特許第6898384号(P6898384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6898384保険契約管理システム、保険契約管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6898384
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】保険契約管理システム、保険契約管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20210628BHJP
【FI】
   G06Q40/08
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-105954(P2019-105954)
(22)【出願日】2019年6月6日
(65)【公開番号】特開2020-201550(P2020-201550A)
(43)【公開日】2020年12月17日
【審査請求日】2020年6月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595140170
【氏名又は名称】東京海上日動火災保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】野口 剛
【審査官】 池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−063363(JP,A)
【文献】 特開2001−350923(JP,A)
【文献】 特開2009−259233(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0228571(US,A1)
【文献】 住友生命が提案する 団体信用生命保険 平成15年度版,住友生命保険相互会社,2004年 3月31日,pp.1〜12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険会社との間で団体保険契約を締結する金融機関である団体保険契約者の契約内容に関する第1契約情報を取得する第1取得部と、
前記団体保険契約において前記団体保険契約者に属する企業である被保険者の契約内容に関する第2契約情報を取得する第2取得部と、
前記第1契約情報と、前記第2契約情報と、に基づいて、前記団体保険契約者と前記被保険者とを紐付けて管理する管理部と、
を備え、
前記管理部は、前記団体保険契約の前記団体保険契約者に対して発行される保険証券を識別するための第1契約証券番号を記憶部に記憶し、前記団体保険契約者に対して発行される前記保険証券を証券分割した前記団体保険契約の被保険者の保険証券を識別するための、前記第1契約証券番号とは異なる第2契約証券番号を、前記記憶部に記憶し、前記第2契約証券番号を前記第1契約証券番号と紐付けて管理し、
前記第1契約証券番号に基づいて、前記被保険者の契約内容のうち、所定の契約項目を抽出する抽出部と、
前記抽出部で抽出された前記所定の契約項目に基づいて、前記団体保険契約者に紐付く前記被保険者における前記団体保険契約の保険内容を証明する加入者票に関する加入者票情報を生成する加入者票情報生成部と、
をさらに備える、
ことを特徴とする保険契約管理システム。
【請求項2】
前記加入者票情報生成部で生成された前記加入者票情報を、前記加入者票を出力するための処理装置に送信する送信部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の保険契約管理システム。
【請求項3】
コンピュータが、
保険会社との間で団体保険契約を締結する金融機関である団体保険契約者の契約内容に関する第1契約情報を取得する第1取得ステップと、
前記団体保険契約において前記団体保険契約者に属する企業である被保険者の契約内容に関する第2契約情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1契約情報と、前記第2契約情報と、に基づいて、前記団体保険契約者と前記被保険者とを紐付けて管理する管理ステップと、
を実現し、
前記管理ステップにおいて、前記団体保険契約の前記団体保険契約者に対して発行される保険証券を識別するための第1契約証券番号を記憶部に記憶させ、前記団体保険契約者に対して発行される前記保険証券を証券分割した前記団体保険契約の被保険者の保険証券を識別するための、前記第1契約証券番号とは異なる第2契約証券番号を、前記記憶部に記憶させ、前記第2契約証券番号を前記第1契約証券番号と紐付けて管理し、
前記第1契約証券番号に基づいて、前記被保険者の契約内容のうち、所定の契約項目を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された前記所定の契約項目に基づいて、前記団体保険契約者に紐付く前記被保険者における前記団体保険契約の保険内容を証明する加入者票に関する加入者票情報を生成する加入者票情報生成ステップと、
をさらに実現させる保険契約管理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
保険会社との間で団体保険契約を締結する金融機関である団体保険契約者の契約内容に関する第1契約情報を取得させることと、
前記団体保険契約において前記団体保険契約者に属する企業である被保険者の契約内容に関する第2契約情報を取得させることと、
前記第1契約情報と、前記第2契約情報と、に基づいて、前記団体保険契約者と前記被保険者とを紐付けて管理させることと、
前記団体保険契約の前記団体保険契約者に対して発行される保険証券を識別するための第1契約証券番号を記憶部に記憶させることと
前記団体保険契約者に対して発行される前記保険証券を証券分割した前記団体保険契約の被保険者の保険証券を識別するための、前記第1契約証券番号とは異なる第2契約証券番号を、前記記憶部に記憶させることと、
前記第2契約証券番号を前記第1契約証券番号と紐付けて管理させることと、
前記第1契約証券番号に基づいて、前記被保険者の契約内容のうち、所定の契約項目を抽出させることと、
抽出された前記所定の契約項目に基づいて、前記団体保険契約者に紐付く前記被保険者における前記団体保険契約の保険内容を証明する加入者票に関する加入者票情報を生成させることと、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険契約管理システム、保険契約管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
保険の契約者が保険に関する約款の内容を簡単に把握するための保険契約情報提供システムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−116610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている保険契約情報提供システムによれば、保険に関する約款の記載につき、保険金に関する部分、保険金を支払う場合の条件に関する部分、保険金を支払わない場合の条件など、それぞれの記載部分に識別情報が付されているため、保険の契約者は、約款の内容を簡単に把握することができる。しかしながら、該システムでは、団体保険において、団体保険の契約者と、団体保険に属する被保険者とを対応付けて管理することができない。すなわち、団体保険における該被保険者の、契約の変更手続き、契約の満期管理などの契約管理につき、保険会社は、容易に内容を確認し、迅速な手続きを実行することができない虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、団体保険契約において、団体保険契約の契約者と、団体保険契約に属する被保険者とを対応付けて管理するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る契約管理システムは、保険会社との間で団体保険契約を締結する団体保険契約者の契約内容に関する第1契約情報を取得する第1取得部と、前記団体保険契約において前記団体保険契約者に属する被保険者の契約内容に関する第2契約情報を取得する第2取得部と、前記第1契約情報と、前記第2契約情報と、に基づいて、前記団体保険契約者と前記被保険者とを紐付けて管理する管理部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る契約管理方法は、コンピュータが、保険会社との間で団体保険契約を締結する団体保険契約者の契約内容に関する第1契約情報を取得する第1取得ステップと、前記団体保険契約において前記団体保険契約者に属する被保険者の契約内容に関する第2契約情報を取得する第2取得ステップと、前記第1契約情報と、前記第2契約情報と、に基づいて、前記団体保険契約者と前記被保険者とを紐付けて管理する管理ステップと、を実現する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、保険会社との間で団体保険契約を締結する団体保険契約者の契約内容に関する第1契約情報を取得させることと、前記団体保険契約において前記団体保険契約者に属する被保険者の契約内容に関する第2契約情報を取得させることと、前記第1契約情報と、前記第2契約情報と、に基づいて、前記団体保険契約者と前記被保険者とを紐付けて管理させることと、を実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、団体保険契約を締結した団体保険契約者に属する被保険者を、団体保険契約者と対応付けて管理することができるため、団体保険契約者に関する情報に基づいて、被保険者に関する情報を取得することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】契約管理システムの構成の一例を示す図である。
図2】契約管理システムにおける加入者票出力処理の概要を示す図である。
図3】契約管理サーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】第1契約情報テーブルの一例を示す図である。
図5】第2契約情報テーブルの一例を示す図である。
図6】加入者票情報テーブルの一例を示す図である。
図7】端末装置の機能構成の一例を示す図である。
図8】第1サーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図9】第2サーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図10】加入者票の一例を示す図である。
図11】契約管理サーバ装置の処理を示すフロー図である。
図12】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態における保険契約管理システム1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0012】
保険契約管理システム1は、団体保険契約を締結する団体保険契約者の契約内容に関する第1契約情報と、団体保険契約における該団体保険契約者に属する被保険者の契約内容に関する第2契約情報を取得して、団体保険契約者と被保険者とを対応付けて管理するシステムである。ここで、団体保険契約とは、団体が、その構成員の補償制度を構築し、加入希望する構成員の加入契約を取りまとめて、保険会社と契約する保険契約をいう。本実施形態においては、団体を団体保険契約者とし、構成員を被保険者として説明する。なお、団体保険契約者とは例えば銀行などの金融機関であり、被保険者とは団体保険契約者と取引関係のある、例えば企業や個人事業主である。
【0013】
従来、団体保険契約については、団体保険契約者との間における1つの契約として管理されている。つまり、団体保険契約者および被保険者の保険契約の集合体である団体保険契約は、一つの企業の一つの保険契約と同様に管理されている。このため、保険会社や取扱保険代理店の担当者は、団体保険に加入する被保険者の契約内容を容易に確認することができなかった。具体的に述べると、被保険者の契約内容や加入依頼書等申し込みに関する書類は、団体保険契約者に関する書類に添付資料として書面にてファイリングされているため、担当者は、システム上で加入内容や加入依頼書等を確認することができず、被保険者からの契約照会や事故受付に時間を要していた。また、システム上、被保険者が団体保険契約者に紐付いて管理されていないため、被保険者の契約変更手続き、契約の満期管理などの対応にも相当の時間を要していた。さらに、加入者票を、被保険者に発行するため、加入依頼書を転記して作成している。ここで、加入者票とは、団体保険契約における被保険者に保険証券の代替として、被保険者が加入依頼書にもとづき加入された保険内容を証明する書類である。
【0014】
保険契約管理システム1では、このような問題に対して、団体保険契約の被保険者に所定の識別符号を付して、被保険者と団体保険契約者とを対応づけることで、被保険者に関する契約情報を容易に取得可能とする。具体的には、証券分割により、被保険者に対し、団体保険契約者に紐づいた証券番号を発行することで、担当者が被保険者の契約内容を迅速に確認することを可能とした。また、被保険者ごとに証券番号を発行するため、被保険者それぞれにつき1つの契約として管理できることから、被保険者それぞれに対し、照会応答・更新管理・事故受付などの機能を果たすことができる。ここで、証券分割とは、一の契約を、団体保険契約としての親契約と被保険者の加入契約の子契約との数で分割することであり、例えば1つの団体保険契約につき、被保険者が100社あれば、親契約の1契約と、子契約の100契約とに分けて101契約を計上する。保険契約管理システム1は、証券分割方式により、団体保険契約として団体保険契約者から取得する申込書に基づいて証券を発行する選択機能と、被保険者それぞれの契約を個別に管理する機能とを有し、1つのデータベースで管理する。
【0015】
以下、本実施形態における保険契約管理システム1について説明する。
【0016】
図1は、保険契約管理システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、保険契約管理システム1は、契約管理サーバ装置10、端末装置20、第1サーバ装置30、第2サーバ装置40を含む。以下、保険契約管理システム1の各構成要素について説明する。
【0017】
契約管理サーバ装置10は、第1契約情報および第2契約情報を管理し、これらの情報に基づいて加入者票に関する加入者票情報を生成するサーバ装置である。契約管理サーバ装置10は、例えば、サーバコンピュータなどの情報処理装置で構成され、端末装置20、第1サーバ装置30、および第2サーバ装置40との間で各種情報を送受信するサーバである。契約管理サーバ装置10は、例えば保険会社所有の各種情報を管理する。
【0018】
端末装置20は、例えば、団体保険契約における取扱保険代理店の端末であり、パーソナルコンピュータなどである。端末装置20は、ネットワーク50を介して契約管理サーバ装置10と接続され、契約管理サーバ装置10から送信される各種情報を、図12に示す表示装置107に表示する。取扱保険代理店は、端末装置20を用いて、契約管理サーバ装置10からの要求に応答する。
【0019】
第1サーバ装置30は、例えば、加入者票情報を管理するサーバであり、サーバコンピュータなどの情報処理装置などである。第1サーバ装置30は、ネットワーク50を介して契約管理サーバ装置10および第2サーバ装置40と通信可能に接続される。第1サーバ装置30と、契約管理サーバ装置10および第2サーバ装置40との間の各種情報の送受信については後述する。
【0020】
第2サーバ装置40は、例えば、加入者票情報に基づいて加入者票を印刷するためのサーバであり、サーバコンピュータなどの情報処理装置などである。第2サーバ装置40は、ネットワーク50を介して第1サーバ装置30と通信可能に接続される。第2サーバ装置40と、第1サーバ装置30との間の各種情報の送受信については後述する。
【0021】
[保険契約管理システム1の概要]
保険契約管理システム1の概要について説明する。図2は、保険契約管理システム1において団体保険契約の申込みから加入者票を印刷するまでの処理の概要を示す図である。以下では、図2を参照して各種情報の流れを説明する。
【0022】
まず、S1において、企業や個人事業主などの団体保険契約における被保険者は、団体保険契約の団体保険契約者に加入依頼を実施する。加入依頼は、被保険者が所定の加入依頼書に記名・捺印することで実施される。なお、記名・捺印された加入依頼書を示す加入依頼書情報を被保険者の端末装置22から団体保険契約者の端末装置21に送信してもよい。ここで、加入依頼書とは、団体保険契約における被保険者の加入内容につき、団体保険契約の申込書の代替として団体保険契約者に示す書面である。
【0023】
次に、S2において、団体保険契約者は、取扱保険代理店に団体保険契約の申込みを実施する。団体保険契約の申込書は、団体保険契約者が所定の団体保険契約書に記名・捺印することで実施される。記名・捺印された団体保険契約の申込書には、例えば、団体保険契約者における団体保険契約の申込書(第1契約情報に対応)と、被保険者における団体保険に加入するための加入申込書(第2契約情報に対応)とが含まれる。なお、記名・捺印された団体保険契約の申込書を示す、後述する第1契約情報および第2契約情報を、端末装置21から端末装置20に送信してもよい。
【0024】
次に、S3において、取扱保険代理店は、団体保険契約の申込みを受けると、端末装置20を介して、契約管理サーバ装置10に第1契約情報および第2契約情報を送信する。これにより、契約管理サーバ装置10において、団体保険契約者と被保険者とを別々に管理することができる。
【0025】
次に、S4において、契約管理サーバ装置10は、第1契約情報に基づいて保険証券作成処理を実行する。保険証券作成処理については後述する。
【0026】
次に、S5において、契約管理サーバ装置10は、例えば第2契約情報に基づいて、加入者票情報を生成する。
【0027】
次に、S6において、第1サーバ装置30は、契約管理サーバ装置10から送信される加入者票情報を取得する。第1サーバ装置30は、加入者票情報を管理する。
【0028】
次に、S7において、第2サーバ装置40は、第1サーバ装置30から送信された加入者票情報に基づいて加入者票を印刷する。人を介在させずに、加入者票情報に基づいて加入者票を作成するため、加入者票の作成時の人的なミスや、加入者票の郵送時の情報漏洩などのリスクを軽減できる。
【0029】
[保険契約管理システム1の機能構成]
次に、上記の処理を実現するために、契約管理サーバ装置10、端末装置20、第1サーバ装置30、および第2サーバ装置40が備えている機能について説明する。
【0030】
図3を参照して、契約管理サーバ装置10の機能構成について説明する。図3は、契約管理サーバ装置10の機能構成の一例を示す図である。図3に示すとおり、契約管理サーバ装置10は、例えば、第1契約情報テーブル11a、第2契約情報テーブル11b、取得部12、第1契約管理部13、第2契約管理部14、項目抽出部15、加入者票情報生成部16、および送信部17の機能を有する。ここで、第1契約情報テーブル11aおよび第2契約情報テーブル11bは、1つのデータベース上に管理している。また、契約管理サーバ装置10が有するように記載しているが、他の装置が有していてもよい。この場合、契約管理サーバ装置10は、該他の装置に各種情報を格納し、該他の装置から各種情報を取得する。また、各機能は、契約管理サーバ装置10が有するように記載しているが、第1サーバ装置30、第2サーバ装置40、または他の外部装置により実現されてもよい。
【0031】
図4は、第1契約情報テーブル11aの構成例を示している。図4に示すように、第1契約情報テーブル11aは、第1契約情報を格納しており、データ項目として、例えば、第1契約証券番号、営業店コード、代理店コード、契約者名、種目、始期日、支店名、課支社名などを含む。第1契約証券番号は、団体保険契約者の保険証券を識別する符号である。保険証券とは、保険会社が団体保険契約者に対して発行する、団体保険契約を締結したことの証明書である。営業店コードは、保険会社の営業店を識別する識別符号である。代理店コードは、団体保険の代理店を識別する識別符号である。契約者名は、団体保険契約者の名称である。種目は、保険種目であり、例えば、会社役員賠償責任保険、サイバーリスク保険、個人情報漏えい保険、生産物賠償責任保険などである。始期日は、団体保険契約の始期である。支店名は、団体保険契約者における支店の名称である。課支社名は、団体保険契約者における課支社の名称である。ここで、第1契約情報テーブル11aは、後述する取得部12において第1契約情報を取得したことを契機に更新される。なお、第1契約情報テーブル11aにおけるデータ項目は上記に限定されず、被保険者の契約内容を示す項目がさらに示されていてもよい。
【0032】
図5は、第2契約情報テーブル11bの構成例を示している。図5に示すように、第2契約情報テーブル11bは、第2契約情報を格納しており、データ項目として、例えば、第1契約証券番号、第2契約証券番号、契約者名、住所、始期日などを含む。第1契約証券番号は、団体保険契約者の保険証券を識別する符号である。第2契約証券番号は、第1契約証券番号に紐づき、被保険者の保険証券を識別する符号である。ここで、被保険者の保険証券とは、団体保険契約者の証券を証券分割した証券である。契約者名は、被保険者の名称を入力している。住所は、被保険者の拠点となる場所である。始期日は、被保険者の加入契約の始期である。ここで、第2契約情報テーブル11bは、後述する取得部12において第2契約情報を取得したことを契機に更新される。なお、第2契約情報テーブル11bにおけるデータ項目は上記に限定されず、被保険者の契約内容を示す項目がさらに示されていてもよい。
【0033】
図6は、加入者票情報テーブル11cの構成例を示している。図6に示すように、加入者票情報テーブル11cは、加入者票情報を格納しており、保険種目ごとに生成する。データ項目として、例えば、加入者番号、加入者、第1契約証券番号、契約者名、加入期間、遡及日、業種区分、提供地域、補償内容、適用約款、特約条項、保険料などを含む。加入者番号は、第2契約証券番号に対応し、加入者票を識別する符号である。加入者は、被保険者の名称である。第1契約証券番号は、各加入者票情報と紐付く団体保険契約者の保険証券を識別する符号である。契約者名は、団体保険契約者の名称である。その他の項目は、被保険者の契約内容を示す。加入者票情報テーブル11cは、加入者票情報生成部16において加入者票情報を生成したことを契機に更新される。
【0034】
取得部12は、団体保険契約の取扱保険代理店の端末装置20から、第1契約情報および第2契約情報を取得する。なお、取得部12は、第1契約情報および第2契約情報を、契約管理サーバ装置10の入力I/F部104を介して管理者からの入力を受け付けることで、取得してもよい。
【0035】
第1契約管理部13は、団体保険契約者の団体保険契約に関する第1契約情報を管理する。第1契約管理部13は、団体保険契約の取扱保険代理店の端末装置20から送信される第1契約情報を第1契約情報テーブル11aに格納する。これにより、団体保険契約者の契約情報を容易に検索することができる。また、第1契約管理部13は、保険証券作成処理を実行できる。保険証券作成処理とは、第1契約情報テーブル11aに基づいて、保険証券のフォーマットに団体保険契約者に関する各種情報を入力することにより、保険証券を作成する処理である。また、第1契約管理部13は、第1契約情報を所定のフォーマットで管理してもよい。これにより、担当者において、団体保険契約者の契約状況の把握が容易となる。また、第1契約管理部13は、保険料や保険金などを取り扱う会計装置(不図示)に各種情報を提供してもよい。これにより、適切な保険金管理を実現できる。
【0036】
第2契約管理部14は、被保険者の団体保険契約に関する第2契約情報を管理する。第2契約管理部14は、団体保険契約者の端末装置20から送信される第2契約情報を第1契約情報に紐付けて、第2契約情報テーブル11bに格納する。これにより、被保険者の契約情報を容易に検索することができる。なお、第2契約管理部14は、第2契約情報を所定のフォーマットで管理してもよい。これにより、担当者において、被保険者の契約状況の把握が容易となる。
【0037】
項目抽出部15は、加入者票情報を生成するべく、例えば第2契約情報テーブル11bから、第1契約証券番号をキーとして、所定の契約項目に関する情報を抽出する。具体的に述べると、所定の契約項目は、例えば、加入者番号となる第2契約証券番号や、それと紐付く契約項目である。なお、項目抽出部15は、加入者票情報を作成するべく、例えば、第1契約情報テーブル11aからも、所定の契約項目に関する情報を抽出してもよい。
【0038】
加入者票情報生成部16は、抽出された契約項目に関する情報に基づいて、加入者票に関する加入者票情報を生成する。これにより、加入者票をシステム上で管理することができるため、加入者票の取り扱いにかかる、人的作業における不具合を回避できる。なお、加入者票情報生成部16は、抽出された契約項目に加えて、所定のテーブル(不図示)から契約に関する補完情報を付加して、加入者票情報を生成してもよい。所定のテーブルには、第1契約情報および第2契約情報には含まれない、例えば団体保険契約者において被保険者を登録する際に生成される被保険者に関する情報が、格納されている。
【0039】
送信部17は、加入者票情報生成部16で生成された加入者票情報を第1サーバ装置30に送信する。これにより、第1サーバ装置30は、加入者票情報を管理することができ、第1サーバ装置30から加入者票情報を取得した第2サーバ装置40で、加入者票を作成することができるため、加入者票を書面にて取り扱う場合と比較して、郵送時の書類紛失や情報漏洩などの人的リスクを排除できる。なお、送信部17は、第2サーバ装置40に加入者票情報を送信してもよい。これにより簡易なシステム構築が可能となる。
【0040】
次に、図7を参照して、端末装置20の機能構成について説明する。図7は、端末装置20の機能構成の一例を示す図である。図7に示すとおり、端末装置20は、入力部20a、送受信部20b、および表示制御部20cの機能を有する。
【0041】
入力部20aは、団体保険契約における取扱保険代理店の操作者による端末装置20に対する操作に応じて各種の情報(データ)を受け付ける。例えば、入力部20aは、操作者による操作に応じて、団体保険契約者における第1契約情報の入力を受け付ける。
【0042】
送受信部20bは、端末装置20におけるデータの送受信を制御する。例えば、送受信部20bは、入力部20aにより入力された情報を、取扱保険代理店における営業店にて確認し、その確認結果に基づいて、契約管理サーバ装置10などの外部装置に送信する。また、送受信部20bは、契約管理サーバ装置10などの外部装置からの通知や各種情報を受信する。
【0043】
表示制御部20cは、端末装置20が備える、または端末装置20に接続された表示装置107の表示を制御する。例えば、表示制御部20cは、取扱保険代理店の操作者の団体保険契約の申込み手続きを進めるために必要な各種の画面(ユーザインタフェース)を生成し、表示装置107へ表示することを制御する。
【0044】
次に、図8を参照して、第1サーバ装置30の機能構成について説明する。図8は、第1サーバ装置30の機能構成の一例を示す図である。図8に示すとおり、第1サーバ装置30は、加入者票情報テーブル30a、取得部30b、送信部30cの機能を有する。
【0045】
加入者票情報テーブル30aは、契約管理サーバ装置10の加入者票情報テーブル11cと同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
取得部30bは、契約管理サーバ装置10から、加入者情報を取得する。
【0047】
送信部30cは、取得部30bで取得した加入者情報を、第2サーバ装置40に送信する。
【0048】
次に、図9を参照して、第2サーバ装置40の機能構成について説明する。図9は、第2サーバ装置40の機能構成の一例を示す図である。第2サーバ装置40は、第1サーバ装置30の機能に加えて印刷部40cの機能を有するため、以下では印刷部40cについて説明する。
【0049】
印刷部40cは、加入者情報に基づいて加入者票を所定のフォーマットにて印刷する。図10は、加入者票の一例を示す図である。加入者票は、図10に示すように、加入者票情報テーブル30aに基づいて作成される。
【0050】
[契約管理サーバ装置10の処理手順]
図11は、契約管理サーバ装置10の処理の一例を示すフロー図である。図11を参照して、契約管理サーバ装置10により実行される処理の一例を説明する。
【0051】
まず、ステップS100において、契約管理サーバ装置10は、取扱保険代理店の端末装置20から第1契約情報および第2契約情報を取得する。なお、上述したとおり、契約管理サーバ装置10は、第1契約情報および第2契約情報を、その入力I/F部104を介して管理者からの入力を受け付けることで、取得してもよい。
【0052】
次に、ステップS101において、契約管理サーバ装置10は、団体保険契約者の第1契約情報と被保険者の第2契約情報とを紐付けて管理する。具体的には、第2契約情報テーブル11bにおいて、第2契約情報それぞれに第1契約情報における第1契約証券番号を対応付けて管理する。これにより、被保険者の契約情報をシステム上で迅速に確認することができる。
【0053】
次に、ステップS102において、契約管理サーバ装置10は、加入者票情報を生成する。加入者票情報は、上述したとおり、例えば第2契約情報テーブル11bから、所定の契約項目を抽出することで生成される。
【0054】
次に、ステップS103において、契約管理サーバ装置10は、加入者票情報を第1サーバ装置30を経由して、第2サーバ装置40に送信する。具体的には、加入者票情報は、例えば、日次でバッジ処理により作成され、第1サーバ装置30を経由して、第2サーバ装置40に送信される。
【0055】
[ハードウェア構成]
図12を参照して、契約管理サーバ装置10、端末装置20、第1サーバ装置30、および第2サーバ装置40をコンピュータ100により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。ここで、契約管理サーバ装置10、端末装置20、第1サーバ装置30、および第2サーバ装置40が有する機能は、図11における、制御部(プロセッサ101)が記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行し、契約管理サーバ装置10、端末装置20、第1サーバ装置30、および第2サーバ装置40の各構成を制御すること等により実現される。
【0056】
図12は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。図12に示すように、コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、入力I/F部104と、データI/F部105と、通信I/F部106、及び表示装置107を含む。
【0057】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ100における各種の処理を制御する制御部である。
【0058】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ102は、プロセッサ101によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0059】
記憶装置103は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置103は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0060】
入力I/F部104は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部104の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部104は、例えばインターネット等に接続されるインタフェースを介して、セキュリティを確保するように電子ファイルの読み替えによりコンピュータ100に接続されても良い。
【0061】
データI/F部105は、コンピュータ100の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部105の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部105は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部105は、例えばインターネット等に接続されるインタフェースを介して、セキュリティを確保するように電子ファイルの読み替えによりコンピュータ100へと接続される。
【0062】
通信I/F部106は、コンピュータ100の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部106は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部106は、例えばインターネット等に接続されるインタフェースを介して、セキュリティを確保するように電子ファイルの読み替えによりコンピュータ100に接続される。
【0063】
表示装置107は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置107の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置107は、コンピュータ100の外部に設けられても良い。その場合、表示装置107は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ100に接続される。また、入力I/F部104としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置107は、入力I/F部104と一体化して構成することが可能である。
【0064】
[他の実施例]
保険契約管理システム1は、更新処理部(不図示)の機能をさらに有していてもよい。更新処理部は、端末装置20から送信される更新加入依頼書に関する更新加入依頼書情報に基づいて、第2契約情報を更新する。具体的には、更新処理部は、更新加入依頼書情報における第2契約証券番号に基づいて、第2契約情報テーブル11bにおける第2契約情報を更新する。これにより、迅速な契約情報の更新が可能となる。
【0065】
契約管理サーバ装置10は、加入者票情報に基づいて加入者票を印刷する印刷部(不図示)を有していてもよい。これにより、保険会社にて書面による加入者票の管理が可能となる。
【0066】
契約管理サーバ装置10は、第1契約情報または第2契約情報の異動を示す異動情報を取得した場合、異動情報に基づいて、第1契約情報テーブル11aまたは第2契約情報テーブル11bを更新する異動管理部(不図示)の機能をさらに有していてもよい。この場合、加入者情報生成部は、異動情報により更新された第1契約情報または第2契約情報に基づいて、加入者票情報を生成する。送信部17は、生成された加入者票情報を端末装置20または端末装置21に送信する。これにより、異動により更新された契約内容を団体保険契約者および被保険者に迅速に知らせることができる。
【符号の説明】
【0067】
1…保険契約管理システム、10…契約管理サーバ装置、11…記憶部、12…取得部、13…第1契約管理部、14…第2契約管理部、15…項目抽出部、16…加入者票情報生成部。
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図12