部310へエラー通知をする(ステップS212)。
【0084】
次に、本第2の実施形態の効果について説明する。
【0085】
関連技術には、ユーザ操作が動作トリガとなるデバイスではユーザの操作状況を検知する手段がない。そのため、以下の2パターンについて処理装置側で故障を検知できない場合がある。
【0086】
1)実際ユーザが操作しているにも拘わらず、操作検出信号(動作出力信号)がデバイスから出力されない場合。
2)実際ユーザが操作していないにも拘わらず、デバイスから動作出力信号が出力されて誤動作している場合。
【0087】
関連技術では上記の2パターンについて処理装置側で操作状況を検知できない為、デバイスの故障を検知できない場合がある。これに対して、本発明の第2の実施形態では、処理装置側でデバイスの故障検出が可能になる。
【0088】
これにより、本第2の実施形態では、以下の効果が見込まれる。
【0089】
・自律的にHW(hardware)リセットを行いデバイスが回復できる可能性が高まる。
・関連技術では操作結果をユーザ自身が申告しないと故障が判明しないが、本第2の実施形態では、処理装置側で故障判定できることでリモート保守が容易となる。
【実施例1】
【0090】
次に、上記第2の実施形態に適用した場合における、本発明の第1の実施例について説明する。第1の実施例は、デバイスがタッチパネル212の場合の例である。
【0091】
この場合、第1の実施例では、
図4の操作デバイス特定部302によりあらかじめユーザがタッチパネル212を操作する操作ジェスチャ(第1のジェスチャ)をパターン化してユーザ操作パターン格納部506に格納しておく。この状況において、操作デバイス特定部302のユーザ操作検出部504が、
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202でタッチパネル212を押下するユーザ操作を検出したとする。この場合、
図7の操作デバイス判定部404は、操作対象デバイスをタッチパネル212と判定する。デバイス出力検出部304は、判定されたタッチパネル212からの出力信号を監視し、デバイス動作判定部402は、タッチパネル212のデバイス動作状態を判定する。故障判定部406は、ユーザによるタッチパネル212のユーザ操作状態とタッチパネル212のデバイス動作状態の一致、不一致を判定する。これより、第1の実施例では、タッチパネル212の故障を処理装置200で検出可能としている。
【0092】
以下、第1の実施例の動作について詳細に説明する。
【0093】
あらかじめユーザがタッチパネル212を操作するジェスチャ(第1のジェスチャ)をパターン化し、
図5の操作デバイス特定部302のユーザ操作パターン格納部506にデータベース化して収集する。ここで、操作するジェスチャ(第1のジェスチャ)とは、上述したように、タッチパネル212の表面を押下しようとするユーザの動きをパターン化したものであって、ユーザがタッチパネル212の表面を押そうとした時の動作をパターン化したものである。
【0094】
このようにして、操作デバイス特定部302のユーザ操作パターン格納部506に、
図6に示されるように、あらかじめユーザがタッチパネル212を操作する操作パターン(第1のジェスチャ)を保存しておく。故障判定制御部306は、
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202で撮像されたカメラ画像に基づいてユーザ操作検出部504が検出したユーザ操作状態と、デバイス出力検出部304で検出されたデバイス動作状態とを比較して、ユーザがタッチパネル212を操作しているかどうかを判定する。エラー検知時には、故障判定制御部306がエラー通知をエラー通知部310に発行する。
【0095】
前述したように、故障判定制御部306は、デバイス動作判定部402と、操作デバイス判定部404と、故障判定部406と、回復制御部408とから成る。
【0096】
第1の実施例の場合、デバイス動作判定部402は、デバイス出力検出部304から供給される、タッチパネル212から出力信号が出力されたことを示すデバイス出力検出信号を検出し、タッチパネル212が動作しているかどうかを判定する。操作デバイス判定部404は、ユーザ操作検出部504で検出されたユーザ操作検出結果信号から、操作されているデバイスをタッチパネル212と判定する。故障判定部406は、タッチパネル動作状態とユーザ操作状態とを比較して、タッチパネル212の動作状態を判定する。回復制御部408は、故障判定部406において検出したタッチパネル212のユーザ操作状態とタッチパネル動作状態とが一致しないと判定された時に、タッチパネル212をリセットするためのリセット信号を出力する。
【0097】
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202でユーザがタッチパネル212を操作している操作状況を表すカメラ画像が取得されたとする。このとき、ユーザ操作検出部504は、ユーザ操作パターン格納部506に格納されたユーザ操作パターンを参照して、タッチパネル212をユーザが操作していることを示すユーザ操作検出結果信号を出力する。このユーザ操作検出結果信号に応答して、操作デバイス判定部404は、操作対象デバイスをタッチパネル212と判定する。デバイス出力検出部304は、判定したタッチパネル212からの出力信号を監視し、デバイス動作判定部402は、タッチパネル212の動作状態を判定する。故障判定部406は、検出したタッチパネル212のユーザ操作状態とタッチパネル212のデバイス動作状態とから、タッチパネル212の動作状態を判定する。これより、ユーザ申告を伴わずに、処理装置200で故障判定を行うことができる。故障判定部406においてタッチパネル212のユーザ操作状態とタッチパネル212のデバイス動作状態とが一致したと判定された時には、処理装置200は、通常動作を継続する。一方、故障判定部406で不一致と判定された時には、回復制御部408は、デバイス回復制御を行う。複数回不一致の場合、故障判定部406は、エラーと判定して、エラー通知部310にエラーメッセージを発行する。
【実施例2】
【0098】
次に、上記第2の実施形態に適用した場合における、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、デバイスがカードリーダ210の場合の例である。
【0099】
この場合、第2の実施例では、
図4の操作デバイス特定部302によりあらかじめユーザがカードリーダ210の挿入口210aにキャッシュカードを挿入するジェスチャ(第2のジェスチャ)をパターン化してユーザ操作パターン格納部506に格納しておく。この状況において、操作デバイス特定部302のユーザ操作検出部504が、
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202でカードリーダ210の挿入口210aにカードを挿入するユーザ操作を検出したとする。この場合、
図7の操作デバイス判定部404は、操作対象デバイスをカードリーダ310と判定する。デバイス出力検出部304は、判定されたカードリーダ310からの出力信号を監視し、デバイス動作判定部402は、カードリーダ310の動作状態を判定する。故障判定部406は、ユーザによるカードリーダ310のユーザ操作状態とカードリーダ310のデバイス動作状態の一致、不一致を判定する。これにより、第2の実施例では、カードリーダ210の故障を処理装置200で検出可能としている。
【0100】
以下、第2の実施例の動作について詳細に説明する。
【0101】
あらかじめユーザがカードをカードリーダ210の挿入口210aに挿入するジェスチャ(第2のジェスチャ)をパターン化し、
図5の操作デバイス特定部302のユーザ操作パターン格納部506にデータベース化して収集する。ここで、操作するジェスチャ(第2のジェスチャ)とは、上述したように、カードリーダ210の挿入口210aにカードを挿入しようとするユーザの動きをパターン化したものである。
【0102】
このようにして、操作デバイス特定部302のユーザ操作パターン格納部506に、
図6に示されるように、あらかじめユーザがカードリーダ210を操作する操作パターン(第2のジェスチャ)を保存しておく。故障判定制御部306は、
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202で撮像されたカメラ画像に基づいてユーザ操作検出部504が検出したユーザ操作状態と、デバイス出力検出部304で検出されたデバイス動作状態とを比較して、ユーザがカードリーダ210を操作しているかどうかを判定する。エラー検知時には、故障判定制御部306がエラー通知をエラー通知部310に発行する。
【0103】
前述したように、故障判定制御部306は、デバイス動作判定部402と、操作デバイス判定部404と、故障判定部406と、回復制御部408とから成る。
【0104】
第2の実施例の場合、デバイス動作判定部402は、デバイス出力検出部304から供給される、カードリーダ210から出力信号が出力されたことを示すデバイス出力検出信号を検出し、カードリーダ210が動作しているかどうかを判定する。操作デバイス判定部404は、ユーザ操作検出部504で検出されたユーザ操作検出結果信号から、操作されているデバイスをカードリーダ210と判定する。故障判定部406は、カードリーダ動作状態とユーザ操作状態とを比較して、カードリーダ210の動作状態を判定する。回復制御部408は、故障判定部406において検出したカードリーダ210のユーザ操作状態とカードリーダ動作状態とが一致しない時に、カードリーダ210をリセットするためのリセット信号を出力する。
【0105】
図2に示す処理装置200に実装されたカメラ202でユーザがカードリーダ210を操作している操作状況を表すカメラ画像が取得されたとする。このとき、ユーザ操作検出部504は、ユーザ操作パターン格納部506に格納されたユーザ操作パターンを参照して、カードリーダ210をユーザが操作していることを示すユーザ操作検出結果信号を出力する。このユーザ操作検出結果信号に応答して、操作デバイス判定部404は、操作対象デバイスをカードリーダ210と判定する。デバイス出力検出部304は、判定したカードリーダ210からの出力信号を監視し、デバイス動作判定部402は、カードリーダ210の動作状態を判定する。故障判定部406は、検出したカードリーダ210のユーザ操作状態とカードリーダ210のデバイス動作状態とから、カードリーダ210の動作状態を判定する。これにより、ユーザ申告を伴わずに、処理装置200で故障判定を行うことができる。故障判定部406においてカードリーダ210のユーザ操作状態とカードリーダ210のデバイス動作状態とが一致したと判定された時には、処理装置200は、通常動作を継続する。一方、故障判定部406で不一致と判定された時には、回復制御部408は、デバイス回復制御を行う。複数回不一致の場合、故障判定部406は、エラーと判定して、エラー通知部310にエラーメッセージを発行する。
【0106】
デバイスがテンキー208であるときの動作も、上記第1又は第2の実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0107】
上述の障害検出装置300および障害検出装置300Aは、ハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。また、障害検出装置300および障害検出装置300Aは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現してもよい。
【0108】
[障害検出装置のハードウェア構成]
図9は、障害検出装置300および障害検出装置300Aを、ソフトウェアで実現する場合の情報処理装置(コンピュータ)のハードウェアの一例を示すブロック図である。
【0109】
図9に示すように、情報処理装置600は、制御部(CPU:Central Processing Unit)610と、記憶部620と、ROM(Read Only Memory)630と、RAM(Random Access Memory)640と、通信インターフェース650と、ユーザインターフェース660とを備えている。
【0110】
制御部(CPU)610は、記憶部620またはROM630に格納されたプログラムをRAM640に展開して実行することで、障害検出装置300および障害検出装置300Aの各種の機能を実現することができる。また、制御部(CPU)610は、データ等を一時的に格納できる内部バッファを備えていてもよい。
【0111】
記憶部620は、各種のデータを保持できる大容量の記憶媒体であって、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体で実現することができる。また、記憶部620は、情報処理装置600が通信インターフェース650を介して通信ネットワークと接続されている場合には、通信ネットワーク上に存在するクラウドストレージであってもよい。また、記憶部620は、制御部(CPU)610が読み取り可能なプログラムを保持していてもよい。
【0112】
ROM630は、記憶部620と比べると小容量なフラッシュメモリ等で構成できる不揮発性の記憶装置である。また、ROM630は、制御部(CPU)610が読み取り可能なプログラムを保持していてもよい。なお、制御部(CPU)610が読み取り可能なプログラムは、記憶部620およびROM630の少なくとも一方が保持していればよい。
【0113】
なお、制御部(CPU)610が読み取り可能なプログラムは、コンピュータが読み取り可能な様々な記憶媒体に非一時的に格納した状態で、情報処理装置600に供給してもよい。このような記憶媒体は、例えば、磁気テープ、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc- Recordable)、CD−RW(Compact Disc-ReWritable)、半導体メモリである。
【0114】
RAM640は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)等の半導体メモリであり、データ等を一時的に格納する内部バッファとして用いることができる。
【0115】
通信インターフェース650は、有線または無線を介して、情報処理装置600と、通信ネットワークとを接続するインターフェースである。
【0116】
ユーザインターフェース660は、例えば、ディスプレイ等の表示部、およびキーボード、マウス、タッチパネル等の入力部である。
【0117】
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。