(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のユーザがそれぞれ使用する複数のユーザ通信システムと、前記複数のユーザ通信システムと通信可能な管理サーバとを備えたシステムにおける、前記複数のユーザ通信システム間のグループ通信を制御するための、前記複数のユーザ通信システムがもつマイクロプロセッサの各々により読み取り可能な記録媒体に保持されたグループ通信制御プログラムにおいて、
前記マイクロプロセッサにより前記グループ通信制御プログラムを実行した各ユーザ通信システムを、
前記各ユーザに携帯され得る、前記グループ通信の実行時にユーザ間交信情報を入出力するための入出力装置、
前記各ユーザに携帯され得るとともに前記入出力装置と通信可能に接続され得る、前記グループ通信の制御と前記ユーザ間交信情報の中継のための携帯通信端末、
前記各ユーザ通信システムの識別と通信接続条件に関するユーザ属性情報を、前記管理サーバに登録する属性登録手段、
前記管理サーバに登録された、他の1以上のユーザ通信システムに関する他のユーザ属性情報を、前記管理サーバから取得する属性取得手段、および、
前記他のユーザ属性情報を用いて、前記他の1以上のユーザ通信システムとグループ通信可能に接続すると共に、前記グループ通信の実行時に他の前記入出力装置と前記携帯通信端末との接続の有無をチェックし、前記チェックの結果に応じた通知を前記他の1以上のユーザ通信システムまたは前記管理サーバに送るグループ通信手段
として機能させるグループ通信制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のシステムによれば、管理サーバには、予め、それぞれの作業グループの属性情報が設定されている必要がある。
【0007】
しかし、作業現場によっては、作業グループとそのメンバが、フレキシブルに変わることがある。そのよう場合、作業グループの属性情報を事前に管理サーバに設定することは、余計な手間がかかり、場合によっては実用的でない。
【0008】
また、特許文献1に記載のシステムによれば、ヘルメット上のウェアラブル端末は、遠隔の管理サーバと通信する機能、および、個人認証用の識別情報をユーザから取得する機能を備える必要がある。
【0009】
しかし、作業現場で使用されるヘルメットは風雨や衝撃など過酷な外的作用を頻繁に受け、破壊される頻度が高い。ヘルメット上のウェアラブル端末も同様の劣悪条件にさらされる。このような過酷な環境下の作業現場で使用されるウェアラブル端末は、できるだけ、デリケートな部品を使わずに安価に製造されることが望ましい。また、できるだけ消費電力も小さく軽量であることが望ましい。それらの観点によれば、ヘルメット上のウェアラブル端末に、遠隔の管理サーバとの遠距離通信機能やユーザからユーザ識別情報を取得する機能などを搭載することは、できるだけ避けたい。
【0010】
本発明の目的の一つは、グループメンバがフレキシブルに変わる状況でのグループ通信に適したシステムを提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的の一つは、劣悪な環境下にいるメンバ間のグループ通信に適したシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に従う、複数のユーザ間のグループ通信のためのグループ通信システムは、複数のユーザにそれぞれ使用される複数のユーザ通信システムと、複数のユーザ通信システムと通信可能な管理サーバとを備える。各ユーザに使用される各ユーザ通信システムは、各ユーザ通信システムの識別と通信接続条件に関するユーザ属性情報を有する。そして、各ユーザ通信システムは、そのユーザ通信システムに関するユーザ属性情報を管理サーバに登録する属性登録手段と、管理サーバに登録された他の1以上のユーザ通信システムに関する他のユーザ属性情報を、管理サーバから取得する属性取得手段と、他のユーザ属性情報を用いて、他の1以上のユーザ通信システムとグループ通信可能に接続するグループ通信手段とを有する。
【0013】
このように構成されたグループ通信システムによれば、複数のユーザがそれぞれ使用する複数のユーザ通信システムから、それぞれの識別と通信接続条件に関するユーザ属性情報が、管理サーバに登録される。そして、各ユーザ通信システムが、管理サーバに登録された他のユーザ通信システムのユーザ属性情報を、管理サーバから取得する。各ユーザ通信システムは、管理サーバから取得した他のユーザ通信システムのユーザ属性情報を用いて、他のユーザ通信システムとグループ通信可能に接続することができる。
【0014】
グループメンバが新しいグループメンバに変わった場合、新しいグループの各メンバのユーザ通信システムが、そのユーザ通信システムに関するユーザ属性情報を管理サーバに登録するので、管理サーバには、新しいグループメンバのユーザ属性情報が集まる。そして、各メンバのユーザ通信システムが、管理サーバに集まった他のメンバのユーザ属性情報を管理サーバから取得して、取得したユーザ属性情報を用いて新しいグループメンバと接続する。したがって、新しいグループメンバ間でグループ通信を開始することができる。
【0015】
したがって、グループメンバがフレキシブルに変わる状況下のグループ通信が容易である。
【0016】
一実施形態に従うグループ通信システムにおいて、各ユーザ通信システムは、管理サーバから取得した他のユーザ属性情報を用いて、他の1以上のユーザ通信システムの中からグループ通信のメンバとなるメンバシステムを選択するメンバ選択手段を有していてよい。その場合、各ユーザ通信システムのグループ通信手段は、管理サーバから取得したユーザ属性情報の中のメンバシステムに関する属性情報を用いて、メンバシステムとグループ通信可能に接続するように構成されてよい。
【0017】
このように構成されたグループ通信システムによると、管理サーバから取得した他のユーザ通信システムのユーザ属性情報の中に、グループメンバでないユーザ通信システムのユーザ属性情報が含まれていても、グループメンバのユーザ通信システムを選別して接続するこができる。そのため、一つのグループ通信システムで、異なる複数のグループのグループ通信を制御することができる。
【0018】
一実施形態に従うグループ通信システムでは、各ユーザ通信システムが、Wi-Fi(登録商標)またはその他の方式による無線LAN通信手段を有してよい。そして、各ユーザ通信システムのメンバ選択手段は、各ユーザ通信システムの無線LAN通信手段と通信可能な他のユーザ通信システムを検出し、検出された通信可能な他のユーザ通信システムの中から、上記管理サーバから取得した他のユーザ属性情報に基づいて、メンバシステムを選択するように構成されてよい。さらに、各ユーザ通信システムのグループ通信手段は、無線LAN通信手段を用いてメンバシステムとグループ通信可能に接続するように構成されてよい。
【0019】
このように構成されたグループ通信システムによると、無線LAN経由で相互に通信可能な地域内に存在する複数のユーザ通信システムを、グループメンバとして選定して、それらのメンバ間で無線LAN経由でグループ通信を行うことができる。
【0020】
従って、このようなグループ通信システムは、作業現場のような無線LAN経由で通信可能な狭いエリアに居る複数ユーザ間のグループ通信を適用可能である。そして、複数のユーザ通信システム同士が無線LAN経由でグループ通信を行うことで、移動通信のようなコストの高いことが多い通信方法を使用せずにすむ。また、グループ通信の通信路に管理サーバを介在させなくていいので、管理サーバの負担も小さい。
【0021】
一実施形態に従うグループ通信システムでは、各ユーザ通信システムが、無線LAN通信手段だけでなく、移動通信またはその他の方式による広域通信手段も有してよい。そして、各ユーザ通信システムのグループ通信手段が、無線LAN通信手段と広域通信手段を選択的に用いて、グループメンバのユーザ通信システムとグループ通信可能に接続してよい。
【0022】
このように構成されたグループ通信システムによれば、例えば無線LAN経由でのグループ通信が何らかの理由で行えない時に、移動体通信のような広域通信によるグループ通信を代替として用いることができる。これは、とくに、無線LAN通信ができない頻度が比較的に高い可能性のある、作業現場のような過酷な環境下で、グループ通信の信頼性に貢献する。
【0023】
一実施形態に従うグループ通信システムでは、各ユーザ通信システムが、各ユーザに携帯され得る、グループ通信の実行時にユーザ間交信情報を入出力するための入出力装置と、各ユーザに携帯され得るとともに入出力装置と通信可能に接続され得る、グループ通信の制御とユーザ間交信情報の中継のための携帯通信端末と、を含むことができる。そして、携帯通信端末が、各ユーザ通信システムのユーザ属性情報を有するとともに、上述した属性登録手段、属性取得手段、およびグループ通信手段として機能するように構成されてよい。
【0024】
このように構成されたグループ通信システムによれば、各ユーザ通信システムは、入出力装置と携帯通信端末の2つの携帯可能な装置に分割することができる。したがって、ユーザは、入出力装置と携帯通信端末を、それぞれに適した身体または服の個所に装着することができる。それは、とくに作業現場では、ユーザ通信システムを携帯しなければならないこと伴うユーザの作業への支障を小さくすることに貢献する。
【0025】
例えば、入出力装置は、ユーザの頭部に装着され得るヘルメット、保護帽またはその他のタイプのヘッドギアに組み込まれることができる。また、携帯通信端末は、作業服のポケットに入れるか、作業ハーネスの適当個所に装着するなどができる。これにより、ユーザは、ハンズフリーで作業に専念できる。
【0026】
また、上述したように、ユーザ属性情報を保持する機能、ならびに、属性登録手段、属性取得手段、およびグループ通信手段としての機能を、携帯通信端末に持たせることで、入出力装置がもつべき機能をより少なくできる(または、入出力装置に別の機能を追加し易くなる)。このような入出力装置をヘッドギアに組み込むことは、とくに、ヘッドギアが過酷な環境にさらされる作業現場において、システムの故障の防止、ヘッドギアの簡素化、ヘッドギアのコストの低下、または同じコストでのヘッドギアの機能の拡張などに貢献できる。
【0027】
一実施形態に従うグループ通信システムでは、各携帯通信端末のグループ通信手段は、グループ通信の実行時に他の入出力装置と携帯通信端末との間の接続の有無をチェックし、チェックの結果に応じた通知を他の1以上のユーザ通信システムまたは管理サーバに送るように構成されてよい。
【0028】
この構成によれば、例えば入出力装置がヘルメットに組み込まれている場合において、ユーザがヘルメットを脱いだり、ヘルメットに大きな衝撃が加わって入出力装置が故障したり、あるいは、ユーザが何らかの危険に遭遇したことなどが原因で、入出力装置と携帯通信端末との間の接続が途切れると、しかるべき通知が他のユーザまたは管理サーバへ送られる。それにより、他のユーザや関係者がしかるべき対処をすることが助けられる。このことは、とくに、過酷な環境下にある作業現場におけるユーザの安全や作業の適正化に貢献する。
【0029】
一実施形態に従うグループ通信システムは、携帯通信端末がマイクロプロセッサを含むことができ、そのマイクロプロセッサにより読み取り可能な記録媒体に、グループ通信制御制御プログラムが保持されることができる。そして、携帯通信端末はそのマイクロプロセッサで上記グループ通信制御プログラムを実行することにより、上記の属性登録手段、属性取得手段、およびグループ通信手段として機能するように構成されてよい。
【0030】
このように構成されたグループ通信システムでは、携帯通信端末として、いわゆるスマートフォン、タブレット端末、モバイルパーソナルコンピュータなどと呼ばれる汎用携帯通信端末に、上述したグループ通信制御プログラムをインストールしたものを用いることができる。現代では、非常に多くの割合の人が、そのような汎用携帯通信端末を所持していて、それは一種の社会的インフラストラクチャとなりつつある。このようなインフラストラクチャのもつ情報処理と通信の機能の一部を、グループ通信システムで利用することで、グループ通信システムの構成が簡単化しコスト低減にも貢献できる。さらに、グループメンバがフレキシブルに変わる作業現場でも、それぞれのメンバが所持する汎用携帯通信端末を利用することで、グループ通信を可能にすることができる。
【0031】
本発明はまた、上述したグループ通信制御プログラムも提供する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係るグループ通信システムの全体構成を示す。
【0035】
図1に示されたグループ通信システム1は、複数人のユーザ3(その人数に格別の制限はないが、
図1では便宜上四人が例示されている)が同一のグループに属して、同グループ内で互いに会話や画像の提供などの情報の交信を行うことを可能にするものである。それらのユーザ3は、例えば、建設や製造などの作業現場でチームを組んで働く作業員であり得る。
【0036】
複数人のユーザ3は、それぞれ、通信のためのユーザ通信システム4を携帯する。各ユーザ3のユーザ通信システム4は、入出力装置としての一つのヘッドギア5と、通信制御装置としての一つの携帯通信端末7のペアから構成される。
【0037】
複数人のユーザ3は、それぞれ、ヘッドギア5を頭に装着することで、ハンズフリーで交信情報の入出力ができ、作業への支障が小さい。各ヘッドギア5は、マイク、スピーカおよびカメラなど、各ユーザ3が他のユーザ3と交信する情報を入出力する入出力装置を有する。各ヘッドギア5は、無線近距離通信(例えば、Bluetooth(登録商標)通信)の機能を有する。
【0038】
複数人のユーザ3は、また、それぞれ、携帯通信端末7を携帯する。各携帯通信端末7は、広域通信用の移動体通信機能と、局域通信用の無線LAN(例えば、Wi-Fi(登録商標)通信)の機能と、近距離通信用の無線近距離通信(例えば、Bluetooth通信)の機能とを備え、さらに、少なくとも本システム1用のアプリケーションプログラムを実行するマイクロプロセッサ(MPU)を備える。各携帯通信端末7として、例えば、スマートフォンあるいはタブレット端末と呼ばれる汎用の携帯パーソナルコンピュータを用いることができる。
【0039】
各ユーザ3ごとに、ヘッドギア5と携帯通信端末7は、それぞれがもつ無線近距離通信(例えば、Bluetooth)9の機能を用いて、相互に通信することができる。
【0040】
また、複数の携帯通信端末7は、それぞれがもつ無線LAN(例えば、Wi-Fi通信)11の機能を用いて、相互に通信することができる。さらに、それら携帯通信端末7は、それぞれがもつ移動体通信機能を用いて、広域通信網(例えば、移動体通信網とインターネット)13を介して、クラウド管理サーバ15と通信することができる。
【0041】
クラウド管理サーバ15は、複数のユーザ3のグループ通信や一対一通信の制御、および、ユーザ3のヘッドギア5で入出力される各種データの管理などを行う。
【0042】
図2は、各ユーザが頭に着用するヘッドギアの概略構成を示す。
【0043】
図2に示すように、ヘッドギア5は、ユーザ3が頭に着用できるツール、例えば防護ヘルメット17(あるいは保護帽)と、そのヘルメット17に搭載または組み込まれた各種の電子装置21〜31と、それら電子装置21〜31に電力を供給するバッテリ33を有する。
【0044】
電子装置21〜31には、例えば、ユーザ3が他者と会話するためのマイク21とスピーカ23のセット、ユーザ3の頭部の前方を撮影するカメラ25、ユーザ3に画像を見せるためのヘルメットバイザー19に装着された表示器27、携帯通信端末7と通信をするための無線近距離通信装置29(例えば、Bluetooth通信装置)、および、それらの電子機器を制御する制御装置31などがあり得る。
【0045】
各ユーザ3のヘッドギア5のマイク21に入力された音声のデータ、およびカメラ25が撮影した画像のデータは、各ユーザ3の携帯通信端末7を経由して、管理サーバ15に送られてそこで保存されることができる。また、各ユーザ3のそれら音声データおよび画像データは、各ユーザ3の携帯通信端末7を経由して、他のユーザ3の携帯通信端末7に送られて、他のユーザ3のヘッドギア5のスピーカ23および表示器27にそれぞれ出力されることができる。
【0046】
図3は、このグループ通信システム1の各部のより具体的な構成を示す。
【0047】
図3に示すように、各ヘッドギア5は、すでに説明した各種の電子装置21〜31を有し、その中の無線近距離通信装置29(例えば、Bluetooth通信装置))を用いて、携帯通信端末7と通信することができる。
【0048】
グループ通信システム1では、各ヘッドギア5を識別するために、各ヘッドギア5に固有の識別情報(以下、ヘッドギアIDという)35が用いられる。この実施形態では、各ヘッドギア5のヘッドギアID35として、例えば、各ヘッドギア5の無線近距離通信装置29がもつ固有の識別情報(例えば、Bluetooth MACアドレスまたはビーコンIDなど)が用いられる。もちろん、バーコードなど別の種類の識別情報を用いることもできる。
【0049】
各携帯通信端末7は、無線近距離通信装置41(例えば、Bluetooth通信装置)、無線LAN通信装置43(例えば、Wi-Fi通信装置)、無線広域通信装置45(例えば、3G、4G、またはより新世代の移動通信装置)を有する。各携帯通信端末7は、無線近距離通信装置41を用いて、ヘッドギア5と通信することができる。各携帯通信端末7は、無線LAN通信装置43を用いて、無線LAN11経由で、他の携帯通信装置7と通信することができる。また、各携帯通信端末7は、無線広域通信装置45を用いて、広域通信網13経由で、管理サーバ15および他の携帯通信装置7と通信することができる。
【0050】
各携帯通信端末7は、さまざまなアプリケーションプログラムを実行することができるMPU(マイクロプロセッサ)47を有する。そして、各携帯通信端末7内(または各携帯通信端末7がアクセス可能な外部の場所)には、グループ通信を制御するためのアプリケーションプログラム(以下、グループ通信制御プログラムという)49が、MPU47により読み取り可能な記録媒体上に保持されている。MPU47がグループ通信制御プログラム49を読み取りこれを実行することにより、MPU47は、グループ通信の制御装置として機能する。換言すれば、各携帯通信端末7は、グループ通信制御プログラム49を実行することで、複数のユーザ3間のグループ通信を制御し、かつ、グループ通信時のユーザ間交信情報を中継することができる。
【0051】
このグループ通信システム1では、各携帯通信端末7を識別するために、各携帯通信端末7に固有の識別情報(以下、携帯通信端末IDという)51が用いられる。この実施形態では、各携帯通信端末7の携帯通信端末ID51として、例えば、各携帯通信端末7の無線LAN通信装置43がもつ固有の識別情報(例えば、Wi-Fi MACアドレス)が用いられる。もちろん、別の種類の識別情報を用いることもできる。
【0052】
このグループ通信システム1では、各ユーザ3を識別するために、各ユーザ3に固有の識別情報(以下、ユーザIDという)53が用いられる。この実施形態では、各ユーザ3のユーザID53として、例えば、そのユーザ3の氏名とそのユーザ3が使用する携帯通信端末7の無線広域通信装置の識別番号(例えば、移動通信番号つまり電話番号)が用いられる。もちろん、別の種類の識別情報を用いることもできる。このような各ユーザ3のユーザID53は、そのユーザ3が使用する携帯通信端末7内に予め登録され保存されている。
【0053】
各携帯通信端末7の無線LAN通信装置43は、それが無線LAN親機(つまり、無線LANアクセスポイント)として機能する場合における、その無線LAN親機との通信接続条件に関する情報(以下、無線LAN親機情報という)55を有する。無線LAN親機情報55は、例えば、その無線LAN通信装置43の識別名(つまりSSID(Service Set Identifier))と暗号化キーのセットである。
【0054】
各携帯通信端末7は、さらに、各ユーザ3がグループ通信制御プログラム49を操作して設定した親機選択57を有する。親機選択57は、その携帯通信端末7を、無線LAN経由のグループ通信のための無線LAN親機(無線LANアクセスポイント)として選択するか否かを指定する。複数ユーザ3間の無線LAN経由のグループ通信では、彼らの一人の携帯通信端末7が無線LAN親機となる必要がある。そのため、複数ユーザ3間で話し合って誰が親機になるかを決めて、それぞれの携帯通信端末7に親機選択57を設定しておくことができる。ユーザ3は随時に自分の携帯通信端末7の親機選択57を変更することもできる。
【0055】
クラウド管理サーバ15は、広域通信網13に接続するための広域通信装置61を有し、それを用いて複数のユーザ3の携帯通信装置7と通信することができる。管理サーバ15は、また、ユーザ属性情報テーブル63を有し、そこに、グループ通信に参加する複数のユーザ3、および、それぞれのユーザ3が使用するヘッドギア3と携帯通信端末7の識別と通信接続条件に関する所定の属性を表す情報(以下、ユーザ属性情報という)を登録し管理する。クラウド管理サーバ15は、また、制御装置65(例えば、グループ通信管理用のアプリケーションプログラムと、それを実行するMPU)を有する。制御装置65は、ユーザ属性情報テーブル63上のユーザ属性情報を操作しながら、複数のユーザ3のグループ通信を管理する。
【0056】
図4は、クラウド管理サーバ15で管理されるユーザ属性情報テーブル63に登録されたユーザ属性情報の例を示す。
【0057】
図4に例示されたユーザ属性情報テーブル63において、一つの行が一人のユーザ3に対応するユーザ属性情報である。そのユーザ属性情報には、そのユーザ3が属するグループを識別するグループIDが含まれる。各ユーザ3のグループIDは、後に説明するグループ通信開始の制御の過程で割り振られるものであり、ユーザ属性情報の登録当初は割り振られていなくてよい。換言すれば、どのユーザ3がどのグループに属するかは、ユーザ属性情報の登録当初は定まっている必要が無く、グループ通信開始の制御過程で決まる。また、ユーザ属性情報の登録後に随時に各ユーザ3が属するグループを変更することも可能であり、その変更に応じて、システム1がグループIDを更新する。
【0058】
各ユーザ3のユーザ属性情報には、さらに、そのユーザ3を識別するためのユーザID53(例えば、氏名と、携帯する携帯通信端末7の電話番号)、着用するヘッドギア5を識別するためのヘッドギアID35(例えば、Bluetooth MACアドレスまたはビーコンIDなど)、携帯する携帯通信端末7を識別するための携帯通信端末ID51(例えば、Wi-Fi MACアドレス)、およびその携帯通信端末7に無線LAN経由で接続するための無縁LAN親機情報55(例えば、SSIDと暗号化キー)が含まれる。これらの情報項目は、後の制御の説明から分かるように、ユーザ属性情報の登録当初にユーザ属性情報テーブル63に登録される。
【0059】
各ユーザ3のユーザ属性情報には、さらに、親機選択57が含まれる。親機選択57は、無線LAN経由のグループ通信を行うときに、そのユーザ3の携帯通信端末7を無線(無線LANアクセスポイント)として選択するか否かを指定する。図中の値“1”は選択するを意味し、値“0”は選択しないを意味する。親機選択57もユーザ属性情報の登録当初に登録されるが、携帯通信端末7から後に変更することもできる。
【0060】
各ユーザ3のユーザ属性情報には、さらに、携帯する携帯通信端末7の無線LAN通信のためのIPアドレスが含まれる。各ユーザ3のIPアドレスは、後に説明するグループ通信開始の制御の過程で割り振られるものであり、ユーザ属性情報の登録当初は割り振られていなくてよい。
【0061】
図5から
図7は、本実施形態にかかるグループ通信システム1における、グループ通信を開始するための制御の流れの一例を示す。
【0062】
図5から
図7に示した制御は、図示の都合上、グループ通信を行なおうとするユーザ3の人数が、ユーザ3#1とユーザ3#2の二人である場合を例にとっている。しかし、当業者であれば、より多くの人数がグループ通信を行おうとする場合の制御も容易に理解するはずである。すなわち、より多い人数の場合、図示されたユーザ3#2に関する制御と同様の制御が、追加のユーザについて行なわれることができる。
【0063】
図5から
図7に示した制御は、次のような状況例を想定すると理解しやすい。
【0064】
すなわち、同じ作業現場または部屋に、同じチーム(グループ)を組む二人のユーザ3#1、3#2が居て、仕事を始めるに当たり、グループ通信開始の準備をしている。その現場には複数台のヘッドギア5があり、一人のユーザ3#1は、その中から任意の一台のヘッドギア5#1を選んでその電源を入れて着用する。もう一人のユー3ザ#2は別の一台のヘッドギア5#2を選んで同様のことをする。
【0065】
また、ユーザ3#1、3#2は、それぞれ一台ずつの携帯通信端末7#1、7#2を携帯しており、それぞれの携帯通信端末7#1、7#2のグループ通信制御プログラム49を起動する。その場でユーザ3#1、3#2間で話し合って、または、事前の取り決めに従って、それぞれの携帯通信端末7#1、7#2に親機選択57が設定される。例えば、一方の携帯通信端末7#1の親機選択57は“1”、他方の7#2親機選択57は“0”に設定される(つまり、携帯通信端末7#1が無線LAN親機となる)。なお、管理サーバ5は遠隔にあってすでに起動済みである。
【0066】
この状態から、
図5から
図7に示す制御が開始される。そのプロセスの中で、携帯通信端末7#1、7#2が行う制御は、それぞれのグループ通信制御プログラム49に従って実行される。
【0067】
まず、
図5に示すように、ユーザ3#1側で、ステップS1〜S5の制御が行われる。すなわち、携帯通信端末7#1とヘッドギア5#1が、無線近距離通信(例えば、Bluetooth通信)を用いて、相互に通信ペアを形成し接続する(ステップS1、S2)。これに伴って、ヘッドギア5#1から携帯通信端末7#1に、そのヘッドギア5#1のヘッドギアID35(例えば、Bluetooth MACアドレスまたはビーコンIDなど)が通知される(ステップS3、S4)。
【0068】
その後、携帯通信端末7#1が、広域通信網13を介して管理サーバ15に接続し、そして、ユーザ3#1のユーザ属性情報を管理サーバ15に送る(ステップS5)。このユーザ属性情報には、ユーザ3#1のユーザID53、ヘッドギア5#1のヘッドギアID35(例えば、Bluetooth MACアドレスまたはビーコンIDなど)、携帯通信端末7#1の携帯通信端末ID(例えば、Wi-Fi MACアドレス)と無線LAN親機情報55(例えば、SSIDと暗号化キー)、および、親機設定57が含まれる。この時点では、ユーザ属性情報にグループIDとIPアドレスが含まれていなくてよい。
【0069】
他方のユーザ3#2側でも、上記のステップS1〜S5と同様のステップS6〜S10が行われて、ユーザ3#2のユーザ属性情報が管理サーバ15に送られる。
【0070】
管理サーバ15は、携帯通信端末7#1から受信した一人のユーザ3#1のユーザ属性情報をユーザ管理テーブル63に登録する(ステップS11〜S12)。また、管理サーバ15は、携帯通信端末7#2から受信したもう一人のユーザ3#2のユーザ属性情報をユーザ管理テーブル63に登録する(ステップS13〜S14)。
【0071】
このようにして、グループ通信をしたい複数のユーザ3の各々において、ヘッドギア5と携帯通信端末7が相互に接続する。そして、それら複数のユーザ3のそれぞれのユーザ属性情報(つまり、そのユーザ3とヘッドギア5と携帯通信端末7の識別と通信接続条件に関する属性情報)が、それぞれの携帯通信端末7から管理サーバ15に集められて登録される。
【0072】
その後、グループ通信開始のための制御は
図6に示すプロセスに進む。
【0073】
図6に示すように、一方のユーザ3#1の携帯通信端末7#1が、管理サーバ15から、ユーザ属性情報テーブル63に記録されている登録ユーザ属性情報を読み出す(ステップS21〜S22)。同様に、他方のユーザ3#2の携帯通信端末7#2も、管理サーバ15から、ユーザ属性情報テーブル63に記録された登録ユーザ属性情報を読み出す(ステップS23〜S24)。
【0074】
その後、一方のユーザ3#1の携帯通信端末7#1が、自機の無線LAN装置43を用いて、自機と無線LAN経由で通信可能な他の無線LAN通信装置を探し出し、それにより、自機と通信可能な他の無線LAN通信装置の装置ID(例えば、Wi-Fi MACアドレス)を把握する(ステップS25)。この時、チームを組む二人のユーザ3#1、3#2が無線LAN経由で通信可能なエリア内(例えば、同じ現場内の無線LAN電波が届く距離範囲内)に居れば、双方の携帯通信端末7#1と7#2はそれぞれの相手の電波を受信して(Rawソケット通信経由で)相手の携帯通信端末IDを認識する。したがって、このステップS25で把握された装置IDの中に、他方のユーザ3#1の携帯通信端末7#1の携帯通信端末IDが含まれることになる。
【0075】
その後、携帯通信端末7#1が、把握した装置IDの中から、上記ステップS21で読みだされた登録ユーザ属性情報に含まれている携帯通信端末ID(つまり、このグループ通信システム1のユーザ3の携帯通信端末ID)を選び出す(ステップS26)。これにより、このグループ通信システム1とは無関係の無線LAN通信装置の装置IDが除外されて、関係あるユーザ3の携帯通信端末IDだけが選別されることになる。
【0076】
その後、携帯通信端末7#1が、選別した携帯通信端末IDに対応するユーザのリスト(例えば、登録ユーザ属性情報に含まれる選別携帯通信端末IDに対応するユーザ氏名のリスト)を表示する(ステップS27)。その表示されたユーザリストに対するユーザ3#1のメンバ選択操作(すなわち、ユーザ3#2を選択する操作)(ステップS28)に応答して、携帯通信端末7#1が、ユーザ3#1と同じグループメンバとなるユーザ3#2の携帯通信端末IDを特定する(ステップS27)。
【0077】
他方のユーザ3#2の携帯通信端末7#2も、上述したステップS25〜S28と同様のステップS29〜S31を行う。これにより、ユーザ3#2の携帯通信端末7#2も、そのユーザ3#2と同じグループメンバとなるユーザ3#1の携帯通信端末IDを把握する。
【0078】
このようにして、グループ通信をしたい複数のユーザ3の各々の携帯通信端末7が、同じグループのメンバとなる他のユーザ3の携帯通信端末7の携帯通信端末IDを把握する。
【0079】
その後、グループ通信開始のための制御は
図7に示すプロセスへ進む。
【0080】
図7に示すように、同じグループのメンバである二台の携帯通信端末7#1、7#2が、相互間で無線LAN経由の通信を開始する(ステップS41〜S42)。すなわち、それぞれの携帯通信端末7#1、7#2が、自機と同グループの他メンバの親機設定57(これは、
図6のステップS23で管理サーバ15から受信したユーザ属性情報から把握される)に従って、どの携帯通信端末7が無線LAN親機となるか子機となるかを認識する。図示の例では、携帯通信端末7#1が親機となり、携帯通信端末7#1が子機となる。子機となる携帯通信端末7#2は、親機となる携帯通信端末7#1の親機情報55(これは、
図6のステップS23で管理サーバ15から受信したユーザ属性情報から把握される)を用いて、親機の携帯通信端末7#1の無線LANに接続する(ステップS41)。親機の携帯通信端末7#1は、接続してきた携帯通信端末7#2にIPアドレスを割り当てて、携帯通信端末7#1と携帯通信端末7#2の間の通信を、いままでのRawソケット経由の通信から、IPソケット経由の通信に移行させる(ステップS42)。こうしての携帯通信端末7#1と携帯通信端末7#2の間の無線LAN経由の通信接続が確立しグループ通信が開始される。
【0081】
親機の携帯通信端末7#1は、また、自機と同グループの他メンバである携帯通信端末7#2のそれぞれのユーザ属性情報にそれぞれのIPアドレスを追加して、それらを管理サーバ15に送信して、同一グループとしての登録を要求する(ステップS43)。管理サーバ15は、その要求に応じて、ユーザ管理テーブル63の携帯通信端末7#1、7#2に対応するユーザ属性情報にIPアドレスを書き加え、また、そのグループにグループIDを割り当ててそれを対応するユーザ属性情報に書き加える(ステップS45)。これにより、携帯通信端末7#1、7#2からなるグループの通信を管理するための情報が管理サーバ15に登録されたことになる。
【0082】
以上のようにして携帯通信端末7#1、7#2間のグループ通信が開始される。グループ通信では、それぞれの携帯通信端末7#1、7#2は、それとペアのヘッドギア5#1、5#2から受信した音声データや画像データを、無線LAN経由で他のメンバの携帯通信端末7#2、7#1へ送信し、また、他のメンバの携帯通信端末7#2、7#1から、無線LAN経由で、音声データや画像データを受信して、ペアのヘッドギア5#1、5#2に送信する(ステップS46〜S48)。
【0083】
なお、無線LAN通信ができない事態が起きた時、あるいは、所定の事象(例えば、危険な事故やヒヤリハットなど)が起きた時には、携帯通信端末7#1、7#2はグループ通信を広域通信網13経由で行うことができる(ステップS49〜S50)。その場合、携帯通信端末7#1、7#2が、管理サーバ15に接続せずに、両者間で直接的に交信してもよい。あるいは、携帯通信端末7#1、7#2間に管理サーバ15を介して、管理サーバ15が携帯通信端末7#1、7#2間のデータ通信の中継を行ってもよい(ステップS51)。あるいは、携帯通信端末7#1、7#2が相互間で直接的に交信しつつ、携帯通信端末7#1、7#2の一方または双方が管理サーバ15と接続して、管理サーバ15がその交信データの記録を行ってもよい。
【0084】
以上説明したグループ通信開始の制御によると、複数のユーザ3は、それぞれ任意のヘッドギア5を着用して、それと自分の携帯通信端末7とを接続し、その後に、それぞれの携帯通信端末7に表示されるユーザリストの中から自分たちをグループメンバとして選定するだけで、自分たち同士のグループ通信を開始できる。したがって、グループメンバがフレキシブルに変わる現場でも、簡単に新しいメンバでグループ通信を開始することができる。
【0085】
また、各ユーザ3がもつ携帯通信端末7の広域通信機能(移動通信機能)およびユーザID保持機能をグループ通信の制御に利用することで、各ユーザ3のヘッドギア5には、広域通信機能(移動通信機能)も個人識別情報取得機能も搭載する必要が無い。それら不要な要素の分だけ、ヘッドギア5の構成を、建設や製造の作業現場のような過酷な環境下により適合しやすいより簡素なものにすることが容易である。
【0086】
また、グループ通信を主として無線LAN経由で行うことで、一般に通信コストがかかる移動通信網の使用を最小化できる。とくに建設や製造の作業現場では、グループメンバが同じ作業現場という比較的に狭い地域内に存在することが多いため、無線LAN通信の適用に適合しやすい。
【0087】
また、必要に応じて、広域通信網を経由したグループ通信も行えるため、状況変化のフレキシブルに対応できる。また、広域通信網を経由したグループ通信では、必要に応じて、管理サーバ15に通信データを記録させることもできるので、その記録データを後の有益目的に利用することもできる。
【0088】
図8は、グループ通信中の通信接続状態を管理する制御の流れの一例を示す。
【0089】
図8に示すように、携帯通信端末7#1、7#2の各々は、グループ通信を行っている最中に随時にまたは定期的に、対応するヘッドギア5#1、5#2が問いかけに応答するか否かで、対応するヘッドギア5#1、5#2の接続の有無を調べる(ステップS61〜S62、S63〜S64)。そして、携帯通信端末7#1、7#2の各々は、その調べの結果を他メンバに通知し、かつ、管理サーバ15に通知する(ステップS64、S65)。
【0090】
これにより、ユーザ3#1、3#2の各々は、グループメンバがヘッドギア5(つまりヘルメットまたは保護帽など)を装着しているか、ヘッドギア5に異常が起きてないか、危険な状態に陥ってないか、などを推測することができるので、問題や危険がある場合に相互に注意し合ったり助け合ったりすることが容易になる。また、管理サーバ15も、通知されたヘッドギア接続有無の情報に基づいて、所定の処理(例えば、ユーザ3#1、3#2の安全のための警報やガイドや問い合わせメッセージなどを、ユーザ3#1、3#2や他の関係者に送る)を行うことができる(ステップS67)。
【0091】
また、携帯通信端末7#1、7#2の各々は、グループ通信を行っている最中に随時にまたは定期的に、他メンバの携帯通信端末7#2、7#1との無線LANを経由した接続の有無を調べる(ステップS68、S69)。そして、携帯通信端末7#1、7#2の各々は、その調べの結果を他のメンバに通知し、かつ、管理サーバ15に通知する(ステップS70、S71)。
【0092】
これにより、ユーザ3#1、3#2の各々は、他メンバが無線LAN通信ができない場所に行った(例えば、作業現場の外に出た)か、携帯通信端末7で異常が起きてないか、危険な状態に陥ってないか、などを推測することができるので、問題や危険がある場合に相互に注意し合ったり助け合ったりすることが容易になる。携帯通信端末7#1、7#2の各々は、通知された無線LAN接続有無の情報に基づいて、
図7で説明したような無線LAN経由のグループ通信と広域通信網経由のグループ通信の切り替え制御ができる。管理サーバ15は、通知された無線LAN接続有無の情報に基づいて、所定の処理(例えば、ユーザ3#1、3#2の安全のための警報やガイドや問い合わせメッセージなどを、ユーザ3#1、3#2や他の関係者へ送る)を行うことができる(ステップS72)。
【0093】
図9は、グループ通信を終了するときの制御の流れの一例を示す。
【0094】
図9に示すように、無線LAN子機の携帯通信端末7#2にて、グループ通信終了(グループ通信からの脱退)のユーザ操作がなされた場合(ステップS81)、その携帯通信端末7#2は、管理サーバ15と、そのグループのすべての他メンバの携帯通信端末7#1に、グループ通信脱退の旨を通知し、そして、無線LANとの接続を切る(ステップS82)。その通知を受けたたメンバの携帯通信端末7#1は、携帯通信端末7#2を使うユーザ3#2のグループ通信脱退を表示して、自機のユーザ3#1に知らせる。
【0095】
また、管理サーバ15は、携帯通信端末7#2からの通知を受け、ユーザ管理テーブル63から、グループから脱退した携帯通信端末7#2に対応するユーザ属性情報を削除するか、または、そのユーザ属性情報をグループ通信に参加してない状態に更新する(例えば、グループIDとIPアドレスを削除する)(ステップS84)。
【0096】
このプロセスの後、携帯通信端末7#2が再び任意のグループのグループ通信に参加する場合には、
図5から
図7に示した携帯通信端末7#2の制御と同様の制御を再度行えばよい。
【0097】
また、上述した子機のグループ通信終了プロセスより時間的に先でも後でもいいが、親機の携帯通信端末7#1にて、グループ通信終了(そのグループ通信の完全終了)のユーザ操作がなされた場合(ステップS85)、その親機の携帯通信端末7#1は、管理サーバ15と、そのグループのすべてのメンバの携帯通信端末7#2とに、グループ通信の完全完了を通知し、そして、親機としての無線LANの提供を終える(ステップS86)。これで、そのグループの他のすべてのメンバが無線LANから切断される。
【0098】
また、管理サーバ15は、携帯通信端末7#1からの通知を受け、ユーザ管理テーブル63から、対応するグループのすべてのメンバのユーザ属性情報を削除するか、または、それらメンバのユーザ属性情報をグループ通信に参加してない状態に更新する(例えば、グループIDとIPアドレスを削除する)(ステップS87)。
【0099】
このプロセスの後、携帯通信端末7#1、7#2が再びグループを組んでグループ通信を開始したい場合には、
図5から
図7に示した携帯通信端末7#1、7#2の制御を再度行えばよい。
【0100】
以上説明した本発明の一実施形態は、説明のための単なる例示であり、本発明の範囲をそれらの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、上記の実施の形態とは違うさまざまな形態で、実施することができる。