特許第6898327号(P6898327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6898327-新規化合物 図000076
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6898327
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】新規化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 207/09 20060101AFI20210628BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20210628BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/538 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20210628BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   C07D207/09CSP
   A61P35/00
   A61P25/00
   A61P25/28
   A61P25/16
   A61P25/14
   A61P21/00
   A61P3/10
   A61P3/00
   A61P9/00
   A61P19/02
   A61P43/00 111
   A61K31/4709
   C07D401/12
   C07D417/12
   A61K31/428
   A61K31/4725
   A61K31/4439
   A61K31/506
   C07D403/12
   A61K31/427
   C07D417/14
   C07D403/14
   A61K31/517
   A61K31/4155
   C07D401/14
   C07D413/12
   A61K31/422
   A61K31/538
   A61K31/416
   A61K31/40
   C07D471/04 108E
   A61K31/437
   C07D471/04 106A
   A61K31/4184
   A61K31/4245
   A61K31/4178
   C07D487/04 137
【請求項の数】24
【全頁数】96
(21)【出願番号】特願2018-531219(P2018-531219)
(86)(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公表番号】特表2019-504009(P2019-504009A)
(43)【公表日】2019年2月14日
(86)【国際出願番号】GB2016053971
(87)【国際公開番号】WO2017103614
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年12月16日
(31)【優先権主張番号】1522267.2
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517299582
【氏名又は名称】ミッション セラピューティクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】マーク イアン ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン リー ストックリー
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー マディン
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−527064(JP,A)
【文献】 Falgueyret, Jean-Pierre; Oballa, Renata M.; Okamoto, Osamu; Wesolowski, Gregg; Aubin, Yves; Rydzewski, Robert M.; Prasit, Peppi; Riendeau, Denis; Rodan, Sevgi B.; Percival, M. David,Novel, Nonpeptidic Cyanamides as Potent and Reversible Inhibitors of Human Cathepsins K and L,Journal of Medicinal Chemistry ,2001年,44(1),,94-104
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−519/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩
[式中、
1b、R1c、R1d、R1eは、それぞれ独立して水素又はC1〜C6アルキルであるか、又はR1bはR1a又はR1cに結合して、3〜6員のシクロアルキル環を形成するか、又はR1eはR1d又はR1fに結合して、3〜6員のシクロアルキル環を形成し;
1a及びR1gは、それぞれ独立して水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル、又はC〜Cアルコキシであるか、又はR1a及びR1gは一緒に、3〜6員のシクロアルキル環を形成するか、又はR1aはR1bに結合して、3〜6員のシクロアルキル環を形成するか、又はR1gはR1fに結合して、3〜6員のシクロアルキル環を形成し;
1fは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシであるか、又はR1fはR1g又はR1eに結合して、3〜6員のシクロアルキル環を形成するか、又はR1fはR2と一緒に、5〜7員の複素環を形成し;
2は、水素、又はC1〜C6アルキルであるか、又はR2はR1fと一緒に、5〜7員の複素環を形成し;
XはC(R3)(R4)であり、ここでR3及びR4は、それぞれ独立して水素、シアノ、C1〜C6アルキル、5員若しくは6員のヘテロアリール若しくはアリール環であるか、又はR3及びR4は一緒に、3〜6員のヘテロシクリル若しくはシクロアルキル環を形成し;
Lは、共有結合、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−CONR5−、−SO2NR5−、−C(O)−C1〜C6アルキレン、−C(O)−C2〜C6アルケニレン、C1〜C6アルキレン−C(O)−、C2〜C6アルケニレン−C(O)−、−C1〜C6アルキレン−NR5CO−、−C1〜C6アルキレン−CONR5−、C1〜C6アルキレン、又は−C2〜C6アルケニレンであり;
Aは、置換された5〜10員の単環式ヘテロアリール若しくはアリール環、又は場合により置換された5〜10員の二環式ヘテロアリール若しくはアリール環であり;
5は、水素又はC1〜C6アルキルであり、
環Aが、置換されている場合、1〜4個の−Q1−(R6n(ここで各−Q1−(R6nは同じか又は異なる)で置換されており、
nは、0又は1であり;
1は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR7、−SR7、−NR78、−CONR78、−NR7COR8、−NR7CONR89、−COR7、−C(O)OR7、−SO27、−SO2NR78、−NR7SO28、NR7SO2NR89、−NR7C(O)OR8、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルコキシ、−C2〜C6アルケニル、−C2〜C6アルキニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、C(O)−、−C(O)O−、−CONR7−、−NR7−、−NR7CO−、−NR7CONR8−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−NR7SO2NR8−、NR7C(O)O−、−NR7C(O)OR8−、C1〜C6アルキレン、又−C2〜C6アルケニレンであり;
6は、3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリール環であり;
7、R8、及びR9は、それぞれ独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルキレンであり、
6は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルコキシ、−C2〜C6アルケニル、−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
2は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、C1〜C6アルキレン、又はC2〜C6アルケニレンであり;
10、R11及びR12はそれぞれ独立して、水素、又はC1〜C6アルキルを表し、
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gのうちの2個が一緒に形成される各シクロアルキル環は、独立して、フッ素、塩素、オキソ、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシからそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基でさらに場合により置換されており、
2と一緒にR1fにより形成される複素環は、フッ素、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシからそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基でさらに場合により置換されており、
前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキレン、及びC2〜C6アルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5からそれぞれ独立して選択される1〜4個の置換基で場合によりそれぞれ独立に置換されている]。
【請求項2】
1b、R1c、R1d、及びR1eが、それぞれ独立して、水素又はC1〜C3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1a及びR1gが、それぞれ独立して、水素、フッ素、又はC1〜C6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gがそれぞれ水素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
2が水素又はメチルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Xが、CH2、CHCN、又はCHMeである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Lが、共有結合、−SO2−、−C(O)−、−C(O)−C1〜C6アルキレン、−C(O)−C2〜C6アルケニレン、又は−CONR5−であり、R5が水素又はメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Aの環が、5又は6員のヘテロアリール又はアリール環である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Aの環が、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、フェニル、イミダゾリル、及びオキサジアゾリルから選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Aの環が、9又は10員の二環式ヘテロアリール若しくはアリール環である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Aの環が、キノリニル、ベンゾチアゾリル、イソキノリニル、ベンゾモルホリニル、インダゾリル、イミダゾピリジニル、キナゾリニル、ピラゾロピリジニル、及びベンズイミダゾリルから選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
nが0である場合、Q1は、ハロゲン、シアノ、オキソ、−CONR78、−NR7COR8、C1〜C6アルキル、及びC1〜C6アルコキシから選択され、前記アルキル及びアルコキシは、1〜4個のハロゲンで場合により置換されていてよく、そして、
nが1である場合、共有結合、酸素原子、及びメチレンから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
6の環が、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、イソキサゾリル、及びシクロプロピルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
6が、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキル、又はC1〜C4アルコキシで置換されており、前記アルキル及びアルコキシが1個以上のフッ素で場合により置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
下記からなる群から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物:
3−((キノリン−2−イルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((6−フルオロベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−((イソキノリン−1−イルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
(R)−3−(((7−(1H−ピラゾール−4−イル)キナゾリン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((3−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((4−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((4−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−フルオロフェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)イソキノリン−6−カルボニトリル;
3−(((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)−N−メチルイソキノリン−6−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−(ピリジン−4−イル)ベンズアミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(2,4−ジクロロベンジル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−(N−フェニルスルファモイル)ベンズアミド;
(E)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アクリルアミド;
(S)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−カルボキサミド;
(R)−6−クロロ−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチルアセトアミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
1−(3−クロロフェニル)−3−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)尿素;
1−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)尿素;
1−(3−ベンジルフェニル)−3−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)尿素;
1−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2,4−ジクロロフェニル)尿素;
1−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチル−3−(2−メチルチアゾール−4−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチル−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド;
3−(1−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(1−(イソキノリン−3−イルアミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−((1−(1−シアノピロリジン−3−イル)エチル)アミノ)イソキノリン−6−カルボニトリル
3−((ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)(シアノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
2−((1−(1−シアノピロリジン−3−イル)エチル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボニトリル;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキノリン−3−カルボキサミド;
(R)−7−クロロ−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1H−ピラゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;及び
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−7−シクロプロピルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項16】
下記からなる群から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物:
(R)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
(S)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−2−フェニルオキサゾール−5−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−フェニルイソキサゾール5−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(o−トリル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−2−フェニルチアゾール−4−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルオキサゾール−2−カルボキサミド;
1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−メチル1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
3−(1−((6−(5−メチルイソキサゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
(3aR,6aS)−4−オキソ−5−(5−フェニルチアゾール−2−イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボニトリル;
(R)−3−(3−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール5−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルイソキサゾール3−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルチアゾール−2−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−フェニルチアゾール−2−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−2−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルボキサミド;
(R)−3−(2−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール5−カルボキサミド;
(R)−3−(4−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール5−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;
(R)−1−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;
(R)−1−(4−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(3−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;
(R)−1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;及び
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;
その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項17】
下記からなる群から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物:
(R)−5−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド;及び
(S)−5−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド;
その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項18】
下記からなる群から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物:
3−(((3−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((4−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((5−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((6−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
3−(((2−(イソインドリン−2−イル)ピリジン−4−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
(S)−3−(((4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−(ピロリジン−1−イル)ピコリンアミド;
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−(4−フルオロフェニル)ニコチンアミド;
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−フェニルピコリンアミド;及び
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルピコリンアミド;
その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項19】
医薬としての使用のための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項20】
神経変性疾患;多発性硬化症、ミトコンドリアミオパチー、乳酸アシドーシス、及び脳卒中様症状症候群;レーベル遺伝性視神経症;癌;神経障害、運動失調、色素性網膜炎−母体遺伝性リー症候群;ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞を引き起こす虚血性心疾患;精神医学的疾患、統合失調症;多種サルファターゼ欠損症;ムコリピドーシスII;ムコリピドーシスIII;ムコリピドーシスIV;GM1−ガングリオシドーシス;ニューロンセロイド−リポフスノーゼ;アルパー病;バース症候群;ベータ酸化欠陥;カルニチン−アシル−カルニチン欠損症;カルニチン欠損症;クレアチン欠損症候群;補酵素Q10欠損;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;COX欠損症;慢性進行性外眼筋麻痺症候群;CPTI欠損症;CPTII欠損症;グルタル酸性尿症II型;ケーンズ・セイヤー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;リー疾患又は症候群;致死性幼児心筋症;Luft病;グルタル酸性尿症II型;中鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;ミオクロニー性てんかん及び赤色ぼろ線維症症候群;ミトコンドリア細胞病;ミトコンドリア性劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;神経胃腸性障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損;POLG突然変異;中鎖/短鎖3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;及び超長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;ならびに、認知機能及び筋力の年齢依存的低下から選択されるミトコンドリア機能障害を伴う症状の治療に使用するための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項21】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、及び前頭葉痴呆、α−シヌクレイン、パーキン及びPINK1の突然変異に関連するパーキンソン病、パーキンが変異している常染色体劣性若年性パーキンソン病から選択される、請求項20に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項22】
癌の治療に使用するための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項23】
前記癌が、乳房、卵巣、前立腺、肺、腎臓、胃、結腸、精巣、頭頸部、膵臓、脳、黒色腫、骨、又は他の組織臓器の癌、血液細胞の癌、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、アポトーシス経路が調節障害されている癌、及びBCL−2ファミリーのタンパク質が突然変異しているか、又は過剰発現若しくは過小発現している癌から選択される、請求項22に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項24】
請求項1〜18のいずれか1項に規定される式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩を1種以上の医薬的に許容し得る賦形剤とともに含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱ユビキチン化酵素(DUB)の阻害剤の新規化合物及びその製造方法に関する。特に本発明は、ユビキチンC末端加水分解酵素30又はユビキチン特異的ペプチダーゼ30(USP30)の阻害に関する。本発明はさらに、ミトコンドリア機能障害を伴う症状の治療及び癌の治療におけるDUB阻害剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で明らかに先に出版された文書のリスト又は議論は、必ずしもその文書が最先端技術の一部であるか、又は一般的な知識であることの承認として考えるべきではない。
【0003】
ユビキチンは、細胞内のタンパク質機能の調節に重要な76個のアミノ酸からなる小さなタンパク質である。ユビキチン化及び脱ユビキチン化は酵素的に媒介されるプロセスであり、そのプロセスにより、ユビキチンは脱ユビキチン化酵素(DUB)によって、標的タンパク質から共有結合されるか又は切断され、そのうちの約95個のDUBはヒト細胞に有り、配列相同性に基づいてサブファミリーに分類されている。USPファミリーは、それらのDUB活性にとって重要なCys及びHis残基を含む共通のCys及びHisボックスによって特徴付けられる。ユビキチン化及び脱ユビキチン化プロセスは、細胞周期の進行、アポトーシス、細胞表面受容体の修飾、DNA転写及びDNA修復の調節を含む多くの細胞機能の調節に関与している。従ってユビキチン系は、炎症、ウイルス感染、代謝機能不全、CNS障害、及び発癌を含む多数の症状の病因に関与しているとされている(Clague et al., Physiol Rev 93:1289-1315, 2013)。
【0004】
ユビキチンはミトコンドリア動態のマスターレギュレーターである。ミトコンドリアは、その生物発生、融合、及び分裂事象が、ミトフシンなどの多くの重要な因子のユビキチン化を介する翻訳後調節によって調節される動的オルガネラである。パーキン(parkin)のようなユビキチンリガーゼは、多くのミトコンドリアタンパク質をユビキチン化することが知られているが、最近まで、ユビキチン化酵素は依然としてその詳細が不明であった。USP30は、ミトコンドリア外膜に見出される517アミノ酸のタンパク質である(Nakamura et al., Mol Biol 19:1903-11, 2008)。これは、ミトコンドリアアドレッシングシグナル(mitochondrial addressing signal)を有する唯一の脱ユビキチン化酵素であり、多数のミトコンドリアタンパク質を脱ユビキチン化することが示されている。USP30がパーキン媒介性の有糸分裂に対抗し、USP30活性の低下がマイトファジー(mitophagy)におけるパーキン媒介性の欠陥を救済できることが証明されている(Bingol et al., Nature 510:370-5, 2014)。
【0005】
ミトコンドリア機能障害は、ミトコンドリア含量の減少(マイトファジー又はミトコンドリア生物発生)として、ミトコンドリア活性及び酸化的リン酸化の減少としてとして、定義することができるが、また反応性酸素分子種(ROS)生成の調節としても定義することができる。従って、特に限定されるものではないが、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症)、癌、糖尿病、代謝障害、心血管疾患、精神医学的疾患(例えば統合失調症)、及び変形性関節症を含む、非常に多くの老化プロセス及び病理におけるミトコンドリア機能障害の役割。
【0006】
例えば、パーキンソン病(PD)は、世界中の約1000万人が罹患し(パーキンソン病財団)、黒質におけるドーパミン作動性ニューロンの喪失を特徴とする。PDの根底にある正確なメカニズムは不明であるが、ミトコンドリア機能障害は、ますますPDにおけるドーパミン作動性ニューロン感受性の重要な決定因子として認識されており、家族性及び散発性疾患の並びに毒素誘発パーキンソニズムの特徴である。パーキンは、早期発症PDに関与している多数のタンパク質の1つである。ほとんどのPDの症例はアルファ−シヌクレイン(alpha-synuclein)の欠陥が関連しているが、パーキンソン症例の10%は特定の遺伝的欠陥に関連しており、その1つはユビキチンE3リガーゼパーキンである。パーキンとプロテインキナーゼPTEN誘導性推定キナーゼ1(PINK1)は共同して、損傷されたミトコンドリアのミトコンドリア膜タンパク質をユビキチン化して、マイトファジーを引き起こす。マイトファジーの調節不全は酸化ストレスの上昇をもたらし、これはPDの特徴として記載されている。従ってUSP30の阻害は、PDの治療のための潜在的な戦略となり得る。例えば、活性低下を招くパーキン変異を有するPD患者は、低USP30の阻害によって治療的に補償され得るであろう。
【0007】
USP30の枯渇はミトコンドリアのマイトファジーによるクリアランスを増強し、パーキン誘導性細胞死も増強することが報告されている(Liang et al., EMBO Reports 2015 DOI: 10.15252/embr.201439820)。USP30は、パーキン過剰発現とは独立して、BAX/BAK依存性アポトーシスを調節することも示されている。USP30の枯渇は、パーキン過剰発現を必要とせずに、ABT−737のようなBH−3模倣物に対して癌細胞を感作する。従って、USP30について抗アポトーシス的役割が証明されており、従ってUSP30は抗癌療法の標的候補である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユビキチン−プロテアソーム系は、多発性骨髄腫の治療のためのプロテアソーム(proteasome)阻害剤ボルテゾミブ(bortezomib)(Velcade(登録商標))の承認後に、癌治療の標的として関心を集めている。ボルテゾミブによる長期治療は、関連する毒性及び薬剤耐性によって制限される。しかしながらDUBのような、プロテアソームの上流のユビキチン−プロテアソーム経路の特定の局面を標的とする治療戦略は、より良好に許容されると予測される(Bedford et al., Nature Rev 10:29-46, 2011)。従って、DUB活性が観察される適応症(特に限定されるものではないが、ミトコンドリア機能障害及び癌を含む)の治療のためのUSP30などのDUBを阻害する化合物及び医薬組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様において、式(I):
【化1】
の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで、
【0010】
1b、R1c、R1d、R1eは、それぞれ独立して水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであるか、又はR1bはR1a又はR1cに結合して、場合により置換されたシクロアルキル環を形成するか、又はR1eはR1d又はR1fに結合して、場合により置換されたシクロアルキル環を形成し;
【0011】
1a及びR1gは、それぞれ独立して水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルコキシであるか、又はR1a及びR1gは一緒に、場合により置換されたシクロアルキル環を形成するか、又はR1aはR1bに結合して、場合により置換されたシクロアルキル環を形成するか、又はR1gはR1fに結合して、場合により置換されたシクロアルキル環を形成し;
【0012】
1fは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたC1〜C6アルコキシであるか、又はR1fはR1g又はR1eに結合して、場合により置換されたシクロアルキル環を形成するか、又はR1fはR2と一緒に、場合によりさらに置換された複素環を形成し;
【0013】
2は、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルであるか、又はR2はR1fと一緒に、場合によりさらに置換された複素環を形成し;
【0014】
XはC(R3)(R4)であり、ここでR3及びR4は、それぞれ独立して水素、シアノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、5員若しくは6員ヘテロアリール若しくはアリール環であるか、又はR3及びR4は一緒に、場合により置換された3〜6員のヘテロアルキル若しくはシクロアルキル環を形成し;
【0015】
Lは、共有結合、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−CONR5−、−SO2NR5−、−C(O)−C1〜C6アルキレン、−C(O)−C2〜C6アルケニレン、C1〜C6アルキレン−C(O)−、C2〜C6アルケニレン−C(O)−、−C1〜C6アルキレン−NR5CO−、−C1〜C6アルキレン−CONR5−、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンであり;
【0016】
Aは、置換された単環式ヘテロアリール若しくはアリール環、又は場合により置換された二環式ヘテロアリール若しくはアリール環であり;
5は、水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルである。
【0017】
1つの態様において本発明はまた、本発明の化合物と1種以上の医薬的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
別の態様において本発明の化合物は、癌又はミトコンドリア機能障害を伴う疾患若しくは症状の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】蛍光偏光アッセイを用いて測定したUSP30のタンパク質分解活性を示すグラフである。示されているように精製されたUSP30の様々な量を、イソペプチド結合を介してユビキチンに連結されたTAMRA標識ペプチドと共にインキュベートした。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
以下の定義及び説明は、本明細書及び請求項の両方を含むこの文書全体を通じて使用される用語に関する。本明細書中に記載される化合物(例えば式(I)の化合物)への言及は、その下位の一般的な実施態様(例えば式(IA))を含む式(I)への言及を含む。
【0020】
式(I)の化合物の任意の基が場合により置換されたと言及されている場合、この基は置換されていても置換されていなくてもよい。置換は、同一であっても異なっていてもよい特定の1個以上の置換基によってなされてもよい。置換基の数及び性質は、立体的に望ましくない組み合わせを避けるように選択されることは理解されるであろう。
【0021】
本明細書の文脈において、特に別の指定がなければ、置換基中のアルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニル置換基(又はリンカー基)、又は置換基中のアルキル、アルケニル部分は、直鎖でも分枝鎖であってもよい。アルキル、アルキレン、及びアルケニル鎖はまた、酸素などの介在するヘテロ原子を含んでもよい。
【0022】
x〜Cyアルキルは、直鎖又は分枝鎖であってもよいx〜y個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を指す。例えばC1〜C6アルキルは、1〜6個の炭素原子を含み、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6を含む。「分岐した」とは、その基の中に少なくとも1個の炭素分岐点が存在することを意味する。例えば、tert−ブチル及びイソプロピルは両方とも分岐基である。C1〜C6アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びn−ヘキシルが含まれる。R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、Q1の定義内及びR6の定義内の、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル、及びC1〜C3アルキルは、置換されていなくても、本明細書で定義されている1個以上の置換基で置換されてもよい。従って、置換されたC1〜C6アルキルの例には、CF3、CH2CF3、CH2CN、CH2OH、及びCH2CH2OHが含まれる。
【0023】
x〜Cyアルキレン基又は部分は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、上記で定義されたCx〜Cyアルキルから1個少ない水素原子を有する二価の炭化水素基を指す。C1〜C6アルキレンは、酸素などの介在するヘテロ原子を含むことができ、従って、アルキレンオキシ基を含む。本明細書で用いられるアルキレンオキシはまた、その若しくはある酸素原子(例えば単一の酸素原子)が、アルキレン鎖(例えばCH2CH2OCH2又はCH2OCH2)内に位置する実施態様を包含する。C1〜C6アルキレン基の例には、メチレン、メチレンオキシ、エチレン、エチレンオキシ、n−プロピレン、n−プロピレンオキシ、n−ブチレン、n−ブチレンオキシ、メチルメチレン、及びジメチルメチレンが含まれる。特に別の指定がなければ、R7、R8、R9、L、Q1、及びQ2の定義内のC1〜C6アルキレン、C1〜C4アルキレン、及びC1〜C3アルキレンは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0024】
2〜C6アルケニルは、少なくとも2個の炭素原子と少なくとも1個の二重結合を含有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖基を指し、C2〜C4アルケニルを含む。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−メチル−1−プロペニル、1,2−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、及び1−ヘキサジエニルが含まれる。特に別の指定がなければ、Q1の定義内及びR6の置換基の定義内のC2〜C6アルケニルは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義されている1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0025】
2〜C6アルケニレンは、上記定義のC2〜C6アルケニルから1個少ない水素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指す。C2〜C6アルケニレンの例には、エテニレン、プロペニレン、及びブテニレンが含まれる。特に別の指定がなければ、L、Q1、及びQ2の置換基の定義内のC2〜C6アルケニレン及びC2〜C4アルケニレンは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0026】
2〜C6アルキニルは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖基を指す。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、及び1−ヘキシニルが含まれる。特に別の指定がなければ、Q1の定義内及びR6の置換基の定義内のC2〜C6アルキニルは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0027】
1〜C6アルコキシは、上記のCx〜Cyアルキルの定義による−O−Cx〜Cyアルキル基を有する基又は基の一部を指す。C1〜C6アルコキシは、1〜6個の炭素原子を含み、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6を含む。C1〜C6アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、及びヘキソキシが含まれる。本明細書で用いられるアルコキシはまた、その若しくはある酸素原子(例えば単一の酸素原子)がアルキル鎖(例えばCH2CH2OCH3又はCH2OCH3)内に位置する実施態様を包含する。従ってアルコキシは炭素を介して分子の残りの部分、例えば−CH2CH2OCH3に結合していてもよいし、あるいはアルコキシは酸素を介して分子の残りの部分、例えば−OC1-6アルキルに結合していてもよい。一例ではアルコキシは酸素を介して分子の残りの部分に結合するが、アルコキシ基はさらなる酸素原子を含んでよく、例えば−OCH2CH2OCH3でもよい。特記しない限り、R1a、R1f、R1g、Q1の定義内及びR6の置換基の定義内の、C1〜C6アルコキシ及びC1〜C3アルコキシは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義されている1個以上の置換基で置換されていてもよい。従って置換されたC1〜C6アルコキシの例には、OCF3、OCHF2、OCH2CF3、CH2CH2OCH3、及びCH2CH2OCH2CH3が含まれる。
【0028】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、塩素、臭素、フッ素、又はヨウ素原子、特に塩素又はフッ素原子を指す。
用語「オキソ」は、=Oを意味する。
【0029】
曖昧さを避けるために、本明細書に開示された、及びR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R3、R4、R6、R10、及びR11、R12、環Aの定義内、及びR6の置換基の定義内の、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール環は、不安定な環構造を含まないか、又はヘテロアリール及び複素環系の場合には、いかなるO−O、O−S、又はS−S結合も含まない。環系は、単環式でも二環式でもよい。二環式環系には、架橋、縮合、及びスピロ環系が含まれる。存在する場合の置換基は、炭素原子であってもよい任意の適切な環原子に、又はヘテロアリール及び複素環系の場合はヘテロ原子に、結合していてもよい。環上の置換は、置換位置における環原子の変化も含むことができる。例えば、フェニル環上の置換は、炭素から窒素への置換位置における環原子の変化を含んで、ピリジン環を与えることができる。
【0030】
「シクロアルキル」は、単環の飽和又は部分不飽和の非芳香環を指し、ここで全ての環原子は炭素であり、示された数の環原子を有する。例えばC3〜C10シクロアルキルは、3〜10個の炭素原子を含む単環式若しくは二環式炭化水素環を指す。C3〜C10シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、及びデカヒドロナフタレニルである。二環式シクロアルキル基は、ビシクロヘプタン及びビシクロオクタンなどの架橋環系を含む。特に別の指定がなければ、R6の置換基の定義内のR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R3、R4、R6、R10、R12、R13の定義内、及びR6の定義内のシクロアルキルは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0031】
「アリール」基/部分は、少なくとも1個の芳香族基を含み、5〜10個の炭素原子環員を有する任意の単環式若しくは二環式炭化水素基を指す。アリール基の例には、フェニル及びナフチルが含まれる。二環式環は、両方の環が芳香族(例えばナフタレニル)である縮合芳香環でもよい。好ましいアリール基はフェニル及びナフチルであり、より好ましくはフェニルである。特に別の指定がなければ、R3、R4、R6、R10、R11、R12、環Aの定義内及びR6の置換基の定義内のアリールは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0032】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」は、N、O、及びSから選択される少なくとも1個及び最大5個のヘテロ原子、特に1,2、又は3個のヘテロ原子を含有する多価不飽和の単環式若しくは二環式の5〜10員芳香族部分を意味し、残りの環原子は炭素原子であり、当業者に公知の安定した組み合わせで含む。ヘテロアリール環の窒素及び硫黄原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により四級化される。ヘテロアリール環は単一の芳香環又は縮合二環式環であってもよく、ここで二環式環系は芳香族であるか、又は縮合環の一方が芳香族であり他方が少なくとも部分的に飽和している。一例において、二環式ヘテロアリールは、縮合環系全体が芳香族であるものである。環の一方が芳香族であり他方が少なくとも部分的に飽和している縮合環の例には、テトラヒドロピロイドピラジニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルが含まれる。そのような場合、Lを介する、N(R2)などのシアノピロリジン核に対する置換基である基への二環式環の結合は、二環の芳香環からである。二環式ヘテロアリールは、縮合環のいずれかに少なくとも1個のヘテロ原子を有することができる。例えば、部分的に飽和した環に縮合した芳香環を有する二環式環は、芳香環又は部分的飽和環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含むことができる。置換基である基への二環式環の結合は、ヘテロ原子含有環又は炭素のみ含有する環のいずれかを介してもよい。置換基である基へのヘテロアリールの結合点は、炭素原子又はヘテロ原子(例えば窒素)を介することができる。環Aがヘテロアリールである場合、環は芳香環であり、さらなる芳香環又は部分飽和環に縮合していてもよい。
【0033】
ヘテロアリール環の例には、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、イソインドリニル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、テトラヒドロピリドピラジニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルが含まれる。特に別の指定がなければ、R3、R4、R6、R10、R11、R12、環Aの定義内及びR6の置換基の定義内のヘテロアリールは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0034】
環を記載する際に本明細書で使用される「ヘテロシクリル」又は「複素環式」は、特に別の指定がなければ、単環式飽和若しくは部分不飽和の非芳香環、又は二環式飽和環若しくは部分不飽和環を意味し、ここで、二環式環系は、例えば3〜10員又は5〜10員を有する非芳香族の単環式若しくは二環式環であり、ここで環の少なくとも1員及び最大5員のヘテロ原子、特に1,2、又は3員は、N、O、及びSから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子であり、当業者に公知の安定した組み合わせで含まれる。例えば、R2及びR3は一緒に、アミン窒素を組み込んだ5〜7員の複素環を形成してもよい。複素環の窒素及び硫黄原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により四級化される。本明細書中で使用される複素環は、別の環系への縮合環であって二環を形成してもよく、すなわち複素環炭素の1個又は2個は追加の環系に共通である。ヘテロシクリルが二環式環である場合、第2の環は芳香族であってもよく、例えば縮合フェニル、ピリジル、ピラゾリルなどでもよい。二環式ヘテロシクリルは、縮合環のいずれかに少なくとも1個のヘテロ原子を有することができる。ヘテロシクリルは、炭素又はヘテロ原子を介して分子の残りに結合していてもよく、ヘテロシクリルが二環式環である場合、ヘテロ原子含有環又は縮合環を介して結合していてもよい。ヘテロシクリルが、第2の環が芳香族である二環式環である場合、二環式基のシアノピロリジンコアに対する置換基である基への結合は、非芳香環由来である。
【0035】
ヘテロシクリル基の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル、(例えば3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾモルホリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルが含まれる。特に別の指定がなければ、R1f、R2、R3、R4、R6、R10、R11、R12の定義内でかつR6の置換基の定義内のヘテロシクリルは、置換されていなくてもよく、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよい。置換ヘテロシクリル環の例には、4,5−ジヒドロ−1H−マレイミド、テトラメチレンスルホキシド、及びヒダントイニルが含まれる。
【0036】
任意の基に適用される「場合により置換された」とは、その基が、所望であれば、同じであっても異なっていてもよい1個以上の置換基(例えば、1、2、3、又は4個の置換基)で置換され得ることを意味する。
【0037】
例えばR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、Q1の定義内及びR6の定義内で、「置換された」及び「場合により置換された」C1〜C6アルキル(C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキル、及びC1〜C2アルキルを含む)、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4アルコキシ、C1〜C3アルコキシ、及びC1〜C2アルコキシを含む)、及びC2〜C6アルケニル(C2〜C4アルケニルを含む)、及びC2〜C6アルキニル(C2〜C4アルキニルを含む)の適切な置換基の例には、及び、例えばR5、R7、R8、R9、L、Q1、及びQ2の定義内で、「置換された」及び「場合により置換された」C1〜C6アルキレン(C1〜C3アルキレンを含む)及びC2〜C6アルケニレンの適切な置換基の例には、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5(ニトロの既知の模倣物)、特にハロゲン(好ましくはフッ素又は塩素)、ヒドロキシル、及びシアノが含まれる。
【0038】
例えばR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R3、R4、R6、R10、R11、R12、の定義内及びR6の定義内で、「置換された」及び「場合により置換された」環、すなわちシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール環の適切な置換基の例には、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル若しくはC1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ若しくはC1〜C3アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C3アルキルアミノ、C2〜C6アルケニルアミノ、ジ−C1〜C3アルキルアミノ、C1〜C3アシルアミノ、ジ−C1〜C3アシルアミノ、カルボキシ、C1〜C3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、モノ−C1-3カルバモイル、ジ−C1-3カルバモイル、又はヒドロカルビル部分自体がハロゲン、特にフッ素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はSF5(ニトロの既知の模倣物)により置換された上記のいずれかが含まれる。ヒドロキシ及びアルコキシのような酸素原子を含む基において、酸素原子はチオ(SH)及びチオ−アルキル(S−アルキル)のような基を作るために硫黄で置換することができる。従って、任意の置換基はS−メチルなどの基を含む。チオアルキル基において、硫黄原子はさらに酸化されてスルホキシド又はスルホンを形成してもよく、従って任意の置換基はS(O)−アルキル及びS(O)2−アルキルなどの基を含む。
【0039】
「置換された」及び「場合により置換された」環の適切な置換基の例には、特にハロゲン、オキソ、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリールが含まれ、ここでアルキル又はアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上(例えば、1,2、又は3個)の置換基で場合により置換される。特に、本明細書に開示されている「置換された」及び「場合により置換された」環の適切な置換基には、フッ素、塩素、オキソ、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシが含まれ、ここでアルキル又はアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基、特に1、2、又は3個のフッ素により場合により置換される。
【0040】
従って置換基は、例えばBr、Cl、F、CN、Me、Et、Pr、Bu、i−Bu、OMe、OEt、OPr、C(CH33、CH(CH32、CF3、OCF3、C(O)NHCH3、シクロプロピル、フェニルなどが含まれる。アリール基の場合、置換はアリール環中の隣接炭素原子からの環の形態、例えばO−CH2−Oのような環状アセタールであってもよい。
【0041】
「治療する」又は「治療している」又は「治療」という用語は、症状を予防及び改善し緩和すること、一時的又は永続的に症状の原因を排除すること、又は指定された障害若しくは状態の症状の出現を予防するか又は遅延させる手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及びヒト以外の動物の治療に有用である。
【0042】
化合物の用量は、障害の症状の発生を防止するため、又は患者が罹患している障害のいくつかの症状を治療するのに有効な量である。「有効量」又は「治療有効量」又は「有効用量」とは、所望の薬理学的効果又は治療効果を引き出すのに十分な量を意味し、従って障害の有効な予防又は治療をもたらす量である。障害の予防は、障害の症状の発症を医学的に有意な程度まで遅らせることによって明らかになる。障害の治療は、障害に伴う症状の減少又は障害の症状の再発の改善によって明らかにされる。
【0043】
本発明の化合物の医薬的に許容し得る塩は、特に限定されるものではないが、付加塩(例えば、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、及びハロゲン化水素塩)、有機塩基由来の塩(例えば、リチウム、カリウム、及びナトリウム)、アミノ酸の塩(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、システイン、メチオニン、及びプロリン)、無機塩基(例えば、トリエチルアミン、水酸化物、コリン、チアミン、及びN−N’−ジアセチルエチレンジアミン)が含まれる。他の医薬的に許容し得る塩には、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩、及びアルミニウム塩が含まれる。さらなる医薬的に許容し得る塩には、本発明の化合物の第4級アンモニウム塩が含まれる。
【0044】
塩の一般的な製造方法は当業者に周知である。そのような塩は、通常の手段、例えば化合物の遊離酸又は遊離塩基形態と適切な酸又は塩基の1種以上の同等物と、場合により溶媒中、又は塩が不溶性である媒体中で反応させ、次に前記溶媒又は前記媒体を標準的方法(例えば、真空、凍結乾燥、又は濾過)で除去することにより製造することができる。塩はまた、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製することができる。
【0045】
本発明の化合物が異なる鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体の形態で存在する場合、本発明は、光学的に純粋な形態又は他の異性体との混合物として存在するかどうかにかかわらず、異性体混合物又はラセミ体として調製されるこれらの化合物に関する。鏡像異性体は、平面偏光を反対方向に等しい量だけ回転させる能力においてのみ異なり、それぞれ(+)/(S)又は(−)/(R)形態として示される。個々の鏡像異性体又は異性体は当該分野で公知の方法、例えば生成物又は中間体の光学分割(例えば、キラルクロマトグラフィー分離、例えばキラルHPLC、又は非対称合成アプローチ)によって調製することができる。同様に、本発明の化合物が別の互変異性体(例えばケト/エノール、アミド/イミド酸)として存在する場合、本発明は、単離された個々の互変異性体、及び全ての割合の互変異性体の混合物に関する。
【0046】
同位体
本明細書に記載の化合物は、1個以上の同位体置換を含むことができ、特定の元素への言及は、その範囲内にその元素の全ての同位体を含む。例えば水素への言及は、その範囲内で1H、2H(D)、及び3H(T)を含む。同様に、炭素及び酸素の言及は、その範囲内でそれぞれ12C、13C及び14C、及び16O及び18Oを含む。同位体の例には、2H、3H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32P及び35Sが含まれる。
【0047】
同様の方法で、特定の官能基への言及はまた、その文脈が他の意味を示さない限り、同位体変化形をその範囲内に含む。例えばエチル基のようなアルキル基への言及は、その基の中の水素原子の1個以上が重水素又はトリチウム同位体の形態、例えば5個の水素原子の全てが重水素同位体形態(ペルデューテロエチル基)であるエチル基、である変化形をもカバーする。
【0048】
同位体は、放射性でも又は非放射性でもよい。ある実施態様において、化合物は放射性同位体を含まない。そのような化合物は治療的使用に好ましい。しかし、別の実施態様において、化合物は1個以上の放射性同位体を含むことができる。そのような放射性同位体を含む化合物は、診断の分野において有用となり得る。
【0049】
特定の同位体標識された式(I)の化合物、例えば放射性同位体を組み込んだ化合物は、薬物及び/又は基質の組織分布研究に有用である。放射性同位体、すなわち3H及び14Cは、取り込みの容易さ及び検出手段の迅速さの観点から、この目的に特に有用である。より重い同位体、すなわち2Hによる置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の増加又は用量要件の減少、に起因する特定の治療上の利点をもたらすことがあり、従って、特定の状況において好ましい場合がある。11C、18F、15O、及び13Nのような陽電子放出同位体による置換は、受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用となり得る。同位体標識された式(I)の化合物は、一般に、当業者に公知の慣用の技術によって、又は添付の実施例に記載されたものに類似する方法によって、及び従来使用された非放射能標識試薬の代わりに適切な放射能標識試薬を使用する調製物に類似する方法によって、調製され得る。
【0050】
結晶形及び非晶形
式(I)の化合物は、結晶形又は非晶形で存在してもよく、結晶形のいくつかは、本発明の範囲内に含まれる多形体として存在してもよい。式(I)の化合物の多形形態は、特に限定されるものではないが、赤外スペクトル、ラマンスペクトル、X線粉末回折、示差走査熱量測定、熱重量分析、及び固体状態核磁気共鳴を含む多くの従来の分析技術を用いて、性状解析することができる。
【0051】
従って、さらなる実施態様において本発明は、結晶形態の任意の記載された実施態様の化合物を提供する。化合物は、50%〜100%結晶性でもよく、より詳細には、少なくとも50%結晶性、又は少なくとも60%結晶性、又は少なくとも70%結晶性、又は少なくとも80%結晶性、又は少なくとも90%結晶性、又は少なくとも95%結晶性、又は少なくとも98%結晶性、又は少なくとも99%結晶性、又は少なくとも99.5%結晶性、又は少なくとも99.9%結晶性、例えば100%結晶性であってもよい。あるいは、化合物は非晶質形態であってもよい。
【0052】
本明細書に記載された発明は、調製方法に拘わらず、任意の開示された化合物の全ての結晶形態、溶媒和物、及び水和物に関する。本明細書に開示された化合物のいずれかがカルボン酸塩又はアミノ基のような酸性又は塩基性中心を有する限り、前記化合物の全ての塩形態が本明細書に含まれる。医薬用途の場合、塩は医薬的に許容し得る塩であると見なされるべきである。
【0053】
本発明は、化合物及びその塩の任意の溶媒和物に関する。好ましい溶媒和物は、本発明の化合物の固体状態構造(例えば、結晶構造)への、非毒性の医薬的に許容し得る溶媒(以下、溶媒和溶媒と称する)の分子の組み込みによって形成される溶媒和物である。このような溶媒の例には、水、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、及びブタノール)、及びジメチルスルホキシドが含まれる。溶媒和物は、本発明の化合物を溶媒又は溶媒和溶媒を含む溶媒の混合物で再結晶化することによって調製することができる。ある特定の場合に溶媒和物が形成されたかどうかは、化合物の結晶を、熱重量分析(TGE)、示差走査熱量測定(DSC)、及びX線結晶解析のような周知の標準技術を用いて分析することによって、決定することができる。
【0054】
溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的溶媒和物であってもよい。特定の溶媒和物は水和物であってもよく、水和物の例には、半水和物、一水和物、及び二水和物が含まれる。溶媒和物及びそれらの作製及び性状解析に使用される方法のより詳細な議論については、Bryn et al., Solid-State Chemistry of Drugs, Second Edition, SSCI発行, Inc of West Lafayette, IN, USA, 1999, ISBN 0-967-06710-3を参照されたい。
【0055】
本発明は、エステル誘導体及び/又は関連する本発明の化合物と同じ生物学的機能及び/又は活性を有するか又は提供する誘導体を含む、本明細書で定義される化合物の医薬的に機能的な誘導体に関する。従って本発明の目的のために、この用語は、本明細書で定義される化合物のプロドラッグも含む。
【0056】
関連する化合物の「プロドラッグ」という用語は、経口又は非経口投与後に、インビボで代謝されて、実験的に検出可能な量でかつ所定の時間内(例えば、6〜24時間の投与間隔、すなわち1日に1回〜4回)に、前記化合物を生成する化合物を含む。
【0057】
化合物のプロドラッグは、そのようなプロドラッグが哺乳動物被験体に投与されたときにインビボで修飾が切断されるように、化合物に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。修飾は典型的には、親化合物をプロドラッグ置換基で合成することによって達成される。プロドラッグは、化合物中のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、又はカルボニル基が、インビボで切断されてそれぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、又はカルボニル基を再生することができる任意の基に結合している化合物を含む。
【0058】
プロドラッグの例には、特に限定されるものではないが、ヒドロキシル官能基のエステル及びカルバメート、カルボキシル官能基のエステル基、N−アシル誘導体、及びN−マンニッヒ塩基が含まれる。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えば、Bundegaard, H. “Design of Prodrugs” p. 1-92, Elsevier, New York-Oxford (1985)に見いだすことができる。
【0059】
本発明の化合物はインビボで代謝され得る。式(I)の化合物の代謝物も本発明の範囲内である。「代謝物」という用語は、細胞又は生物、好ましくは哺乳動物における、本発明の化合物のいずれかに由来する全ての分子を指す。好ましくはこの用語は、生理学的条件下でそのような細胞又は生物体に存在する任意の分子とは異なる分子に関する。
【0060】
本明細書で定義される治療は、単独の治療として適用するか、又は本発明の化合物に加えて、従来の外科手術又は放射線療法又は化学療法を含むことができる。さらに、式(I)の化合物はまた、小分子治療剤又は抗体に基づく治療剤を含む、癌に関連する症状を治療するための既存の治療剤と組み合わせて使用することもできる。
【0061】
本明細書に記載の化合物は、シアノピロリジン環に結合したメチルアミン基を有するシアノピロリジンコアを特徴とし、メチルアミン基は、単環式ヘテロアリール若しくはアリール環により置換され、単環式ヘテロアリール若しくはアリール環は置換されているか、又は場合によりリンカーを介して場合により置換された二環式ヘテロアリール若しくはアリール環である。
【0062】
本発明の第1の態様において、式(I)の化合物:
【化2】
の化合物又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで、
【0063】
1b、R1c、R1d、R1eはそれぞれ独立して水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであるか、又はR1bはR1a又はR1cに結合して、場合により置換された3〜6員シクロアルキル環を形成するか、又はR1eはR1d又はR1fに結合して、場合により置換された3〜6員シクロアルキル環を形成し;
【0064】
1a及びR1gは、それぞれ独立して、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルコキシであるか、又はR1a及びR1gは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1aはR1bに結合して、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1gはR1fに結合して、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成し;
【0065】
1fは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたC1〜C6アルコキシであるか、又はR1fはR1g又はR1eに結合して、場合により置換された3〜6員シクロアルキル環を形成するか、又はR1fはR2と一緒に、場合によりさらに置換された複素環を形成し;
【0066】
2は、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルであるか、又はR2はR1fと一緒に、場合によりさらに置換された複素環を形成し;
【0067】
XはC(R3)(R4)であり、ここでR3及びR4は、それぞれ独立して水素、シアノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、5員若しくは6員ヘテロアリールであるか、又はR3及びR4は一緒に、3〜6員のヘテロアルキル又はシクロアルキル環を形成し;
【0068】
Lは共有結合、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−CONR5−、−SO2NR5−、−C(O)−C1〜C6アルキレン、−C(O)−C2〜C6アルケニレン、C1〜C6アルキレン−C(O)−、C2〜C6アルケニレン−C(O)−、−C1〜C6アルキレン−NR5CO−、−C1〜C6アルキレン−CONR5−、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンであり;
【0069】
Aは、置換された単環式ヘテロアリール若しくはアリール環、又は場合により置換された二環式ヘテロアリール若しくはアリール環であり;
5は、水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルである。
【0070】
1aは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルコキシである。R1aは水素であってもよい。R1aはフッ素であってもよい。R1aはメチルであってもよい。R1aがフッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルコキシである場合、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gは、それぞれ水素であってもよい。アルキル又はアルコキシは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基、特にフッ素で置換されていてもよい。あるいは、R1aはR1b又はR1gに結合して、場合により置換されたシクロアルキル環を形成してもよい。シクロアルキル環は、3,4,5、又は6個の原子、特に3又は4個の原子を含むことができる。C3〜C6シクロアルキル環は、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0071】
1b、R1c、R1d、R1eは、それぞれ独立して、水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであってもよい。特に、R1b、R1c、R1d、R1eは、それぞれ独立して、水素又はC1〜C3アルキル(例えばメチル又はエチル)であってもよい。R1bは水素又はC1〜C3アルキルであってもよく、R1cは水素であってもよい。R1dは水素又はC1〜C3アルキルであってもよく、R1eは水素であってもよい。アルキルは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。特にR1b、R1c、R1d、R1eはそれぞれ水素である。
【0072】
1bは水素であってもよい。R1bは、C1〜C6アルキルであってもよい。R1bはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルであってもよい。R1bがC1〜C6アルキルである場合、R1a、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gはそれぞれ水素であってもよい。アルキルは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5、特にフッ素から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0073】
1cは水素であってもよい。R1cは、C1〜C6アルキルであってもよい。R1cはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルであってもよい。R1cがC1〜C6アルキルである場合、R1a、R1b、R1d、R1e、R1f、及びR1gはそれぞれ水素であってもよい。アルキルは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5、特にフッ素から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0074】
1dは水素であってもよい。R1dは、C1〜C6アルキルであってもよい。R1dはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルであってもよい。R1dがC1〜C6アルキルである場合、R1a、R1b、R1c、R1e、R1f、及びR1gはそれぞれ水素であってもよい。アルキルは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5、特にフッ素から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0075】
1eは水素であってもよい。R1eは、C1〜C6アルキルであってもよい。R1eはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルであってもよい。R1eがC1〜C6アルキルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、R1f、及びR1gはそれぞれ水素であってもよい。アルキルは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5、特にフッ素から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0076】
あるいは、R1bはR1cに結合してシクロアルキル環を形成してもよい。さらに又は代替的に、R1dはR1eに結合してシクロアルキル環を形成してもよい。シクロアルキル環は、3,4,5、又は6個の原子、特に3又は4個の原子を含むことができる。R1b及びR1cが一緒にC3〜C6シクロアルキル環を形成する場合、R1a、R1d、R1e、R1f、及びR1gは水素であってもよい。R1d及びR1eが一緒にシクロアルキル環を形成する場合、R1a、R1b、R1c、R1f、及びR1gは水素であってもよい。シクロアルキル環は、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0077】
1fは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルコキシであってもよい。アルキル及びアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。特にR1fは、水素、フッ素、C1〜C3アルキル、又は場合により置換されたC1〜C3アルコキシであってもよい。R1fはフッ素であってもよい。R1fはメチルであってもよい。R1fはメトキシであってもよい。R1fはCF3であってもよい。R1fはOCF3であってもよい。特定の例において、R1fは水素である。
【0078】
1gは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルコキシである。R1gは水素であってもよい。R1gはフッ素であってもよい。R1gはメチルであってもよい。R1gがフッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルコキシである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、及びR1fはそれぞれ水素であってもよい。アルキル又はアルコキシは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基、特にフッ素で置換されていてもよい。あるいは、R1gはR1a又はR1fに結合して、場合により置換されたシクロアルキル環を形成する。シクロアルキル環は、3、4、5、又は6個の原子、特に3又は4個の原子を含むことができる。R1gがC3〜C6シクロアルキル環を形成する場合、R1b、R1c、R1d、R1e、及びR1a/R1fはそれぞれ水素であってもよい。シクロアルキル環は、置換されていないか又は置換されていてもよい。
【0079】
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gのうちの1個は、水素以外であってもよく、残りはそれぞれ水素である。
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gのうちの2個は、水素以外であってもよく、残りはそれぞれ水素である。
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gのうちの3個は、水素以外であってもよく、残りはそれぞれ水素である。
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gのうちの4個は、水素以外であってもよく、残りはそれぞれ水素である。
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gのうちの5個は、水素以外であってもよく、残りはそれぞれ水素である。
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gのうちの6個は、水素以外であってもよく、残りはそれぞれ水素である。
【0080】
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gの1、2、3、4、5、又は6個が水素以外である場合、残りのR基は上記の定義による基である。特に、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gの1、2、3、又は4個は水素以外であってもよく、残りはそれぞれは水素である。より詳しくは、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gの1個又は2個は水素以外であってもよく、残りのそれぞれは水素である。
【0081】
これらの化合物は、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、及びR1gが全て水素である形態であってもよい。そのような場合、化合物は、式(IA):
【化3】
【0082】
又はその医薬的に許容し得る塩であってもよく、ここで、
2は、水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであり;
Xは、C(R3)(R4)であり、ここでR3及びR4はそれぞれ独立して水素、シアノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、5員若しくは6員のヘテロアリール若しくはアリール環であるか、又はR3及びR4は一緒に3〜6員のヘテロシクリル若しくはシクロアルキル環を形成し;
Lは共有結合、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−CONR5−、−SO2NR5−、−C(O)−C1〜C6アルキレン、−C(O)−C2〜C6アルケニレン、−C1〜C6アルキレン−C(O)−、−C2〜C6アルケニレン−C(O)−、−C1〜C6アルキレン−NR5CO−、−C1〜C6アルキレン−CONR5−、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンであり;
Aは、置換された単環式ヘテロアリール若しくはアリール環、又は場合により置換された二環式ヘテロアリール若しくはアリール環であり;
5は、水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルである。
【0083】
2は、水素、C1〜C6アルキルであるか、又はR2はR1fと一緒に、場合によりさらに置換された複素環を形成し、ここでアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で置換されてよい、特にR2は、水素、C1〜C3アルキルであるか、又はR1fと一緒に、場合によりさらに置換された(すなわち、−L−Aを用いた置換に加えて)5員又は6員の複素環を形成する。R2は水素であってもよい。R2はメチル又はエチル、特にメチルであってもよい。R2は、R3、R4、L、及び環Aに結合することはできない。
【0084】
特定の例において、R1fは水素であり、R2は水素又はC1〜C3アルキル、好ましくはメチルであるか、又はR1f及びR2は一緒に5〜7員の複素環(環にアミン窒素及びXを含む)を形成し、ここで前記環は、1個以上のフッ素、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシで場合によりさらに置換され、ここでアルキル又はアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で置換されてよい。R1f及びR2が一緒に、場合によりさらに置換された5〜7員ヘテロシクリル環を形成する場合、前記環はピロリジン環に縮合して8〜10員の二環式環を形成する。特に、R1f及びR2は一緒に5員複素環を形成することができ、これは、さらには置換されない。あるいは、R1f及びR2は一緒に5員複素環を形成し、これは、1個以上のハロゲン、オキソ、アミノ、アミド、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシでさらに置換される。特に5員ヘテロシクリル環は、オキソでさらに置換される。Lを介した環Aによる置換に加えて、任意のさらなる置換が行われる。
【0085】
ある場合には、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、及びR1gはそれぞれ水素でもよく、R1fは水素であってもよく、又はR2と一緒に、場合によりさらに置換された5員ヘテロシクリル環を形成してもよい。
【0086】
XはC(R3)(R4)であり、R3及びR4はそれぞれ独立して水素、シアノ、C1〜C6アルキル、場合により置換された5員若しくは6員ヘテロアリール若しくはアリール環であるか、又はR3及びR4は一緒に、これらが結合した炭素とともに、場合により置換された3〜6員のヘテロシクリル若しくはシクロアルキル環を形成し、ここでアルキルは置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1次に以上の置換基で置換されていてもよい。3〜6員のヘテロシクリル若しくはシクロアルキル環は、シクロプロピル又はシクロブチルでもよい。特にR3は水素であってもよく、R4は水素、シアノ、C1〜C6アルキル、場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール若しくはアリール環であるか、又はR3及びR4はそれらが結合した炭素とともに、場合により置換された3〜6員のヘテロシクリル若しくはシクロアルキル環を形成してもよく、ここでアルキルは、置換されていなくても、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、シアノ、又はC1〜C3アルキルであってもよい。特定の例において、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、シアノ、又はメチルであり、例えばR3は水素であり、R4は水素、シアノ、又はメチルである。より詳しくは、Xは、CH2、CHCN、又はCHMeである。
【0087】
Lは、共有結合、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−CONR5−、−SO2NR5−、−C(O)−C1〜C6アルキレン、−C(O)−C2〜C6アルケニレン、C1〜C6アルキレン−C(O)−、C2〜C6アルケニレン−C(O)−、−C1〜C6アルキレン−NR5CO−、−C1〜C6アルキレン−CONR5−。場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンである。アルキレン及びアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5で場合により置換される。R5は水素又はC1〜C6アルキルであり、アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5で場合により置換されていてもよい。
【0088】
具体的な例において、Lは、共有結合、−SO2−、−C(O)−、−C(O)−C1〜C6アルキレン、好ましくは−C(O)−C1〜C3アルキレン、−C(O)−C2〜C6アルケニレン、好ましくは−C(O)−C2〜C4アルケニレン、又は−CONR5−であり、ここでR5は水素又はメチル、好ましくは水素である。
【0089】
本明細書で定義される式(I)において、環Aは5〜10員環(例えば、5、6、7、8、9、又は10員環)であり、ここで、前記環は、置換された単環式ヘテロアリール若しくはアリール環、又は場合により置換された二環式環ヘテロアリール若しくはアリール環である。ヘテロアリール若しくはアリール環は、アミン窒素原子に直接結合して、N−アリール結合を形成してもよく、又はLが共有結合でない場合、結合リンカーを介して結合してもよい。
【0090】
環が二環式である場合、第2の環(すなわち、直接でもリンカーを介しても、アミン窒素に結合していない環)は、芳香族であっても部分的に不飽和であってもよく、従って、5〜10員のヘテロアリール若しくはアリール環の必ずしも全ての原子がアリール系中である必要はないが、5〜10個の原子内に少なくとも1個のアリール又はヘテロアリール環が存在しなければならず、従って、アリール又はヘテロアリール環は、直接又はリンカーを介して、アミン窒素に結合している。
【0091】
環Aは5〜10員のヘテロアリール若しくはアリール環であってもよく、そして置換される場合は、1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の−Q1−(R6n、特に1個又は2個のQ1−(R6nで置換されてよい。
【0092】
特に環Aは、1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の−Q1−(R6nで置換された5員若しくは6員のヘテロアリール若しくはアリール環であってもよい。
【0093】
あるいは環Aは、1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の−Q1−(R6nで場合により置換されてよい9員若しくは10員の二環式ヘテロアリール若しくはアリール環であってもよい。
【0094】
環Aがヘテロアリール環である場合、前記環は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個以上(例えば、1,2、又は3個)のヘテロ原子を含むことができる。特にヘテロアリール環は、少なくとも1個の窒素原子、例えば1,2、又は3個の窒素原子、好ましくは1個又は2個の窒素ヘテロ原子を含有する。
【0095】
環Aは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、テトラヒドロピラジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、フェニル、ナフチル、及びナフタレニルから成る群から選択されてもよい。
【0096】
特に環Aは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、フェニル、ナフチル、及びナフタレニルから成る群から選択される。
【0097】
より詳しくは環Aは、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピリジニル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、イソキノリニル、ピリミジニル、フェニル、ベンゾモルホリニル、インダゾリル、イミダゾピリジニル、キナゾリニル、ピラゾロピリジニル、ベンズイミダゾリル、イミダゾリル、及びオキサジアゾリルからなる群から選択される。
【0098】
例えば環Aは、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピリジニル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、イソキノリニル、ピリミジニル、フェニル、ベンゾモルホリニル、インダゾリル、イミダゾピリジニル、及びイソインドリニルからなる群から選択される。
【0099】
環Aが単環式である場合、環は置換される。環Aが二環式である場合、環は置換されていなくても置換されていてもよい。置換されている場合、環Aは、1個以上の−Q1−(R6n、特に1個又は2個の−Q1−(R6nで置換されていてもよく、ここで各−Q1−(R6nは同じか又は異なり、ここで:
nは、0又は1であり;
1は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR7、−SR7、−NR78、−CONR78、−NR7COR8、−NR7CONR89、−COR7、−C(O)OR7、−SO27、−SO2NR78、−NR7SO28、NR7SO2NR89、−NR7C(O)OR8、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、C(O)−、−C(O)O−、−CONR7−、−NR7−、−NR7CO−、−NR7CONR8−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−NR7SO2NR8−、NR7C(O)O−、−NR7C(O)OR8−,場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンであり;
7、R8、及びR9は、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル、又は場合により置換されたC1〜C6アルキレンである。
【0100】
nが1である場合、R6は場合により置換された3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環(nが0の場合、Q1が存在し、R6は存在しない)である。
【0101】
環Aは、置換されていなくてもよく(二環式環の場合)、又は1、2、3、又は4個の−Q1−(R6nで置換されていてもよい。特に環Aは、置換されていない(二環式環の場合)か、又は1個若しくは2個の−Q1−(R6nで置換されている。−Q1−(R6nの各出現は、同じでも異なっていてもよい。より詳細には、環Aは、置換されていない(二環式の場合)か、又は1個のQ1−(R6nで置換されている。Q1、R6、及びnは、本明細書に定義されるとおりである。
【0102】
特にQ1は、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、又は臭素)、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR7(例えばヒドロキシル)、−SR7(例えばチオール)、−NR78−(例えばアミノ又はN,N−ジメチルアミノ)、−CONR78(例えばアミド)、−NR7COR8(N−アセチル),−NR7CONR89、−COR7(例えばアセチル)、−C(O)OR7(例えばメトキシカルボニル又はエトキシカルボニル)、−SO27(例えばメチルスルホニル)、−SO2NR78(例えばジメチルアミノスルホニル)、−NR7SO28、−NR7SO2NR89、−NR7C(O)OR8、場合により置換されたC1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、場合により置換されたC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)、場合により置換されたC1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−CONR7−、−NR7−(例えばメチルアミノ)、−NR7CO−、−NR7CONR8−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−NR7SO2NR8−、−NR7C(O)O−、−NR7C(O)OR8−、場合により置換されたC1〜C4アルキレン(例えばメチレン又はエチレン)、又は場合により置換された−C2〜C4アルケニレン(例えばビニル)から選択されてもよい。
【0103】
nが0である場合、環Aは、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、又は臭素)、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR7、−SR7、−NR78、−CONR78、−NR7C(O)R8、−NR7C(O)NR89、−C(O)R7、−C(O)OR7、−SO27、−SO2NR78、−NR7SO28、NR7SO2NR89、−NR7C(O)OR8、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6アルコキシ、−C2〜C6アルケニル、又は−C2〜C6アルキニルから、独立して選択される1個以上(例えば1、2、3、又は4個)のQ1置換基で置換されてもよく、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、置換されていなくてもよく、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で置換されてもよく、R7、R8、及びR9は上記で定義された通りである。
【0104】
特に、nが0である場合、Q1はハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、オキソ、−C(O)NR78、−NR7COR8、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシであってもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは置換されていなくてもよく、又は1個以上のハロゲン、特にフッ素で置換されていてもよい。
【0105】
具体的な例において、nは0であり、環Aは、5員若しくは6員のヘテロアリール若しくはアリール環であり、これは、ハロゲン、オキソ、−NR7COR8、C1〜C6アルキル(例えばメチル)、又は、C1〜C3アルコキシ(例えばメトキシ)から独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)のQ1置換基で置換され、ここで、アルキル又はアルコキシは場合により1個以上のフッ素で置換されていてもよい。
【0106】
さらなる例において、nは0であり、環Aは、9員若しくは10員のヘテロアリール若しくはアリール環であり、これは、ハロゲン、オキソ、シアノ、C1〜C3アルキル、又は−C(O)NR78から独立して選択される1個以上(例えば1、2、3、又は4個)のQ1置換基で場合により置換され、ここでアルキルは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0107】
nが1である場合、Q1は共有結合、又は酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−CONR7−、−NR7−、−NR7C(O)−、−NR7CONR8−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−NR7SO2−NR8−、−NR7C(O)O−、−NR7C(O)OR8−、C1〜C6アルキレン、又は−C2〜C6アルケニレンから選択されるリンカーであり、ここで、アルキレン又はアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で場合により置換される。
【0108】
特に、nが1である場合、Q1は共有結合、C1〜C6アルキレン、特にC1〜C3アルキレン、好ましくはメチレン、又は酸素原子から選択される。
特定の例において、環Aは、直接又はリンカーを介してさらなる環で置換され、すなわち環Aは、少なくとも1個の−Q1−(R6n(ここでnは1)で置換される。
【0109】
6は、3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環である。R6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、ベンズオキサゾール、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択し得る。
【0110】
6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択し得る。
【0111】
6は、場合により置換された5員若しくは6員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環であってもよい。
あるいはR6は、場合により置換された9員若しくは10員の二環式ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環であってもよい。
特にR6は、置換若しくは非置換フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、イソキサゾリル、及びシクロアルキル、例えばシクロプロピル又はシクロブチルでから選択される。
より詳しくはR6は、置換若しくは非置換フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、イソキサゾリル、及びシクロプロピルから選択される。
例えばR6は、置換若しくは非置換フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、及びイソインドリルから選択される。
より詳しくはR6は、置換若しくは非置換フェニルである。
【0112】
本明細書に記載する全ての場合において、R6は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から独立して選択される1個以上の置換基で随時置換されてもよく、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で場合により置換されている。
【0113】
2は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、C1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンである。
【0114】
10、R11、R12はそれぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルである。
【0115】
6は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から独立して選択される、1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の、特に1個又は2個の置換基で置換されてもよく、ここで、Q2は共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、C1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンであり、ここでR10、R11、R12はそれぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルであり、ここで、任意のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン、又はアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上(例えば1、2、3、又は4個)の置換基で場合により置換される。
【0116】
特にR6は、ハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、C1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtertブチル)、又はC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C2アルコキシ(例えばメトキシ)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0117】
例えばR6は、ハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、C1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtertブチル)、又はC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキルは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0118】
あるいはR6は、場合によりさらに置換された3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環で、直接又は連結基を介して、場合により置換されていてもよい。連結基は、酸素原子、カルボニル、又は場合により置換されたC1〜C6アルキレンであってもよい。連結基は、酸素、−CO−、又はアルキレン鎖、例えばメチレンであってもよい。3〜10員環は、ハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、C1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、又はC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)から選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の、特に1個又は2個の置換基で置換されてもよく、ここで、アルキルは、1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0119】
6は、非置換でも、一置換でも、又は二置換でもよい。
【0120】
特定の例においてR6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、ベンズオキサゾリル、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される、3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環であり、これは、置換されていないか、又は、ハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の置換基で置換され、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で場合により置換され、ここで、Q2は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、C1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンであり、R10、R11、R12はそれぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルである。
【0121】
6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される、3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環であり、これは、置換されていないか、又は、ハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の置換基で置換され、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で場合により置換され、ここで、Q2は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、C1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンであり、R10、R11、R12はそれぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルである。
【0122】
6は、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、イソキサゾリル、及びシクロアルキルから選択される環であり、ここで前記環は、置換されていないか、又はハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から選択される1個以上、特に1個又は2個の置換基で置換され、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で場合により置換され、ここで、Q2は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、C1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンであり、R10、R11、R12はそれぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルである。
【0123】
6は、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、及びイソキサゾリルから選択される環であり、ここで前記環は、置換されていないか、又はハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から選択される1個以上、特に1個又は2個の置換基で置換され、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上の置換基で場合により置換され、ここで、Q2は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、C1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンであり、R10、R11、R12はそれぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルである。
【0124】
6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、ベンズオキサゾール、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される環であり、前記環は、置換されていなくてもよく、又はハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、C1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、又はC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)、C1〜C4アルコキシ(例えばメトキシ)から選択される1個以上(例えば1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0125】
6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ベンゾモルホリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される環であり、前記環は、置換されていなくてもよく、又はハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、C1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、又はC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)から選択される1個以上(例えば1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキルは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよく、アルキル及びアルコキシは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0126】
特にR6は、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、イソキサゾリル、及びシクロプロピルから選択されてよく、ここで前記環は、置換されていなくてもよく、又はハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、シアノ、C1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、又はC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)、C1〜C4アルコキシ、又はC1〜C2アルコキシ(例えばメトキシ)から選択される1個以上(例えば1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0127】
例えばR6は、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、及びイソキサゾリルから選択されてよく、ここで前記環は、置換されていなくてもよく、又はハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、C1〜C4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、又はC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)から選択される1個以上(例えば1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキルは1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよい。
【0128】
本発明はさらに、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩に関し、ここで、
1b、R1c、R1d、及びR1eはそれぞれ独立して、1個以上のフッ素で場合により置換されてよいC1〜C3アルキルであり;
1a及びR1gはそれぞれ独立して、水素、フッ素、又は1個以上のフッ素で場合により置換されてよいC1〜C3アルキルであり;
1fは、水素、フッ素、1個以上のフッ素で場合により置換されていてもよいC1〜C3アルキルであるか、又はR2と一緒に5員複素環を形成し、前記環は、フッ素、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシで場合によりさらに置換され;
2は、水素又はC1〜C3アルキルであるか、又はR1fと一緒に5員複素環を形成し、前記環は、フッ素、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシで場合によりさらに置換され;
Xは、C(R3)(R4)(式中、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素、シアノ、又は1個以上のハロゲンで場合により置換されてよいC1〜C3アルキルである)であり;
Lは共有結合、−C(O)−、−SO2−、−CONR5−、−CO−C1〜C6アルキレン、又は−CO−C2〜C6アルケニレンであり、ここでR5は水素又はメチルであり;
Aは、1、2、又は3個の−Q1−(R6nで場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール若しくはアリールであるか、又は1、2、又は3個の−Q1−(R6nで場合により置換された9員若しくは10員の二環式ヘテロアリール若しくはアリールであり、ここで各−Q1−(R6nは同じか又は異なり;
nは0又は1であり;
1、R6、及びnは、本明細書に定義されるとおりである。
【0129】
特にQ1は、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、又は臭素)、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR7(例えばヒドロキシル)、−SR7(例えばチオール)、−NR78(例えばアミノ又はN,N−ジメチルアミノ)、−CONR78(例えばアミド)、−NR7COR8(N−アセチル)、−NR7CONR89、−COR7(例えばアセチル)、−C(O)OR7(例えばメトキシカルボニル又はエトキシカルボニル)、−SO27(例えばメチルスルホニル)、−SO2NR78(ジメチルアミノスルホニル)、NR7SO28、NR7SO2NR89、−NR7C(O)OR8,場合により置換された−C1〜C4アルキル(例えば、プロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、場合により置換されたC1〜C2アルキル(例えばメチル又はエチル)、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−CONR7−、−NR7−(例えばメチルアミノ)、−NR7CO−、−NR7CONR8−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−NR7SO2NR8−、−NR7C(O)O−、−NR7C(O)OR8−、場合により置換されたC1〜C4アルキレン(例えばメチレン又はエチレン)、又は場合により置換された−C2〜C4アルケニレン(例えばビニル)から選択され、及びR6は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、−OR10、−SR10、−NR1011、−CONR1011、−NR10COR11、−NR10CONR1112、−COR10、−C(O)OR10、−SO210、−SO2NR1011、−NR10SO211、NR10SO2NR1112、−NR10C(O)OR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q2−R10、−Q2−NR10CONR1112、−Q2−NR1011、−Q2−COR10、−Q2−NR10COR11、−Q2−NR10C(O)OR11、−Q2−SO210、Q2−CONR1011、−Q2−CO210、−Q2−SO2NR1011、−Q2−NR10SO211、及び−Q2−NR10SO2NR1112から独立して選択される1個又は2個の置換基で場合により置換された、5員若しくは6員のヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアリール環であり、ここでQ2は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CO−、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンであり、ここで、R10、R11、R12はそれぞれ独立して、水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであり、ここで、任意のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン、又はアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上(例えば1、2、3、又は4個)の置換基で場合により置換される。
【0130】
本発明はさらに、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩に関し、ここで、
1a。R1b、R1c、R1d、R1e、及びR1gはそれぞれ水素であり;
1fは水素であるか、又はR2と一緒に5員複素環を形成し、これは場合によりさらに1個の置換基で場合により置換され;
2は水素又はメチルであるか、又はR1fと一緒に5員複素環を形成し、これは1個の置換基で場合によりさらに置換され;
XはC(R3)(R4)であり、ここでR3は水素であり、R4は水素、シアノ、又はC1〜C3アルキルであり;
Lは共有結合、−C(O)−、−SO2−、−CONH−、−CO−C1〜C3アルキレン、特に−C(O)−、−CO−メチレン、又は−CO−エテニレンであり;
Aは、1個又は2個の−Q1−(R6nで置換された5員若しくは6員の単環式ヘテロアリール若しくはアリールであるか、又は、置換されていないか又は1個又は2個の−Q1−(R6nで置換された9員若しくは10員の二環式ヘテロアリール若しくはアリールであり;
−Q1−(R6nの各出現は同じか又は異なり、
nは0又は1であり;
1は、ハロゲン、特にフッ素又は塩素、オキソ、シアノ、−CONR7、−NR7COR8、1個以上のフッ素で場合により置換されたC1〜C3アルキル、例えばCF3、−SO2NH−、C1〜C3アルコキシ、例えばメトキシ、共有結合、酸素原子、又はC1〜C3アルキレン、例えばメチレンであり;
6は、3〜6員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環であり、特にR6は、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イソインドリル、イソキサゾリル、又はシクロプロピルであり、ここでR6は、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、例えばメチル、又はC1〜C3アルコキシ、例えばメトキシから選択される1個以上の置換基で置換されており;
7及びR8は、それぞれ独立して、水素又はC1〜C3アルキルである。
【0131】
本発明はさらに、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩に関し、ここで、
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、及びR1gはそれぞれ水素であり;
1fは水素であるか、又はR2と一緒に5員複素環を形成し、これは1個の置換基で場合によりさらに置換され;
2は水素又はメチルであるか、又はR1fと一緒に5員複素環を形成し、これは1個の更なる置換基で場合により置換され;
XはC(R3)(R4)であり、ここでR3は水素であり、R4は水素、シアノ、又はC1〜C3アルキルであり;
Lは共有結合、−C(O)−、−SO2−、−CONH−、−CO−C1〜C3アルキレン、特に−CO−メチレン、又は−CO−エテニレンであり;
Aは、1個又は2個の−Q1−(R6nで置換された5員若しくは6員の単環式ヘテロアリール若しくはアリールであるか、又は、置換されていないか又は1個又は2個の−Q1−(R6nで置換された9員若しくは10員の二環式ヘテロアリール若しくはアリールであり;
−Q1−(R6nの各出現は同じか又は異なり、ここで;
nは0又は1であり;
1は、ハロゲン、特にフッ素又は塩素、オキソ、シアノ、−CONR7、−NR7COR8、1個以上のフッ素で場合により置換されたC1〜C3アルキル、例えばCF3、−SO2NH−、C1〜C3アルコキシ、例えばメトキシ、共有結合、酸素原子、又はC1〜C3アルキレン、例えばメチレンであり;
6は、5〜6員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリール環であり、特にR6は、フェニル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、又はピラゾリルであり、ここでR6は、置換されていないか、又はハロゲン、又はC1〜C3アルキル、例えばメチルから選択される1個以上の置換基で置換されており;
7及びR8は、それぞれ独立して、水素又はC1〜C3アルキルである。
【0132】
環Aの例としては、以下に示すものが含まれ、
【表1-1】
【表1-2】
【0133】
ここで、
【化4】
は、分子の残りの部分への、すなわちLを介してアミン窒素への結合点を表し、単環式環は1個以上の−Q1−(R6nで置換され、二環式環は1個以上の−Q1−(R6nで場合により置換される。環窒素原子に結合した水素原子は示されていない。当業者であれば、どの環窒素原子が置換に適しているかを、そして置換されていない場合には窒素は水素原子に結合して、適宜その原子価を完成させることができることを、理解するであろう。
【0134】
式(I)の新規化合物の例は以下を含む:
3−((キノリン−2−イルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((6−フルオロベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−((イソキノリン−1−イルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((3−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((4−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((5−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((6−フェニルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
(R)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
(S)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
【0135】
3−(((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
(R)−3−(((7−(1H−ピラゾール−4−イル)キナゾリン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((3−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((4−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((4−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−フルオロフェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)イソキノリン−6−カルボニトリル、
3−(((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)−N−メチルイソキノリン−6−カルボキサミド、
3−(((2−(イソインドリン−2−イル)ピリジン−4−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
(S)−3−(((4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
【0136】
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−2−フェニルオキサゾール−5−カルボキサミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−フェニルイソキサゾール−5−カルボキサミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−カルボキサミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−(ピリジン−4−イル)ベンズアミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(o−トリル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−2−フェニルチアゾール−4−カルボキサミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−(ピロリジン−1−イル)ピコリンアミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(2,4−ジクロロベンジル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
【0137】
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−(N−フェニルスルファモイル)ベンズアミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、
(E)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)アクリルアミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−(4−フルオロフェニル)ニコチンアミド、
(S)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−カルボキサミド、
(R)−6−クロロ−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド、
2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチルアセトアミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルオキサゾール−2−カルボキサミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド、
1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
【0138】
1−(3−クロロフェニル)−3−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)尿素、
1−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)尿素、
1−(3−ベンジルフェニル)−3−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)尿素、
1−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(2,4−ジクロロフェニル)尿素、
1−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチル−3−(2−メチルチアゾール−4−イル)ベンゼンスルホンアミド、
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチル−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド、
3−(1−((6−(5−メチルイソキサゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(1−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−(1−(イソキノリン−3−イルアミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
3−((1−(1−シアノピロリジン−3−イル)エチル)アミノ)イソキノリン−6−カルボニトリル
3−((ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)(シアノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル、
【0139】
2−((1−(1−シアノピロリジン−3−イル)エチル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボニトリル、
(3aR,6aS)−4−オキソ−5−(5−フェニルチアゾール−2−イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボニトリル、
(R)−3−(3−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール−5−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキノリン−3−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルイソキサゾール−3−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−フェニルピコリンアミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルピコリンアミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルチアゾール−2−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−4−フェニルチアゾール−2−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−2−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルボキサミド、
【0140】
(R)−7−クロロ−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド、
(R)−3−(2−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール−5−カルボキサミド、
(R)−3−(4−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール−5−カルボキサミド、
(R)−5−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド、
(S)−5−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−1−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−1−(4−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(3−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1H−ピラゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−7−シクロプロピルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド、
(R)−1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
又はその医薬的に許容し得る塩を含む。
【0141】
上に列挙した化合物の各々は、本発明の特定の独立した態様であることに留意すべきである。
【0142】
本発明のさらなる態様において、式(II)のアミンに化合物A−L−LGを反応させて式(III)の化合物を生成する工程を含む、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩の製造方法が提供される:
【化5】
【化6】
【0143】
式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、A、X、L、及びmは別に定義した通りであり、PGはアミン保護基であり、LGは好適な脱離基である。保護基は、特に限定されるものではないが、BOCであってもよい。そのような保護化学基を組み合わせるか調整することは、当業者には明らかである。脱離基は、特に限定されるものではないが、ハロゲンであってもよい。そのような化学的脱離基を組み合わせるか調整することは、当業者には明らかである。保護基を除去して、式(IV)の遊離アミンを残し、次にこれを臭化シアンで処理して式(I)の化合物を形成することができる:
【化7】
【0144】
ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、A、X、L、及びmは、別に定義した通りである。
【0145】
本発明のさらなる態様において、式(IV)のアミンに臭化シアンと反応させてN−CN化合物を生成する工程を含む、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩の製造方法が提供される:
【化8】
【0146】
ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、A、X、L、及びmは、別に定義した通りである。
【0147】
本発明のさらなる態様において、本発明の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0148】
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物のいずれかを、任意の医薬的に許容し得る担体、補助剤、又はビヒクルと組み合わせて含む。医薬的に許容し得る担体の例は当業者に公知であり、投与様式及び剤形の性質に応じて、特に限定されるものではないが、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤、及び分散剤を含む。前記組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤、坐剤、シロップ剤、及び液体調製物(懸濁剤及び液剤を含む)の形態であってもよい。本発明の文脈における「医薬組成物」という用語は、活性物質を含み、さらに1個以上の医薬的に許容し得る担体を含む組成物を意味する。組成物は、投与様式及び剤形の性質に応じて、例えば希釈剤、補助剤、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤、及び分散剤から選択される成分をさらに含むことができる。
【0149】
本発明の化合物は、USP30阻害に関連する障害及び疾患の治療に使用することができる。
【0150】
ミトコンドリア機能障害を伴う症状
本発明の化合物は、ミトコンドリア機能障害に関連する構成要素を有する障害又は疾患、特にDUB活性に関連する障害又は疾患の治療に使用することができる。より詳細には、障害又は疾患はUSP30活性に関連する。
【0151】
本明細書に記載の化合物は、ミトコンドリア機能障害を伴う症状の治療のための医薬品の製造に使用することができる。
【0152】
本発明のさらなる態様において、ミトコンドリア機能障害を伴う症状の治療又は予防方法であって、医薬的に有効な量の本発明の化合物又はその医薬組成物を、ミトコンドリア機能障害を伴う症状と有すると診断された個体に投与することを含む。
【0153】
ミトコンドリア機能障害は、赤血球以外の体のあらゆる細胞に存在する専用の区画であるミトコンドリアの欠陥に起因する。ミトコンドリアが機能しなくなると、細胞内で生成されるエネルギーがますます少なくなり、細胞傷害又は細胞死が起きる。このプロセスが体全体で繰り返されると、これが起きている被験者の生活はひどく損なわれる。ミトコンドリアの疾患は、脳、心臓、肝臓、骨格筋、腎臓、内分泌系、及び呼吸器系のようなエネルギー要求の高い臓器において最も頻繁に現れる。
【0154】
ミトコンドリア機能障害を伴う症状は、マイトファジー欠陥、ミトコンドリアDNAの変異を伴う症状、ミトコンドリア酸化ストレスを伴う症状、ミトコンドリア膜電位の欠陥を伴う症状、ミトコンドリアの生体発生、ミトコンドリアの形又は形態の欠陥を伴う症状、及びリソソーム蓄積欠陥を伴う症状から選択し得る。
【0155】
特に、ミトコンドリア機能障害を伴う症状は、神経変性疾患;多発性硬化症(MS)、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、及び脳卒中様症状(MELAS)症候群;レーベル遺伝性視神経症(LHON);癌;神経障害、運動失調、色素性網膜炎−母体遺伝性リー症候群(NARP−MILS);ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞を引き起こす虚血性心疾患;精神医学的疾患、例えば統合失調症;多種サルファターゼ欠損症(MSD);ムコリピドーシスII(MLII);ムコリピドーシスIII(MLIII);ムコリピドーシスIV(MLIV);GM1−ガングリオシドーシス(GM1);ニューロンセロイド−リポフスノーゼ(NCL1);アルパー病;バース症候群;ベータ酸化欠陥;カルニチン−アシル−カルニチン欠損症;カルニチン欠損症;クレアチン欠損症候群;補酵素Q10欠損;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;COX欠損症;慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO);CPTI欠損症;CPTII欠損症;グルタル酸性尿症II型;ケーンズ・セイヤー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損症(LCHAD);リー疾患又は症候群;致死性幼児心筋症(LIC);Luft病;グルタル酸性尿症II型;中鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損症(MCAD);ミオクロニー性てんかん及び赤色ぼろ線維症(MERRF)症候群;ミトコンドリア細胞病;ミトコンドリア性劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;神経胃腸性障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損;POLG突然変異;中鎖/短鎖3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(M/SCHAD)欠損症;及び超長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ(VLCAD)欠損症;認知機能及び筋力の年齢依存的低下、から選択することができる。
【0156】
ミトコンドリア機能障害を伴う症状は、CNS障害、例えば神経変性疾患であり得る。
【0157】
神経変性疾患には、特に限定されるものではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、及び前頭葉痴呆が含まれる。
【0158】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、特に限定されるものではないが、α−シヌクレイン、パーキン、及びPINK1の突然変異に関連するPD、常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR−JP)(これはパーキンが変異している)の治療に有用である。
【0159】
本明細書に記載の本発明の化合物又はその医薬組成物は、ミトコンドリア機能障害を伴う症状の治療のために使用される場合、1個以上の追加の薬剤と組み合わせることができる。本化合物は、レボドパ、ドーパミンアゴニスト、モノアミノオキシゲナーゼ(MAO)B阻害剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、抗コリン作用薬、リルゾール、アマンタジン、コリンエステラーゼ阻害剤、メマンチン、テトラベナジン、抗精神病薬、ジアゼパム、クロナゼパム、抗うつ薬、及び抗けいれん薬から選択される1種以上の追加の薬剤と組合せることができる。
【0160】

本発明の化合物はまた、癌の治療、より詳細にはDUB活性、特にUSP30活性に関連する癌の治療にも使用される。
本明細書に記載の化合物はまた、癌の治療のための医薬品の製造に使用することができる。本発明のさらなる態様において、医薬的に有効な量の本発明の化合物又はその医薬組成物を、癌に罹患している個体に投与することを含む、癌の治療又は予防方法が提供される。
本発明の化合物は、ミトコンドリア機能障害に関連する癌の治療にも使用される。
【0161】
ある実施態様において本発明の化合物は、アポトーシス経路が調節障害されている癌の治療に、より詳細にはBCL−2ファミリーのタンパク質が突然変異しているか、又は過剰発現若しくは過小発現している癌の治療に、使用される。
【0162】
「癌」又は「腫瘍」への言及は、特に限定されるものではないが、乳房、卵巣、前立腺、肺、腎臓、胃、結腸、精巣、頭頸部、膵臓、脳、黒色腫、骨、又は他の組織臓器の癌、及びリンパ腫及び白血病などの血液細胞の癌が含まれる。具体的な癌には、リンパ腫、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、及び非小細胞肺癌が含まれる。
【0163】
本明細書に記載の本発明の化合物又はその医薬組成物は、癌の治療に使用される場合、1種以上の追加の薬剤と組み合わせてもよい。本化合物は、追加の抗腫瘍治療剤、例えば化学療法剤又は他の調節タンパク質の阻害剤と組み合わせることができる。ある実施態様において、追加の抗腫瘍治療剤はBH−3模倣物である。さらなる実施態様においてBH−3模倣物は、特に限定されるものではないが、ABT−737、ABT−199、ABT−263、及びオバトクラックス(Obatoclax)のうちの1個以上から選択され得る。さらなる実施態様において、追加の抗腫瘍剤は化学療法剤である。化学療法剤は、特に限定されるものではないが、オラパリブ、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、電離放射線(IR)、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、テモゾロミド、タキサン、5−フルオロピリミジン、ゲムシタビン、及びドキソルビシンから選択され得る。
【0164】
剤形
ミトコンドリア機能障害を治療するために、本発明の医薬組成物は、経口、非経口、又は粘膜経路による投与のために設計することができ、組成物の選択又は特定の形態は投与経路に依存する。従って、経口投与の場合、組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、糖衣錠、フィルム、粉末剤、エリキシル剤、シロップ剤、液体調製物(分散剤、懸濁剤、乳液、液剤又は噴霧剤を含む)、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤などの形態であってもよい。粘膜への投与のために、組成物は、噴霧剤、吸入剤、分散液、懸濁液、乳液、溶液、ゲル、パッチ、フィルム、軟膏、クリーム、ローション、坐剤などの形態であってもよい。非経口投与のための組成物は、溶液、分散液、乳濁液、又はリポソーム組成物を含む懸濁液のような液体製剤である。
【0165】
CNS障害を治療するために、本発明の化合物は、血液脳関門を通過する能力を有しなければならない。すなわちそのような化合物は、患者の中枢神経系に入る能力を有する。あるいは本発明の医薬組成物は、血液脳関門をバイパスするための当該分野で公知の組成物及び方法の使用を介して血液脳関門をバイパスすることができ、又は脳に直接注射することができる。適切な注射部位には、大脳皮質、小脳、中脳、脳幹、視床下部、脊髄、及び心室組織、並びに頸動脈及び副腎髄質を含むPNSの領域が含まれる。さらなる剤形には、特に限定されるものではないが、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、液体調製物(懸濁液剤を含む)、噴霧剤、吸入剤、錠剤、トローチ剤、乳剤、液剤、カシェ剤、顆粒剤、及びカプセル剤が含まれる。非経口投与のための調製物は、無菌水性、水性有機及び有機溶液、懸濁液、及びエマルジョンが含まれる。
【0166】
癌を治療するために、本発明の医薬組成物は、癌細胞を標的化するのに適した任意の有効な方法で、例えば、特に限定されるものではないが、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤を含む液体調製物、噴霧剤、吸入剤、錠剤、トローチ剤、乳剤、溶液剤、カシェ剤、顆粒剤及びカプセル剤を含む経口的に許容し得る剤形で経口投与することができる。非経口投与のための本発明による調製物には、無菌水性溶液、水性有機溶液、及び有機溶液、懸濁液、及び乳剤が含まれる。
【0167】
このような剤形は、医薬製剤分野で公知の技術に従って調製される。噴霧剤又は吸入剤の形態である場合、医薬組成物は鼻に投与することができる。この目的のための適切な製剤は、当業者に公知である。
【0168】
本発明の医薬組成物は、注射によって投与することができ、従ってリポソーム調製物を含む注射用の無菌液体調製物の形態であってもよい。本発明の医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態であってもよい。これらは、医薬組成物が室温では固体で体温では液体であって活性化合物の放出を可能にするように調製される。
【0169】
投与量は、患者の必要性、治療される症状の重症度、及び使用される化合物に依存して変化し得る。特定の状況のための適切な投与量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般に治療は、化合物の最適用量より少ない用量で開始される。その後、その状況下での最適効果に達するまで、用量は少しずつ増加される。
【0170】
化合物の有効用量の大きさはもちろん、治療される症状の重篤度の性質、及び特定の化合物とその投与経路によって変化するであろう。適切な投与量の選択は、過度の負担なしに可能な当業者の能力の範囲内である。1日の用量範囲は、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約10μg〜約100mgであり、一般に1回の投与あたり約10μg〜30mg/kg体重であってもよい。上記用量は1日当たり1〜3回投与することができる。
【0171】
合成方法
本発明の化合物は、様々な合成経路によって調製することができる。本発明の特定の化合物への例示的経路を以下に示す。本発明の代表的な化合物は、以下に記載する一般的な合成方法に従って合成することができ、より詳細には以下のスキームに例示される。スキームは例示であるため、本発明が、示された化学反応及び条件によって制限されると解釈されるべきではない。スキームで使用される様々な出発物質の調製は、十分に当業者の技術範囲内である。当業者であれば、スキーム内の個々の変換を異なる順序で適宜完了することができることを理解するであろう。以下のスキームは、本発明の中間体及び標的化合物を調製することができる一般的な合成方法を記載する。追加の代表的な化合物及び立体異性体、ラセミ混合物、そのジアステレオ異性体及び鏡像異性体は、一般的スキームに従って調製された中間体、及び当業者に公知の他の物質、化合物、及び試薬を用いて合成することができる。全てのそのような化合物、立体異性体、ラセミ混合物、ジアステレオ異性体、及び鏡像異性体は、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0172】
全ての化合物は、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)及び1H NMRによって性状解析された。
【0173】
略語:
BINAP 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
Boc tert−ブトキシカルボニル
br ブロード(NMRシグナル)
CDI 1,1−カルボニルジイミダゾール
d 二重項(NMRシグナル)
dba ジベンジリデンアセトン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
ES 電子噴霧
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
Hal ハロゲン、例えばF、Cl、Br、I
HATU 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート
m 多重項(NMRシグナル)
MeCN アセトニトリル
Me−ダルホス ジ(1−アダマンチル)−2−ジメチルアミノフェニルホスフィン
MeOH メタノール
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
NMP N−メチル−2−ピロリドン
PE 石油エーテル
rt 室温
Ruphos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジイソプロポキシビフェニル
s 一重項(NMRシグナル)
t 三重項(NMRシグナル)
T3P プロピルホスホン酸無水物
TBD 1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMA トリメチルアルミニウム
【0174】
LCMS法
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0175】
実施例1
3−((キノリン−2−イルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化9】
【0176】
工程a
トルエン(1ml)中の3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.2ミリモル)、2−クロロキノリン(0.2ミリモル)、及びナトリウムtert−ブトキシド(0.6ミリモル)の溶液に、触媒量のアリルパラジウム及びMe−ダルホスを室温で窒素下で加えた。反応混合液を65℃で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取TLC(PE:EtOAc 1:1)により精製して、3−((キノリン−2−イルアミノ)メチル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得た。MS: ES+ 328.4。
【0177】
工程b
EtOAc(1mL)中の3−((キノリン−2−イルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの溶液に、EtOAc(1mL)中の4M HClを加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。残渣のN−(ピロリジン−3−イルメチル)−キノリン−2−アミンを、さらに精製することなく次の工程で直接使用した。MS: ES+ 228.1。
【0178】
工程c
EtOH(2mL)中のN−(ピロリジン−3−イルメチル)キノリン−2−アミンの溶液に、臭化シアン(0.2ミリモル)及びNaHCO3(0.6ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。粗製物を分取逆相HPLC(A:水中0.078%酢酸アンモニウム、B:MeCN)により精製して、標題化合物(1.5mg、0.005ミリモル)を得た。LCMS:方法E、保持時間1.98分、MS: ES+ 254.1。
【0179】
表1の化合物は、実施例1に記載したものと同様の手順を用いて合成した。
【化10】
【表9】
【0180】
実施例9
(R)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化11】
【0181】
工程a
MeCN(200ml)中の5−フェニルチアゾール−2−アミン(10.0g、56.8ミリモル)の溶液に、0℃でCuBr2(15.2g、68.18ミリモル)を加え、10分間撹拌した。反応混合液に0℃で亜硝酸tert−ブチル(8.10ml、68.2ミリモル)を滴下して加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液をセライトハイフローで濾過した。セライトケーキをMeCN(2×100ml)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、水(100ml)で希釈した。得られた混合液をEtOAc(3×80ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、2−ブロモ−5−フェニルチアゾール(2.00g、8.33ミリモル)を得た。LCMS:方法B、4.78分、MS: ES+ 240.20; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.13 (s, 1 H), 7.65 - 7.67 (m, 2 H), 7.45 - 7.49 (m, 2 H), 7.39 - 7.43 (m, 1 H)。
【0182】
工程b
EtOH(5ml)中の2−ブロモ−5−フェニルチアゾール(0.30g、1.24ミリモル)の溶液に、(R)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.274g、1.36ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を100℃で120時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中40%EtOAc)により精製して、(R)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.12g、0.33ミリモル)を得た。LCMS:方法B、4.27分、MS: ES+ 360.43。
【0183】
工程c
DCM(8ml)中の(R)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.11g、0.30ミリモル)の溶液に、TFA(0.5ml)を0℃で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をDCM(2×5ml)を用いて再蒸留した。得られた残渣をジエチルエーテル(2×5ml)で粉砕して、(R)−5−フェニル−N−(ピロリジン−3−イルメチル)チアゾール−2−アミンTFA塩(0.095g、0.25ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0184】
工程d
THF(10ml)中の(R)−5−フェニル−N−(ピロリジン−3−イルメチル)チアゾール−2−アミンTFA塩(0.09g、0.34ミリモル)の溶液に、K2CO3(0.143g、1.00ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で10分間撹拌した。臭化シアン(0.044g、0.41ミリモル)を0℃で反応混合液に加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌した。得られた反応混合液を水(20ml)に注ぎ、EtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、標題化合物(0.038g、0.13ミリモル)を得た。LCMS:方法B、3.37分、MS: ES+ 285.33; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.94 (m, 1H), 7.33 - 7.49 (m, 5 H), 7.16 - 7.22 (m, 1 H), 3.39 - 3.51 (m, 2 H), 3.27 - 3.36 (m, 3 H), 3.12 - 3.18 (m, 1 H), 2.53 - 2.59 (m, 1 H), 1.94 - 2.04 (m, 1 H), 1.64 - 1.72 (m, 1 H)。
【0185】
実施例10
(S)−3−(((5−フェニルチアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化12】
【0186】
実施例9と同様の手順で(S)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを使用して、標題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.40分、MS: ES+ 285.68; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.94 (br t, J=5.2 Hz, 1 H), 7.47 (s, 1 H), 7.42 - 7.44 (m, 2 H), 7.32 - 7.35 (m, 2 H), 7.17 - 7.21 (m, 1 H), 3.42 - 3.49 (m, 2 H), 3.34 - 3.39 (m, 1 H), 3.26 - 3.29 (m, 2 H), 3.13 - 3.17 (m, 1 H), 2.53 - 2.59 (m, 1 H), 1.95 - 2.03 (m, 1 H), 1.62 - 1.71 (m, 1 H)。
【0187】
実施例11
3−(((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化13】
【0188】
工程a
THF(2.5ml)中の6−ブロモ−2−クロロ−1,3−ベンゾチアゾール(0.1g、0.40ミリモル)及び3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.08g、0.40ミリモル)の溶液に、室温でTEA(0.11ml、0.80ミリモル)を加えた。反応混合液を90℃で16時間加熱した後、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中40〜50%EtOAc)により精製して、3−(((6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.105g、0.25ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.66分、MS: ES+ 412.30。
【0189】
工程b
DMF:水(9:1、5ml)中の3−(((6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.25g、0.60ミリモル)及び4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.12g、0.60ミリモル)の溶液をマイクロ波式ガラスバイアル中で調製し、NaHCO3(0.105g、1.21ミリモル)をで処理した。反応混合液を室温で10分間脱気した後、Pd(dppf)Cl2(0.022g、0.03ミリモル)を加えた。反応混合液を140℃で1.5時間マイクロ波加熱を行った。得られた混合液を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×25ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中7〜8%MeOH)により精製して、3−(((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)−メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.12g、0.30ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.98分、MS: ES+ 400.30。
【0190】
工程c
DCM(3ml)中の3−(((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.12g、0.30ミリモル)の溶液に、0℃でTFA(1.2ml)を加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮して、6−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(ピロリジン−3−イルメチル)ベンゾ[d]チアゾール−2−アミンTFA塩(0.10g、0.24ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.37分、MS: ES+ 300.39。
【0191】
工程d
DMF(2.5ml)中の6−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(ピロリジン−3−イルメチル)ベンゾ[d]チアゾール−2−アミンTFA塩(0.10g、0.24ミリモル)の溶液に、0℃でK2CO3(0.085g、0.60ミリモル)を加えた。反応混合液に臭化シアン(0.03g、0.29ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を10℃で45分間撹拌した。得られた反応混合液を氷冷水(40ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中3〜6%MeOH)により精製して、標題化合物(0.03g、0.09ミリモル)を得た。LCMS:方法A、3.21分、MS: ES+ 324.96;1HNMR(400MHz、DMSO-d 6)δppm12.86(s、1H)、8.11-8.13(m、2H)、7.88-7.92(m、2H)、7.47(dd、J=8.40,1.60Hz、1H)、7.35(d、J=8.40Hz、1H)、3.43-3.51(m、2H)、3.33-3.40(m、3H)、3.15-3.19(m、1H)、2.55-2.62(m、1H)、1.98-2.03(m、1H)、1.67-1.72(m、1H)。
【0192】
実施例12
(R)−3−(((7−(1H−ピラゾール−4−イル)キナゾリン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化14】
【0193】
工程a
DMA(50ml)中の2−フルオロ−4−ブロモベンズアルデヒド(5.0g、24.63ミリモル)の溶液に、炭酸グアニジン(6.65g、36.94ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を140℃で2時間加熱した。得られた反応混合液を氷冷水(500ml)に注いだ。得られた白色沈殿物を濾過して集め、次に2M HCl(150ml)中に懸濁させた。懸濁液を十分に撹拌して、濁った懸濁液を得た後、濾過して未溶解固体を除去した。透明な濾液を集め、ジエチルエーテル(3×50ml)で洗浄した。得られた水層を2M NaOH溶液(100ml)を用いて塩基性化した。得られた白色沈殿物を濾過して集め、ペンタン(3×10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させて、7−ブロモキナゾリン−2−アミン(0.80g、3.57ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.62分、MS: ES+ 224.11; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.13 (s, 1 H), 7.75 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.59 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.36 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.08 (s, 2 H)。
【0194】
工程b
THF(15ml)中の7−ブロモキナゾリン−2−アミン(0.80g、3.57ミリモル)の溶液に、CuI(0.34g、1.70ミリモル)及びCH22(0.94g、3.50ミリモル)を室温で加えた。亜硝酸イソアミル(1.44ml、10.50ミリモル)を室温で反応混合液に滴下して加えた。反応混合液を80℃で4時間加熱した。得られた反応混合液を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、セライトハイフローで濾過した。得られた濾液をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、7−ブロモ−2−ヨードキナゾリン(0.34g、1.01ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.25分、MS: ES+ 335.20; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.38 (s, 1 H), 8.24 (d, J=2 Hz, 1 H), 8.13 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.96 (dd, J=8.8, 2 Hz, 1 H)。
【0195】
工程c
NMP(10ml)中の7−ブロモ−2−ヨードキナゾリン(0.33g、0.98ミリモル)及び(R)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.198g、0.98ミリモル)の溶液を、マイクロ波式ガラスバイアル中で調製した。反応混合液にDIPEA(0.34ml、1.96ミリモル)を室温で加えた。ガラスバイアルを密閉し、70℃で30分間マイクロ波照射を行った。得られた反応混合液を食塩水(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、(R)−3−(((7−ブロモキナゾリン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.80g、定量的)を得た。LCMS:方法C、2.59分、MS: ES+ 407.50。
【0196】
工程d
DMF:水(4:1、10ml)中中の(R)−3−(((7−ブロモキナゾリン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.75g、1.84ミリモル)及び4−(4,4,5,5−トリフルオロメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.39g、2.00ミリモル)の溶液を、電子レンジ用ガラスバイアル中で調製した。NaHCO3(0.30g、3.60ミリモル)を室温で反応混合液に加えた。混合液を室温で10分間脱気した後、Pd(dppf)Cl2(0.065g、0.09ミリモル)を加えた。反応混合液に150℃で30分間マイクロ波加熱を行った。得られた反応混合液を食塩水(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中4%MeOH)により精製して、(R)−3−(((7−(1H−ピラゾール−4−イル)キナゾリン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.205g、0.52ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.80分、MS: ES+ 395.65; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.10 (s, 1 H), 9.00 (s, 1 H), 8.44 (s, 1 H), 8.12 (s, 1 H), 7.75 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.53 (dd, J=8.40, 1.60 Hz, 2 H), 3.34 - 3.39 (m, 3 H), 3.16 - 3.24 (m, 1 H), 3.03 - 3.07 (m, 1 H), 2.51 - 2.62 (m, 2 H), 1.94 - 1.97 (m, 1 H), 1.61 - 1.66 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0197】
工程e、f
実施例9の工程c、dの手順に従って標題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.23分、MS: ES+ 320.04; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.10 (s, 1 H), 9.09 (s, 1 H), 8.44 (s, 1 H), 8.12 (s, 1 H), 7.76 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.54 (dd, J=8.00, 1.20 Hz, 2 H), 3.44 - 3.50 (m, 2 H), 3.36 - 3.40 (m, 3 H), 3.20 - 3.24 (m, 1 H), 2.61 - 2.67 (m, 1 H), 1.95 - 2.02 (m, 1 H), 1.70 - 1.76 (m, 1 H)。
【0198】
実施例13
3−(((3−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化15】
【0199】
工程a
DMF:水(1:1、4ml)中の1−ブロモ−3−ニトロベンゼン(0.25g、1.23ミリモル)及び1,3−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.33g、1.48ミリモル)の溶液に、NaHCO3(0.319g、3.70ミリモル)を室温で加えた。混合液を15分間脱気した後、PdCl2(dppf)(0.09g、0.12ミリモル)を加えた。反応混合液を100℃で2時間加熱した。得られた混合液を水(150ml)に注ぎ、EtOAc(3×100ml)で抽出した。有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾール(0.28g、1.28ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.12分、MS: ES+ 218.53。粗物質を精製することなく次の工程に使用した。
【0200】
工程b
メタノール:THF(1:1、6ml)中の1,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾール(0.28g、1.28ミリモル)の溶液に、20%Pd(OH)2(50%水分、0.3g)を室温で加えた。反応混合液をH2ガスで室温で2時間パージした。得られた反応混合液をセライトハイフローで注意深く濾過し、減圧下で濃縮して、3−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)アニリン(0.2g、1.06ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.52分、MS: ES+ 188.39。粗物質を精製することなく次の工程に使用した。
【0201】
工程c
DCM(5ml)中の3−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)アニリン(0.2g、1.06ミリモル)及び3−ホルミルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.27g、1.39ミリモル)の溶液に、室温でTEA(0.13g、1.28ミリモル)を加えた。反応混合液を70℃で16時間撹拌した。反応混合液に0℃でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.45g、2.12ミリモル)を加え、室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を水(100ml)に注ぎ、DCM(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO3の飽和溶液(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−(((3−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.3g、0.8ミリモル)を加えた。LCMS:方法C、2.38分、MS: ES+ 371.53。
【0202】
工程d、e
実施例9の工程c、dの手順に従って標題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.65分、MS: ES+ 296.38; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.77 (s, 1 H), 7.06 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 6.57 - 6.60 (m, 2 H), 6.44 (dd, J = 1.6, 8.4 Hz, 1 H), 5.76 (t, J = 11.2 Hz, 1 H), 3.76 (s, 3 H), 3.34 - 3.52 (m, 4 H), 3.13 - 3.17 (m, 1 H), 3.03 (t, J = 12.8 Hz, 2 H), 2.26 (s,3 H), 1.99 - 2.04 (m, 1 H), 1.65 - 1.70 (m, 1 H)。
【0203】
表2の化合物は、実施例12について記載したものと同様の手順を用いて合成した。
【化16】
【表10】
【0204】
実施例18
3−(((3−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化17】
【0205】
工程a
トルエン(12ml)中の2−クロロピリジン−4−アミン(0.5g、3.90ミリモル)の溶液に、イソインドリン塩酸塩(0.91g、5.85ミリモル)、BINAP(0.24g、0.39ミリモル)、及びカリウムtert−ブトキシド(2.07g、9.76ミリモル)を室温で加えた。混合液を10分間脱気した後、Pd2(dba)3(0.178g、0.19ミリモル)を加えた。反応混合液を110℃で4時間加熱した。得られた混合液を冷水(200ml)に注ぎ、同一の方法で同じスケールで調製した2個の他のバッチと合わせた。得られた混合液をDCM(3×100ml)で抽出した。有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中3%MeOH)により精製して、2−(イソインドリン−2−イル)ピリジン−4−アミン(1.2g、5.67ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.57分、MS: ES+ 212.29。
【0206】
工程b〜d
実施例12の工程c〜eの手順に従って標題化合物を合成した。LCMS:方法A、4.22分、MS: ES+ 320.10; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.67 (d, J = 6 Hz, 1 H), 7.38 - 7.40 (m, 2 H), 7.29 - 7.32 (m, 2 H), 6.37 (t, J = 5.2 Hz, 1 H), 5.98 (dd, J = 1.6, 5.6 Hz, 1 H), 5.62 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 4.66 (s, 4 H), 3.44 - 3.52 (m, 2 H), 3.34 - 3.40 (m, 2 H), 3.08 - 3.16 (m, 3 H), 1.98 - 2.06 (m, 1 H), 1.65 - 1.70 (m, 1 H)。
【0207】
実施例19
(S)−3−(((4−フェニルピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化18】
【0208】
工程a
1,4−ジオキサン:水(8:2、15ml)中の2,4−ジクロロピリミジン(1.00g、6.71ミリモル)、フェニルボロン酸(0.90g、7.38ミリモル)の溶液を室温で撹拌した。反応混合液を15分間脱気した後、Cs2CO3(6.56g、20.13ミリモル)及びPd(PPh34(0.39g、0.335ミリモル)を加えた。反応混合液を110℃で14時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、飽和NaHCO3溶液(40ml)に注いだ。得られた混合液をEtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中8%EtOAc)により精製して、2−クロロ−4−フェニルピリミジン(0.45g、2.37ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.23分、MS: ES+ 191.57; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.67 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 8.11 - 8.13 (m, 2 H), 7.68 (d, J=5.6 Hz, 1 H), 7.54 - 7.58 (m, 3 H)。
【0209】
工程b〜d
実施例9の工程b〜dの手順に従って(S)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを用いて、標題化合物を合成した。LCMS:方法A、4.20分、MS: ES+ 280.13; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.35 - 8.36 (m, 1 H), 8.02 - 8.17 (m, 2 H), 7.40 - 7.54 (m, 3 H), 7.15 - 7.16 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 3.30 -3.49 (m, 6 H), 3.18 - 3.21 (m, 1 H), 1.95 - 2.00 (m, 1 H), 1.68 - 1.72 (m, 1 H)。
【0210】
実施例20
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−2−フェニルオキサゾール−5−カルボキサミド
【化19】
【0211】
工程a
THF(5ml)中の2−フェニルオキサゾール−5−カルボン酸(0.20g、1.06ミリモル)の溶液に、室温でDIPEA(0.41g、3.17ミリモル)及びT3P(EtOAc中50%;1.00g、1.58ミリモル)を加え、30分間攪拌した。反応混合液を3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.26g、1.32ミリモル)で処理し、室温で3時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和NaHCO3溶液(20ml)に注ぎ、EtOAc(2×10ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、10%クエン酸溶液(5ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3−((2−フェニルオキサゾール−5−カルボキサミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.25g、0.67ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.14分、MS: ES+ 372.33。
【0212】
工程b、c
実施例9の工程c、dの手順に従って標題化合物を合成し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中60%EtOAc)により精製して、標題化合物(0.050g、0.168ミリモル)を得た。LCMS:方法B、3.33分、MS: ES+ 297.18; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.86 (t, J=5.6 Hz, 1 H), 8.12 - 8.14 (m, 2 H), 7.87 (d J=0.8 Hz, 1 H), 7.58 -7.61 (m, 3 H), 3.25 - 3.48 (m, 6 H), 3.16 - 3.20 (m, 2 H), 1.91 - 2.01 (m, 1 H), 1.66 - 1.73 (m, 1 H)。
【0213】
表3.1の化合物は、実施例20について記載したものと同様の手順を用いて合成した。
【化20】
【表11-1】
【表11-2】
【0214】
実施例34
(S)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−カルボキサミド
【化21】
【0215】
実施例20と同様の手順で標題化合物を合成した.LCMS:方法B、2.80分、MS: ES+ 301.27; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.85 (s,1 H), 8.52 (t, J=5.6 Hz 1 H), 7.40 - 7.44 (m, 2 H), 7.00 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 4.63 (s, 2 H), 3.36 - 3.44 (m, 3 H), 3.23 - 3.28 (m, 2 H), 3.13 - 3.21 (m, 1 H), 2.51 - 2.54 (m, 1 H), 1.91 - 1.95 (m, 1 H), 1.63 - 1.67 (m, 1 H)。
【0216】
実施例35
(R)−6−クロロ−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化22】
【0217】
実施例20と同様の手順で標題化合物を合成した.LCMS:方法A、3.23分、MS: ES+ 303.94; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.88 (m, 1 H), 8.72 (t, J=6.0Hz, 1 H), 8.33 (s, 1 H), 7.64 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 7.41 (dd, J=2.0 Hz, 9.6 Hz, 1 H), 3.39 - 3.46 (m, 2 H), 3.26 - 3.31 (m, 2 H),3.16 - 3.19 (m, 1 H), 2.53 - 2.54 (m, 2 H), 1.87 - 1.96 (m, 1 H), 1.65 - 1.71 (m, 1 H)。
【0218】
実施例36
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化23】
【0219】
実施例20と同様の手順で標題化合物を合成した.LCMS:方法A、3.07分、MS: ES+ 270.09; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.70 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 8.67 (dd, J=0.8 Hz, 6.8 Hz, 1 H), 7.77 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.27 - 7.32 (m, 1 H), 7.02 - 7.05 (m, 1 H), 6.99 (s, 1 H), 3.40 - 3.46 (m, 2 H), 3.28 - 3.32 (m, 2 H), 3.17 - 3.20 (m, 1 H), 2.52 - 2.55 (m, 2 H), 1.89 - 1.97 (m, 1 H), 1.64 - 1.72 (m, 1 H)。
【0220】
実施例55
(R)−3−(3−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール−5−カルボキサミド
【化24】
【0221】
工程a
THF(2ml)中の3−(3−クロロフェニル)イソキサゾール−5−カルボン酸(CAS番号100517−43−9;0.200g、0.894ミリモル)及び(R)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号199174−29−3;0.179g、0.894ミリモル)の撹拌溶液に、HATU(0.510g、1.34ミリモル)及びDIPEA(0.45ml、2.68ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中35%EtOAc)により精製して、(R)−3−((3−(3−クロロフェニル)イソキサゾール−5−カルボキサミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.250g、0.615ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.312分、MS: ES+ 406.42。
【0222】
工程b、c
実施例9の工程c、dに記載の手順に従って標題化合物を合成した。LCMS:方法A、4.165分、MS: ES+ 331.15; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.21 (t, J=1.6 Hz, 1 H), 8.00 (t, J=1.6 Hz, 1 H), 7.90 - 7.93 (m, 1 H), 7.73 (s, 1 H), 7.56 - 7.64 (m, 2 H), 3.39 - 3.46 (m, 2 H), 3.35 - 3.38 (m, 1 H), 3.30 - 3.33 (m, 3 H), 3.15 - 3.28 (m, 1 H), 1.85 - 2.01 (m, 1 H), 1.62 - 1.71 (m, 1 H)。
【0223】
表3.2中の化合物は、実施例55について記載したものと同様の手順を使用して合成した。
【化25】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【0224】
実施例37
2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−N−メチル−N−(ピロリジン−3−イルメチル)アセトアミド
【化26】
【0225】
工程a
DCM(200ml)中の1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−カルボン酸(70ミリモル)の溶液に、CDI(140ミリモル)を加えた。反応混合液を0℃で20分間撹拌した。メチルアミン塩酸塩(84.5ミリモル)及びDIPEA(210ミリモル)を反応混合液に室温で加えた。反応混合液を室温で12時間撹拌した。得られた混合液を飽和NaHCO3溶液(120ml)に注ぎ、EtOAc(2×150ml)で抽出した。有機層を1M HCl(40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた混合液をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc 50:1〜5:1)で精製して、3−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(33.0ミリモル)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.85 (s, 1H), 3.30-3.45 (m, 3 H), 3.11-3.49 (m, 2 H), 2.78-2.93 (m, 1 H), 2.56 (s, 3 H), 1.78-1.99 (m, 2 H), 1.37 (s, 9 H)。
【0226】
工程b
THF(75ml)中の3−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(33.0ミリモル)の溶液に、0℃でBH3・THF(99.0ミリモル)を加えた。反応混合液を0℃で3時間撹拌した。得られた混合液をMeOH 20mlを加えてクエンチした。得られた混合液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、DCM:MeOH 100:0〜10:1)により精製して、3−(メチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(12ミリモル)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.45-3.8 (s, 2 H), 3.25-3.42 (m, 2H), 3.12-3.25 (m, 1 H), 2.85-2.91 (m, 1 H), 2.41-2.49 (m, 2 H), 2.12-2.35 (m, 3 H), 1.78-1.95 (s, 1 H), 1.45 - 1.61 (m, 2 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0227】
工程c
DCM(1ml)中の2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)酢酸(0.2ミリモル)の溶液に、HATU(0.2ミリモル)を加えた。反応混合液を0℃で20分間撹拌した。3−((メチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.2ミリモル)及びDIPEA(0.6ミリモル)を反応混合液に室温で加え、16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取TLC(PE:EtOAc 1:2)により精製して、3−((2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−N−メチルアセトアミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得た。MS: ES+ 409.5。
【0228】
工程d、e
標題化合物を、実施例1の工程b、cについて記載した手順と同様の手順を用いて上記中間体から合成して、標題化合物(46.60mg、0.139ミリモル)を得た。LCMS:方法E、2.90分、MS: ES+ 334.2。
【0229】
実施例38
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−フェニルオキサゾール−2−カルボキサミド
【化27】
【0230】
工程a
DCM(5ml)中の2−アミノ−1−フェニルエタノン塩酸塩(0.50g、2.91ミリモル)の溶液に、0℃でTEA(0.58g、5.83ミリモル)を加えた。反応混合液を0℃で15分間撹拌した。クロロオキソ酢酸エチル(0.44g、3.21ミリモル)を0℃で反応混合液にゆっくり加えた。反応混合液を室温で36時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和NaHCO3溶液(10ml)に注ぎ、DCM(2×10ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、食塩水(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、2−オキソ−2−((2−オキソ−2−フェニルエチル)アミノ)酢酸エチル(0.58g、2.46ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.79分、MS: ES+ 236.33。
【0231】
工程b
POCl3(5ml)中のエチル2−オキソ−2−((2−オキソ−2−フェニルエチル)アミノ)酢酸エチル(0.58g、2.47ミリモル)の溶液を、105℃で2時間還流した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を飽和Na2CO3溶液(20ml)で注意深く処理し、混合液をDCM(2×15ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、食塩水(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、5−フェニルオキサゾール−2−カルボン酸エチル(0.48g、2.211ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.09分、MS: ES+ 218.18。
【0232】
工程c
THF(5ml)中の5−フェニルオキサゾール−2−カルボン酸エチル(0.46g、2.12ミリモル)の溶液に、0℃でDIPEA(0.82g、6.35ミリモル)を加え、15分間撹拌した。3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.53g、2.64ミリモル)を0℃で反応混合液に加え、続いてTMA(トルエン中2M;5.29ml、10.6ミリモル)を0℃でゆっくりと加えた。得られた反応混合液を70℃で5時間加熱した。得られた反応混合液をすばやく氷水(25ml)に注ぎ、セライトハイフローで濾過した。濾液をEtOAc(3×15ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、食塩水(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−((5−フェニルオキサゾール−2−カルボキサミド)メチル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.25g、0.673ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.28分、MS: ES+ 372.4。
【0233】
工程d、e
標題化合物を、実施例9の工程c、dについて記載した手順と同様の手順を用いて上記中間体から合成し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中35%〜40%EtOAc)により精製した。得られた粘性の残渣をペンタン:ジエチルエーテル(2:1、2ml)で粉砕し、乾燥させて、標題化合物(0.013g、0.044ミリモル)を得た。LCMS:方法B、3.49分、MS: ES+ 297.23; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.17 (t, 5.6 Hz, 1H), 7.92 (s, 1 H), 7.83 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 7.53 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 7.43 -7.47 (m, 1 H), 3.41 - 3.46 (m, 2 H), 3.34 - 3.38 (m, 2 H), 3.27 - 3.30 (m, 2 H), 3.16 - 3.20 (m, 1 H), 1.91 - 1.99 (m, 1 H), 1.65 - 1.70 (m, 1 H)。
【0234】
実施例66
(R)−3−(2−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール−5−カルボキサミド
【化28】
【0235】
工程a
MeOH(10ml)中の2−クロロベンズアルデヒド(1.500g、10.67ミリモル)の撹拌溶液に、TEA(3.23g、32.0ミリモル)を室温で加えた。塩酸ヒドロキシルアミン(0.889g、12.8ミリモル)を室温で反応混合液に少しずつ加えた。反応混合液を室温で4時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を氷冷水(50ml)で希釈した。得られた沈殿物を濾過して集め、冷却水(20ml)で洗浄した。得られた固体物質を真空下で乾燥して、2−クロロベンズアルデヒドオキシム(1.250g、8.062ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.803分、MS: ES+ 156.24。
【0236】
工程b
水(10ml)中のプロピオン酸メチル(1.085g、12.90ミリモル)の撹拌溶液に、KCl(0.384g、5.16ミリモル)及び2−クロロベンズアルデヒドオキシム(0.800g、5.16ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌した。反応混合液にオキソン(2.376g、7.74ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で4時間撹拌した。得られた混合液を水(25ml)で希釈し、DCM(2×25ml)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、3−(2−クロロフェニル)イソキサゾール−5−カルボン酸メチル(0.750g、3.164ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.139分、MS: ES- 236.00。
【0237】
工程c
THF:水(1:1、6ml)中の3−(2−クロロフェニル)イソキサゾール−5−カルボン酸メチル(0.750g、3.16ミリモル)の撹拌溶液に、LiOH・H2O(0.398g、9.49ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮し、氷冷水(10ml)で希釈し、1M HCl溶液を用いて酸性化した。得られた沈殿物を濾過して集めた。得られた固体物質を高真空下で乾燥させて、3−(2−クロロフェニル)イソキサゾール−5−カルボン酸(0.420g、1.88ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.475分、MS: ES- 222.21。
【0238】
工程d
DCM(3ml)中の3−(2−クロロフェニル)イソキサゾール−5−カルボン酸(0.220g、0.986ミリモル)及び(R)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号199174−29−3;0.197g、0.986ミリモル)の攪拌溶液に、0℃でピリジン(0.778g、0.986ミリモル)を加え、続いてPOCl3(0.226g、1.48ミリモル)を0℃で滴下して加えた。反応混合液を0℃で30分間撹拌した。得られた混合液を氷冷NaHCO3溶液(30ml)で希釈し、DCM(2×20ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中1〜2%MeOH)により精製して、(R)−3−((3−(2−クロロフェニル)イソキサゾール−5−カルボキサミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.180g、0.443ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.179分、MS: ES- 404.43。
【0239】
工程e、f
標題化合物を、実施例9の工程c、dについて記載した手順と同様の手順を用いて、上記中間体から合成した。LCMS:方法A、3.979分、MS: ES+ 330.95; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.73 - 7.75 (m, 1 H), 7.53 - 7.56 (m, 1 H), 7.44 - 7.48 (m, 1 H), 7.39 - 7.43 (m, 2 H), 6.88 (br s, 1 H), 3.45 - 3.63 (m, 5 H), 3.23 - 3.28 (m, 1 H), 2.61 - 2.69 (m, 1 H), 2.09 - 2.16 (m, 1 H), 1.77 - 1.84 (m, 1 H)。
【0240】
実施例67
(R)−3−(4−クロロフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)イソキサゾール−5−カルボキサミド
【化29】
【0241】
標題化合物を、実施例66と同様の手順を用いて合成した。LCMS:方法A、4.200分、MS: ES+ 331.02;MS: ES+ 331.02; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.73 - 7.75 (m, 1 H), 7.53 - 7.56 (m, 1 H), 7.44 - 7.48 (m, 1 H), 7.39 - 7.43 (m, 2 H), 6.88 (br s, 1 H), 3.45 - 3.63 (m, 5 H), 3.23 - 3.28 (m, 1 H), 2.61 - 2.69 (m, 1 H), 2.09 - 2.16 (m, 1 H), 1.77 - 1.84 (m, 1 H)。
【0242】
実施例68
(R)−5−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド
【化30】
【0243】
工程a
MeOH(40ml)中の3−シアノ安息香酸メチル(CAS番号13531−48−1;4.000g、24.84ミリモル)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(3.1ml、62.0ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮し、水(200ml)で希釈し、DCM(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、3−シアノベンゾヒドラジド(3.200g、19.87ミリモル)を得た。LCMS:方法C、0.934分、MS: ES+ 162.36;MS: ES+ 162.36; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.99 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 8.13 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 8.00 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.69 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 4.58 (s, 2 H)。
【0244】
工程b
DCM(50ml)中の3−シアノベンゾヒドラジド(2.500g、15.52ミリモル)の撹拌溶液に、0℃でTEA(13.1ml、93.2ミリモル)を加えた。反応混合液を0℃で5分間撹拌した後、クロロオキソ酢酸エチル(3.8ml、34.2ミリモル)を0℃で滴下して加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液を水(200ml)で希釈し、DCM(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2−(2−(3−シアノベンゾイル)ヒドラジニル)−2−オキソ酢酸エチル(4.000g、15.32ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.405分、MS: ES- 260.40。
【0245】
工程c
DCM(50mL)中の2−(2−(3−シアノベンゾイル)ヒドラジニル)−2−オキソ酢酸エチル(4.00グラム、15.32ミリモル)の撹拌溶液に0℃でTEA(6.8ミリリットル、48.6ミリモル)を加えた。反応混合液を0℃で5分間撹拌した後、塩化4−トルエンスルホニル(4.60g、34.2ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液を水(200ml)で希釈し、DCM(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、5−(3−シアノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸エチル(2.20g、9.05ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.738分、MS: ES+ 244.32。
【0246】
工程d
THF(2.5ml)中の5−(3−シアノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキシレート(0.280g、1.152ミリモル)及び(R)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号199174−29−3;0.345g、1.728ミリモル)の攪拌溶液に、THF(2.5ml)中のTBD(0.313mg、2.304ミリモル)の溶液を0℃で滴下して加えた。反応混合液を室温で3時間撹拌した。得られた反応混合液を水(100ml)で希釈し、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中55%EtOAc)により精製して、(R)−3−((5−(3−シアノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド)−メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.305g、0.768ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.890分、MS: ES+ 398.50。
【0247】
工程e
DCM(7ml)中の(R)−3−((5−(3−シアノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド)−メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.305g、0.768ミリモル)の攪拌溶液に、室温でTFA(0.91ml)を加えた。反応混合液を室温で40分間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をDCM(3×5ml)で再蒸留し、高真空下で乾燥して、(R)−5−(3−シアノフェニル)−N−(ピロリジン−3−イルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミドTFA塩(0.290g、0.705ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.345分、MS: ES+ 298.46。
【0248】
工程f
THF(7mL)中の(R)−5−(3−シアノフェニル)−N−(ピロリジン−3−イルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミドTFA塩(0.290g、0.705ミリモル)の溶液に、K2CO3(0.292g、2.12ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で10分間撹拌した。臭化シアン(0.074g、0.705ミリモル)を反応混合液に0℃で加えた。反応混合液を室温で45分間撹拌した。得られた混合液を水(25ml)に注ぎ、得られた沈殿物をろ過して回収し、水(25ml)で洗浄した。得られた固体物質をペンタン(2×6ml)を用いて粉砕し、真空下で乾燥させて、標題化合物(0.160g、0.480ミリモル)を得た。LCMS:方法A、2.965分、MS: ES+ 340.10 [M+18+H+]; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.55 (t, J= 6.0 Hz, 1 H), 8.50 (s, 1 H), 8.40 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 8.16 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.86 (t, J= 6.0 Hz, 1 H), 3.42 - 3.48 (m, 3 H), 3.33 - 3.39 (m, 2 H), 3.17 - 3.21 (m, 1 H), 2.52 - 2.55 (m, 1 H), 1.95 - 2.01 (m, 1 H), 1.67 - 1.74 (m, 1 H)。
【0249】
実施例69
(S)−5−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド
【化31】
【0250】
標題化合物を実施例68と同様の手順で合成した。LCMS:方法A、3.071分、MS: ES+ 340.10 [M+18+H+]; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.55 (t, J= 6.0 Hz, 1 H), 8.50 (s, 1 H), 8.40 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 8.16 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.86 (t, J= 6.0 Hz, 1 H), 3.42 - 3.48 (m, 3 H), 3.33 - 3.39 (m, 2 H), 3.17 - 3.21 (m, 1 H), 2.52 - 2.55 (m, 1 H), 1.95 - 2.01 (m, 1 H), 1.67 - 1.74 (m, 1 H)。
【0251】
実施例70
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化32】
【0252】
工程a
DMSO(5ml)中の4−イミダゾールカルボン酸メチル(CAS番号17325−26−7;0.500g、3.97ミリモル)及び1,10−フェナントロリン(1.400g、7.94ミリモル)の撹拌溶液に、ヨードベンゼン(1.600g、7.94ミリモル)、Cs2CO3(3.800g、11.9ミリモル)、及びCu2O(0.567g、3.97ミリモル)を室温でマイクロ波管に入れた。反応混合液をマイクロ波で100℃で15分間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、濾過した。得られた濾液を水(60ml)で希釈し、EtOAc(3×60ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(0.450g、2.23ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、2.066分、MS: ES+ 203.00。
【0253】
工程b
THF:水(9:1、10ml)中の1−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(0.450g、2.23ミリモル)の撹拌溶液に、0℃でNaOH(0.267g、6.68ミリモル)を少しずつ加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を氷冷水(60ml)で希釈し、1M HCl溶液を用いて酸性化した。得られた混合液をEtOAc(3×60ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸(0.230g、1.22ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程で直接使用した。LCMS:方法C、1.357分、MS: ES+ 189.20。
【0254】
工程c〜e
標題化合物を、実施例55について記載した手順と同様の手順を使用して上記中間体から合成した。LCMS:方法B、3.155分、MS: ES+ 296.43; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.40 (s, 1 H), 8.37 (s, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 7.73 - 7.75 (m, 2 H), 7.52 - 7.56 (m, 2 H), 7.41 - 7.43 (m, 1 H), 3.37 - 3.44 (m, 4 H), 3.24 - 3.28 (m, 2 H), 3.15 - 3.19 (m, 1 H), 1.89 - 1.94 (m, 1 H), 1.64 - 1.69 (m, 1 H)。
【0255】
実施例71
(R)−1−(3−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化33】
【0256】
工程a
DMSO(15ml)中の4−イミダゾールカルボン酸メチル(CAS番号17325−26−7;1.000g、7.93ミリモル)及び3−ヨードベンゾニトリル(CAS番号69113−59−3;1.990g、8.72ミリモル)の撹拌溶液に、封管中でL−プロリン(0.180g、1.57ミリモル)、K2CO3(2.290g、16.65ミリモル)、及びCuI(0.154g、0.79ミリモル)を加えた。反応混合液を90℃で16時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(100ml)で希釈し、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をMTBE(3×10)を用いて粉砕し、得られた物質を真空下で乾燥させて、1−(3−シアノフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(0.400g、1.76ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.483分、MS: ES+ 228.36; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.64 (s, 1 H), 8.51 (s, 1 H), 8.38 (s, 1 H), 8.15 (dd, J= 7.6, 1.6 Hz, 1 H), 7.89 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.75 (t, J= 8.0 Hz, 1 H), 3.80 (s, 3 H)。
【0257】
工程b
THF:水(9:1、10ml)中の1−(3−シアノフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(0.400g、1.76ミリモル)の溶液に、NaOH(0.211g、5.18ミリモル )を室温で少しずつ加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた混合液を水(30ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。水層を1M HClを用いて酸性化し、得られた沈殿物を濾過して集め、ヘキサン(10ml)で洗浄した。得られた固体物質を高真空下で乾燥して、1−(3−シアノフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸(0.250g、1.173ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.343分、MS: ES+ 214.33。
【0258】
工程c〜e
標題化合物を、実施例55について記載したものと同様の手順を使用して上記中間体から合成した。LCMS:方法A、2.673分、MS: ES+ 321.10; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.50 (s, 1 H), 8.37 - 8.43 (m, 3 H), 8.14 (dd, J= 8.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.87 (d, J= 8.8 Hz, 1 H), 7.74 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 3.31 - 3.46 (m, 4 H), 3.24 - 3.31 (m, 2 H), 3.15 - 3.19 (m, 1 H), 1.89 - 1.94 (m, 1 H), 1.64 - 1.69 (m, 1 H)。
【0259】
実施例72
(R)−1−(4−シアノフェニル)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化34】
【0260】
標題化合物を、実施例71と同様の手順を使用して合成した。LCMS:方法A、2.693分、MS: ES+ 321.15; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.56 (d, J=1.6 Hz, 1 H), 8.44 - 8.45 (m, 1 H), 8.43 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 8.00 - 8.06 (m, 4 H), 3.37 - 3.44 (m, 2 H), 3.24 - 3.31 (m, 2 H), 3.15 - 3.19 (m, 1 H), 2.51 - 2.53 (m, 2 H), 1.89 - 1.93 (m, 1 H), 1.64 - 1.69 (m, 1 H)。
【0261】
実施例73
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化35】
【0262】
標題化合物を、実施例71と同様の手順を使用して合成した。LCMS:方法A、2.963分、MS: ES+ 326.20; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.33 (t, J= 6.0 Hz, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 7.87 (s, 1 H), 7.44 - 7.48 (m, 2 H), 7.28 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.09 (d, J= 7.6 Hz, 1 H), 3.84 (s, 3 H), 3.49 - 3.51 (m, 4 H), 3.24 - 3.27 (m, 2 H), 3.15 - 3.19 (m, 1 H), 1.87 - 1.95 (m, 1 H), 1.59 - 1.71 (m, 1 H)。
【0263】
実施例74
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(3−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化36】
【0264】
標題化合物を、実施例71と同様の手順を使用して合成した。LCMS:方法B、3.202分、MS: ES+ 326.53; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.38 (d, J= 1.2 Hz, 1 H), 8.34 - 8.37 (m, 1 H), 8.28 (d, J= 1.2 Hz, 1 H), 7.43 (t, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.30 - 7.33 (m, 2 H), 6.97 (dd, J= 8.8, 2.0 Hz, 1 H), 3.85 (s, 3 H), 3.35 - 3.44 (m, 4 H), 3.25 - 3.28 (m, 2 H), 3.15 - 3.19 (m, 1 H), 1.89 - 1.94 (m, 1 H), 1.65 - 1.70 (m, 1 H)。
【0265】
実施例39
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化37】
【0266】
工程a
DMF(10ml)中の6−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(CAS番号749849−14−7;1.0g、4.14ミリモル)及び3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.99g、4.97ミリモル)の溶液に、DIPEA(1.1ml、6.22ミリモル)及びHATU(2.36g、6.22ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液を水(200ml)に注ぎ、EtOAc(4×50ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中の2〜3%MeOH)により精製して、3−((6−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.75g、4.13ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.02分、MS: ES+ 423.32; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.94 (s, 1 H), 8.64 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 8.30 (s, 1 H), 7.58 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 7.47 (dd, J=9.6, 1.6 Hz, 1 H), 3.23 - 3.39 (m, 3 H), 3.16 - 3.21 (m, 2 H), 2.97 - 3.01 (m, 1 H), 2.42 - 2.47 (m, 1 H), 1.80 - 1.90 (m, 1 H), 1.54 - 1.65 (m, 1 H), 1.41 (s, 9 H)。
【0267】
工程b
1,4−ジオキサン:水(9:1、8ml)中の3−((6−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.30g、0.70ミリモル)及び1−メチル−4−(4、4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.17g、0.85ミリモル)の溶液に、K2CO3(0.195g、1.40ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を10分間脱気した後、Pd(PPh34(0.04g、0.035ミリモル)を加えた。反応混合液を100℃で16時間加熱した。得られた反応混合液を水(150ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×25ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中の2〜3%MeOH)により精製して、3−((6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.15g、0.35ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.93分、MS: ES+ 425.75; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.83 (s, 1 H), 8.57 (t, J=6.00 Hz, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 8.18 (s, 1 H), 7.88 (s, 1 H), 7.57 - 7.62 (m, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.29 - 3.39 (m, 3 H), 3.17 - 3.21 (m, 2 H), 2.98 - 3.02 (m, 1 H), 2.42 - 2.47 (m, 1 H), 1.84 - 1.87 (m, 1 H), 1.54 - 1.61 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0268】
工程c、d
標題化合物を、実施例9の工程c、dについて記載した手順と同様の手順を用いて上記中間体から合成し、カラムクロマトグラフィー(DCM中2〜3%MeOH)で精製して標題化合物を得た(0.028g、0.08ミリモル)。LCMS:方法C、1.64分、MS: ES+ 350.74; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.83 (s, 1 H), 8.64 (t, J=6.4 Hz, 1 H), 8.26 (s, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 7.88 (s, 1 H), 7.57 - 7.62 (m, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.37 - 3.46 (m, 3 H), 3.27 - 3.33 (m, 2 H), 3.16 - 3.20 (m, 1 H), 2.51 - 2.55 (m, 1 H), 1.88 - 1.94 (m, 1 H), 1.64 - 1.72 (m, 1 H)。
【0269】
実施例75
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化38】
【0270】
標題化合物を、実施例39と同様の手順により合成した。LCMS:方法A、2.148分、MS: ES+ 336.08; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.05 (br s, 1 H), 8.87 (s, 1 H), 8.64 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 8.11 (br s, 2 H), 7.59 - 7.67 (m, 2 H), 3.40 - 3.47 (m, 3 H), 3.29 - 3.36 (m, 2 H), 3.17 - 3.20 (m, 1 H), 2.54 - 2.56 (m, 1 H), 1.90 - 1.95 (m, 1 H), 1.66 - 1.71 (m, 1 H)。
【0271】
実施例76
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−6−(1H−ピラゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化39】
【0272】
標題化合物を、実施例39と同様の手順を使用して合成した。LCMS:方法A、2.845分、MS: ES+ 336.01; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.02 (s, 1 H), 9.02 (s, 1 H), 8.64 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 7.80 - 7.84 (m, 1 H), 7.47 - 7.61 (m, 2 H), 6.72 (s, 1 H), 3.36 - 3.42 (m, 3 H), 3.27 - 3.33 (m, 2 H), 3.14 - 3.17 (m, 1 H), 2.54 - 2.56 (m, 1 H), 1.87 - 1.91 (m, 1 H), 1.63 - 1.69 (m, 1 H)。
【0273】
実施例77
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−7−シクロプロピルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化40】
【0274】
標題化合物を、実施例39と同様の手順を使用して合成した。LCMS:方法B、2.675分、MS: ES+ 310.58; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.53 (br s, 1 H), 8.41 (d, J=6.4 Hz, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 7.25 (s, 1 H), 6.62 (d, J=6.4 Hz, 1 H), 3.32 - 3.37 (m, 2 H), 3.22 - 3.26 (m, 2 H), 3.14 - 3.16 (m, 1 H), 2.49 - 2.53 (m, 2 H)1.99 - 2.01 (m, 1 H), 1.87 - 1.89 (m, 1 H), 1.63 - 1.66 (m, 1 H), 0.98 - 1.00 (m, 2 H), 0.72 - 0.79 (m, 2 H)。
【0275】
実施例40
1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【0276】
【化41】
【0277】
工程a
THF(20ml)中の3−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(CAS番号4027−57−0;1.50g、9.73ミリモル)の溶液に、室温でKOH(0.65g、11.67ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で45分間撹拌した。臭化ベンジル(1.16ml、9.73ミリモル)を室温で反応混合液に滴下して加えた。得られた反応混合液を70℃で16時間撹拌した。次に混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×50ml)で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中18%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(1.4g、5.734ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.27分、MS: ES+ 245.4。
【0278】
工程b
THF:水(16ml:4ml)中の1−ベンジル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(1.4g、5.73ミリモル)の溶液に、室温でLiOH(1.20g、28.65ミリモル)を加えた。反応混合液を50℃で16時間撹拌した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。水層を1M HCl水溶液(5ml)を用いて酸性化し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1−ベンジル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1.10g、5.09ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.89分、MS: ES+ 217.29。
【0279】
工程c〜e
標題化合物を、実施例20の工程a〜cについて記載した手順と同様の手順を使用して、上記中間体から合成した。LCMS:方法B、3.68分、MS: ES+ 324.6; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.29 (t, J=6 Hz, 1 H), 7.26 - 7.37 (m, 3 H), 7.11 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 6.47 (s, 1 H), 5.36 (s, 2 H), 3.29 - 3.43 (m, 3 H), 3.20 (t, J = 6.4 Hz, 2 H), 3.12 - 3.16 (m, 1 H), 2.42 - 2.46 (m, 1 H), 2.21 (s, 3 H), 1.85 - 1.93 (m, 1 H), 1.59 - 1.68 (m, 1 H)。
【0280】
実施例78
(R)−1−ベンジル−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化42】
【0281】
工程a
tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(CAS番号5815−08−7;3.500g、20.11ミリモル)及びイソシアノ酢酸エチル(CAS番号2999−46−4;2.270g、20.11ミリモル)の混合液を室温で2時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、1−(ジメチルアミノ)−3−エトキシ−N−メチリジン−3−オキソプロパ−1−エン−2−アミニウム(1.900g、11.24ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.570分、MS: ES+ 169.43。
工程b
1−(ジメチルアミノ)−3−エトキシ−N−メチリジン−3−オキソプロパ−1−エン−2−アミニウム(0.500g、2.98ミリモル)及びベンジルアミン(1.500g、14.9ミリモル)の混合液を、90℃で2時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(20ml)で希釈し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチル(0.530g、2.30ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.580分、MS: ES+ 231.36。
【0282】
工程c
THF(5ml)中の1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチル(0.350g、1.52ミリモル)及び(R)−3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号199174−29−3 ;0.365g、1.826ミリモル)の攪拌溶液に、室温でDIPEA(0.84ml、4.56ミリモル)を加えた。トリメチルアルミニウム(トルエン中2M;3.8ml、7.6ミリモル)を室温で反応混合液に滴下して加え、次に70℃で16時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、水(20ml)及びNH4Cl溶液(20ml)で希釈した。混合液をEtOAc(3×50ml)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中2%MeOH)により精製して、(R)−3−((1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.410g、1.067ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.405分、MS: ES+ 285.48 [M-100]。
【0283】
工程d、e
標題化合物を、実施例9の工程c、dについて記載した手順と同様の手順を用いて、上記中間体から合成した。LCMS:方法A、2.789分、MS: ES+ 310.10; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.19 (t, J= 6.0 Hz, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.31 - 7.39 (m, 5 H), 5.23 (s, 2 H), 3.33 - 3.43 (m, 3 H), 3.28 - 3.34 (m, 2 H), 3.11 - 3.21 (m, 1 H), 2.41 - 2.46 (m, 1 H), 1.83 - 1.92 (m, 1 H), 1.58 - 1.67 (m, 1 H).。
【0284】
実施例79
(R)−N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化43】
【0285】
標題化合物を、実施例78と同様の手順により合成した。LCMS:方法B、2.583分、MS: ES+ 274.48; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.16 (s, 1 H), 7.73 (s, 2 H), 3.84 - 3.86 (m, 2 H), 3.32 - 3.40 (m, 3 H), 3.15 - 3.22 (m, 3 H), 2.49 - 2.50 (m, 1 H), 1.87 - 1.90 (m, 1 H), 1.62 - 1.70 (m, 1 H), 1.18 - 1.22 (m, 1 H), 0.50 - 0.60 (m, 2 H), 0.34 - 0.40 (m, 2 H)。
【0286】
実施例41
1−(3−クロロフェニル)−3−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)尿素
【化44】
【0287】
工程a
DCM(1mL)中の1−クロロ−3−イソシアナトベンゼン(0.2ミリモル)の溶液に、3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.2ミリモル)及びDIPEA(0.6ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を分取TLC(PE:EtOAc 1:2)により精製して、3−((3−(3−クロロフェニル)ウレイド)メチル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得た。MS: ES+ 354.8。
【0288】
工程b、c
実施例1の工程b、cについて記載した手順と同様の手順を用いて上記中間体から合成して、標題化合物(5.03mg、0.018ミリモル)を得た。LCMS:方法E、保持時間2.56分、MS: ES+ 279.0。
【0289】
表4の化合物は、実施例41について記載した手順と同様の手順を用いて合成した。
【化45】
【表13】
【0290】
実施例46
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチル−3−(2−メチルチアゾール−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化46】
【0291】
工程a、b
実施例37の工程a、bについて記載した手順を参照のこと。
【0292】
工程c
DCM(1ml)中の3−(2−メチルチアゾール−4−イル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(0.2ミリモル)の溶液に、3−((メチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.2ミリモル)及びDIPEA(0.6ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮し、残渣を分取TLC(PE:EtOAc 1:2)により精製して、3−((N−メチル−3−(2−メチルチアゾール−4−イル)フェニルスルホンアミド)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得た。MS: ES+ 452.6。
【0293】
工程d、e
実施例1の工程b、cについて記載した手順と同様の手順を用いて上記中間体から合成して、標題化合物(2.0mg、0.005ミリモル)を得た。LCMS:方法E、保持時間2.82分、MS: ES+ 377.1。
【0294】
実施例47
N−((1−シアノピロリジン−3−イル)メチル)−N−メチル−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
【化47】
【0295】
実施例46の工程c〜eと同様の手順により標題化合物を合成した。LCMS:方法E、3.11分、MS: ES+ 441.0。
【0296】
実施例48
3−(1−((6−(5−メチルイソキサゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化48】
【0297】
工程a
DCM(70ml)中の1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸(3.0g、13.94ミリモル)の撹拌溶液に、室温でCDI(2.2g、13.94ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。N,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(2.4g、245.1ミリモル)を室温で加えた。得られた混合液を室温で16時間撹拌した。反応混合液を水(300ml)に注ぎ、DCM(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.0g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMS:方法C、1.91分、MS: ES+ 259.31; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.69 (s, 3 H), 3.44 - 3.50 (m, 3 H), 3.19 - 3.28 (m, 2 H), 3.11 (s, 3 H), 1.94 -2.08 (m, 1 H), 1.86 - 1.91 (m, 1 H), 1.40 (s, 9 H)。
【0298】
工程b
THF(70ml)中の3−(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.0g、15.50ミリモル)の溶液を、窒素下で0℃で撹拌した。ジエチルエーテル中の3M CH3MgBr(26ml、78ミリモル)を0℃で滴下して加えた。反応混合液を0℃で30分間撹拌した。得られた反応混合液を飽和塩化アンモニウム溶液(1L)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−アセチルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.0g、14.08ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMS:方法A、3.83分、MS: ES+ 157.89 (M-56); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.77 - 3.40 (m, 2 H), 3.22 - 3.25 (m, 3 H), 2.17 (s, 3 H), 2.03 - 2.11 (m, 1 H), 1.85 - 1.94 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0299】
工程c
THF(10ml)中の3−アセチルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.5g、2.347ミリモル)及び2−アミノ−6−ブロモベンゾチアゾール(0.43g、1.88ミリモル)の撹拌溶液に、チタン(IV)イソプロポキシド(3.33g、11.7ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。反応混合液に0℃でEtOH(4ml)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.26g、7.04ミリモル)を加えた。反応混合液を80℃で8時間撹拌した。得られた反応混合液を水(100ml)に注ぎ、セライトハイフローで濾過した。得られた濾液をEtOAc(2×70ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、3−(1−((6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.18g、0.423ミリモル)を得た。LCMS:方法A、5.57分、MS: ES+ 425.8, 427.8。
【0300】
工程d
DMF:水(4:1、5ml)中の3−(1−((6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.15g、0.352ミリモル)、5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソキサゾール(0.29g、1.41ミリモル)、及びNaHCO3(0.148g、1.76ミリモル)の溶液を、マイクロ波バイアル中で室温で撹拌した。混合液を30分間脱気した後、Pd(dppf)Cl2(0.025g、0.035ミリモル)を加え、反応混合液をマイクロ波で90℃で1時間加熱した。得られた反応混合液を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、3−(1−((6−(5−メチルイソキサゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.1g、0.233ミリモル)を得た。LCMS:方法A、4.95分、MS: ES+ 429.10。
【0301】
工程e、f
標題化合物を、実施例1の工程b、cについて記載した手順と同様の手順を用いて、上記中間体からジアステレオ異性体の混合液として合成し、標題化合物(0.03g、0.084ミリモル)を得た。LCMS:方法A、4.10分、MS: ES+ 354.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.83 (s, 1 H), 8.12 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 7.36 - 7.44 (m, 2 H), 3.96 - 4.06 (m, 1 H), 3.45 - 3.52 (m, 1 H), 3.14 - 3.21 (m, 1 H), 2.58 (s, 3 H), 2.41 - 2.46 (m, 2 H), 1.83 - 2.05 (m, 1 H), 1.55 - 1.65 (m, 1 H), 1.19 (d, J=6.4 Hz, 3 H)。
【0302】
実施例49
3−(1−((6−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化49】
【0303】
実施例48と同様の手順により標題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.32分、MS: ES+ 338.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.86 (s, 1 H), 8.12 (s, 1 H), 7.99 (dd, J = 3, 8.4 Hz, 1 H), 7.91 (t, J = 2 Hz, 1 H), 7.88 (s, 1 H), 7.45 - 7.48 (m, 1 H), 7.33 (dd, J = 3, 8.4 Hz, 1 H), 3.94 - 3.98 (m, 1 H), 3.43 - 3.51 (m, 2 H), 3.13 - 3.22 (m, 2 H), 2.36 - 2.42 (m, 1 H), 1.95 - 2.01 (m, 1 H), 1.68 - 1.75 (m, 1 H), 1.17 - 1.23 (m, 3 H)。
【0304】
実施例50
3−(1−(イソキノリン−3−イルアミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化50】
【0305】
実施例48と同様の手順により標題化合物を合成した。LCMS:方法G、24.90分、25.00分、MS: ES+ 267.09; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.84 (s, 1 H), 7.78 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.51 -7.54 (m, 1 H), 7.43 - 7.47 (m, 1 H), 7.12 - 7.16 (m, 1 H), 6.611 (s, 1 H), 6.41 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 3.88 - 3.97 (m, 1 H), 3.41 -3.53 (m, 2 H), 3.76 - 3.99 (m, 1 H), 3.12 - 3.20 (m, 1 H), 2.35 - 2.43 (m, 1 H), 1.97 - 2.02 (m, 1 H), 1.65 - 1.76 (m, 1 H), 1.30 - 1.67 (m, 3 H)。
【0306】
実施例51
3−((1−(1−シアノピロリジン−3−イル)エチル)アミノ)イソキノリン−6−カルボニトリル
【化51】
【0307】
工程a
DCM(70ml)中の1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸(3.00g、13.95ミリモル)の溶液に、0℃でCDI(2.26g、13.95ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。反応混合液をN,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(2.03g、2.09ミリモル)で処理し、12時間撹拌した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、DCM(3×40ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.20g、12.40ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程で直接使用した。LCMS:方法C、1.90分、MS: ES+ 259.40。
【0308】
工程b
THF(40ml)中の3−(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.20g、12.4ミリモル)の溶液に、ジエチルエーテル中のCH3MgBrの3M溶液(21.0ml、63ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却し、水(50ml)を滴下して加えてクエンチし、続いてEtOAc(50ml)を加えた。得られた反応混合液をセライトハイフローで濾過し、セライト床をEtOAc(3×20ml)で洗浄した。濾液をEtOAc(3×70ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中5%MeOH)により精製して、3−アセチルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.10g、9.84ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.93分、MS: ES+ 214.30。
【0309】
工程c
MeOH(10ml)中の3−アセチルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.70g、3.20ミリモル)の溶液に、酢酸アンモニウム(0.91g、11.00ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で1時間撹拌した。NaCNBH3(0.60g、9.60ミリモル)を0℃で反応混合液に少しずつ加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮し、水(150ml)で希釈し、EtOAc(2×20ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3−(1−アミノエチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.47g、2.19ミリモル)を、ジアステレオ異性体の混合液として得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法A、3.54及び3.67分、MS: ES+ 215.10。
【0310】
工程d
DMA(10ml)中の6−ブロモイソキノリン−3−アミン(0.80g、3.59ミリモル)の溶液に、Zn(CN)2(2.09g、17.94ミリモル)及びPd(PPh34(1.24g、1.08ミリモル)を加えた。反応混合液を90℃で1時間加熱した。得られた混合液を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中28%EtOAc)により精製して、3−アミノイソキノリン−6−カルボニトリル(0.57g、3.37ミリモル)を得た。LCMS:方法C、1.58分、MS: ES+ 170.23; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.94 (s, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 7.95 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 7.34 (dd, J=8.40, 1.60 Hz, 1 H), 6.67 (s, 1 H), 6.34 (s, 2 H)。
【0311】
工程e
濃HCl(3.2ml)中の3−アミノイソキノリン−6−カルボニトリル(0.56g、3.31ミリモル)の溶液を0℃で15分間撹拌した。NaNO2(0.22g、3.31ミリモル)を0℃で反応混合液に少しずつ加え、30分間撹拌した。得られた反応混合液を氷冷水(50ml)に注ぎ、飽和NaHCO3水溶液で塩基性化した。得られた混合液をEtOAc(3×60ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中8%EtOAc)により精製して、3−クロロイソキノリン−6−カルボニトリル(0.40g、2.11ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.15分、MS: ES+ 189.04; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.39 (s, 1 H), 8.63 (s, 1 H), 8.39 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 8.17 (s, 1 H), 8.02 (dd, J=8.80, 1.60 Hz, 1 H)。
【0312】
工程f
トルエン(5ml)中の3−クロロイソキノリン−6−カルボニトリル(0.25g、1.33ミリモル)及び3−(1−アミノエチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.42g、1.99ミリモル)の溶液に、t−BuOK(0.29g、2.66ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を15分間脱気した後、Pd2(dba)3(0.12g、0.13ミリモル)及びRuphos(0.06g、0.13ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を100℃で16時間加熱した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中18%EtOAc)により精製して、3−(1−((6−シアノイソキノリン−3−イル)アミノ)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.135g、0.36ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.58分、MS: ES+ 367.53。
【0313】
工程g、h
標題化合物を、実施例9の工程c、dについて記載したものと同様の手順を用いて上記中間体から合成して、(0.071g、0.24ミリモル)を得た。LCMS:方法A、4.28分、MS: ES+ 292.17; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.98 (d, J=2.40 Hz, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 7.96 (dd, J=8.40, 2.80 Hz, 1 H), 7.32 - 7.36 (m, 1 H), 6.85 (d, J=8.80 Hz, 1 H), 6.71 (s, 1 H), 3.95 - 3.97 (m, 1 H), 3.36 - 3.49 (m, 3 H), 3.14 - 3.16 (m, 1 H), 2.34 - 2.49 (m, 1 H), 1.97 - 1.99 (m, 1 H), 1.67 - 1.69 (m, 1 H), 1.15 (m, 3 H)。
【0314】
実施例52
3−((ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)(シアノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル
【化52】
【0315】
工程a
MeOH(15ml)中の2−アミノベンゾチアゾール(0.2g、1.33ミリモル)、1−Boc−ピロリジン−3−カルボキシアルデヒド(0.53g、2.67ミリモル)、及びNa2SO4(1.0g)の混合液を、室温で24時間攪拌した。酢酸(0.5ml)を反応混合液に加え、室温でさらに24時間撹拌した。反応混合液を濾過し、過剰のMeOHを留去した。得られた残渣をTHF(5ml)に溶解し、過塩素酸リチウム(0.028g、0.267ミリモル)を室温で加えた。シアン化トリメチルシリル(0.263g、2.67ミリモル)を0℃で反応混合液に加えた。反応混合液を室温で5時間撹拌した。追加のシアン化トリメチルシリル(0.16g、1.60ミリモル)及びフェノール(0.15g、1.60ミリモル)を反応混合液に加え、16時間加熱還流した。得られた反応混合液を飽和NaHCO3溶液(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×15ml)で抽出した。合わせた有機相を水(20ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、3−((ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)(シアノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.640g、定量的)を得た。MS: ES+ 359.25。
【0316】
工程b
DCM(10ml)中の3−((ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)(シアノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.32g、0.894ミリモル)の撹拌溶液に、TFA(0.68ml)を0℃で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をDCM(10ml)を用いて共沸蒸留して、2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)−2−(ピロリジン−3−イル)アセトニトリルTFA塩(0.657g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.57分、1.66分、MS: ES+ 259.36。
【0317】
工程c
THF(10mL)中の2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)−2−(ピロリジン−3−イル)アセトニトリルTFA塩(0.65g、1.74ミリモル)及びK2CO3(0.48g、3.49ミリモル)の溶液に、臭化シアン(0.28g、2.62ミリモル)を−78℃で加えた。5滴のTEAを−78℃で反応混合液に加えてpH6とした。反応混合液を−78℃で撹拌した。得られた反応混合液を水(20ml)に注ぎ、EtOAc(3×15ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取HPLC[移動相:(A)20mM酢酸アンモニウム水溶液(B)MeCN、カラム:X Select PhenylHexyl 250x19mm、5μm、流速:16ml/分]により精製して、3−((ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)−(シアノ)メチル)ピロリジン−1−カルボニトリル(0.016g、0.056ミリモル)を得た。LCMS:方法G、22.80分、22.97分、MS: ES+ 283.95; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.84 (s, 1 H), 7.79 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.53 (dd, J=2.8 Hz, 8.0 Hz, 1 H), 7.31 (t, J= 8 Hz, 1 H), 7.14 (t, J=7.6 Hz, 1 H), 5.06 - 5.18 (m, 1 H), 3.40 - 3.68 (m, 4 H), 2.88 -2.95 (m, 1 H), 2.08 - 2.21 (m, 1 H), 1.76 - 1.94 (m, 1 H)。
【0318】
実施例53
2−((1−(1−シアノピロリジン−3−イル)エチル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボニトリル
【化53】
【0319】
工程a
酢酸(12ml)中の4−アミノベンゾニトリル(1.00g、8.47ミリモル)の溶液に、10℃でチオシアン酸カリウム(1.00g、16.9ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌した。この反応物に、酢酸(3ml)中の臭素(0.5ml、10.16ミリモル)の溶液を室温で滴下して加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた固体沈殿物を減圧下で濾過して集め、酢酸(10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させた。得られた沈殿物を氷冷NH4OH水溶液(10ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した。得られた固体沈殿物を減圧下で濾過して集め、真空下で乾燥させて、2−アミノベンゾ[d]チアゾール−6−カルボニトリル(0.70g、4.00ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程で直接使用した。LCMS:方法C、1.62分、MS: ES+ 176.13。
【0320】
工程b
MeCN(4ml)中のCuCl(0.13g、1.02ミリモル)の溶液に、亜硝酸tertブチル(0.24g、2.00ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で10分間撹拌し、次に2−アミノベンゾ[d]チアゾール−6−カルボニトリル(0.18g、1.02ミリモル)で処理した。反応混合液を70℃で1時間加熱した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×15ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ペンタン(2×5ml)で粉砕して、2−クロロ−ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボニトリル(0.165g、0.84ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程で直接使用した。LCMS:方法C、2.27分、MS: ES+ 195; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.70 (s, 1 H), 8.15 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 7.98 (d, J=8.40 Hz, 1 H)。
【0321】
工程c〜e
標題化合物を、実施例9の工程b〜dについて記載した手順と同様の手順を用いて、上記中間体から合成した。方法A、3.90分、MS: ES+ 298.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.58 (d, J=6.00 Hz, 1 H), 8.20 (s, 1 H), 7.62 (d, J=8.40 Hz, 1 H), 7.45 (dd, J=8.40, 2.80 Hz, 1 H), 3.99 - 4.02 (m, 1 H), 3.42 - 3.51 (m, 2 H), 3.36 - 3.39 (m, 1 H), 3.13 - 3.20 (m, 1 H), 2.41 - 2.44 (m, 1 H), 1.97 - 1.99 (m, 1 H), 1.65 - 1.73 (m, 1 H), 1.20 (t, J=8.00 Hz, 3 H)。
【0322】
実施例54
(3aR,6aS)−4−オキソ−5−(5−フェニルチアゾール−2−イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボニトリル
【化54】
【0323】
工程a
1,4−ジオキサン(6ml)中の2−ブロモ−5−フェニルチアゾール(0.2g、0.83ミリモル)の溶液に、(3aR6aR)−4−オキソヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.17g、0.75ミリモル)を室温で加えた。反応混合液に、CuI(0.03g、0.16ミリモル)、K3PO4(0.71g、3.34ミリモル)、及びN,N−ジメチルエチレンジアミン(0.01g、0.16ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を100℃で4時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(50ml)に注いだ。得られた混合液をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機相を集め、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をn−ペンタン(2×5ml)を用いて、溶媒粉砕により精製した。得られた物質を高真空下で乾燥して、(3aR,6aS)−4−オキソ−5−(5−フェニルチアゾール−2−イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.19g、0.49ミリモル)を得た。LCMS:方法C、2.40分、MS: ES+ 386.33。
【0324】
工程b、c
標題化合物を、実施例9の工程c、dについて記載した手順と同様の手順を用いて、上記中間体から合成した。LCMS:方法A、4.15分、MS: ES+ 310.93; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.97 (s, 1 H), 7.65 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.43 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 1 H), 4.16 - 4.21 (m, 1 H), 4.01 - 4.04 (m, 1 H), 3.62 - 3.71 (m, 3 H), 3.55 - 3.56 (m, 1 H), 3.44 - 3.48 (m, 1 H), 3.21 - 3.25 (m, 1 H)。
【0325】
本発明の化合物の生物学的活性
略語:
TAMRA カルボキシテトラメチルローダミン
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PBS リン酸緩衝化生理食塩水
EDTA エチレンジアミン四酢酸
トリス 2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール
NP−40 ノニデットP−40、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール
BSA ウシ血清アルブミン
PNS 末梢神経系
BH3 Bcl−2相同ドメイン3
PTEN ホスファターゼ及びテンシン相同体
【0326】
インビトロUSP30阻害アッセイ
USP30生化学的動態アッセイ
反応は、黒色の384ウェルプレート(小容量、Greiner 784076)中で、最終反応容積21μlで二重測定で実施した。USP30CD(57−517、#64−0057−050 Ubiquigent)を、反応緩衝液(40mMトリス、pH7.5,0.005%ツイーン20,0.5mg/ml BSA、5mM ベータ−メルカプトエタノール)中で、0、0.005,0.01,0.05,0.1、及び0.5μl/ウェル相当量まで希釈した。緩衝液は、最適温度、pH、還元剤、塩、インキュベーション時間、及び界面活性剤について最適化された。蛍光偏光基質としてイソペプチド結合を介してユビキチンに連結された50nMのTAMRA標識ペプチドの添加によって反応を開始させた。反応物を室温でインキュベートし、120分間2分ごとに読んだ。読み取りは、Pherastar Plus(BMG Labtech)で行った。励起波長540nm;発光波長590nm。
【0327】
USP30生化学IC50アッセイ
希釈プレートを、96ウェルのポリプロピレンV底プレート(Greiner #651201)中の50%DMSO中で、最終濃度の21倍(最終濃度100μMの場合2100μM)で調製した。典型的な8点希釈系列は、最終量が100,30,10,3,1,0.3,0.1,0.03μMである。反応は、黒色の384ウェルプレート(小容量、Greiner 784076)中で、最終反応容積21μlで二重測定で行った。1μlの50%DMSO又は希釈化合物をプレートに加えた。USP30を反応緩衝液(40mMトリス、pH7.5、0.005%ツイーン20、0.5mg/ml BSA、5mMベータ−メルカプトエタノール)で、0.05μl/ウェル相当量に希釈し、10μlの希釈したUSP30を化合物に加えた。酵素及び化合物を室温で30分間インキュベートした。蛍光偏光基質としてイソペプチド結合を介してユビキチンに連結された50nMのTAMRA標識ペプチドの添加によって反応を開始させた。基質の添加直後及び室温で2時間のインキュベーション後に、反応を読んだ。読み取りはPherastar Plus(BMG Labtech)で行った。励起波長540nm;発光波長590nm。
【0328】
USP30生化学IC50アッセイにおける例示化合物の活性
範囲:
A<0.1μM;
0.1<B<1μM;
1<C<10μM;
10<D<100μM
【表14-1】
【表14-2】
図1