特許第6898144号(P6898144)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6898144
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】スロープ装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 3/06 20060101AFI20210628BHJP
   B60R 3/00 20060101ALI20210628BHJP
   E04F 11/00 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   A61G3/06
   B60R3/00
   E04F11/00
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-89087(P2017-89087)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-186845(P2018-186845A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】二塚 滋
(72)【発明者】
【氏名】黒田 定信
(72)【発明者】
【氏名】川口 聡
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−203282(JP,A)
【文献】 特開2013−064231(JP,A)
【文献】 実開昭50−110921(JP,U)
【文献】 特開平08−027982(JP,A)
【文献】 特開平10−146245(JP,A)
【文献】 特開2015−150328(JP,A)
【文献】 特開2016−079714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 3/06
B60R 3/00
E04F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロープ部材と、前記スロープ部材の上端部に折り畳み可能な脚部とを備え、
前記スロープ部材の使用時は前記脚部を、前記スロープ部材の裏面側に当該脚部の上端に設けた支持部で支えるように起立状態にし、
前記スロープ部材の収納時は、前記脚部を前記スロープ部材の上端部から後方に延在する収納状態に回動可能であり、
前記脚部の起立状態と収納状態とをそれぞれロックする保持ロッドを有し、
前記脚部は両側の脚からなり、
前記保持ロッドは基端部と前記基端部から両側に全体として略コ字形状に折り曲げることで両側に形成したロックピン部を有し、前記基端部を前記スロープ部材の裏面に軸着してあり、前記両側のロックピン部を弾性力を有する拡挟により前記両側の脚にそれぞれ設けた起立ロック孔と収納ロック孔とに、差し込み切り換え可能になっていることを特徴とするスロープ装置。
【請求項2】
前記脚部は側面部に沿って立設した一対のフランジ部を有し、
前記一対のフランジ部の間に沿って前記脚部に前記起立ロック孔と前記収納ロック孔を有し、
前記保持ロッドの両側のロックピン部が前記フランジ部の間に沿ってスライド移動することで前記起立ロック孔と前記収納ロック孔とに差し込み切り換え可能になっていることを特徴とする請求項記載のスロープ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロープ面を形成するためのスロープ部材の上端部側に回動可能に脚部を設けたスロープ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用時にスロープ部材を傾斜状態にするために、スロープ部材の裏面側から脚部を起立させるものとしては、特許文献1に開示されている。
しかし、同公報に開示する脚部構造は大型であり、スロープ部材を使用しないときの収納が大変である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−123661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スロープ部材の上端部に回動可能に設けた脚部の起立状態と収納状態の切り換えが容易で、且つ切り換え安定性に優れたスロープ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスロープ装置は、スロープ部材と、前記スロープ部材の上端部に折り畳み可能な脚部とを備え、前記スロープ部材の使用時は前記脚部を、前記スロープ部材の裏面側に当該脚部の上端に設けた支持部で支えるように起立状態にし、前記スロープ部材の収納時は、前記脚部を前記スロープ部材の上端部から後方に延在する収納状態に回動可能で有り、前記脚部の起立状態と収納状態とをそれぞれロックする保持ロッドを有することを特徴とする。
本発明においてスロープ部材の上端部とは、傾斜させた使用時の上部側をいい、スロープ部材の下端側を前方,上端側を後方と表現する。
【0006】
本発明において、保持ロッドは一方の基端部を前記スロープ部材の裏面に軸着してあり、他方のロックピン部を前記脚部に設けた起立ロック孔と収納ロック孔とに、差し込み切り換え可能になっているのが好ましい。
また、脚部は側面部に沿って立設した一対のフランジ部を有し、前記一対のフランジ部の間に沿って前記脚部に前記起立ロック孔と前記収納ロック孔を有しているようにすると、一対のフランジ部が脚部の強度向上に寄与するのみならず、一対のフランジ部が保持ロッドを切り換える際の移動をガイドするガイド機能を有することになる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るスロープ装置は、脚部の起立状態と収納状態を切り換えることが可能であり、保持ロッドが脚部の起立状態を筋交い状に保持するので、その安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るスロープ装置において(a)は脚部の起立状態(使用状態)を示し、(b)は脚部の収納状態を示す。
図2】(a)はスロープ装置の外観斜視図を示し、(b)はスロープ部材の上端側に他のスロープ部材をつないで使用する例を示す。
図3】(a)は脚部のロック孔が円孔の場合を示し、(b)はロック孔が横方向の長孔である例を示す。
図4】複数のスロープ装置を積み重ねるように収納する例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るスロープ装置の構造例を以下図に基づいて説明する。
図2(a)に外観斜視図、図3に脚部の起立状態を示す。
図1は、(a)に脚部の起立状態,(b)に収納状態をそれぞれ示す。
【0010】
スロープ装置は、スロープ面を形成するためのスロープ部材10と、その上端部に回動可能に脚部20を有する。
この脚部20を起立状態と収納状態とをそれぞれ保持するための保持ロッド30を有する。
【0011】
スロープ部材10は、上端部の表面に連結ブラケット11を立設し、この連結ブラケット11の両側の立設片11aに脚部20の上端部の両側の連結片26と軸着部20にて回動可能に連結してある。
また、脚部20の上部には図1(a)に示すように、脚部20の起立状態にてスロープ部材10の上端部13の裏面側に当接支持する支持部21を有する。
【0012】
脚部20は、図2,3に示すように門構え形状になっていて、下端側をベース部材22にて連結してある。
両側の脚には、脚に沿って側面に両側の一対のフランジ部23を設けることで、剛性向上を図ってある。
一対のフランジ部23の間にあって、脚部20の上部側の収納ロック孔24と下部側の起立ロック孔25を有する。
スロープ部材10の裏面には、ヒンジ部14にて図3に示すように略コ字形状の保持ロッド30の基端部31を回動自在に連結してあり、他方の両側の開放端側を外側に向けて対向するように折り曲げて、ロックピン部32を形成してある。
このロックピン部32を図1(a)に示すように、脚部の起立状態では起立ロック孔25に差し込み、収納状態では図1(b)に示すように収納ロック孔24に差し込むことになる。
この場合に両側のロックピン部32は、コ字形状の保持ロッド30の弾性力にて拡挟する。
ロックピン部32の差し換え時には、両側のフランジ部23がガイド片としても機能する。
そこで、図3(b)に示すように収納ロック孔24と、起立ロック孔25を両側のフランジ部23の間に跨がる長孔24a,25aにしてもよい。
【0013】
本発明は、スロープ装置の収納時に脚部20がスロープ部材10の上端側後方に延在するように折り畳み可能にしたことにより、例えば図4に示すように複数のスロープ装置のスロープ部材10,10Aと、脚部20,20Aとを積み重ねるように収納できる。
また、複数のスロープ部材10を横方向に並列に展開できるように、折り畳み可能に連結した場合にも脚部20を略水平方向に折り畳むことができるので、複数のスロープ部材を折り重なるように畳むこともできる。
さらには、図2(b)に点線で示したように他の板状のスロープ部材100の下端を本発明に係るスロープ装置の上端部に繋ぐように架け渡すこともできる。
【符号の説明】
【0014】
10 スロープ部材
11 連結ブラケット
12 軸着部
13 上端部
14 ヒンジ部
20 脚部
21 支持部
23 フランジ部
24 収納ロック孔
25 起立ロック孔
30 保持ロッド
31 基端部
32 ロックピン部
図1
図2
図3
図4