【実施例】
【0016】
(実施例1:6-ブロモピリジン-3-オール(V)の調製)
【化8】
【0017】
メカニカルスターラー、熱電対、および窒素注入口を備えた250mLの3つ口フラスコ中、窒素下にて、2,5-ジブロモピリジン(VI)(9.98g、42.1mmol)を53mLの無水THFに溶解させた。淡黄褐色の溶液が生成した。エーテル(23mL)中のi-PrMgClの2M溶液を、シリンジを介して3分間かけて添加した。このグリニャール溶液の約50%が添加された時点で、褐色懸濁液が形成された。i-PrMgClの添加により、36℃の発熱が引き起こされた。90分間に亘る撹拌の後、懸濁液を2℃に冷却し、純粋なホウ酸トリメチル(B(OMe)
3)をシリンジで迅速に添加した。反応物が6℃に発熱し、氷浴は除去した。一晩撹拌した後に氷酢酸(3.79g)を加えたところ、全ての固体が溶解し、暗褐色の溶液が生成した。溶液を氷浴で冷却し、30%過酸化水素(酸化剤)5.25gを、反応温度が12℃を超えないように維持される速度で滴下した。反応混合物を90分間撹拌し、次いでジエチルエーテル(150mL)および水(100mL)を添加した。水性層を分離し、エーテルで抽出した(2×100mL)。合わせた有機層を100mLの10%重亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、ロータリーエバポレーターで蒸発させて褐色油状物を得たが、これを静置したところ黄褐色固体を形成した(7.95g)。粗製生成物をCelite(登録商標)15gに吸着させ、220gのシリカカラムおよびヘキサン/EtOAc勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。フラクションを蒸発させて4.81gのオフホワイトの固体を得た(収率66%)。NMRスペクトルは、6-ブロモ-3-ピリジノールの基準試料のものと同一であった。
1H NMR (DMSO-d
6, 400 mHz) δ 10.24 (s, 1H), 7.94 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 3.0, 8.6 Hz, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6, 101 MHz) δ 153.74, 138.13, 129.30, 128.14, 126.21.
【0018】
実施例1に例示される方法は、追加のグリニャール試薬、例えば、EtMgX、MeMgX、i−PrMgX、n−BuMgX、またはPhMgX(XはClまたはBrである)を用いて実施することができる。記載の方法はまた、グリニャール試薬、例えばn−BuMgXを用い、金属ハロゲン交換試薬、例えばn−BuLiの存在下で実施することができる。記載された方法はまた、別のホウ酸
エステル、例えばB(OEt)
3またはB(Oi−Pr)
3を用いて実施することもできる。この方法において使用する溶媒は、THF、2−MeTHF、MTBE、およびジオキサンから選択されるものを含んでよい。
【0019】
実施例1に例示される方法で使用される酸化剤は、過酸化水素、過酢酸、および過酸化水素と酢酸との混合物を含む群から選択することができる。
【0020】
(実施例2:4-((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(IV)の調製)
【化9】
【0021】
方法A:250mLのフラスコに、6-ブロモピリジン-3-オール(V)(10g、57.5mmol)、4-フルオロベンゾニトリル(8.35g、69.0mmol)、炭酸カリウム(15.89g、115mmol)、およびDMF(50mL)を仕込んだ。反応物を90℃で20時間加熱したところ、この時点でHPLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を20℃まで放冷し、次いでさらに0℃にまで冷却した。内部温度を15℃未満に維持しつつ(水の添加中に発熱)、水(150mL)を添加した。得られた懸濁液を20℃で1時間撹拌し、濾過した。濾過ケークを水ですすぎ(2×25mL)、白色固体を得た。固体を95%エタノール(65mL)中に懸濁させ、75℃に加熱して透明な溶液を得た。1時間かけて20℃に放冷し、得られた白色懸濁液を20℃で2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、この固体を95%エタノールですすいだ(2×10mL)。この固体を真空下で乾燥させて、所望の生成物を白色固体として得た(13.2g、収率83%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.22 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.73 - 7.63 (m, 2H), 7.53 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.33 - 7.23 (m, 1H), 7.14 - 7.00 (m, 2H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 160.13, 151.47, 142.54, 136.81, 134.47, 130.10, 129.12, 118.33, 118.23, 107.56; ESIMS: m/z 277.1 ([M+H]
+).
【0022】
方法B:250mLの丸底フラスコに、6-ブロモピリジン-3-オール(V)(10g、57.5mmol)、4-ニトロベンゾニトリル(8.94g、60.3mmol)、炭酸カリウム(15.9g、114.9mmol)、およびDMF(30mL)を仕込んだ。反応物を90℃で18時間加熱したところ、その時点でのHPLC分析は反応の完了を示した。反応物を20℃に放冷し、50℃未満にて水(90mL)で希釈した。得られた懸濁液を1時間撹拌し、濾過した。濾過ケークを水ですすぎ(2×50mL)、オフホワイトの固体を得た。得られた固体をEtOH(40mL)中に懸濁させ、75℃に加熱して透明な溶液を得た。2時間かけて20℃まで放冷し、この温度で1時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、濾過ケークをEtOHですすいだ(2×10mL)。濾過ケークを乾燥させ、所望の生成物を白色固体として得た(12.9g、収率82%);mp: 116〜119 °C.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.22 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.53 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.7, 2.9 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.8 Hz, 2H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 160.13, 151.47, 142.55, 136.81, 134.48, 130.13, 129.13, 118.34, 107.55. ESIMS: m/z 277.0 ([M+H]
+)。
【0023】
実施例2に例示される方法は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、およびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)のうちの1つ以上から選択される溶媒中で実施することができる。この方法で使用される塩基は、炭酸カリウムおよび炭酸セシウムなどの金属炭酸塩、NaHなどの金属水素化物、NaOHおよびKOHなどの金属水酸化物、および金属重炭酸塩を含み得る。
【0024】
実施例2に例示される方法は、ほぼ室温から約120℃で実施することができる。
【0025】
(実施例3:エチル2-(5-(4-シアノフェノキシ)ピリジン-2-イル)-2,2-ジフルオロアセテート(III)の調製)
【化10】
【0026】
方法A:エチル2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテート(12.27mL、94mmol)及び銅粉末(14から25μm、9.60g、151mmol)を、4-((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(IV)(20g、72.0mmol)のDMF(140mL)中の溶液に、窒素下で加えた。得られた褐色懸濁液を、窒素下にて60℃で18時間加熱したところ、この時点でのHPLC分析は反応が完了したことを示した。混合物を20℃に冷却し、MTBE(280mL)を添加した。得られた混合物を10分間撹拌し、Celite(登録商標)パッドで濾過した。Celite(登録商標)パッドをMTBEですすいだ(2×140mL)。濾液を飽和NH
4Cl(200mL)、ブライン(3×140mL)、および水(2×140mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮し、粗製生成物を、次の工程で直接使用するために十分な純度の淡褐色油状物(21g、92%)として得た。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(10から20%EtOAc/ヘキサン)によりさらに精製して、所望の生成物を白色固体として得た(16g、収率70%);mp 45〜48 °C.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.44 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 8.6, 0.7 Hz, 1H), 7.73 - 7.66 (m, 2H), 7.49 (dd, J = 8.6, 2.7 Hz, 1H), 7.14 - 7.08 (m, 2H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H); ESIMS m/z 319.1 ([M+H]
+)。
【0027】
方法B:15Lのジャケット付き反応器に、4-((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(IV)(900g、3173mmol)、エチル2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテート(541mL、4125mmol)、銅(423g、6664mmol)、およびDMSO(4500mL)を窒素下で添加して、褐色の懸濁液を得た。反応物を40℃で8時間加熱したところ、その時点でHPLC分析は反応の完了を示した。これを20℃に放冷し、MTBE(4000mL)を加えた。混合物を30分間撹拌し、Celite(登録商標)パッドで濾過した。フィルターパッドをMTBEですすぎ(2×1000mL)、合わせた濾液をブラインですすいだ(3×2000mL)。第1の水性層をMTBE(2×1000mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NH
4Cl溶液(2×2000mL)およびブライン(3×2000mL)で洗浄し、濃縮して所望の生成物を褐色油状物として得た(1030g、収率96%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.44 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 8.6, 0.7 Hz, 1H), 7.73 - 7.66 (m, 2H), 7.49 (dd, J = 8.6, 2.7 Hz, 1H), 7.14 - 7.08 (m, 2H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0028】
実施例3に例示される方法は、DMSO、DMF、THF、およびNMPの1つまたは複数から選択される溶媒中で、銅などの金属を用いて実施することができる。
実施例3に例示される方法は、ほぼ室温から約100℃で実施することができる。
【0029】
(実施例4:4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)の調製)
【化11】
【0030】
方法A:THF(250mL)中のMgターニング(3.47g、143mmol)の懸濁液を窒素下で35℃に加熱した。1-ブロモ-2,4-ジフルオロベンゼン(1mL、8.85mmol)の一部を反応器に加え、得られた混合物を35℃で30分間加熱して反応を開始させた。反応混合物を30℃に冷却し、残りの1-ブロモ-2,4-ジフルオロベンゼン(16.4mL、145.15mmol)を28℃から32℃で30分間かけて反応器に加えた。反応物を30℃で2時間撹拌したところ、この時点でMgの完全な消費が観察された。反応物を0℃未満に冷却し、エチル2-(5-(4-シアノフェノキシ)ピリジン-2-イル)-2,2-ジフルオロアセテート(III)(35g、110mmol)のTHF(100mL)中の溶液を5℃未満で30分かけて添加した。反応物を0℃で1時間撹拌し、10℃未満で2NのHCl溶液(150mL)中にクエンチした(pH=1から2)。反応物を20℃で18時間撹拌し、この時点でのHPLC分析は、依然として約10%のヘミケタール中間体(IIa)が残っていることを示した。これを30℃でさらに5時間攪拌し、この時点でのHPLC分析は、ヘミケタール(IIa)中間体が完全に消費されたことを示した。層を分離し、水性層をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄褐色固体(45.6g)を得た。固体を60℃にてEtOAc(60mL)に溶解させ、ヘプタン(100mL)を加えた。混合物を播種し、20℃にて18時間撹拌して懸濁液を得た。懸濁液を濾過し、固体を乾燥させて、所望の生成物を白色固体(25.5g)として得た。濾液を濃縮し、MTBE(50mL)およびヘプタン(100mL)から再結晶させて、乾燥後に淡褐色の固体(14.1g)を得た。合計の収率は90%であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.37 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.08 (td, J = 8.4, 6.4 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.75 - 7.66 (m, 2H), 7.54 (dd, J = 8.6, 2.8 Hz, 1H), 7.17 - 7.08 (m, 2H), 7.01 (dddd, J = 8.6, 7.6, 2.5, 0.9 Hz, 1H), 6.84 (ddd, J = 11.0, 8.6, 2.4 Hz, 1H); ESIMS m/z 387.0 ([M+H]
+).
【0031】
方法B:THF(6000mL)中のMgターニング(107g、4.3mol)の懸濁液を窒素下で35℃に加熱した。1-ブロモ-2,4-ジフルオロベンゼン(32mL、0.28mol)の一部を35℃で反応器に加え、得られた混合物を35℃で30分間加熱して反応を開始させた。反応混合物を15℃に冷却し、残りの1-ブロモ-2,4-ジフルオロベンゼン(500mL、4.45mol)を80分間かけて15から20℃で反応器に加えた。反応物を20℃で1時間撹拌し、-20℃に冷却した。エチル2-(5-(4-シアノフェノキシ)ピリジン-2-イル)-2,2-ジフルオロアセテート(III)(1052g、3.07mol)のTHF(100mL)中の溶液を-5℃未満で40分間かけて加えた。容器および添加漏斗をTHF(200mL)ですすぎ、すすぎ溶剤を反応物に添加した。反応物を-20℃で2時間撹拌し、10℃未満で4NのHCl溶液(1500mL)中にクエンチした。反応物が20℃に温まるに任せ、16時間撹拌したところ、この時点でのHPLC分析は反応が完了したことを示した。層を分離し、水性層をMTBEで抽出した(3×400mL)。合わせた有機層を飽和NaHCO
3溶液(2×1000mL)、ブライン(2×1000mL)、および水(1000mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色固体(1264g)を得た。得られた固体を3:1のヘプタン/MTBE(1000mL)中に懸濁させ、60℃で1時間加熱した。得られた懸濁液を周囲温度に冷却し、濾過した。固体を3:1のヘプタン/MTBE(1000mL)中に懸濁させ、60℃で1時間加熱した。得られた懸濁液を周囲温度に冷却し、濾過して、所望の生成物を、乾燥後の黄褐色固体として得た(1080g、収率86%)。単離された生成物の分析は、従前に得られた試料のものと一致していた。
【0032】
実施例4に例示される方法(方法AおよびB)は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、トルエン、ジオキサン、およびメチルt-ブチルエーテル(MTBE)の1つ以上から選択される非プロトン性溶媒である溶媒中で実施することができる。
【0033】
実施例4に例示される方法(方法AおよびB)は、アリールグリニャール、または2,4-ジフルオロ-1-ブロモベンゼンとマグネシウムの1つとの反応によって形成されるアリールリチウム試薬、n-ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬、または塩化イソプロピルマグネシウムなどのグリニャール試薬のいずれかである有機金属試薬を用いて実施することができる。
【0034】
実施例4に例示される方法(方法AおよびB)は、約-80℃から約50℃の間で実施することができる。
【0035】
式IIaのヘミケタールは、所定の反応条件下で式IIの化合物を調製する方法(例えば、方法C参照)において、中間体として単離することができる。式IIaのヘミケタールへの酸の添加(例えば、方法D参照)またはその高温での加熱(例えば、方法E参照)により、式IIの所望の生成物への変換がもたらされる。
【0036】
実施例4に例示された方法(方法AからD)での使用に適した酸は、HCl、HBr、H
2SO
4、H
3PO
4、HNO
3、酢酸、トリフルオロ酢酸、およびこれらの混合物を含み得る。
【0037】
方法C:4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-エトキシ-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(IIa)の調製
【化12】
【0038】
THF(25mL)中のMgターニング(0.458g、18.85mmol)の懸濁液を窒素下で35℃に加熱した。1-ブロモ-2,4-ジフルオロベンゼンの一部(0.25mL、2.99mmol)を反応器に加え、得られた混合物を35℃で30分間加熱して反応を開始させた。反応混合物を30℃に冷却し、残りの1-ブロモ-2,4-ジフルオロベンゼン(1.46mL、17.43mmol)を35℃未満で反応器に添加した。反応物を30℃で2時間撹拌したところ、この時点でMgの完全な消費が観察された。反応物を0℃未満に冷却し、THF(25ml)中のエチル2-(5-(4-シアノフェノキシ)ピリジン-2-イル)-2,2-ジフルオロアセテート(II)(5.0g、15.71mmol)の溶液を、5℃未満で添加した。反応物を0℃で1時間撹拌し、10℃未満で2NのHCl溶液(24mL)中にクエンチした。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を濃縮して半固体を得た。粗製生成物を加熱しながらEtOAc(5mL)に溶解させ、ヘプタン(40mL)を15分間かけて添加して黄色懸濁液を得た。混合物を20℃で1時間撹拌し、濾過した。固形物をヘプタン(2×10mL)ですすぎ、風乾させて所望の生成物を黄色固体として得た(5.1g、収率75%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.43 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.89 - 7.77 (m, 2H), 7.75 - 7.67 (m, 2H), 7.59 - 7.49 (m, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.17 - 7.10 (m, 2H), 6.95 (tdd, J = 8.7, 2.6, 0.9 Hz, 1H), 6.85 (ddd, J = 11.4, 8.9, 2.6 Hz, 1H), 3.66 (dq, J = 9.6, 7.1 Hz, 1H), 3.33 (dq, J = 9.6, 7.0 Hz, 1H), 1.04 (t, J = 7.1 Hz, 3H); ESIMS m/z 433.1 ([M+H]
+).
【0039】
方法D:4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)の調製
【化13】
【0040】
4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-エトキシ-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(IIa)(200mg、0.463mmol)の試料を2NのHCl(1mL)およびTHF(2mL)に溶解させ、20℃で18時間撹拌した。これをNaHCO
3でpH6から7に中和し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮乾固させて、所望の生成物を黄色油状物として得た。単離された生成物の分析データは、従前に得られた試料のものと一致していた。
【0041】
方法E:4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(I)の調製
【化14】
【0042】
4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-エトキシ-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(IIa)の試料(8.8g、20.35mmol)を、トルエン(30mL)中に懸濁させ、105℃で8時間に亘り加熱した。これを20℃に冷却し、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。残渣をEtOAc(8mL)に溶解させ、ヘプタン(64mL)を加えた。混合物を2時間撹拌し、濾過した。濾過ケークをヘプタンですすぎ(2×20mL)、乾燥させて淡黄色固体を得た(5.8g、収率74%)。単離された生成物(II)の分析データは、従前に得られた試料のものと一致していた。
【0043】
(実施例5:4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(I)の調製
【化15】
【0044】
方法A:炭酸カリウム(32.6g、236mmol)を、5℃未満にてNMP(190mL)中のヨウ化トリメチルスルホキソニウム
(26.5g、118mmol)の懸濁液中に仕込み、反応物を20℃で2時間撹拌して白色懸濁液を得た。4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)(38g、94mmol)を一度に加え、反応物をN
2下で35℃にて18時間撹拌したところ、この時点でのHPLC分析は、出発物質がエポキシド中間体(Ia)に完全に変換されたことを示した。1H-1,2,4-トリアゾール(8.56g、123mmol)を添加し、反応物を60℃で18時間撹拌したところ、この時点でのHPLC分析からは、約10%のエポキシド中間体(Ia)が残っていることが示された。反応物を80℃でさらに1時間撹拌したところ、この時点でのHPLC分析は反応の完了を示した。混合物を20℃に放冷し、氷水(1200mL)中に注いだ。得られた懸濁液を濾過し、固体をDCM(1200mL)に溶解させた。溶液をブライン(2×300mL)で洗浄し、有機層を約200mLまで濃縮した。得られた溶液を、カラムクロマトグラフィー(シリカ750g)により、溶離液としてEtOAc/ヘキサンを用いて精製し、所望の生成物を淡黄色泡沫として得た(39.2g、収率85%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.36 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.73 - 7.67 (m, 2H), 7.58 (dd, J = 8.7, 0.6 Hz, 1H), 7.51 - 7.44 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.7, 2.8 Hz, 1H), 7.15 - 7.03 (m, 2H), 6.81 - 6.68 (m, 2H), 6.27 (s, 1H), 5.40 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.93 - 4.82 (m, 1H); ESIMS m/z 470.0 ([M+H]
+).
【0045】
方法B:100mLの3つ口丸底フラスコに、ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(0.356g、1.618mmol)およびNMP(5mL)を仕込んだ。NaOt-Bu(0.143g、1.488mmol)を25℃未満で添加し、反応物を20℃で1時間撹拌した。反応物を-15℃未満に冷却し、4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)(0.5g、1.294mmol)を添加した。反応物を-10℃未満で1時間撹拌し、その後のHPLC分析は、出発物質がエポキシド中間体(Ia)に完全に変換されたことを示した。1H-1,2,4-トリアゾール(0.103g、1.488mmol)およびNaOt-Bu(0.143g、1.488mmol)を加え、反応物を40℃で6時間加熱した。反応物を20℃に冷却し、水(20mL)を添加した。混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。有機物を濃縮乾固させ、カラムクロマトグラフィー(シリカ40g、5カラム体積に亘って0から60%EtOAc/ヘキサン、5体積を保持)により精製した。純粋な生成物を含有するフラクションを濃縮して、無色油状物を得た(400mg、収率66%)。分析データは、従前に得られた試料のものと一致していた。
【0046】
方法C:100mLの3つ口丸底フラスコに、臭化トリメチルスルホキソニウム(0.560g、3.24mmol)およびNMP(5mL)を仕込んだ。K
2CO
3(1.073g、7.77mmol)を25℃未満で添加し、反応物を20℃で1時間撹拌した。4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)(1.0g、2.59mmol)を添加し、反応物を20℃で18時間撹拌した後、HPLC分析は反応が不完全であることを示した。これをさらに35℃で4時間攪拌した後には、HPLC分析は出発物質が消費されたことを示した。1H-1,2,4-トリアゾール(0.215,3.11mmol)を添加し、反応物を20℃で18時間撹拌し、この時点でのHPLC分析は反応が不完全であることを示した。さらに35℃で4時間加熱し、20℃に冷却した。水(20mL)を加えて、反応混合物を30分間撹拌し、ゴム状沈殿物を得て、これを溶媒をデカントすることにより単離した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ40g、10分間に亘って0から50%EtOAc/ヘキサン、15分間保持)で精製した。純粋な生成物を含むフラクションを濃縮して白色泡沫を得た(0.89g、収率73%)。分析データは、従前に得られた試料のものと一致していた。
【0047】
方法D:100mLの3つ口丸底フラスコに塩化トリメチルスルホキソニウム(0.832g、6.48mmol)およびNMP(10mL)を仕込んだ。K
2CO
3(2.146g、15.554mmol)を25℃未満で添加し、反応物を20℃で1時間撹拌した。4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)(2.0g、5.18mmol)を加え、反応物を20℃で18時間撹拌した後のHPLC分析により、出発物質が完全に消費されたことが示された。1H-1,2,4-トリアゾール(0.43g、6.11mmol)を添加し、反応物を20℃で18時間撹拌し、この時点でのHPLC分析は反応が完了したことを示した。水(25mL)を加え、反応混合物を30分間撹拌してゴム状沈殿物を得て、これを溶媒をデカントすることにより単離した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ80g、10分間に亘って0から50%EtOAc/ヘキサン、15分間保持)で精製した。純粋な生成物を含むフラクションを濃縮して白色泡沫を得た(1.5g、収率62%)。分析データは、従前に得られた試料のものと一致していた。
【0048】
方法E:ジャケットを25℃に設定した250mLのジャケット付き反応器に、臭化トリメチルスルホキソニウム(6.16g、35.6mmol)、炭酸カリウム(11.18g、81mmol)、およびDMSO(37.5mL)を加えた。スラリーを30分間撹拌した後、4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)(12.5g、32.4mmol)を添加し、ジャケットを55℃に加熱した。1時間後、1H-1,2,4-トリアゾール(2.458g、35.6mmol)を加え、混合物を55℃で5時間撹拌した。ジャケットを25℃に下げて、125mLのMTBEを反応物に加えた後、125mLの水を添加した。混合物を30分間激しく撹拌した後、静置した。水性層を除去し、125mLの水を有機層に加え、2つを15分間混合した。25mLのMTBEおよび10mLの飽和ブラインを加え、層を2分間混合した後に、沈降させた。水性層を反応器から取り出した。反応器に蒸留ヘッドを取り付け、ジャケットを65℃に設定した。82gの溶媒を常圧塔頂蒸留し(atmospherically distilled overhead)(約115mL)、次いでメタノール(53g、約70mL)を添加した。塔頂温度が65℃になるまで蒸留を続け、合計130gの溶媒を塔頂蒸留した(約110gのMTBEおよび約20gのMeOH;33gのメタノールが反応器中に残留)。ジャケットを60℃に冷却し、水(3.4g)を滴下した。次いで、混合物に化合物Iを播種した。追加の水(3.2g)をゆっくり加えて、より多くの固体を沈殿させた。スラリーを4時間かけて20℃に冷却した。20℃で1時間撹拌した後、固体をろ過により単離し、反応容器を母液で洗浄して固形物を除去した。この固形物を、2:1のメタノール/水(w/w)で洗浄した(2×10mL)。固形物を空気乾燥させて恒量とし、4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(I)(10.08g、20.40mmol、収率63.0%)を黄褐色固体として得た。分析データは、従前に得られた試料のものと一致していた。
【0049】
方法F:25℃に設定した250mLのジャケット付き反応器に、臭化トリメチルスルホキソニウム(6.16g、35.6mmol)、炭酸カリウム(11.18g、81mmol)、THF(62.6mL)および水(12.51mL)を加えた。このスラリーを25℃で15分間撹拌し、次いで4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(II)(12.5g、32.4mmol)を加え、混合物を60℃で一晩撹拌した。ジャケットを25℃に冷却し、水(37.5mL)を加え、層を5分間混合した。水性層を反応器から取り出した。有機層を85℃のジャケットで常圧蒸留した。40mLを塔頂蒸留した後、37.5mLのDMSOを添加した。蒸留を継続したところ、溶媒がさらに5mLのみ塔頂から得られた。ジャケットを55℃に冷却したところ、反応混合物中に約20mLのTHFが残った。炭酸カリウム(11.18g、81mmol)、続いて1H-1,2,4-トリアゾール(2.458g、35.6mmol)を添加した。反応物を55℃で5時間攪拌し、次いでMTBE(125mL)および水(125mL)を加え、15分間混合した。層を分離した。有機層を水125mLおよびブライン20mLの混合物で洗浄した。ジャケット付き反応器に残った有機層を常圧蒸留した。67gの溶媒を塔頂蒸留した後、55.7gのメタノールを加え、さらに47gの溶媒が塔頂から得られるまで蒸留を続けた。暗褐色の溶液を60℃に冷却し、次に水3.02gをゆっくり加え、混合物に播種した。追加の8.5gの水を添加して約3:1のメタノール/水(w/w)を得た。混合物を2時間かけて20℃に冷却し、スラリーを20℃で一晩保持した。形成された固形物を濾過により単離し、反応器を母液で洗浄した。固形物を3:1のメタノール/水(w/w)(20g)で洗浄し、空気乾燥して恒量とし、4-((6-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル)ピリジン-3-イル)オキシ)ベンゾニトリル(I)(11.62g、24.76mmol、収率77%)を黄褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ8.47 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.99 - 7.89 (m, 2H), 7.71 (s, 1H), 7.69 (dd, J = 8.7, 2.8 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.30 - 7.19 (m, 3H), 7.13 (ddd, J = 12.0, 9.2, 2.6 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.88 (td, J = 8.5, 2.6 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 4.83 (d, J = 14.6 Hz, 1H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ-102.83 (td, J = 22.5, 21.9, 9.2 Hz), -107.66 (dd, J = 21.7, 13.5 Hz), -110.46 (d, J = 9.4 Hz). ESIMS m/z 470.2 [(M+H)
+].
【0050】
実施例5に例示される方法は、約-20℃から約100℃、または約20℃から約80℃の範囲の温度で実施することができる。
【0051】
実施例5に例示される方法で使用してよい溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、スルホラン、水、およびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0052】
実施例5に例示される方法で使用してよい塩基は、金属炭酸塩、例えば炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム、金属アルコキシド、例えばカリウムtert-ブトキシド、あるいは金属重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウムおよびカリウムを含むことができる。