【文献】
J. Exp. Clin. Med.,2012年,4,280−283
【文献】
Cell Biol. Toxicol.,2012年,28,133−147
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程(g)において用いられる溶媒が、水、アセトン、エタノール、メタノール、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
不純物を検出し、カンタリジンを精製し、カンタリジン標品(または処方物)を生成させるための方法が本明細書中で認識される。本開示は、皮膚状態(例えば疣贅)などの様々な病気の処置に対する特性が改善されたものであり得るカンタリジン標品を提供する。本開示の標品は、このような皮膚状態を処置するための他のアプローチと比較して治療特性が改善されたものであり得る。
【0006】
ある態様において、本開示は、カンタリジン標品を処理するための方法であって、(a)カンタリジンを固定相上に固定するのに十分な条件下でカンタリジンを含むカンタリジン標品を固定相上にローディングすること;および(b)紫外線(UV)吸収分光法下で約200ナノメートル(nm)〜210nmの1つ以上のピークを呈する溶出流を固定相から得るのに十分である洗浄条件下で1つ以上の移動相で固定相を洗浄することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、溶出流は、UV吸収分光法下で、約205ナノメートル(nm)で1つ以上のピークを呈する。いくつかの実施形態において、溶出流は、UV吸収分光法下で、約205ナノメートル(nm)で複数のピークを呈する。洗浄は、連続的または非連続的であり得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、本方法は、固定相の洗浄中、228nm未満の吸収波長で固定相からの溶出液を監視することをさらに含む。いくつかの実施形態において、本方法は、固定相洗浄中、220、215、210または209nm未満の吸収波長で固定相からの溶出液を監視することをさらに含む。いくつかの実施形態において、溶出流は、UV吸収分光法下で約205nmで少なくとも3個のピークを呈する。いくつかの実施形態において、溶出流は、UV吸収分光法下で約205nmで少なくとも5個のピークを呈する。いくつかの実施形態において、標的波長での総ピーク面積の0.05%の定量限界で複数のピークが検出可能である。いくつかの実施形態において、複数のピークは、標的波長での総ピーク面積の0.02%未満の検出限界で検出可能である。いくつかの実施形態において、1つ以上の移動相のうちある移動相は、酸で緩衝化される約3〜約7のpHの水を含む。いくつかの実施形態において、酸はリン酸、硫酸、塩酸、酢酸、トリフロル酸(trifloric acid)および何らかのそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の移動相のうちある移動相は、DMSO、アセトン、クロロホルム、ジエチルエーテル、エタノール、アセトニトリル、メタノールおよび何らかのそれらの組み合わせからなる群から選択される、約100%の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の移動相の勾配を用いて洗浄が行われる。いくつかの実施形態において、勾配は、1つ以上の移動相の第1の移動相85%および1つ以上の移動相の第2の移動相15%で開始し、ローディング時、第1の移動相10%および第2の移動相90%で進行する。いくつかの実施形態において、固定相は、HPLC精製装置、LC−MS精製装置およびGC−MS精製装置または何らかのそれらの組み合わせから選択される装置の一部である。いくつかの実施形態において、固定相はC18カラムを含む。いくつかの実施形態において、約1mL/分で洗浄を行う。いくつかの実施形態において、溶出流はカンタリジン付随不純物を含む。いくつかの実施形態において、溶出流はカンタリジンを含む。いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は再結晶化カンタリジン標品を含む。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジンは少なくとも98.7%カンタリジンを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジン標品は1.3%を下回る不純物の総濃度を含む。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジン標品は、非再結晶化カンタリジン標品と比較して、カンタリジン付随不純物の濃度が低い。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジンでは、カンタリジン付随不純物の濃度が少なくとも80%低下している。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジン標品は、0.15%を下回る濃度で1つ以上のカンタリジン付随不純物を含む。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジン標品は、0.1%を下回る濃度で1つ以上のカンタリジン付随不純物を含む。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジン標品は、0.05%を下回るかまたはそれ未満の濃度で1つ以上のカンタリジン付随不純物を含む。いくつかの実施形態において、再結晶化カンタリジン標品は、International Conference of Harmonization(ICH)検出限界を下回るレベルでカンタリジン付随不純物を含む。いくつかの実施形態において、カンタリジン付随不純物は、RRT 0.53、RRT 0.63、RRT 0.71、RRT 0.72、RRT 0.75、RRT 1.19、RRT 1.26、RRT 1.30、RRT 1.42、RRT 1.71、RRT 1.92、RRT 2.6およびRRT 2.85または何らかのそれらの組み合わせからなる群から選択される相対保持時間(RRT)で不純物を含む。いくつかの実施形態において、カンタリジン付随不純物は、0.25〜5のRRTの不純物を含む。いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は甲虫由来のカンタリジン抽出物を含む。いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は合成カンタリジンを含む。いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は1つ以上のカンタリジン誘導体を含む。いくつかの実施形態において洗浄は連続的である。
【0008】
別の態様において、本開示は、上記方法での純度または安定性についてそれを分析し得るような、カンタリジンまたはカンタリジン抽出物を含有する処方製剤を調製するための方法を提供する。
【0009】
別の態様において、本開示は、カンタリジンを含有するかまたは含有することが疑われる製剤を分析するための方法であって、(a)カンタリジンおよび、カンタリジン、カンタリジン誘導体またはカンタリジン関連賦形剤の液体クロマトグラフィーを妨害する少なくとも1つの賦形剤を含有するかまたは含有することが疑われる製剤に希釈剤を添加して混合物を形成させること;(b)この混合物から、この混合物と比較して、少なくとも1つの賦形剤の量または濃度が低下している溶液を生成させること;および(c)液体クロマトグラフィーを使用して、溶液の少なくとも一部を分析することを含む方法を提供する。
【0010】
いくつかの実施形態において、(b)は、混合物と比較して、少量または低濃度の少なくとも1つの賦形剤を含む混合物から溶液を生成させるのに十分な条件下で混合物を遠心分離することを含む。いくつかの実施形態において、液体クロマトグラフィーは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む。
【0011】
別の態様において、本開示は、カンタリジンを精製する方法であって、(a)カンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を含む、第1のカンタリジン濃度を有する第1のカンタリジン標品を提供し;(b)カンタリジンの少なくとも一部およびカンタリジン付随不純物の少なくとも一部を含む昇華気流を生成させるのに十分である昇華条件に第1のカンタリジン標品を供し、昇華条件下で、カンタリジン付随不純物がカンタリジンと比較して低速で昇華すること;および(c)昇華気流から、第1のカンタリジン濃度よりも高い第2のカンタリジン濃度でカンタリジンを含むカンタリジン標品の第2の標品を形成させることを含む方法を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品よりも少なくとも70%少ないカンタリジン付随不純物を含む。いくつかの実施形態において、第1のカンタリジン標品は1つ以上のカンタリジン誘導体を含む。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は216.07℃よりも高いピーク融点を有する。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は第1のカンタリジン標品よりも狭い融点範囲を有する。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は第1のカンタリジン標品よりも高いピーク融点を有する。いくつかの実施形態において、昇華条件は、第1のカンタリジン標品を約82℃〜約210℃の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の溶解度は第1のカンタリジン標品よりも高い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の安定性は第1のカンタリジン標品よりも高い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の有効期間は、第1のカンタリジン標品よりも長い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品よりも均一な結晶サイズ分布を有する。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して水含量が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して毒性が低い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して総生菌数が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して酵母およびカビ数が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して乾燥減量が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して強熱残分が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の100μm未満の結晶の割合は第1のカンタリジン標品と比較して低い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品とは異なる結晶多形体を含む。
【0013】
別の態様において、本開示は、カンタリジンを精製するための方法であって、(a)カンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を含む第1のカンタリジン標品を提供し、第1のカンタリジン標品が第1のカンタリジン濃度を有すること;(b)第1のカンタリジン標品を加熱し、第1のカンタリジン標品を溶媒中に溶解させて、カンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を含む溶液を生成させること;および(c)その溶液を冷却し、それによってその溶液から第2のカンタリジン標品を沈殿させ、冷却中に、カンタリジンがカンタリジン付随不純物と比較した場合、より高速で沈殿することを含む方法を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品のカンタリジン付随不純物の濃度は、第1のカンタリジン標品よりも少なくとも70%低い。いくつかの実施形態において、加熱は、約50℃〜約80℃の温度に第1のカンタリジン標品を加熱することを含む。いくつかの実施形態において、加熱は、約70℃〜約80℃の温度に第1のカンタリジン標品を加熱することを含む。いくつかの実施形態において、冷却は、約0℃〜約30℃の温度に溶液を冷却することを含む。いくつかの実施形態において、冷却は、約5℃〜約15℃の温度に溶液を冷却することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は第2のカンタリジン標品を乾燥させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、紫外線(UV)吸収分光法に供した場合、約205ナノメートル(nm)で複数のピークを示す。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は216.07℃よりも高いピーク融点を有する。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品よりも狭い融点範囲を有する。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品よりも高いピーク融点を有する。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の溶解度は、第1のカンタリジン標品よりも高い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して安定性が向上している。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の有効期間は、第1のカンタリジン標品よりも長い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品よりも均一な結晶サイズ分布を有する。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して水含量が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較し毒性が低い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して総生菌数が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して酵母およびカビ数が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して乾燥減量が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は、第1のカンタリジン標品と比較して強熱残分が少ない。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の粒径100μm未満の結晶の割合は第1のカンタリジン標品と比較して低い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品の10μm未満の結晶の割合は第1のカンタリジン標品と比較して低い。いくつかの実施形態において、第2のカンタリジン標品は第1のカンタリジン標品とは異なる結晶多形体を含む。
【0015】
別の態様において、本開示は、216.07℃より高い融点を特徴とする、カンタリジンを含むカンタリジン標品を提供する。
【0016】
別の態様において、本開示は、カンタリジンおよび2.1%未満の水を含むカンタリジン標品を提供する。
【0017】
別の態様において、本開示は、3%未満の強熱残分を特徴とする、カンタリジンを含むカンタリジン標品を提供する。
【0018】
別の態様において、本開示は、カンタリジンおよび19パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の重金属および/または1.9ppm未満のヒ素を含むカンタリジン標品を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は19ppm未満の重金属および1.9ppm未満のヒ素を含む。
【0020】
別の態様において、本開示は、カンタリジンおよび(i)250パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満のヘキサン、(ii)3800ppm未満のシクロヘキサンおよび(iii)4900ppm未満のアセトンおよびエタノールのうち少なくとも何れか1つを含むカンタリジン標品を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は、(i)250ppm未満のヘキサン、(ii)3800ppm未満のシクロヘキサンおよび(iii)4900ppm未満のアセトンおよびエタノールのうち少なくとも何れか2つを含む。いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は、(i)250ppm未満のヘキサン、(ii)3800ppm未満のシクロヘキサンおよび(iii)4900ppm未満のアセトンおよびエタノールを含む。
【0022】
別の態様において、本開示は、125コロニー形成単位/g(cfu/g)未満の総生菌数を特徴とする、カンタリジンを含むカンタリジン標品を提供する。
【0023】
別の態様において、本開示は、50コロニー形成単位/g(cfu/g)未満の酵母およびカビ数を特徴とする、カンタリジンを含むカンタリジン標品を提供する。
【0024】
別の態様において、本開示は、
図10で示されるものとは異なるX線粉末回折下での結晶多形体を特徴とする、カンタリジンを含むカンタリジン標品を提供する。
【0025】
別の態様において、本開示は、約10未満の結晶サイズ多分散指数を特徴とする、カンタリジンを含むカンタリジン標品を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は賦形剤をさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、カンタリジン標品は香料および/または着色料をさらに含む。
【0028】
本開示のさらなる態様および長所は、本開示の単なる例示的な実施形態が示され、記載される次の詳細な記載から当業者にとって容易に明らかとなろう。後に認識されるように、本開示は、全て本開示から逸脱することなく、他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は様々な明らかな点で改変可能である。したがって、図面および記載は、実際のところ例示としてみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0029】
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の各刊行物、特許または特許出願が具体的に、個々に参照により組み込まれることが示される場合と同程度に参照により本明細書中に組み込まれる。
【0030】
本発明の新規特性は、添付の特許請求の範囲において特に説明される。本発明の特性および長所のより詳細な理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する次の詳細な記載および添付の図面(本明細書中で「図(単数)」および「図(複数)」)を参照することにより得られるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書中で本発明の様々な実施形態を示し、記載してきたが、このような実施形態が単なる例として提供されることは当業者にとって明らかである。本発明から逸脱することなく、多くの変種、変化および置き換えに当業者は気付き得る。本明細書中に記載の本発明の実施形態に対する様々な変更が使用され得ることを理解されたい。
【0033】
カンタリジン
「カンタリジン付随不純物」という用語は、本明細書中で使用される場合、一般に、カンタリジンと比較して約0.25〜約5の相対保持時間(RRT)でHPLCカラムから溶出するカンタリジンではない何らかの天然または合成分子または物質を指す。カンタリジン付随不純物は、HPLCカラム上にローディングされるカンタリジン抽出物中にあり得る。カンタリジン付随不純物はHPLC実行中に形成し得る。カンタリジン付随不純物は、カンタリジン標品の融点を低下させ得る。カンタリジン付随不純物は毒性であり得る。カンタリジン付随不純物はカンタリジン標品の有効性を低下させ得る。カンタリジン付随不純物は、分解してカンタリジン標品の全体的な安定性を低下させる他の化合物になり得るか、それと反応し得る。カンタリジン付随不純物は、溶解性が低いものであり得るか、またはカンタリジン標品の全体的な溶解度を低下させ得る。
【0034】
「カンタリジン」という用語は、本明細書中で使用される場合、一般に、フラン分子である脂溶性化合物、1,2−ジメチル−3,6−エポキシペルヒドロフタル酸無水物を指す。カンタリジンは、主にツチハンミョウ科(Meloidae)の、ツチハンミョウの体液から得ることができる。カンタリジンは、尋常性疣贅および伝染性軟属腫を含むが限定されない様々な皮膚状態の処置のために使用され得る。カンタリジンは、室温で無色無臭の結晶性固形物である。本明細書中で使用される場合、「カンタリジン」は、カンタリジン(cantharidin)、カンタロン(cantharone)およびカンタリジン(kantaridin)と交換可能に使用され得る。カンタリジンの構造を
図1で示す。表1はカンタリジンのいくつかの代表的な特性を列挙する。
【0035】
「カンタリジン誘導体」という用語は、本明細書中で使用される場合、一般的に、(例えば硫黄またはスルホキシド基の結合を有する)カンタリジンと同様である何らかの化合物を指す。カンタリジン誘導体は合成物であり得る。カンタリジン誘導体は、カンタリジンと同様の生物学的(例えば治療)活性を有し得る。カンタリジン誘導体の例は
図6で示す。
【0036】
「カンタリジンの標品」または「カンタリジン標品」という用語は、本明細書中で使用される場合、一般的にカンタリジン、カンタリジン付随不純物、カンタリジン誘導体または何らかのそれらの組み合わせのうち1つ以上を含む合成または天然抽出物を指す。
【0037】
「製剤」という用語は、本明細書中で使用される場合、一般に、疾患または医学的状態の処置、治癒または予防のために調製される、カンタリジンまたはカンタリジン誘導体および少なくとも1つの賦形剤を含有する処方物を指す。
【0039】
カンタリジンは、紫外線(UV)スペクトルで容易に吸収し得ず、強い発色団を持たないので、標準的な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により、または液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)などの代替的な方法により検出可能ではあり得ない。
【0040】
本明細書中に記載の方法は、高感度でのカンタリジン標品の全体的な純度および不純物プロファイルの信頼できる正確な決定をもたらし得る。本方法は、粗製カンタリジン抽出物または合成カンタリジン物質を超高純度カンタリジンになるように精製するための高収率の方法を提供する。本開示の方法により調製される抽出物は、医薬製品での使用に適切であり得る。
【0041】
カンタリジンの粗製標品は、カンタリデスまたはミラブリス(mylabris)またはミラブリス(mylabris)抽出物として知られ得る。本開示の方法で調製されるカンタリジンの抽出物は、少なくとも約70、75、80、85、90、95、9,6、97、98、99、99.1、99.15、99.2、99.25、99.3、99.35、99.4、99.45、99.5、99.95、99.6、99.65、99.7、99.75、99.8、99.85、99.9、99.95または99.99%またはさらに100%純粋(すなわち不純物不含)であり得る。本開示の方法で調製されるカンタリジンの抽出物は、最大で約70、75、80、85、90、95、9,6、97、98、99、99.1、99.15、99.2、99.25、99.3、99.35、99.4、99.45、99.5、99.95、99.6、99.65、99.7、99.75、99.8、99.85、99.9、99.95、99.99または100%純粋(すなわち不純物不含)であり得る。
【0042】
総不純物のパーセンテージは、約10.00%%、5.00%、4.00%、3.00%、2.00%、1.00%、0.5%、0.3%、0.29%、0.28%、0.27%、0.26%、0.25%、0.24%、0.23%、0.22%、0.21%、0.20%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.10%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%または0.001%未満またはそれ以下であり得る。総不純物のパーセンテージは、約10.00%、5.00%、4.00%、3.00%、2.00%、1.00%、0.5%、0.3%、0.29%、0.28%、0.27%、0.26%、0.25%、0.24%、0.23%、0.22%、0.21%、0.20%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.10%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%または0.001%より大きいものであり得る。
【0043】
代表的なカンタリジン関連不純物は、RRT(相対保持時間)2.85、RRT 0.63の、昆虫(例えばツチハンミョウ)に存在する不純物および合成不純物(例えばツチハンミョウまたはカンタリジン抽出物において天然に存在しない)を含み得る。
【0044】
本方法は、ICH(International Conference of Harmonization)定量限界を下回るまで不純物を減少させ得る。本方法は、0.15%以下のICH毒性限界を下回るまで不純物を減少させ得る。本方法は、少なくとも0.3%、0.25%、0.2%、0.15%、0.1%、0.05%または0.01%以下のICH定量限界を下回るまで不純物を減少させ得る。本方法は、最大で0.3%、0.25%、0.2%、0.15%、0.1%、0.05%または0.01%以下のICH定量限界を下回るまで不純物を減少させ得る。本方法は、少なくとも0.25%、0.2%、0.15%、0.1%、0.05%、0.01%、0.005%または0.001%以下のICH検出限界を下回るまで不純物を減少させ得る。本方法は、0.05%、0.01%、0.005%または0.001%以下を下回るまで不純物を減少させ得る。ICH検出限界を下回るまでRT 2.85などの特定の不純物を減少させ得る。本方法は、0.10%以下のICH定量限界を下回るまで不純物を減少させ得る。本方法は、0.05%以下のICH検出限界を下回るまで不純物を減少させ得る。
【0045】
本開示の方法は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、98.5%、99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%またはさらに100%まで物質の純度を上げ得、例えば定量限界は180〜300(例えば、205、228、273ナノメートル以上)の波長で0.05%よりも大きい。
【0046】
本開示の方法は、物質のピーク融点を少なくとも約212、213、214、215、216、217、217.1、217.2、217.3、217.4、217.5、217.6、217.7、217.8、217.9または218.0℃にし得る。一部のケースにおいて、本開示の方法は、物質のピーク融点を最大で約212、213、214、215、216、217、217.1、217.2、217.3、217.4、217.5、217.6、217.7、217.8、217.9または218.0℃にし得る。
【0047】
本開示の方法は、物質の安定性を向上させて、それまたはそれから処方される生成物の安定性が高くなり、したがって有効期間が長くなるようにし得る。例えば本開示の方法の結果、安定性または有効期間が、本開示の方法の使用前の組成物と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%以上である組成物が得られ得る。本開示の方法の結果、有効期間(例えば強い光および熱を避けて冷暗所で保管される場合)が3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10年間より長い組成物が得られ得る。
【0048】
本開示の方法は、晶癖のサイズおよび形態を変化させ得、溶媒または製剤処方中での物質の溶解度の変動性を向上または低下させ得る。例えば、本開示の方法の結果、本開示の方法の使用前の組成物よりも溶解度の変動性が少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%または99.999%小さい組成物が得られ得る。
【0049】
本開示の方法は、不純物を除去するか、平均結晶サイズを拡大させるか、または吸入され得るかもしくは容易に分散され得る微細な粒状物質を排除することにより、物質の毒性(例えばヒトなどの対象に対する毒性)を低下させ得る。例えば、本開示の方法の使用前の組成物と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%以上、平均結晶サイズを拡大させ得る。本開示の方法の使用前の組成物と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%または99.999%、毒性を低下させ得る。
【0050】
本開示の方法は、カンタリジン標品中の結晶サイズの多分散性を低下させ得る。例えば、結晶サイズ多分散性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下させ得る。一部の例において、最大で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%、結晶サイズ多分散性を低下させる。本明細書中で開示される技術により調製されるカンタリジン標品の多分散指数は、約100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4.5、4.0、3.5、3.0、2.5、2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.04、1.03、1.02、1.01もしくは1未満またはこれらと等しいものであり得る。
【0051】
本開示の方法の結果、出発物質とは異なる結晶構造多型が得られ得る。例えば、
図10は、粗製カンタリジン標品の代表的なX線粉末回折(XRPD)分析パターンを示す。一部のケースにおいて、本開示の技術の結果、
図10で示されるものとは異なる多形体のカンタリジン標品が得られ得る。
【0052】
本方法は、出発物質の微生物負荷を減少させ得る。微生物負荷を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%減少させ得る。一部の例において、微生物負荷は最大で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%減少する。
【0053】
本方法は内毒素レベルを低下させ得る。内毒素レベルを少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下させ得る。一部の例において、内毒素レベルは最大で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下する。
【0054】
本方法は、農薬、殺真菌薬、除草剤または殺虫剤レベルを低下させ得る。農薬、殺真菌薬、除草剤または殺虫剤レベルを少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下させ得る。一部の例において、農薬、殺真菌薬、除草剤または殺虫剤レベルは最大で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下する。
【0055】
本方法は、重金属レベルを低下させ得る。重金属レベルを少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下させ得る。一部の例において、重金属レベルは最大で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下する。重金属レベルは、約20パーツ・パー・ミリオン(ppm)、19ppm、18ppm、17ppm、16ppm、15ppm、14ppm、13ppm、12ppm、11ppm、10ppm、9ppm、8ppm、7ppm、6ppm、5ppm、4ppm、3ppm、2ppmまたは1ppm未満であり得る。
【0056】
本方法はヒ素レベルを低下させ得る。ヒ素レベルを少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下させ得る。一部の例において、ヒ素レベルは最大で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下する。ヒ素レベルは、約2ppm、1.9ppm、1.8ppm、1.7ppm、1.6ppm、1.5ppm、1.4ppm、1.3ppm、1.2ppm、1.1ppm、1ppm、0.9ppm、0.8ppm、0.7ppm、0.6ppm、0.5ppm、0.4ppm、0.3ppm、0.2ppmまたは0.1ppm未満であり得る。
【0057】
本方法は溶媒を減少させ得る。溶媒レベルを少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下させ得る。一部の例において、溶媒レベルは最大で約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下する。ヘキサン約290ppm、280ppm、270ppm、260ppm、250ppm、240ppm、230ppm、220ppm、210ppm、200ppm、190ppm、180ppm、170ppm、160ppm、150ppm、140ppm、130ppm、120ppm、110ppm、100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppm、40ppm、30ppm、20ppmまたは10ppmを下回って溶媒レベルを低下させ得る。シクロヘキサン約4000ppm、3900ppm、3800ppm、3700ppm、3600ppm、3500ppm、3400ppm、3300ppm、3200ppm、3100ppm、3000ppm、2900ppm、2800ppm、2700ppm、2600ppm、2500ppm、2400ppm、2300ppm、2200ppm、2100ppm、2000ppm、1900ppm、1800ppm、1700ppm、1600ppm、1500ppm、1400ppm、1300ppm、1200ppm、1100ppm、1000ppm、900ppm、800ppm、700ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppm、200ppm、100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppm、40ppm、30ppm、20ppmまたは10ppmを下回って溶媒レベルを低下させ得る。クラスIII溶媒(例えばアセトンおよびエタノール)約5000pp、4900ppm、4800ppm、4700ppm、4600ppm、4500ppm、4400ppm、4300ppm、4200ppm、4100ppm、4000ppm、3900ppm、3800ppm、3700ppm、3600ppm、3500ppm、3400ppm、3300ppm、3200ppm、3100ppm、3000ppm、2900ppm、2800ppm、2700ppm、2600ppm、2500ppm、2400ppm、2300ppm、2200ppm、2100ppm、2000ppm、1900ppm、1800ppm、1700ppm、1600ppm、1500ppm、1400ppm、1300ppm、1200ppm、1100ppm、1000ppm、900ppm、800ppm、700ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppm、200ppm、100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppm、40ppm、30ppm、20ppmまたは10ppmを下回って溶媒レベルを低下させ得る。
【0058】
本開示の方法は、カンタリジン標品の乾燥減量を減少させ得る。例えば、乾燥減量(例えば105℃で3時間)は、約2.1%2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%または0.1%未満またはこれと同等であり得る。
【0059】
本開示の方法は、カンタリジン標品の強熱残分を減少させ得る。例えば、強熱残分(例えば750℃で5時間)は、約3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%または0.1%未満またはこれと同等であり得る。
【0060】
本開示の方法は、カンタリジン標品の総生菌数を減少させ得る。例えば、総生菌数は、約125、120、110、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2または1コロニー形成単位/g(cfu/g)未満またはこれと同等であり得る。本開示の方法は、カンタリジン標品の酵母および/またはカビ含量を減少させ得る。例えば酵母およびカビは、約50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2または1コロニー形成単位/g(cfu/g)未満またはこれと同等であり得る。
【0061】
分析的方法
カンタリジンは毒性であり得る。カンタリジンは溶解度が限定的であり得る。例えば、カンタリジンは極性溶媒中で溶解度が限定的であり得る。例えば、カンタリジンは、最大で少なくとも0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10mg/mL以上まで可溶性であり得る。カンタリジンはUV光を容易に吸収し得ない。カンタリジンのこれらの制約により、高分解能でのその検出および関連する不純物の検出が制限され得る。
【0062】
カンタリジンの全体的純度は、クロマトグラフィー、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いて検出(例えば分析)し得る。HPLC法の感度に影響を及ぼし得る因子としては、固定相、移動相組成およびpHおよび勾配、光源および使用される検出器、機器、温度およびAPIの濃度ならびに注入体積およびスピードが挙げられ得るが限定されない。
【0063】
カンタリジンおよび/またはカンタリジン付随不純物は、UV−Vis分光法を用いて溶液中で検出(例えば分析)され得る。例えば、ある一定の波長のUV−Vis光を溶液(例えば、溶出流、溶出分画)に向け、溶液から放射される光を検出し得る。放射される光は、溶液の純度の指標であり得る。
【0064】
一部のケースにおいて、カンタリジンは、約180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、226、227、228、229、230、235、240、245または250ナノメートル以上で吸収し得る。一部の例において、カンタリジンは、溶液に向けられる約228nmの光で最大吸収を有する。カンタリジン標品中の不純物は、カンタリジンが吸収し得る光の範囲であまり吸収できない。例えばカンタリジン標品中の不純物は228ナノメートルであまり吸収し得ない。カンタリジン付随不純物は約180、185、190、195、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、215、220、225、226、227、228、229、230、235、240、245もしくは250ナノメートル以上で検出され得る。一部の例において、カンタリジン付随不純物は205ナノメートルで検出され得る。
【0065】
本方法は、カンタリジンおよび/またはカンタリジン付随不純物に対応するクロマトグラムピークが約230、229、228、227、226、225、224、223、222、221、220、219、218、217、216 215、214、213、212、211、210、209、208、207、206、205、204、203、202未満または201ナノメートル以下の波長で可視的であるように行われ得る。言い換えると、本方法は、本方法が溶出液を的確に検出するように何らかの波長で行われ得る(例えばクロマトグラムにおけるピーク)。カンタリジンおよび/またはカンタリジン付随不純物は、約230、229、228、227、226、225、224、223、222、221、220、219、218、217、216 215、214、213、212、211、210、209、208、207、206、205、204、203、202または201ナノメートル以下の波長で可視的であり得る。
【0066】
本明細書中で提供される他の方法とともにカンタリジン溶液からの光の波長を監視するための方法が使用され得る。例えば、本明細書中で提供される再結晶化法の有効性を評価するために、カンタリジン溶液からの光の波長を使用し得る。
【0067】
カンタリジンおよび付随不純物を直接検出するための高感度分析法
本開示は、カンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を有するかまたはこれを有する疑いがある溶液中でカンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を直接検出するための方法を提供する。本方法は定量限界を有し得る。定量限界は、ノイズレベル(例えばブランク、対照)の標準偏差の少なくとも10倍を指し得る。定量限界は、少なくとも0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%または0.3%以上であり得る。定量限界は最大で0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%または0.3%以上であり得る。定量限界は約0.05%であり得る。
【0068】
本方法は検出限界を有し得る。検出限界は、ノイズレベル(例えばブランク、対照)の標準偏差の約3倍のシグナルを指し得る。本開示の方法に対する検出限界は、少なくとも0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%または1%以上であり得る。本開示の方法に対する検出限界は、最大で0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%または1%であり得る。検出限界は0.02%未満であり得る。検出限界は、205ナノメートル(または本明細書中で開示される他の波長)で監視され得る。言い換えると、検出限界が0.02%である場合、これは205ナノメートル(または本明細書中で開示される他の波長)で0.02%であり得る。
【0069】
移動相
本開示の方法は、カンタリジンを分析(例えば検出)するための、HPLCなどクロマトグラフィーの使用を含み得る。本方法は0.05%の定量限界(LOQ)を有し得る。本方法は205nmで0.02%未満の検出限界を含み得、この波長はカンタリジン関連不純物の最適検出を可能にし得る。
【0070】
本開示の方法は、所定の濃度で適切な溶媒または溶媒の混合物中でカンタリジン物質を溶解することを含み得る。本溶媒は、カンタリジンが分解しない溶媒または溶媒の混合物であり得る。代表的な溶媒としては、DMSO、アセトン、クロロホルム、ジエチルエーテル、エタノール、メタノールおよびアセトニトリルが挙げられ得る。一部の例において、溶媒はアセトニトリルである。溶解されるカンタリジンの濃度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20mg/mL、またはそれ以上であり得る。一部の例において、溶解カンタリジンの濃度は8mg/mLである。一部の例において、8mg/mLのカンタリジンをアセトニトリル中で溶解させる。
【0071】
本開示の方法は、移動相(例えばカラムを移動するための複数の溶液)を用いてカンタリジンを分析(例えば検出)することを提供する。第1の移動相は、最小でpH1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5または7以上のpHの水を含み得る。第1の移動相は、最大で1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5または7以上のpHの水を含み得る。移動相は、pHが3の水を含み得る。第1の移動相のpHは酸で調整し得る。第2の移動相のpHは酸で調整し得る。代表的な酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、トリフロル酸(trifloric acid)、約3のpHを与える何らかの酸およびリン酸が挙げられ得るが限定されない。一部の例において、第1の移動相はリン酸で緩衝化される。第1の移動相(例えば移動相A)は、リン酸で緩衝化されたpH3の水を含み得る。第1または第2の移動相を緩衝化し得る。代表的な緩衝液としては、TFA、メタンスルホン酸、リン酸、クエン酸、炭酸、ギ酸、酢酸、アンモニア、ホウ酸、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ピロリジンが挙げられるが限定されない。
【0072】
第2の移動相(例えば、移動相B)は、少なくとも60、70、80、90、95または100%の有機溶媒を含み得る。一部の例において、第2の移動相は100%有機溶媒を含む。第2の移動相に適切な有機溶媒としては、アセトニトリル、メタノールおよびテトラヒドロフラン、プロパノールが挙げられ得るが限定されない。一部の例において、第2の移動相は100%アセトニトリルを含む。
【0073】
一部の例において、本開示の方法は、2つの移動相:リン酸で緩衝化されたpH3の水を含む第1の相および100%アセトニトリルを含む第2の相を使用することを提供する。
【0074】
検出装置および検出方法
本開示の方法は、カンタリジンを分析(例えば検出)するためにクロマトグラフィーを行うことを提供する。代表的なタイプのクロマトグラフィーとしては、HPLC、逆相HPLC、FPLC、LC−MS(液体クロマトグラフィー−質量分析)、LC−MS/MS、GC−MS(ガスクロマトグラフィー−質量分析)、イオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーが挙げられ得る。一部の例において、本開示の方法は、HPLCを用いたカンタリジンの検出を提供する。本開示の方法は、電気泳動などの方法を使用した検出を提供し得る。
【0075】
HPLCクロマトグラフィー装置は少なくとも次の構成要素を含み得る:適切な固定相が詰められたカラム、移動相、圧力下で移動相をカラム通過させるためのポンプおよびカラムから溶出される化合物の存在を検出するための検出器。この装置は、溶媒系が検出中に変動する場合、勾配溶出を提供するための1つ以上のユニットを含み得る。
【0076】
HPLCクロマトグラフィー装置は固定相を含み得る。固定相は固形支持体を含み得る。例えばシリカ粒子は、固定相中の固形支持体であり得る。固定相中の固形支持体は官能性であり得る(例えばシランによる)。シリカ粒子は、一般式EtOSiR
1R
2R
3またはClSiR
1R
2R
3(式中、Rは有機基に相当し、それらは互いに異なり得るが、一部のケースでは一部または全てが同じであり得る)を有する物質など、カップリング剤を用いてシランとカップリングさせ得る。シラン基は、Si(CH
3)
2(C
18H
37)(式中、C
18H
37、オクタデシル基は疎水性面を生じさせる)であり得る。一部の例において、固定相はC18カラムである。
【0077】
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、HPLC分離がMS分析とインラインで行われる統合型HPLC−MS技術を使用して、カンタリジン抽出物を検出することを含む。具体的には、HPLC装置を質量分析装置と直接連結し得、この質量分析装置は、HPLCカラムからの分離生成物を直接受容する。本開示の方法は、高いパーセンテージの水混和性有機溶媒の使用と高温カラムRP−HPLC分離の組み合わせを使用し得る。
【0078】
溶出液の純度を分析(例えば監視)するためのUVおよびMS検出との逆相HPLC法の併用を使用し得る。RP−HPLC(逆相−HPLC)法は、高カラム温度、1つ以上の移動相およびC3〜C18のアルキル鎖を有するシリカ固定相を使用し得、これは、例えば、シアノおよびジフェニル誘導体でのさらなる誘導体化を含んでいてもよいし、または含んでいなくてもよい。
【0079】
本開示のHPLC精製法は、UV−Vis(UV/VISも)スペクトロメトリーと組み合わせて使用し得る。本方法は、クロマトグラフィーカラムからの溶出液、カンタリジンおよび/またはカンタリジン付随不純物を含む溶出液の流れのUV/VIS吸光度値を調整することを含み得る。このような方法は次の段階を含み得る:(a)溶出液の流れの吸光度値を連続的に監視するように構成されるUV/VIS分光光度計を溶出液の流れが連続的に通過し得るようにすることを含み得る。(b)UV/VIS分光光度計を出る溶出液の流れを一対の平行な絞り弁に運び得る。(c)UV/VIS分光光度計からの溶出液の一部がストリームスプリッタ(stream splitter)に向けられ、このような溶出液の残りが廃液入れに向けられるように、平行な絞り弁を調整し得る。UV/VIS吸光度値をクロマトグラム上でグラフを使用して示し得る。
【0080】
一部の例において、固定相は、ガスクロマトグラフィー系またはガスクロマトグラフィーおよび質量分析計の組み合わせを含む。ガスクロマトグラフィー+質量分析装置(GC/MS)系は、それらの両側に対してガスクロマトグラフ、質量分析装置およびコンピュータインターフェースを含み得る。質量分析装置は、クロマトグラフから溶媒ピークが溶出している時間中にオンになった場合に損傷を受け得る電子放射フィラメント付きのイオン源を含み得る。所望の放射レベルからの逸脱を相殺するために電流源を生じさせるフィードバックによって一定の放射速度を提供するために、このフィラメントを制御し得る。溶媒ピークが溶出し始めるとき、電流源に対するフィードバックにおいて、同時に起こるフィラメントの急激な冷却が敏感に反映され得る。放射電流が突然下落した場合に電流源を遮断する際に、電流源インプットとACカップリングされたコンパレータを使用し得る。コンピュータコントローラは、周囲圧力の低下または所定の持続時間の経過に反応してフィラメントを再活性化して、溶媒ピーク後の構成要素ピークが分析され得るようにし得る。ガスクロマトグラフは、液体固定相を通過している担体ガス流に溶液の構成要素をボラタイズ(volatize)することによって、溶液中で混合物の構成要素を分離する。この工程は充填またはキャピラリークロマトグラフィーカラムにおいて行われる。
【0081】
本開示の方法は、固定相を通る相および抽出物の流速を使用することを提供する。流速は、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0マイクロリットル/分以上であり得る。流速は、最大で0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0マイクロリットル/分以上であり得る。一部の例において、流速は約1マイクロリットル/分である。
【0082】
本開示の方法は、何らかの適切な温度で行われ得る。温度は少なくとも4、10、15、20、25、26、27、28、29、30、31、32、33または34℃であり得る。温度は最大で4、10、15、20、25、26、27、28、29、30、31、32、33または34℃であり得る。一部の例において、温度は約30℃である。
【0083】
本開示の方法は、カンタリジン標品中の不純物を検出するための検出波長を提供する。検出波長は少なくとも190、195、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210または215ナノメートル以上であり得る。検出波長は最大で190、195、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210または215ナノメートル以上であり得る。一部の例において、検出波長は205ナノメートルである。
【0084】
本開示の検出方法は勾配を用いて行われ得る。例えば、勾配は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、76、80、85、90、95または100%の第1の移動相(例えば移動相A)および5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、76、80、85、90、95または100%の第2の移動相(例えば移動相B)を含み得る。一部の例において、85%相Aおよび15%相Bの勾配が最初に使用され、次いでこれは、注入時に、およびプロトコールの残りの部分にわたり、10%Aおよび90%Bで動作するように設定される。
【0085】
少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40または45分間以上にわたり検出プロトコールを行い得る。最大で5、10、15、20、25、30、35、40または45分間以上にわたり検出プロトコールを行い得る。一部の例において、検出プロトコールを17分間行う。検出プロトコールの長さにわたりデータを記録する。
図2は本開示のHPLC方法の一例を示す。
【0086】
製剤を調製するため、ならびにカンタリジンおよび付随不純物の検出のための、方法
本開示は、カンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を有するかまたは有する疑いがある物質から本明細書中に記載の高感度の分析法を含む分析方法を用いて分析可能な形態に製剤を調製するための方法を提供する。製剤は、分析法と不適合であり、方法を機能性のあるものにするために除去するかまたは減少させる必要があり得る賦形剤を含有し得る。一部の不適合な賦形剤としては、フィルム形成剤、ポリマー、可塑剤または増粘剤などの物質が挙げられ得る。不適合賦形剤としては、ニトロセルロース、ニトロセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒュームド・シリカ、ヒマシ油またはカンファ−が挙げられ得る。色素などの他の賦形剤は、UVまたは可視スペクトルで強く吸収し得、分析を妨害し得る。
【0087】
製剤を希釈剤と混合し得る。この希釈剤は、限定なく、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、塩化メチレン、エチレンジクロリド、トルエン、1、2−ジメトキシエタン、ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、アセトニトリル、メタノールまたは水であり得る。この希釈剤は希釈剤または溶媒の組み合わせであり得る。希釈剤はアセトニトリルおよび水の混合物であり得る。一部の例において、希釈剤は、アセトニトリル:水の800:200v/v混合物であり得る。一部の例において、希釈剤は、製剤の全グラムに対して3mLの比で添加され得る。
【0088】
希釈剤が添加され、および/または混合される場合、製剤は沈殿物を形成し得る。この沈殿物は、例えば装置に詰まることによって、または読み取りを妨害して誤解させる結果を与えることによって、製剤の分析を妨害し得る。溶液中のカンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を残しながら、沈殿物を除去することが所望され得る。製剤および希釈剤を混合またはボルテックス処理し得る。少なくとも約5、10、20、30、45、60、120、180、240または300秒間以上にわたり製剤および希釈剤を混合し得る。一部の例において、さらなる希釈剤を混合し得、さらなる時間にわたり、試料を混合し得るかまたはボルテックス処理し得る。
【0089】
沈殿物を除去し得る。例えば、長期間にわたり試料を静置することによって、沈殿物を除去し得る。遠心分離によって沈殿物を除去し得る。少なくとも1、2、3、4、5、10、15、30または60分間以上にわたり遠心分離を行い得る。約1、10、100、1,000、2,000、5,000、10,000、15,000、20,000、50,000または100,000xg以上で遠心分離を行い得る。
【0090】
カンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を有するかまたはこれを有する疑いがある製剤の、濃度、純度および/または安定性の正確な測定を行うために、本明細書中で論じられるものなどの分析法とともに沈殿物の除去後に得られる上清を使用し得る。表2は本開示の製剤調製法の一例を示す。
【0092】
再結晶化を使用する精製
本開示は、カンタリジンを再結晶化するための方法を提供する。カンタリジン付随不純物を含むカンタリジン生成物からカンタリジンを精製するために再結晶化を使用し得る。このような方法は、カンタリジン生成物中に存在する特定の不純物を排除または減少させるための、ある温度でカンタリジンの溶解度が高いが低い温度では溶解度が低い溶媒の使用を含み得る。特定の不純物とは非カンタリジン不純物を指し得る。例えば、再結晶化法は、適切な溶媒中でカンタリジン付随不純物を含むカンタリジン抽出物を溶解させ、溶媒を加熱し、次いで溶媒を冷却することを含み得る。冷却の結果、カンタリジンの沈殿が増加し得、カンタリジン付随不純物の沈殿が減少し得る(例えばこれらは溶液中に留まる)。沈殿カンタリジンは、溶液中のカンタリジン(例えば溶解したカンタリジン)よりも高い濃度を有し得る。
【0093】
再結晶化の結果、約50、60、70、80、95、95、98、98.1、98.2、98.3、98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9または100%以上の純度が得られ得る。再結晶化の結果、最大で約50、60、70、80、90、95、98、98.1、98.2、98.3、98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9、99.95、99.99または100%の純度が得られ得る。本明細書中で使用される場合、「純度」は、本開示の方法によって精製されたカンタリジン抽出物中の他の生成物に対するカンタリジンのパーセンテージを指し得る。例えば、99.9%純粋である抽出物は抽出物の0.1%が不純物であることを意味し得る。
【0094】
本方法によって、5%、2%、1%、0.5%、0.1%または0.01%を下回るかまたはそれ未満まで総不純物を減少させ得る。本方法によって、1.0%、0.5%、0.25%、0.20%、0.15%、0.10%、0.05%、0.01%を下回るかまたはそれ未満まで各特異的不純物を減少させ得る。本方法は、25%、50%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%以上の収率を含み得る。
【0095】
本方法によって、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%以上、特定の不純物を減少させ得る。本方法によって、最大で20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%以上、特定の不純物を減少させ得る。例えば、0.63のRRTのカンタリジン付随不純物の濃度を約86%(0.37%〜約0.05%)低下させ得る。1.19のRRTのカンタリジン付随不純物の濃度を約80%(0.28%〜0.05%を下回るまで)減少させ得る。1.26のRRTのカンタリジン付随不純物の濃度を約81%(0.26%〜0.05%を下回るまで)低下させ得る。再結晶化によって、ICH検出限界を下回るまでカンタリジン付随不純物を減少させ得る。
【0096】
一部のケースにおいて、本方法は総不純物を減少させ得ないが、特定の不純物を減少させ得る。例えば、本方法は実質的に総不純物を減少させ得ないが、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%以上、特定の不純物を減少させ得る。本方法は実質的に総不純物を減少させ得ないが、最大で20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%以上、特定の不純物を減少させ得る。本方法は実質的に総不純物を減少させ得ないが、0.05%を下回るまで特定の不純物を減少させ得る。本方法は実質的に総不純物を減少させ得ないが、少なくとも約1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%を下回るまで特定の不純物を減少させ得る。本方法は実質的に総不純物を減少させ得ないが、最大で約1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%を下回るまで特定の不純物を減少させ得る。本方法は実質的に総不純物を減少させ得ないが、ICH検出限界を下回るまで特定の不純物を減少させ得る。
【0097】
再結晶化の結果、出発物質と同じまたは異なる結晶形態が生じ得る。例えば、再結晶化の結果、針状、プリズム状または板状を含むが限定されない結晶性物質が生じ得る。再結晶化の結果、カンタリジンの結晶性生成物が生じ得、ここで再結晶化生成物中の水の濃度は約1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%未満または0.1%以下である。再結晶化の結果、結晶サイズが拡大し、非常に小さいかまたは破砕された結晶が減少し得るか、またはより均一な結晶サイズ分布となり得る。カンタリジン結晶は長さが1〜2000μmであり得る。再結晶化の結果、容易にエアロゾル化し得るより小さい結晶の減少が起こり得る。再結晶化の結果、より均一な結晶サイズ分布の標品が得られ得る。
【0098】
再結晶化の結果、溶解度および/または安定性が向上している新しい多形体が形成され得る。本開示の方法の結果、出発物質よりも可溶性である生成物が得られ得る。生成物は、出発物質よりも少なくとも1%、5%、10%、20%、50%、100%、200%、500%または1000%以上可溶性であり得る。再結晶化の結果、安定性が向上したカンタリジンの結晶性生成物が得られ得る。
【0099】
再結晶化の結果、融点が出発物質よりも高い結晶形態が得られ得る。再結晶化の結果、ピーク融点が少なくとも約212、213、214、215、216、217、217.1、217.2、217.3、217.4、217.5、217.6、217.7、217.8、217.9または218℃であるカンタリジンの結晶性生成物が得られ得る。再結晶化の結果、融点の開始が出発物質よりも高い結晶形態が得られ得る。再結晶化の結果、融点の開始が少なくとも約212、213、214、215、216、217、217.1、217.2、217.3、217.4、217.5、217.6、217.7、217.8、217.9または218℃であるカンタリジンの結晶性生成物が得られ得る。純度の指標として融点(例えばピーク融点、溶融開始)を使用し得る。
【0100】
再結晶化によって、最初の精製または合成において使用される触媒、副産物または化学物質の濃度を低下させ得る。例えば、再結晶化によって、最初の精製または合成からの触媒、副産物または他の化学物質の濃度または量を、本開示の方法の使用前の組成物と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%または99.999%低下させ得る。触媒の例としては、過塩素酸リチウムなどのルイス酸またはラネーニッケル、白金、パラジウム、白金誘導体またはパラジウム誘導体などの還元剤が挙げられる。
【0101】
再結晶化の方法は、1、10、100または1000以上の適切な溶媒または溶媒混合物中でカンタリジン生成物を可溶化することを含み得る。適切な溶媒は、ある温度で徐々により高い濃度のカンタリジンを溶解させ、他の温度では溶解カンタリジン濃度がより低い溶媒であり得る。これらの溶媒としては、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、エタノール、2−エトキシエタノールを含むが限定されないグリコールエーテル、石油エーテル(ベンゼン)、アニソール、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、アンモニアおよびN−メチル−2−ピロリドン、ICHクラスIII溶媒、例えば酢酸、アセトン、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、エタノール、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−l−プロパノール、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよび酢酸プロピルまたは何らかのそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0102】
適切な溶媒は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15g/L以上でカンタリジンが可溶性である何らかの溶媒であり得る。一部の例において、適切な溶媒は、約8g/L超でカンタリジンが可溶性である溶媒である。
【0103】
溶媒中でカンタリジンを溶解させるために加熱が必要とされ得る。体積を減少させ、カンタリジンを濃縮するために、溶解カンタリジン溶液を加熱するかまたは室温のままにし得る。加熱は約50、55、60、65、70、75または80℃以上で行われ得る。
【0104】
溶液の飽和を促進し、結晶化を支援するために溶液を冷却し得る。約10、20、30、40または50℃以上の温度で冷却を行い得る。溶液中の特定の不純物を維持しながらカンタリジンの溶解度をさらに低下させるために、適切な貧溶媒を添加し得る。カンタリジンの溶解度を低下させるが、依然として特定の不純物を溶解させる共溶媒または貧溶媒としては、水、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、エタノールまたはカンタリジンの溶解度が8g/L未満である何らかの他の溶媒が挙げられ得る。テトラヒドロフランおよびジクロロメタンなどのいくつかの溶媒によって、十分に高い濃度を使用した場合、カンタリジンが不安定になり、最終的には分解が起こり得る。カンタリジンおよび各特定の不純物の溶解度を向上または低下させるために、適切な化学物質を使用して各溶液のpHを変化させ得る。これらのpH修正剤としては、塩酸、リン酸、酢酸、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられ得るが限定されない。
【0105】
連続的な結晶形成を促進するために適切な温度で溶液を維持し得る。例えば、少なくとも約0.5、1、1.5または2時間以上、約5、10、15、20、25、30、35または40℃以上で溶液を維持し得る。溶液を約30℃で少なくとも約0.5、1、1.5または2時間以上、維持し得る。溶液を約30℃で約1時間維持し得る。
【0106】
溶液を特定の温度にし、結晶化を完全にするために温置し得る。例えば、溶液を約5、10、15、20、25または30℃以上に冷却し得る。溶液を約10℃で約2時間、冷却し得る。
【0107】
結晶性物質を取り出し、フィルター上に置き、適切な溶媒で洗浄し得る。例えば、水、アセトン、エタノール、メタノール、ヘプタン、ヘキサンまたはペンタンまたは洗浄に適切な何らかの他の溶媒中でこの物質を洗浄し得る。結晶性物質を乾燥(例えば洗浄、凍結乾燥)させ得る。再結晶化工程の結果、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%カンタリジンの収率が得られ得る。
【0108】
再結晶化法のある非限定例を表3で記載する。
【0110】
昇華を使用した精製
カンタリジンは、大気圧または真空下で適切な温度に加熱される場合、昇華し得る。昇華は、本工程において固体を液体に変換することなく、固形化合物を直接ガス状の蒸気に変化させる工程である。化合物を含有する物質を燃焼させるためにとる温度よりも低い温度でガス性蒸気を生成させ得る。
【0111】
多くのカンタリジン付随不純物が昇華しないので、この工程は、溶媒またはカラムを使用せずに高い収率でカンタリジンを精製するために使用され得る。昇華を使用してカンタリジンを精製するために、出発カンタリジン抽出物または合成生成物を、ガラスフラスコまたはチューブなど、適切な昇華装置に入れ得る。真空下または周囲圧力でカンタリジン抽出物を加熱し得る。昇華気流中でカンタリジン抽出物または合成生成物中のカンタリジンを昇華させ得る。精製生成物を回収するために、冷却面(例えば「コールドフィンガー(cold finger)」の形態)を使用し得る。様々な高温で昇華および/または再結晶化カンタリジンの分画を回収し得る。最終生成物を生成させるために、分画を合わせ得る。最終生成物は少量の総不純物を含み得る。総不純物は約5%、2%、1%、0.5%、0.1%未満または0.01%以下であり得る。
【0112】
一部の例において、カンタリジンおよびカンタリジン付随不純物を含み得る抽出物(例えば出発物質)は第1の濃度を有し得る。昇華気流中の昇華カンタリジンおよび/またはカンタリジン(例えば昇華される工程中)は第2の濃度を有し得、この第2の濃度は第1の濃度(例えば昇華が起こる前)よりも高い。第2の濃度は、第1の濃度よりも少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10倍以上高くなり得る。一部の例において、第2の濃度は、第1の濃度よりも最大約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10倍以上高い。
【0113】
カンタリジン付随不純物は、カンタリジンと比較して低速で昇華し得る。カンタリジン付随不純物は、カンタリジンの昇華速度と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の速度で昇華し得る。カンタリジン付随不純物は、カンタリジンの昇華速度と比較して、最大で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の速度で昇華し得る。
【0114】
適切な温度で昇華を行い得る。昇華のための温度は、70、75、80、83、84、85、90、95、100、110、120、130 140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240または250℃以上から開始し得る。一部の例において、昇華のための温度は約84℃以上から開始し得る。一部の例において、非常に高純度まで精製カンタリジンを回収するために温度勾配を使用し得る。
【0115】
ある非限定例において、周囲圧力下でガラス試験管中にカンタリジンを入れ、約93.3℃に加熱し、維持し得る。冷水が流れ得る20℃の「コールドフィンガー」からカンタリジンを回収し得る。
【0116】
組み合わせて、または個別に本開示の方法を行い得る。例えば、再結晶化と組み合わせて昇華を行い得る。別の例において、本方法は再結晶化のみ、または昇華のみを使用し得る。
【実施例】
【0117】
実施例1:0.12%のLODによる228nmでの非最適化HPLC法
この実施例において、228nmでのHPLC検出のためにカンタリジン抽出物を調製する。試験するHPLC条件は、0.1%トリフロル酸入りの水の85%移動相Aおよび0.1%トリフロル酸入りのアセトニトリルの15%の移動相Bである。流速は1mL/分である。228nmでLOQは0.12%である。0.64のRRTで単一の特定の不純物のみを検出し(3.77分間)、(例えば
図3(0.0〜12.0分のx軸、100〜900mAUのy軸);t=3.77のピークはカンタリジン付随不純物であり;t=5.88のピークはカンタリジンである)。
【0118】
実施例2:LOQが0.30%より大きい、205nmでの非最適化HPLC法
この実施例において、205nmで検出するHPLCのためにカンタリジン抽出物を調製する。試験するHPLC条件は、0.1%トリフロル酸入りの水の85%移動相Aおよび0.1%トリフロル酸入りのアセトニトリルの15%の移動相Bである。流速は1mL/分である。205nmでLOQは0.30%より大きい。カンタリジンの単一ピークは5.88分で見られ、0.30%より上では不純物は検出されない。(例えば、
図4参照(0.0〜12.0分のx軸、−200〜600mAUのy軸))。
【0119】
実施例3:LOQが0.05%である、205nmでの本開示のHPLC法を用いたカンタリジン精製
この実施例において、本開示の方法を用いてカンタリジン抽出物を分析する。本方法は
図2で概説する方法を含んだ。具体的には、カンタリジン抽出物をKintetex C18固定相カラム上にローディングする。波長の監視は205ナノメートルである。流速は1mL/分である。30℃で本方法を行う。固定相に注入されるカンタリジン抽出物の体積は10マイクロリットルである。分析時間は28分間であり、28分間のうち0〜17分からデータを記録する。
【0120】
移動相Aおよび移動相Bの勾配で固定相を洗浄する。時間ゼロで、勾配は85%移動相Aおよび15%移動相Bを含む。時間12分〜17分で、勾配は90%移動相Aおよび10%移動相Bを含む。時間18分〜28分で、勾配は85%移動相Aおよび15%移動相Bを含む。移動相Aはリン酸でpH3に緩衝化された水を含む。移動相Bは100%アセトニトリルを含む。注入される抽出物の濃度は8mg/mLである。205ナノメートルで洗浄方法を分析し、固定相を降りてきた溶出液を図示する(例えば
図5参照(0.0〜17.0分のx軸、−200〜1400mAUのy軸))。少なくとも10種類の不純物(3.36分、4.29分、6.33分、6.71分、7.48分、9.14分、13.72分、14.19分、15.23分、16.56分)ならびにカンタリジン(5.34分)が検出される。各ピークは不純物に対応する(例えば
図5参照)。
【0121】
実施例4:中国薬局方の方法と本開示の方法の比較
この実施例は、本開示のHPLC法および先行方法(例えば中国特許第102268006号明細書に記載のような中国薬局方の方法、および中国薬局方の方法2010)を使用してカンタリジン精製を比較する。多くの不純物が中国薬局方の方法では検出されないが、本開示の方法で検出される。表4は、3バッチのカンタリジン抽出物にわたり検出される不純物の量を示す。
【0122】
【表4】
【0123】
精製カンタリジン(例えば流入カンタリジン)を再結晶化する。再結晶化カンタリジンを流入カンタリジン(例えば再結晶化前)と比較し、どの程度再結晶化により純度が向上したかを判定する。再結晶化の前後に、2つの別個のロットのカンタリジンからの、流入および再結晶化物質の不純物プロファイルを205nmで本開示のHPLC法で分析した。第1のバッチ(すなわちバッチ820)は、98.6%から99.93%の純度に変化する。第2のバッチ(すなわちバッチ170)は98.2%から99.90%の純度に変化する。RRTに5.34分間(カンタリジン)を乗じることによって、溶出時間を計算する。例えば不純物RRT0.53の保持時間は2.83分間である(0.53×3.34分により計算した場合)。カンタリジンの保持時間は標品により変化し得るので、RRTはより正確な目安であり得る。
【0124】
カンタリジンの精製溶出液の純度を向上させるために再結晶化を行う。再結晶化により、カンタリジンの純度が99.90%以上に向上する。表5は、再結晶化前後のカンタリジン付随不純物の純度の変化を示す。
【0125】
【表5】
【0126】
実施例5:カンタリジンおよびカンタリジン誘導体の精製
この例はカンタリジン誘導体の精製および検出を記載する。カンタリジン誘導体は、硫黄またはスルホキシド基が結合されていることなど、カンタリジンと非常に似ている化合物を含み得る。カンタリジン誘導体は合成により生成される。カンタリジン誘導体の1つ以上が、カンタリジンと同様の生物学的活性を有する。代表的なカンタリジン誘導体を
図6で示す。
【0127】
カンタリジン誘導体抽出物(例えばカンタリジン誘導体を含む)を適切な溶媒中で加熱して、この抽出物を溶解させる。カンタリジン誘導体抽出物を冷却する。カンタリジン誘導体が溶液から沈殿する。沈殿したカンタリジン誘導体を洗浄し、乾燥させる。Kintetex C18固定相カラムを使用して、洗浄し、乾燥させたカンタリジン誘導体を分析する。波長の監視は205ナノメートルである。流速は1mL/分である。30℃で本方法を行う。固定相に注入されるカンタリジン誘導体抽出物の体積は10マイクロリットルである。分析時間は28分間であり、28分間のうち0〜17分からデータを記録する。
【0128】
移動相Aおよび移動相Bの勾配で固定相を洗浄する。時間ゼロで、勾配は85%移動相Aおよび15%移動相Bを含む。時間12〜17で、勾配は90%移動相Aおよび10%移動相Bを含む。時間18〜28で勾配は85%移動相Aおよび15%移動相Bを含む。移動相Aは、リン酸でpH3に緩衝化された水から構成される。移動相Bは100%アセトニトリルを含む。注入される抽出物の濃度は8mg/mLである。205ナノメートルで洗浄法を分析する。
【0129】
実施例6:再結晶化カンタリジンの融点上昇
この実施例は、再結晶化カンタリジンが最初のカンタリジン物質よりも高い融点を有し得ることを示す。示差走査熱量測定(DSC)分析によって純度が98.6%の粗製カンタリジンを分析し、214.92℃で融解が開始され、ピーク融点が216.07℃であることが分かった(例えば
図7参照(40〜260℃のx軸、−100〜0mWのy軸))。純度が99.9%より高い再結晶化カンタリジンの融解開始は214.68℃であり、DSC分析により示される場合、ピーク融点は217.27℃である(例えば
図8参照(0〜300℃のx軸、−6〜2W/gのy軸))。
【0130】
実施例7:粗製カンタリジンの精製
この実施例は、とりわけ、本開示の方法により達成され得るカンタリジン標品の特性に対する向上を示す。表6に記載の粗製カンタリジン標品を得た。粗製カンタリジンの分析から、これが仕様に従っており、冷暗所で強い光および熱を避けて適切に保管される場合、有効期間が3年間であり得ることが結論付けられた。
図9Aは、同様の粗製カンタリジン標品(バッチ820)の光学顕微鏡画像(対物×4,500μmスケールバー)を示す。
図9Bは、粗製カンタリジン標品(バッチ820)の走査電子顕微鏡画像(G×300、300μmスケールバー)を示す。この生成物は、小板傾向を示し、大きい、および細かい粒子が存在しており、このことから、多様式の粒径分布が示唆される。
図10は、粗製カンタリジン標品(バッチ820)のX線粉末回折(XRPD)分析パターンを示し、これは、14.351、15.137、16.156、17.711、27.034、28.722、32.446、32.678および35.217[°]でのピークを示す。
【0131】
【表6】
【0132】
次いで、本明細書中で開示されるような再結晶化法によって粗製物質を処理し、粗製出発物質との比較のために分析した。この分析からの結果を表7で示す。
【0133】
【表7】
【0134】
様々な病気、例えば疣贅、伝染性軟属腫、光線性角化症、脂漏性角化症または他の皮膚過剰増殖性障害、例えば以前の治療が失敗に終わったか、または以前の治療に対して不応性であったものなどを処置するために、本開示の標品(または処方物)を使用し得る。このような標品は、癌を有する対象を処置するために使用され得る。例えば、カンタリジン標品は、腫瘍成長を阻害するために使用し得、および/または癌細胞を直接死滅させるために使用し得る。一部のケースにおいて、このような標品は、癌幹細胞を死滅させるために使用し得る。一部のケースにおいて、カンタリジン標品は、良性の癌性病変を処置するために使用し得る。例えば、カンタリジン標品は、多剤耐性表現型を有する癌細胞を死滅させるために使用し得る。いくつかの状況において、カンタリジンの代わりに、ノルカンタリジン、カンタリジミドまたはカンタリジンの類似体を利用し得る。
【0135】
本開示のカンタリジン標品(または処方物)は、特性または特徴を有し得、参照により本明細書中に全体的に組み込まれる特許協力条約国際公開第2015/027111号パンフレット(「COMPOSITIONS,METHODS AND SYSTEMS FOR THE TREATMENT OF CUTANEOUS DISORDERS」)に記載のアプローチを用いて対象に送達され得る。
【0136】
特定の実施を例示し、記載してきたが、前述のものから、それに対して様々な変更をなし得、変更が本明細書中で企図されることを理解されたい。また、本発明は、本明細書内で提供される具体例により限定されないものとする。上記の明細書を参照して本発明を記載してきたが、望ましい実施形態の記載および例示は限定する意味で解釈されるものではない。さらに、本発明の態様は全て、様々な条件および可変要素に依存する本明細書中で述べられる、具体的な記載、設定または相対的比率に限定されないことを理解されたい。本発明の実施形態の形態および詳細における様々な変更は当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、何らかのこのような変更、可変要素および同等物も包含することが企図される。次の請求項は、本発明の範囲を定め、これらの特許請求の範囲およびそれらの同等物内の方法および構造がそれにより包含されるものとする。