(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉するシャッターカーテンを有するシャッター装置を制御する制御システムに関するものである。
【0025】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、シャッター装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、窓シャッター、軽量シャッター等を電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置を含む概念である。また、シャッター装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また「シャッターカーテンの状態」とは、例えば、シャッターカーテンによって開口部を全閉した「全閉状態」と、シャッターカーテンによって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。なお、実施の形態では、全閉状態におけるシャッターカーテンの位置を「全閉位置」と称し、全開状態におけるシャッターカーテンの位置を「全開位置」と称する。以下、実施の形態では、シャッター装置が、戸建て住宅の如き建物の壁であって窓を有する壁に設けられた上下開閉式且つ電動式の窓シャッターである場合について説明する。
【0026】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0027】
(構成)
最初に、実施の形態に係る制御システムが適用されるシャッター装置の構成について説明する。以下の説明では、
図1のX方向をシャッター装置の左右方向又は幅方向(−X方向をシャッター装置の左方向、+X方向をシャッター装置の右方向)、
図1のY方向をシャッター装置の上下方向(+Y方向をシャッター装置の上方向、−Y方向をシャッター装置の下方向)、X方向及びY方向に直交する方向を前後方向と称する。
【0028】
図1に示すように、このシャッター装置1は、概略的に、シャッター収納部10、ガイドレール20、シャッターカーテン30、開閉機40、巻取軸(図示省略)、及び制御システム50を備えている。ただし、シャッター装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0029】
また、このシャッター装置1を構成する各装置の接続形態については、以下に示す通りとなる。すなわち、後述する制御システム50の制御装置130は、後述する開閉機40の制御部、シャッター側操作装置60、位置検知部90、及び回転数検知部100の各々と配線3を介して電気的に接続されていると共に、開閉機40は、後述する制御システム50の遠隔操作装置70と無線にて通信可能に接続されている。このような接続により、後述する制御システム50の制御装置130と、開閉機40、シャッター側操作装置60、位置検知部90、又は回転数検知部100との相互間で通信又は電力供給を行うことができると共に、開閉機40と、後述する制御システム50の遠隔操作装置70との相互間で通信を行うことができる。
【0030】
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部10は、シャッター装置1の各部を収納するための中空体である。
図1に示すように、このシャッター収納部10は、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、このシャッター収納部10の内部には、開閉機40及び巻取軸が収容されていると共に、巻取軸にてシャッターカーテン30が巻上げられた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部もシャッター収納部10の内部に収容される。また、このシャッター収納部10の具体的な構成については任意であるが、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成している。
【0031】
(構成−ガイドレール)
ガイドレール20は、シャッターカーテン30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、シャッター装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0032】
(構成−シャッターカーテン)
シャッターカーテン30は、巻取軸によって閉鎖移動又は開放移動されることで、シャッターカーテン30の状態を全開状態、全閉状態、又は半開状態とする遮蔽手段である。このシャッターカーテン30は、
図1に示すように、複数のスラット31を備えて構成されており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、このシャッターカーテン30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、このシャッターカーテン30の下端部には、座板32が接続されている。この座板32は、シャッターカーテン30の状態が全閉状態である場合において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0033】
(構成−開閉機)
開閉機40は、巻取軸を回転駆動することによってシャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させる開閉移動手段である。この開閉機40は、例えば公知の開閉機等によって構成されており、出力軸、駆動部、電源部、受信部、及び制御部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。また、
図1に示すように、この開閉機40の内部には、制御システム50の後述する防犯部80、後述する位置検知部90、後述する回転数検知部100、及び後述する制御装置130が収容されている。
【0034】
このうち、出力軸は、駆動部から伝達された回転力を巻取軸に伝達するためのものである。駆動部は、出力軸を電動で回転させることにより、シャッターカーテン30を駆動させる駆動手段であり、例えばステッピングモータ等の公知の駆動手段を用いて構成されている。電源部は、図示しない商用電源から供給された電力を、開閉機40の各部に供給する電源手段である。受信部は、遠隔操作装置70から送信された情報を受信する受信手段であり、例えば公知の無線用の通信手段を用いて構成されている。制御部は、開閉機40の各部を制御する制御手段であると共に、後述する制御システム50の制御装置130からの出力に基づいてシャッターカーテン30の開閉制御を行う制御手段である。
【0035】
(構成−巻取軸)
巻取軸は、シャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させるための回動軸である。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸にはシャッターカーテン30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介してシャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させることができる。また、この巻取軸の左端部(又は右端部)がチェーン(図示省略)を介して開閉機40の出力軸に連結されているので、開閉機40の出力軸の回転に伴って巻取軸を回転させることができる。
【0036】
(構成−制御システム)
次に、制御システム50の構成について説明する。
図1に示すように、制御システム50は、シャッター側操作装置60、遠隔操作装置70、防犯部80、位置検知部90、回転数検知部100、及び制御装置130を備えている。
【0037】
(構成−制御システム−シャッター側操作装置)
シャッター側操作装置60は、シャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段である。このシャッター側操作装置60は、例えば公知の有線式の操作装置等を用いて構成されており、シャッターカーテン30を電動で開放移動させる開放ボタン、電動で閉鎖移動させる閉鎖ボタン、及び電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる停止ボタンを備えている(いずれも図示省略)。これら開放ボタン、閉鎖ボタン、又は停止ボタンがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたボタンに応じた操作信号(すなわち、開放信号、閉鎖信号、停止信号)を制御装置130を介して開閉機40に出力することで、開閉機40によってシャッターカーテン30が電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいはシャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動を電動で停止させることができる。
【0038】
(構成−制御システム−遠隔操作装置)
遠隔操作装置70は、シャッター装置1を遠隔操作するための遠隔操作手段である。この遠隔操作装置70は、例えば公知のシャッター装置用のリモコン等を用いて構成されており、
図2に示すように、ユーザによって所持されており、操作部71、送信部72、電源部73、制御部74、及び記憶部75を備えている。
【0039】
(構成−制御システム−遠隔操作装置−操作部)
操作部71は、各種の情報に関する操作入力を受け付けるための操作手段である。この操作部71は、例えばハードスイッチやタッチパネル等の公知の操作手段を用いて構成されており、シャッター側操作装置60と同様に、開放ボタン、閉鎖ボタン、及び停止ボタンを備えていることに加えて、遠隔操作装置70の各種の設定を行うための設定ボタンを備えている(いずれも図示省略)。
【0040】
(構成−制御システム−遠隔操作装置−送信部)
送信部72は、制御装置130との間での各種の情報を送信するための送信手段であり、例えば公知の無線用の通信手段を用いて構成されている。
【0041】
(構成−制御システム−遠隔操作装置−電源部)
電源部73は、図示しない電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、遠隔操作装置70の各部に供給する電源手段である。
【0042】
(構成−制御システム−遠隔操作装置−制御部)
制御部74は、遠隔操作装置70の各部を制御する制御手段である。この制御部74は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、後述する制御装置130の制御部134の構成についても同様とする)。
【0043】
(構成−制御システム−遠隔操作装置−記憶部)
記憶部75は、遠隔操作装置70の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、識別情報等)を記憶する記憶手段である。この記憶部75は、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述する制御装置130の記憶部135の構成についても同様とする)。また、この記憶部75は、
図2に示すように、設定操作信号テーブル75aを備えている。
【0044】
(構成−制御システム−遠隔操作装置−記憶部−設定操作信号テーブル)
図2の設定操作信号テーブル75aは、設定操作信号情報を格納する設定操作信号情報格納手段である。ここで、「設定操作信号情報」とは、遠隔操作装置70から出力される信号のうち、後述する設定モードに関する操作信号(以下、「設定操作信号」と称する)を示す情報である。
【0045】
図3に示すように、設定操作信号テーブル75aは、項目「操作内容」、及び項目「設定操作信号」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「操作内容」に対応する情報は、設定操作信号に関する操作内容を示す操作内容情報であり、例えば、
図3に示すように、「設定ボタンを10秒間長押し」、「設定ボタン及び停止ボタンを3秒間長押し」、「停止ボタンを15秒間長押し」、「停止ボタンを3回押し」、「停止ボタンを3秒間長押し」等が該当する。また、項目「設定操作信号」に対応する情報は、設定操作信号情報であり、例えば、
図3に示すように、「登録台数報知信号」、「個別削除信号」、「仮書き換え登録信号」、「仮登録信号」、「本登録信号」等が該当する。このうち、「登録台数報知信号」とは、後述する登録台数報知処理の実行を指示する信号である。また、「個別削除信号」とは、後述する個別削除処理の実行を指示する信号である。また、「仮書き換え登録信号」とは、後述する仮書き換え登録処理の実行を指示する信号である。また、「仮登録信号」とは、後述する仮登録処理の実行を指示する信号である。また、「本登録信号」とは、後述する本登録処理の実行を指示する信号である。
【0046】
ここで、設定操作信号の送信方法については任意であるが、実施の形態では、以下の通りとなる。すなわち、まず、遠隔操作装置70の操作部71を介して所定操作が受け付けられた場合には、設定操作信号テーブル75aに格納されている操作内容情報の中から当該所定操作に対応する操作内容情報を抽出する。次いで、設定操作信号テーブル75aに格納されている設定操作信号情報の中から、上記抽出した操作内容情報に対応する設定操作信号情報を抽出する。そして、上記抽出された設定操作信号情報及び遠隔操作装置70の記憶部75に記憶されている識別情報を含む信号を、設定操作信号として送信する。
【0047】
(構成−制御システム−防犯部)
防犯部80は、建物を防犯するための防犯動作を実行する防犯手段である。この防犯部80は、
図1に示すように、開閉機40(特に、開閉機40の駆動部)の近傍に設けられており、ロック部(図示省略)を備えている。このロック部は、シャッターカーテン30を開閉移動不能にロックするロック手段であり、例えば公知のシャッター装置用の防犯ロック(一例として、励磁ロック等)を用いて構成されている。
【0048】
また、防犯部80の具体的な動作については任意であるが、実施の形態では、「防犯部80の機能を有効にする」ことと、「防犯部80の機能を無効にする」こと等が該当する。ここで、「防犯部80の機能を有効にする」とは、実施の形態では、所定操作が行われることによりロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態になることを意味する。また、「所定操作」とは、シャッターカーテン30の開閉移動の制限を指示する制限指示に対応する操作を意味する。また、この「所定操作」の具体的な内容については任意であるが、実施の形態では、シャッターカーテン30の開閉移動を所定量だけ行うことが該当する。なお、この「シャッターカーテン30の開閉移動を所定量だけ」行ったか否かの特定方法については任意である、実施の形態では、後述する回転数検知部100(又は後述する位置検知部90)を参照しながら、手動等でシャッターカーテン30を開閉移動させた場合の移動量が所定量に達したか否かに基づいて特定する。また、「防犯部80の機能を無効にする」とは、実施の形態では、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされない状態になることを意味する。
【0049】
このような防犯部80により、比較的簡易な構造で構成することができると共に、建物の防犯性も比較的確保しやすいことから、建物の防犯性を向上させながら、防犯部80をシャッター装置1に容易に組み込むことができる。
【0050】
(構成−制御システム−位置検知部、回転数検知部)
位置検知部90は、シャッターカーテン30の位置(具体的には、シャッターカーテン30の下端部の位置)を検知し、当該検知した位置を示す信号(以下、「位置信号」と称する)を所定周期で出力するための検知手段である。回転数検知部100は、開閉機40の駆動部の回転数(以下、「駆動部の回転数」と称する。)を検知し、当該検知した回転数を示す信号(以下、「回転数信号」と称する)を所定周期で出力するための検知手段である。これら位置検知部90及び回転数検知部100の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、位置検知部90及び回転数検知部100の両方の機能を有するホールIC等を用いて構成されている。ただし、これに限られず、例えば、位置検知部90がエンコーダ(又はポテンションメータ)等を用いて構成され、回転数検知部100がタコジェネレータ等を用いて構成されてもよい。
【0051】
ここで、実施の形態では、上限リミットスイッチ及び下限リミットスイッチを設けていないので、後述する開閉モード処理を実行するためには、全開位置(上限位置)及び全閉位置(下限位置)を設定する必要がある。これら全開位置及び全閉位置を設定する方法(以下、「リミット設定方法」と称する)については任意であるが、例えば、以下に示す通りとなる。すなわち、まず、ユーザがシャッター側操作装置60を介して所定操作を行うことで、シャッター装置1の動作モードを通常のモードから全開位置及び全閉位置を設定するモード(以下、「リミット設定モード」と称する)に切り替える。次に、リミット設定モードの状態において、シャッター側操作装置60の開放ボタンを操作することで、シャッターカーテン30の状態を全開状態になるようにシャッターカーテン30を開放移動させる。次いで、シャッターカーテン30の下端部(シャッターカーテン30の閉鎖方向側の端部)がまぐさと当接することにより、開閉機40の駆動部の電圧値又は電流値(つまり、駆動部の負荷量)が閾値に達することで、位置検知部90から取得した位置信号に対応するシャッターカーテン30の位置を全開位置として設定する。次に、シャッター側操作装置60の閉鎖ボタンを操作することで、シャッターカーテン30の状態が全閉状態になるようにシャッターカーテン30を閉鎖移動させる。この場合において、シャッターカーテン30の閉鎖移動中に回転数検知部100によって検知された駆動部の回転数が所定数に達した場合には、シャッターカーテン30の閉鎖移動を自動で停止させて、シャッターカーテン30の状態が全開状態になるようにシャッターカーテン30を自動で開放移動させた後、シャッターカーテン30の状態が全閉状態になるようにシャッターカーテン30を自動で再び閉鎖移動させる(なお、この一連の制御が複数回繰り返される場合がある)。続いて、シャッターカーテン30の下端部が床面と当接することにより、開閉機40の駆動部の電圧値又は電流値(つまり、駆動部の負荷量)が閾値に達することで、位置検知部90から取得した位置信号に対応するシャッターカーテン30の位置を全閉位置として設定する。
【0052】
(構成−制御システム−制御装置)
次に、制御装置130の構成について説明する。制御装置130は、
図2に示すように、入力部131、出力部132、電源部133、制御部134、及び記憶部135を備えている。
【0053】
(構成−制御システム−制御装置−入力部)
入力部131は、操作信号、設定操作信号、位置信号、回転数信号、又は障害物検知信号の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。
【0054】
(構成−制御システム−制御装置−出力部)
出力部132は、信号を開閉機40又は防犯部80に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。
【0055】
(構成−制御システム−制御装置−電源部)
電源部133は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置130の各部に供給すると共に、シャッター側操作装置60、防犯部80、位置検知部90、及び回転数検知部100にも供給する電源手段である。
【0056】
(構成−制御システム−制御装置−制御部)
制御部134は、制御装置130の各部を制御する制御手段であり、
図2に示すように、機能概念的に、防犯制御部134a及び切替制御部134bを備えている。
【0057】
防犯制御部134aは、防犯部80を制御する防犯制御手段である。
【0058】
切替制御部134bは、シャッター装置1の制御モードを、設定モードと、動作モードとに切替える切替制御手段である。ここで、「設定モード」とは、シャッター装置1の制御モードのうち、遠隔操作装置70を一意に識別する識別情報(例えば、IDコード等)の設定を行うためのモードである。また、「動作モード」とは、シャッター装置1の制御モードのうち、設定モードとは異なるモードを意味し、実施の形態では、開閉モード及び復帰モード等を含む概念である。このうち、「開閉モード」とは、シャッター装置1に識別情報が登録されている遠隔操作装置70を介して受け付けられた操作指示に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を行うモードである。また、「復帰モード」とは、制御モードが開閉モードである場合においてシャッター装置1の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合のモードである。なお、この制御部134によって実行される処理の詳細については後述する。
【0059】
(構成−制御システム−制御装置−記憶部)
記憶部135は、制御装置130の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、ログ情報や識別情報等)を記憶する記憶手段であり、
図2に示すように、設定モード処理テーブル135aを備えている。
【0060】
(構成−制御システム−制御装置−記憶部−設定モード処理テーブル)
図2の設定モード処理テーブル135aは、設定モード処理情報を格納する設定モード処理情報格納手段である。ここで、「設定モード処理情報」とは、設定モードにおいて実行される処理の内容を示す情報である。
【0061】
図4に示すように、設定モード処理テーブル135aは、項目「設定操作信号」、及び項目「設定モード処理」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「設定操作信号」に対応する情報は、設定操作信号情報である。また、項目「設定モード処理」に対応する情報は、設定モード処理情報であり、例えば、
図4に示すように、「登録台数報知処理」、「個別削除処理」、「仮書き換え登録処理」、「仮登録処理」、「本登録処理」等が該当する。このうち、「登録台数報知処理」とは、記憶部135に識別情報が登録されている遠隔操作装置70の台数を報知する処理である。また、「個別削除処理」とは、記憶部135に登録されている識別情報を個別に削除する処理である。また、「仮書き換え登録処理」とは、記憶部135に登録されている識別情報を全て削除し、新たに識別情報を登録する処理である。また、「仮登録処理」とは、識別情報を記憶部135に仮登録する処理である。また、「本登録処理」とは、仮書き換え登録処理又は仮登録処理にて仮登録された識別情報を記憶部135に本登録する処理である。
【0062】
(制御処理)
次に、このように構成されたシャッター装置1によって実行される制御処理について説明する。以下の説明では、
図5から
図9に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。制御処理は、シャッター装置1を制御するための処理である。この制御処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、開閉機40、並びに、制御システム50のシャッター側操作装置60、遠隔操作装置70、防犯部80、位置検知部90、回転数検知部100、及び制御装置130の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
【0063】
制御処理が起動されると、
図5に示すように、SA1において制御装置130の切替制御部134bは、シャッター装置1の状態が出荷された時の状態(以下、「出荷時状態」と称する)か否かを判定する。この出荷時状態であるか否かの判定方法については任意であるが、例えば、制御装置130の記憶部135に記憶されているログ情報の中に過去に全開位置及び全閉位置を設定した旨を示すログ情報が存在するか否かに基づいて判定し、全開位置等を設定した旨を示すログ情報が存在しない場合には出荷時状態であると判定し、全開位置等を設定した旨を示すログ情報が存在する場合には出荷時状態でないと判定する。そして、制御装置130の切替制御部134bは、出荷時状態であると判定された場合(SA1、Yes)にイニシャライズモード処理(SA2)を起動させ、出荷時状態でないと判定された場合(SA1、No)に復帰モード処理(SA3)を起動させる。
【0064】
(制御処理−イニシャライズモード処理)
次に、
図5のイニシャライズモード処理(SA2)について説明する。イニシャライズモード処理は、イニシャライズモードに対応する制御を行うための処理である。ここで、「イニシャライズモード」とは、制御装置130の制御モードのうち、設定モード及び動作モードとは異なるモードであって、識別情報が登録されていない遠隔操作装置70(以下、「非登録遠隔操作装置70」と称する)の初期設定や識別情報が登録されている遠隔操作装置70(以下、「登録遠隔操作装置70」と称する)の再設定を行うためのモードである。また、このイニシャライズモード処理の前提としては、制御装置130の記憶部135に、全開位置及び全閉位置を示す情報が記憶されていないものとする。
【0065】
イニシャライズモード処理が起動されると、
図6に示すように、SB1において制御装置130の防犯制御部134aは、防犯部80の機能を無効にすることで、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされない状態にさせる。このような制御を行う理由は、防犯部80の機能を有効にした場合に、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態になるので、非登録遠隔操作装置70の初期設定(具体的には、識別情報や全開位置及び全閉位置の設定等)又は登録遠隔操作装置70の再設定(具体的には、識別情報や全開位置及び全閉位置の再設定等)に関する作業が防犯部80によって阻害されるおそれがあることから、このような問題を回避するためである。なお、イニシャライズモード処理が起動されるタイミングについては、非登録遠隔操作装置70の初期設定を行う場合には、シャッター装置1が設置された直後又はその近傍のタイミングであることが多く、登録遠隔操作装置70の再設定を行う場合には、例えば建物の施工業者等が当該再設定を行うことから、防犯部80の機能を無効にしても、不審者等がシャッターカーテン30を手動で開放移動させることで建物に侵入する可能性が低いと考えられる。
【0066】
SB2において制御装置130の制御部134は、設定タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、「設定タイミング」とは、識別情報を設定するタイミングを意味する。この設定タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、制御処理が起動されてから(電源投入されてから)所定時間(例えば、5min等)経過したか否か、又は遠隔操作装置70(具体的には、非登録遠隔操作装置70又は登録遠隔操作装置70)を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定し、所定時間経過していない場合又は所定操作が受け付けられた場合には設定タイミングが到来したと判定し、所定時間経過した場合又は所定操作が受け付けられていない場合には設定タイミングが到来していないと判定する。この所定操作の具体的な内容については任意であるが、実施の形態では、遠隔操作装置70の設定ボタンを所定時間(例えば、3sec等)長押しすること等が該当する。そして、制御装置130の制御部134は、設定タイミングが到来したと判定された場合(SB2、Yes)にはSB3に移行し、設定タイミングが到来していないと判定された場合(SB2、No)にはSB6に移行する。
【0067】
SB3において制御装置130の切替制御部134bは、所定操作が受け付けられたか否かを判定する。ここで、「所定操作」とは、制御モードの切り替えを指示する切替指示に対応する操作を意味する(なお、後述する復帰モード処理のSC3、開閉モード処理のSD6についても同様とする)。
【0068】
また、この所定操作が受け付けられたか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態では、SB3の処理時に取得した回転数検知部100の検知結果を参照しながら、手動等でシャッターカーテン30を開閉移動させた際の移動量が所定量(例えば、1パルス等)に達したか否かに基づいて判定し、所定量に達した場合には所定操作が受け付けられたと判定し、所定量に達していない場合には所定操作が受け付けられていないと判定する(なお、後述する復帰モード処理のSC3についても同様とする)。なお、この「所定量」は、実施の形態では、上述した制限指示の「所定量」と同一に設定されているが、これに限られず、例えば、異なるように設定されてもよい(一例として、切替指示の「所定量」が制限指示の「所定量」よりも小さく設定される等)。これにより、1つの検知手段(具体的には、回転数検知部100)を用いて制限指示及び切替指示を検知でき、制限指示を検知する検知手段及び切替指示を検知する検知手段をそれぞれ設ける場合に比べて、部品数や設置コストを低減することができる。特に、回転数検知部100をシャッターカーテン30の移動量を検知する公知のセンサを用いて構成でき、設置コストを一層低減することができる。
【0069】
そして、制御装置130の切替制御部134bは、所定操作が受け付けられたと判定された場合(SB3、Yes)には、その旨を示す情報(以下、「報知情報」と称する)を出力した後に、防犯部80の機能を無効とした状態を維持しながら、設定モード処理(SB4)を起動させる(すなわち、制御モードをイニシャライズモードから設定モードに切り替える)。一方、所定操作が受け付けられていないと判定された場合(SB3、No)にはSB5に移行する。
【0070】
ここで、報知情報を出力する方法(以下、「報知情報出力方法」と称する)については任意であるが、実施の形態では、開閉機40の駆動部がステッピングモータで構成されていることから、駆動部に対して所定の周波数の信号を出力することによって駆動部を振動させて、当該振動に伴う駆動部の周辺部材(例えば、開閉機40のケース等)との共鳴音を発生させることにより音声出力する。なお、報知情報出力方法を実行する場合に、駆動部を振動させるので、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態を維持することが難しいと考えられる。よって、実施の形態では、報知情報出力方法は、防犯部80の機能を有効にした状態では実行しないこととし、防犯部80の機能を無効にした状態でのみ実行することとする。
【0071】
SB5において制御装置130の制御部134は、制御処理が起動されてから所定時間(例えば、5min等)又はSB2にて遠隔操作装置70を介して所定操作が受け付けられてから所定時間(例えば、1min等)のいずれかが経過したか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、上記所定時間のいずれかが経過していないと判定された場合(SB5、No)にはSB3に移行し、上記所定時間のいずれかが経過していると判定された場合(SB5、Yes)にはSB2に移行する。
【0072】
SB6において制御装置130の切替制御部134bは、開閉タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、「開閉タイミング」とは、後述する開閉モード処理を行うタイミングを意味する。また、この開閉タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、上記リミット設定方法を用いて全開位置及び全閉位置が設定(又は再設定)されたか否かに基づいて判定し、全開位置及び全閉位置が設定(又は再設定)された場合には開閉タイミングが到来したと判定し、全開位置及び全閉位置が設定(又は再設定)されていない場合には開閉タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置130の切替制御部134bは、開閉タイミングが到来していないと判定された場合(SB6、No)にはSB2に移行する。一方、開閉タイミングが到来していると判定された場合(SB6、Yes)には、防犯部80の機能を無効とした状態を維持しながら、開閉モード処理(SB7)を起動させる(すなわち、制御モードをイニシャライズモードから開閉モードに切り替える)。なお、実施の形態では、SB2の設定タイミングが到来している場合に開閉タイミングが到来した場合には、開閉モード処理(SB7)を起動させてもよい。
【0073】
このようなイニシャライズモード処理により、全開位置及び全閉位置を設定したり、又は設定モード処理を起動させることができるので、非登録遠隔操作装置70の初期設定又は登録遠隔操作装置70の再設定を直接的又は間接的に行うことが可能となる。
【0074】
(制御処理−復帰モード処理)
次に、
図5の復帰モード処理(SA3)について説明する。復帰モード処理は、登録遠隔操作装置70又は非登録遠隔操作装置70を用いて復帰モードに対応する制御を行うための処理である。また、この復帰モード処理の前提としては、制御装置130の記憶部135に記憶される情報のうち、復帰モード処理の前の処理にて設定されていた全開位置及び全閉位置を示す情報が消滅しているものとする。
【0075】
復帰モード処理が起動されると、
図7に示すように、SC1において制御装置130の制御部134は、設定タイミングが到来したか否かを判定する。この設定タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、制御処理が起動されてから所定時間(例えば、5min等)経過したか否かに基づいて判定し、所定時間経過していない場合には設定タイミングが到来したと判定し、所定時間経過した場合には設定タイミングが到来していないと判定する。ここで、上記判定方法において、イニシャライズモード処理のSB2の設定タイミングが到来したか否かの判定方法のように、遠隔操作装置70(具体的には、非登録遠隔操作装置70又は登録遠隔操作装置70)を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定しない理由は、以下の通りである。すなわち、復帰モード処理が起動された状況下においては、不審者がシャッターカーテン30を手動で開放移動させて建物の侵入する恐れがあると共に、不審者が非登録遠隔操作装置70を用いて識別情報の登録等を行うおそれがあるので、設定タイミングをできるだけ限定することにより、このような問題が生じることを回避するためである。
【0076】
そして、制御装置130の制御部134は、設定タイミングが到来したと判定された場合(SC1、Yes)にはSC2に移行し、設定タイミングが到来していないと判定された場合(SC1、No)にはSC5に移行する。
【0077】
SC2において制御装置130の防犯制御部134aは、防犯部80の機能を有効にすることで、所定操作が行われることによりロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態にさせる。このような制御を行う理由は、防犯部80の機能を無効にした場合に、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされない状態になるので、例えば、不審者等がシャッターカーテン30を手動で開放移動させることで建物に侵入するおそれがあることから、このような問題を回避するためである。このような処理により、復帰モードに適した条件に基づいて、防犯部80の機能を有効にすることができ、復帰モードにおいて、シャッター装置1の使用性を維持しながら、建物の防犯性を向上させることができる。
【0078】
SC3において制御装置130の切替制御部134bは、所定操作が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の切替制御部134bは、所定操作が受け付けられたと判定された場合(SC3、Yes)には設定モード処理(SB4)を起動させる(すなわち、制御モードを復帰モードから設定モードに切り替える)。この場合には、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされた状態となる。一方、所定操作が受け付けられていないと判定された場合(SC3、No)にはSC4に移行する。
【0079】
SC4において制御装置130の制御部134は、制御処理が起動されてから所定時間(例えば、5min等)経過したか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、所定時間が経過していないと判定された場合(SC4、No)にはSC3に移行し、所定時間が経過していると判定された場合(SC4、Yes)にはSC1に移行する。
【0080】
SC5において制御装置130の防犯制御部134aは、防犯部80の機能を有効にすることで、所定操作が行われることによりロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態にさせる。
【0081】
SC6において制御装置130の切替制御部134bは、開閉タイミングが到来したか否かを判定する。この開閉タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、復帰動作が行われたか否かに基づいて判定し、復帰動作が行われた場合には開閉タイミングが到来したと判定し、復帰動作が行われていない場合には開閉タイミングが到来していないと判定する。この復帰動作の具体的な内容については任意であるが、例えば、シャッター側操作装置60を用いてシャッターカーテン30を開放移動させることでシャッターカーテン30の下端部をまぐさと当接させることにより、SC6の処理時に取得した回転数検知部100の検知結果に基づいて開閉機40の駆動部に所定量の負荷が特定された後に、シャッターカーテン30を所定量閉鎖移動させること等が該当する。なお、この復帰動作中において、防犯部80の機能を有効にした状態を維持するものの、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態にさせないものとする。
【0082】
そして、制御装置130の切替制御部134bは、開閉タイミングが到来していないと判定された場合(SC6、No)にはSC7に移行する。一方、開閉タイミングが到来したと判定された場合(SC6、Yes)には、防犯部80の機能を有効とした状態を維持しながら、開閉モード処理(SB7)を起動させる(すなわち、制御モードを復帰モードから開閉モードに切り替える)。なお、実施の形態では、SC1の設定タイミングが到来している場合に開閉タイミングが到来した場合には、開閉モード処理(SB7)を起動させてもよい。
【0083】
SC7において制御装置130の切替制御部134bは、イニシャライズタイミングが到来したか否かを判定する。ここで、「イニシャライズタイミング」とは、イニシャライズモード処理を行うタイミングを意味する。また、このイニシャライズタイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、遠隔操作装置70を介して行われた所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定し、所定操作が受け付けられた場合にはイニシャライズタイミングが到来したと判定し、所定操作が受け付けられていない場合にはイニシャライズタイミングが到来していないと判定する(なお、後述する開閉モード処理のSD8についても同様とする)。そして、制御装置130の切替制御部134bは、イニシャライズタイミングが到来していないと判定された場合(SC7、No)にはSC1に移行する。一方、イニシャライズタイミングが到来したと判定された場合(SC7、Yes)には、イニシャライズモード処理(SA2)を起動させる。
【0084】
このような復帰モード処理により、設定モード処理、開閉モード処理、又はイニシャライズモード処理を起動させることができるので、シャッター装置1の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合に、ユーザの状況に応じた処理を行うことができる。
【0085】
(制御処理−開閉モード処理)
次に、
図6、
図7の開閉モード処理(SB7)について説明する。開閉モード処理は、登録遠隔操作装置70を用いて開閉モードに対応する制御を行うための処理である。
【0086】
開閉モード処理が起動されると、
図8に示すように、SD1において制御装置130の防犯制御部134aは、位置検知部90の検知結果に基づいて、シャッターカーテン30の下端部(シャッターカーテン30の閉鎖方向側の端部)の位置が通行不可能位置に位置するか否かを判定する。ここで、「通行不可能位置」とは、シャッターカーテン30によって開口部2の一部のみを開放した状態であって当該開口部2の一部を人が通行できない状態となる位置を意味し、例えば、全閉位置から上方に300mm離れた位置に至る範囲の位置等が該当する。そして、SD1において制御装置130の防犯制御部134aは、シャッターカーテン30の下端部が通行不可能位置に位置すると判定された場合(SD1、Yes)にはSD2に移行し、シャッターカーテン30の下端部が通行不可能位置に位置しないと判定された場合(SD1、No)にはSD3に移行する。
【0087】
SD2において制御装置130の防犯制御部134aは、防犯部80の機能を有効にすることで、所定操作が行われることによりロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態にさせた後、SD4に移行する。
【0088】
SD3において制御装置130の防犯制御部134aは、防犯部80の機能を無効にすることで、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされない状態にさせた後、SD4に移行する。このようなSD1からSD3の処理により、開閉モードに適した条件(例えば、シャッターカーテンの状態等)に基づいて、防犯部80の機能を有効にすることができ、開閉モードにおいて、シャッター装置1の使用性を維持しながら、建物の防犯性を向上させることができる。
【0089】
SD4において制御装置130の制御部134は、設定タイミングが到来したか否かを判定する。この設定タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、遠隔操作装置70(具体的には、登録遠隔操作装置70)を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定し、所定操作が受け付けられた場合には設定タイミングが到来したと判定し、所定操作が受け付けられていない場合には設定タイミングが到来していないと判定する。また、この所定操作の具体的な内容については任意であるが、実施の形態では、遠隔操作装置70の設定ボタンを所定時間(例えば、3sec等)長押しすること等が該当する。ここで、上記判定方法を採用した理由は、以下の通りである。すなわち、開閉モード処理は、制御処理の各種の処理の中で実行される頻度が多い処理であることから、当該処理中におけるユーザのニーズに応じたタイミングで設定タイミングが到来したか否かを決定できるようにするためである。また、仮に開閉モード処理が起動されてから所定時間経過したか否かに基づいて判定することにすると、開閉モード処理においては、後述するSD10においてシャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動が行われるので、開閉モード処理が起動されてから所定時間経過する前にシャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動が行われた場合には、ユーザが意図していないにも関わらず、設定タイミングが到来したと判定されて設定モード処理が起動してしまうおそれがあることから、このような問題が生じることを回避するためである。
【0090】
そして、制御装置130の制御部134は、設定タイミングが到来したと判定された場合(SD4、Yes)にはSD5に移行し、設定タイミングが到来していないと判定された場合(SD4、No)にはSD8に移行する。
【0091】
SD5において制御装置130の防犯制御部134aは、防犯部80の機能を無効にすることで、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされない状態にさせる。これにより、設定タイミングが到来したことをトリガとして、防犯部80の機能を無効にでき、開閉モードにおいて、建物の防犯性を確保しながら、シャッター装置1の使用性を向上させることができる。
【0092】
SD6において制御装置130の切替制御部134bは、所定操作が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の切替制御部134bは、所定操作が受け付けられたと判定された場合(SD6、Yes)には、上述した報知情報出力方法を用いて報知情報を出力した後に、設定モード処理(SB4)を起動させ(すなわち、制御モードを開閉モードから設定モードに切り替え)、所定操作が受け付けられていないと判定された場合(SD6、No)にはSD7に移行する。
【0093】
SD7において制御装置130の制御部134は、制御処理が起動されてから所定時間(例えば、1min等)経過したか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、所定時間が経過していないと判定された場合(SD7、No)にはSD6に移行し、所定時間が経過していると判定された場合(SD7、Yes)にはSD1に移行する。
【0094】
SD8において制御装置130の切替制御部134bは、イニシャライズタイミングが到来したか否かを判定する。そして、制御装置130の切替制御部134bは、イニシャライズタイミングが到来していないと判定された場合(SD8、No)にはSD9に移行する。一方、イニシャライズタイミングが到来したと判定された場合(SD8、Yes)には、設定された全開位置等を削除した後にイニシャライズモード処理(SA2)を起動させる。
【0095】
SD9において制御装置130の制御部134は、入力部131よって閉鎖信号、開放信号、停止信号、又は障害物検知信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、閉鎖信号等の入力が受け付けられたと判定された場合(SD9、Yes)、SD10に移行し、閉鎖信号等の入力が受け付けられていないと判定された場合(SD9、No)にSD1に移行する。
【0096】
SD10において制御装置130の制御部134は、開閉機40によって、SD9にて入力が受け付けられた閉鎖信号、開放信号、停止信号、又は障害物検知信号に基づいて、シャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいは、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる。その後、制御装置130の制御部134は、SD9に移行する。
【0097】
ここで、SD9にて閉鎖信号、開放信号、又は停止信号の入力が受け付けられた場合には、以下に示す方法で制御が行われる。すなわち、SD9にて閉鎖信号又は開放信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の出力部132を介して開閉機40に向けて制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部を駆動させることで、シャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動させる。なお、SD10において、SD10の処理直前で防犯部80の機能を有効にした状態である場合には、その状態を維持するものの、シャッターカーテン30の開閉移動中にはロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態にさせないものとする。この場合において、例えば、SD9にて閉鎖信号又は開放信号の入力が受け付けられた後に操作者がシャッター側操作装置60又は遠隔操作装置70の閉鎖ボタン又は開放ボタンを操作することなくシャッターカーテン30を電動で閉鎖移動又は開放移動できるように、入力部131による閉鎖ボタン又は開放ボタンの入力の受け付けが停止した場合においても、制御装置130の出力部132を介して開閉機40に向けて制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部を駆動させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動又は開放移動を継続させてもよい。そして、シャッターカーテン30が電動で閉鎖移動又は開放移動している場合に、停止信号の入力が受け付けられた場合には、出力部132を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる。
【0098】
また、入力部131によって障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、以下に示す方法で制御が行われる。すなわち、シャッターカーテン30が電動で閉鎖移動している場合に、シャッターカーテン30の下端部が部屋の床面と接触したことにより、入力部131によって障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、制御装置130の出力部132を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を一旦停止させる。次いで、シャッターカーテン30の下端部の位置が現状の位置よりも上方位置となるように、開閉機40の駆動部を所定時間駆動させる。そして、再び開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を停止させる(いわゆる「タッチアップ動作」を行う)。あるいは、これに限られず、入力部131によって障害物検知信号の入力が受け付けられた場合には、出力部132を介して開閉機40に制御信号を出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させることで、シャッターカーテン30の電動による閉鎖移動を停止させてもよい(いわゆる「タッチストップ動作」を行う)。なお、タッチアップ動作又はタッチストップ動作が行われた場合には、SD9の閉鎖信号又は開放信号の入力が受け付けられるまで、シャッターカーテン30を停止させた状態を維持する。このような処理により、例えば、シャッターカーテン30によって開口部2を通行する通行対象又は障害物に危害が加えられることを回避できる。
【0099】
このような開閉モード処理により、設定モード処理又はイニシャライズモード処理を起動させることができると共に、シャッター側操作装置60又は遠隔操作装置70を用いたシャッターカーテン30の開閉移動を行うことができるので、全開位置及び全閉位置が設定されている場合において、ユーザの状況に応じた処理を行うことができる。
【0100】
(制御処理−設定モード処理)
次に、
図9の設定モード処理(SB4)について説明する。設定モード処理は、非登録遠隔操作装置70又は登録遠隔操作装置70を用いて設定モードに対応する制御を行うための処理である。
【0101】
設定モード処理が起動されると、
図9に示すようにSE1において制御装置130の制御部134は、入力部131によって設定操作信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御装置130の制御部134は、設定操作信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SE1、Yes)、SE2に移行し、設定操作信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SE1、No)にSE4に移行する。
【0102】
SE2において制御装置130の制御部134は、SE1に受け付けられた設定操作信号に応じた処理を特定する。この設定操作信号に応じた処理を特定する方法については任意であるが、実施の形態では、以下に示す通りとなる。すなわち、まず、設定モード処理テーブル135aに格納されている設定操作信号情報の中から、SE1にて受け付けられた設定操作信号に含まれる設定操作信号情報を抽出する。次いで、設定モード処理テーブル135aに格納されている設定モード処理情報の中から、上記抽出した設定操作信号情報に対応する設定モード処理情報を抽出する。そして、SE1にて受け付けられた設定操作信号に含まれる識別情報に基づいて、上記抽出した設定モード処理情報に対応する処理を特定すべき処理として特定する。
【0103】
例えば、上記抽出した設定モード処理情報が登録台数報知処理又は個別削除処理を示す情報である場合には、制御装置130の記憶部135に登録されている識別情報の中に、上記設定操作信号に含まれる識別情報が含まれている場合には上記特定すべき処理として特定し、上記設定操作信号に含まれる識別情報が含まれていない場合には上記特定すべき処理として特定しない。また、上記抽出した設定モード処理情報が仮書き換え登録処理又は仮登録処理を示す情報である場合には、制御装置130の記憶部135に登録されている識別情報の中に、上記設定操作信号に含まれる識別情報が含まれていない場合には上記特定すべき処理として特定し、上記設定操作信号に含まれる識別情報が含まれている場合には上記特定すべき処理として特定しない。また、上記抽出した設定モード処理情報が本登録処理を示す情報である場合には、制御装置130の記憶部135に仮登録されている識別情報の中に、上記設定操作信号に含まれる識別情報が含まれている場合には上記特定すべき処理として特定し、上記設定操作信号に含まれる識別情報が含まれていない場合には上記特定すべき処理として特定しない。なお、SE2において設定操作信号に応じた処理を特定できなかった場合には、制御装置130の制御部134は、SE3の処理を行うことなく、SE4に移行する。
【0104】
SE3において制御装置130の制御部134は、SE2にて特定された処理を実行する。ここで、実施の形態では、SE2にて特定された処理を実行した後又は中断した後に、上述した報知情報出力方法を用いて報知情報を出力させる。よって、報知情報を出力することができるように、制御装置130の制御部134は、報知情報を出力するタイミング(すなわち、SE2にて特定された処理を実行した後又は中断した後のタイミング)が到来した場合には、防犯部80の機能を無効にすることで、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされない状態にさせる。一例として、復帰モード処理から設定モード処理が起動された後にSE3において仮登録処理が実行されて識別情報が仮登録されると、防犯部80の機能が有効から無効に切り替えられる。これにより、例えば、制御モードが復帰モードから設定モードに切り替えられた後に、識別情報が仮登録されたことをトリガとして、防犯部80の機能を無効にでき、当該仮登録以降において、シャッター装置1の使用性を向上させることができる。ただし、例えば、防犯部80の機能を無効にした状態である処理(例えば、イニシャライズモード処理等)から設定モード処理が起動された場合には、設定モード処理においても防犯部80の機能を無効にした状態を継続してもよい。また、この報知情報の出力パターンについては、実施の形態では、SE2にて特定された処理に応じて異なるパターンに設定されている(一例として、登録台数報知処理が実行された場合には、報知情報の出力回数が登録台数と一致するように出力する等)。ただし、これに限られず、SE2にて特定された処理の一部の出力パターンが同一のパターンに設定されてもよい。
【0105】
SE4において制御装置130の制御部134は、終了タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、「終了タイミング」とは、設定モード処理を終了するタイミングを意味する。また、この終了タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、SE3においてSE2にて特定された処理が実行されたか否か(ただし、仮登録処理が実行された場合は除く)、SE1において設定操作信号の入力が受け付けられていない時間が所定時間(例えば、5min等)以上になったか否か、又は制御装置130の記憶部135に所定数(例えば、17個等)以上の識別情報が記憶されているか否かに基づいて判定する。ここで、SE2にて特定された処理が実行された場合、所定時間以上になった場合、又は所定数以上の識別情報が記憶されている場合には終了タイミングが到来したと判定し、SE2にて特定された処理が実行されていない場合、所定時間以上になっていない場合、又は所定数以上の識別情報が記憶されていない場合には終了タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置130の制御部134は、終了タイミングが到来していないと判定された場合(SE4、No)にはSE1に移行し、終了タイミングが到来したと判定された場合(SE4、Yes)にはSE5に移行する。
【0106】
SE5において制御装置130の切替制御部134bは、設定モード処理が行われる直前の処理(例えば、イニシャライズモード処理、復帰モード処理、又は開閉モード処理)を復帰(起動)させた後、設定モード処理を終了する。
【0107】
このような設定モード処理により、識別情報の設定に関する各種の処理を実行できるので、ユーザのニーズに応じた識別情報の設定を行うことが可能となる。
【0108】
また、以上のような制御処理により、制御モードが復帰モード又は開閉モード(動作モード)である場合において、設定タイミングが到来した場合に、所定のタイミングで防犯部80の機能を有効から無効に切り替えることができる。よって、設定タイミングが到来した場合に所定のタイミングが到来するまで防犯部80の機能を有効にできると共に、所定のタイミングが到来した後に防犯部80の機能を無効にできるので、所定のタイミングが到来するまで建物の防犯性を確保できると共に、所定のタイミングが到来した後にシャッター装置1の使用性を向上させることができる。また、設定タイミングが到来してから所定操作が行われることで制御モードを設定モードにでき、例えばシャッターケース内の装置(一例として、受信装置等)の設定を変更することで識別情報の設定を行う場合に比べて、識別情報の設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。以上のことから、従来技術(識別情報を登録できるものの、防犯機能を有しない技術)に比べて、シャッター装置1の使用性を維持しながら、建物の防犯性を向上させることができる。
【0109】
(制御処理−具体的な処理内容)
続いて、制御処理が実行される具体的な状況及びその場合の処理内容について、以下で説明する。
【0110】
(制御処理−具体的な処理内容−1つ目の具体的な例)
最初に、1つ目の具体的な例について説明する。1つ目の具体的な例については、制御装置130の記憶部135に全開位置等を設定した旨を示すログ情報が記憶されていない場合において、非登録遠隔操作装置70の識別情報を制御装置130の記憶部135に登録した後にシャッターカーテン30を開閉移動できる状態にするために、開閉機40、並びに、制御システム50のシャッター側操作装置60、遠隔操作装置70、防犯部80、位置検知部90、回転数検知部100、及び制御装置130の電源が投入された場合には、以下に示す制御処理が行われる。
【0111】
すなわち、まず、制御装置130の記憶部135に全開位置等を設定した旨を示すログ情報が記憶されていないことで、シャッター装置1の状態が
図5のSA1において出荷時状態であると判定されると、イニシャライズモード処理(SA2)が起動される。
【0112】
次に、イニシャライズモード処理では、まず、
図6のSB1において防犯部80の機能が無効にされる。次いで、制御処理が起動されてから所定時間経過していないことで、
図6のSB2において設定タイミングが到来したと判定されると、シャッターカーテン30を手動で所定量開放移動(又は閉鎖移動)させることにより、
図6のSB3において所定操作が受け付けられたと判定されると、設定モード処理(SB4)が起動される。
【0113】
次に、この設定モード処理では、まず、
図9のSE1において仮登録処理を示す情報を含む設定操作信号の入力が受け付けられると、
図9のSE2において仮登録処理が特定され、
図9のSE3において仮登録処理が実行される。次に、
図9のSE1において本登録処理を示す情報を含む設定操作信号の入力が受け付けられると、
図9のSE2において本登録処理が特定され、
図9のSE3において本登録処理が実行される。そして、本登録処理が実行されることで、
図9のSE4において終了タイミングが到来したと判定されると、
図9のSE5においてイニシャライズモード処理(SA2)が復帰される。
【0114】
続いて、イニシャライズモード処理では、まず、制御処理が起動されてから所定時間経過していることで、
図6のSB2において設定タイミングが到来していないと判定された後に、上記リミット設定方法を用いて全開位置及び全閉位置を設定することにより、
図6のSB6において開閉タイミングが到来したと判定されると、開閉モード処理(SB7)が起動される。
【0115】
このような1つ目の具体的な例に対応する処理により、イニシャライズモード処理及び設定モード処理の実行によって、非登録遠隔操作装置70の識別情報を制御装置130の記憶部135に登録することができると共に、開閉モード処理の起動によって、シャッターカーテン30を開閉移動できる状態にすることができる。特に、イニシャライズモード処理の設定タイミングが到来してから所定操作が行われることで設定モード処理(仮登録処理及び本登録処理)を実行できるので、例えばシャッターケース内の装置(一例として、受信装置等)の設定を変更することで識別情報の設定を行う場合に比べて、識別情報の設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
【0116】
(制御処理−具体的な処理内容−2つ目の具体的な例)
次に、2つ目の具体的な例について説明する。2つ目の具体的な例については、制御装置130の記憶部135に全開位置等を設定した旨を示すログ情報が記憶されている場合において、非登録遠隔操作装置70を用いてシャッターカーテン30を開閉移動できる状態にするために、開閉機40、並びに、制御システム50のシャッター側操作装置60、遠隔操作装置70、防犯部80、位置検知部90、回転数検知部100、及び制御装置130の電源が投入された場合には、以下に示す制御処理が行われる。
【0117】
すなわち、まず、制御装置130の記憶部135に全開位置等を設定した旨を示すログ情報が記憶されていることで、シャッター装置1の状態が
図5のSA1において出荷時状態でないと判定されると、復帰モード処理(SA3)が起動される。
【0118】
次に、復帰モード処理では、まず、制御処理が起動されてから所定時間経過していないことで、
図7のSC1において設定タイミングが到来したと判定されると、
図7のSC2において防犯部80の機能が有効にされる。シャッターカーテン30を手動で所定量開放移動(又は閉鎖移動)させることにより、
図7のSC3において所定操作が受け付けられたと判定されると、設定モード処理(SB4)が起動される。
【0119】
次に、この設定モード処理では、まず、
図9のSE1において仮登録処理を示す情報を含む設定操作信号の入力が受け付けられると、
図9のSE2において仮登録処理が特定され、
図9のSE3において仮登録処理が実行される。そして、この仮登録処理において識別情報が仮登録されると、防犯部80の機能が有効から無効に切り替えられる。次に、
図9のSE1において本登録処理を示す情報を含む設定操作信号の入力が受け付けられると、
図9のSE2において本登録処理が特定され、
図9のSE3において本登録処理が実行される。そして、本登録処理が実行されることで、
図9のSE4において終了タイミングが到来したと判定されると、
図9のSE5において復帰モード処理(SA3)が復帰される。
【0120】
続いて、復帰モード処理では、まず、制御処理が起動されてから所定時間経過したことで、
図7のSC1において設定タイミングが到来していないと判定されると、
図7のSC5において防犯部80の機能が有効にされる。次いで、復帰動作が行われることで、
図7のSC6において開閉タイミングが到来したと判定されると、開閉モード処理(SB7)が起動される。
【0121】
このような2つ目の具体的な例に対応する処理により、復帰モード処理及び設定モード処理の実行によって、非登録遠隔操作装置70の識別情報を制御装置130の記憶部135に登録することができると共に、開閉モード処理の起動によって、シャッターカーテン30を開閉移動できる状態にすることができる。特に、復帰モード処理から設定モード処理に切り替えられた後に、識別情報が仮登録されたことをトリガとして、防犯部80の機能を有効から無効に切り替えることができ、当該仮登録以降において、シャッター装置1の使用性を向上させることができる。
【0122】
(制御処理−具体的な処理内容−3つ目の具体的な例)
続いて、3つ目の具体的な例について説明する。3つ目の具体的な例については、制御装置130の記憶部135に全開位置等を設定した旨を示すログ情報が記憶されている場合において、シャッターカーテン30の状態が全閉状態である場合に、登録遠隔操作装置70を用いてシャッターカーテン30を開閉移動させるために、開閉機40、並びに、制御システム50のシャッター側操作装置60、遠隔操作装置70、防犯部80、位置検知部90、回転数検知部100、及び制御装置130の電源が投入された場合には、以下に示す制御処理が行われる。
【0123】
すなわち、まず、制御装置130の記憶部135に全開位置等を設定した旨を示すログ情報が記憶されていることで、シャッター装置1の状態が
図5のSA1において出荷時状態でないと判定されると、復帰モード処理(SA3)が起動される。
【0124】
次に、復帰モード処理では、まず、
図7のSC1において設定タイミングが到来している場合に、復帰動作が行われることで、
図7のSC6において開閉タイミングが到来したと判定されると、開閉モード処理(SB7)が起動される。
【0125】
続いて、開閉モード処理では、まず、
図8のSD1においてシャッターカーテン30の下端部が通行不可能位置に位置しないと判定されると、
図8のSD3において防犯部80の機能が無効にされる。次いで、所定操作が受け付けられないことで、
図8のSD4において設定タイミングが到来していないと判定され、且つ
図8のSD8においてイニシャライズタイミングが到来していないと判定されると、
図8のSD9において開放信号又は閉鎖移動の入力が受け付けられることにより、
図8のSD10においてシャッターカーテン30が開閉移動される。
【0126】
このような3つ目の具体的な例に対応する処理により、登録遠隔操作装置70を用いてシャッターカーテン30の開閉移動を容易且つ迅速に行うことができる。
【0127】
(効果)
このように実施の形態によれば、制御モードが動作モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、防犯制御部134aが、所定のタイミングで防犯部80の機能を有効から無効に切り替え、切替制御部134bが、所定時間内に所定操作が行われた場合には、制御モードを動作モードから設定モードに切り替えるので、制御モードが動作モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、所定のタイミングで防犯部80の機能を有効から無効に切り替えることができる。よって、設定タイミングが到来した場合に所定のタイミングが到来するまで防犯部80の機能を有効にできると共に、所定のタイミングが到来した後に防犯部80の機能を無効にできるので、所定のタイミングが到来するまで建物の防犯性を確保できると共に、所定のタイミングが到来した後にシャッター装置1の使用性を向上させることができる。また、設定タイミングが到来してから所定操作が行われることで制御モードを設定モードにでき、例えばシャッターケース内の装置(一例として、受信装置等)の設定を変更することで識別情報の設定を行う場合に比べて、識別情報の設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。以上のことから、従来技術(識別情報を登録できるものの、防犯機能を有しない技術)に比べて、シャッター装置1の使用性を維持しながら、建物の防犯性を向上させることができる。
【0128】
また、動作モードが、シャッター装置1に識別情報が登録されている遠隔操作装置70を介して受け付けられた操作指示に基づいてシャッターカーテン30の開閉移動を行う開閉モードと、制御モードが開閉モードである場合においてシャッター装置1の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合の復帰モードと、を含むので、制御モードが復帰モード又は開閉モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、所定のタイミングで防犯部80の機能を有効から無効に切り替えることができ、所定のタイミングが到来するまで建物の防犯性を一層確保できると共に、所定のタイミングが到来した後にシャッター装置1の使用性を一層向上させることができる。
【0129】
また、制限指示と、切替指示とを検知する検知手段を備え、所定操作が、制御モードが開閉モードである場合に、登録されている遠隔操作装置70を介して操作指示が受け付けられてから所定時間経過するまでに行われる制限指示及び切替指示に関する操作と、制御モードが復帰モードになってから所定時間経過するまでに行われる制限指示及び切替指示に関する操作と、を含むので、1つの検知手段を用いて制限指示及び切替指示を検知でき、制限指示を検知する検知手段及び切替指示を検知する検知手段をそれぞれ設ける場合に比べて、部品数や設置コストを低減することができる。
【0130】
また、検知手段が、シャッターカーテン30の開閉移動の移動量に基づいて、制限指示及び切替指示を検知するので、検知手段をシャッターカーテン30の移動量を検知する公知のセンサを用いて構成でき、設置コストを一層低減することができる。
【0131】
また、防犯部80が、シャッターカーテン30を開閉移動不能にロックするロック部を備え、防犯制御部134aが、防犯部80の機能を有効にすることで、所定操作が行われることによりロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態になり、防犯部80の機能を無効にすることで、ロック部によってシャッターカーテン30がロックされない状態になるので、比較的簡易な構造で構成することができると共に、建物の防犯性も比較的確保しやすいことから、建物の防犯性を向上させながら、防犯部80をシャッター装置1に容易に組み込むことができる。
【0132】
また、防犯制御部134aが、制御モードが開閉モードである場合において、遠隔操作装置70を介して操作指示が受け付けられておらず、且つ、シャッターカーテン30の閉鎖方向側の端部の位置がシャッターカーテン30によって開口部2の一部のみを開放した状態であって当該開口部2の一部を人が通行できない状態となる位置である場合には、防犯部80の機能を有効にし、制御モードが復帰モードである場合には、防犯部80の機能を有効にするので、開閉モード又は復帰モードに適した条件に基づいて、防犯部80の機能を有効にすることができ、開閉モード又は復帰モードにおいて、シャッター装置1の使用性を維持しながら、建物の防犯性を向上させることができる。
【0133】
また、防犯制御部134aが、制御モードが開閉モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、当該到来した直後に防犯部80の機能を有効から無効に切り替えるので、設定タイミングが到来したことをトリガとして、防犯部80の機能を無効にでき、開閉モードにおいて、建物の防犯性を確保しながら、シャッター装置1の使用性を向上させることができる。
【0134】
また、防犯制御部134aが、制御モードが復帰モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、切替制御部134bによって制御モードが復帰モードから設定モードに切り替えられた後に識別情報がシャッター装置1に仮登録された場合には、防犯部80の機能を有効から無効に切り替えるので、復帰モードから設定モードに切り替えられた後に、識別情報が仮登録されたことをトリガとして、防犯部80の機能を有効から無効に切り替えることができ、当該仮登録以降において、シャッター装置1の使用性を向上させることができる。
【0135】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0136】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0137】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、制御装置130を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部134を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部135を設けてもよい。
【0138】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0139】
(制御システムについて)
上記実施の形態では、開閉機40と遠隔操作装置70とが無線にて通信可能に接続されていると説明したが、これに限られない。例えば、開閉機40の受信部を省略し、受信装置をシャッター収納部10の内部又は外部に設けて、この受信装置と遠隔操作装置70とが無線にて通信可能に接続されてもよい。あるいは、制御装置130と遠隔操作装置70とが無線にて通信可能に接続されてもよい。
【0140】
(遠隔操作装置について)
上記実施の形態では、遠隔操作装置70がシャッター装置用のリモコン等を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、公知の携帯端末(一例として、スマートフォン)を用いて構成されてもよい。
【0141】
(防犯部について)
上記実施の形態では、防犯部80がロック部を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、ロック部に代えて、警告情報を出力する防犯用の音声出力部(一例として、ブザー等)又は防犯用の表示部(一例として、公知の表示灯等)を備えてもよい。あるいは、ロック部、防犯用の音声出力部、又は防犯用の表示部の少なくとも2つ以上を備えてもよい。なお、防犯部80が音声出力部又は防犯用の表示部を備える場合において、防犯部80の機能を有効にすることで、防犯部80が音声出力部又は防犯用の表示部から警告情報が出力されている状態となり、防犯部80の機能を無効にすることで、防犯部80が音声出力部又は防犯用の表示部から警告情報が出力されていない状態となる。
【0142】
また、上記実施の形態では、防犯部80の機能を有効にすることで、所定操作が行われることによりロック部によってシャッターカーテン30がロックされる状態になると説明したが、これに限られない。例えば、
図7の復帰モード処理のSC5又は
図8の開閉モード処理のSD2において、防犯部80の機能を有効にすることで、所定操作が行われることなくロック部によってシャッターカーテン30がロックされた状態になってもよい。
【0143】
(検知手段について)
上記実施の形態では、制限指示及び切替指示を検知する検知手段が、回転数検知部100であると説明したが、これに限られない。例えば、制限指示又は切替指示のいずれか一方を検知する検知手段が、回転数検知部100であり、制限指示又は切替指示のいずれか他方を検知する検知手段が、回転数検知部100以外の他の検知手段(一例として、位置検知部90等)であってもよい。
【0144】
(制御処理について)
上記実施の形態では、制御モードが復帰モード又は開閉モード(動作モード)である場合において、設定タイミングが到来した場合に、防犯制御部134aは、所定のタイミングで防犯部80の機能を有効から無効に切り替えると説明したが、これに限られない。例えば、設定タイミングが到来した場合に、防犯制御部134aは、防犯部80の機能を有効にした状態を維持してもよい。この場合における「防犯部80の機能を有効にする」とは、防犯部80を、制御モードを動作モードから設定モードに切り替えるための所定操作が阻害されないように機能させることを意味し、例えば、所定操作が行われることにより防犯部80のロック部によってシャッターカーテンがロックされる状態であること等が該当する。
【0145】
(開閉モード処理について)
上記実施の形態では、シャッターカーテン30の下端部が通行不可能位置に位置する場合には、防犯部80の機能を有効にし、シャッターカーテン30の下端部が通行不可能位置に位置しない場合には、防犯部80の機能を無効にすると説明したが、これに限られない。例えば、シャッターカーテン30の下端部の位置に関わらず、防犯部80の機能を有効にしてもよい。この場合において、
図8の開閉モード処理において、SD1及びSD3を省略できる。
【0146】
(付記)
付記1の制御システムは、建物の開口部を開閉するシャッターカーテンを有するシャッター装置を制御する制御システムであって、前記シャッター装置を遠隔操作するための遠隔操作手段と、前記建物を防犯するための防犯動作を実行する防犯手段と、前記防犯手段を制御する防犯制御手段と、前記シャッター装置の制御モードを、前記遠隔操作手段を一意に識別する識別情報の設定を行う設定モードと、前記設定モードとは異なる動作モードとに切替える切替制御手段と、を備え、前記制御モードが前記動作モードである場合において、前記識別情報の設定を行う設定タイミングが到来した場合に、前記防犯制御手段は、所定のタイミングで前記防犯手段の機能を有効から無効に切り替え、前記切替制御手段は、所定時間内に所定操作が行われた場合には、前記制御モードを前記動作モードから前記設定モードに切り替える。
【0147】
付記2の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記動作モードは、前記シャッター装置に前記識別情報が登録されている前記遠隔操作手段を介して受け付けられた操作指示に基づいて前記シャッターカーテンの開閉移動を行う開閉モードと、前記制御モードが前記開閉モードである場合において前記シャッター装置の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合の復帰モードと、を含む。
【0148】
付記3の制御システムは、付記2に記載の制御システムにおいて、前記シャッターカーテンの開閉移動の制限を指示する制限指示と、前記制御モードの切り替えを指示する切替指示とを検知する検知手段を備え、前記所定操作は、前記制御モードが前記開閉モードである場合に、前記登録されている遠隔操作手段を介して操作指示が受け付けられてから所定時間経過するまでに行われる前記制限指示及び前記切替指示に関する操作と、前記制御モードが前記復帰モードになってから所定時間経過するまでに行われる前記制限指示及び前記切替指示に関する操作と、を含む。
【0149】
付記4の制御システムは、付記3に記載の制御システムにおいて、前記検知手段は、前記シャッターカーテンの開閉移動の移動量に基づいて、前記制限指示及び前記切替指示を検知する。
【0150】
付記5の制御システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記防犯手段は、前記シャッターカーテンを開閉移動不能にロックするロック手段を備え、前記防犯制御手段は、前記防犯手段の機能を有効にすることで、所定操作が行われることにより前記ロック手段によって前記シャッターカーテンがロックされる状態になり、前記防犯手段の機能を無効にすることで、前記ロック手段によって前記シャッターカーテンがロックされない状態になる。
【0151】
付記6の制御システムは、付記5に記載の制御システムにおいて、前記動作モードは、前記シャッター装置に前記識別情報が登録されている前記遠隔操作手段を介して受け付けられた操作指示に基づいて前記シャッターカーテンの開閉移動を行う開閉モードと、前記制御モードが前記開閉モードである場合において前記シャッター装置の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合の復帰モードと、を含み、前記防犯制御手段は、前記制御モードが前記開閉モードである場合において、前記遠隔操作手段を介して操作指示が受け付けられておらず、且つ、前記シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部の位置が前記シャッターカーテンによって前記開口部の一部のみを開放した状態であって当該開口部の一部を人が通行できない状態となる位置である場合には、前記防犯手段の機能を有効にし、前記制御モードが前記復帰モードである場合には、前記防犯手段の機能を有効にする。
【0152】
付記7の制御システムは、付記5に記載の制御システムにおいて、前記動作モードは、前記シャッター装置に前記識別情報が登録されている前記遠隔操作手段を介して受け付けられた操作指示に基づいて前記シャッターカーテンの開閉移動を行う開閉モードと、前記制御モードが前記開閉モードである場合において前記シャッター装置の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合の復帰モードと、を含み、前記防犯制御手段は、前記制御モードが前記開閉モードである場合において、前記設定タイミングが到来した場合に、当該到来した直後に前記防犯手段の機能を有効から無効に切り替える。
【0153】
付記8の制御システムは、付記5に記載の制御システムにおいて、前記動作モードは、前記シャッター装置に前記識別情報が登録されている前記遠隔操作手段を介して受け付けられた操作指示に基づいて前記シャッターカーテンの開閉移動を行う開閉モードと、前記制御モードが前記開閉モードである場合において前記シャッター装置の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合の復帰モードと、を含み、前記防犯制御手段は、前記制御モードが前記復帰モードである場合において、前記設定タイミングが到来した場合に、前記切替制御手段によって前記制御モードが前記復帰モードから前記設定モードに切り替えられた後に前記識別情報が前記シャッター装置に仮登録された場合には、前記防犯手段の機能を有効から無効に切り替える。
【0154】
(付記の効果)
付記1に記載の制御システムによれば、制御モードが動作モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、防犯制御手段が、所定のタイミングで防犯手段の機能を有効から無効に切り替え、切替制御手段が、所定時間内に所定操作が行われた場合には、制御モードを動作モードから設定モードに切り替えるので、制御モードが動作モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、所定のタイミングで防犯手段の機能を有効から無効に切り替えることができる。よって、設定タイミングが到来した場合に所定のタイミングが到来するまで防犯手段の機能を有効にできると共に、所定のタイミングが到来した後に防犯手段の機能を無効にできるので、所定のタイミングが到来するまで建物の防犯性を確保できると共に、所定のタイミングが到来した後にシャッター装置の使用性を向上させることができる。また、設定タイミングが到来してから所定操作が行われることで制御モードを設定モードにでき、例えばシャッターケース内の装置(一例として、受信装置等)の設定を変更することで識別情報の設定を行う場合に比べて、識別情報の設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。以上のことから、従来技術(識別情報を登録できるものの、防犯機能を有しない技術)に比べて、シャッター装置の使用性を維持しながら、建物の防犯性を向上させることができる。
【0155】
付記2に記載の制御システムによれば、動作モードが、シャッター装置に識別情報が登録されている遠隔操作手段を介して受け付けられた操作指示に基づいてシャッターカーテンの開閉移動を行う開閉モードと、制御モードが開閉モードである場合においてシャッター装置の電源状態をオフ状態にした後にオン状態に復帰させた場合の復帰モードと、を含むので、制御モードが復帰モード又は開閉モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、所定のタイミングで防犯手段の機能を有効から無効に切り替えることができ、所定のタイミングが到来するまで建物の防犯性を一層確保できると共に、所定のタイミングが到来した後にシャッター装置の使用性を一層向上させることができる。
【0156】
付記3に記載の制御システムによれば、制限指示と、切替指示とを検知する検知手段を備え、所定操作が、制御モードが開閉モードである場合に、登録されている遠隔操作手段を介して操作指示が受け付けられてから所定時間経過するまでに行われる制限指示及び切替指示に関する操作と、制御モードが復帰モードになってから所定時間経過するまでに行われる制限指示及び切替指示に関する操作と、を含むので、1つの検知手段を用いて制限指示及び切替指示を検知でき、制限指示を検知する検知手段及び切替指示を検知する検知手段をそれぞれ設ける場合に比べて、部品数や設置コストを低減することができる。
【0157】
付記4に記載の制御システムによれば、検知手段が、シャッターカーテンの開閉移動の移動量に基づいて、制限指示及び切替指示を検知するので、検知手段をシャッターカーテンの移動量を検知する公知のセンサを用いて構成でき、設置コストを一層低減することができる。
【0158】
付記5に記載の制御システムによれば、防犯手段が、シャッターカーテンを開閉移動不能にロックするロック手段を備え、防犯制御手段が、防犯手段の機能を有効にすることで、所定操作が行われることによりロック手段によってシャッターカーテンがロックされる状態になり、防犯手段の機能を無効にすることで、ロック手段によってシャッターカーテンがロックされない状態になるので、比較的簡易な構造で構成することができると共に、建物の防犯性も比較的確保しやすいことから、建物の防犯性を向上させながら、防犯手段をシャッター装置に容易に組み込むことができる。
【0159】
付記6に記載の制御システムによれば、防犯制御手段が、制御モードが開閉モードである場合において、遠隔操作手段を介して操作指示が受け付けられておらず、且つ、シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部の位置がシャッターカーテンによって開口部の一部のみを開放した状態であって当該開口部の一部を人が通行できない状態となる位置である場合には、防犯手段の機能を有効にし、制御モードが復帰モードである場合には、防犯手段の機能を有効にするので、開閉モード又は復帰モードに適した条件に基づいて、防犯手段の機能を有効にすることができ、開閉モード又は復帰モードにおいて、シャッター装置の使用性を維持しながら、建物の防犯性を向上させることができる。
【0160】
付記7に記載の制御システムによれば、防犯制御手段が、制御モードが開閉モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、当該到来した直後に防犯手段の機能を有効から無効に切り替えるので、設定タイミングが到来したことをトリガとして、防犯手段の機能を無効にでき、開閉モードにおいて、建物の防犯性を確保しながら、シャッター装置の使用性を向上させることができる。
【0161】
付記8に記載の制御システムによれば、防犯制御手段が、制御モードが復帰モードである場合において、設定タイミングが到来した場合に、切替制御手段によって制御モードが復帰モードから設定モードに切り替えられた後に識別情報がシャッター装置に仮登録された場合には、防犯手段の機能を有効から無効に切り替えるので、復帰モードから設定モードに切り替えられた後に、識別情報が仮登録されたことをトリガとして、防犯手段の機能を有効から無効に切り替えることができ、当該仮登録以降において、シャッター装置の使用性を向上させることができる。