(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6898404
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】タンカーの上部スツール配置構造
(51)【国際特許分類】
B63B 3/60 20060101AFI20210628BHJP
B63B 11/02 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
B63B3/60
B63B11/02
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-173787(P2019-173787)
(22)【出願日】2019年9月25日
(65)【公開番号】特開2021-49854(P2021-49854A)
(43)【公開日】2021年4月1日
【審査請求日】2019年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146814
【氏名又は名称】株式会社新来島どっく
(74)【代理人】
【識別番号】100090044
【弁理士】
【氏名又は名称】大滝 均
(72)【発明者】
【氏名】大谷 洋一
【審査官】
福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−118289(JP,A)
【文献】
特開2008−179327(JP,A)
【文献】
特開2011−168073(JP,A)
【文献】
特開2002−316688(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0058780(US,A1)
【文献】
特開2012−179934(JP,A)
【文献】
米国特許第04638754(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 3/60
B63B 11/02
B63B 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンカーのカーゴタンク天井部に接合配置され、カーゴタンクを複数に仕切る波形縦隔壁及び/又は波形横隔壁を吊り下げ固定する上部縦スツール及び/又は上部横スツールであって上部縦スツールの下底幅が波形縦隔壁の凹凸間隔と同じ幅で、波形縦隔壁の凹凸間隔の中心が上部縦スツールの中心と一致し、かつ、波形縦隔壁の両凹凸面が上部縦スツールの両下底面に面一に吊り下げ接合される下底幅を有する上部縦スツールであることを特徴とするタンカーの上部スツール配置構造。
【請求項2】
上部縦スツール及び/又は上部横スツールが断面逆台形形状又は断面逆片台形状であることを特徴とする請求項1に記載のタンカーの上部スツール配置構造。
【請求項3】
上部縦スツール及び上部横スツールが波形縦隔壁と波形横隔壁との交差部に配置されるスツールであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造。
【請求項4】
上部縦スツールが船幅方向に並置されるカーゴタンクの間の船長方向に平坦な天井部に接合されるスツールであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造。
【請求項5】
上部横スツールが船幅方向に並置されるカーゴタンクの天井部形状に沿って船側方向に低くなる高さで、かつ、側面上部がカーゴタンクの内側に入り込んだ側面をを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造。
【請求項6】
上部横スツールが波形縦隔壁と波形横隔壁との交差部で断面逆片台形状で、当該逆片台形の垂直面が波形横隔壁の凹部面と面一であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンカーのカーゴタンクを仕切る縦横の波形隔壁を吊り下げ固定する上部スツール配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルタンカーやケミカルタンカー等は、一度に複数のカーゴ(液体貨物)を積み込む必要から複数のカーゴタンクに仕切られ、各仕切りの壁には、平面視凹凸状の波形隔壁(コルゲートバルクヘッド)が使用される。すなわち、タンカーカーゴタンク下部の船底バラストタンク上に船殻で断面台形状のスツールを設け、その上に波形隔壁を裁置する構造としていた。
図2は、この種のタンカーのカーゴタンクを波形隔壁によって仕切る波形隔壁及びスツール構造について、本願出願人会社が既に提案する実全平04-1091号(考案名称/「波形隔壁の下端部構造」)において、第1図として添付される実全平04-1091号に開示の考案の実施例に係る波形隔壁下端部構造の要部略示斜視図である。
【0003】
図2において、符合は、100は、波形隔壁であり、101は、断面台形状スツール、102は、内底板、αは、スツール上面または内底板上面の船幅方向の船体中心線に向かう下り勾配角、βは、波形隔壁の末広がり角(ウェブとフェースプレートとで形成する波形隔壁の末広がり角)である(数値符合は、先行技術であることを明らかにするために、本願出願人において、3桁に変更して説明した。)。
【0004】
図2が前提とするタンカーは、
図2から明らかなように、船腹方向に仕切られるカーゴタンクではないので、船幅方向に配置される波形隔壁100のみが示されているが、近年、タンカーの巨大化、多種多様の液体貨物輸送の必要からタンカ-の船幅方向にもカーゴタンクを波形隔壁で仕切る構造のタンカーの要求もあり、
図3は、本願出願人会社が現に実施する船長及び船腹両方向に仕切られるタンカーのカーゴタンクの波形隔壁の交差部におけるスツール構造の概略を示す図であり、
図3(a)は、船体横方向(船幅方向)断面概略図、
図3(b)は、同船体縦方向(船長横行)側断面図、
図3(c)は、交差部を上方向から見た平面図である。
【0005】
図3(a)(b)(c)において、符合を
図2に合して説明すれば、100aは、船長方向に配置される波形縦隔壁(コルゲートバルクヘッド)、100bは、船幅方向に配置される波形横隔壁(コルゲートバルクヘッド)、101aは、船長方向に配置される縦スツール、101bは、船幅方向に配置される横スツール、102a、102bは、カーゴタンク、103は、内底板、104は、船底バラストタンクであり、
図3(c)における一点鎖線は、縦スツール101a及び横スツール101bのスツールトップである上底縁を、細点線は、それぞれのスツール101a、101bの下底縁である。
【0006】
図3(c)に示されるように、横スツール101bは、全長に渡り全体としては断面台形状であるが、波形縦隔壁100aと波形横隔壁100bとの交差部においては、波形横隔壁100bと横スツール101bがカーゴタンク102a、102bの下部まで面一で構成されるように、横スツール101bが断面片台形状に構成され、横スツール101bの当該片台形の垂直面が波形横隔壁100bの凹部面と面一の接合される(例えば、
図3(c)では、横スツール101bの船長方向右端で面一に接合される。)。
【0007】
これに対し、断面台形状の縦スツール101aの上底幅は、波形縦隔壁100aの凹凸間隔と同じ幅で、波形縦隔壁100aは、波形縦隔壁100aの凹凸間隔の中心が縦スツール101aの中心と一致して、波形縦隔壁100aの両凹凸面が縦スツール101aの両上底面接合される。
そして、
図2及び
図3(a)(b)(c)に示すように、タンカーのスツール101及びその上に立設される波形隔壁100は、船底バラストタンク104のタンクトップ上へ船殻にスツール101a、101bを配置し、その上部に波形隔壁100a、100bを設置していた。
【0008】
このような構造のタンカーにおいては、航海毎に積荷が変更となる場合が多々あり、その都度カーゴタンク102a、102b内を清浄する必要があり、その際には、カーゴタンク102a、102bの下部に配置されるスツール101a、101bの上底部のカーゴタンク102a、102b内に露出するスツールトップに溜まった積荷滓等を洗浄するため、作業者がカーゴタンク102a、102b内に入り込みおよそ2m〜3mもある傾斜の上にあるスツールトップまで梯子等で登り、洗浄作業を行う必要があった。この作業がタンク洗浄を行ううえで大きな手間となっており、タンク洗浄に対し、多くの時間を有することになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実全平04-1091号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、カーゴタンク内のタンクトップ上に設置しているスツール(いわば「下部スツール」)に替え、カーゴタンク上部の天井部に上部に配置する「上部スツール構造」とし、上部スツールより波形隔壁を吊り下げで支え、波形隔壁下部はタンクトップと接合する構造とすることで、積荷変更の場合にも、残留液(積荷滓)がスツールトップに滞留することがなく、カーゴタンク洗浄の際にスツールトップに登ることなく作業することが可能となるタンカーの上部スツール配置構造を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、タンカーの上部スツール配置構造において、タンカーのカーゴタンク天井部に接合配置され、カーゴタンクを複数に仕切る波形
縦隔壁及び/又は波形
横隔壁を吊り下げ固定する上部縦スツール及び/又は上部横スツール
であって上部縦スツールの下底幅が波形縦隔壁の凹凸間隔と同じ幅で、波形縦隔壁の凹凸間隔の中心が上部縦スツールの中心と一致し、かつ、波形縦隔壁の両凹凸面が上部縦スツールの両下底面に面一に吊り下げ接合される下底幅を有する上部縦スツールであることを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載のタンカーの上部スツール配置構造において、上部縦スツール及び/又は上部横スツールが断面逆台形形状又は断面逆片台形状であることを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は、前記請求項1又は2のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造において、上部縦スツール及び上部横スツールが波形
縦隔壁と波形
横隔壁との交差部に配置されるスツールであることを特徴とする。
そして、本願請求項4に係る発明は、前記請求項1ないし3のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造において、上部縦スツールが船幅方向に並置されるカーゴタンクの間の船長方向に平坦な天井部に接合されるスツールであることを特徴とする。
また、本願請求項5に係る発明は、前記請求項1ないし4のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造において、上部横スツールが船幅方向に並置されるカーゴタンクの天井部形状に沿って船側方向に低くなる高さで、かつ、側面上部がカーゴタンクの内側に入り込んだ側面をを有することを特徴とする。
さらに、本願請求項6に係る発明は、前記請求項1ないし5のいずれかに記載のタンカーの上部スツール配置構造において、上部横スツールが波形
縦隔壁と波形
横隔壁との交差部で断面逆片台形状で、当該
逆片台形の垂直面が波形
横隔壁の凹部面と面一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成したので、本願発明は、タンカーの積荷変更の場合にも、積荷滓がスツールトップに残留することがなく、カーゴタンク洗浄の際にスツールトップに登ることなく作業することが可能となる。このように、構造上、タンクトップに段差がないため、タンククリーニング作業における負荷低減に寄与するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1(a)(b)(c)は、本発明のタンカーの上部スツール配置構造の実施例1に係るタンカーのカーゴタンクの波形隔壁の交差部の概略を示す図であり、
図1(a)は、船体横方向(船幅方向)断面概略図、
図1(b)は、同船体縦方向(船長横行)側断面図、
図1(c)は、交差部を上方向から見た平断面図である。
【
図2】
図2は、本願出願人会社提案の実全平04-1091号公報に第1図として添付される開示考案の実施例に係る波形隔壁下端部構造の要部略示斜視図である。
【
図3】
図3は、本願出願人会社が実施する船長及び船腹両方向に仕切られるタンカーのカーゴタンクの波形隔壁の交差部に配置されるスツール構造の概略を示す図であり、
図3(a)は、船体横方向(船幅方向)断面概略図、
図3(b)は、同船体縦方向(船長横行)側断面図、
図3(c)は、交差部を上方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るタンカーの上部スツール配置構造を実施するための形態として一実施例を示す図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1(a)(b)(c)は、本発明のタンカーの上部スツール配置構造の実施例1に係るタンカーのカーゴタンクの波形隔壁の交差部の概略を示す図であり、
図1(a)は、船体横方向(船幅方向)断面概略図、
図1(b)は、同船体縦方向(船長横行)側断面図、
図1(c)は、交差部を上方向から見た平断面図である。
【0016】
図1(a)(b)(c)において、符号1は、本発明の実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造であり、2aは、船長方向に配置される波形縦隔壁(コルゲートバルクヘッド)、2bは、船幅方向に配置される波形横隔壁(コルゲートバルクヘッド)、3aは、船長方向に配置される上部縦スツール、3bは、船幅方向に配置される上部横スツール、4a、4bは、カーゴタンク、5は、内底板、6は、船底バラストタンクである(なお、本実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造1の縦スツール、横スツールについては、
図3等に示す従来の下方配置のスツールと区別するために,「上部」の語を付加して説明した。)。
【0017】
図1(a)(b)(c)から明らかなように、本実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造1においては、従来、船底バラストタンク6のタンクトップ5上に設置しているスツールをカーゴタンク4a、4bの上部に配置し、上部より縦方向、横方向に仕切る波形隔壁を吊り下げ支える構造とし、かつ、波形隔壁下端部は、タンクトップと接合する構造としたため、スツールの上面(スツールトップ)が存在しなくなり、このため、カーゴタンク4a、4b内の洗浄の際にスツールトップに登ることなく洗浄作業を行うことが可能となり、安全で作業効率が著しく改善されるタンカーのカーゴタンクとなる。
【0018】
すなわち、
図1(a)(b)(c)から明らかなように、本実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造1における船体縦方向(船長方向)及び横方向(船幅方向)の上部縦スツール3a、上部横スツール3bは、カーゴタンク4a、4bの仕切り交差位置の天井部に接合固定配置される。そして、当該上部縦スツール3a及び上部横スツール3bは、カーゴタンク4a、4bの天井部に接合配置される形状構造であるので、上部縦スツール3a,上部横スツール3bの断面形状は、台形をそれぞれ上下を逆さまにした形状の、いわゆる断面逆台形状の上部縦スツール3a,上部横スツール3b構造を呈し、これらの断面逆台形形状の上部縦スツール3a,上部横スツール3bのそれぞれの下に各波形縦隔壁2a及び波形横隔壁2bが吊り下げ固定され、それらが下方に下がって、それぞれの下端がそれぞれカーゴタンク4a、4bの床を構成するタンクトップ5に接続される。
【0019】
したがって、本実施例1に係るタンカーの上部スツール構造1の各隔壁交差部のスツール構造を船体上から見ると、上述するように、
図1(c)のようになる。すなわち、
図1(c)において、実線は、断面逆台形状の上部縦スツール3a、上部横スツール3bの各上底縁とカーゴタンク4a、4bの天井部との接合面を示し、その内側の一点鎖線は、同断面逆台形の上部縦スツール3a、上部横スツール3bの各下底縁を示し、破線は、その下に配置される波形縦隔壁2a、波形横隔壁2bを示している。
【0020】
なお、本実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造1の上部縦スツール3aは、
図1(a)に示すように、船腹方向に並置されるカーゴタンク4a、4bの間の船長方向に平坦な天井部に接合されるが、上部横スツール3bは、船幅方向に並置されるカーゴタンク4a、4bの天井部は船体中央から船側方向に若干傾斜した天井部であるので、この天井形状に沿って船側方向に低くなる高さとなり、さらに、船幅方向に並置されるカーゴタンク4a、4bの側面上部がカーゴタンク4a、4bの内側に入り込んだ構造であるので、その入り込み側面に適合する形状となる。
【0021】
そして、これらの上部縦スツール3a及び上部横スツール3bは、カーゴタンク4a、4bの天井部に接合固定配置されるのであるが、接合は、天井部の天井板の背後の船殻材に接合され、強度的に適合するように接合固定されるのは当然である。
【0022】
なお、
図1(c)において、波形縦隔壁2a及び波形横隔壁2bは太破線で示し、断面台形状の縦スツーツ3aについては、断面逆台形下底縁を一点鎖線で、台形上底縁を実線で示している。そして、
図1(c)に示されるように、上部横スツール3bは、全体としては断面逆台形状であるが、波形縦隔壁2aと波形横隔壁2bとの交差部においては、波形横隔壁2bと上部横スツール3bがカーゴタンク4a、4bの下部まで面一で構成されるように、上部横スツール3bが断面逆片台形状に構成され、上部横スツール3bの当該逆片台形の垂直面が波形横隔壁2bの凹部面と面一の接合され(
図1(c)の例では、上部横スツール3bの船長方向右端で面一に接合される。)、波形横隔壁2bと上部横スツール3bと面一の壁面とすることで積載貨物の滞留等を軽減し、また、強度的にも優れたものとなるようにしている。
【0023】
これに対し、断面逆台形状の上部縦スツール3aの下底幅は、波形縦隔壁2aの凹凸間隔と同じ幅で、波形縦隔壁2aは、波形縦隔壁2aの凹凸間隔の中心が上部縦スツール3aの中心と一致するように波形縦隔壁2aの両凹凸面が上部縦スツール2aの両下底面に面一に吊り下げ接合される。
なお、本実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造1においては、上部横スツール3bを隔壁交差部において、波形横隔壁2bと上部横スツール3bがカーゴタンク4a、4bの下部まで面一で構成されるように、上部横スツール3bが断面片台形状に構成したが、これは、上部横スツール3bと上部縦スツーツ3aの段面逆台形形状並びに隔壁交差部における断面逆片台形形状であっても良く、また、断面逆片台形形状の垂直面がカーゴタンク4a、4bの船体前方又は後方のいずれの側面と面一に構成される構造であっても良い。
【0024】
本実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造1によれば、従来のカーゴタンク内の下部タンクトップ上に設置するスツール(「下部スツール」)に替え、カーゴタンク上部の天井部に上部縦スツール3a及び上部横スツール3bを配置するスツール構造とし、上部縦スツール3a及び上部横スツール3bにより波形縦隔壁2a及び波形横隔壁2bを支え、それらの波形縦隔壁2a及び波形横隔壁2bの下端は、バラストタンク6上のタンクトップ5に接合する構造としたので、積荷変更等の場合にも、残留液(積荷滓)が滞留するおそれのあるスツールトップがなくなり、カーゴタンク洗浄の際にスツールトップに登ることもなく、またタンク洗浄の作業性が向上することとなる。
【0025】
さらに、本実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造1としたので、比較的簡単な構造調整を行うだけで、容易に多種のタンカーに適用することができ、また、構造上においても、船舶航行中や荷役時の船体の撓みや変形に容易に追従できず、スラントプレート部に亀裂などが生じることもなく、下部スツール配置のタンカーとの比較においても遜色ないタンカー建造を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、タンカーのカーゴタンクを仕切る縦横の波形隔壁を吊り下げ固定する上部スツール配置構造に利用される。
【符号の説明】
【0027】
1 本発明の実施例1に係るタンカーの上部スツール配置構造
2a 波形縦隔壁
2b 波形横隔壁
3a 上部縦スツーツ
3b 上部横スツール
4a、4b カーゴタンク
5 タンクトップ
6 バラストタンク
100 波形隔壁
100a 波形縦隔壁
100a 波形隔壁
100b 波形横隔壁
101 スツール
101a 縦スツール
101b 横スツール
102a、102b カーゴタンク
103 内定板
104 船底バラストタンク