特許第6898295号(P6898295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6898295
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】成形機の樹脂溶融用加熱シリンダ
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/18 20060101AFI20210628BHJP
   B29C 48/285 20190101ALI20210628BHJP
   B29C 31/00 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   B29C45/18
   B29C48/285
   B29C31/00
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-243975(P2018-243975)
(22)【出願日】2018年12月27日
(65)【公開番号】特開2020-104353(P2020-104353A)
(43)【公開日】2020年7月9日
【審査請求日】2020年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】関口 彰太朗
【審査官】 ▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−135725(JP,A)
【文献】 特開平11−138587(JP,A)
【文献】 特開2003−053811(JP,A)
【文献】 特開2008−162093(JP,A)
【文献】 実開昭58−045233(JP,U)
【文献】 特開2000−263608(JP,A)
【文献】 特開2010−115851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 − 45/84
B29C 31/00 − 31/10
B29C 48/00 − 48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機の樹脂溶融用の加熱シリンダであって、
前記加熱シリンダの内面から外面に貫通形成され、前記加熱シリンダの内部の樹脂流路に樹脂材料を投入するための樹脂投入路である樹脂投入口を備え、
前記樹脂投入口が、
平断面視で円形状、前記加熱シリンダの軸線に直交する縦断面視で一定の幅寸法の垂直形状で形成され、前記加熱シリンダの軸線中心の径方向外側の部分に設けられて前記加熱シリンダの外面に開口する上方投入路部と、
平断面視で四角形状又は長孔形状、前記加熱シリンダの軸線に直交する縦断面視で一定の幅寸法の垂直形状で形成され、前記加熱シリンダの軸線中心の径方向内側の部分に設けられて前記加熱シリンダの内面に開口し、前記加熱シリンダの上方から見た平面視で、円形状の前記上方投入路部の領域内に収まるように形成されている下方投入路部と、
前記上方投入路部の内面と前記下方投入路部の内面とを滑らかに繋ぐよう前記加熱シリンダの軸線に直交する縦断面視で中心の径方向外側から内側に向かうに従い、漸次平面積が小となるテーパー状に形成された中間投入路部とを備えて形成されている、成形機の樹脂溶融用加熱シリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形機の樹脂溶融用加熱シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、射出成形機の射出装置は、図14及び図15に示すように、外周に電気ヒータ等の加熱部(不図示)、射出方向に沿う軸線O1方向先端100aに射出ノズル1、後端100b側にホッパ等の材料供給部(不図示)がそれぞれ取り付けられ、且つ内部に同軸上にスクリュ2が配設される筒状の加熱シリンダ100を備えている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
また、加熱シリンダ100には、後端100b側に、外面から内面に貫通し、材料供給部から樹脂材料を加熱シリンダ100の内部に供給するための樹脂投入口3(樹脂投入路R1)が設けられている。さらに、ホッパ等の材料供給部と加熱シリンダ100の樹脂投入口3との接続部Sには、材料供給部から加熱シリンダ100に供給する途中で樹脂材料が溶融することを防止するため、水冷ジャケットなどの冷却部4が設けられ、冷却部4にも、加熱シリンダ100の樹脂投入口3と連通する樹脂投入口(3)が設けられている。
【0004】
図16から図18に示すように、加熱シリンダ100の樹脂投入路R1である樹脂投入口3は、一般に、上方からの平面視/平断面視で、円形状(図16)、長円形状(長孔形状:図17)、又は四角形状(四隅をR形状とした略四角形状を含む:図18)で形成され、加熱シリンダ100の軸線O1に直交する断面視で、一定の幅寸法(垂直形状)で形成されている。このようにシンプルな平面視形状、断面視形状、特に平面視で円形状にした場合には、樹脂投入口3の加工コストひいては加熱シリンダ100のコストを低く抑えることができ、さらに、清掃等のメンテナンスがしやすいという利点がある。
【0005】
なお、上記構成の加熱シリンダ100は、射出成形(射出成形機)に限らず、押出成形(押出成形機)などの他の成形機でも使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭59−118523号公報
【特許文献2】特開昭61−10418号公報
【特許文献3】特開2004−299131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記従来の加熱シリンダ100のように、樹脂投入口3の平面視形状を円形状、断面視形状を垂直にした場合には、清掃等のメンテナンス性能に優れる反面、加熱シリンダ100の内部の内径寸法(樹脂流路R2の径寸法)よりも大きな樹脂投入口3を設けることができない。このため、加熱シリンダ100の内径寸法によっては、十分に広い樹脂投入口3(樹脂投入路R1)の面積を確保できず、樹脂材料の供給・輸送性能の低下を招くという不都合が生じる。
【0008】
言い換えると、樹脂投入口3の形状が円形状の場合には、その大きさ、面積が加熱シリンダ100の内部の寸法に制約を受ける。このため、材料投入の負荷が生じやすく、これが樹脂材料の供給・輸送性能を低下させる一要因となっていた。
【0009】
ちなみに、広い樹脂投入路R1の面積が必要な場合に、例えば、樹脂投入口3の形状を円形状ではなく、長辺方向を軸線O1方向に向けた長円形状や、四角形状にすることが多い。
【0010】
また、水冷ジャケットなどの冷却部4の樹脂投入口(3)と加熱シリンダ100の樹脂投入口3の間に段差が生じると、樹脂材料の流通方向下流側が凸の段差の場合には、樹脂のブリッジが発生して計量が不安定になったり、樹脂が詰まるなどの不都合が生じる。下流側が凹の段差がある場合には、その段差部に樹脂やヤニが溜まって焼けや変色などの成形不良を招きやすくなる。さらに、作業者が手や掃除道具を樹脂投入路R1に挿入し、段差部に溜まった樹脂やヤニを掃除するメンテナンスの頻度が多くなるという不都合も生じる。
【0011】
このため、水冷ジャケットなどの冷却部4の樹脂投入口(3)は、加熱シリンダ100の樹脂投入口3と段差ができないように同じ形状とし、また、樹脂投入口3を加工する際のコストが低い円形状にすることが多い。
【0012】
したがって、樹脂投入口の平面視/平断面視形状を円形状にしつつ、高い材料供給・輸送性能と低コスト化、さらに良好なメンテナンス性能を実現する手段、手法が強く望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る一態様の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダは、前記加熱シリンダの内面から外面に貫通形成され、前記加熱シリンダの内部の樹脂流路に樹脂材料を投入するための樹脂投入路である樹脂投入口を備え、前記樹脂投入口が、平断面視で円形状、前記加熱シリンダの軸線に直交する縦断面視で一定の幅寸法の垂直形状で形成され、前記加熱シリンダの軸線中心の径方向外側の部分に設けられて前記加熱シリンダの外面に開口する上方投入路部と、平断面視で四角形状又は長孔形状、前記加熱シリンダの軸線に直交する縦断面視で一定の幅寸法の垂直形状又は前記径方向内側に向かうに従い漸次幅寸法が大又は小となるテーパー形状で形成され、前記加熱シリンダの軸線中心の径方向内側の部分に設けられて前記加熱シリンダの内面に開口する下方投入路部と、前記上方円投入路部の内面と前記下方投入路部の内面とを滑らかに繋ぐ中間投入路部とを備えて形成されている。
なお、上記の「四角形状」は「略四角形状」を含む。また、上記の「長孔形状」は「長円形状や、矩形形状、矩形形状の4つの角部をR加工した形状」を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る一態様によれば、樹脂投入口の平面視/平断面視形状を円形状にしつつ、高い材料供給・輸送性能と低コスト化、さらに良好なメンテナンス性能を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダを示す斜視図である。
図2】一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダを示す横断面視図である。
図3】一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダを示す平面視図である。
図4図2のX1−X1線矢視図であり、一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダを示す軸線に直交する縦断面視図である。
図5】一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの樹脂投入路及び樹脂流路を示す斜視図である。
図6】一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの変更例を示す斜視図である。
図7図6の樹脂溶融用加熱シリンダを示す横断面視図である。
図8図6の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダを示す平面視図である。
図9図7のX1−X1線矢視図であり、一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの変更例を示す軸線に直交する縦断面視図である。
図10図6の一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの樹脂投入路及び樹脂流路を示す斜視図である。
図11】一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの変更例を示す横断面視図である。
図12図11の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダを示す平面視図である。
図13図11のX1−X1線矢視図であり、一実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの変更例を示す軸線に直交する縦断面視図である。
図14】成形機の射出装置、樹脂溶融用加熱シリンダを示す横断面視図である。
図15】成形機の樹脂溶融用加熱シリンダを示す横断面視図である。
図16】成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの円形状の樹脂投入口を示す平面視図と縦断面視図である。
図17】成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの長孔形状の樹脂投入口を示す平面視図と縦断面視図である。
図18】成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの四角形状の樹脂投入口を示す平面視図と縦断面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1から図13図14を参照し、本発明の一実施形態に係る成形機の樹脂溶融用加熱シリンダについて説明する。
【0017】
ここで、本実施形態では、成形機が射出成形機、加熱用シリンダが射出装置に具備される加熱用シリンダであるものとして説明を行うが、成形機、加熱シリンダは、例えば、押出成形を行うための成形機、加熱シリンダであってもよく、特に、本発明は本実施形態の用途(射出成形)に限定して用いる必要はない。
【0018】
本実施形態の射出成形機の射出装置は、図14に示す射出装置と同様、外周に電気ヒータ等の加熱部(不図示)、軸線O1方向先端に射出ノズル1、後端側にホッパ等の材料供給部(不図示)がそれぞれ取り付けられ、且つその内部に同軸上にスクリュ2が配設される筒状の加熱シリンダAを備えて構成されている。
【0019】
加熱シリンダAには、図1に示すように、軸線O1方向後端側に、外面から内面に貫通し、材料供給部から樹脂材料を加熱シリンダAの内部の樹脂流路R2に供給するための樹脂投入口Bが設けられている。
なお、樹脂投入口Bは、材料供給部から投入された樹脂材料を加熱シリンダAの樹脂流路R2に給送する樹脂投入路R1を形成している。図1の符号5は射出ノズル1を接続するための雌ネジ孔を示している。
【0020】
加熱シリンダAには、図14に示す加熱シリンダ100と同様、加熱シリンダAの樹脂投入口Bとホッパ等の材料供給部との接続部Sに、加熱シリンダAの内部の樹脂流路R2に供給する前の樹脂材料が溶融することを防止するための水冷ジャケットなどの冷却部4が具備されている。そして、水冷ジャケットなどの冷却部4にも、加熱シリンダAの樹脂投入口Bと連通する樹脂投入口を設けて構成されている。
【0021】
一方、本実施形態の加熱シリンダAの樹脂投入口Bは、図2から図5に示すように、上方投入路部B1と、下方投入路部B2と、上方円投入路部B1の内面と下方投入路部B2の内面とを滑らかに繋ぐ中間投入路部B3とを備えて形成されている。
【0022】
上方投入路部B1は、平面視及び平断面視(図2参照)で円形状、且つ加熱シリンダAの軸線O1に直交する縦断面視(図4参照)で一定の幅寸法の垂直形状で形成され、すなわち、略円柱状に形成され、加熱シリンダAの外面に開口して加熱シリンダAの軸線O1中心の径方向外側の部分に設けられている。
【0023】
下方投入路部B2は、平面視及び平断面視(図2参照)で四角形状(略四角形状を含む)、加熱シリンダAの軸線O1に直交する縦断面視で一定の幅寸法の垂直形状で形成され、すなわち、略四角柱状に形成され、加熱シリンダAの内面に開口して加熱シリンダAの軸線O1中心の径方向内側の部分に設けられている。
なお、本実施形態の下方投入路部B2は四角形状の4つの角部を凸円弧面形状(R形状)として、平面視及び平断面視で略四角形状に形成されている。
【0024】
中間投入路部B3は、加熱シリンダAの軸線O1中心の径方向外側から内側に向かうに従い、すなわち、上方投入路部B1から下方投入路部B2に向かうに従い、漸次平面積が小となるテーパー状(傾斜面状)に形成され、上方円投入路部B1の内面と下方投入路部B2の内面とを滑らかに繋ぐように上方投入路部B1と下方投入路部B2の間の中間部分に設けられている。
【0025】
なお、中間投入路部B3と上方投入路部B1の接続部分、中間投入路部B3と下方投入路部B2の接続部分はそれぞれ、内面を凸円弧面状に加工(R加工)して、より滑らかに繋がるように形成することが好ましい。このような接続部分の内面のR加工は、例えば、エンドミル、放電加工など、適宜手段を用いることによって行えばよい。
【0026】
本実施形態の加熱シリンダAの樹脂投入口Bにおいては、図3図4図5に示すように、略四角柱状の下方投入路部B2の幅寸法が加熱シリンダAの内部の樹脂流路R2の直径D1と同等とされている。さらに、略円柱状の上方投入路部B1の直径D2が略四角柱状の下方投入路部B2の幅寸法、ひいては加熱シリンダAの内部の樹脂流路R2の直径D1よりも大とされている。
【0027】
これにより、本実施形態の加熱シリンダAの樹脂投入口Bでは、加熱シリンダAの上方から見た平面視(図3参照)で、四角形状の下方投入路部B2が円形状の上方投入路部B1の領域内に収まるように形成されている。また、本実施形態において、四角形状の下方投入路部B2は円形状の上方投入路部B1に4つの角部(R加工部)が接するように形成されている。
【0028】
言い換えれば、本実施形態の加熱シリンダAの樹脂投入口Bでは、下方投入路部B2の幅寸法L、ひいては加熱シリンダAの樹脂流路R2の直径D1の大きさに関わりなく、これら下方投入路部B2の幅寸法L及び加熱シリンダAの樹脂流路R2の直径D1以上の直径D2で上方投入路部B1が形成されている。
【0029】
水冷ジャケットなどの冷却部4の樹脂投入口(B)は、上方投入路部B1の直径D2と同形の平面視円形状で、縦断面視で加熱シリンダの径方向外側の円形部と同径の平面視(平断面視)で円形状、縦断面視で垂直形状として形成されている。そして、冷却部4は、上方投入路部B1と互いの樹脂投入口R1の内面同士を滑らかに繋がるように面一にして、すなわち、段差が生じないようにして樹脂投入路R1同士を連通させ、加熱シリンダAに取り付けられている。
【0030】
ここで、下方投入路部B2は、四角形状に限らず、例えば、図7から図10に示すように、平面視で長孔形状、縦断面視で垂直形状の略長孔柱状としてもよい。なお、平面視(平断面視)で長孔形状とは、平面視で、長円形状、矩形形状、矩形形状の4つの角部をR加工した形状などを示す。
【0031】
この場合においても、加熱シリンダAの上方から見た平面視(図8参照)で、長孔形状の下方投入路部B2が円形状の上方投入路部B1の領域内に収まるように形成する。なお、図8では、長孔形状の下方投入路部B2が円形状の上方投入路部B1に接するように形成されている。
【0032】
これより、加熱シリンダAの樹脂流路R2の直径D1の大きさに関わりなく、加熱シリンダAの樹脂流路R2の直径D1以上の直径D2で上方投入路部B1を形成することができる。
【0033】
なお、上方投入路部B1の大きさ(直径D2)や、四角形状の下方投入路部B2の幅寸法L、長孔形状の下部投入路部B2の短手方向の幅寸法、長手方向の幅寸法(奥行寸法)は、樹脂投入路R1や樹脂流路R2の必要な面積に合わせて自在に設定すればよい。
【0034】
さらに、図11から図13に示すように、内径側の下方投入路部B2を外径側の円形状の上方投入路部B1よりも大きくして、樹脂投入口B(樹脂投入路R1)が形成されていてもよい。
【0035】
そして、上記のように構成した本実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダAにおいては、外径側に円形状の上方投入路部B1を設け、内径側に四角形状や長孔形状の下方投入路部B2を設け、これら上方投入路部B1と下方投入路部B2を中間投入路部B3で滑らかに繋いで樹脂投入口Bを形成/構成したことにより、下方投入路部B2の幅寸法Lや加熱シリンダAの樹脂流路R2の直径D1の大きさに関わりなく、これら下方投入路部B2の幅寸法L及び加熱シリンダAの樹脂流路R2の直径D1以上の直径D2で上方投入路部B1を形成することが可能になる。
【0036】
また、加熱シリンダAの外面に開口し、水冷ジャケットなどの冷却部4の樹脂投入口と繋がる上方投入路部B1が円形状で形成されているため、冷却部4の樹脂投入口と上方投入路部B1(樹脂投入口B)との境界面に段差が生じることがない。
【0037】
したがって、本実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダAにおいては、樹脂投入口Bの加工コストを低コストで抑えつつ、段差を生じさせずに樹脂投入口Bの面積を大きく確保することができる。
【0038】
よって、本実施形態の成形機の樹脂溶融用加熱シリンダAによれば、十分な樹脂材料の輸送・供給性能と、低コスト化と、メンテナンス性の維持、向上を図りながら、樹脂流路R2内に好適に樹脂材料を給送可能な加熱シリンダA、ひいては成形機を実現することが可能になる。
【0039】
以上、成形機の樹脂溶融用加熱シリンダの一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 射出ノズル
2 スクリュ
4 冷却部(水冷ジャケット)
A 加熱シリンダ(樹脂溶融用加熱シリンダ)
B 樹脂投入口
B1 上方投入路部
B2 下方投入路部
B3 中間投入路部
O1 加熱シリンダの軸線
R1 樹脂投入路
R2 樹脂流路
S 接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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