(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モード制御部は、前記クーリングモードにおいて、前記機内温度が、前記第1閾値より低い第2閾値より低くなったとき、所定第2時間継続して前記機内温度が前記第2閾値より低くなったか否かを判定し、前記第2時間継続して前記機内温度が前記第2閾値より低くなった場合には、前記動作モードを前記クーリングモードから前記通常動作モードへ切り替えること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の画像形成装置では、サーミスターの温度分解能に起因して、エンジン部分の動作停止や冷却ファンの動作開始のための閾値温度の検出が遅延することがあり、プリントエンジン部分の動作停止や冷却ファンの動作開始を行うクーリングモードの期間の長さが安定せず、長くなってしまうことがある。クーリングモードが長時間になると、その間、ユーザーは印刷を行うことができず、不便である。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、クーリングモードの期間を適切な長さに設定可能である画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、印刷装置と、前記印刷装置を制御するプリントエンジンと、当該画像形成装置の機内温度を検出するセンサーと、前記センサーにより検出された前記機内温度を監視する機内温度監視部と、前記機内温度に基づいて、当該画像形成装置の動作モードを、通常動作モードとクーリングモードとの一方から他方へ切り替えるモード制御部と
、前記プリントエンジンに印刷コマンドを送信するコントローラーとを備える。前記モード制御部は、前記通常動作モードにおいて、前記機内温度が第1閾値を超えたとき、所定第1時間継続して前記機内温度が前記第1閾値を超えたか否かを判定し、前記第1時間継続して前記機内温度が前記第1閾値を超えた場合には、前記動作モードを前記通常動作モードから前記クーリングモードへ切り替える。
そして、前記プリントエンジンは、前記通常動作モードでは、前記印刷コマンドに基づいて前記印刷装置の印刷動作を実行させ、前記クーリングモードでは、前記印刷装置の印刷動作を停止させ、前記コントローラーは、前記クーリングモードでは、前記通常動作モードでは動作していなかった冷却ファンを動作させるか、前記通常動作モードで動作していた冷却ファンの風量を増加させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クーリングモードの期間を適切な長さに設定可能である画像形成装置が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す画像形成装置は、印刷装置1、プリントエンジン2、画像読取装置3、通信装置4、および操作パネル5を備える。
図1に示す画像形成装置は、複合機であるが、プリンター、コピー機、ファクシミリ機などでもよい。
【0012】
印刷装置1は、印刷用紙への画像の印刷を実行する内部装置である。ここでは、印刷装置1は、電子写真方式の印刷装置であって、露光装置で感光体ドラム上に静電潜像を形成し、現像装置で静電潜像をトナー現像し、現像されたトナー像を印刷用紙へ転写し、定着器でトナー像を印刷用紙に定着させる。
【0013】
プリントエンジン2は、印刷装置1の各部を制御し、印刷を実行させる内部装置である。プリントエンジン2は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路やマイクロコンピューターで構成されている。
【0014】
画像読取装置3は、原稿の原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部装置である。通信装置4は、ホスト装置などの外部の装置との間でデータ通信を実行する内部装置である。操作パネル5は、当該画像形成装置の筐体上に配置され、ユーザーに各種画面を表示する表示装置と、ユーザー操作を受け付ける入力装置とを備える内部装置である。
【0015】
さらに、
図1に示す画像形成装置は、冷却ファン11、ファン駆動回路12、冷却ファン13、ファン駆動回路14、センサー15、センサー回路16、およびコントローラー17を備える。
【0016】
冷却ファン11,13は、所定の部位を冷却したり、機内の空気を機外へ排出したりするファンである。ファン駆動回路12,14は、それぞれ、冷却ファン11,13を駆動する回路である。
【0017】
センサー15は、機内の特定部位に配置され機内温度を検出する、サーミスターなどといった素子である。センサー回路16は、センサー15により検出された機内温度に対応する電気信号を出力する。
【0018】
コントローラー17は、当該画像形成装置の内部装置を制御する。例えば、コントローラー17は、プリントエンジン2に印刷コマンドを供給し、印刷コマンドにより指定した画像の印刷を印刷装置1およびプリントエンジン2に実行させる。コントローラー17は、ASICなどの回路やマイクロコンピューターで構成されている。
【0019】
プリントエンジン2は、機内温度監視部21およびモード制御部22を備える。
【0020】
機内温度監視部21は、センサー15により検出された機内温度を監視する。具体的には、機内温度監視部21は、センサー回路16の出力レベルを定期的に読み取って、その出力レベルに基づいて機内温度を特定する。
【0021】
モード制御部22は、その機内温度に基づいて、当該画像形成装置の動作モードを、通常動作モードとクーリングモードとの一方から他方へ切り替える。
【0022】
具体的には、モード制御部22は、通常動作モードにおいて、検出された機内温度が第1閾値(例えば摂氏38度)を超えたとき、所定第1時間(例えば60秒)継続して機内温度が第1閾値を超えたか否かを判定し、所定第1時間継続して、検出された機内温度が第1閾値を超えた場合には、動作モードを通常動作モードからクーリングモードへ切り替える。
【0023】
また、モード制御部22は、クーリングモードにおいて、検出された機内温度が、第1閾値より低い第2閾値(例えば摂氏37度)より低くなったとき、所定第2時間(例えば60秒)継続して機内温度が第2閾値より低くなったか否かを判定し、所定第2時間継続して、検出された機内温度が第2閾値より低くなった場合には、動作モードをクーリングモードから通常動作モードへ切り替える。なお、この第2時間は、必要に応じて、ゼロに設定してもよい。
【0024】
ここで、プリントエンジン2は、通常動作モードでは、コントローラー17からの印刷コマンドに基づいて印刷装置1の印刷動作を実行させ、クーリングモードでは、印刷装置1の印刷動作を停止させる。このとき、プリントエンジン2は、通常動作モードからクーリングモードへ移行すると、クーリングモードへ移行したことをコントローラー17に通知し、クーリングモードではコントローラー17は印刷コマンドをプリントエンジン2に供給しない。さらに、コントローラー17は、クーリングモードでは、通常動作モードでは動作していなかった冷却ファン11,13を動作させるか、通常動作モードで動作していた冷却ファン11,13の風量を増加させる。例えば、クーリングモードに移行した時点で冷却ファン11が動作しており冷却ファン13が停止していた場合、冷却ファン13が動作を開始する。また、すべての冷却ファン11,13を動作させそれらの風量を最大にするようにしてもよい。プリントエンジン2は、クーリングモードから通常動作モードへ移行すると、通常動作モードへ移行したことをコントローラー17に通知し、通常動作モードに復帰するとコントローラー17はプリントエンジン2への印刷コマンドの供給を再開する。
【0025】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
図2は、
図1に示す画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【0026】
プリントエンジン2は、コントローラー17からの印刷コマンドに従って通常動作モードで印刷を開始する(ステップS1)。印刷が開始されると、印刷装置1内の定着器、駆動部などの発熱によって機内温度が上昇していく。印刷開始後、プリントエンジン2は、機内温度を機内温度監視部21で監視し、機内温度が第1閾値を超えているか否かを繰り返し判定するとともに(ステップS2)、印刷が終了したか否かを判定する(ステップS3)。
【0027】
機内温度が第1閾値を超えていると判定した場合、機内温度監視部21は、機内温度が所定第1時間継続して第1閾値を超えたか否かを判定する(ステップS4)。例えば、機内温度監視部21は、ステップS2では、所定の時間間隔で繰り返し、機内温度を特定し機内温度が第1閾値を超えているか否かを判定し、ステップS4では、ステップS2より短い時間間隔で繰り返し、機内温度を特定し機内温度が継続して第1閾値を超えているか否かを判定するようにしてもよい。
【0028】
機内温度が所定第1時間継続して第1閾値を超えなかった場合(つまり、継続して第1閾値を超えていた時間が第1時間未満である場合)には、ステップS2に戻り、プリントエンジン2は、上述の監視を継続する。
【0029】
一方、機内温度が所定第1時間継続して第1閾値を超えた場合には、モード制御部22は、動作モードを通常動作モードからクーリングモードへ切り替え、印刷を停止する(ステップS5)。
【0030】
印刷が停止すると、印刷装置1での発熱が減少するので、機内温度が低下していく。印刷停止後、機内温度監視部21は、機内温度を監視し、機内温度が第2閾値未満であるか否かを繰り返し判定する(ステップS6)。
【0031】
機内温度が第2閾値未満を超えていると判定した場合、機内温度監視部21は、機内温度が所定第2時間継続して第2閾値未満であった否かを判定する(ステップS7)。例えば、機内温度監視部21は、ステップS6では、所定の時間間隔で繰り返し、機内温度を特定し機内温度が第2閾値未満であるか否かを判定し、ステップS7では、ステップS6より短い時間間隔で繰り返し、機内温度を特定し機内温度が第2閾値未満であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0032】
機内温度が所定第2時間継続して第2閾値を超えなかった場合(つまり、継続して第2閾値未満であった時間が第2時間未満である場合)には、ステップS6に戻り、機内温度監視部21は、上述の監視を継続する。
【0033】
一方、機内温度が所定第2時間継続して第2閾値未満であった場合には、モード制御部22は、動作モードをクーリングモードから通常動作モードへ切り替え、ステップS5で停止した印刷を再開する(ステップS8)。その後、ステップS2に戻り、プリントエンジン2は、上述の監視を継続する。
【0034】
以上のように、上記実施の形態によれば、プリントエンジン2は、印刷装置1を制御する。センサー15は、機内温度を検出する。機内温度監視部21は、センサー15により検出された機内温度を監視する。モード制御部22は、その機内温度に基づいて、当該画像形成装置の動作モードを、通常動作モードとクーリングモードとの一方から他方へ切り替える。具体的には、モード制御部22は、通常動作モードにおいて、機内温度が第1閾値を超えたとき、所定第1時間継続して機内温度が第1閾値を超えたか否かを判定し、第1時間継続して機内温度が第1閾値を超えた場合には、動作モードを通常動作モードからクーリングモードへ切り替える。
【0035】
これにより、クーリングモードの期間を適切な長さに設定可能となる。つまり、サーミスターなどの分解能の低いセンサーをセンサー15に使用している場合、第1閾値付近で検出温度がゆらぐため、所定第1時間継続して第1閾値を超えてからクーリングモードへ移行するようにすることで、クーリングモード移行時の実際の機内温度のばらつきが少なくなり、ひいては、クーリングモードの期間にばらつきが少なくなる。そのため、第1閾値および第1時間を適宜設定することで、クーリングモードで印刷が停止している時間を所望の時間(例えば数分)以下に設定することができる。
【0036】
図3は、
図1に示す画像形成装置での機内温度およびセンサー測定値の推移の一例を示す図である。
図3の場合、センサー15は、現像装置に設置されており、機内温度は、温度計で別途測定したものである。
図3に示す例では、第1閾値が摂氏38度、第2閾値が摂氏37度、第1および第2時間が60秒に設定されており、機内温度が飽和した後では、クーリングモードの期間が3分程度となっている。
【0037】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。