特許第6898689号(P6898689)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6898689
(24)【登録日】2021年6月15日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】営業支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20210628BHJP
【FI】
   G06Q10/10
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-151233(P2017-151233)
(22)【出願日】2017年8月4日
(65)【公開番号】特開2019-28956(P2019-28956A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】近藤 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】古屋 修
(72)【発明者】
【氏名】岩田 宏一
(72)【発明者】
【氏名】田中 義則
(72)【発明者】
【氏名】山口 博之
【審査官】 永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−016778(JP,A)
【文献】 特開2016−091195(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/057874(WO,A1)
【文献】 特開2010−079887(JP,A)
【文献】 特開2009−094953(JP,A)
【文献】 特開2013−235340(JP,A)
【文献】 特開2002−157402(JP,A)
【文献】 特開2007−286209(JP,A)
【文献】 特開2012−203659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客情報、営業情報を含む顧客関係情報を管理するサーバを有する営業支援システムであって、
前記サーバに無線通信で接続する情報端末を備え、
前記情報端末は、録音機能により顧客コードに対応付けて顧客との会話を録音し、録音停止の操作により前記サーバに録音データをアップロードし、アップロードが完了すると、内部の録音データを消去し、
前記サーバは、顧客コードに関連付けて録音データを記憶し、
前記情報端末は、前記録音の間だけ、前記顧客コードに対応した顧客向けの説明用の情報を表示することが可能となることを特徴とする営業支援システム。
【請求項2】
前記情報端末は、前記サーバが管理する顧客情報にアクセスして顧客認証を行い、前記顧客認証により顧客コードが対応付けられることを特徴とする請求項1記載の営業支援システム。
【請求項3】
前記サーバに接続する情報処理装置を備え、
前記情報処理装置は、前記サーバが管理する顧客関係情報にアクセスすると共に、記憶された顧客の録音データにもアクセスして再生可能とすることを特徴とする請求項1又は2記載の営業支援システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、顧客コードで録音データを検索することを特徴とする請求項記載の営業支援システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、営業情報における顧客とのコンタクト履歴情報から録音データを検索することを特徴とする請求項記載の営業支援システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記情報処理装置で録音データが再生された場合には、再生履歴を記憶することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか記載の営業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録音機能を有する情報端末を使用する営業支援システムに係り、特に、顧客との会話内容を管理して顧客関係情報と容易に連携する営業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、金融商品の販売において、営業員が顧客先に出向いてタブレット等の情報端末を用いて金融商品を説明し、営業活動が行われている。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2014−016778号公報「情報管理システム、情報管理装置、情報端末、情報管理方法、および、プログラム」(特許文献1)がある。
特許文献1には、情報管理システムにおいて、営業員が顧客先で営業活動を行い、モバイル端末を用いて日報や顧客情報を編集すると、顧客との間の録音データをデータセンタにアップロードし、モバイル端末内の顧客に関するデータを消去して情報漏洩を防止することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−016778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の情報管理システムでは、営業員が録音データをデータセンタにアップロードする操作を行って、データセンタからアップロード完了通知をモバイル端末が受信してから録音データをモバイル端末が消去するようになっているため、営業員が録音データをアップロードしなかったり、また録音を途中で止めてしまったような場合に、録音データがアップロードされず、モバイル端末にも残ってしまうという問題点があった。
【0006】
また、従来の情報管理システムでは、データセンタにアップロードした録音データを顧客関連情報と連携して容易に検索して再生することができるものとはなっていないという問題点があった。
【0007】
上記特許文献1には、顧客との会話を録音して、録音停止すると録音データをサーバにアップロードすると共に、モバイル端末から録音データを消去し、アップロードされた録音データを顧客情報に関連付けて容易に検索して再生できることは記載されていない。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、録音停止により顧客との会話の録音データを録音データ受信サーバに強制的にアップロードして情報端末から録音データを消去し、アップロードされた録音データを顧客情報に関連付けて容易に検索して再生できる営業支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、顧客情報、営業情報を含む顧客関係情報を管理するサーバを有する営業支援システムであって、サーバに無線通信で接続する情報端末を備え、情報端末が、録音機能により顧客コードに対応付けて顧客との会話を録音し、録音停止の操作によりサーバに録音データをアップロードし、アップロードが完了すると、内部の録音データを消去し、サーバが、顧客コードに関連付けて録音データを記憶し、情報端末が、録音の間だけ、顧客コードに対応した顧客向けの説明用の情報を表示することが可能となることを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記営業支援システムにおいて、情報端末が、サーバが管理する顧客情報にアクセスして顧客認証を行い、顧客認証により顧客コードが対応付けられることを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記営業支援システムにおいて、サーバに接続する情報処理装置を備え、情報処理装置が、サーバが管理する顧客関係情報にアクセスすると共に、記憶された顧客の録音データにもアクセスして再生可能とすることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記営業支援システムにおいて、情報処理装置が、顧客コードで録音データを検索することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記営業支援システムにおいて、情報処理装置が、営業情報における顧客とのコンタクト履歴情報から録音データを検索することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記営業支援システムにおいて、サーバが、情報処理装置で録音データが再生された場合には、再生履歴を記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、情報端末が、録音機能により顧客コードに対応付けて顧客との会話を録音し、録音停止の操作によりサーバに録音データをアップロードし、アップロードが完了すると、内部の録音データを消去し、サーバが、顧客コードに関連付けて録音データを記憶し、情報端末が、録音の間だけ、顧客コードに対応した顧客向けの説明用の情報を表示することが可能となる営業支援システムとしているので、顧客との録音された会話を全てサーバが取得でき、顧客情報を用いて情報端末での録音データも容易に検索でき、情報端末での録音データを有効に活用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本システムの構成ブロック図である。
図2】初期画面を示す概略図である。
図3】録音画面を示す概略図である。
図4】会話録音の処理フロー図である。
図5】WEBサーバ6が提供する画面遷移を示す図である。
図6】WEBサーバ6が管理者に提供する管理画面の遷移を示す図である。
図7】タブレット録音検索画面を示す概略図である。
図8】タブレット録音再生履歴画面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る営業支援システムは、顧客情報、営業情報等の顧客関係情報を管理するサーバを有する営業支援システムであって、顧客先で使用する情報端末で顧客との会話を録音して、録音停止の操作が為されると、強制的に録音データをサーバにアップロードして情報端末から録音データを消去し、アップロードされた音声データを顧客関係情報と連携して検索して再生するものとしているので、顧客との録音された会話を情報端末に残すことなく全てサーバが取得でき、顧客情報を用いて情報端末での録音データも容易に検索でき、情報端末での録音データを有効に活用できるものである。
【0019】
[本システム:図1
本発明の実施の形態に係る営業支援システム(本システム)について図1を参照しながら説明する。図1は、本システムの構成ブロック図である。
本システムは、図1に示すように、情報端末(タブレット)1と、インターネット2と、無線機器3と、イントラネット10とを基本的に有している。
タブレット1は、無線通信により無線機器3に接続し、インターネット2を介してイントラネット10に接続する。
【0020】
イントラネット10には、録音データ受信サーバ4と、CRM(Customer Relationship Management)DB(Data Base)5と、WEBサーバ6と、情報処理装置7とが接続され、それぞれがインターネット2に接続している。
上記各装置は、コンピュータであり、特に、情報処理装置7は、ブラウザとして利用されるものであるため「ブラウザ」と表記している。
【0021】
[本システムの各部]
本システムの各部について具体的に説明する。
[タブレット1]
タブレット1は、営業員が保有するモバイル端末で、制御部と、記憶部と、表示部と、音声入出力部と、無線通信部を備え、録音機能を有している。
また、タブレット1は、社員及び顧客の認証を行うために、顔認証用の映像入力部と、指紋認証用の指紋センサ部とを備えている。
【0022】
具体的には、タブレット1は、録音データ受信サーバ4にアクセスして社員認証と顧客認証を行い、認証された顧客との会話を録音し、録音停止の操作が為されると、録音データを録音データ受信サーバ4にアップロードし、アップロードが完了すると記憶部に記憶する録音データを消去する。
【0023】
タブレット1は、社員によって録音データ受信サーバ4にアクセスするのに、社員コードとパスワードでログインし、送信データの暗号化を行い、また、受信データは暗号化されているため復号化を行う。
社員認証にパスワードを用いたが、音声認証、顔認証等のバイオメトリクス認証を用いてもよい。
【0024】
また、タブレット1は、録音している間だけ、顧客向けの説明資料を表示可能とし、録音状態でなければ、説明資料は表示されないようにしている。
尚、営業員は、タブレット1からCRM DB5にアクセスして、予め顧客情報を参照することは可能である。
顧客認証、録音データの強制的なアップロードと消去処理の詳細は後述する。
【0025】
[インターネット2,無線機器3]
インターネット2は、商用のネットワークであり、無線機器3は、インターネット2に接続している。
インターネット2と無線機器3によりタブレット1をイントラネット10に接続する。
実際には、タブレット1は、複数配置されており、無線機器3も複数がインターネット2に接続している。
【0026】
[イントラネット10]
[録音データ受信サーバ4]
イントラネット10における録音データ受信サーバ4は、処理を実行する制御部と、処理プログラムやその他処理に必要な情報を記憶する記憶部と、イントラネット10及びインターネット2に接続するインタフェース部とを備えるコンピュータである。
そして、録音データ受信サーバ4は、タブレット1からアップロードされた録音データを復号化し、社員コード、顧客コードに対応付けて記憶する。
録音データ受信サーバ4は、受信した録音データをCRM DB5に記憶させるようにしてもよい。
【0027】
また、録音データ受信サーバ4は、タブレット1からの社員認証、顧客認証を行う。
具体的には、タブレット1から指定された認証方法に対応する社員コード又は顧客コードの認証データをCRM DB5から取得し、タブレット1から提供される生体認証のデータと比較して社員認証又は顧客認証を行う。
【0028】
[CRM DB5]
CRM DB5は、顧客情報、営業情報及び顧客が保有する金融商品情報を記憶しているデータベースである。それら情報は、社員コードと顧客コードに対応付けられている。
また、CRM DB5は、顧客と社員を認証するための認証用のデータも記憶している。例えば、認証用のデータとして、社員コード、顧客コードに対応するパスワード、更に、音声認証データ、顔認証データ等のバイオメトリクス認証のデータを記憶している。
【0029】
[WEBサーバ6]
WEBサーバ6は、処理を実行する制御部と、処理プログラムやその他処理に必要な情報を記憶する記憶部と、イントラネット10及びインターネット2に接続するインタフェース部とを備えるコンピュータである。
また、WEBサーバ6は、情報処理装置7からアクセスがあると、CRM DB5の顧客関係情報を提供し、内線電話の録音データとタブレット1からの録音データを再生できるようになっている。
情報処理装置7に提供する画面の遷移については後述する。
【0030】
[情報処理装置7]
情報処理装置7は、処理を実行する制御部と、処理プログラムやその他処理に必要な情報を記憶する記憶部と、情報の表示を行う表示部と、イントラネット10及びインターネット2に接続するインタフェース部とを備えるコンピュータである。
情報処理装置7は、WEBサーバ6にアクセスして、CRM DB5に記憶する顧客関係情報を参照し、また、顧客関係情報を更新し、録音データ受信サーバ4が管理する録音データを再生するものである。
情報処理装置7の表示部に表示される画面については後述する。
【0031】
[本システムの処理概要]
本システムにおける第1の処理は、タブレット1からの社員及び顧客の認証処理、顧客向け説明資料の提供処理、録音データのアップロード処理、タブレット1内での録音データの消去処理等がある。
また、本システムにおける第2の処理は、情報処理装置7からの顧客関係情報の参照処理、録音データの再生処理、WEBサーバ6による権限管理処理、録音データ再生管理処理等がある。
【0032】
[第1の処理]
まず、タブレット1から録音データ受信サーバ4にアクセスがあり、社員認証の処理が為される。具体的には、タブレット1から社員コードが入力され、更に社員認証用のデータが入力されて、録音データ受信サーバ4でCRM DB5を参照して社員認証を行う。
次に、顧客認証の処理が為される。具体的には、タブレット1から顧客コードが入力され、更に顧客認証用のデータが入力されて、録音データ受信サーバ4でCRM DB5を参照して顧客認証を行う。
【0033】
そして、タブレット1で録音が開始されたら、録音開始の信号が録音データ受信サーバ4に送信され、その録音開始の信号を条件としてタブレット1からの要求により、録音データ受信サーバ4は、タブレット1にCRM DB5から顧客向けの説明資料を取得して、その画面をタブレット1の表示部に提供する。
【0034】
タブレット1において、録音停止の操作が為されると、タブレット1は、プログラム処理により録音データを録音データ受信サーバ4にアップロードする。そして、アップロードが完了すると、場合によっては自動的に内部の記憶部に記憶している録音データを削除する。
録音データ受信サーバ4は、アップロードされた録音データを社員コード、顧客コードと関連付けて記憶する。
【0035】
[第2の処理]
情報処理装置7からWEBサーバ6に顧客関係情報の参照要求があると、社員の認証と権限を判定して参照可能であれば、顧客関係情報を提供する。尚、権限によっては、顧客関係情報を社員に更新させることができる。
また、情報処理装置7から録音データの再生を行う場合には、例えば、顧客コードから検索を行い、権限があれば、録音データの再生処理が為される。
【0036】
また、WEBサーバ6は、CRM DB5の顧客関係情報にアクセスする権限を管理する処理を行い、録音データが再生されたらその履歴を管理する処理を行う。
WEBサーバ6での権限管理処理と録音データ再生履歴管理処理については後述する。
【0037】
[初期画面:図2
次に、タブレット1の初期画面について図2を参照しながら説明する。図2は、初期画面を示す概略図である。
タブレット1の画面上部にはカメラ11と、マイク12が設けられている。
そして、図1に示すように、初期画面には、お客様コード(顧客コード)の表示欄13と、指紋認証するためのセンサ部14とがある。顧客がバイオメトリクス認証用のデータを登録していない場合には、パスワード入力欄が表示され、パスワードの入力を行う。指紋認証データが登録されるまで、センサ部14にパスワード入力欄を表示してもよい。
【0038】
初期画面では、認証方式を選択する指定欄があり、図2では、音声認識の指定欄16、顔認識の指定欄17、指紋認証の指定欄18があり、それぞれの認証を指定できる。
認証用のデータが登録されていない場合には、パスワードによる顧客認証を行った上で、指定欄16〜18で認証方式を選択し、音声認証であればマイク12をオンにして顧客の音声データを、顔認証であればカメラ11をオンにして顧客の顔の画像データを、指紋認証であればセンサ部14をオンにして顧客の指紋データを録音データ受信サーバ4に送信し、顧客コードに対応付けてCRM DB5に認証方式と認証データとを組で登録する。
録音データ受信サーバ4への認証データ等の送信は、「登録/面談スタート」ボタンをタップして行う。
【0039】
また、認証方式と認証データがCRM DB5に登録された後は、初期画面では、お客様コードの表示欄13に顧客コードが表示された状態で、認証方式選択を行い、音声認証、顔認証又は指紋認証のいずれかを指定することになる。
具体的には、音声認識を指定すると、マイク12がオンになり、顧客の音声データを取得して録音データ受信サーバ4に送信して音声データによる音声認識の処理が為される。
【0040】
また、顔認証を指定すると、カメラ11がオンになり、顧客の顔の画像データを取得して録音データ受信サーバ4に送信して顔の画像データによる顔認識の処理が為される。
また、指紋認証を指定すると、センサ部14がオンになり、顧客の指紋データを取得して録音データ受信サーバ4に送信して指紋データによる指紋認識の処理が為される。
【0041】
各認証処理は、タブレット1から送信された認証データと顧客コードに対応付けてCRM DB5に記憶する認証データと比較して顧客認証を行う。
顧客として認証されれば、面談の録音が可能となり、認証されなければ、面談の録音を行うことができない。
尚、面談の録音を行うことができない場合、顧客への営業に必要な書類が自動的にタブレット1に表示されないようにし、営業活動もできないようにすることが、コンプライアンス上好ましい。
【0042】
タブレット1の不調により生体データによる顧客認証が為されない場合には、パスワードによる認証で録音できるようにしてもよい。
そして、認証結果が、認証結果の表示出力欄15に出力される。
認証結果で、顧客認証が為されると、「登録/面談スタート」のボタンをタップすると、録音が開始される。
【0043】
[録音画面:図3
次に、タブレット1の録音画面について図3を参照しながら説明する。図3は、録音画面を示す概略図である。
図3に示すように、録音画面では、お客様コードが表示され、録音中のステータスを示す表示欄21が表示される。ステータスは、録音最大時間に対して現在の録音時間がプログレスバーで表示され、その下には録音時間が表示される。
【0044】
また、録音画面では、お客様向け説明用画面表示ボタン22があり、このボタン22がタップされると、顧客向けの説明資料が表示される。
具体的には、ボタン22をタップすると、タブレット1から録音データ受信サーバ4に顧客向け説明資料の要求が送信され、録音データ受信サーバ4が、顧客コードに対応した当該顧客専用の説明資料をCRM DB5から読み込み、タブレット1に送信して提供する。
【0045】
そして、タブレット1の面談終了ボタン23がタップされると、面談終了信号が録音データ受信サーバ4に送信され、録音データ受信サーバ4は顧客向けの説明資料の提供を停止し、タブレット1の表示画面からお客様向け説明用画面が消去される。
その後、録音データがタブレット1の処理動作によって録音データ受信サーバ4にアップロードされる。録音データ受信サーバ4は、社員コード及び顧客コードに対応した社員認証及び顧客認証を行っているので、社員コード及び顧客コードに対応付けて録音データを記憶する。録音データは、CRM DB5に記憶してもよい。
【0046】
従来のタブレットでは、録音キャンセルや一時停止を行うことができたが、本システムでは、タブレット1で録音の一時停止を行う場合は、画面終了ボタン23をタップして、それまでの録音データを一旦、録音データ受信サーバ4にアップロードし、録音を再開する場合は、初期画面から面談スタートのボタンをタップして録音を開始してもらうことになる。
【0047】
また、タブレット1で録音中に電源オフや処理プログラムを強制的に終了させられた場合には、タブレット1が通信可能になると、プログラム処理により記憶部に記憶する録音データを録音データ受信サーバ4に強制的にアップロードを行う。この場合は、社員コード及び顧客コードを付して録音データをアップロードする。このアップロード後に録音データの消去処理が為される。
これにより、予期しない録音の中断においても、漏れなく録音データを強制的に録音データ受信サーバ4にアップロードでき、タブレット1の消去処理が可能となる。
【0048】
[会話録音の処理:図4
次に、会話録音の処理について図4を参照しながら説明する。図4は、会話録音の処理フロー図である。尚、この会話録音の処理は、タブレット1の制御部で実行されるものである。
会話録音の処理は、図4に示すように、処理が開始され、社員がログインを行って社員認証が為される(S1)と、図2に示す初期画面が表示される。
【0049】
そして、面談者(顧客)認証を行う(S2)。顧客認証は、パスワードによる認証でも、バイオメトリクスのデータによる認証であってもよい。
面談者認証で顧客が認証されると、録音開始の処理を行う(S3)。録音が開始されると、図3に示す録音画面に移行し、顧客向けの説明資料が録音データ受信サーバ4から提供可能となる。
【0050】
タブレット1の録音画面で面談終了ボタン23がタップされて、録音終了の操作が為されると自動的に録音データの送信(アップロード)を開始する(S4)。
そして、送信(アップロード)が終了する(S5)と、記憶部の録音データを消去する(S6)。録音データの送信後にログアウト処理を行い(S7)、処理を終了する。
【0051】
尚、録音データを送信中にログアウトしたとしても、再度ログインしてアプリを起動したときに、録音データを途中から録音データ受信サーバ4に送信する処理を行う。この場合も、録音データには社員コードと顧客コードを付与して送信するものである。
【0052】
[画面遷移:図5
次に、本システムにおいて、情報処理装置7からWEBサーバ6にアクセスした場合に、WEBサーバ6が提供する画面の遷移について図5を参照しながら説明する。図5は、WEBサーバ6が提供する画面遷移を示す図である。
図5に示すように、WEBサーバ6は、情報処理装置7に対してメインメニュー画面101を表示し、メインメニュー画面101からの選択によって、通話録音検索画面102a、タブレット録音検索画面103a、行動記録検索画面104、顧客検索画面106が表示される。
【0053】
更に、行動記録検索画面104からは、コンタクト履歴編集画面105aが表示され、その画面105aからは、通話録音検索画面102bとタブレット録音検索画面103bが表示される。
また、顧客検索画面106からは、顧客情報画面107が表示され、その画面107からは、コンタクト履歴参照画面108が表示され、その画面108からは、コンタクト履歴編集画面105bが表示され、その画面105bからは、通話録音検索画面102cとタブレット録音検索画面103cが表示される。
【0054】
ここで、通話録音検索画面102a,102b,102cは、内線電話の通話録音を検索するためのもので、各画面は、遷移した状況に応じて絞り込みが為されており、若干異なる画面となっている。
また、タブレット録音検索画面103a,103b,103cは、タブレット1の会話録音を検索するためのもので、各画面は、遷移した状況に応じて絞り込みが為されており、若干異なる画面となっている。
【0055】
また、行動記録検索画面104は、社員の行動記録から情報を検索する画面である。
コンタクト履歴編集画面105は、顧客へのコンタクトの履歴を編集するための画面である。
顧客検索画面106は、顧客を検索するための画面である。
顧客情報画面107は、顧客情報を表示するための画面である。
【0056】
[管理画面:図6
次に、本システムにおいて、WEBサーバ6が管理者の情報処理装置7に提供する管理画面の遷移について図6を参照しながら説明する。図6は、WEBサーバ6が管理者に提供する管理画面の遷移を示す図である。
図6に示すように、WEBサーバ6は、管理者の情報処理装置7に対して管理メニュー画面201を表示し、管理メニュー画面201からの選択によって、通話録音管理画面202が表示され、その画面202からは、選択により、内線設定画面203、再生履歴画面204、権限画面205、メンテナンス画面206、タブレット設定画面207が表示される。
【0057】
内線設定画面203は、内線電話と社員を紐付ける設定を行う画面である。
再生履歴画面204では、内線電話の録音再生のみではなく、タブレット1における会話の録音再生の履歴も管理している。タブレット録音再生履歴画面については後述する。
メンテナンス画面206は、メンテナンスに関する設定を行う画面である。
【0058】
タブレット設定画面207は、録音で使用するタブレットと社員を紐付ける設定を行う画面である。
具体的には、タブレット1の端末IDに対して、社員コード、社員名、利用開始日、利用終了日を入力してタブレットの設定を行う。
【0059】
また、権限画面205は、管理者が社員コード毎にタブレット1での録音データを検索可能か否かを設定するものである。
この権限画面で、タブレット1での録音データを検索する権限が与えられないと、タブレット録音検索画面で「タブレット録音検索」のボタンが表示されず、タブレットでの録音データを検索することができない。
【0060】
[タブレット録音検索画面:図7
次に、タブレット録音検索画面について図7を参照しながら説明する。図7は、タブレット録音検索画面を示す概略図である。
WEBサーバ6は、情報処理装置7からアクセスがあると、メインメニュー画面101を表示し、そこから行動記録検索画面104、コンタクト履歴編集画面105aを経て、表示したのが図7のタブレット録音検索画面である。
【0061】
図7に示すように、情報処理装置7からアクセスした社員はタブレット録音検索の権限があるよう管理者によって設定されているため、「タブレット録音検索」のボタンが表示される。
その「タブレット録音検索」のボタンが押下(クリック)されると、録音開始日、通話時間帯、録音時間がコンタクト履歴情報に基づいて表示され、更に、タブレット1の端末ID、社員コード、顧客コードのいずれかを選択してタブレット1での録音データの候補の一覧が表示される。
【0062】
尚、メインメニュー画面101からタブレット録音検索画面103aに移行した場合には、絞込みが為されていないため、録音開始日、通話時間帯、録音時間は、社員が自ら入力する必要がある。
そのため、行動記録検索画面104、コンタクト履歴編集画面105aを経てタブレット録画検索を行うのが便利であり、検索が容易となる。
【0063】
また、図7では、端末IDで録音データの候補一覧を表示しているが、検索対象の顧客コードが分かる場合には、顧客コードを用いて録音データを検索するのが便利であり、これにより対象の顧客の録音データを容易に検索できるものである。
そして、候補一覧の中で、特定の候補を選択して「詳細」を押下(クリック)すると、当該録音データが再生される。
【0064】
[タブレット録音再生履歴画面:図8
次に、タブレット録音再生履歴画面について図8を参照しながら説明する。図8は、タブレット録音再生履歴画面を示す概略図である。
図8のタブレット録音再生履歴画面は、図6における再生履歴画面204に対応するもので、録音種別で「通話録音」(内線電話の録音データ)又は「タブレット録音」のいずれかを選択すると、再生を行った再生社員の情報と、再生対象の録音データの録音情報が表示される。
【0065】
「再生社員」の情報には、再生日時、部店コード、部店名、社員コード、社員名が含まれ、「録音情報」には、端末ID、録音開始日時、録音時間、お客様名称、面談者名が含まれる。
このタブレット録音再生履歴画面によって、管理者は、タブレット録音された録音データの再生履歴を容易に確認できる。
【0066】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、顧客情報、営業情報等の顧客関係情報を管理するCRM DB5と録音データ受信サーバ4を有する営業支援システムであって、顧客先で使用するタブレット1で顧客との会話を録音して、録音停止の操作が為されると、強制的に録音データを録音データ受信サーバ4にアップロードしてタブレット1から録音データを削除し、アップロードされた音声データを顧客関係情報と連携して情報処理装置7から容易に検索して再生できる効果がある。
【0067】
本システムによれば、タブレット1での録音停止の操作で強制的にアップロードし、録音データを消去するようにしているので、社員における顧客との面接時の操作負担を軽減し、タブレット1における情報漏洩を防止できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、録音停止により顧客との会話の録音データを録音データ受信サーバに強制的にアップロードして情報端末から録音データを消去し、アップロードされた録音データを顧客情報に関連付けて容易に検索して再生できる営業支援システムに好適である。
【符号の説明】
【0069】
1…タブレット、 2…インターネット、 3…無線機器、 4…録音データ受信サーバ、 5…CRM DB、 6…WEBサーバ、 7…情報処理装置(ブラウザ)、 10…イントラネット、 11…カメラ、 12…マイク、 13…顧客コード表示欄、 14…センサ部、 15…認証結果の表示出力欄、 16…音声認証の指定欄、 17…顔認証の指定欄、 18…指紋認証の指定欄、 19…登録/面談スタートボタン、 21…録音中のステータスを示す表示欄、 22…お客様向け説明用画面表示ボタン、 23…面談終了ボタン
図1
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図8