(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択部は、前記経路情報として、前記移動体とは異なる移動体の前記経路における移動態様の特徴を示す経路情報と、前記特徴情報との比較結果に基づいて、前記移動体に対して提供する経路を選択する
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の選択装置。
前記選択部は、前記移動体が移動する際における移動速度の特徴を示す特徴情報と、前記移動体とは異なる移動体が前記経路において移動する際における移動速度の特徴を示す経路情報とが共通する場合は、当該経路を提供する経路として選択する
ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の選択装置。
前記選択部は、前記移動体とは異なる移動体が前記経路において移動する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低く、かつ、前記移動体が移動する際における移動速度と、前記移動体とは異なる移動体が前記経路において移動する際における移動速度とが所定の範囲内に収まる場合は、当該経路を提供する経路として選択する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の選択装置。
前記選択部は、前記移動体とは異なる移動体が前記経路において移動する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低く、かつ、前記移動体が移動する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低い場合は、当該経路を提供する経路として選択する
ことを特徴とする請求項7〜9のうちいずれか1つに記載の選択装置。
前記取得部は、前記移動体と関連する利用者がネットワーク上に投稿した情報の内容から、当該移動体による移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜13のうちいずれか1つに記載の選択装置。
前記取得部は、前記移動体の属性または当該移動体と関連する利用者の属性に基づいて、当該移動体による移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜14のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る選択装置、選択方法及び選択プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る選択装置、選択方法及び選択プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位及び処理には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
また、以下の説明では、選択装置の一例である情報配信装置10が実行する選択処理の一例として、車両を運転する利用者に対して、目的地まで車両を運転する経路を提供する案内処理を実行する情報配信装置の一例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報配信装置10は、歩行する利用者や自転車やバイク等といった任意の移動手段を用いて移動する利用者に対し、経路を提供する案内処理を行う際に、以下の選択処理を実行してもよい。すなわち、情報配信装置10は、利用者の移動手段に関わらず、任意の案内処理において以下の選択処理を適用可能である。
【0012】
〔1.選択処理の概念〕
まず、
図1を用いて、情報配信装置10が実行する選択処理の概念について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が発揮する作用効果の一例を説明するための図である。例えば、情報配信装置10は、サーバ装置やクラウドシステム等、単数または複数の情報処理装置により実現され、移動体通信網や無線LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して、利用者U01〜U04、U10(以下、「利用者U」と総称する場合がある。)が使用する端末装置101〜104、110(以下、「端末装置100」と総称する場合がある。)と通信可能な情報処理装置である。なお、
図1に示す例では、5つの端末装置100を記載したが、情報配信装置10は、任意の数の端末装置100と通信可能であってよい。
【0013】
端末装置100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)等の移動端末、ノート型PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。なお、例えば、端末装置100が車両内に設置して用いられる車載装置である場合、例えば、カーナビゲーションシステムの端末等により実現される。例えば、端末装置101は、利用者U01によって利用される端末装置であり、端末装置102は、利用者U02によって利用される端末装置であり、端末装置103は、利用者U03によって利用される端末装置であり、端末装置104は、利用者U04によって利用される端末装置であり、端末装置110は、利用者U10によって利用される端末装置であるものとする。
【0014】
ここで、利用者Uを所定の目的地まで案内する場合、端末装置100は、ナビゲーションシステム等、所定のアプリケーションを実行することで、以下の案内処理を実行する。まず、端末装置100は、GPS(Global Positioning System)や地磁気を用いた各種の測位技術を用いて、現在位置を特定する。そして、端末装置100は、特定した現在位置を出発地とし、利用者が入力した目的地までの経路を示す案内情報を要求する。そして、端末装置100は、情報配信装置10から案内情報を受付けた場合は、受付けた案内情報を用いて、利用者を目的地まで案内する案内処理を実行する。
【0015】
例えば、端末装置100は、車両が利用可能な目的地までの経路、経路に含まれる高速道路の情報、経路上の渋滞情報、案内の目印となる施設、画面上に表示する地図の情報、案内時に出力する音声や地図等の画像等のデータが含まれる案内情報を受付ける。また、端末装置100は、各種の衛星測位システムを用いて、端末装置10の現在位置を測位する。そして、端末装置100は、案内情報に含まれる地図等の画像を液晶画面やエレクトロルミネッセンス、LED(Light Emitting Diode)画面等(以下、単に「画面」と記載する。)に表示すると共に、特定した現在地をその都度地図上に表示する。
【0016】
なお、端末装置100は、特定した現在地に応じて、左折や右折、使用する車線の変更、目的地への到着予定時間等を表示、若しくは、端末装置100や車両のスピーカー等から音声により出力してもよい。なお、端末装置100が実行する案内処理については、カーナビゲーションシステムや歩行者のナビゲーションシステム等、各種公知の案内処理に関する技術が適用可能であるものとして、詳細な説明を省略する。
【0017】
情報配信装置10は、端末装置100から案内情報の要求を受付けると、利用者の現在位置を出発地とし、利用者が入力した目的地までの経路の中から、様々な要素に基づいて提供する経路を選択する。そして、情報配信装置10は、特定した経路を示す案内情報を生成し、生成した案内情報を端末装置100へと配信する。
【0018】
ここで、出発地から目的地までの経路を特定する場合、渋滞が発生しているか否かといった情報や、出発地から目的地まで要する時間等に応じて、提供対象とする経路を選択する技術が考えられる。また、従来技術として、利用者が普段走行している経路を優先的に提供する技術が知られている。しかしながら、このような手法では、利用者が快く思わない経路を提供し続ける恐れがある。
【0019】
例えば、地点Aから地点Bへと至る移動経路として、一般道路である経路Aおよび高速道路である経路Bが存在し、経路Bの方が所要時間が短いものとする。このような場合、利用者U10が地点Aを出発地とし、地点Bを目的地に設定した場合は、経路Bを示す経路情報が優先的に提供されるとも考えられる。しかしながら、利用者U10が高速で運転するのが苦手な場合、経路Bよりも経路Aを好む可能性が高い。また、例えば、高速運転を好む利用者に対し、トラクター等の農業用車両が頻繁に利用する経路を提供した場合、利用者の印象が悪化する可能性がある。
【0020】
〔2.実施形態に係る情報処理装置が実行する選択処理について〕
そこで、情報配信装置10は、以下の選択処理を実行する。例えば、情報配信装置10は、移動体の移動態様の特徴を示す特徴情報を取得する。そして、情報配信装置10は、特徴情報と、経路の特徴を示す経路情報との比較結果に基づいて、移動体に対して提供する経路を選択する。例えば、情報配信装置10は、利用者Uに対してカーナビゲーションに関するサービスを提供する場合、利用者Uの運転履歴から移動速度等といった利用者Uの運転態様の特徴を特定する。また、情報配信装置10は、経路の特徴として、その経路を介して移動した利用者Uの運転態様の特徴を特定する。
【0021】
そして、情報配信装置10は、利用者U10に対する案内処理を行う場合、運転態様の特徴が利用者U10と類似する利用者Uが多い経路を提供する。すなわち、情報配信装置10は、利用者Uの移動態様の特徴と、経路の特徴とのマッチング結果に応じた案内処理を実行する。
【0022】
以下、図を用いて、上述した選択処理を実現する情報配信装置10の機能構成及び作用効果の一例を説明する。なお、以下の説明では、移動体として、利用者Uが自動車、自動二輪車、自転車等の各種の車両を運転する際の運転態様の特徴を特徴情報とする処理の一例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下の説明において、利用者Uや利用者Uが操作する車両等は、それぞれ移動体と読み替えてもよく、端末装置100と読み替えてもよい。すなわち、以下に説明する選択処理は、任意の移動体に対して経路を提供する際に用いられるのであれば、任意の移動体に対して適用可能である。
【0023】
〔2−1.機能構成の一例〕
図2は、実施形態に係る情報処理装置が有する機能構成の一例を説明する図である。
図2に示すように、情報配信装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100との間で、質問や応答の送受信を行う。
【0024】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、選択処理や案内処理を実行するための各種データである特徴情報データベース31、経路情報データベース32、および案内情報データベース33を有する。以下、特徴情報データベース31、経路情報データベース32、および案内情報データベース33に登録される情報の一例を説明する。
【0025】
特徴情報データベース31には、利用者の運転態様の特徴を示す特徴情報が登録される。
図3は、実施形態に係る特徴情報データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図3に示す例では、特徴情報データベース31には、「特徴情報ID(Identifier)」、「取得元端末ID」、「移動情報」、および「特徴情報」といった情報が登録されている。なお、
図3に示す情報以外にも、利用者Uの移動態様を示す情報であれば、任意の情報が特徴情報データベース31に登録されていてよい。
【0026】
ここで、「特徴情報ID」は、特徴情報の識別子である。また、「取得元端末ID」とは、特徴情報と対応する利用者が利用する端末装置の識別子である。なお、「取得元端末ID」は、端末装置を利用する利用者の識別子、すなわち、特徴情報と対応する利用者を示す識別子であってもよい。また「移動情報」は、対応付けられた「取得元端末ID」が示す端末装置100が取得した移動情報であって、具体的には、端末装置100が所定の時間間隔で取得した端末装置100の位置を示す位置情報である。また、「特徴情報」とは、対応付けられた「取得元端末ID」が示す端末装置100を利用する利用者の運転態様の特徴を示す情報である。
【0027】
例えば、
図3に示す例では、特徴情報データベース31には、特徴情報ID「特徴情報#1」、取得元端末ID「端末装置#1」、移動情報「移動情報#1」、および特徴情報「速度:高速 速度分散:低・・・」が対応付けて登録されている。このような情報は、特徴情報ID「特徴情報#1」が示す特徴情報が、取得元端末ID「端末装置#1」が示す端末装置100によって取得された移動情報「移動情報#1」から特定された特徴情報であり、その内容が特徴情報「速度:高速 速度分散:低・・・」である旨を示す。より概念的には、特徴情報「速度:高速 速度分散:低・・・」は、対応付けられた取得元端末ID「端末装置#1」が示す端末装置100を利用する利用者Uについて、運転速度が高速であり、運転速度の分散が低い(すなわち、高速の一定速度で移動する割合が多い)旨を示す。
【0028】
なお、
図3に示す例では、「移動情報#1」および「端末装置#1」といった概念的な値を記載したが、実際には、特徴情報データベース31には、特徴情報や端末装置100を識別するための文字列や数値が格納されることとなる。また、特徴情報データベース31には、例えば、「移動情報#1」として、端末装置100が所定の時間間隔で取得した端末装置100の位置を示す位置情報と、位置情報を取得した日時を示す日時情報との組が登録されることとなる。
【0029】
図2に戻り、説明を続ける。経路情報データベース32には、案内において用いられる各経路の特徴を示す経路情報が登録される。
図4は、実施形態に係る経路情報データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図4に示す例では、経路情報データベース32には、「経路情報ID」、「移動経路情報」、「経路情報」、および「要注意情報」といった情報が登録されている。なお、
図4に示す情報以外にも、経路に関する情報であれば、任意の情報が経路情報データベース32に登録されていてよい。
【0030】
ここで、「経路情報ID」は、経路情報の識別子である。また、「移動経路情報」とは、対応する経路情報と対応する経路を示す情報である。また、「経路情報」とは、対応付けられた経路の特徴を示す経路情報であり、例えば、経路を利用する利用者がどのような特徴を有する利用者であるかを示す情報である。また、「要注意情報」とは、対応付けられた「移動経路情報」が示す経路が、事故が多発する等の注意すべき経路であるか否かを示す情報である。
【0031】
例えば、
図4に示す例では、経路情報データベース31には、経路情報ID「経路情報#1」、移動経路情報「経路A」、経路情報「速度:高速 速度分散:低・・・」、および要注意情報「0」が対応付けて登録されている。このような情報は、経路情報ID「経路情報#1」が示す経路が移動経路情報「経路A」であり、かかる「経路A」の経路情報が経路情報「速度:高速 速度分散:低・・・」である旨を示す。また、要注意情報「0」は、「経路A」が注意すべき経路ではない旨を示す。
【0032】
なお、
図4に示す例では、「経路情報#1」および「経路A」といった概念的な値を記載したが、実際には、経路情報データベース32には、経路を識別するための文字列や数値、および、経路を示す各種の情報が格納されることとなる。
【0033】
図2に戻り、説明を続ける。案内情報データベース33には、案内処理を行う際に用いる各種のデータが登録される。例えば、案内情報データベース33には、一般道路や高速道路等の車道等、車両が通行可能な経路を示す移動経路情報が登録されている。より具体的には、案内情報データベース33には、ある地点からある地点までの車道を示すデータであって、グラフ構造を構成するデータ、すなわち、ポリラインの集合を含むデータや、案内処理において出力される地図データ、音声データ等が格納されている。なお、案内情報データベース33に登録されるデータは、公知の案内処理に用いられる各種のデータが採用可能であるものとする。
【0034】
制御部40は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報配信装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが、RAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図2に示す例では、制御部40は、取得部41、生成部42、設定部43、選択部44、および提供部45(以下、総称して各処理部41〜45と記載する場合がある。)を有する。
【0035】
なお、制御部40が有する各処理部41〜45の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。また、各処理部41〜45は、以下に説明するような選択処理および案内処理の機能・作用(例えば
図1)を実現・実行するものであるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。すなわち、以下の選択処理および案内処理の機能・作用を実現・実行することができるのであれば、情報配信装置10は、任意の機能単位で選択処理および案内処理を実現・実行して良い。
【0036】
〔2−2.情報配信装置が実行する処理の作用効果の一例〕
以下、
図5〜
図7に示すフローチャートを用いて、各処理部41〜45が実行・実現する選択処理の内容について説明する。
図5は、実施形態に係る情報配信装置が実行する特徴情報を取得する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6は、実施形態に係る情報配信装置が実行する経路情報を取得する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7は、実施形態に係る情報配信装置が実行する選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0037】
〔2−3.特徴情報を取得する処理における作用効果の一例〕
まず、
図5を用いて、特徴情報を取得する処理の流れの一例について説明する。例えば、取得部41は、移動情報を各端末装置100から収集する(ステップS101)。例えば、
図1に示す例では、取得部41は、利用者Uが利用する各端末装置100から、所定の時間間隔で移動情報を取得する。より具体的には、取得部41は、利用者の移動速度や移動速度の分散などを移動態様の特徴として特定する(ステップS102)。
【0038】
例えば、取得部41は、端末装置101〜104から、利用者U01〜U04の全走行履歴を移動情報として取得する(
図1中ステップS1)。また、取得部41は、利用者U10の端末装置110からも移動情報を取得する(
図1中ステップS2)。そして、取得部41は、移動情報に基づいて、利用者の移動態様の特徴を示す特徴情報を取得する(
図1中ステップS3)。
【0039】
例えば、取得部41が各端末装置100から収集した移動情報には、端末装置100が所定の時間間隔で取得した位置情報や位置情報を取得した日時等が含まれており、このような位置情報からは、利用者Uがどの道をどの程度の移動速度で移動したかを特定することができる。取得部41は、収集した移動情報から、各利用者Uがどの経路をどのような移動速度で移動したかを特定する。例えば、取得部41は、利用者Uから取得した移動情報から、各時刻における利用者Uの移動速度を算出し、算出した移動速度から利用者Uの平均的な移動速度を算出する。そして、取得部41は、算出した移動速度が所定の閾値を超える場合は、利用者Uの特徴情報として「速度:高速」を特定し、所定の閾値を下回る場合は、利用者Uの特徴情報として「速度:低速」を特定する。
【0040】
ここで、移動速度の分散(標準偏差)が高い場合は、利用者Uが様々な速度で移動していることとなり、移動速度の分散が低い場合は、利用者Uが比較的一定の速度で移動していることとなる。このため、移動速度の分散は、利用者Uが高速道路を良く利用してるか否か、安全運転を行っているか否か、環境に優しい運転(いわゆるエコドライブ)を行っているか否か等、運転態様の指標となりうる。そこで、取得部41は、各時刻における利用者Uの移動速度の分散を算出し、算出した分散を特徴情報とする。例えば、取得部41は、利用者Uの分散の値が第1の閾値よりも低い場合には、特徴情報として「速度分散:低い」を特定し、利用者Uの分散の値が第1の閾値よりも高く、第2の閾値よりも低い場合には、特徴情報として「速度分散:中」を特定し、利用者Uの分散の値が第2の閾値よりも高い場合には、特徴情報として「速度分散:高い」を特定する。
【0041】
なお、取得部41は、移動情報に含まれる位置情報から、利用者Uが蛇行運転をしているか否か、利用者Uが頻繁に車線変更を行っているか否か、急な加減速を行っているか等、各種の運転態様の特徴を推定し、推定した特徴を特徴情報として特徴情報データベース31に登録してもよい。このように、取得部41は、利用者Uの移動情報に基づいて、利用者Uによる移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を取得する。そして、取得部41は、移動情報と、取得元の端末装置100を示す取得元端末IDと移動態様の特徴を示す特徴情報とを特徴情報データベース31に登録し(ステップS103)、処理を終了する。
【0042】
〔2−4.経路情報を取得する処理における作用効果の一例〕
次に、
図6を用いて、経路情報を取得する処理の流れの一例について説明する。まず、生成部42は、処理対象となる経路を走行した利用者の移動情報を抽出する(ステップS201)。そして、生成部42は、抽出した移動情報から、平均的な移動速度や移動速度の分散等を経路の特徴として特定する(ステップS202)。すなわち、生成部42は、複数の利用者Uが経路を移動した際の移動態様に基づいて、各経路における各利用者Uの移動態様の特徴を示す経路情報を生成する(
図1中ステップS4)。
【0043】
例えば、生成部42は、経路情報の生成対象となる経路を選択する。例えば、生成部42は、案内情報を参照し、案内情報が示す経路の中から経路情報の生成対象として経路Aを選択する。このような場合、生成部42は、特徴情報データベース31を参照し、経路Aを介して移動した旨を示す移動履歴と対応付けられた特徴情報を抽出する。例えば、生成部42は、利用者U01、U02の端末装置101、102が取得した特徴情報を抽出する。
【0044】
そして、生成部42は、抽出した特徴情報に基づいて、経路における各利用者Uの移動態様の特徴を示す情報、すなわち、経路の特徴を示す経路情報を生成し、経路情報データベース32に登録する(ステップS203)。例えば、生成部42は、経路Aを介して移動した旨を示す移動情報を特徴情報データベース31から読み出す。より具体的には、生成部42は、移動情報として取得した位置情報に基づいて、経路Aを介して移動した際の移動情報を読み出す。
【0045】
また、生成部42は、取得部41と同様に、読み出した移動情報から経路Aを移動する際の移動速度を算出する。そして、生成部42は、経路Aを移動する際の各利用者Uの平均的な移動速度を算出し、算出した移動速度を示す経路情報(例えば「速度:高速」)を生成する。また、生成部42は、経路Aを移動する際の各利用者Uの移動速度の分散を算出し、算出した分散を示す経路情報(例えば、「速度分散:低」)を生成する。そして、生成部42は、生成した経路情報を、経路Aを示す移動経路情報とともに、経路情報データベース32に登録する。なお、生成部42は、移動速度や分散以外にも、経路Aを移動する際の各利用者Uの移動態様を示す経路情報を生成し、登録してもよい。
【0046】
また、生成部42は、読み出した移動情報から経路Bを移動する際の移動速度を算出する。そして、生成部42は、経路Bを移動する際の各利用者Uの平均的な移動速度を算出し、算出した移動速度を示す経路情報(例えば「速度:中速」)を生成する。また、生成部42は、経路Bを移動する際の各利用者Uの移動速度の分散を算出し、算出した分散を示す経路情報(例えば、「速度分散:高い」)を生成する。そして、生成部42は、生成した経路情報を、経路Bを示す移動経路情報とともに、経路情報データベース32に登録する。
【0047】
続いて、設定部43は、分散に基づく経路の特徴を設定する(ステップS204)。例えば、設定部43は、経路Aにおける移動速度の分散が所定の閾値を超える場合は、経路Aを注意が必要な区間に設定する。例えば、経路Aにおける移動速度の分散の値が所定の閾値を下回る場合、その経路Aにおいては、各利用者Uがほぼ同一の速度で移動していると推定される。そこで、設定部43は、経路Aにおける移動速度の分散の値が所定の閾値を下回る場合は、要注意情報「0」を経路Aの経路情報と対応付けて経路情報データベース32に登録する。
【0048】
一方、経路Bにおける移動速度の分散の値が所定の閾値を上回る場合、その経路Bにおいては、各利用者Uが様々な速度で移動していると推定される。このように、各利用者Uが様々な速度で移動している場合、経路Bは、運転がし辛い道路であると予測される。そこで、設定部43は、経路Bにおける移動速度の分散の値が所定の閾値以上となる場合は、要注意情報「1」を経路Bの経路情報と対応付けて経路情報データベース32に登録する。このような要注意情報は、案内処理において経路Aや経路Bを各利用者Uに提供する際に、注意喚起を行うか否かの指標として用いられる。
【0049】
〔2−5.選択処理における作用効果の一例〕
次に、
図7を用いて、選択処理の流れの一例について説明する。まず、選択部44は、案内要求を受付けた場合は、目的地までの経路候補を抽出する(ステップS301)。例えば、選択部44は、端末装置110から出発地である地点Aと目的地である地点Bとを示す移動情報を取得する(
図1中ステップS5)。このような場合、選択部44は、利用者U10の移動態様の特徴を示す特徴情報と、地点Aから地点Bへと至る経路Aや経路Bの経路情報との比較結果に基づいて、利用者U10に対して提供する経路を選択する(ステップS6)。
【0050】
例えば、選択部44は、案内情報データベース33に登録された情報を参照し、地点Aから地点Bへと至る経路として、経路Aや経路Bを経路候補として特定する。このような場合、選択部44は、利用者U10の特徴情報を特徴情報データベース31から読み出すとともに、経路候補である経路Aや経路Bの経路情報を経路情報データベース32から読み出す(ステップS302)。
【0051】
そして、選択部44は、読み出した特徴情報が示す特徴と一致する経路情報に対応する経路候補を、提供する経路として選択する(ステップS303)。すなわち、選択部44は、利用者U10の平均的な移動速度や移動速度の分散等、移動態様の特徴が有する傾向と、生成部42により生成された経路情報が示す特徴が有する傾向とに基づいて、利用者U10に対して提供する経路を選択する。そして、選択部44は、特徴情報が示す移動態様の特徴と、経路情報が示す特徴とが共通する場合は、その経路情報と対応する経路を選択対象とする。
【0052】
ここで、経路情報は、ある経路を移動する様々な利用者Uの平均的な移動態様を示す情報である。このため、選択部44は、経路情報として、利用者U10とは異なる利用者U01〜U04の経路A、経路Bにおける移動態様の特徴を示す経路情報と、利用者U10の特徴情報との比較結果に基づいて、利用者U10に対して提供する経路を選択することとなる。すなわち、選択部44は、利用者U10と移動態様が類似する利用者Uが多い経路を提供対象として選択することとなる。
【0053】
例えば、利用者U10の平均的な移動速度が高速であるにも関わらず、多くの利用者が低速で走行する経路を提供した場合、運転中に利用者U10のフラストレーションが増大する恐れがある。逆に、利用者U10の平均的な移動速度が低速であるにも関わらず、高速道路等、多くの利用者が高速で走行する経路を提供した場合、利用者U10が安心して運転を行うことができない恐れがある。そこで、選択部44は、利用者U10が運転する際における移動速度の特徴を示す特徴情報と、経路候補を利用者U01〜U04が運転する際における移動速度の特徴を示す経路情報とを比較する。
【0054】
そして、選択部44は、利用者U10が運転する際における移動速度の特徴を示す特徴情報と、利用者U01〜U04が経路候補において運転する際における移動速度の特徴を示す経路情報とが共通する場合は、その経路を提供する経路として選択する。すなわち、選択部44は、利用者U10の平均的な移動速度と、利用者U01〜U04が経路候補において運転する際における移動速度との差が所定の範囲内に収まる場合は、その経路候補を提供対象とする。すなわち、選択部44は、利用者U10がストレスなく走行できる経路を優先的に選択する。
【0055】
ここで、利用者U10の平均的な移動速度が比較的高速であっても、法定速度よりも遅い場合、利用者U10は、他の車が高速で移動する経路を好まないとも推定される。例えば、このような利用者U10は、高速道路を頻繁に利用するものの、法定速度を超えてまで高速で移動したいとは考えていないと推定される。そこで、選択部44は、移動速度が所定の範囲内である旨を特徴情報が示し、かつ、移動速度が所定の範囲内である旨を経路情報が示す場合は、その経路情報と対応する経路を利用者U10に提供する経路として選択してもよい。一方、選択部44は、移動速度が所定の範囲内である旨を特徴情報が示し、かつ、移動速度が所定の範囲外である旨を経路情報が示す場合は、その経路情報と対応する経路を選択対象から除外してもよい。
【0056】
例えば、選択部44は、利用者U10の平均的な移動速度と、経路Aを移動する際の利用者U01、U02の平均的な移動速度が所定の範囲内に収まり、かつ、各移動速度が法定速度以下である場合に、経路Aを提供対象として選択してもよい。一方、選択部44は、経路Aを移動する際の利用者U01、U02の平均的な移動速度が法定速度以上である場合は、利用者U10の平均的な移動速度と、経路Aを移動する際の利用者U01、U02の平均的な移動速度が所定の範囲内に収まるとしても、経路Aを提供対象から除外してもよい。
【0057】
また、ある経路において、速度の分散が大きい場合には、各車両が様々な速度で走行していると考えられ、このような経路は、危険な運転が多い経路であるとも推定される。そこで、選択部44は、経路情報が示す移動速度の分散に基づいて、提供する経路を選択してもよい。例えば、選択部44は、利用者U01〜U02が経路Aにおいて運転する際における移動速度の分散に基づいて、経路Aを提供するか否かを判定してもよい。
【0058】
例えば、選択部44は、利用者U10とは異なる利用者U01、U02が経路Aにおいて運転する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低く、かつ、利用者U10が運転する際における移動速度と、利用者U01、U02が経路Aにおいて運転する際における移動速度とが所定の範囲内に収まる場合は、経路Aを提供する経路として選択してもよい。一方、選択部44は、利用者U10とは異なる利用者U01、U02が経路Aにおいて運転する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも高い場合は、経路Aを選択候補から除外してもよい。
【0059】
また、利用者U10の速度の分散が小さい場合には、利用者U10は、一定の速度で移動したい、または、エコドライブを行いたい利用者Uであるとも考えられる。そこで、選択部44は、利用者U01〜U04が経路Aにおいて運転する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低く、かつ、利用者U10が運転する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低い場合は、経路Aを提供する経路として選択してもよい。例えば、選択部44は、利用者U10の特徴情報に「速度分散:低」が含まれており、経路Aの経路情報に「速度分散:低」が含まれている場合は、利用者U10の移動速度と経路Aにおける平均的な移動速度とが異なる場合であっても、経路Aを選択候補としてもよい。
【0060】
なお、選択部44は、利用者U10が運転する際における移動速度の分散と、利用者U01〜U04が経路候補において運転する際における移動速度の分散とが共通する場合は、その経路候補を提供する経路として選択してもよい。例えば、選択部44は、経路Aにおける移動速度の分散が高い場合であっても、利用者U01の移動速度の分散が高い場合には、経路Aを選択候補としてもよい。
【0061】
以下、選択部44が実行する処理の一例について説明する。例えば、選択部44は、利用者U10の特徴情報「速度:高速 速度分布:低」、経路候補である経路Aの経路情報「速度:高速 速度分布:低」、および経路候補である経路Bの経路情報「速度:中速 速度分布:高」を読み出す。そして、選択部44は、読み出した利用者U10の特徴情報と、経路Aおよび経路Bの経路情報とを比較する。
【0062】
ここで、利用者U10の特徴情報「速度:高速 速度分布:低」と経路候補である経路Aの経路情報「速度:高速 速度分布:低」とは、特徴が一致し、利用者U10の特徴情報「速度:高速 速度分布:低」と経路候補である経路Bの経路情報「速度:中速 速度分布:高」とは、特徴が一致しない。このような場合、経路Aは、利用者U10の移動態様にあった経路であり、経路Bは、利用者U10の移動態様に合わない経路であると考えられる。より具体的には、経路Aは、移動態様の傾向が利用者U10と類似する利用者Uが比較的多く利用していると考えられる。そこで、選択部44は、経路候補である経路Aと経路Bとのうち、経路Aを利用者U10に提供する経路として選択する。
【0063】
なお、選択部44は、移動速度や移動速度の分布等、移動態様の種別ごとに経路候補の経路情報と利用者Uの特徴情報とを比較し、比較結果に応じたコストを算出する。そして、選択部44は、経路候補のうち算出されたコストが最も高い経路候補を提供する経路として選択してもよい。すなわち、選択部44は、利用者U10の移動態様と各経路における各利用者U01〜04の移動態様とが共通するか否かに応じて、利用者U10に提供する経路を選択するのであれば、任意の種別の移動態様の比較を行ってもよく、任意の選択手法で経路の選択を行ってよい。
【0064】
また、選択部44は、経路における平均的な移動速度と、利用者Uの平均的な移動速度とが所定の範囲内に収まるように経路を選択するのであれば、上述した処理以外にも、任意の処理により経路の選択を行ってよい。また、選択部44は、経路における平均的な移動速度と、利用者Uの平均的な移動速度との差に応じたスコアを算出し、算出したスコアに応じて経路の選択を行ってもよい。
【0065】
続いて、提供部45は、選択部44によって選択された経路を利用者に対して提供する(ステップS304)。例えば、提供部45は、選択部44によって選択された経路を示す案内情報を生成し、生成した案内情報を端末装置100に提供することで(
図1中ステップS7)、選択された経路を利用者に提供する。この結果、情報配信装置10は、利用者U10の運転態様にあった経路を提供することができる。なお、提供部45は、例えば、経路B等の要注意情報が設定された経路を提供する場合、事故が多発する経路である旨等、注意を要する旨のメッセージを案内情報として提供してもよい。
〔3.変形例〕
上述した実施形態に係る情報配信装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の情報配信装置10の他の実施形態について説明する。
【0066】
〔3−1.時間帯ごとの選択について〕
例えば、各経路を運転する利用者Uの傾向は、時間帯によって異なるとも考えられる。そこで、情報配信装置10は、所定の時間帯において複数の利用者Uが所定の経路を移動した際の移動態様に基づいて、所定の時間帯における所定の経路の経路情報を生成する。そして、情報配信装置10は、利用者Uの特徴情報と、その利用者Uが経路を移動する際の時間帯における経路情報とを比較し、比較結果に応じて経路の選択を行ってもよい。
【0067】
例えば、情報配信装置10は、経路Aを午前中に移動した利用者Uの移動情報や特徴情報から、経路Aの午前中における経路情報を生成し、経路Aを午後に移動した利用者Uの移動情報や特徴情報から、経路Aの午後における経路情報を生成する。そして、例えば、情報配信装置10は、午前中に案内情報の要求を受付けた場合や、移動開始時刻が午前中となる案内情報の要求を受付けた場合は、利用者U10の特徴情報と、経路Aの午前中における経路情報とを比較し、比較結果に応じて、経路Aを選択対象とするか否かを判定してもよい。なお、情報配信装置10は、日時や曜日ごとに経路情報を生成し、利用者Uの特徴情報と比較してもよい。
【0068】
〔3−2.車線ごとの選択について〕
ここで、情報配信装置10は、経路として、利用者Uが運転を行う際に提供する道路を車線ごとに選択してもよい。例えば、情報配信装置10は、端末装置100から取得した移動情報から、利用者Uが移動する経路を車線単位で特定できる場合は、車線単位で経路情報を生成し、生成した経路情報と利用者Uの特徴情報から、車線単位で提供する経路を選択してもよい。例えば、情報配信装置10は、ゆっくり走る利用者Uに対しては、高速道路やバイパス等の走行車線を提供し、高速で走る利用者Uに対しては、追い越し車線を提供してもよい。
【0069】
ここで、ある経路における移動速度の分散が大きい場合、案内情報には登録がなされていないものの、その経路に複数の車線が存在する可能性がある。そこで、情報配信装置10は、移動速度の分散が所定の閾値よりも多い場合には、移動速度の分布を生成し、生成した分布に複数の極大値が含まれているか否かを判定する。そして、情報配信装置10は、移動速度の分布に複数の極大値が含まれる場合は、処理対象となる路線の複数の車両が含まれると判定する。さらに、情報配信装置10は、各極大値に対応する移動速度を特定し、特定した移動速度を各車線の平均的な移動速度、すなわち、経路情報として設定する。そして、情報配信装置10は、設定された各車線の経路情報を用いて、提供する経路の選択を行ってもよい。
【0070】
なお、情報配信装置10は、各極大値に対応する移動速度を各車線の平均的な移動速度として特定するとともに、特定した移動速度を基準とする移動速度の分散を車線ごとに算出し、算出した分散を経路情報としてもよい。このような処理により、情報配信装置10は、利用者Uがストレスなく移動できる経路を車線ごとに提供することができる。
【0071】
〔3−3.経路情報について〕
また、情報配信装置10は、移動速度や速度分布以外にも、例えば、経路の混み具合、経路における各利用者Uの運転の仕方等、任意の情報を経路情報として生成し、生成した各種の経路情報を用いて、利用者Uの移動態様にあった経路を選択してよい。また、情報配信装置10は、平均的な移動速度の値そのものを経路情報とし、利用者Uの平均的な移動速度との差が所定の範囲内に収まるか否かに応じて、利用者Uと経路とのマッチングを行ってもよい。
【0072】
〔3−4.特徴情報について〕
上述した例では、情報配信装置10は、端末装置100から取得した移動情報に基づいて、利用者Uの移動態様の特徴を特定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報配信装置10は、SNS(Social Networking Service)に投稿した運転に関する内容の情報等、利用者Uがネットワーク上に投稿した情報の内容から、利用者U01の移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を生成してもよい。例えば、情報配信装置10は、「遅い車が嫌い」等といった内容の情報を利用者U10が投稿していた場合は、利用者U10の平均的な移動速度が「高速」であるものと推定し、特徴情報の生成を行ってもよい。
【0073】
また、例えば、情報配信装置10は、利用者Uの各種属性に基づいて、移動態様の特徴を推定してもよい。例えば、情報配信装置10は、利用者Uが30代の男性である場合は、移動速度が「高速」であると推定し、利用者Uが60代の女性である場合は、移動速度が「低速」であると推定してもよい。
【0074】
また、情報配信装置10は、利用者Uの運転に関する属性に応じて、移動態様の特徴を推定してもよい。例えば、情報配信装置10は、利用者Uが免許を取得してからどれくらいの期間が経過したか、交通違反を行ったか否か、利用者Uが優良運転者であるか否か、利用者Uの運転に関する各種の情報に基づいて、利用者Uの移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を生成してもよい。また、情報配信装置10は、利用者Uの運転する車両、すなわち、移動体に関する属性に応じて、移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を生成してもよい。例えば、情報配信装置10は、利用者Uが優良運転者であり、排気量が大きい車両を運転している場合は、利用者Uの移動速度が速く、移動速度の分散が低いと推定してもよい。
【0075】
〔3−5.案内処理について〕
上述した例では、情報配信装置10は、車両の運転時に経路を提供する案内処理を実行した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報配信装置10は、徒歩での移動経路を提供するナビゲーションサービスや、列車の経路検索サービス等に上述した選択処理を適用してもよい。例えば、情報配信装置10は、歩行速度が速い利用者Uに対しては、平均的な歩行速度が高い歩道を提供し、歩行速度が遅い利用者Uに対しては、平均的な歩行速度が遅い歩道を提供してもよい。
【0076】
また、情報配信装置10は、利用者Uがビジネスマンである場合は、歩行速度が速いと推定し、平均的な歩行速度が高い歩道を提供してもよい。また、情報配信装置10は、利用者Uが老人である場合やベビーカーを所有する利用者、子供などである場合は、平均的な歩行速度が遅いと推定し、平均的な歩行速度が遅い歩道を提供してもよい。また、情報配信装置10は、利用者Uがランナーであると推定または特定が可能な場合は、ランナーが多い移動経路を提供してもよい。
【0077】
また、情報配信装置10は、宅配ロボットや自動運転システム等に対して経路を提供する場合に、上述した選択処理を実行してもよい。例えば、情報配信装置10は、荷物の量が多い自動運転車両に対しては、平均的な移動速度が遅い経路の経路情報を優先的に提供し、荷物を全て配送し終わった自動運転車両に対しては、平均的な移動速度が速い経路の経路情報を優先的に提供してもよい。すなわち、情報配信装置10は、任意の移動体に対し、その移動体の移動態様の特徴に応じて、適切な経路を提供すればよい。
【0078】
〔3−6.経路について〕
なお、情報配信装置10は、任意の区間を経路として設定可能である。すなわち、情報配信装置10は、地点Aや地点Bとして、任意の位置を設定してよい。例えば、情報配信装置10は、所定の交差点から他の交差点の間を経路として設定してもよく、任意のある地点からある地点までの区間を経路として設定してもよい。また、情報配信装置10は、案内処理において用いられる経路の単位に基づいて、移動経路とする範囲を設定してもよい。例えば、案内情報データベース32には、交差点や高速道路の入り口、インターチェンジ等、移動の分岐となる分岐点をノードとし、分岐点と分岐点とを結ぶ道路や車線をリンクとするデータが含まれる場合がある。このような場合、情報配信装置10は、あるノードと対応する分岐点から他のノードと対応する分岐点までの経路ごとに経路情報を生成してもよい。すなわち、情報配信装置10は、所定の出発地から所定の目的地まで、利用者が移動した経路を移動経路とするのであれば、任意の区間を移動経路に設定して良い。
【0079】
また、情報配信装置10は、出発地から目的地へと至る複数の経路がそれぞれ複数の区画によって構成され、各区画ごとに経路情報を設定されている場合、経路を構成する各区画ごとに利用者Uの特徴情報との一致度を示すスコアを算出し、算出したスコアの合計が最も多い経路を提供してもよい。
【0080】
〔3−7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0081】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0082】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0083】
〔3−8.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報配信装置10は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0084】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0085】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0086】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0087】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0088】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0089】
例えば、コンピュータ1000が情報配信装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
【0090】
〔4.効果〕
上述したように、情報配信装置10は、移動体の移動態様の特徴を示す特徴情報を取得する。そして、情報配信装置10は、特徴情報と、経路の特徴を示す経路情報との比較結果に基づいて、移動体に対して提供する経路を選択する。このため、情報配信装置10は、例えば、利用者U10と同じ移動態様の利用者U01、U02が利用する経路Aを優先的に提供することができるので、利用者U10が気に入るような経路の選択精度を向上させることができる。
【0091】
また、情報配信装置10は、特徴情報が示す移動態様の特徴が有する傾向と、経路情報が示す特徴が有する傾向とに基づいて、移動体に対して提供する経路を選択する。そして、情報配信装置10は、特徴情報が示す移動態様の特徴と、経路情報が示す特徴とが共通する場合は、その経路情報と対応する経路を選択対象とする。また、情報配信装置10は、経路情報として、移動体とは異なる移動体の経路における移動態様の特徴を示す経路情報と、特徴情報との比較結果に基づいて、移動体に対して提供する経路を選択する。このため、情報配信装置10は、利用者U10に対して、移動態様の傾向が類似する利用者U01、U02が利用する経路を提供することができる。
【0092】
また、情報配信装置10は、経路として、移動体が移動する車線を選択する。このため、情報配信装置10は、車線単位での案内処理を実現することができる。
【0093】
また、情報配信装置10は、複数の移動体が経路を移動した際の移動態様に基づいて、その経路の経路情報を生成する。そして、情報配信装置10は、特徴情報と、生成された経路情報とを比較する。このため、情報配信装置10は、実際の移動態様に基づいて、移動体が移動しやすい経路を提供することができる。
【0094】
また、情報配信装置10は、所定の時間帯において複数の移動体が経路を移動した際の移動態様に基づいて、所定の時間帯における経路情報を生成する。そして、情報配信装置10は、特徴情報と、移動体が経路を移動する際の時間帯における経路情報とを比較する。このため、情報配信装置10は、時間帯ごとに適切な経路を提供することができる。
【0095】
また、情報配信装置10は、移動体が移動する際における移動速度の特徴を示す特徴情報と、移動体とは異なる移動体が経路において移動する際における移動速度の特徴を示す経路情報とが共通する場合は、その経路を提供する経路として選択する。このため、情報配信装置10は、例えば、利用者U10に対して移動速度が類似する他の利用者U01、U02が利用する経路を提供できるので、利用者U10が移動しやすい経路を提供することができる。
【0096】
また、例えば、情報配信装置10は、移動速度が所定の範囲内である旨を特徴情報が示し、かつ、移動速度が所定の範囲外である旨を経路情報が示す場合は、経路情報と対応する経路を選択対象から除外する。このため、情報配信装置10は、ゆっくり移動する移動体に対し、平均的な移動速度が速い経路の提供を防ぐことができる。
【0097】
また、情報配信装置10は、ある移動体とは異なる移動体が経路において移動する際における移動速度の分散に基づいて、その経路を提供するか否かを判定する。このため、情報配信装置10は、経路の選択精度をより向上させることができる。
【0098】
また、情報配信装置10は、例えば、利用者U10とは異なる利用者U01、U02が経路において移動する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低く、かつ、利用者U10が移動する際における移動速度と、利用者U01、U02が経路において移動する際における移動速度とが所定の範囲内に収まる場合は、その経路を提供する経路として選択する。また、情報配信装置10は、例えば、利用者U10とは異なる利用者U01、U02が経路において移動する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低く、かつ、利用者U10が移動する際における移動速度の分散の値が所定の閾値よりも低い場合は、その経路を提供する経路として選択する。このため、情報配信装置10は、利用者U10が落ち着いて運転できる経路を提供することができる。
【0099】
また、情報配信装置10は、経路における移動速度の分散が所定の閾値を超える場合は、その経路を注意が必要な区間に設定する。このため、情報配信装置10は、事故が生じやすい経路や運転が粗い経路等、注意すべき経路を精度良く特定することができる。
【0100】
また、情報配信装置10は、複数の車線を含む経路における移動速度の分布に複数の極大値が含まれる場合は、各極大値に対応する移動速度に基づいて、各車線の移動速度を設定する。そして、情報配信装置10は、設定された各車線の移動速度をその車線の経路情報として、移動体に対して提供する経路を選択する。このため、情報配信装置10は、車線単位で、利用者U10が落ち着いて運転できる経路を提供できる。
【0101】
また、情報配信装置10は、移動体の移動履歴に基づいて、その移動体による移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を取得する。このため、情報配信装置10は、実際の移動態様に基づいて、経路の選択を行うことができる。
【0102】
また、情報配信装置10は、移動体を操作する利用者や移動する利用者等、移動体と関連するがネットワーク上に投稿した情報の内容から、移動体による移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を取得する。このため、情報配信装置10は、移動体の移動履歴が取得できない場合にも、適切な経路の選択を行うことができる。
【0103】
また、情報配信装置10は、移動体の属性または移動体と関連する利用者の属性に基づいて、移動体による移動態様の特徴を推定し、推定した特徴を示す特徴情報を取得する。このため、情報配信装置10は、経路の選択精度をより向上させることができる。
【0104】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0105】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、選択部は、選択手段や選択回路に読み替えることができる。