特許第6897988号(P6897988)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピザト エレットリカ エス.アール.エル.の特許一覧

<>
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000002
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000003
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000004
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000005
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000006
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000007
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000008
  • 特許6897988-アクセス制御用安全スイッチ 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6897988
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】アクセス制御用安全スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 27/00 20060101AFI20210628BHJP
【FI】
   H01H27/00 G
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-562064(P2018-562064)
(86)(22)【出願日】2017年5月26日
(65)【公表番号】特表2019-517709(P2019-517709A)
(43)【公表日】2019年6月24日
(86)【国際出願番号】IB2017053131
(87)【国際公開番号】WO2017208124
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2020年5月12日
(31)【優先権主張番号】102016000055780
(32)【優先日】2016年5月30日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515332229
【氏名又は名称】ピザト エレットリカ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】PIZZATO ELETTRICA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100181582
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 直斗
(72)【発明者】
【氏名】ピザト,マルコ
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/083143(WO,A1)
【文献】 特開2008−218288(JP,A)
【文献】 特開2005−317207(JP,A)
【文献】 特表2017−510034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 27/00 − 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械および工場へのアクセスの制御用安全スイッチであって、
制御対象アクセスの固定部(F)に固定されるように構成されるケース(4)と、
上記ケース(4)に収容され、前記機械または工場の1または複数の制御回路および/または点検回路を制御する切換手段と、
前記アクセスの開放/閉鎖時に前記切換手段と相互作用して、1または複数の回路を開放/閉鎖するように構成された駆動手段と、
前記ケース(4)の前記アクセスの前記固定部(F)への定着手段(5)と、
前記ケース(4)の縦上端(8)に選択的に装着されるように構成された1または複数の補助モジュール(18)と、
前記1または複数の補助モジュール(18)を前記ケース(4)に固定する固定手段と、
を備え、
前記定着手段(5)が前記ケース(4)に一体化され、少なくとも2つの相対的に斜めな配向で、前記アクセスの前記固定部(F)への選択的固定を可能にするように構成されることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記定着手段(5)が、相対的に傾斜し非平行である各自の展開方向(X、Y)に沿って、前記ケース(4)を横方向に交差する少なくとも一対の通路(6、7)を備え、前記展開方向(X、Y)の傾斜角度に等しい相対的に斜めの配向で、前記ケース(4)の固定部材を前記アクセスの前記固定部(F)に選択的に挿入することができるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記横方向通路(6、7)が、相互に直交する各自の方向(X、Y)に沿って延在することを特徴とする、請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記横方向通路(6、7)が相互に交差することを特徴とする、請求項2または3に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記定着手段(5)が、前記ケース(4)の各自の縦端部(8、9)に配置された少なくとも2対の前記横方向通路(6、7、6’、7’)を備えることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記駆動手段が動作装置(3)を備え、該動作装置が、前記アクセスの可動部(P)に固定されるように構成され、存在信号を送信することによって前記切換手段と遠隔で相互作用するように構成された送信機を収容することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記駆動手段が受信機(10)を備え、該受信機が、前記ケース(4)に収容され、前記送信機と相互作用して前記存在信号を受信し前記切換手段の状態を変化させるように構成されることを特徴とする、請求項6に記載のスイッチ。
【請求項8】
前記送信機と前記受信機(10)との間の位置合わせを少なくとも部分的に修復するように構成されるセンタリング手段(11)を備え、前記センタリング手段(11)が、前記動作装置(3)と関連付けられるセンタリングピン(12)と、前記ケース(4)に形成され、前記アクセスの閉鎖時に前記センタリングピン(12)を収容するように構成されるセンタリング穴(13)とを備えることを特徴とする、請求項7に記載のスイッチ。
【請求項9】
前記切換手段が、スライダ(22)を有する係止機構に動作可能に連結され、前記スライダが、前記センタリング穴(13)内を突出して機械的干渉によって前記センタリングピン(12)を係止するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のスイッチ。
【請求項10】
前記ケース(4)が、前記横方向通路(6、7)と、前記センタリング穴(13)と、前記受信機(10)を収容する座部とを設けた一体型であることを特徴とする、請求項8または9に記載のスイッチ。
【請求項11】
前記ケース(4)が、前記切換手段に接続された回路の開放/閉鎖状態を示すように構成される1または複数の信号LED灯(23)を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項12】
前記1または複数の補助モジュール(18)が、閉鎖モジュールと、前記切換手段に動作可能に連結されて制御するように構成される制御手段(19)を備えた制御モジュールとから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項13】
前記1または複数の補助モジュール(18)が前記ケース(4)に回転自在に装着可能であり、縦回転軸(L)を中心に回転することを特徴とする、請求項12に記載のスイッチ。
【請求項14】
前記ケース(4)の縦下端(9)で選択的に装着されるように構成され、前記機械または工場の1または複数の回路への接続のために前記切換手段に動作可能に連結される電気または電子接続手段(21)を設けた1または複数の電気接続モジュール(20)を備えることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項15】
前記1または複数の電気接続モジュール(20)が、前記ケース(4)に回転自在に装着されて縦回転軸(L)を中心に回転することを特徴とする、請求項14に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用の電気装置の分野に適用可能であり、障壁、棚、サービスパネルなどの可動保護手段に適用されるように構成された、産業用機械および工場へのアクセス制御用安全スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用機械または工場の障壁および/または安全周壁へのアクセスを制御する既知のスイッチは、一般的には、アクセスの固定部に定着される切換装置と、可動部に定着される動作装置とを備える。
【0003】
上記スイッチは、1または複数の信号回路または点検回路を始動している間、明白な安全上の理由のため、アクセスの開放時に工場を封鎖することを目的とする。
同様に、スイッチにより、特別なオペレータの介入を必要とする状況でない限り、アクセスを閉鎖した直後に機械または工場を再開することができる。
【0004】
機械または工場の電源回路の開放および閉鎖用の切換手段は、機械または電子アクチュエータのいずれかによって制御することができる。
前者では、可動装置に関連付けられるキーアクチュエータが通常設けられ、切換装置の孔に嵌合して、供給回路および任意の可能な補助回路を開放/閉鎖する切換手段の駆動機構と相互作用するように構成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、キーアクチュエータは、固定部と可動部との間の位置合わせ不良を修復し、完璧に位置合わせされていない装置間の相互作用を可能にするように適切に成形することができる。
【0006】
同一出願人の名義のEP2112674は、キーアクチュエータとセンタリングシステムとを有するスイッチを開示しており、センタリングシステムは、キーアクチュエータも備えた可動アクチュエータ装置に関連付けられ、切換装置の上方に搭載される適切なブロックのセンタリング穴に嵌合するように設計されたセンタリングピンから成る。
【0007】
このような解決策は、切換装置とセンタリングブロックの様々な配向を可能にする適切なアダプタまたはサポートが提供されない限り、様々な開口タイプのアクセスに区別なく適用することができないという点で制限される。
【0008】
たとえば、同一出願人の名義でWO2015083143に記載されるような電子アクチュエータスイッチでは、2つの装置にそれぞれ電子回路が設けられ、それらの電子回路が、相対距離に応じて主電源回路を開閉させるため、アクチュエータ装置に関連付けられた回路から送信される認識信号によって相互作用するように構成される。
【0009】
上述の出願に記載されるスイッチは、装置間で起こり得る位置合わせ不良を修復するように構成されたセンタリング手段をさらに備える。
具体的には、切換装置は、機械または工場の電源回路に接続されるように設計された切換手段を収容するケースと、ケースに回転可能に装着され、電子回路を収容するヘッドとを備える。ヘッドは、アクチュエータ装置に関連付けられるセンタリングピンを挿入する穴も有する。
【0010】
固定穴は前面と後面のみに存在するため、障壁の固定部へのケースの固定は単方向に実行することができる。
したがって、可動部の閉鎖がハウジングの前方で発生しない場合、センタリング手段間と電子回路間の両方の相互作用が可能になるようにヘッドを90度回転させる必要がある。
【0011】
特に効果的かつ効率的であるけれども、この構造は、比較的多数のコンポーネントを必要とし、切換装置をより大きく軸方向に展開させる。
したがって、特に複雑な施設に適したこの解決策は、簡易な機械または工場にとっては大きすぎ、経済的には適さない場合がある。
【0012】
同様の解決策は、DE102006006949に示され、スイッチが、切換手段を収容して、1または複数のアクチュエータモジュールに関連付けられるケースを備える。
また、この場合、ケースは、ケースを単方向で固定させる一対の前側穴を有する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、高効率で比較的コスト効果の高い、産業用機械および工場へのアクセスを制御する安全スイッチを設けることによって上述の欠点を克服することである。
【0014】
特定の目的は、製造および保全コストを低減すると同時に使用に柔軟性を持たせるため、特に簡易でコンパクトであり、右または左型のヒンジ開口または摺動開口と関連付けることができる、産業用機械および工場へのアクセスの制御用安全スイッチを提供することである。
【0015】
特定の目的は、ブラケットなどの外部固定手段などを使用せずに、任意の種類の開口に定着することができるスイッチを提供することである。
さらに別の目的は、最高のセキュリティ基準を保証するため、駆動システムが完全に電子的であるスイッチを提供することである。
【0016】
上記の目的と、以下より明瞭になる他の目的は、請求項1に係る産業用機械および工場用のアクセスを制御する安全スイッチによって達成され、該スイッチは、制御対象のアクセスの固定部に定着されるように構成され、機械または工場の1または複数の制御回路および/または点検回路を制御する切換手段を収容するケースと、アクセスの開放/閉鎖時に上記切換手段と相互作用して1または複数の回路を開放/閉鎖する駆動手段と、相対的に回転させた少なくとも2つの異なる配向で上記ケースをアクセスの固定部に定着する定着手段と、上記ケースの縦上端に選択的に装着されるように構成された1または複数の補助モジュールと、上記1または複数の補助モジュールを上記ケースに固定する手段と、を備える。
【0017】
定着手段は、上記ケースに一体化され、少なくとも2つの相対的に斜めの配向でアクセスの固定部に選択的に固定させるように構成される。
このように、ブラケットなどの補助締結要素などを設ける必要なく、また、ケースに対して配向可能なヘッド内に駆動手段やセンタリング手段を収容する必要なく、ケース位置をアクセスの特定の開口モードに適合させて、それを右または左のヒンジ開口または摺動開口に適用することができる。
このように、最小構造では、スイッチはコンパクトな構造と簡易な構成を有し、非常に費用効果が高い。
【0018】
「アクセス」という文言は、ドアおよびパネルの両方、または保護障壁および周壁の修復を指し、概して、オペレータが機械または工場の保護障壁に進入する、あるいは腕または手を挿入して機械または工場の制御パネルまたはその他の部分にアクセスすることができるように構成された任意の開口を指す。
【0019】
好ましくは、定着手段は、各自の相対的に傾斜し非平行である展開方向に沿って上記ケースを横方向に交差する1または複数の対の通路を備えることができ、これらの通路は、上記展開方向の傾斜角度に等しい角度で各自の相対的に斜めな配向で、ケースをアクセスの固定部に固定する部材を選択的に挿入することができるように構成される。
【0020】
好ましくは、上記横方向通路は、相互に交差する各自の相対的な直交方向に沿って延在することができる。
この構造は、特にコンパクトであり、邪魔になるサイズや複雑さを増大させずに、類似のスイッチで通常使用される共通固定システムを利用することができるという利点を備える。
【0021】
また、ケースは、略対称な形状を有し、固定のために設けられた部品を変更または適合させる必要なく、2つ以上の異なる配向のうちの1つの配向で定着することができる。
好適には、上記駆動手段はアクチュエータ装置を備え、該アクチュエータ装置は、アクセスの可動部に固定されるように構成されて、存在信号を送信することによって切換手段と遠隔で相互作用することができる送信機要素を収容することができる。
【0022】
さらに、始動手段は受信機要素を備え、該受信機要素は、上記ケースに収容されて、上記存在信号の受信時に状態の変化を制御する上記切換手段と相互作用するように構成することができる。
【0023】
有益なことに、送信機要素と受信機要素との間の位置合わせを少なくとも部分的に修復できるセンタリング手段を設けることができ、該手段は、上記アクチュエータ装置に関連付けられるセンタリングピンと、上記ケースに作製されて、アクセスの閉鎖時に上記センタリングピンを受容するように構成されるセンタリング穴とを備える。
【0024】
便利なことに、上記ケースは、上記横方向通路と、上記センタリング穴と、上記受信機要素を収容する座部とを設けた一体型である。
この特徴の組み合わせのおかげで、スイッチには、コンパクトさを維持し、妨害を低減し、構造上の簡易さを向上させつつ、最高の安全性および信頼性基準を備えたあらゆる典型的なスイッチ装置が装備される。
【0025】
具体的には、このように作製されるスイッチは電子駆動型であるため、この種の電気装置に典型的なすべての制御装置を実装するように構成される。
特に、スイッチは、上記ハウジングの縦端に装着される制御および/または電気接続用の1または複数の補助モジュールを備えることができ、該補助モジュールには、上記切換手段に動作可能に連結されて、それらの手段および/またはそれらの手段の機械または工場の1または複数の回路への接続を制御する制御手段および/または電気または電子接続手段が設けられ、上記1または複数の補助モジュールは上記ケースに回転自在に装着されて縦回転軸を中心に回転する。
【0026】
このように、スイッチは、非常時、信号通知、制御などの追加の解錠装置または安全装置と一体化させることができ、該装置は、オペレータの介入のために、常に最も簡便で近接する方向でケースに対して回転させることができる。
【0027】
同時に、機械または工場の供給および/または制御回路に対して切換手段の電気または電子接続モジュールを回転させることができるため、可能な限り最短ルートで接続ケーブルの出口に対して配向させることができるとともに、不完全であるだけでなく、明瞭なセキュリティリスクを及ぼす可能性のある回転または捩れを防止することができる。
本発明の有益な実施形態は、従属請求項により得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の追加の特徴および利点は、非限定的な例示として添付図面を参照して示された、本発明による機械および工場へのアクセスの制御用安全スイッチに関するいくつかの好適だが非排他的な実施形態の詳細な説明に鑑み、より自明となるであろう。
【0029】
図1図1は、第1の好適な実施形態、およびヒンジアクセスに固定するための第1の組立方法におけるスイッチの斜視図である。
図2図2は、摺動アクセスに固定するための第2の組立方法における図1のスイッチの斜視図である。
図3図3は、第3の組立方法における図1のスイッチの細部の前面図である。
図4図4は、IV−IV面による図3の細部の断面図である。
図5図5は、図3の細部の側面図である。
図6図6は、図5のVI−VI面による図3の細部の断面図である。
図7図7は、端部モジュールの回転順序を示す図3の細部の斜視図である。
図8図8は、様々な異なる実施形態によるスイッチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付図面は、産業用機械または工場へのアクセスを制御する安全スイッチであって、可動障壁またはパネルに適用されて好適だが非排他的な動作時の機械または工場への危険なアクセスを防止する安全スイッチの好適だが非排他的ないくつかの構造を示す。
【0031】
既知なように、スイッチは、上記アクセスのドアまたは閉鎖パネルの開放時、機械または工場の動作をほぼ遮断するようにアクセスを保護すべく設計される。
図1は、全体を1で示し、左翼スイングドアPを備えた保護障壁Bのアクセスに適用されるスイッチを示す。
【0032】
スイッチ1は、保護障壁Bの固定フレームFに固定され、図示しない主回路および/または点検回路および非常用回路に電力を供給する、および/またはそれらの回路を制御する1または複数の電気および/または電子回路に既知の方法で接続されるように構成された切換装置2を備える。
【0033】
上記回路への切換装置2の接続モードは既知のタイプであり、本発明の一部を成さないため、以下詳細に説明しない。
障壁Bの可動部Pには、アクセスの開閉後、切換装置2と相互作用して、安全スイッチの標準モードにおいて1または複数の回路を判定する動作装置3が搭載される。
【0034】
切換装置2は、制御対象アクセスにおいて障壁Bの固定部に定着させることができ、機械または工場の1または複数の制御回路および/または点検回路を制御する切換手段を収容するケース4を備える。
【0035】
ケース4の内部にあるため図示されていない切換手段は、業界で一般的に使用されるものの中から選択することができ、どんな具体的な限定もなしにスイッチの機能に応じて変更させることができる。
【0036】
ケース4内には、切換装置2と動作装置3間の相互作用に従って、この場合は既知の方法に応じて、機械または工場の1または複数の回路を開放/閉鎖するアクセスの開放/閉鎖時、切換手段と相互作用するように構成された駆動手段がさらに設けられる。
【0037】
ケース4には、相対的に回転する少なくとも2つの異なる方向での障壁Bの固定部Fへの定着手段5が設けられる。
具体的には、定着手段5はケース4に一体化され、ブラケットなどの追加の支持を必要とせずに、アクセスの固定部Fに選択的に固定することができるように構成される。
【0038】
好ましくは、定着手段5は、ケース4の主展開縦軸Lによって画定される共通中心軸を中心に相対的に約90度回転させた少なくとも3つの異なる配向面に応じて、ケース4に定着できるように構成される。
【0039】
図2は、同じ従来の切換装置2を示しており、ケース4は摺動開口アクセスで障壁BのフレームFへの締結のために90度回転させられる。
同図から分かるように、好適な構造によると、定着手段5が各自の展開方向X、Yに沿ってハウジング4を横方向に交差する2対の通路6、7;6’、7’を備え、X’、Y’は相互に直交し、ケース4をアクセスの固定部Fに係止するのに適したねじやピンなどの図示しない固定部材を選択的に挿入することができるように構成される。
【0040】
具体的には、ケース4の縦上端8に第1の対の通路6、7と、縦下端9に第2の対の通路6’、7’とが設けられる。より正確には、2つの通路6、6’は前方に作製され、2つの通路7、7’は側方に作製される。
【0041】
障壁Bの固定部Fへのケース4の定着は、ヒンジ開口の場合、図3により明瞭に示されるように、2つの前方通路6、6’に2つの締結部材を挿入することによって、または擦動開口の場合、図5により明瞭に示されるように、2つの側方通路7、7’を通じて達成することができる。
【0042】
図4および6の断面図からより明瞭に分かるように、各対の前方通路6、6’および側方通路7、7’は、ケース4の固定高が定着の配向に左右されないように相互に交差する。
図示するスイッチ1は電子駆動型である。すなわち、切換手段上の動作手段の動作は、たとえば、上記WO2015083143に記載される既知のモードにより、切換手段に送信される電子信号によって制御される。
【0043】
この目的で、動作手段は、同じケース4内に好都合に配置される適切な座部に収容され、図中において点線で示された受信機要素10、たとえば、RFIDアンテナを備える。
可動アクチュエータ装置3が切換装置2と所定の最小距離をとり、アクセスが安全に閉鎖されたとみなすことができるとき、アンテナ10は、可動アクチュエータ装置3に収容された送信機または中継器要素によって送信される遠隔制御信号、すなわち、圧力信号を受信するように構成される。
【0044】
具体的には、図示されない中継器は、機械または工場を始動できるようにアンテナ10によって認識されるべき識別コードを有するタグを含む。
識別コードは、所望するスイッチの暗号化レベルの高低に応じて、一意であっても一般的であってもよい。
【0045】
スイッチ1には、組立中に部品間の正確な位置合わせが実行されなかった場合、または使用時に精密な位置合わせが失われた場合、アンテナ10と中継器との間の位置合わせを少なくとも部分的に修復できるセンタリング手段11も設けられる。
【0046】
センタリング手段11は、アクチュエータ装置3から延在するセンタリングピン12と、ケース4の前方に形成され、アクセスの閉鎖時にセンタリングピン12を収容するように構成されるセンタリング穴13とを備える。
【0047】
センタリング穴13は、ピン12を誘導するフレア形入口14を有し、より大きな位置合わせ不良を修復するための大きな表面を提供する。
ケース内部には、ピン12の対応溝16と係合し、障壁Bによって生じる振動または偶発的な衝撃の結果としてピンが脱出し不所望にアクセスが開放されることを防止する保持機構15も設けることができる。
【0048】
センタリング穴13を通じて、ピン12は、切換手段に接続され、スライダ22を有する係止機構と相互作用することができ、該スライダは、穴13内で突出する端部を有し、ピン12の溝16と係合して機械的干渉によってピンを係止する。
【0049】
実質上、ケース4は、横方向通路6、6’、7、7’と、センタリング穴13と、アンテナ10を収容する座部とを有する一体型として表される。
また、ケース4には、内部および切換手段へのアクセス用の脱着可能な蓋17も設けられる。
【0050】
図示しない変形では、ケース4は、内部にアクセスできないように蓋17なしでも実現することができる。
両実施形態では、蓋17がある場合もない場合も、ケースには、スイッチ1に接続された様々な回路の状態を知らせるのに適した、好ましくはLED型の1または複数の信号灯23をさらに設けることができる。
【0051】
ケース4は、コストをさらに節減するため、全体をプラスチック材料で作製することができる。この場合、センタリング穴13は、ピン12との衝撃に対する抵抗を高めるため、フレア形入口14に金属リングを形成することができる。
【0052】
切換装置2は、ケース4の上端8に装着される補助モジュール18も備える。
補助モジュール18は、特別な機能を持たない蓋またはモジュールなどのケースの上部閉鎖モジュールであってもよいし、選択器、マッシュルーム緊急制御装置、ケーブル制御装置、キーロックなどの機械または工場回路制御用の切換手段と相互作用するように構成された1または複数の点検または非常用コマンド19付き制御モジュールであってもよい。
【0053】
同様に、ケース4の下端9では、補助電気接続モジュール20には、多極コネクタ、ケーブルコネクタなど、機械または工場の回路を制御する切換手段の電気または電子接続用手段21を設けることができる。
【0054】
図7に示すように、上記モジュール18、20は、縦軸Lを中心に相互に独立して回転可能にケース4に装着され、ケース4が配向する位置に応じて最も適切な方向に配向される。
モジュール18、20の締結は、モジュール18、20のタイプに応じて選択される図示されない締結手段によって達成することができる。
【0055】
たとえば、締結手段は、縦方向に挿入されてモジュール18、20をケース4の側壁に係止するように構成される貫通ねじを含むことができる、またはモジュール18、20をケース4の上面または下面に直接係止するスナップ式とすることができる。
【0056】
図8は、同じケース4に連結することができる制御モジュール18と電気接続モジュール20のいくつかの可能な実施形態を示す。
示されるように、スイッチ1は、制御モジュール18と接続モジュール20の両方を設けることができる、いずれかを設けることができる、またはいずれのモジュールも省略することができる。さらに、同図から、制御モジュール18の代わりに、特別な機能を持たない簡易な蓋またはモジュールを装着できることが分かる。
【0057】
上記の説明から、本発明に係るスイッチは、意図する目的を達成し、具体的には、特にコンパクトで、簡易で、経済的でありながら、高い安全性および信頼性基準を保証することが自明である。
【0058】
本発明に係るスイッチは、多数の変更および変形を行うことができ、それらはすべて添付の請求項に記載される発明の概念に属する。細部はすべて他の技術上等価な要素と置き換えることができ、材料は本発明の範囲から逸脱せずに需要に応じて異ならせることができる。
【0059】
スイッチを特に添付図面を参照して説明したが、明細書と請求項に使用される参照符号は、発明に関する情報を向上させるために使用され、請求の範囲を限定するものではない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8