(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二認証操作の認証データと前記第一認証操作の認証データとが一致しない場合でも、前記計時部が所定時間を経過するまでの間は前記第二認証操作の待機状態とする、
請求項1に記載の機械式駐車設備の出入口扉閉鎖方法。
前記復帰者の認証操作による認証データが第一復帰認証操作の復帰認証データとされた後、前記復帰者の入出庫部内への入場及び退場を検知した後に、前記第二復帰認証操作を受け付ける、
請求項1または2に記載の機械式駐車設備の出入口扉閉鎖方法。
前記第二認証操作の認証データと前記第一認証操作の認証データとの照合結果が一致しない場合には、該第二認証操作の認証データが登録者の認証データと一致するか否かを照合し、
前記第二認証操作の認証データが登録者の認証データと一致し、前記計時部が所定時間を経過している場合には、前記出入口扉の開放置と判定し、前記第二認証操作を行った利用者を前記復帰者とし、該復帰者による前記出入口扉を閉鎖する復帰操作を受け付ける、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の出入口扉閉鎖方法。
前記第二認証操作の認証データと前記第一認証操作の認証データとの照合結果が一致せず、前記計時部が所定時間を経過している場合には、前記出入口扉の開放置と判定し、前記第二認証操作を行った利用者を前記復帰者とし、該復帰者による前記出入口扉を閉鎖する復帰操作を受け付ける、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の出入口扉閉鎖方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、利用者が操作する機械式駐車設備において、上記した特許文献1のように、出入口扉を開放する前の第一認証と、出入口扉を閉める前の第二認証とが一致したことを条件に出入口扉を閉鎖できるようにした機械式駐車設備の場合、出入口扉の開閉は利用者の操作に委ねられている。そのため、利用者による第二認証の入力ミスなどによって出入口扉が閉鎖できない場合がある。また、第一認証を行った利用者が第二認証を忘れて出入口扉を開放したまま機械式駐車設備から離れてしまうと、出入口扉の開放置を生じることがある。
【0006】
そして、このような出入口扉の開放置が生じた場合、次の利用者等では先の利用者の第一認証と一致する第二認証が行えないため、出入口扉を閉鎖する方法がない。そのため、出入口扉の開放置が生じた場合、次の利用者が次の入出庫操作を行うことができない状態が長時間続くことになる。
【0007】
上記特許文献1では、出入口扉の開放置が生じた場合の復帰手段として、所定時間経過すると無条件に扉開放置と判定されて管理者に通知され、管理者の「マスター認証処理」によって出入口扉を閉じるようにしている。しかし、専用の認証一致手段を与えられた管理者が離れた場所に居る場合には即座に対応することは難しい。また、保守作業員自身が現地に出向いて対応する場合でも、即座に対応することは難しい。そのため、出入口扉の開放置が生じた場合には、復帰するまでに多大な時間を要する。このため、長時間、入出庫ができない場合が多くある。
【0008】
そこで、本発明は、機械式駐車設備における出入口扉を利用者自身が適切に閉鎖できる出入口扉閉鎖方法及び機械式駐車設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る出入口扉閉鎖方法は、機械式駐車設備の出入口扉閉鎖方法であって、出入口扉を開放する前に利用者を認証する第一認証操作を行い、前記出入口扉が開放する前後に計時部をスタートさせ、前記出入口扉を閉鎖する前に第二認証操作を行い、前記第二認証操作の認証データと前記第一認証操作の認証データとが異なる場合でも、前記計時部が所定時間を経過するまでの間は前記第二認証操作の待機状態とする。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「第一認証操作」、「第二認証操作」としては、例えば、暗証番号、リモコン、登録カード、指紋、静脈、などの手段による操作を含む。また、「出入口扉が開放する前後」とは、入出庫部内において車両を入出庫させるための準備が完了し、出入口扉が開放する前ないし後をいう。「計時部」は、所定時間を計測できる構成をいう。
【0010】
この構成により、出入口扉が開放する前後にスタートさせた計時部が所定時間を経過するまでの間は、利用者による第二認証操作の入力ミスなどがあっても、利用者の第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとを照合して照合結果が一致することにより閉扉動作が可能となる。よって、計時部によって計測される所定時間内は、利用者による第二認証操作の入力ミスなどがあっても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく利用者自身によって出入口扉を閉鎖することができる。なお、この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「照合結果が一致」とは、「登録者」が登録している認証データと一致することであり、第一認証操作の認証データと第二認証操作の認証データとが、同一の場合も異なる場合も含み、登録されている認証データと一致すればよい。
【0011】
また、前記計時部が所定時間を経過した場合でも、前記第二認証操作の認証データと前記第一認証操作の認証データとが一致した後で、前記出入口扉を閉鎖するようにしてもよい。
【0012】
このように構成すれば、第一認証操作を行った利用者が一旦離れて戻るなど、計時部が所定時間を経過した場合でも、第二認証操作の認証データが第一認証操作の認証データと一致すれば、その後、出入口扉を閉鎖することができる。
【0013】
また、前記計時部が所定時間を経過した後に、前記出入口扉の開放置と判定し、前記第二認証操作を行った利用者を前記出入口扉の開放置を復帰しようとする復帰者とし、前記復帰者の前記第二認証操作の認証データから該復帰者が登録者か否かを照合し、前記復帰者が登録者であれば前記第二認証操作の認証データを該復帰者の第一復帰認証操作の復帰認証データとし、その後、前記復帰者による第二復帰認証操作の復帰認証データと前記第一復帰認証操作の復帰認証データとを照合し、照合結果が一致した後で前記出入口扉を閉鎖して復帰操作を終了するようにしてもよい。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「登録者」は、機械式駐車設備において利用登録が行われている正規利用者をいう。また、「復帰」とは、開状態で放置された出入口扉を閉鎖することをいい、これにより機械式駐車設備を利用できる状態にすることをいう。さらに、「第一復帰認証操作」、「第二復帰認証操作」としては、例えば、暗証番号、リモコン、登録カード、指紋、静脈、などの手段による操作を含む。
【0014】
このように構成すれば、計時部が所定時間を経過して出入口扉の開放置と判定された後でも、復帰者が登録者であれば、復帰者による第一復帰認証操作と第二復帰認証操作の復帰認証データを照合し、照合結果が一致することにより閉扉動作が可能となる。よって、出入口扉の開放置が生じても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく登録者である復帰者(利用者)自身によって出入口扉を閉鎖して早期に復帰させることができる。すなわち、復帰者の責任の下で、出入口扉の開放置状態を復帰させて機械式駐車設備を利用することが可能となる。
【0015】
また、前記復帰者が登録者で無い場合には、該復帰者が前記第二認証操作の後で第一復帰認証操作を行い該第一復帰認証操作の復帰認証データから該復帰者が登録者か否かを再度照合し、前記復帰者が登録者の場合には、該復帰者による入出庫部内の無人確認によって起動許可操作を可能とし、前記復帰者が登録者でない場合には、エラー処理を行って前記第二認証操作の待機状態へ戻るようにしてもよい。
【0016】
このように構成すれば、復帰者が登録者の場合には無人確認を行って起動許可操作が行えるようになり、復帰者が登録者でない場合にはエラー処理となって第二認証操作の待機状態へ戻るようにできる。
【0017】
また、前記第二認証操作の認証データと前記第一認証操作の認証データとが異なる場合には、該第二認証操作の認証データが登録者の認証データと一致するか否かを照合し、前記第二認証操作の認証データが登録者の認証データと一致し、前記計時部が所定時間を経過している場合には、前記出入口扉の開放置と判定し、前記第二認証操作を行った利用者を前記出入口扉の開放置を復帰する復帰者とし、該復帰者による前記第二認証操作の認証データを該復帰者の第一復帰認証操作の復帰認証データとし、その後、前記復帰者による第二復帰認証操作の復帰認証データと前記第一復帰認証操作の復帰認証データとを照合し、照合結果が一致した後で前記出入口扉を閉鎖して復帰操作を終了するようにしてもよい。
【0018】
このように構成すれば、出入口扉の開放置があったとしても、第二認証操作の認証データが登録者の認証データと一致すれば、計時部の所定時間経過を条件に、復帰者による第二認証操作の認証データを第一復帰認証操作の復帰認証データとし、その後の第二復帰認証操作の復帰認証データとの照合一致により閉扉動作が可能となる。よって、出入口扉の開放置があったとしても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく登録者である復帰者自身によって出入口扉を閉鎖して早期に復帰させることができる。すなわち、復帰者の責任の下で、出入口扉の開放置状態を解除して機械式駐車設備を利用することが可能となる。
【0019】
また、前記第二認証操作の認証データと前記第一認証操作の認証データとが異なり、前記計時部が所定時間を経過している場合には、前記出入口扉の開放置と判定し、前記第二認証操作を行った利用者を前記出入口扉の開放置を復帰しようとする復帰者とし、前記復帰者による第一復帰認証操作の復帰認証データと該復帰者による第二復帰認証操作の復帰認証データとを照合し、照合結果が一致した後で前記出入口扉を閉鎖して復帰操作を終了するようにしてもよい。
【0020】
このように構成すれば、出入口扉の開放置があったとしても、計時部の所定時間経過を条件に、復帰者による第一復帰認証操作の復帰認証データと第二復帰認証操作の復帰認証データとの照合一致により閉扉動作が可能となる。よって、出入口扉の開放置があったとしても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく登録者である復帰者自身によって出入口扉を閉鎖して早期に復帰させることができる。すなわち、復帰者の責任の下で、出入口扉の開放置状態を解除して機械式駐車設備を利用することが可能となる。
【0021】
また、前記復帰者による入出庫部内の無人確認操作を検知し、その後、第二復帰認証操作の受け付けを可能とするようにしてもよい。
【0022】
このように構成すれば、復帰者による無人確認が行われたことを検知すると第二復帰認証操作が可能となるので、出入口扉の開放置状態の解除が適切に行われ、機械式駐車設備を利用することが可能となる。
【0023】
また、前記復帰者による入出庫部内の無人確認操作の検知によって前記計時部を再スタートさせ、その後の第二復帰認証操作の復帰認証データと前記第一復帰認証操作の復帰認証データとの照合結果が一致せず、再スタートさせた前記計時部が所定時間を経過した場合には、前記第一復帰認証操作を無効とするようにしてもよい。
【0024】
このように構成すれば、復帰者による無人確認操作の検知で再スタートさせる計時部により、復帰者による出入口扉の開放置の復帰操作が所定時間経過しても、復帰者以外の人による操作が行われた場合、例えば、出入口扉開放置解除モードの操作を改めて行って、出入口扉の開放置状態の解除が適切に行われるようにできる。
【0025】
また、前記復帰者の入出庫部内への入場を検知することで前記計時部を再スタートさせ、前記復帰者の退場を検知した後、前記復帰者による第二復帰認証操作の復帰認証データと前記第一復帰認証操作の復帰認証データとの照合結果が一致しない状態で再スタート後の前記計時部が所定時間を経過した場合には、前記第一復帰認証操作を無効とするようにしてもよい。
【0026】
このように構成すれば、復帰者が入出庫部内へ入場したことの検知で再スタートさせる計時部により、復帰者による出入口扉の開放置の復帰操作が所定時間経過しても、復帰者以外の人による操作が行われた場合、例えば、出入口扉開放置解除モードの操作を改めて行って、出入口扉の開放置状態の解除が適切に行われるようにできる。
【0027】
一方、本発明における機械式駐車設備は、前記いずれかの出入口扉閉鎖方法を実行する制御装置を備えている。
【0028】
この構成により、利用者自身が出入口扉を適切に閉鎖できる機械式駐車設備を構成することができる。また、出入口扉の開放置が生じても、利用者自身が適切に閉鎖できる機械式駐車設備を構成することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、機械式駐車設備の出入口扉を利用者自身が適切に閉鎖することが可能となる。しかも、出入口扉の開放置が生じたとしても、利用者自身が適切に閉鎖して復帰までの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、機械式駐車設備1としてパレット式の駐車設備を例に説明する。また、以下の実施形態では、利用者の第一認証操作の認証データと第二認証操作の認証データとが同一で、復帰者の第一復帰認証操作の復帰認証データと第二復帰認証操作の復帰認証データとが同一として説明する。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における前後左右方向の概念は、
図1に示す入出庫部3の外部から出入口扉5に向かった矢印Xの方向から見た状態における前後左右方向の概念と一致するものとする。また、車両Vを矩形状枠で示している。
【0032】
(機械式駐車設備における入出庫部の構成)
図1は、一実施形態に係る機械式駐車設備1の入出庫部3における構成を示す平面図である。この機械式駐車設備1は、矩形状に形成された駐車塔2の正面側に入出庫口4が設けられている。入出庫口4には、出入口扉5が備えられている。また、入出庫口4の近傍の側方(図では右方)には、機械式駐車設備1の運転操作を行う運転盤7が設けられている。この実施形態では、運転盤7と制御装置8が一体となった例を示している。制御装置8には、登録された利用者(以下、「登録者」ともいう)の第一認証操作及び第二認証操作における認証データと、後述する復帰者(登録者)の第一復帰認証操作及び第二復帰認証操作における復帰認証データが予め登録されている。認証データと復帰認証データは、同一でも異なっていてもよい。制御装置8には、これらのデータ及び後述する出入口扉5の開閉を含む制御方法を記憶する記憶部(記憶メモリなど)などが備えられている。また、制御装置8は、計時部9の機能を備えている。
【0033】
入出庫部3には、物体を検知する複数の物体検知センサが設けられている。車両Vを入出庫させるパレット6の左側方には左部センサ11が設けられ、右側方には右部センサ12が設けられている。パレット6の前方には、入出庫部3の左右方向全長で物体を検知する前部センサ13が設けられている。パレット6の前後方向の中間部分には、停車位置における車両Vの有無を検知するための車両検知センサ10が設けられている。パレット6と出入口扉5との間には、入出庫部3の左右方向全長で物体を検知する後部センサ14が設けられている。そして、入出庫口4の部分には、出入口扉5の外側で物体を検知する出入口扉外センサ15が設けられている。物体検知センサ11〜14は、停車位置周辺の利用者歩行部における物体の有無、を検知する物体検知センサである。各物体検知センサ10〜15は、1本〜複数本のいずれでもよい。
【0034】
なお、上記した各物体検知センサ10〜15は、入出庫部3内において状態が変化する物体(有無、移動などを生じる物体)を検知できればよく、光電管などの線状に検知するものに限られない。例えば、入出庫部3内に、パッシブセンサ、測域センサ(レーザー光を走査して物体の位置を検知するセンサ)、画像処理や超音波によるものなど、各種の物体検知センサとすることができる。
【0035】
これらの物体検知センサ11〜15による入出庫部3における物体検知としては、例えば、出入口扉外センサ15(後部センサ14)が検知した後で左部センサ11、右部センサ12が検知した場合は利用者などの入場、と判定できる。また、左部センサ11、右部センサ12が検知しなくなった後で、後部センサ14が検知し、その後、出入口扉外センサ15が検知した場合は利用者などの退場、と判定できる。このように、入出庫口4に設けられた出入口扉外センサ15(後部センサ14)の遮光、または入出庫口4に二重に設けられた出入口扉外センサ15と後部センサ14の遮光順序、これらの組み合わせにより、利用者の退出を検知できる。また、簡易的には、出入口扉外センサ15(または後部センサ14)の遮光回数が奇数のとき入場、偶数のとき退場と判定することもできる。そして、入出庫部3内の安全確認を、利用者の退出を検知し、車両検知センサ10を除く他のセンサが非検知となった場合、を条件にできる。但し、出庫時は車両検知センサ10の検知を含めてもよい。
【0036】
また、この実施形態では、上記運転盤7が第一認証操作及び第二認証操作を行う装置を兼ねており、認証装置20が備えられている。利用者は運転盤7の認証装置20において、第一認証操作及び第二認証操作を行うようになっている。認証装置20における認証手段としては、例えば、暗証番号による認証、IDカードによる認証、リモコンによる認証、その他、指紋、静脈、などによる生体認証、など、様々な認証手段を利用できる。なお、認証装置20は、運転盤7ではなく出入口扉5の近傍に独立して備えさせることもできる。
【0037】
さらに、この実施形態では、運転盤7が起動許可操作を行う装置も兼ねており、無人確認を行った後に操作する起動許可ボタン21が備えられている。起動許可ボタン21は、図示するような物理的に押し込むボタンの他、液晶画面などに表示されるボタンなどでもよい。
【0038】
また、上記認証装置20は、復帰者が第一復帰認証操作及び第二復帰認証操作を行う装置を兼ねている。復帰者の復帰認証手段としては、暗証番号による認証、IDカードによる認証、リモコンによる認証、その他、指紋、静脈などによる生体認証、など、様々な復帰認証手段を利用できる。
【0039】
(第1出入口扉閉鎖方法)
図2は、
図1に示す機械式駐車設備における第1出入口扉閉鎖方法を示す入出庫フローの第1フロー図であり、
図3は、
図2に示す第1フロー図に続く第2フロー図であり、
図4は、
図3に示す第2フロー図に続く第3フロー図である。なお、上記
図1の構成には、上記
図1の符号を付して説明する。
【0040】
図2に示すように、開始後、利用者による第一認証操作が実行される(S1)。そして、この第一認証操作の認証データが登録者の認証データと一致するか否かが判定される(S2)。登録者の認証データと一致しない場合、エラー処理がなされて(S3)、第一認証操作の待機状態へ戻る。
【0041】
第一認証操作の認証データが登録者の認証データと一致することが照合されると(S2)、機械式駐車設備1が起動され(S4)、搬送呼出処理が行われて呼出されたパレット6が入出庫部3まで搬送される。呼出されたパレット6が入出庫部3に到着すると、開扉処理が実行されて、出入口扉5が自動的に開放される(S5)。この実施形態では、出入口扉5の開放により、計時部9がスタートさせられる(S6)。計時部9は、後述するような出入口扉開放置タイマとして機能する。計時部9としては、ゼロから所定時間までを計時するもの、所定時間からゼロまでを計時するもの、など、所定時間を計時することができればよい。計時部9のスタート(S6)は、出入口扉5の開放前のパレット6が着床したときや、出入口扉5の開放が開始したとき、出入口扉5が開放し終わったときなど、出入口扉5の開閉前後のいずれでもよく、適宜定めることができる。また、以下の入出庫が完了したときでもよく、以下の第二認証操作実行(S10)の前、好ましくは安全確認報知処理(S9)が実行される前であればよい。
【0042】
そして、入庫であれば、車両Vに乗り込んで呼出したパレット6に搭載する。出庫であれば、呼出したパレット6の車両Vに乗り込んで退出する(S7)。その後、車両Vの入出庫が完了したか否かが判定される(S8)。車両Vの入出庫が完了したか否かの判定は、例えば、利用者による入出庫部3内の無人確認を行った後に行われる起動許可操作が行われたか否かで判定することができる。
【0043】
上記入出庫が行われた後、または上記出入口扉5が開放された後に、安全確認報知処理が行われており(S9)、この安全確認報知処理(S9)に上記起動許可操作が含まれている。この実施形態の安全確認報知処理には、安全確認の報知と、利用者による無人確認と、起動許可操作とが含まれているが、適宜省略したり他の処理や操作に置き換えることができる。
【0044】
安全確認の報知としては、例えば、「入出庫部内の無人を確認して第二認証操作を行えば、出入口扉は、第一認証操作の第一認証データと第二認証操作の第二認証データとが照合された後、所定時間経過後に閉扉動作が開始されます」などの報知を行うことができる。報知は、音声、画面表示の他、ブザー、ランプなどで行うことができる。利用者による無人確認としては、公知の手段で実行することができる。例えば、利用者による目視確認、入出庫部3内に設置された無人確認入力器の押動操作による確認、入出庫部3内に設置された安全センサの遮光による確認、入出庫部3内に設置された監視用モニタによる確認、などによってできる。起動許可操作としては、この実施形態では、運転盤7に起動許可ボタン21が備えられているため、この起動許可ボタン21を押すことになる。
【0045】
また、この実施形態では、起動許可操作に無人確認操作と出入口扉5の閉扉操作とが含まれ、1つの操作で2つの操作が実行される。すなわち、起動許可ボタン21が押されることで、適切に無人確認が行われたことの無人確認処理と出入口扉5の閉操作処理とが実行される。但し、出入口扉5の実際の閉鎖動作は、後述する第二認証が第一認証と一致した後に実行される。また、この起動許可操作の後で、次の第二認証操作のみを受け付けるように制御することで、誤動作・誤操作の防止を図ることができる。
【0046】
なお、無人確認操作は、起動許可操作と分離することができる。例えば、入出庫部3内に設置した無人確認入力器を押して無人確認操作を行った場合、起動許可操作(この場合、閉扉操作)を受け付けるために、以下のいずれかまたは複数の組み合せを条件とすることができる。入出庫部3内に設けられた各種の物体センサ(パッシブセンサ、測域センサ(レーザー光を走査して物体の位置を検知するセンサ)、画像処理や超音波によるものなど)により、車両検知センサ10を除く他のセンサが非検知となった場合、を条件にできる。但し、出庫時は車両検知センサ10の検知を含めてもよい。入出庫口4に設けられた出入口扉外センサ15(後部センサ14)の遮光、または入出庫口4に二重に設けられた出入口扉外センサ15と後部センサ14の遮光順序、これらの組み合わせにより利用者の退出を検知した場合、を条件にできる。
【0047】
上記安全確認報知処理が実行されると(S9)、機械式駐車設備1のロック状態が解除されて、次の第二認証操作を受け付ける状態となる。安全確認報知処理が実行されると(S9)、第二認証操作を要求するための報知として、「出入口扉を閉めるために、第二認証操作をしてください」などの報知をすることができる。その後、
図3に示す「A」へと続く。
【0048】
次に、
図3に示す「A」に続く第二認証操作が行われる(S10)。そして、第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとが照合される(S11)。この照合により第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとの照合結果が一致した場合には、出入口扉5が閉鎖されて(S12)、終了する。出入口扉5の閉扉動作は、第二認証操作後、第一認証との照合結果が一致した後、音声、ブザー、画面表示、ランプ等により閉扉動作が開始されることを利用者に報知し、報知後に所定時間(例えば、5秒〜10秒程度)を経過すると閉扉動作を開始するようにできる。
【0049】
一方、上記第二認証操作の認証データが第一認証操作の認証データと一致しない場合、エラー処理となる(S13)。上記第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとの照合(S11)では、第二認証操作の認証データが登録者の認証データに含まれるか否かも照合されており、エラー処理となった場合、第二認証データが登録者の認証データに含まれるか否かの判定が行われる(S14)。この判定で第二認証操作の認証データが登録者の認証データに含まれていない場合、上記第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻る。例えば、利用者が第二認証操作において入力ミスをした場合、エラー処理となるが、再び第二認証操作の待機状態へ戻るため、利用者によって再び第二認証操作を行うことができる(S10)。そして、その第二認証操作の認証データが第一認証操作の認証データと一致すれば(S11)、出入口扉5が閉鎖されて(S12)、終了することができる。なお、第二認証操作の認証データが登録者の認証データに含まれるか否かの照合を、認証データとの照合(S11)とは別に、エラー処理(S13)の後で行ってもよい。
【0050】
上記第二認証操作の認証データが登録者の認証データに含まれる場合(S14)、上記(S6)でスタートさせた計時部9が所定時間を経過しているか否かが判定される(S15)。計時部9の所定時間としては、例えば、「5分」のように任意時間に設定したり、「AM7:00〜AM10:00の間は3分」のように時間帯で設定したり、「日曜日は10分」のように曜日で設定することができる。
【0051】
計時部9の所定時間経過判定(S15)で所定時間を経過していない場合、上記第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻る。これにより、計時部9が所定時間を経過するまでの間は、例えば、第一認証を行った利用者による第二認証の入力エラー(例えば、暗証番号の場合における入力ミス、第二認証がリモコンやIDカードの場合における読み取りエラーなど)があっても、同一利用者が、再度、第二認証操作を行うことができる。また、例えば、所定時間を入出庫に要する標準的時間(最短、最長、平均など)に設定した場合は、第一認証操作を行った利用者が入出庫部内に残っているときに、他の利用者が復帰操作を開始しようとする可能性を低減することができる。
【0052】
一方、計時部9の所定時間経過判定(S15)で所定時間を経過している場合には、出入口扉5が開放されたままの開放置と判断され、以後、出入口扉開放置解除モードとなる。この場合、例えば、運転盤7に、「出入口扉の開放置が生じています。以下の操作を行って復帰操作を実行して下さい」などのメッセージを表示することができる。これにより、上記第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行うか否かの意思確認がなされる(S16)。第二認証操作を行った利用者が復帰操作を行わない場合、例えば、運転盤7に表示されている「復帰操作を行わない」などの表示を押すことで、上記第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻る。これにより、第一認証操作を行った利用者が機械式駐車設備1に戻った場合に出入口扉5を閉鎖することができる。第二認証操作を行った利用者が復帰操作を行う場合、例えば、運転盤7に表示されている「復帰操作を行う」などの表示を押す。これにより、第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行う意思表示をしたことになる(S16)。
【0053】
上記第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行うことの意思表示をすることで、上記第二認証操作で入力された認証データが、第一復帰認証操作の復帰認証データ(以下「第一復帰認証操作の認証データ」と言うことがある)となる(S17)。
【0054】
その後、復帰者によって入出庫部3内の無人確認が行われる(S18)。復帰者による無人確認は、入出庫部3内の無人確認を促すアナウンスや表示をすることで無人確認の必要性を意識付けし、入出庫部3内を目視にて確認する。さらに、入出庫部3内に設置された安全センサを遮光する位置まで復帰者を誘導することで、より適切に無人確認を行うようにできる。この例では、復帰者による入出庫部3内の無人確認操作が実行されたことを、復帰者が入出庫部3内に入場し、入出庫部3内の物体検知センサ11〜14(
図1)で復帰者を検知し、出入口扉5の出入口扉外センサ15(
図1)で復帰者が入出庫部3から退場したことを検出することで確認できる(S18)。なお、入出庫部3内の無人確認は、入出庫部3内の死角となる箇所を映す監視用モニタが備えられている場合、入出庫部3の外部で監視用モニタを用いて行ってもよい。
【0055】
また、この実施形態では、入出庫部3内の物体検知センサ11〜14で復帰者を検知したことで計時部9を再スタートさせている(S19)。この計時部9の再スタートは、物体検知センサ11〜14で復帰者を複数回検知した場合、最後の検知から計時部9を再スタートさせればよい。なお、入出庫部3の外部で監視用モニタを用いて無人確認を行う場合、上記計時部9の再スタートは以下の安全確認報知処理において行われる起動許可操作の時点で行えばよい。その後、
図4の「B」へと続く。
【0056】
次に、
図4に示す「B」に続く安全確認報知処理(S20)が行われる。安全確認報知処理(S20)は、上記第二認証操作で入力された第二認証データが第一復帰認証操作の認証データとして置き換えられた時点(S17)から行われており、この安全確認報知処理(S20)において復帰者による起動許可操作が実行される。起動許可操作としては、この実施形態では、運転盤7に起動許可ボタン21(
図1)が備えられているため、この起動許可ボタン21が押されたか否かによって判定される。この実施形態では、起動許可操作に無人確認操作を行ったことと閉扉操作が含まれている。無人確認操作は、閉扉操作と分離して入力するようにしてもよい。安全確認報知処理には、例えば、「入出庫部内の無人を確認して第二復帰認証操作を行えば、出入口扉は、第一復帰認証操作の復帰認証データと第二復帰認証操作の復帰認証データとが照合された後、所定時間経過後に閉扉動作が開始されます」などの報知を行うことができる。報知としては、音声、画面表示の他、ブザー、ランプなどで行うことができる。
【0057】
そして、上記安全確認報知処理が実行されると(S20)、機械式駐車設備1のロック状態が解除されて、次の第二復帰認証操作を受け付ける状態となる。つまり、復帰者による無人確認操作が完了した後に、第二復帰認証操作が受け付けられる状態となる。安全確認報知処理が実行されると(S20)、閉扉起動のためのアナウンスとして、「出入口扉を閉めるために、第二復帰認証操作をしてください」などのアナウンスを流すことができる。
【0058】
その後、復帰者による第二復帰認証操作が行われ(S21)、第二復帰認証操作の復帰認証データが第一復帰認証操作の復帰認証データと照合される(S22)。この照合(S22)において、第一復帰認証操作の復帰認証データと第二復帰認証操作の復帰認証データとの照合結果が一致した場合、再スタート後の計時部9の時間に関わらず閉扉動作が実行されて(S23)、開放置された出入口扉5が閉鎖されて終了する。閉扉動作は、第二認証操作後、第一認証との照合が一致した後、音声、ブザー、画面表示、ランプ等により閉扉動作が開始されることを利用者に報知し、報知後に所定時間(例えば、5秒〜10秒程度)を経過すると閉扉動作を開始するようにしてもよい。
【0059】
なお、この例では、起動許可操作を含む安全確認報知処理(S20)を行った後、第二復帰認証操作(S21)を行っているが、先に第二復帰認証操作(S21)を行い、その後、安全確認報知処理(S20)の中の起動許可操作を行うようにしてもよい。
【0060】
また、入出庫部3内の物体検知センサ11〜15による検知を含めた制御としては、上記「起動許可操作」の後、入出庫部3内の車両検知センサ10以外の物体検知センサ11〜15が物体を検知した場合には、「起動許可操作」をキャンセルし、再度、安全確認報知処理(S20)から行うようにできる。
【0061】
一方、第二復帰認証操作の認証データと第一復帰認証操作の認証データとが一致しない場合、エラー処理となり(S24)、再スタートした計時部9が所定時間を経過しているか否かが判定される(S25)。計時部9が所定時間を経過していない場合、上記第二復帰認証操作が実行される前の待機状態へ戻り、第二復帰認証操作(S21)が再び行えるようになっている。これにより、単なる打ち間違いなどを行った場合に再入力ができる。
【0062】
上記計時部9が所定時間を経過している場合は、第一復帰認証操作を無効とし、図示する「C」から
図3の「C」へと続き、上記第二認証操作(S10)が実行される前の待機状態へ戻る。つまり、出入口扉5の開放置を解除するための一連の操作を改めて実施させることになる。ここで第二認証操作が実行される前に戻ることで、上記第一認証操作を行った利用者が戻った場合には、出入口扉5を閉鎖することができる。
【0063】
なお、復帰者の復帰操作における計時部9による時間経過の監視は、上記エラー処理(S24)の回数判定にすることができる。例えば、復帰者による第二復帰認証操作における認証データの入力を複数回(例えば、3回)間違えると第二認証操作(S10)が実行される前の待機状態へ戻るようにできる。
【0064】
また、上記した第一認証操作(第一復帰認証操作)と第二認証操作(第二復帰認証操作)は、異なる方法、例えば、第一認証(第一復帰認証)を暗証番号データの入力で行ない、第二認証(第二復帰認証)をIDリモコンによるIDデータ送信で行うことなどができる。この場合、予め登録処理において、第一認証操作(第一復帰認証操作)の第一認証データ(第一復帰認証データ)と第二認証操作(第二復帰認証操作)の第二認証データ(第二復帰認証データ)を関連付けて登録しておく。そして、照合処理では、第一認証操作(第一復帰認証操作)での第一認証データ(第一復帰認証データ)に対応する第二認証操作(第二復帰認証操作)の第二認証データ(第2復帰認証データ)を第一認証データ(第一復帰認証データ)と照合するようにすればよい。
【0065】
このように、第1出入口扉閉鎖方法では、出入口扉5の開放前後において計時部9をスタートさせ、計時部9が所定時間を経過するまでは、第二認証操作の認証データが第一認証操作の認証データと一致しない場合でも第二認証操作を繰り返すことができる。よって、第二認証操作の入力ミスなどがあっても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく利用者自身によって出入口扉を閉鎖することが可能となる。
【0066】
また、第二認証操作の認証データが第一認証操作の認証データと一致せず、第二認証操作の認証データから登録者であることを確認できれば、計時部9が所定時間を経過していることを条件に出入口扉5の開放置と判定している。そして、第二認証操作を行った利用者を復帰者として出入口扉5の開放置を復帰させるようにしている。
【0067】
したがって、出入口扉5の開放置があったとしても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく、登録者である復帰者自身によって出入口扉5を適切に閉鎖して早期に出入口扉5の開放置を復帰させることが可能となる。
【0068】
(第2出入口扉閉鎖方法)
図5は、
図1に示す機械式駐車設備1における第2出入口扉閉鎖方法を示す入出庫フローの図面であり、
図3に示す第2フロー図に対応する第4フロー図である。この第2出入口扉閉鎖方法では、上記
図2及び
図4に示すフローは同一であるため、これらの図における説明は省略する。
【0069】
第2出入口扉閉鎖方法でも、上記
図2の「A」に続く
図5に示す「A」から第二認証操作が行われる(S30)。そして、第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとが照合される(S31)。この照合により第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとの照合結果が一致した場合には、出入口扉5が閉鎖されて(S32)、終了する。
【0070】
一方、上記第二認証操作の認証データが第一認証操作の認証データと一致しない場合、エラー処理となり(S33)、上記計時部9が所定時間を経過しているか否かが判定される(S34)。計時部9の所定時間も、例えば、「5分」のように任意時間に設定したり、「AM7:00〜AM10:00の間は3分」のように時間帯で設定したり、「日曜日は10分」のように曜日で設定することができる。
【0071】
計時部9の所定時間経過判定(S34)で所定時間を経過してない場合、上記第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻る。これにより、計時部9が所定時間を経過するまでは、例えば、第二認証が暗証番号の場合における入力ミス、第二認証がリモコンやIDカードの場合における読み取りエラーなどがあっても、再度、第二認証操作を行うことができる。
【0072】
一方、計時部9の所定時間経過判定(S34)で所定時間を経過している場合には、出入口扉5が開放されたままの開放置と判断され、出入口扉開放置解除モードとなる。この場合も、例えば、運転盤7に、「出入口扉の開放置が生じています。以下の操作を行って復帰操作を実行して下さい」などのメッセージを表示することができる。これにより、上記第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行うか否かの意思確認がなされる(S35)。第二認証操作を行った利用者が復帰操作を行わない場合、例えば、運転盤7に表示されている「復帰操作を行わない」などの表示を押すことで、上記第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻る。第二認証操作を行った利用者が復帰操作を行う場合、例えば、運転盤7に表示されている「復帰操作を行う」などの表示を押す。これにより、第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行う意思表示をしたことになる(S35)。
【0073】
上記第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行う場合、第二認証操作を行った利用者が機械式駐車設備1の登録者か否かが照合される(S36)。
【0074】
上記登録者か否かの照合で登録者ではないと判定された場合、復帰者による第一復帰認証操作が実行される(S37)。例えば、復帰者が第二認証操作で入力した認証データが誤っていた場合、ここで再度、第一復帰認証操作を行って認証することができる。そして、この第一復帰認証操作の認証データが登録者の認証データと一致するか否かが再度照合される(S38)。この照合でも、第一復帰認証操作の認証データが登録者の認証データと一致しない場合、エラー処理となって(S39)、上記第二認証操作(S30)が実行される前の待機状態へ戻る。ここで第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻ることで、上記第一認証操作を行った利用者が戻った場合には、出入口扉5を閉鎖することができる。
【0075】
一方、上記第一復帰認証操作の復帰認証データが登録者の認証データと一致した場合(S38)、復帰者による入出庫部3内の無人確認操作が実行される(S41)。
【0076】
また、上記第二認証操作を行った利用者が機械式駐車設備1の登録者か否かの照合で登録者の認証データと一致した場合(S36)、上記第二認証操作で入力された第二認証データが第一復帰認証操作の認証データとなり(S40)、その後、復帰者による入出庫部3内の無人確認操作が実行される(S41)。
【0077】
この例でも、復帰者による入出庫部3内の無人確認操作が実行されたことを、復帰者が入出庫部3内に入場し、入出庫部3内の物体検知センサ11〜14(
図1)で復帰者を検知し、出入口扉5の出入口扉外センサ15(
図1)で復帰者が入出庫部3から退場したことを検出することで確認できる(S41)。なお、入出庫部3内の無人確認は、入出庫部3内の死角となる箇所を映示する監視用モニタが備えられている場合、入出庫部3の外部で監視用モニタを用いて行ってもよい。
【0078】
また、この例でも、入出庫部3内の物体検知センサ11〜14で復帰者を検知したことで計時部9を再スタートさせている(S42)。この計時部9の再スタートも、物体検知センサ11〜14で復帰者を複数回検知した場合、最後の検知から計時部9を再スタートさせればよい。なお、入出庫部3の外部で監視用モニタを用いて無人確認を行う場合、上記計時部9の再スタートは以下の安全確認報知処理において行われる起動許可操作の時点で行えばよい。
【0079】
その後、図示する「B」から上記
図4の「B」へと続き、
図4に示すように、復帰者による安全確認報知処理が実行され(S20)、第二復帰認証操作が実行される(S21)。その後は、上記した
図4と同一の流れであるため説明は省略する。なお、(S42)で再スタートさせた計時部9の時間は、
図4に示す(S25)における所定時間を経過しているか否かの判定で用いられる。
【0080】
このように、第2出入口扉閉鎖方法でも、出入口扉5の開放置があったとしても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく、登録者である復帰者自身によって出入口扉5を適切に閉鎖して早期に出入口扉5の開放置を復帰させることが可能となる。
【0081】
(第3出入口扉閉鎖方法)
図6は、
図1に示す機械式駐車設備1における第3出入口扉閉鎖方法を示す入出庫フローの図面であり、
図3に示す第2フロー図に対応する第5フロー図である。この第3出入口扉閉鎖方法でも、上記
図2及び
図4に示すフローは同一であるため、これらの図における説明は省略する。
【0082】
第3出入口扉閉鎖方法でも、上記
図2の「A」に続く
図6に示す「A」から第二認証操作が行われる(S50)。そして、第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとが照合される(S51)。この照合により第二認証操作の認証データと第一認証操作の認証データとの照合結果が一致した場合には、出入口扉5が閉鎖されて(S52)、終了する。
【0083】
一方、上記第二認証操作の認証データが第一認証操作の認証データと一致しない場合、エラー処理となり(S53)、上記計時部9が所定時間を経過しているか否かが判定される(S54)。計時部9の所定時間も、例えば、「5分」のように任意時間に設定したり、「AM7:00〜AM10:00の間は3分」のように時間帯で設定したり、「日曜日は10分」のように曜日で設定することができる。
【0084】
計時部9の所定時間経過判定(S54)で所定時間を経過していない場合、上記第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻る。これにより、計時部9が所定時間を経過するまでは、例えば、第二認証が暗証番号の場合における入力ミス、第二認証がリモコンやIDカードの場合における読み取りエラーなどがあっても、再度、第二認証操作を行うことができる。
【0085】
一方、計時部9の所定時間経過判定(S54)で所定時間を経過している場合には、出入口扉5が開放されたままの開放置と判断され、出入口扉開放置解除モードとなる。この場合も、例えば、運転盤7に、「出入口扉の開放置が生じています。以下の操作を行って復帰操作を実行して下さい」などのメッセージを表示することができる。これにより、上記第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行うか否かの意思確認がなされる(S55)。第二認証操作を行った利用者が復帰操作を行わない場合、例えば、運転盤7に表示されている「復帰操作を行わない」などの表示を押すことで、上記第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻る。第二認証操作を行った利用者が復帰操作を行う場合、例えば、運転盤7に表示されている「復帰操作を行う」などの表示を押す。これにより、第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行う意思表示をしたことになる(S55)。
【0086】
上記第二認証操作を行った利用者が復帰者となって復帰操作を行う場合、その復帰者に対して第一復帰認証操作が求められる(S56)。例えば、運転盤7に、「出入口扉の開放置復帰操作を行うために、第一復帰認証操作を行って下さい。」などの表示がなされる。そして、復帰者が第一復帰認証操作を行うと、その第一復帰認証操作の認証データが登録者の認証データと一致するか否かが照合される(S57)。この照合で、第一復帰認証操作の認証データが登録者の認証データと一致しない場合、エラー処理となって(S58)、上記第二認証操作(S50)が実行される前の待機状態へ戻る。ここで第二認証操作が実行される前の待機状態へ戻ることで、上記第一認証操作を行った利用者が戻った場合には、出入口扉5を閉鎖することができる。
【0087】
一方、上記第一復帰認証操作の復帰認証データが登録者の認証データと一致した場合(S57)、復帰者による入出庫部3内の無人確認操作が実行される(S59)。この例でも、復帰者による入出庫部3内の無人確認操作が実行されたことを、復帰者が入出庫部3内に入場し、入出庫部3内の物体検知センサ11〜14(
図1)で復帰者を検知し、出入口扉5の出入口扉外センサ15(
図1)で復帰者が入出庫部3から退場したことを検出することで確認できる(S59)。なお、入出庫部3内の無人確認は、入出庫部3内の死角となる箇所を映示する監視用モニタが備えられている場合、入出庫部3の外部で監視用モニタを用いて行ってもよい。
【0088】
また、この例でも、入出庫部3内の物体検知センサ11〜14で復帰者を検知したことで計時部9を再スタートさせている(S60)。この計時部9の再スタートも、物体検知センサ11〜14で復帰者を複数回検知した場合、最後の検知から計時部9を再スタートさせればよい。なお、入出庫部3の外部で監視用モニタを用いて無人確認を行う場合、上記計時部9の再スタートは以下の安全確認報知処理において行われる起動許可操作の時点で行えばよい。
【0089】
その後、図示する「B」から上記
図4の「B」へと続き、
図4に示すように、復帰者による安全確認報知処理が実行され(S20)、第二復帰認証操作が実行される(S21)。その後は、上記した
図4と同一の流れであるため説明は省略する。なお、(S60)で再スタートさせた計時部9の時間は、
図4に示す(S25)における所定時間を経過しているか否かの判定で用いられる。
【0090】
このように、第3出入口扉閉鎖方法でも、出入口扉5の開放置があったとしても、管理者または保守作業員を呼ぶことなく、登録者である復帰者自身によって出入口扉5を適切に閉鎖して早期に出入口扉5の開放置を復帰させることが可能となる。
【0091】
なお、上記した第1〜第3出入口扉閉鎖方法における各々の処理や操作は、適宜省略・置き換えすることができる。例えば、予め登録者教育を行うことにより意思確認(S16、S35、S55)を省略したり、エラー処理(39、58)において第一復帰認証操作(37、56)の認証データが登録者の認証データと一致しない場合でも、第一復帰認証操作のやり直しを所定回数または適宜再スタートさせた計時部に基づいて所定時間内は受け付けるようにしたり、判定(S25)において所定時間を経過している場合の戻り先を、例えば第3出入口扉閉鎖方法の場合、復帰操作の意思確認(S55)の前として出入口扉開放置解除モードの操作を改めて実施させるようにすることができる。
【0092】
(総括)
以上のように、上記機械式駐車設備1の出入口扉閉鎖方法によれば、計時部の所定時間内は利用者による出入口扉5の閉鎖が可能であり、利用者による入力ミスなどがあっても出入口扉5を適切に閉鎖することができる。しかも、計時部の所定時間を経過して出入口扉5の開放置が生じたとしても、次の利用者が復帰者となって、利用者自身で第一復帰認証操作、起動許可操作及び第二復帰認証操作を行うことで、閉扉操作を実行することが可能となる。したがって、出入口扉5の開放置を復帰させるために管理者や保守作業員などによる作業を待つことがなくなり、次の利用者などの復帰者が出入口扉5の閉め忘れ開放置を早期に復帰させることができ、復帰のための時間を大幅に短縮することが可能となる。特に、利用者が乗車したまま入出庫部3から退出して出入口扉5の閉め忘れ開放置が起こりやすい出庫において、効果が期待できる。
【0093】
その上、最初の利用者が戻った場合も扉閉操作を実行することができ、利用者の利便性を向上させることができる。また、管理者などが解除コードを管理する必要もなくなり、この点でも利便性を向上させることが可能となる。
【0094】
なお、上記した実施形態では、機械式駐車設備1を利用する利用者と、その利用者による出入口扉5の閉め忘れを復帰させる復帰者による作業を説明したが、復帰者は1人とは限らず、1人目の復帰者が立ち去っても次の復帰者による復帰操作も可能であり、復帰者の人数は限られるものではない。
【0095】
また、上記した実施形態では、矩形状の入出庫部3の中央部分に車両配置部であるパレット6を配置するエレベータ式の機械式駐車設備1を例に説明したが、他の形式の機械式駐車設備における出入口扉閉鎖方法としても利用することができ、機械式駐車設備は上記実施形態に限定されるものではない。
【0096】
さらに、上記した実施形態における物体検知センサ10〜15の配置も一例を示しており、後部センサ14と出入口扉外センサ15とが一体となった構成や、左部センサ11、右部センサ12が1本となった構成、画像認識による物体検知センサなどが用いられた構成であってもよい。物体検知センサの構成などは、本発明の要旨を損なわない範囲で種々の構成を変更してもよく、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。