特許第6898529号(P6898529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルビット システムズ エレクトロ−オプティクス エロップ リミテッドの特許一覧

特許6898529ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法
<>
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000002
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000003
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000004
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000005
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000006
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000007
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000008
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000009
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000010
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000011
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000012
  • 特許6898529-ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6898529
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上させるためのエンドキャップ、組立部品及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/32 20060101AFI20210628BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20210628BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   G02B6/32
   G02B6/36
   G02B6/02 421
【請求項の数】37
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-536811(P2020-536811)
(86)(22)【出願日】2018年12月31日
(65)【公表番号】特表2021-507311(P2021-507311A)
(43)【公表日】2021年2月22日
(86)【国際出願番号】IL2018051421
(87)【国際公開番号】WO2019130322
(87)【国際公開日】20190704
【審査請求日】2020年9月3日
(31)【優先権主張番号】256688
(32)【優先日】2018年1月1日
(33)【優先権主張国】IL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514288875
【氏名又は名称】エルビット システムズ エレクトロ−オプティクス エロップ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】キシュナー,セミョーン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツォク,アミール
(72)【発明者】
【氏名】コヘン,リナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルムス,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】レジェブ,タル
【審査官】 堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−010427(JP,A)
【文献】 特開2006−209085(JP,A)
【文献】 特開平06−102436(JP,A)
【文献】 特開2003−131067(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/129604(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/096697(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/32
G02B 6/36
G02B 6/02 − 6/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドキャップであって、
.主軸を中心として少なくとも部分的に対称であり、前記主軸が光ファイバーから出力されるビームの光軸と整列するように、その基端で前記光ファイバーに融着される第1部と、
b.前記第1部の先端で前記第1部に接続し、前記第1部から突出して、前記エンドキャップを固定器具の固定配置領域に取り付けるため突出結合領域を形成する第2部と、を備え、前記突出結合領域は前記主軸に対して直交し、前記固定配置領域は前記主軸に対して直交し、
前記突出結合領域を含む第2部の最小幅は、前記第1部の最大幅の少なくとも6倍の大きさを有し、
前記固定配置領域と前記突出結合領域はそれらの間に係合領域を形成し、前記主軸に平行な方向に結合材料が拡大又は縮小可能なように該結合材料を受け入れるように構成され、外部の影響下において前記結合材料を拡大又は縮小させる時に、前記エンドキャップと前記固定器具がそれらの間の初期の整列状態からそれるのを防止し、前記結合材料は前記係合領域のみに配置される、エンドキャップ。
【請求項2】
前記エンドキャップ及び前記固定器具は、前記エンドキャップの前記突出結合領域の表面が、前記固定配置領域の対向する面に、結合材料によって、前記結合材料の前記光軸に沿った熱膨張運動を可能とする方法によって結合される方法で保持される、請求項1に記載のエンドキャップ。
【請求項3】
前記第2部は、その先端がレンズ状に形成され、前記光ファイバービームをコリメートするコリメーターを形成する、請求項1に記載のエンドキャップ。
【請求項4】
前記第2部は、
前記主軸を中心として対称に配置される本体と、
前記本体の外周において、前記本体に一体に接続する少なくとも一つの突出部材であって、該少なくとも一つの突出部材は、前記主軸に対して直交して突出し、
前記突出部材は、前記第2部の前記突出結合領域を形成する、請求項1と3のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項5】
前記第2部の前記少なくとも一つの突出部材は、前記本体の前記外周に接続する一つの環状のリングである、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項6】
前記第2部の前記突出部材は、それぞれが結合領域を形成する複数の突出する羽根を含み、該羽根は、前記主軸に対して直交し、
前記突出する羽根は、前記主軸を中心として対称に配置され、かつ、互いに離間している、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項7】
前記第2部の前記本体は、レンズ状の端を有し、前記光ファイバービームをコリメートする、請求項4〜6のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項8】
前記第2部の前記本体は、平坦な端を有する筒状である、請求項4〜6のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項9】
前記エンドキャップの全ての部材は、同じ材料で形成された一つの部品を形成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項10】
前記エンドキャップは、透明材料で形成されている、請求項9に記載のエンドキャップ。
【請求項11】
前記結合材料は、シリコン系材料、SiO2、UV硬化材料、BK7、フッ化物系ガラス、Caf、カルコゲナイド系ガラス、AsS、AsSeのうちの一つである、請求項に記載のエンドキャップ。
【請求項12】
前記エンドキャップはコアレスである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項13】
前記第1部と前記第2部の少なくとも一つは、光導波管である、請求項1に記載のエンドキャップ。
【請求項14】
前記突出結合領域を形成する前記第2部の前記少なくとも一部は、皴状に形成され、又は、粗面化され、前記エンドキャップの他部材への接着を改善する、請求項1〜13のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項15】
前記エンドキャップの最大径は、0.2mm〜10mmの間である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項16】
前記第2部の前記突出結合領域の、前記主軸からの長さは、前記光ファイバーの半径の2倍と等しい、又は、前記光ファイバーの半径の2倍よりも大きい、請求項1〜15のいずれか1項に記載のエンドキャップ。
【請求項17】
光ファイバー用の組立部品であって、
(i)固定器具の少なくとも一つの固定配置領域を含む固定器具、と、
(ii)エンドキャップと、を含み、
前記エンドキャップは、
軸を中心として少なくとも部分的に対称であり、前記主軸が光ファイバーから出力されるビームの光軸と整列するように、その基端で前記光ファイバーに融着される第1部と、
前記第1部の先端に接続し、本体前記第1部から突出して突出結合領域を形成する突出部材を含み、前記突出結合領域は、前記主軸に対して直交し、前記主軸に対して直交する、前記固定器具の前記固定配置領域に前記エンドキャップを取り付ける第2部と、を備え、
前記突出結合領域を含む第2部の最小幅は、前記第1部の最大幅の少なくとも6倍の大きさを有し、
前記固定配置領域と前記突出結合領域はそれらの間に係合領域を形成し、前記主軸に平行な方向に結合材料が拡大又は縮小可能なように該結合材料を受け入れるように構成され、外部の影響下において前記結合材料を拡大又は縮小させる時に、前記エンドキャップと前記固定器具が初期の整列状態からそれるのを防止し、前記結合材料は前記係合領域のみに配置される、組立部品。
【請求項18】
前記エンドキャップの前記第2部の前記突出結合領域と、前記固定器具の前記固定配置領域は、互いに対向し、係合領域を形成し、結合材料を使用して互いに結合される、請求項17に記載の組立部品。
【請求項19】
前記エンドキャップと前記固定器具の前記固定配置領域は、互いに係合することで取り付けられるように構成される、請求項17及び18のいずれか1項に記載の組立部品。
【請求項20】
前記エンドキャップの前記第2部は、前記主軸を中心として同軸上に配置されて前記突出結合領域を形成する環状構造を含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の組立部品。
【請求項21】
前記本体は、前記主軸を中心として同軸上に配置される、請求項20に記載の組立部品。
【請求項22】
前記本体は、レンズ状に形成され、前記光ファイバービームをコリメートする、請求項21に記載の組立部品。
【請求項23】
前記第1部は、前記本体よりも径が小さい、請求項20〜22のいずれか1項に記載の組立部品。
【請求項24】
前記エンドキャップの全ての部材は、透明又は半透明の材料で形成された一つの部材を形成する、請求項17〜23のいずれか1項に記載の組立部品。
【請求項25】
前記エンドキャップは、ガラス又は任意のシリコン系材料で形成される、請求項24に記載の組立部品。
【請求項26】
前記固定器具は、さらに、取り外し可能なシムを受け止める孔を含み、前記孔は、互いに離れて配置され、
前記孔のそれぞれは、前記エンドキャップが前記固定器具に挿入されると、前記シムが前記孔に取り外し可能に配置され、前記エンドキャップの前記突出結合領域と前記固定器具の前記固定配置領域との間に形成される間隙に、前記主軸に沿った同じ垂直距離を機械的に一定化させる、請求項17〜25のいずれか1項に記載の組立部品。
【請求項27】
前記固定器具は、さらに、前記結合材料を前記係合領域に挿入するために、前記係合領域に向けられる少なくとも一つのダクトを含む、請求項18に記載の組立部品。
【請求項28】
前記少なくとの一つのダクトのそれぞれの入口は、前記係合領域の下方又は上方に位置し、前記係合領域に位置する出口を有する前記係合領域に向けられる、請求項27に記載の組立部品。
【請求項29】
前記固定器具の内壁は、前記結合材料が挿入される領域にニッチを備え、前記結合材料の前記主軸に対する外方向への拡がりを可能として、垂直方向への広がりを防止する、請求項27〜28のいずれか1項に記載の組立部品。
【請求項30】
a.エンドキャップ及び固定器具を提供し、前記エンドキャップは光ファイバーの一端に融着されており、
前記エンドキャップは、
主軸を中心として少なくとも部分的に対称であり、前記主軸が光ファイバーから出力されるビームの光軸と整列するように、その基端で前記光ファイバーに融着される第1部と、
前記第1部の先端で前記第1部に接続し、前記第1部から突出して、前記エンドキャップを固定器具の固定配置領域に取り付けるため、突出結合領域を形成する第2部と、を備え、前記突出結合領域は前記主軸に対して直交し、前記固定配置領域は前記主軸に対して直交し、
前記突出結合領域を含む第2部の最小幅は、前記第1部の最大幅の少なくとも6倍の大きさを有し、
b.前記エンドキャップの前記突出結合領域を、前記固定器具の少なくとも一つの対向する固定配置領域に係合させ、前記固定配置領域は、前記主軸に直交しており、前記固定配置領域と前記突出結合領域の間に係合領域を形成し、
c.前記係合領域に結合材料を挿入して、前記エンドキャップを前記固定器具に結合し、
前記係合領域は、前記主軸に平行な方向に結合材料が拡大又は縮小可能なように該結合材料を受け入れるように構成され、外部の影響下において前記結合材料を拡大又は縮小させる時に、前記エンドキャップと前記固定器具がそれらの間の初期の整列状態からそれるのを防止し、前記結合材料は前記係合領域のみに配置される方法。
【請求項31】
前記結合材料の前記係合領域への前記挿入は、前記固定器具の少なくとも一つのダクトを通して行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
さらに、前記エンドキャップの前記結合領域と前記固定器具の前記対向配置領域との間の均等な距離「d」を、前記係合領域の周囲にわたって、前記エンドキャップの前記主軸に対して維持することによって、前記結合材料が固まる間に、前記固定器具と前記エンドキャップ間の前記整列を機械的に維持するステップを含む、請求項30〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
さらに、
前記固定器具の孔にシムを挿入して、前記一定の距離「d」を機械的に保持し、前記孔は互いに離間しており、
前記結合材料の前記挿入のステップの後で前記結合材料が固まると、前記シムを取り除く、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記シムは、同じ形状及び寸法である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
さらに、前記エンドキャップと前記固定器具の整列の耐久性の試験を実行して、前記エンドキャップの前記固定器具への結合後に、一つ以上の厳しい影響下において、前記固定器具と前記エンドキャップ間の光学整列の耐久性を試験するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記耐久性の試験に使用される前記厳しい環境は、厳しい温度、厳しい震動又は振動条件の少なくとも一つを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記耐久性の試験は、少なくとも一つの光学システムを使用してなされ、光が前記エンドキャップに接続する前記光ファイバーを通して伝播し、前記エンドキャップから出射されるビームが、参照ビームと比較されて、前記固定器具に結合された前記エンドキャップの整列正確性の率を検出し、前記一つ以上の厳しい環境を経験する、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバー用システム及び方法に関し、特には、光ファイバー用のエンドキャップ及びエンドキャップ組立部品、並びに、ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列における正確性を向上して視線(LOS)保持力を向上させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンドキャップは、出力密度を低減するため、及び、ファイバー−空気界面のような、出力ビームとインターフェースで接続している媒体又は機器との間の界面において発生する損傷の可能性を避ける又は低減するため、高出力レーザーファイバーに対して、一般に使用されている。エンドキャップは、エンドキャップの(基)端を、ファイバーの端面に融着することで、一般に、光ファイバーに取り付けられる。既知の融着技術は、融着接続又はレーザー融着である。
【0003】
従来知られているエンドキャップは、一般に、二つの主グループに分割される。一つのグループは、導波管内コアとコアを囲むクラディングを有するエンドキャップであり、もう一つのグループはコアのないエンドキャップである。光ファイバーの出力ビームのコリメートを可能とするために、いくつかのエンドキャップは、レンズ状の端(ファイバーに融着されていない端)を有している。これらのエンドキャップは、「コリメーターエンドキャップ」として簡単に参照され、レンズ状の端がエンドキャップの一体部であるように一般的に設計されている。非コリメートエンドキャップは、一般的に、先端縁に平坦にされた表面を有する筒状である。
【0004】
光ファイバーに融着されたエンドキャップは、フェルール又は機械的なホルダーのような固定器具を用いてしばしば固定される。ファイバーに接続する(融着された)エンドキャップは、一般には、ファイバーとエンドキャップの主軸を中心とする同軸上において固定器具の内部に配置され、固定器具、エンドキャップ及びファイバーの出力ビーム間を主軸にわたって整列させる。エンドキャップの外面を固定器具の内側に接続するために、接着材料が、固定器具の内面とエンドキャップの外面間の狭い外周空隙に射出されて、両者を結合する。この接着材料は、例えば、硬化方法を用いてその後固められる。フェルールとエンドキャップ間のこの並列取付は、温度変化又はフェルール−エンドキャップ−ファイバー組立部品の振動などの外力及び影響に対して非常に敏感であり、エンドキャップ及び/又は固定器具の軸に対する出力ビームの偏向等の、(長期にわたる)角度的なシフトを引き起こす。いくつかの場合、固定器具の位置に対する、数マイクロメートル(μm)のエンドキャップの整列シフトは、数百マイクロアジアン(μRad)の角度保持を引き起こすこともある。このような角度シフトの度合は、高出力伝送を使用するシステムのようないくつかの光学システムにとっては決定的である。
【0005】
高い整列正確性を必要とする高出力光学システムの一例は、パラメトリックな空洞強調(パラメータ変換)を行うレーザー光学空洞(光学共振器)である。
【0006】
既知のエンドキャップは、図1A及び図1Bに示され、図1Aは、光ファイバー11に基端部で融着され、結合材料13を介して結合することで、並行取付でフェルール固定器具12に取り付けられた非コリメートエンドキャップ10を示し、図1Bは、光ファイバー21に基端部で融着され、結合剤用23を介して結合することで、並行取付でフェルール固定器具22に取り付けられたコリメーターエンドキャップ20を示している。エンドキャップ10及び20は、それぞれ主軸y1及びy2を中心としてそれぞれのファイバー11及び21に同軸上に融着されている。
【0007】
エンドキャップ10は、筒状の主軸y1を中心として対称な平坦な端面を有する単純な筒状のエンドキャップである。コリメーターエンドキャップ20は、ファイバー21に融着された一方の平坦な基端を有し、先端は、湾曲したレンズ状で、筒状の軸y2を中心として対称である。
【0008】
例えば、図1Aに示されるように、光ファイバーの径d1は、一般には、50〜250マイクロメータ(μm)の範囲であり、エンドキャップの径d2は、一般には、250〜1500マイクロメータ(μm)の範囲である。d2とd1との比、すなわち、d2/d1は、一般的には、1に近く、かつ、2よりも小さく、エンドキャップの最大径「d2max」は、光ファイバーの径d1にかなり近づく。フェルール12とエンドキャップ10間の空隙G1は、一般的には、100マイクロメータ(μm)の範囲である。
【0009】
特許出願CN103399381Aは、出力光ファイバー、エンドキャップ、光ファイバーガイドスリーブ及びガイドスリーブ固定座を備える光ファイバーレーザー出力ヘッドを開示している。エンドキャップは、出力光ファイバーの後端に配置され、出力光ファイバーの出力の最適化処理を行うために使用され、光ファイバーガイドスリーブは、出力光ファイバーをガイドするために使用され、光ファイバーガイドスリーブの外側の端面は、エンドキャップの外側の端面に沿って並ぶか、該端面よりもやや高く、ガイドスリーブ固定座は、光ファイバーガイドスリーブを固定するために使用され、出力光ファイバーを移動可能に固定する第1固定構造は、ガイドスリーブ固定座に配置されている。光ファイバー出力ヘッドを適用することで、出力光ファイバーを一定に冷却することが、エンドキャップと光ファイバーガイドスリーブの一致した構造によって実現され、光学ファイバーレーザー出力ヘッドの隔離度合いが促進され、光ファイバーレーザー出力ヘッドの損失が低減される一方で、光ファイバーレーザー出力ヘッドのメンテナンスコストが低くなる。
【0010】
特許出願CN205608247Uは、自己適用型の光コリメーター用の光ファイバーエンドキャップホルダーを開示している。光ファイバーエンドキャップホルダーの全体は、5つの部分を含む、ボーリングの全体であり、ベース部に続いて始まり、正しい順序で光ファイバーエンドキャップポストであり、固定領域、光ファイバーエンドキャップ突錐区固定領域、切り口及び光ファイバー安定化領域を区別し、光ファイバーエンドキャップテープトレイラーの細い一端は、光ファイバーエンドキャップホルダーのベースの一端に続き、光ファイバーの安定化領域の除去に組み立てられる。光ファイバーエンドキャップを安定化するための中央握り構造は、このホルダーに実現され、フレキシブルなヒンジに基づいた自己適用型の光コリメーターを有する安定した確実な組立を実現する。確実性が高いという利点は、自己適用型光コリメーターを自由に着脱させる。処理は簡易であり、信頼性のある性能は、実験環境、機器、装置に特別な要求を持たない。
【0011】
特許出願CN105717578Aは、適用可能なファイバーコリメーター用の光ファイバー―エンドキャップクランプを開示している。光ファイバーエンドキャップクランプの全体は、中空の一体物で、ベース、光ファイバーエンドキャップ支柱域固定領域、光ファイバーエンドキャップ円錐域固定領域、切り欠き及び光ファイバー安定化小域の順に5つの部分からなり、光ファイバーエンドキャップの、ピグテール付きの端部は、光ファイバーエンドキャップクランプの、ベースを有する端部から、光ファイバー安定化領域へ移動し、組立てられる。クランプは、光ファイバーエンドキャップを安定に締め付けることが可能であり、フレキシブルヒンジに基づいた適用可能な光ファイバーコリメーターは、安定して確実に組み立てられる。光ファイバーエンドキャップクランプは、信頼性が高いという利点を有し、光ファイバーエンドキャップクランプ及び適用可能な光ファイバーコリメーターは、自由に組立及び分解可能である。
【0012】
実用新案CN202886656Uは、可動光ファイバーコネクターに適用可能な光ファイバー結合構造を開示している。光コネクターは、光ファイバーコネクターのソケットの一端に簡単に挿入又は取り外しされる。ソケットの他端には、可動ファイバーコネクターの光ファイバー端面に、レーザーモジュール内において成形したレーザービームを集光することのできるレンズ又はレンズ群を備えられており、これにより、光ファイバー結合が実現される。光ファイバーコネクターソケットは、補助の表面の皴に固定されている。補助は、レーザーの熱放散底板に装着されている。
【0013】
特許出願DE10200902556A1は、高出力レーザー放射をファイバー光導波管に結合又は結合解除する導光ケーブルプラグコネクターが開示され、冷却媒体を流すために中間パイプ外面と外パイプ内面間に形成されたキャビティを有している。コネクターは、銅製の内パイプ、中間パイプ及び外パイプを有する管状の部材を有している。内及び中間パイプは、互いに密接に接続されている。
【0014】
特許出願WO13083275A1は、光ガイドを開示している。光ガイドは、光ファイバーとフェルールとを有し、フェルールは、光ファイバーの前部がフェルールを越えて突き出すように光ファイバーが導かれる第1貫通孔を有している。光ガイドは、光ファイバーの前部の端部に接続されるエンドキャップを備え、光ファイバーから離間したエンドキャップの表面は、光ファイバーに案内されるレーザー放射に対する結合又は非結合点として使用され、光ガイドは、第1及び第2領域を有する第2貫通孔を有する補助を備える。
【0015】
米国特許7580609Bは、誘導システムファイバーを有するファイバー強度低減器を開示している。誘導システムファイバーは、コア及び外クラディング層と、第1端と第1端でシステムファイバーに取り付けられる第2端を有する第1ファイバーエンドキャップファイバーを有する非誘導ファイバー強度低減(FIR)領域を有している。結合領域は、第1ファイバーの第1端とシステムファイバーとの間に位置している。FIR領域は、少なくともセ氏700度の軟化点を与え、全長に沿って十分な横方向長さを与え、中で膨張したシステムファイバーから受け取られた放射ビームは、全長に沿って空気との界面を避けている。一つの配置において、FIR領域は、エンドキャップファイバーにおいて外毛細管を含んでおり、毛細管とエンドキャップファイバーは、屈折率整合を与える。
【0016】
特許出願CN103676051Aは、光ファイバー、モードストリッパー、クオーツブロック及びシェルを備えるミリワットレベルの高出力光ファイバーエンドキャップを開示している。光ファイバーは、モードストリッパーを貫通し、コーティングが除去された光ファイバーは、光ファイバーの途中に配置されてモードストリッパーに配置され、冷却空洞は、シェルに配置される。モードストリッパーは、冷却空洞に配置され、クオーツブロックは、シェルの端部に埋め込まれ、クオーツブックの一端部は、シェルの冷却空洞に配置されて光ファイバーと溶接され、他端部は、シェルの外側に配置され、クオーツブロックの他端部はシェルの外側に配置されており、クオーツブロックの端部は、窓フィルムを備えている。
【0017】
特許出願JP2013205573Aは、光ファイバーと光ファイバーの一方のファイバー端面が融着されて結合されるエンドキャップとを含む光ファイバーエンドキャップ結合構造を開示している。構造は、さらに、光ファイバーの結合側の端部を覆い、光ファイバーと共にエンドキャップに融着されて結合されるコーティング部材を含んでいる。
【0018】
特許出願CN105652462Aは、クラッド光を通過させない機能を有する高出力光ファイバーコリメーターシステムを開示している。高出力光ファイバーコリメーターシステムは、ダブルクラッド光ファイバー出力テイルファイバー、ガラス光ファイバーエンドキャップ及びそのクランプ、コリメーターレンズ及び収納器具、及び、水冷却循環組立部品を備えている。ガラス光ファイバーエンドキャップ及びそのクランプは、ガラス光ファイバーエンドキャップ及びエンドキャップクランプを有している。コリメーターレンズ及び収納機器は、コリメーターレンズ及びコリメーターレンズ収納クランプを有している。ダブルクラッド光ファイバー出力テイルファイバーのファイバーコアは、ガラス光ファイバーエンドキャップと溶接によって接続している。コリメーターレンズのエンドキャップクランプ及びコリメーターレンズ収納クランプと収納機器は、ネジで接続されている。コリメーターレンズは、クラッド光を通過させないように使用される。
【0019】
US特許5937123Aは、コリメーターレンズ付きの光ファイバー整列機器を開示している。光ファイバー整列機器は、光ファイバーを受け止めるフェルール、フェルールを受け止める軸孔を有するボール、一端にボールを受け止めるソケットを有するハウジング、及び、反対側の端部でレンズスリーブを受け止めるレンズバレルを備えている。ボールをソケットに押し込む圧縮リングは、第1バネによって押し込められ、第1バネは、エンドキャップによって圧縮力を圧縮リングに与えるように位置している。ハウジング内のチャンネルは、結合剤の導入を可能としてボールをソケットに結合し、調整後に所望の位置を維持する。レンズスリーブに固定されたレンズは、レンズチューブ内において、光ファイバーから出射される光をコリメートする位置に位置している。レンズスリーブとレンズバレル間に位置する第2バネは、バレルからレンズスリーブを離すように付勢し、ハウジングのチャンネルは、結合剤を導入するように備えられ、レンズスリーブをレンズバレルに結合し、所望の位置を維持する。
【0020】
特許出願KR101404652Bは、全内面反射によって光ファイバーレーザーを伝送する光ファイバーを開示しており、エンドキャップは、光ファイバーの出力端末に取り付けられ、光ファイバーよりも大きい径を有し、単位面積当たりの光ファイバーレーザーの出力を減少させ、フェルールは、光ファイバーを覆って保持し、金属材料で形成されている。フェルールは、光ファイバーを受け止める中空部を有し、端部は、中空部よりも大きい径を有し、エンドキャップが配置される。中空部と連結する受け止め溝を有する光ファイバーレーザー出力機器が提供される。
【0021】
US特許7306376Bは、モノシリックフェルール/エンドキャップ/光ファイバー構造を開示し、光ファイバーは、フェルール内で終端して融着によって結合し、モノシリックユニットを形成する。モノシリックユニットは、光学損失を最小とし、光ファイバーとフェルールを損傷することなく、好ましくは、500W以上の単位の高出力レーザー放射の伝送を一般的に可能とする。フェルール、エンドキャップ、光ファイバー及び可溶性の粉体は、実質的に同じ物理特性の材料で構成され、全てが一体に融着された際に、そのように形成された構造がモノシリックで光路が透明となる。
【発明の概要】
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、エンドキャップが提供され、前記エンドキャップは、
a.前記第1部は、主軸を中心として少なくとも部分的に対称であり、前記主軸が光ファイバーのビームの光軸と整列するように、その基端で前記光ファイバーに融着される第1部と、
b.前記第1部の先端で前記第1部に接続し、前記第1部から突出して、前記エンドキャップを固定器具の固定配置領域に取り付けるための突出結合領域を形成し、前記突出結合領域は前記主軸に対して直交し、前記固定配置領域は前記主軸に対して直交する第2部と、を備え、
前記エンドキャップは、前記固定器具の内側に少なくとも部分的に挿入され、それにより、前記エンドキャップは、前記光ファイバーのビームを整列された状態に維持して初期の整列からの角度の反れを最小とする。
【0023】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップ及び前記固定器具は、前記エンドキャップの前記突出結合領域の表面が、前記固定器具配置領域の対向する面に、結合材料によって、前記結合材料の前記光軸に沿った熱膨張運動を可能とする方法によって結合される方法で保持される。
【0024】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2部は、その先端がレンズ状に形成され、前記光ファイバービームをコリメートするコリメーターを形成する。
【0025】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2部は、
前記主軸を中心として対称に配置される本体と、
前記本体の外周において、前記本体に一体に接続する少なくとも一つの突出部材であって、該少なくとも一つの突出部材は、前記主軸に対して直交して突出し、
前記突出部材は、前記第2部の前記結合領域を形成する。
【0026】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2部の前記少なくとも一つの突出部材は、前記本体の前記外周に接続する一つの環状のリングである。
【0027】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2部の前記突出部材は、それぞれが結合領域を形成する複数の突出する羽根を含み、該羽根は、前記主軸に対して直交し、前記突出する羽根は、前記主軸を中心として対称に配置され、かつ、互いに離間している。
【0028】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2部の前記本体は、レンズ状の端を有し、前記光ファイバービームをコリメートする。
【0029】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2部の前記本体は、平坦な端を有する筒状である。
【0030】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップの全ての部材は、同じ材料で形成された一つの部品を形成する。
【0031】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップは、透明材料で形成されている。
【0032】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結合材料は、シリコン系材料、SiO、UV硬化材料、BK7、フッ化物系ガラス、Caf、カルコゲナイド系ガラス、AsS、AsSeのリストの一つである。
【0033】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップはコアレスである。
【0034】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1部と前記第2部の少なくとも一つは、光導波管である。
【0035】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記突出結合領域を形成する前記第2部の前記少なくとも一部は、皴状に形成され、又は、粗面化され、前記エンドキャップの他部材への接着を改善する。
【0036】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップの最大径は、0.2mm〜10mmの間である。
【0037】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2部の前記突出結合領域の、前記主軸からの長さは、前記光ファイバーの半径の2倍と等しい、又は、前記光ファイバーの半径の2倍よりも大きい。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態によれば、光ファイバー用の組立部品が提供され、前記組立部品は、
(i)固定器具の少なくとも一つの固定配置領域を含む固定器具、と、
(ii)エンドキャップと、を含み、
前記エンドキャップは、
前記第1部は、主軸を中心として少なくとも部分的に対称であり、前記主軸が光ファイバーのビームの光軸と整列するように、その基端で前記光ファイバーに融着される第1部と、
前記第1部の先端で前記第1部に接続し、本体及び前記第1部から突出して突出結合領域を形成する突出部材を含み、前記突出結合領域は、前記主軸に対して直交し、前記エンドキャップは、固定器具の、前記主軸に対して直交する固定配置領域に取り付けられる第2部と、を備え、
前記エンドキャップは、前記固定器具の内側に少なくとも部分的に挿入され、それにより、前記エンドキャップは、前記光ファイバービームを整列された状態に維持して初期の整列からの角度の反れを最小とする。
【0039】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップの前記第2部の前記突出結合領域と、前記固定器具の前記固定配置領域は、互いに対向し、係合領域を形成し、結合材料を使用して互いに結合される。
【0040】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップと前記固定器具の前記固定配置領域は、互いに係合することで取り付けられるように構成される。
【0041】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップの前記第2部は、前記主軸を中心として同軸上に配置されて前記突出結合領域を形成する環状構造を含む。
【0042】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記本体は、前記主軸を中心として同軸上に配置される。
【0043】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記本体は、レンズ状に形成され、前記光ファイバービームをコリメートする。
【0044】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1部は、前記本体よりも径が小さい。
【0045】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップの全ての部材は、透明又は半透明の材料で形成された一つの部材を形成する。
【0046】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記エンドキャップは、ガラス又は任意のシリコン系材料で形成される。
【0047】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定器具は、さらに、取り外し可能なシムを受け止める孔を含み、前記孔は、互いに離れて配置され、前記孔のそれぞれは、前記エンドキャップが前記固定器具に挿入されると、前記シムが前記孔に取り外し可能に配置され、前記エンドキャップの前記結合領域と前記固定器具の前記固定配置領域との間に形成される間隙に、前記主軸に沿った同じ垂直距離を機械的に一定化させる。
【0048】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定器具は、さらに、結合材料を前記係合領域に挿入して、前記エンドキャップを前記固定器具に結合するために、前記係合領域に向けられる少なくとも一つのダクトを含む。
【0049】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記少なくとの一つのダクトのそれぞれの入口は、前記係合領域の下方又は上方に位置し、前記係合領域に位置する出口を有する前記係合領域に向けられる。
【0050】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定器具の内壁は、前記結合材料が挿入される領域にニッチを備え、前記結合材料の前記主軸に対する外方向への拡がりを可能として、垂直方向への広がりを防止する。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法が提供され、前記方法は、
a.エンドキャップ及び固定器具を提供し、前記エンドキャップは光ファイバーの一端に融着されており、
前記エンドキャップは、取り付けられた前記光ファイバーの光軸と整列可能な主軸に対して直交して位置する突出結合領域を形成する少なくとも一つの突出部材を含み、
b.前記エンドキャップの前記突出結合領域を、固定器具の少なくとも一つの対向する固定取付領域に係合させ、前記固定配置領域は、前記主軸に直交しており、
c.前記係合領域に結合材料を挿入して、前記エンドキャップを前記固定取付に結合し、
これにより、前記光ファイバービームを整列した状態に保持し、初期の整列からの角度の反れを最小とする方法で、前記エンドキャップを取り付ける。
【0052】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結合材料の前記係合領域への前記挿入は、前記固定器具の少なくとも一つのダクトを通して行われる。
【0053】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、さらに、前記エンドキャップの前記結合領域と前記固定器具の前記突部の前記対向領域との間の均等な距離「d」を、前記係合領域の周囲にわたって、前記エンドキャップの前記主軸に対して維持することによって、前記結合材料が固まる間に、前記固定器具と前記エンドキャップ間の前記整列を機械的に維持するステップを含む。
【0054】
また、本発明のいくつかの実施形態によれば、さらに、前記固定器具の孔にシムを挿入して、前記一定の距離「d」を機械的に保持し、前記孔は互いに離間しており、前記結合材料の前記挿入のステップの後で前記結合材料が固まると、前記シムを取り除く。
【0055】
さらに、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記シムは、同じ形状及び寸法である。
【0056】
さらに、本発明のいくつかの実施形態によれば、さらに、前記エンドキャップと前記固定器具の整列の耐久性の試験を実行して、前記エンドキャップの前記固定器具への結合後に、一つの厳しい影響下において、前記固定器具と前記エンドキャップ間の光学整列の耐久性を試験するステップを含む。
【0057】
さらに、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記耐久性の試験に使用される前記厳しい環境は、厳しい温度、厳しい震動又は振動条件の少なくとも一つである。
【0058】
さらに、本発明のいくつかの実施形態によれば、前記耐久性の試験は、少なくとも一つの光学システムを使用してなされ、光が前記エンドキャップに接続する前記光ファイバーを通して伝播し、前記エンドキャップから出射されるビームが、参照ビームと比較されて、前記固定器具に結合された前記エンドキャップの整列正確性の率を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1A】並行配置において、フェルール固定器具に取り付けられたエンドキャップの2つの従来技術を示す図であり、平坦にされた端縁の筒状のエンドキャップを示す。
図1B】並行配置において、フェルール固定器具に取り付けられたエンドキャップの2つの従来技術を示す図であり、柱状のエンドキャップを示す。
図2】発明のいくつかの実施形態に係る、筒状エンドキャップの断面図である。
図3A】発明のいくつかの実施形態に係る、直交結合領域を形成するための環状突部を有する筒状エンドキャップの断面図である。
図3B】発明のいくつかの実施形態に係る、柱状エンドキャップの断面図である。
図4】高温での接着剤の伝播方向を示す図である。
図5】発明のいくつかの実施形態に係る、エンドキャップ−固定器具の整列の正確性を向上させる方法を示す図である。
図6A】本発明の固定器具、エンドキャップ及び方法のいくつかの実施形態において、固定器具、エンドキャップ組立部品、シムを使用してエンドキャップを固定器具に係合させて結合する方法を模式的に示す図であり、互いに係合した際のレンズ状のエンドキャップ及び固定器具、組立部品のエンドキャップと固定器具とを結合するための結合材料を挿入するために使用されるシリンジ挿入器具の側断面図を示す。
図6B図6Aに示される固定器具及びエンドキャップのA−A断面図である。
図7】発明のいくつかの実施形態に係る、固定器具−エンドキャップ組立部品の整列正確性の耐久性を試験するシステムを示す図である。
図8A】互いに直交して取り付けられた、発明のいくつかの実施形態のエンドキャップ−固定器具組立部品を示す図であり、組立部品の等角図を示す。
図8B】組立部品のB−B断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
様々な実施形態の以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付図に対して参照され、本発明が実行され得る具体的な実施形態によって示される。他の実施形態も使用可能であり、構造的な変更が本発明の範囲を逸脱しないようになされることが理解される。
【0061】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、光ファイバー用の画期的なエンドキャップ、エンドキャップ用の固定器具、エンドキャップ−固定器具組立部品、及び、光ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列正確性を向上し、様々な環境条件下でこの整列正確性を長時間維持するための方法を提供する。本発明のエンドキャップ及び固定器具は、ここでは「平坦状配置」又は「平坦状直交配置」ともいわれる、それら間の「直交配置」のために構成され、光ファイバーの入力又は出力ビームによって形成される光軸に対して、ファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列性を向上させる。高いファイバー−エンドキャップ−固定器具の整列正確性を維持することは、ファイバーの出力/入力ビームの長時間の角度保持を著しく減少することが可能である。
【0062】
本発明のエンドキャップ、固定器具、エンドキャップ−固定器具組立部品、及び、方法は、要求される整列正確性又は入力/出力率に関わらず、どのような光学システムにおいても実行可能である。例えば、本発明は、高い整列正確性が必要な、キロワット程度の出力を用いるシステムのような、高入力又は出力光ファイバーパワーを用いるシステムや、数マイクロワットのようなごく小さい出力を要求するシステムにおいても実行可能である。
【0063】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、主軸を中心として少なくとも部分的に対称な第1部と、第2部と、を少なくとも含む光ファイバー用のエンドキャップを提供する。第1部は、その基端で光ファイバーを取付可能に構成され、その主軸は、光ファイバー入力又は出力ビームの光軸と整列可能である。第2部は、第1部に接続している。第2部は、第1部から突出し、主軸に直交する「突出結合領域」を形成し、エンドキャップを他の部材で直交して取り付ける。この構成は、エンドキャップの、これらに限らないが、フェルールハウジング部材又は平坦にされた部材のような固定器具への「直交結合」又は「平坦状取付」を可能とする。直交の表現は、ここでは主軸ともいわれ、エンドキャップとファイバー出力ビームの光軸との対称性によって決定される「整列軸」に直交する面に関する。
【0064】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、エンドキャップ用の新規な固定器具をさらに提供する。本発明の固定器具は、ファイバーエンドキャップの少なくとも一部を収容するように構成されたハウジングを含み、ハウジングの内壁上に位置する少なくとも一つの内突部が、エンドキャップの対向する結合領域に取り付けるように示された「固定器具取付領域」を形成し、固定器具の内突部とエンドキャップの取付領域との間の係合領域が、それが結合するファイバーの光軸と整列するエンドキャップの主軸に直交する。
【0065】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、一体に接続する又は別々に係合する一つ以上の内突部を有する固定器具と、エンドキャップとを備える光ファイバー用の組立部品も提供する。組立部品のエンドキャップは、第1部と第2部とを含み、これらは、好ましくは、限られない方法で、互いに一体に結合する。第1部は、その基端で光ファイバーに取り付け可能に構成され、その主軸は、光ファイバー入力又は出力ビームの光軸と整列可能である。いくつかの実施形態において、第2部は、第1部と一体に接続する。第2部は、第1部の外面から突出し、第1部の主軸に対して直交して、エンドキャップを固定器具へ直交して取り付ける突出結合領域を形成する。この構成は、エンドキャップとファイバー出力ビームの光軸との対称によって定義される、この文書では、「主軸」ともいわれる、「整列軸」に対して、エンドキャップの固定器具への「直交結合」を可能とする。
【0066】
本発明によって提供される直交エンドキャップ−固定器具取付(結合)は、結合材料(エンドキャップの固定器具への結合に使用される)を著しく減少させる、又は、例えば、高温下で、垂直な主軸に対して不均一に広がることを防止する。これは、直交取付が、結合材料を結合面を直交して広げることを可能とするためである。
【0067】
本発明の様々なエンドキャップの形状を示す図2、3A、3Bを参照して、これら全ては、直交配置を介してエンドキャップを、固定器具又は他の部材へ取り付ける結合領域を形成する。
【0068】
図2は、本発明のいくつかの実施形態に係る筒状エンドキャップ100を模式的に示す。筒状エンドキャップ100は、第1部110と第2部120とを有し、これらは互いに一体に接続している。第1部110及び第2部120の両方は、主軸x1を中心として放射状に対称な円筒であり、図2に示されるように、第1部110の基端に取り付けられると(例えば、融着されると)、光ファイバー31の光軸と整列可能である。第1部110の円筒の径は、第2部120の径よりも小さく、第1部110の先端と第2部120の基端との間の接続部に形成された段部によって、平らな環状の結合領域150を形成する。結合領域150は、主軸x1に対して直交する。結合領域150は、エンドキャップ100をフェルール又は他の固定器具装置などの他の部材41に結合するための接着剤61を使用することなどの取付手段によって、エンドキャップ100を他の部材41に取り付けるように示される。
【0069】
図3Aは、本発明のいくつかの実施形態に係る筒状エンドキャップ200を模式的に示す。このエンドキャップ200は、例えば融着によって光ファイバー32に取り付け可能な第1部210と、筒状体220aと、外周部で筒状体220aに一体に接続している環状の突状部材220bとを含む第2部と、を含む。エンドキャップ200の全ての部材、すなわち、第1部210と、第2部220の筒状体220a及び環状突状部材220bは、主軸x2を中心として放射状に対称であり、主軸x2は、エンドキャップ200がファイバー32に接続すると、光ファイバー32の出力ビームの光軸と整列可能である。
【0070】
図3Aに示されるように、第1部210の基端は、例えば、融着によって、光ファイバー32の出力又は入力端に接続可能であり、第1部210の先端は、第2部220の筒状体220aに一体に接続する。第1部210の径は、筒状体220aの径よりも小さい。第2部220の環状突状部材220bは、第1部210と筒状体220aの両方の径よりも大きく、筒状体220aから突出して、対向する直交結合面を有する、フェルール又は他の固定器具のような部材42に、接着手段62を用いて接続するための結合領域250を形成する。
【0071】
本発明の他の実施形態において、第2部は、好ましくは主軸を中心として対称的に配置された本体と、好ましくは主軸を中心として対称的に配置された、複数の直交結合領域を形成する複数の突部と、を含む。例えば、主軸に対して直交する平らな面を有する羽根状の複数の突部が本体に取り付けられて複数の結合領域を形成し、接着手段が、羽根の平らな面上に載せされ、エンドキャップを内対向直交領域を有する固定器具に直交して結合する。
【0072】
図3Bは、本発明のいくつかの実施形態に係る、柱状エンドキャップ300を示す。エンドキャップ300は、筒状第1部310と、光ビームを向けてコリメートするコリメーターレンズを形成するレンズ状のヘッドを有する第2部320と、を有する。第1部と第2部310と320の両方は、主軸x3を中心として対称的に配置され、エンドキャップ300の先端に取り付け可能な光ファイバー33によって形成される光軸と整列可能である。コリメーターレンズ状の第2部320は、第1部310の径よりも大きい径を有することで、第1部310から突出している。第1部310と第2部320の径の差は、突出した結合領域350を形成し、結合領域350は、主軸x3に対して直交している。形成された結合領域350は、対向する直交結合領域を有するフェルールのような部材43へのエンドキャップ300の直交取付を可能とし、エンドキャップ300の結合領域350と係合する。
【0073】
エンドキャップ300を、部材43又は他の固定器具に直交して取り付けるために、接着剤63が、エンドキャップ300の結合領域350と部材の結合面との間のスペースに配置される(例えば、射出によって)。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態によれば、突出する結合領域を形成する第2部の少なくとも一部は、皴状に形成され、又は、粗面化され、結合材料を介したエンドキャップの固定器具への接着性を向上する。この構成において、結合領域の表面積が増加するので、接着剤が、エンドキャップの直交する結合領域と、エンドキャップが取り付けられる部材の対向面との間の空隙に導入される(例えば、射出される)と、エンドキャップの突出する部分の粗い面は、接着材料(接着剤)を粗い領域に良好に捕らえせることができ、部材(例えば、フェルールなどの固定器具)とエンドキャップとの間の結合を向上する。
【0075】
さらに又はあるいは、エンドキャップの突出する結合領域に対向するように構成された固定器具の結合面は、取付向上の同じ目的のために、粗面化されたり、皴状に形成されたりする。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、本発明のエンドキャップを固定器具に永久的に結合するために、エンドキャップは、固定器具部材の内側に少なくとも部分的に配置され、固定器具及びエンドキャップが、エンドキャップの結合領域の表面と固定器具の取付面との間の間隙「d」が、エンドキャップと固定器具の全周囲に沿って同じとなることを確実にする方法で保持される。このことは、等しい間隔「d」を維持する機械的手段を用いて、及び/又は、共に保持された際にエンドキャップと固定器具を通して出力される光ビームの整列性能を試験するために光ファイバーがエンドキャップの基端に既に取り付けられた際に光学機器を用いて、なされる。
【0077】
エンドキャップが、固定器具において結合領域で一定にされた間隙で保持されると、接着材料(接着剤)のような結合材料は、例えば、硬化や、そのような部材を結合するための既知の他の手段によって固められる接着剤の射出によって、この間隙に導入される。
図4は、高温下における接着剤402の伝播方向を示す。図に示されるように、接着剤402は、方向B及びCに自由に広がる。空間内のこのような自由な伝播は、エンドキャップの角度に影響せず、角度をそらさない。図にも示されるように、接着剤402は光軸(方向A)に沿って拡がり、同様にエンドキャップの角度に影響せず、角度をそらさない。
なお、低温下では、伝播方向は逆方向である(低温では、接着剤402は収縮する)。
このように、本発明のエンドキャップは、すなわち、固定器具装置の主軸と直交する対向結合領域に取り付けられた、主軸に直交する突出する結合領域を有するエンドキャップは、温度の影響による初期の整列からの反れを最小にする。
本発明のエンドキャップは、このように、フェルール固定器具へ平行取付で取付られ、その結果として、接着剤の拡がりに伴って実質的な角度の反れを受ける従来技術のエンドキャップを超えた利点を有する。
使用可能な接着剤の例は、紫外線(UV)硬化接着材料、SiOなどのシリコン系接着剤、又は、二成分接着剤である。使用できる非シリコン系材料は、例えば、BK7、フッ化物系ガラス、CaF、AsSやAsSeなどのカルコゲナイド系ガラスなどである。
【0078】
結合処理中、エンドキャップの外周にわたって、エンドキャップの結合領域と、エンドキャップに取り付けられる部材の領域との間の一定の間隙「G」を機械的に維持するために、シムが、この間隙に互いに等しい間隔を開けて配置可能である。シムは、この目的のために、同じ寸法及び形状を有する。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態において、エンドキャップ−ファイバー−固定器具の整列の正確性を向上する方法を模式的に示す図5を参照する。これらの実施形態によれば、本発明のエンドキャップと固定器具は、例えば、固定器具の内部にエンドキャップを配置することで係合し、それらが、その主軸に対して整列する(71)。この係合した位置において、間隙「G」は、固定器具とエンドキャップとの間の係合領域にわたって一定に維持され、主軸に対するそれらの間の整列を維持する。
【0080】
任意には、この間隙「G」を維持するために、取り外し可能なシムが、エンドキャップの結合領域と固定器具の係合領域との間に配置されてもよい(72)。上記のように、シムは、同じ形状と寸法であり、互いに等しく離れている。
【0081】
固定器具とエンドキャップとが係合して間隙「G」が維持されると、結合材料はこの間隙に導入され(挿入され)、エンドキャップを固定器具に取り付ける(結合する)(73)。例えば、液体状又はゲル状の接着剤が、係合領域に射出されてもよい。この接着剤は硬化によって、又は、使用された結合材料に応じた単なる乾燥によって、固められる(74)。
【0082】
シムが、エンドキャップの結合領域と固定器具の対向する領域との間の一定の距離「G」を機械的に維持するために使用される場合、シムは、結合材料が固まった後、又は、結合材料が十分に固まる前であっていくつかが部分的に固まった後、取り外される(75)。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、結合領域が互いに離れて分けられて、エンドキャップの結合領域の外周に沿って、結合材料が充填されない領域が残された場合、シムは、結合材料が挿入されていない「何もない空間」に配置されることができ、結合材料が固まった(硬化した)後で、取り外すことが可能となる。
【0084】
本発明の固定器具、エンドキャップ及び方法のいくつかの実施形態において、シム60を用いてエンドキャップ500を固定器具400に取り付けることによって、固定器具400とエンドキャップ500の組立部品600を形成する方法を示す図6A及び図6Bを参照する。
【0085】
固定器具400は、内部にエンドキャップ500を受け止めるように構成されたフェルール又は他のハウジング部材である。
【0086】
エンドキャップ500は、基端で光ファイバー35に接続する第1部510と、第1部510の先端に一体に接続する第2部520と、を有している。第2部520は、コリメーターヘッド522と、第1部510に接続する突出リング521と、を有している。突出リング521は、第1部510の径よりも径が大きく、固定器具400と結合するための結合領域521aを形成する。
【0087】
固定器具400は、エンドキャップ500を受け止めるように構成された入口401を有する。固定器具400の入口401は、エンドキャップ500の第2部520を受け止めるための広いくぼみと、エンドキャップ500の狭い第1部510及び取り付けられたファイバー35を受け止めるための狭い部分と、を有するように設計される。入口401の幅の差は、エンドキャップ500の対向する結合領域521aとして使用される突部410を形成する。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、図6A及び図6Bに示されるように、固定器具400は、液体状又はゲル状の結合材料を射出するためのシリンジ80のような射出手段を用いて結合材料81を挿入するためのダクト420のような、一つ以上のダクトも含む。固定器具400は、シム60を挿入するための孔430も含む。
【0089】
図6Bは、シムの孔430を、互いに等しい距離だけ離れて、結合材料が配置された係合領域から離れて位置させる方法を示す。これは、結合材料81が固まった後、シム60の簡易な取り外しを可能にする。孔430は、径又は少なくとも高さ(非円筒状の孔の場合)が同じで、同じ形状のシム60を受け止める。シム60は、孔430の長さよりも長く、シム60の簡単な取り外しを可能にする。
【0090】
エンドキャップ500(ファイバー35に取り付けられた)が固定器具400に配置されると、シム60が、固定器具の孔430に挿入され、エンドキャップ500の結合領域521aと固定器具400の突部410との間の一定の間隙を、突部410の全周にわたって維持する。シム60が孔430に挿入されると、結合材料81は、シリンジ80によって、ダクト420を通して結合領域に射出される。ダクト420の入口は、固定器具400の突部410の表面の下方に位置する。
【0091】
任意には、初期の整列試験処理は、結合がなされる前に実行され、固定器具400とエンドキャップ500が、光ファイバー35の光軸と整列する主軸x4に対して互いに整列することを確実にする。
【0092】
固定器具400とエンドキャップ500とが結合すると、シム60は、例えば、各シム60を機械的に挟んで引き抜くことで、孔430から取り外される。
【0093】
図6Bに示されるように、複数(3個)の等間隔で離れた結合領域は、固定器具400の内側の形状によって形成される。固定器具400は、固定器具400の内壁から内方向に延びる3つの別々のニッチ450を含み、それぞれは、自身の個々のダクト420に接続している。ニッチ450が内方向に延びることで、結合材料が、例えば、外部の熱又は運動の影響によって、主軸x4に対して時間の経過に伴って外方向に拡がることを可能とし、結合材料が、主軸x4に平行な垂直軸に沿って拡がることを防ぐ。この外方向への拡がりは、結合材料を固める又は溶解する温度変化や組立部品600の振動のような、結合材料の粘度レベルを変化させる環境下において、エンドキャップ500と固定器具400が、それら間の初期の整列から反れることを防止する。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態によれば、固定器具とエンドキャップとが結合されると、一つ以上の耐久性試験が実行され、厳しい環境や振動/揺れ/震動条件などの、様々な整列に影響する条件下で、固定器具とエンドキャップ間の整列が維持されることを実証する。整列に影響する条件は、実際には、結合材料の接着性能、及び/又は、固定器具及び/又はエンドキャップの結合領域に結合材料を接着する性能に影響する条件である。
【0095】
例えば、エンドキャップ−固定器具−ファイバー組立部品は、組立部品及び結合材料を加熱するオーブンに入れられる。組立部品が加熱されている間又はその直後、組立部品の光出力ビームは、参照ビームに対して光学的に計測され、組立部品の加熱前になされた整列の正確性に対して、整列の正確性を試験する。
【0096】
同様の試験が、機械的な振動手段などを用いた組立部品の振動の前後のような、他の厳しく影響する条件を与える前後での組立部品の一つ以上の整列特性を計測することでなされる。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態において、光ファイバー77がエンドキャップ91に取り付けられたままで固定器具−エンドキャップ組立部品90に光学耐久性試験を受けさせる方法を模式的に示す図7を参照する。この場合、エンドキャップ91は、レンズ状の第2部を有するコリメーターエンドキャップである。
【0098】
光学入力装置70によって出力される光線は、エンドキャップ91に取り付けられた光ファイバー77を通って向けられ、エンドキャップ出力ビーム91aとしてエンドキャップを通して出力される。このビーム91aは、エンドキャップコリメーターヘッドによってコリメートされる。エンドキャップ出力ビーム91aは、所定の距離離れて配置された光学計測システム40に向けられる。参照ビーム41aも、離れた参照出力装置41によって、又は、例えば、光ビームスプリッターと任意には一つ以上の反射を介して向けられる同様の光学入力装置の出力ビームを用いて、同時に出力される。参照ビーム41aは、光ファイバー77の初期の光軸と平行に向けられる。
【0099】
組立部品90は、計測前又は計測中に加熱され、光学計測システム40は、組立部品90が所定の温度に加熱されて、加熱環境下で固定器具とエンドキャップの整列が検査される際に、参照ビーム41aとエンドキャップ出力ビーム91aの光学特性の差を計測する。組立部品の整列の正確性は、エンドキャップの出力ビーム91aの光学整列軸x5からの反れを示す。この反れは、参照ビーム41aとエンドキャップの出力ビーム91a間に形成される角度「α」として示され、角度αの値は、組立部品の非正確性の程度に比例し、高いαの値が、高い整列の非正確性の程度を示す。計測可能な他の特性は、参照ビーム41aに対する視線である。光学計測システム40は、光学検知器のような一つ以上の光学機器及び部材を含んでもよい。
【0100】
互いに直交して取り付けられた、本発明のいくつかの実施形態のエンドキャップ−固定器具組立部品800を示す図8A及び図8Bを参照する。組立部品800は、コリメーターエンドキャップ810と、エンドキャップ810を収容するように構成されたフェルール固定器具820とを含む。エンドキャップ810は、基端で光学ファイバー38に取り付けられる。エンドキャップ810は、フェルール固定器具820に上方から配置される(挿入される)。
【0101】
図8のB−B断面に示されるように、エンドキャップ810は、基端で光ファイバー38に取り付けられる第1部811と、第2部812とを有し、両者は主軸x6を中心として対称的である。エンドキャップ810は、コリメーターヘッド812aと、コリメーターヘッド812aから突き出る突出する平らなディスク812bとを有し、組立部品800の主軸x6に直交する結合領域を形成する。コリメーターヘッド812aの径d11は、第1部811の径d10よりも大きく、ディスク812bの径d12は、コリメーターヘッド812aの径d11よりも実質的に大きい。例えば、第1部811の径d10は、1mmの領域内で、ディスクの径d12は6〜8mmの領域内であり、光ファイバー38の径は、0.25mmの領域内である。このことは、突出する領域が、光ファイバーの径の40倍以上で、エンドキャップの最小径の10倍以上の径又は長さに達することが可能であることを示し、そこに配置される結合材料に対して十分に広い結合領域を与える。突出するディスク812bは、主軸x6を中心として対称的に配置され、それに直交する。
【0102】
図8Bに示されるように、フェルール固定器具820は、筒状構造のハウジング821と、ハウジング821の内壁に一体に接続された平らなリング822状の内突部とを有する。突出するリング822は、主軸x6を中心として対称的であり、それに対して直交する。エンドキャップ810がフール固定器具820に挿入されると、エンドキャップ810の突出するディスク812bの下部は、フェルール固定器具820の突出するリング822に係合し、又は、リング822の上面に対向し、それらの間への結合材料の導入を可能として、エンドキャップ810をフェルール固定器具820に直交して取り付ける。
【0103】
本発明のエンドキャップは、示された光学システムへの使用に適応される任意の形状及び寸法であり、それらが、固定及び/又は保持のために指定された部材と直交して係合するための、直交して突出した接合領域を含むことが提供される。エンドキャップは、透明、半透明又は不透明のいずれかの特性の既知の任意の材料で形成される。
【0104】
本発明のエンドキャップの部位の寸法は、エンドキャップが取り付けられるように設計された種類の光ファイバーの直径及び波長域への光学的な要件及び構成、及び、ファイバーおよびエンドキャップが使用される光学システムの要件などの要件に適合され得る。
【0105】
本発明の固定器具部材は、特にそれらが係合するエンドキャップの寸法及び形状に応じて、任意のサイズおよび形状とすることができる。
【0106】
エンドキャップを固定器具に結合するために使用される結合材料は、射出されること又は噴霧されることで挿入可能な粉体、液体、ゲル又はクリームの状態で届けられる既知の2つの接着剤又は任意の他の接着材料を混合することによって固められる様々な種類のエポキシ接着剤のような既知の任意の結合材料である。
【0107】
実験結果は、震動又は温度変化のような環境条件下での平均角度保持の顕著な改善を示す。最大径が1mmの従来の標準的なエンドキャップを使用し、フェルールとエンドキャップ間の並行取付を使用した場合、平均角度保持は200マイクロRadであった。結合領域でのエンドキャップの最大径が6〜10mmの、本発明のエンドキャップ及びフェルールを使用し、フェルールとエンドキャップ間の直交平坦取付を使用した場合、平均角度保持は50マイクロRadであった。両方の実験(従来のエンドキャップ及びフェルールを使用、本発明のエンドキャップとフェルールを使用)において、波長が1064nmの出力ビームと、径が1mmの光ファイバーを使用した。予備実験の結果から、2以上(この場合、10に達する)最大エンドキャップ径と光ファイバー径の比を用いた直交取付を用いる場合、より高い整列の正確性と持続性が、様々な外部条件下で達成される。主軸(エンドキャップの中心)からの本発明のエンドキャップの突出する結合領域の最大長さは、それゆえ光ファイバーの半径の2倍よりも長い。例えば、直交配置を使用し、1mmの光ファイバー、すなわち、半径が0.5mmの光ファイバーを使用する場合、突出する結合領域部の長さは、1mmよりも高く、好ましくは、この閾値よりも顕著に高い。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B