(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バンク構造は、第1のバンクレベルと、前記第1のバンクレベル上にある第2のバンクレベルと、を備え、前記導電性端子接点は、前記第2のバンクレベル上にある、請求項3に記載のディスプレイ。
前記共形の底面は、前記バンク構造上の導電性端子接点のトポグラフィ、及び前記複数のコンタクトパッドのうちの1つを前記LEDコンタクトパッドに電気的に接続する前記トレース線に共形である、請求項9に記載のディスプレイ。
前記バンク構造は、前記チップに対して横方向に隣接し、前記LEDコンタクトパッドは、前記ディスプレイ基板上の前記複数のコンタクトパッドの上に持ち上げられている、
請求項1に記載のディスプレイ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ある実施形態によるマイクロドライバチップの斜視図である。
【0012】
【
図2】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図3】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図4】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図5】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図6】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図7】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図8】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図9】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【
図10】ある実施形態によるマイクロドライバチップのアレイを製造する方法の概略側断面図である。
【0013】
【
図11】ある実施形態による、ディスプレイ基板の上にあるマイクロドライバチップの概略側断面図である。
【0014】
【
図12】ある実施形態による、ディスプレイ基板に接合されたマイクロドライバチップの概略側断面図である。
【0015】
【
図13】ある実施形態による、マイクロドライバチップ及びマイクロLEDのアレイを含むディスプレイシステムの概略上面図である。
【
図14】ある実施形態による、マイクロドライバチップ及びマイクロLEDのアレイを含むディスプレイシステムの概略上面図である。
【0016】
【
図15】ある実施形態による、マイクロデバイスをディスプレイ基板に集積化する方法を例示するフローチャートである。
【0017】
【
図16】ある実施形態による、パターニングされたパッシベーション充填層を有する集積化されたディスプレイ基板の概略側断面図である。
【0018】
【
図17】ある実施形態による、コンタクトパッドのアレイの縁を覆うパターニングされた絶縁層を有するディスプレイ基板上へのマイクロデバイスを集積化した際の概略側断面図である。
【
図18】ある実施形態による、コンタクトパッドのアレイの縁を覆うパターニングされた絶縁層を有するディスプレイ基板上へのマイクロデバイスを集積化した際の概略側断面図である。
【
図19】ある実施形態による、コンタクトパッドのアレイの縁を覆うパターニングされた絶縁層を有するディスプレイ基板上へのマイクロデバイスを集積化した際の概略側断面図である。
【
図20】ある実施形態による、コンタクトパッドのアレイの縁を覆うパターニングされた絶縁層を有するディスプレイ基板上へのマイクロデバイスを集積化した際の概略側断面図である。
【0019】
【
図21】ある実施形態による、マイクロデバイスをディスプレイ基板に集積化する方法を例示するフローチャートである。
【0020】
【
図22】ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLEDを有する集積化されたディスプレイ基板の一部分の概略側断面図である。
【0021】
【
図23】ある実施形態による、マイクロデバイスをディスプレイ基板に集積化する方法を例示するフローチャートである。
【0022】
【
図24】ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLED及びパターニングされたパッシベーション充填層を有する集積化されたディスプレイ基板の一部分の概略側断面図である。
【0023】
【
図25】ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLED及びパターニングされたパッシベーション充填層を有する集積化されたディスプレイ基板の一部分の概略側断面図である。
【0024】
【
図26】ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLEDを有する集積化されたディスプレイ基板の一部分の概略側断面図である。
【0025】
【
図27A】ある実施形態による、マイクロドライバチップ及び持ち上げられたマイクロLEDを含むディスプレイ基板の一部分の概略上面図である。
【0026】
【
図27B】ある実施形態による、
図27AのX−X線に沿って取られた概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施形態は、マイクロLED及びマイクロチップをディスプレイ基板に集積化し機能させるための様々な方法及び構造を説明する。特に、実施形態は、マイクロLEDを駆動するための回路を含むマイクロチップ(例えば、マイクロドライバチップ)に隣接するマイクロLEDの集積化及び機能化に関する。実施形態によれば、マイクロLEDは、無機半導体系材料で形成することができ、1〜300μm、1〜100μm、1〜20μm、又は、より具体的には、5μmなど、1〜10μmの、側壁間の最大横寸法を有することができる。実施形態によれば、マイクロLEDは、ディスプレイ基板上のコンタクトパッド(例えば、ドライバパッド)に接合される下部電極と、上部接触層により導電性端子構造と電気的に接続される上部電極とを含む、垂直LEDとすることができる。例えば、導電性端子構造及び対応する信号は、グランド線、又は何らかの他の低電圧(Vss)若しくは逆バイアスの電源プレーン、又は何らかの他の高電圧レベル(Vdd)の電流源出力若しくは電圧源出力であることができる。実施形態によれば、マイクロチップ(例えば、マイクロドライバチップ)は、1〜300μmの最大横寸法を有することができ、マイクロLEDの画素レイアウトに適合することができる。実施形態によれば、マイクロドライバチップは、薄膜トランジスタ(TFT)基板アーキテクチャでよく用いられるような、各表示素子用のドライバトランジスタに置き換わることができる。マイクロドライバチップは、追加回路、例えばスイッチングトランジスタ、発光制御トランジスタ、及び各表示素子用の記憶デバイスさえも、含むことができる。マイクロドライバチップは、デジタル回路、アナログ回路、又はハイブリッド回路を含むことができる。加えて、従来のディスプレイバックプレーン基板でよく用いられる非晶質シリコン又は低温ポリシリコンのTFT加工技術とは対照的に、単結晶シリコン上のマイクロドライバチップの製造にMOSFET加工技術を用いることができる。
【0028】
一態様では、実施形態は、マイクロチップがディスプレイ基板に超微細ピッチで接合されるように設計されるマイクロチップ(例えば、マイクロドライバチップ)集積化スキームを説明する。実施形態によれば、より多くの回路がディスプレイバックプレーン基板からマイクロドライバチップにオフロードされることで、マイクロドライバチップが有するディスプレイ基板との接点の数が多くなる。更に、単一のマイクロドライバチップにより駆動されるマイクロLEDの数が増加すると、接点の数は増加する。例えば、単一のマイクロドライバチップが、複数の画素内の1つ以上のLEDを駆動することができる。例示的な接点としては、非限定的に、マイクロLEDドライバ接点、Vdd、電源、Vss、グランド、データ信号入力、走査信号入力、発光制御信号入力、基準電圧/電流などが挙げられる。
【0029】
例示的な一実装では、ディスプレイは、赤−緑−青(RGB)の画素レイアウトを含む。例として、これは、1920×1080又は2560×1600の解像度に適合することができる。このようなRGB配列では、各画素は、赤色発光サブ画素、緑色発光サブ画素、及び青色発光サブ画素を含む。しかし、特定の解像度及びRGBカラースキームは例示のみを目的としており、実施形態はそのように限定されない。他の例示的な画素配列としては、赤−緑−青−黄−シアン(RBGYC)、赤−緑−青−白(RGBW)、又は、画素が異なる数のサブ画素を有する他のサブ画素マトリクススキームが挙げられる。
【0030】
例として、水平寸法(x)及び垂直寸法(y)によって各サブ画素を特徴付けることができる。表1には、実施形態による潜在的なアラインメント許容値に関する基準を提供するために、例示のみを目的として、RGBカラースキーム用の様々な例示的な寸法が提示されている。
【表1】
【0031】
これにより、表1に表すように、画素密度(PPI)が高くなると、サブ画素ピッチ、特に、サブ画素当りの例示的な水平寸法(x)が小さくなる。10μm又は5μmの例示的な最大横寸法(x,y)を有するマイクロLEDを採用する例示的なディスプレイでは、サブ画素の水平寸法(x)は、PPIが高いほどLEDの水平寸法に近づく。更に、マイクロドライバチップのために利用可能な間隔は、更に制約される。高解像度ディスプレイに接合されたマイクロドライバチップのアレイを含む実施形態では、マイクロドライバチップ上の隣接する接点(例えば、導電性スタッド)間の利用可能な間隔は、特に、マイクロドライバチップ内により複雑な回路が含まれる場合に、小さくなる。実施形態によれば、隣接する接点間の利用可能な間隔は、例えば、1〜6μmなど、例えば1〜15μmといった数ミクロン未満になることがある。
【0032】
ある実施形態では、各マイクロドライバチップは、はんだ材を利用してディスプレイ基板上の複数のコンタクトパッドに接合される。隣接するコンタクトパッド間のはんだ材の横方向の流れを抑制するために、各マイクロドライバチップは、パッシベーション層に形成された対応する複数のトレンチ内に複数の導電性スタッドを含んでいる。ディスプレイ基板上のコンタクトパッドにマイクロドライバチップを接合するときに、はんだ材は、リフローしたはんだ材を収集するリザーバとして作用するトレンチ内にリフローする。加えて、はんだ材は、マイクロドライバチップの底面に沿って形成されたバリア材料(例えば、Al2O3)とは対照的に、導電性スタッドを選択的に湿潤させることができる。この選択的な湿潤は、リフローしたはんだ材をマイクロドライバチップのトレンチ内に維持するように更に機能することができる。いくつかの実施形態によれば、隣接するコンタクトパッドを横切るはんだ材のリフロー(及び電気的短絡)に対するバリアとして作用するために、代わりに又は加えて、コンタクトパッドのアレイの縁を覆うパターニングされた絶縁層をディスプレイ基板上に設けることができる。
【0033】
実施形態によれば、パッシベーション充填層は、ディスプレイ基板上のマイクロLED及びマイクロドライバチップの側壁の周りに適用される。パッシベーション充填層は、マイクロLED及びマイクロドライバチップをディスプレイ基板に固定し、マイクロLEDの側壁を不動体化し(例えば、垂直マイクロLEDの上部/下部電極間の短絡を防止し)、マイクロLEDを導電性端子構造(例えば、Vss、グランドなど)に電気的に接続する上部接触層の適用のためのステップカバレージを提供するように、機能することができる。
【0034】
一態様では、実施形態は、マイクロドライバチップの上面との高低差を補償するように導電性端子接点の上面及び/又はマイクロLEDの上面を持ち上げるための、ディスプレイ基板上の様々なバンク構造構成及びピラー構造を説明する。
【0035】
一態様では、持ち上げられたマイクロLEDは、隣接するマイクロドライバチップから放出された光の反射により生じる低角度光散乱を潜在的に低減させることができる。例えば、シリコンで形成されたマイクロドライバチップは、隣接するマイクロLEDから放出される光を反射するミラーとして作用し、一定の視野角でのディスプレイの光学性能を潜在的に低下させることがある。ある実施形態では、持ち上げられたバンク構造にマイクロLEDを接合することで、低角度光散乱の量を低減させることができる。
【0036】
一態様では、持ち上げられたマイクロLEDが、ディスプレイ基板に埋め込まれた信号線との結合、及び潜在的に生じ得るRC遅延を少なくすることができる。ある実施形態では、持ち上げられたバンク構造にマイクロLEDを接合することで、結合を少なくするための追加の絶縁をもたらすことができる。
【0037】
一態様では、持ち上げられたマイクロLED及び/又は持ち上げられた導電性端子接点は、上部導電層との電気的接触を作るためのアライメント許容値を緩和することができる。一態様では、マイクロLEDの上面が、隣接するマイクロドライバチップの上面の少なくとも2μm以内、より具体的には0.5μm以内となる様々なバンク構造が説明されている。いくつかの実施形態では、マイクロLEDの上面と、マイクロドライバチップの上面との両方は、パッシベーション充填層の上面の上方又は上面と同じ高さにある。いくつかの実施形態では、パッシベーション充填層は、ディスプレイ基板の表示領域全体にわたるスリットコーティングによって形成される。スリットコーティング装置の刃が、マイクロドライバチップを損傷せずにマイクロドライバチップをクリアするように、パッシベーション充填層の上面を最も高い構成部品(例えば、マイクロドライバチップ)の上面に持ち上げることができる。
【0038】
ここで
図1を参照すると、ある実施形態によるマイクロドライバチップの斜視図が提示されている。特に、
図1は、実施形態による、複数の導電性スタッド134と、導電性スタッド134を囲む複数のトレンチ114との関係を示すために提示されている。例示するように、マイクロドライバチップ120は、デバイス層104と、デバイス層104の下方にあるパッシベーション層112と、を含むことができる。パッシベーション層112は、底面113を含む。パッシベーション層には複数のトレンチ114が形成され、複数のトレンチ114内には複数の導電性スタッド134が位置している。各導電性スタッド134は、パッシベーション層112下のランディングパッドから延びることができる。各導電性スタッド134は、対応するトレンチ114の側壁115により囲まれることで、導電性スタッド134と対応するトレンチ114の側壁115との間にリザーバが形成される。実施形態によれば、各導電性スタッド134は、パッシベーション層112の底面113の下方にある底面135を含む。
【0039】
図1に提示するイメージでは別個に視認できないが、パッシベーション層112の底面113及び複数のトレンチ114の側壁115には、薄い共形のバリア層116を形成することができる。複数のランディングパッドにも、バリア層を形成することができる。パッシベーション層112の底面113に形成されたバリア層116は、マイクロドライバチップ120の底面121を形成することができる。バリア層116は、パッシベーション層112の側壁115に形成され、その側壁と共形の側壁117を更に含むことができる。バリア層116が形成されていない実施形態では、パッシベーション層112の底面113は、マイクロドライバチップ120の底面121に対応することができる。
【0040】
図2〜
図10は、ある実施形態によるマイクロドライバチップ120のアレイを製造する方法の概略側断面図である。ある実施形態では、マイクロドライバチップ120は、単結晶シリコンウエハに作製されている。例えば、作製基板は、シリコンウエハ102と、シリコンウエハ102に形成されたデバイス層104とを含むことができる。例えば、デバイス層104は、シリコンウエハ102上に成長したエピタキシャル層とすることができる。基板スタックは、更に、デバイス層104の下にある埋め込み酸化物層を含むシリコン・オン・インシュレータ(SOI;silicon on insulator)ウエハとすることができる。マイクロドライバチップデバイス(例えば、ドライバトランジスタ、発光制御トランジスタ、スイッチングトランジスタなど)はデバイス層に形成かつビルドアップ層106にて相互配線することができ、ビルドアップ層は、1つ以上の相互配線層(例えば、銅相互配線)及び絶縁層(例えば、層間絶縁膜、ILD;interlayer dielectric)を含むことができ、複数のランディングパッド110としてビルドアップ層106の上部で頂点に達する。例えば、ランディングパッド110を銅で形成することができる。
【0041】
図2に例示する実施形態では、パッシベーション層112はビルドアップ層106の上に形成され、対応するランディングパッド110の上面111を露出させる、パッシベーション層112を通るトレンチ114を形成するように、パターニングされる。ある実施形態では、トレンチは、1〜5umなど、1〜10umの最大幅を有する。ある実施形態では、ランディングパッド110はトレンチ114よりも広く、ランディングパッド110の上面111のみがトレンチ114の下部で露出される。パッシベーション層112は、酸化物、窒化物(例えば、SiNx)、ポリマー(例えば、ポリイミド、エポキシなど)を含む様々な好適な材料から形成することができる。
図3を参照すると、トレンチ114内及びランディングパッド110の上面111には、次いでパッシベーション層112の上にバリア層116を任意選択的に形成することができる。実施形態によれば、バリア層116は、マイクロドライバチップ120のエッチリリース作業中の化学的保護をもたらすことができる。バリア層116は、はんだリフロー用の非湿潤面を更に提供することができる。原子層堆積(ALD;atomic layer deposition)などの共形堆積法を用いて、バリア層116を形成することができる。ある実施形態では、バリア層116はAl2O3で形成される。ある実施形態では、バリア層116の厚さは、2,000オングストローム(0.2μm)未満である。
【0042】
ここで
図3を参照すると、次いで、チップレット119のアレイを画定するために、パッシベーション層112、ビルドアップ層106、及びデバイス層104を通って、チップレットトレンチ122が形成される。ある実施形態では、チップレットトレンチ122は、シリコンウエハ102(又は埋め込み酸化物層)上で留まる。例示的なトレンチは、およそ幅1μm、及び深さ(例えば、バリア層116、パッシベーション層112、ビルドアップ層106、及びデバイス層104の合計厚さ)5〜10μmとすることができる。チップレットトレンチ122は、誘導接合プラズマ反応性イオンエッチング(ICP−RIE;inductively coupled plasma reactive-ion etching)などの好適なドライエッチング技術を用いて形成することができる。
【0043】
次いで、
図5に例示するように、チップレット119のアレイの上及びチップレットトレンチ122内に、犠牲剥離層130を形成することができる。ある実施形態では、犠牲剥離層130は、チップレット119を形成する他の材料に対して選択的に除去可能な材料で形成される。ある実施形態では、犠牲剥離層130は酸化物(例えば、SiO2)で形成されるが、他の材料を用いてもよい。チップレットトレンチ122を充填できる、スパッタリング、低温プラズマ化学気相成長(PECVD;plasma enhanced chemical vapor deposition)又は電子ビーム蒸着などの好適な技術を用いて、犠牲剥離層130を形成することができる。堆積後には、平坦な上面131を形成するために研磨作業を任意選択的に行うことができる。
【0044】
ある代替実施形態では、
図4に例示するチップレットトレンチ122の形成後、かつ犠牲剥離層130の堆積前に、バリア層116を形成することができる。このような実施形態では、バリア層116はまた、チップレット119の側壁に沿って、かつチップレットトレンチ122内にもわたる。このような実施形態では、バリア層116は、エッチリリース作業中に、マイクロドライバチップ120の側壁に沿って追加的な化学的保護をもたらすことができる。
【0045】
図6を参照すると、ランディングパッド110を露出させるために、犠牲剥離層130及び任意選択的なバリア層116を通って、スタッド開口132が形成される。例示するように、スタッド開口132は、パッシベーション層112に形成されたトレンチ114よりも狭くすることができる。これにより、トレンチは、最終構造のリザーバとして機能することができる。スタッド開口132には、次いで、導電性材料が充填されて、導電性スタッド134が形成される。例えば、導電性スタッド134を銅で形成することができ、犠牲剥離層130をめっき型として用いる無電解めっき技術を用いて形成することができる。
【0046】
ここで
図8を参照すると、基板スタックは、次いで、安定化層140によりキャリア基板142に接合される。例えば、安定化層140はベンゾシクロブテン(BCB;benzocyclobutene)又はエポキシなどの接着性接合材料で形成することができ、接合中に硬化させて架橋熱硬化体を形成することができる。ある実施形態では、キャリア基板142はシリコンウエハとすることができるが、他の基板を用いてもよい。次いで、
図9に例示するようにチップレットトレンチ122内の犠牲剥離層130を露出させるように、シリコンウエハ102を、研削、又はエッチング及び研削などの好適な加工技術を用いて除去し、続いて、
図10に示すように犠牲剥離層130を除去し、安定化層140によりキャリア基板142に支持されたマイクロドライバ120のアレイを生じさせることができる。ある実施形態では、犠牲剥離層130は、HF蒸気などの好適なエッチング化学物質を用いて選択的に除去されるが、犠牲剥離層130の組成によっては他の化学物質を用いてもよい。
図10に例示するマイクロドライバチップ120は、安定化層140に接触する導電性スタッド134の底面135の接触領域により、安定化層140に接着される。マイクロドライバチップ120のアレイは、ピックアップ、ディスプレイ基板への移載及び接合の準備が整う。
【0047】
ここで
図11を参照すると、ある実施形態による、ディスプレイ基板202に接合される前の、ディスプレイ基板202の上にあるマイクロドライバチップ120の概略側断面図が提示されている。例示するように、ディスプレイ基板202のうちマイクロドライバチップ120を受ける部分は、はんだ材206がそれぞれに堆積した複数のコンタクトパッド204を含む。コンタクトパッド204は、銅及びアルミニウムなどの様々な導電性材料で形成することができ、層状スタックを含むことができる。例えば、コンタクトパッド204は、下にある導電層(例えば、銅、アルミニウム)への拡散を防止するための接着/バリア層(例えば、TaN)を含むことができる。
【0048】
ある実施形態では、トレンチ114は、1〜5umなど、1〜10umの最大幅を有し、1〜3umなど、0.5〜5umの最大幅の導電性スタッド134を有する。ある実施形態では、隣接するトレンチ114を、数ミクロンほどの小さな幅、例えば、1〜6μmなど、1〜15μmで離間させることができる。ある実施形態では、はんだ材206の別個の箇所は、対応する導電性スタッド134よりも広い。図示するように、導電性スタッド134は、導電性スタッド134の底面135がマイクロドライバチップ120の底面121の下方に、例えば0.2〜2μmの範囲にあるように、パッシベーション層112及びバリア層116よりも厚く(高く)することができる。ある実施形態では、マイクロドライバチップ120の本体(導電性スタッド134を除く)の合計厚さは、5〜10μmなど、3〜20μm、又は8μmである。
【0049】
図12は、ある実施形態による、ディスプレイ基板202に接合されたマイクロドライバチップ120の概略側断面図である。ある実施形態では、導電性スタッド134は、はんだ材206を貫通する。実施形態によれば、はんだ材206を溶かすために高温で接合作業を行うことができ、はんだ材は、リフローし、マイクロドライバチップ120に形成されたトレンチ114に収容される。このようにして、トレンチ114は、はんだ材206の過剰なリフローによる、隣接するコンタクトパッド204又は導電性スタッド134の間の電気的短絡の可能性を抑制する。
【0050】
ある実施形態によれば、導電性スタッド134は、はんだ材206との接触用の増大した表面領域を提供する。増大した接触領域は、バリア層116の材料に比べて、はんだ材206の選択的な湿潤用の増大した相対領域を更に提供することができる。この選択的な湿潤は、隣接するコンタクトパッド204間で、リフローしたはんだ材206の横方向の広がりを更に緩和することができる。
【0051】
別の態様では、導電性スタッド134は、コンタクトパッド204との金属間接触を可能にするプロファイルを形成することができ、プロファイルは、移載及び接合作業中にクッションとして潜在的に作用し、マイクロドライバチップ120の機械的完全性を潜在的に保持することができる。このような構成では、導電性スタッド134及びコンタクトパッド204を形成する金属又は金属合金材料は、Al2O3バリア層116など、マイクロドライバチップ120又はディスプレイ基板202の他の材料よりも相対的に軟質であることができる。このようにして、軟質−硬質又は硬質−硬質の接触とは対照的に、相対的に軟質−軟質の接触が形成される。
【0052】
図13〜
図14は、ある実施形態による、マイクロドライバチップ120及びマイクロLED220のアレイを含むディスプレイシステムの概略上面図である。発光コントローラは、表示されるコンテンツ、例えば、画像情報(例えば、データフレーム)に対応する入力信号を、ディスプレイのバックプレーン(の全体又は一部)で入力として受けることができる。発光コントローラは、マイクロLED220に(例えば、人間の目に見える)光を選択的に放出させるための回路(例えば、ロジック)を含むことができる。発光コントローラは、記憶デバイス(1つ又は複数)(例えば、コンデンサ又はデータレジスタ)にデータ信号(例えば、マイクロLED220をオフ又はオンするための信号)を受けさせることができる。列ドライバ及び/又は行ドライバが、発光コントローラの構成部品であってもよい。列ドライバは、マイクロドライバチップ120の列と通信(例えば、制御)することを、発光コントローラに可能にさせ得る。行ドライバは、マイクロドライバチップ120の行と通信(例えば、制御)することを、発光コントローラに可能にさせ得る。列ドライバ及び行ドライバは、個々のマイクロドライバチップ120又はマイクロドライバチップ120のグループと通信(例えば、制御)することを、発光コントローラに可能にさせ得る。
【0053】
ある実施形態では、1つ以上のマイクロLED220は、1つ以上のマイクロLED220からの光の放出を(例えば、発光コントローラに従って)駆動するマイクロドライバチップ120に接続することができる。例えば、ディスプレイバックプレーンのディスプレイ基板に、マイクロドライバチップ120及びマイクロLED220を表面実装することができる。描写されているマイクロドライバチップ120は10個のマイクロLED220を含むが、本開示はそのように限定されず、マイクロドライバチップ120は、1つのマイクロLED220、又は任意の複数のマイクロLED220及び複数の画素を駆動してもよい。
【0054】
一実施形態では、ディスプレイドライバのハードウェア回路(例えば、ハードウェア発光コントローラ)は、ディスプレイパネルの発光グループの行の数を選択するための(例えば、行選択)ロジックであって、単一の行から表示パネルのフルパネルまで行の数を調節可能であるロジック、ディスプレイパネルの発光グループの列の数を選択するための(例えば、列選択)ロジックであって、単一の列からディスプレイパネルのフルパネルまで列の数を調節可能であるロジック、及び、表示されるデータフレーム当たりのパルス数を選択するための(例えば、発光)ロジックであって、データフレーム当たりのパルス数を1から複数まで調節可能であり、連続デューティサイクルから非連続デューティサイクルまでパルス長を調節可能であるロジック、のうちの1つ以上を含むことができる。発光コントローラは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0055】
ここで
図13を参照すると、図示される実施形態では、導電性端子接点208のアレイが、マイクロLED220及びマイクロドライバチップ120の行及び列間での、マイクロLED220を導電性端子構造に電気的に接続するための線の配列として例示されている。
図14に例示する実施形態では、導電性端子接点208のアレイは、マイクロLED220を導電性端子構造に電気的に接続するための別個の箇所(例えば、ピラー又は開口)の配列として例示されている。
【0056】
以下の説明及び図では、マイクロLED220及びマイクロドライバチップ120をディスプレイ基板220に集積化すること、及びマイクロLED220を導電性端子構造に、例えば、上部接触層240で電気的に接続するための集積化スキームの様々な側断面図が提示されている。実施形態によれば、上部接触層240は、様々な構成で、及び様々な領域に導電性端子接点208との電気的接触を作ることができる。例えば、パッシベーション充填層230の露出した線又は開口の直線長に沿って(例えば、
図13)、又はパッシベーション充填層230の露出したポスト又は開口に沿った離散した箇所に(例えば、
図14)電気的接触を作ることができる。
【0057】
ここで
図15を参照すると、ある実施形態による、マイクロデバイスをディスプレイ基板202に集積化する方法を例示するフローチャートが提示されている。
図16は、ある実施形態による、パターニングされたパッシベーション充填層230を有する集積化されたディスプレイ基板202の概略側断面図である。分かり易くするために、
図15〜
図16について、同様の特徴について同じ参照番号を参照して同時に説明している。
【0058】
作業1510では、ディスプレイ基板202にバンク構造212をパターニングする。バンク構造212は、1つ以上の層を含むことができる。例えば、バンク構造212は、SiO2、SiNx、又は上部にSiNxを有するSiO2/SiNxのスタックを含むことができる。代わりに、バンク構造212を有機(例えば、フォトレジスト)材料で形成してもよい。バンク構造212は、線の形態、又は離散したポスト様の突出部の形態とすることができる。
【0059】
ディスプレイ基板202は、様々な基板を含むことができる。ディスプレイ基板202は、剛性又は可撓性とすることができる。ある実施形態では、ディスプレイ基板は、ディスプレイを動作させる部分作動回路を含むTFT基板である。例えば、TFT基板は、マイクロドライバチップ120に含まれない作動回路、及び、マイクロドライバチップ120を行ドライバ、列ドライバ、発光コントローラなどのシステム構成部品と電気的に接続するための経路210(例えば、信号線)を含むことができる。ある実施形態では、ディスプレイ基板202は、作動回路のいかなる能動デバイスをも含まないが、システム構成部品との電気的接続用の経路210は含む。例示的な経路としては、非限定的に、Vdd線、電源線、Vss線、グランド線、データ信号入力線、走査信号入力線、発光制御信号入力線、基準電圧/電流線などが挙げられる。
【0060】
作業1520では、ディスプレイ基板202に接触層をパターニングする。ある実施形態では、複数のコンタクトパッド204、LEDコンタクトパッド203、コンタクトパッド204のうちの1つをLEDコンタクトパッド203に電気的に接続するトレース線205、及び導電性端子接点208を形成するために、1つ以上の金属層が堆積されパターニングされる。ある実施形態では、金属層の堆積及びパターニングは、リフトオフ法を含む。代わりに、堆積及びエッチングを用いてもよい。ある実施形態では、コンタクトパッド204、LEDコンタクトパッド203、トレース線205、及び導電性端子接点208は、銅及びアルミニウムなどの様々な導電性材料で形成することができ、層状スタックを含むことができる。例えば、これらは、下にある導電層(例えば、銅、アルミニウム)への拡散を防止するための接着/バリア層(例えば、TaN)を含むことができる。
【0061】
作業1530では、コンタクトパッド204及びLEDコンタクトパッド203に接合層(例えば、はんだ材206)が堆積される。例えば、蒸着技術を用いて、はんだ材206(例えば、In、Snなど)を堆積させることができる。
【0062】
作業1540では、マイクロドライバチップ120及びマイクロLED220を含むマイクロデバイスを、
図12に関して前に説明したようにはんだ材206を用いてディスプレイ基板202に移載し接合する。
【0063】
図16には、マイクロLED220の拡大図が提示されている。例示するように、マイクロLED220は、ドープ層225(例えば、p型ドープ)と、ドープ層229(例えば、n型ドープ)と、ドープ層225とドープ層229との間の活性層227(例えば、1つ以上の量子井戸層を含む)とを含むマイクロp−nダイオード222を含むことができる。ある実施形態では、ドープ層225、229のドーピングは反転される。上部ドープ層229には上部電極226が形成され、下部ドープ層225には下部電極224が形成される。上部電極及び下部電極は、マイクロLED220の上面223及び底面221を形成することができる。示すように、マイクロLED220は、マイクロp−nダイオード222の層の側縁にわたることができる側壁228を含む。実施形態によれば、異なるII−VI又はIII−V族の無機半導体ベースのシステムを用いて、マイクロp−nダイオード222を作製することができる。例えば、青色又は緑色発光マイクロp−nダイオード222を、非限定的に、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InAlN、AlInGaN、ZnSeなどの無機半導体材料を用いて作製することができる。例えば、赤色発光マイクロp−nダイオード222を、非限定的に、GaP、AlP、AlGaP、AlAs、AlGaAs、AlInGaP、AlGaAsP、及び任意のAs−P−Al−Ga−Inなどの無機半導体材料を用いて作製することができる。
【0064】
作業1550では、ディスプレイ基板202にパッシベーション充填層230をコーティングする。図示するように、パッシベーション充填層230は、マイクロLED220及びマイクロドライバチップ120を横方向に囲む。パッシベーション充填層230は、ディスプレイ基板202の表示領域全体の上に形成された単一の層とすることができる。パッシベーション充填層230は、誘電体材料で形成することができる。パッシベーション充填層230は、アクリル又はエポキシなどの架橋材料で形成することができる。パッシベーション充填層230は、感光性とすることができる。パッシベーション充填層230を形成するために、スピンコーティング、インク噴射、及びスリットコーティングなどの様々な適用方法を用いることができる。ある実施形態では、ディスプレイ基板202は、パネルの大きさで作られる。このような実施形態では、スリットコーティングを利用することができる。スリットコーティング装置の刃が、マイクロドライバチップ120を損傷することなくマイクロドライバチップ120をクリアするように、パッシベーション充填層230の上面を最も高い構成部品(例えば、マイクロドライバチップ)の上面又はその上方に持ち上げることができる。パッシベーション充填層230の形成に続いて、パッシベーション充填層230の厚さを小さくするために、エッチバックを任意選択的に行うことができる。
【0065】
ある実施形態では、パッシベーション充填層230は、平坦な上面233及び共形の底面を含む。示すように、共形の底面は、バンク構造212の導電性端子接点208のトポグラフィを含む、共形の底面が上に形成されるトポグラフィ、及びLEDコンタクトパッド203をコンタクトパッド204に電気的に接続するトレース線205に、共形であることができる。
【0066】
作業1560では、導電性端子接点208を露出させる導電性端子接点開口234と、マイクロLED220の上面223を露出させるマイクロLED開口232とを形成するように、パッシベーション充填層230をパターニングする。作業1570では、次いで、上部接触層240をパッシベーション充填層230、マイクロLED220、及び導電性端子接点208に形成して、上部接触層がマイクロLED220及び導電性端子接点208と電気的に接触するようにする。
【0067】
上部接触層240は、透明導電性酸化物(TCO;transparent conductive oxide)又は透明導電性ポリマーなどの様々な材料で形成することができる。ある実施形態では、上部接触層240は、インジウムスズ酸化物(ITO;indium-tin-oxide)で形成され、スパッタリングなどの好適な技術を用いて、及び任意選択的に続いてパターニングにより、形成することができる。ある実施形態では、マイクロLEDのアレイの各マイクロLED220の上、及び導電性端子接点のアレイの各導電性端子接点208の上に、ブランケット上部接触層240が形成される。このような構成では、上部接触層240は、バックプレーンの画素領域内の全てのマイクロLED220に対する導電性端子構造及び信号接続を提供する。ある実施形態では、複数の上部接触層240が形成される。
【0068】
ここで
図17〜
図20を参照すると、ある実施形態による、コンタクトパッド203、204のアレイの縁を覆うパターニングされた絶縁層211を有するディスプレイ基板に、マイクロデバイスを集積化する方法の、概略側断面図が提示されている。特に、バンク構造212と同じ層によりパターニングされた絶縁層211を形成するために、グレートーンフォトマスク300を利用することができる。
図17を参照すると、LEDコンタクトパッド203、コンタクトパッド204、及びトレース線205を含むディスプレイ基板202の上に絶縁層217が形成されている。絶縁層217は、フォトレジストなどの感光性材料から形成することができる。
図18を参照すると、コンタクトパッド204及び任意選択的にLEDコンタクトパッド203のレイの縁を覆うパターニングされた絶縁層211、並びにパターニングされたバンク構造212を形成するために、グレートーンマスク300を用いることができる。パターニングされたバンク構造212は、導電性の導電性端子線201上に任意選択的に形成することができる。
【0069】
図19を参照すると、はんだ材206は、コンタクトパッド204及びLEDコンタクトパッド203に堆積されている。はんだ接触層207は、バンク構造212の上に任意選択的に堆積され、導電性端子線201との電気的接触を作ることができる。次いで、マイクロドライバチップ120及びマイクロLED220を、
図12に関して前に説明したようにはんだ材206を用いてディスプレイ基板202に移載し接合することができる。
図20を参照すると、パッシベーション充填層230が形成され、開口234、232を形成するようにパターニングされ、上部接触層240が、
図16に関して説明したのと同様に堆積されている。
【0070】
パターニングされた絶縁層211の集積化は、
図20に例示する実施形態に限定されない。例えば、
図16、
図22、
図24、
図25、及び
図26に例示する構造のいずれかと、パターニングされた絶縁層211とを組み合わせることができる。加えて又は代わりに、
図16、
図22、
図24、
図25、及び
図26の接触層208とはんだ接触層207を置換してもよい。
【0071】
ここで
図21を参照すると、ある実施形態による、マイクロデバイスをディスプレイ基板に集積化する方法を例示するフローチャートが提示されている。
図22は、ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLED220を有する集積化されたディスプレイ基板202の一部分の概略側断面図である。分かり易くするために、
図21〜
図22について、同様の特徴について同じ参照番号を参照して同時に説明している。加えて、
図21〜
図22は、
図15〜
図16と複数の類似点を共有する。本発明を不明瞭にしないために、特有の相違点について論じ、同様の特徴及び作業については詳細に論じない場合がある。
【0072】
図22を参照すると、例示される実施形態では、バンク構造212は、複数のバンクレベルを含む。具体的に、バンク構造212は、第1のバンクレベル213と、第1のバンクレベル213上の第2のバンクレベル214とを含む。作業2110では、第1のバンクレベル213をパターニングし、続いて作業2120で第2のバンクレベル214をパターニングする。ある実施形態では、第1のバンクレベル213及び第2のバンクレベル214は、同じ材料層で一体的に形成される。第2のバンクレベル214は、線の形態、又は離散したポスト様の突出部の形態とすることができる。
【0073】
作業2130では、ディスプレイ基板202に接触層をパターニングする。ある実施形態では、複数のコンタクトパッド204、LEDコンタクトパッド203、コンタクトパッド204のうちの1つをLEDコンタクトパッド203に電気的に接続するトレース線205、及び導電性端子接点208を形成するために、1つ以上の金属層が堆積されパターニングされる。
図22に例示する実施形態では、LEDコンタクトパッド203は第1のバンクレベル213の上部にあり、トレース線205は、第1のバンクレベルの側壁215に沿ってディスプレイ基板202上の(マイクロドライバチップ120の)コンタクトパッド204にわたっている。示すように、導電性端子接点208は、第2のバンクレベル214の上に形成されている。一実施形態では、導電性端子接点208の上面は、マイクロドライバチップ120の上面123(作業2130ではまだディスプレイ基板に接合されていない)と同じ高さにあり、又は上面の上方にある。
【0074】
作業2140では、接合層(はんだ材206)の別個の箇所がコンタクトパッド204及びマイクロLEDコンタクトパッド203に堆積される。作業2150では、前に説明したように、マイクロドライバチップ120及びマイクロLED220をコンタクトパッド204、203に移載し接合し、続いて、作業2150でパッシベーション層230をコーティングし、作業2170で上部接触層240を堆積させる。
【0075】
図22に例示する特定の実施形態では、導電性端子接点208の上面及びマイクロLED220の上面223は、マイクロドライバチップ120の上面123と同じ高さとすることができる。ある実施形態では、導電性端子接点208及びマイクロLED220の上面は、マイクロドライバチップ120の上面123の2μm以内、又は0.5μm以内にすることができる。ある実施形態では、パッシベーション充填層230は、スリットコーティングなどの好適な技術を用いて形成され、導電性端子接点208の上面及びマイクロLED220の上面223を露出させるようにコーティング後に任意選択的にエッチバックされ得る平坦な上面233を含む。
【0076】
図22に例示する実施形態では、持ち上げられたマイクロLED220は、潜在的に、低角度光散乱を低減させ、ディスプレイ基板202に埋め込まれた経路210との結合を少なくすることができる。持ち上げられたマイクロLED220及び持ち上げられた導電性端子接点208によって、電気的接触を作るためにパッシベーション充填層230に開口をパターニングするときのアライメント許容値の要件を緩和することができる。他の実施形態では、
図22のディスプレイ構造は、マイクロLED開口232及び/又は導電性端子開口234を任意選択的に含むことができる。このような構成では、バンク構造212は、マイクロLED開口232及び/又は導電性端子開口234の深さを減少することによって、アラインメント許容値を部分的に緩和することができる。
【0077】
ここで
図23を参照すると、ある実施形態による、マイクロデバイスをディスプレイ基板に集積化する方法を例示するフローチャートが提示されている。
図24は、ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLED220及びパターニングされたパッシベーション充填層230を有する集積化されたディスプレイ基板202の一部分の概略側断面図である。分かり易くするために、
図23〜
図24について、同様の特徴について同じ参照番号を参照して同時に説明している。加えて、
図23〜
図24は、
図15〜
図16及び
図21〜
図22と複数の類似点を共有する。本発明を不明瞭にしないために、特有の相違点について論じ、同様の特徴及び作業については詳細に論じない場合がある。
【0078】
作業2310では、ディスプレイ基板202にバンク構造212をパターニングし、続いて、作業2320で接触層をパターニングする。
図24を参照すると、例示する実施形態では、導電性端子接点208とLEDコンタクトパッド203の両方が、バンク構造212の上面、例えば、バンク構造212の平坦な上面に形成されている。加えて、トレース線205は、バンク構造212の側壁215に沿ってディスプレイ基板202上の(マイクロドライバチップ120の)コンタクトパッド204にまでわたっている。次いで、マイクロLED開口232の形成を除いて、作業1530〜1570と同様に作業2330〜2370を行うことができる。
【0079】
図24に例示する集積化構造は、導電性端子接点開口234がパッシベーション充填層230に形成される点と、導電性端子接点208がマイクロLEDコンタクトパッド203と同様にバンク構造212の上部に形成される点とを除いて、
図22に関して例示し説明したものと同様である。
図24に例示する実施形態では、持ち上げられたマイクロLED220は、潜在的に、低角度光散乱を低減させ、ディスプレイ基板202に埋め込まれた経路210との結合を少なくすることができる。持ち上げられたマイクロLED220は、電気的接触を作るためにパッシベーション充填層230に開口をパターニングするときのアライメント許容値の要件を緩和することができる。例示する実施形態では、導電性端子接点208への電気的接続用の経路を提供するために、導電性端子接点開口234は依然としてパッシベーション充填層230に形成されるが、いくつかの実施形態では、アライメント許容値は、マイクロLED220の場合よりも大きくすることができる。例えば、マイクロLED220の側壁228に沿った短絡の危険性は、導電性端子接点208との接触を作る上で問題にならない。加えて、いくつかの実施形態によれば、導電性端子接点208と対応する開口234のための接触領域を、マイクロLED220の場合よりも更に大きくすることができる。他の実施形態では、
図24のディスプレイ構造は、マイクロLED開口232を任意選択的に含むことができる。このような構成では、バンク構造212は、マイクロLED開口232の深さの減少によって、アラインメント許容値を部分的に緩和することができる。
【0080】
ここで
図25を参照すると、ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLED220及びパターニングされたパッシベーション充填層230を有する集積化されたディスプレイ基板202の一部分の概略側断面図が提示されている。
図25は、
図24に例示する実施形態とのいくつかの点で類似するが、導電性端子接点208及びマイクロLED220のために別個のバンク構造212が形成される一点で相違する。他の実施形態では、
図25のディスプレイ構造は、マイクロLED開口232を任意選択的に含むことができる。このような構成では、バンク構造212は、マイクロLED開口232の深さの減少によって、アラインメント許容値を部分的に緩和することができる。
【0081】
図26は、ある実施形態による、持ち上げられたマイクロLED220及びピラー構造を有する集積化されたディスプレイ基板202の一部分の概略側断面図である。
図25は、
図22に例示する実施形態といくつかの点で類似し、特に、導電性端子接点及びマイクロLED220との電気的接触を作るためのパッシベーション充填層230にパターニングされた開口が省略される。このような構成では、バンク構造212及び導電性端子接点208の形成を伴って、
図16に関して説明したのと同様に加工を進めることができる。バンク構造212上の導電性端子接点208の上部及びマイクロLEDコンタクトパッド203上に、次いで、(例えば、無電解堆積により)ピラー構造252、250を形成することができる。例えば、ピラー構造252、250を同じ高さにすることができる。ピラー構造は、複数の材料を含むことができる。例えば、ピラー構造は、銅、ニッケルスタックを含み、続いて、コンタクトパッド204に形成されたはんだ材206とともに、ピラーの上部にはんだ材206を形成することができる。ある実施形態では、マイクロドライバチップ120及びマイクロLED220は、はんだ材206の堆積後に移載される。他の実施形態では、
図26のディスプレイ構造は、マイクロLED開口232及び/又は導電性端子開口234を任意選択的に含むことができる。このような構成では、ピラー構造252、250は、マイクロLED開口232及び/又は導電性端子開口234の深さの減少によって、アラインメント許容値を部分的に緩和することができる。
【0082】
ここで
図27A〜
図27Bを参照すると、ある実施形態による、マイクロドライバチップ及び持ち上げられたマイクロLEDを含むディスプレイ基板の一部分の概略上面図及び側断面図が提示されている。例示するように、
図27Bの側断面図は、
図27AのX−X線に沿って取られている。
図27Aに例示する特定の実施形態では、各マイクロドライバチップ120は、複数のトレース線205によって、各側で9個のマイクロLED220に、すなわち、例示的なRGB画素配列の各側で3個の画素(P)に接続される。
図27Aに例示するマイクロLED220及び画素(P)の数は、例示を目的としており、実施形態はそのように限定されない。例示する実施形態では、マイクロドライバチップ120は、導電性端子接点208に任意選択的に結合されている。これは、上部接触層240が接続されるのと同じ導電性端子接点208、又は代わりに、マイクロドライバチップ120のために確保された別個の導電性端子接点208であってもよい。それでも、別個の導電性端子接点208が、やはりマイクロLED220及びそれらの対応する導電性端子接点208に供給される信号と同じ信号を受けることができる。
【0083】
ある実施形態では、1つ以上のマイクロドライバチップ120は、バンク構造212の開口内、又はバンク構造212の間で横方向に、ディスプレイ基板202に実装される。
図27Aに例示する特定の実施形態では、バンク構造212は、ディスプレイ基板を横切って(例えば、垂直又は水平に)延びるレールの形状であり、マイクロドライバチップ120は、隣接するバンク構造212の間に実装される。バンク構造212には、導電性端子接点208が任意選択的に形成されてもよい。例えば、バンク構造212のレールの突出部に、導電性端子接点208を形成することができる。
【0084】
図27A〜
図27Bに例示する特定の実施形態では、バンク構造212に冗長なマイクロLED220の対が実装される。例えば、隣接する各バンク構造212のマイクロLED220の行/列に各マイクロドライバチップ120を接続することができる。冗長化のために様々な動作構成を用いることができる。例示的な実施形態では、一方のバンク構造212の(例えば、左側の)一組のマイクロLED220を一次動作用マイクロLED220とすることができる一方で、他方のバンク構造212上の(例えば右側の)マイクロLED220の組を冗長にする、又は条件セットが満たされない限り動作しない二次マイクロLED220とすることができる。なお、全てのマイクロLED220を動作させてもよい。
【0085】
図27Bを具体的に参照すると、左側のマイクロLED220の対の上にマイクロLED開口232が示されている一方で、右側のマイクロLED220の対の上にマイクロLED開口232が例示されていない。この変則については、異なる厚さを有するマイクロLED220、より具体的には、異なる厚さを有する異なる色発光(例えば、赤、緑、青)用に設計されたマイクロLED220によって説明することができる。このように、実施形態によれば、異なる色の発光用に設計されたマイクロLED220は、マイクロLED開口232の対応する異なる深さを有することができる。ある実施形態では、マイクロLED開口232は、全てのマイクロLED220の上に形成される。ある実施形態では、マイクロLED開口232は、いくつかのマイクロLED220のみの上に形成される。
【0087】
実施形態の様々な態様を利用する際、マイクロLED及びマイクロドライバチップをディスプレイ基板に集積化し、電気的に接続するために、上記の実施形態の組み合わせ又は変形が可能であることが、当業者には明らかになるであろう。実施形態について、構造上の特徴及び/又は方法論的な作業に特定の言語で説明したが、添付の特許請求の範囲は、必ずしも上述した特定の特徴又は作業に限定されないことを理解されたい。開示した特定の特徴及び行為は、むしろ、説明上有用な特許請求の範囲の実施形態として理解されたい。