(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対称な一対のレンズを有する眼鏡を着用している被写体の画像において、前記一対のレンズの双方の内部で顔の両側の輪郭が検出された場合には、前記検出された両側の輪郭の位置を使用して前記一対のレンズの双方の内部における変形をそれぞれ推定し、前記一対のレンズの一方の内部で顔の一方の輪郭が検出された場合には、前記検出された一方の輪郭の位置を使用して前記一対のレンズの双方の内部における変形を推定する変形推定部と、
前記推定された変形に基づいて前記一対のレンズの双方の内部における画像の補正率を算出し、前記算出された補正率を使用して前記一対のレンズ内の画像を補正する補正処理部と、
を備え、
前記変形推定部は、前記一対のレンズの双方の幅の比率であるレンズ幅比率を算出し、前記レンズ幅比率が予め設定されている閾値の範囲内に入っている場合に前記補正の可否を判断し、
前記補正処理部は、前記補正が可能と判断した場合に前記補正を実行する画像処理装置。
対称な一対のレンズを有する眼鏡を着用している被写体の画像において、前記一対のレンズの双方の内部で顔の両側の輪郭が検出された場合には、前記検出された両側の輪郭の位置を使用して前記一対のレンズの双方の内部における変形をそれぞれ推定し、前記一対のレンズの一方の内部で顔の一方の輪郭が検出された場合には、前記検出された一方の輪郭の位置を使用して前記一対のレンズの双方の内部における変形を推定する変形推定工程と、
前記推定された変形に基づいて前記一対のレンズの双方の内部における画像の補正率を算出し、前記算出された補正率を使用して前記一対のレンズ内の画像を補正する補正処理工程と、
を備え、
前記変形推定工程は、前記一対のレンズの双方の幅の比率であるレンズ幅比率を算出し、前記レンズ幅比率が予め設定されている閾値の範囲内に入っている場合に前記補正の可否を判断し、
前記補正処理工程は、前記補正が可能と判断した場合に前記補正を実行する工程を含む画像処理方法。
対称な一対のレンズを有する眼鏡を着用している被写体の画像において、前記一対のレンズの双方の内部で顔の両側の輪郭が検出された場合には、前記検出された両側の輪郭の位置を使用して前記一対のレンズの双方の内部における変形をそれぞれ推定し、前記一対のレンズの一方の内部で顔の一方の輪郭が検出された場合には、前記検出された一方の輪郭の位置を使用して前記一対のレンズの双方の内部における変形を推定する変形推定部、及び
前記推定された変形に基づいて前記一対のレンズの双方の内部における画像の補正率を算出し、前記算出された補正率を使用して前記一対のレンズ内の画像を補正する補正処理部として画像処理装置を機能させ、
前記変形推定部は、前記一対のレンズの双方の幅の比率であるレンズ幅比率を算出し、前記レンズ幅比率が予め設定されている閾値の範囲内に入っている場合に前記補正の可否を判断し、
前記補正処理部は、前記補正が可能と判断した場合に前記補正を実行する画像処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取システム10の機能構成を示すブロックダイアグラムである。画像読取システム10は、画像形成装置100と、スマートフォン200とを備えている。画像形成装置100は、制御部110と、画像形成部120と、操作表示部130と、記憶部140と、通信インターフェース部(通信I/F部とも呼ばれる。)150と、自動原稿送り装置(ADF)160とを備えている。
【0013】
スマートフォン200は、制御部210と、操作表示部230と、記憶部240と、通信インターフェース部(通信I/F部とも呼ばれる。)250と、撮像部260とを備えている。スマートフォン200は、通信インターフェース部150及び通信インターフェース部250を使用して画像形成装置100と近距離無線通信で接続される。近距離無線通信は、本実施形態では、BLUETOOTH(登録商標)のCLASS1を使用している。BLUETOOTH(登録商標)のCLASS1は、出力100mWの通信であり、画像形成装置100とスマートフォン200との距離が100m以内程度での通信が可能な近距離無線通信である。
【0014】
画像形成装置100の操作表示部130及びスマートフォン200の操作表示部230は、タッチパネルとして機能し、様々なメニューを入力画面として表示し、顧客の操作入力を受け付ける。
【0015】
制御部110,210は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部110は、各種I/O、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、バス、その他ハードウェア等のインターフェースに関連するコントローラ機能を備えている。制御部110,210は、それぞれ画像形成装置100及びスマートフォン200の全体を制御する。
【0016】
記憶部140,240は、非一時的な記録媒体であるハードディスクドライブやフラッシュメモリー等からなる記憶装置で、それぞれ制御部110,210が実行する処理の制御プログラムやデータを記憶する。記憶部140には、スマートフォン200にインストールするための原稿画像取得アプリケーションプログラム141(単にアプリケーションとも呼ばれる。)が記憶されている。制御部110は、変形推定部111と、補正処理部112とを備えている。変形推定部111及び補正処理部112の機能については後述する。
【0017】
本実施形態では、スマートフォン200は、画像形成装置100の記憶部140から原稿画像取得アプリケーションプログラム141をダウンロードして、記憶部240にインストールすることによって、画像形成装置100と同様に眼鏡画像補正処理を実行することもできる。
【0018】
図2は、一実施形態に係る眼鏡画像補正処理の内容を示すフローチャートである。
図3は、一実施形態に係る眼鏡レンズのモデル化の様子を示す説明図である。ステップS100では、スマートフォン200は、撮像部260を使用して画像データ取得処理を実行する。
【0019】
画像データ取得処理では、撮像部260は、眼鏡を着用した被写体(後述)を撮像してRAW画像データ(Raw image format)を画像形成装置100に送信する。RAW画像データは、RAW現像処理が実行される前の画像データである。RAW画像データは、RAW現像処理を行うことなく、パーソナルコンピュータ300に送信される。
【0020】
ステップS200では、変形推定部111は、眼鏡フレーム検出処理を実行する。眼鏡フレーム検出処理では、変形推定部111は、顔認識処理を実行し、顔画像の中からパターンマッチングその他の方法を使用して眼鏡フレームFRMと一対の眼鏡レンズLL,LRとを検出する(
図3(a)参照)。一対の眼鏡レンズLL,LRは、左右に対称な形状を有しているものとする。
【0021】
ステップS300では、変形推定部111は、フレーム内代表色推定処理を実行する。フレーム内代表色推定処理では、変形推定部111は、一対の眼鏡レンズLL,LRの内部領域において、その内部領域の画像を構成する代表色を内部領域内の複数点で取得する。
【0022】
ステップS400では、変形推定部111は、フレーム内代表色が被写体の顔の内部で検知されたか否かを判断する。フレーム内代表色が被写体の顔の内部で検知されなかった場合には、一対の眼鏡レンズLL,LRが反射して、一対の眼鏡レンズLL,LRの内部において被写体の眼や輪郭が見えない状態が想定されるので補正する必要がないからである。
【0023】
変形推定部111は、フレーム内代表色が被写体の顔の内部(フレーム外)で検知された場合には、処理をステップS500に進め、フレーム内代表色が被写体の顔の内部(フレーム外)で検知されなかった場合には、処理をステップS700に進める。ステップS500では、変形推定部111は、フレーム内変形推定処理を実行する。
【0024】
図4は、一実施形態に係るフレーム内変形推定処理(ステップS500)の内容を示すフローチャートである。ステップS500では、変形推定部111は、一対の眼鏡レンズLL,LRが左右対称であることを利用して一対の眼鏡レンズLL,LRをモデル化して以下の処理を実行する。
【0025】
ステップS510では、変形推定部111は、レンズ最外殻点検出処理を実行する。レンズ最外殻点検出処理では、変形推定部111は、一対の眼鏡レンズLL,LRのそれぞれの4つの最外殻点(計8点)を特定する(
図3(b)参照)。
【0026】
ステップS520では、変形推定部111は、レンズ上下端検出処理を実行する。レンズ上下端検出処理では、変形推定部111は、計8つの最外殻点を使用して一対の眼鏡レンズLL,LRの上端を結ぶ線である上端接線LTと、一対の眼鏡レンズLL,LRの下端を結ぶ線である下端接線LBとを取得する。変形推定部111は、上端接線LTと下端接線LBとが眼鏡の対称形状に基づいて相互に平行な一対の線として定義可能であることを利用して、一対の眼鏡レンズLL,LRが撮像部260に正対した場合の画像を再現することができる(
図3(c)参照)。
【0027】
変形推定部111は、一対の眼鏡レンズLL,LRを有する眼鏡を着用した被写体の顔認識処理を利用して、撮像部260に対する被写体の顔の傾斜角度を推定し、一対の眼鏡レンズLL,LRが撮像部260に正対した場合の画像の再現に利用することもできる。これにより、変形推定部111は、一対の眼鏡レンズLL,LRが相互に角度(すなわち上から見てフレームFRMが曲がっている。)を有していても撮像部260に正対したと仮定した場合の一対の眼鏡レンズLL,LRの画像を再現することができる。
【0028】
変形推定部111は、撮像部260に正対したと仮定した場合の一対の眼鏡レンズLL,LRの画像を使用して、左側眼鏡レンズLLの左端を通って上端接線LT及び下端接線LBに垂直な線である外側左端接線LL1と、左側眼鏡レンズLLの右端を通って上端接線LT及び下端接線LBに垂直な線である内側右端接線LL2と、右側眼鏡レンズLRの右端を通って上端接線LT及び下端接線LBに垂直な線である外側右端接線LR1と、右側眼鏡レンズLRの左端を通って上端接線LT及び下端接線LBに垂直な線である内側左端接線LR2とを相互に平行な4本の線として定義する。
【0029】
変形推定部111は、上端接線LTと外側左端接線LL1の交点を第1対角交点PLT1と、上端接線LTと内側右端接線LL2の交点を内側第1交点PLT2と、上端接線LTと内側左端接線LR2の交点を内側第2交点PRT2と、上端接線LTと右側右端接線LR1の交点を第2対角交点PRT1とを定義する。
【0030】
変形推定部111は、下端接線LBと外側左端接線LL1の交点を第3対角交点PLB1と、下端接線LBと内側右端接線LL2の交点を内側第3交点PLB2と、下端接線LBと内側左端接線LR2の交点を内側第4交点PRB2と、下端接線LBと右側右端接線LR1の交点を第4対角交点PRB1とを定義する。
【0031】
ステップS530では、変形推定部111は、レンズ幅比率算出処理を実行する。レンズ幅比率算出処理では、変形推定部111は、撮像部260から見たみかけの状態(
図3(d)参照)における左側眼鏡レンズLLの幅WLと、右側眼鏡レンズLRの幅WRとを算出する。次に、変形推定部111は、左側眼鏡レンズLLの幅WLと、右側眼鏡レンズLRの幅WRとの比としてレンズ幅比率WRを算出する。なお、
図3(d)は、説明を分かりやすくするために傾斜を誇張して描いてある。
【0032】
ステップS540では、変形推定部111は、レンズ幅比率WRが閾値Thの範囲内であるか否かを判断する。閾値Thは、顔の傾斜角度が本実施形態に係る方法で適切な補正可能な範囲内であるか否か(補正の可否)を判断するための値として設定されている。閾値Thは、たとえば0.9乃至1.1に設定することができる。
【0033】
変形推定部111は、レンズ幅比率WRが閾値Thの範囲内であると判断された場合には、処理をステップS550に進め、レンズ幅比率WRが閾値Thの範囲内であると判断されなかった場合には、処理をステップS700に進める(
図2参照)。ステップS550では、変形推定部111は、比率演算処理を実行する。
【0034】
図5は、一実施形態に係る比率演算処理(ステップS550)の内容を示すフローチャートである。
図6は、一実施形態に係る輪郭比較処理の様子を示す説明図である。ステップS551では、変形推定部111は、顔輪郭抽出処理を実行する。顔輪郭抽出処理では、変形推定部111は、被写体の顔の輪郭線を抽出する。顔の輪郭線には、左側レンズLLの外側(外部)に見えるレンズ外輪郭線CFE1と、左側レンズLLの内側に見えるレンズ内輪郭線CFLとがある(
図6(a)参照)。ステップS552では、変形推定部111は、左右の輪郭比較処理を実行する。
【0035】
図7は、一実施形態に係る輪郭比較処理(ステップS552)の内容を示すフローチャートである。ステップS5521では、変形推定部111は、一対の眼鏡レンズLL,LRの少なくとも一方の内側に顔の輪郭が存在するか否かを判断する。変形推定部111は、双方のレンズの内側に顔の輪郭が存在しないと判断した場合には、処理をステップS5522に進め、少なくとも一方のレンズの内側に顔の輪郭が存在すると判断した場合には、処理をステップS5523に進める。少なくとも一方のレンズの内側に顔の輪郭が存在する場合とは、一対のレンズの双方の内部で顔の両側の輪郭が検出された場合と、一対のレンズの一方のみの内部で顔の一方の輪郭が検出された場合とを含んでいる。
【0036】
この例では、変形推定部111は、左側レンズLLの内側には、レンズ内輪郭線CFLが存在する一方、右側眼鏡レンズLRの内側には、レンズ内輪郭線が存在しない(
図6(a)参照)。よって、変形推定部111は、左側レンズLLについては処理をステップS5523に進め、右側眼鏡レンズLRの内側については処理をステップS5522に進める。ステップS5522では、変形推定部111は、顔の輪郭の位置を使用して直接的に補正率を算出することができないので、暫定的に補正率を1に設定する。
【0037】
ステップS5523では、変形推定部111は、内外境界点算出処理を実行する。内外境界点算出処理では、変形推定部111は、下端接線LBとレンズ外輪郭線CFE1との交点としてレンズ外輪郭交点A1を特定し、下端接線LBとレンズ内輪郭線CFL又はその延長線との交点としてレンズ内輪郭点A2を特定する。延長線は、たとえばレンズ内輪郭線CFLの近似曲線を使用して生成することができる。
【0038】
なお、下端接線LBとレンズ内輪郭線CFLの交点は、広い意味を有し、下端接線LBとレンズ内輪郭線CFLの現実の交点だけでなく、下端接線LBとレンズ内輪郭線CFLの延長線との交点を含む広い意味を有している。
【0039】
下端接線LBとの交点を使用するのは、眼鏡の下端が顔の上下方向の中心の近傍に位置し、眼鏡の近傍なので顔の輪郭の歪が最も顕著に顕在化する上下方向の位置だからである。さらに、下端接線LBは、一対の眼鏡レンズLL,LRの左右方向の対称性を利用して顔の水平方向を特定することもできる。ただし、下端接線LBとの交点に限定されるものではなく、下端接線LBの近傍(たとえば顔の上下方向の中心位置)に下端接線LBに平行な線を設定してもよい。
【0040】
ステップS5524では、変形推定部111は、外側接線取得処理を実行する。外側接線取得処理では、変形推定部111は、レンズ外輪郭交点A1を通って下端接線LBに垂直な線を輪郭基準線L1として特定する。レンズ内輪郭交点A2は、レンズLLによる屈折現象がなければ輪郭基準線L1上に配置される点である。
【0041】
ステップS5525では、変形推定部111は、内側境界点が一致するか否かを判断する。すなわち、変形推定部111は、レンズ外輪郭交点A1とレンズ内輪郭交点A2とが一致するか否かを判断する。変形推定部111は、両者が一致しないと判断した場合には、処理をステップS5526に進め、両者が一致すると判断した場合には、処理をステップS5522に進める。ステップS5522では、両者が一致しているので、変形推定部111は、レンズLLによる屈折現象が発生しておらず補正が不要であると判断して補正率を1に設定する。
【0042】
図8は、一実施形態に係る比率演算処理の内容を示す説明図である。ステップS5526では、変形推定部111は、焦点F取得処理を実行する。焦点F取得処理では、変形推定部111は、第1対角交点PLT1と第4対角交点PRB1とを結ぶ直線LD1と、第2対角交点PRT1と第3対角交点PLB1とを結ぶ直線LD2との交点Fを焦点Fとして取得する。
【0043】
ステップS5527では、変形推定部111は、基準点FB特定処理を実行する。基準点FB特定処理では、変形推定部111は、下端接線LBに対して垂直な直線を交点Fから伸ばして下端接線Lに交わる点を基準点FBとして取得する(
図8(a)参照)。
【0044】
ステップS5528では、変形推定部111は、内外境界点距離算出処理を実行する。内外境界点距離算出処理では、変形推定部111は、基準点FBからレンズ外輪郭交点A1までのレンズ外輪郭距離M1と、基準点FBからレンズ内輪郭交点A2までのレンズ内輪郭距離M2とを取得する(
図8(b)参照)。
【0045】
ステップS5529では、変形推定部111は、補正前比率算出処理を実行する。内外補正前比率算出処理では、変形推定部111は、レンズ外輪郭距離M1に対するレンズ内輪郭距離M2の比として補正前比率RL(=M2/M1)を算出する。補正前比率RLは、レンズの屈折で画像が変形される程度を表す縮小比率である。
【0046】
補正前比率RLは、一対の眼鏡レンズLL,LRの度数に応じて変化する。具体的には、近視用の眼鏡では、補正前比率RLが1より小さく(レンズ内の領域が屈折で縮小)しているが、遠視用の眼鏡では、補正前比率RLが1よも大きく(レンズ内の領域が屈折で拡大)なる。
【0047】
ステップS553(
図5参照)では、変形推定部111は、左右の両方の補正前比率RLが1であるか否かを判断する。変形推定部111は、両方の補正前比率RLが1であると判断した場合には、補正が不要なので処理をステップS700(
図2参照)に進め、左右の少なくとも一方の補正前比率RLが1でないと判断した場合には、処理をステップS554に進める。
【0048】
ステップS554では、変形推定部111は、一方の補正前比率RLが1であるか否かを判断する。変形推定部111は、一方の補正前比率RLが1であると判断した場合には、処理をステップS555に進め、左右の両方が1でないと判断した場合には、処理をステップS556に進める。
【0049】
ステップS555では、変形推定部111は、補正前比率RLが1でない方で他方の補正前比率RL(値は「1」)を置換する。具体的には、変形推定部111は、
図6(a)の例において、右側眼鏡レンズLRの暫定的な補正率1を左側レンズLLの補正率(補正前比率RLの逆数)で置換する。
【0050】
ステップS556では、変形推定部111は、
図6(b)の例において、左側レンズLLの補正率と右側眼鏡レンズLRの補正率とをそれぞれ維持する。左側レンズLL及び右側眼鏡レンズLRは、いずれも顔の輪郭CFE2を使用して直接的に補正率を算出することができるので、それぞれ算出された補正率を使用することができる。
【0051】
ステップS600(
図2参照)では、変形推定部111は、フレーム内補正処理を実行する。フレーム内補正処理では、変形推定部111は、補正率を使用して一対の眼鏡レンズLL,LRのそれぞれの内側の画像を補正する。
【0052】
図9は、一実施形態に係るフレーム内補正処理(ステップS600)の内容を示すフローチャートである。ステップS610では、補正処理部112は、フレーム内基準幅算出処理を実行する。フレーム内基準幅算出処理では、補正処理部112は、フレーム内基準幅NL1を算出する(
図8(c)参照)。フレーム内基準幅NL1は、焦点Fから外側左端接線LL1までの距離である。外側左端接線LL1は、左側眼鏡レンズLLの左端を通って上端接線LT及び下端接線LBに垂直な線である。
【0053】
ステップS620では、補正処理部112は、フレーム内基準点特定処理を実行する。フレーム内基準点特定処理では、補正処理部112は、フレーム内基準点FLを特定する。フレーム内基準点FLは、焦点Fを通る下端接線LBに並行な線上において、焦点Fからフレーム内基準幅NL1の半分の距離の点としてフレーム内基準点FLを特定する。
【0054】
ステップS630では、補正処理部112は、拡大比率算出処理を実行する。拡大比率算出処理では、補正処理部112は、補正前比率RL(=M2/M1)の逆数を拡大比率REとする。本実施形態では、拡大比率REは、補正率に相当する。
【0055】
ステップS640では、補正処理部112は、画像拡大処理を実行する。画像拡大処理では、補正処理部112は、フレーム内基準点FLを中心として左側眼鏡レンズLLの内部領域の画像を拡大比率REで拡大して拡大画像を生成する。
【0056】
ステップS650では、補正処理部112は、拡大画像の各画素が左側眼鏡レンズLLの内部領域であるか否かを画素毎に判断する。変形推定部111は、拡大画像の各画素が左側眼鏡レンズLLの内部領域であると判断した場合には、処理をステップS660に進め拡大画像の各画素が左側眼鏡レンズLLの内部でないと判断した場合には、処理をステップS670に進める。
【0057】
ステップS660では、は、左側眼鏡レンズLLの内部領域で拡大前の元の画像を拡大画像に置換する。ステップS670では、補正処理部112は、左側眼鏡レンズLLの内部領域で拡大前の元の画像を維持する。
【0058】
ステップS700(
図2参照)では、制御部110は、画像データ出力処理を実行する。画像データ出力処理では、制御部110は、RAW画像データに対してRAW現像処理を施すとともに、Jpegデータ等のデータサイズが小さな画像データに変換して出力する。画像形成装置100は、画像形成部120を使用して印刷物として出力することもできる。
【0059】
このように、一実施形態に係る画像形成システム1によれば、眼鏡を着用した被写体が画像取得装置に対して傾斜した場合を想定した画像処理を実現することができる。さらに、本方法は、一対の眼鏡レンズLL,LRの外形の対称性を利用しているので、瞼を閉じていても支障なく補正することができるという利点を有している。
【0060】
C.変形例:
本発明は、上記各実施形態だけでなく、以下のような変形例でも実施することができる。
【0061】
上記各実施形態では、本発明は、画像形成装置に適用されているが、画像処理装置や撮像部を有する携帯機器(スマートフォンを含む。)に適用することもできる。