特許第6899135号(P6899135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899135
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】装飾部品駆動装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210628BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-109780(P2017-109780)
(22)【出願日】2017年6月2日
(65)【公開番号】特開2018-201799(P2018-201799A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】320002913
【氏名又は名称】株式会社浅間製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 功
【審査官】 中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−224077(JP,A)
【文献】 特開2010−012163(JP,A)
【文献】 特開2016−073517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向へ延びる中心軸を有するガイドシャフトと、
前記ガイドシャフトを前記中心軸まわりに回動させる回動駆動装置と、
遊技機の装飾部品を支持するとともに、前記ガイドシャフトに組み付けられていて、前記ガイドシャフトに沿った前記所定の方向へのスライドが許容され、且つ前記ガイドシャフトに対する前記中心軸まわりの相対的回動が規制されていて、前記所定の方向に対して直交する方向に突出した突出部を有する支持部材と、
前記突出部に係合する係合部をそれぞれ有し、前記支持部材を、前記ガイドシャフトに沿って、前記所定の方向へ、互いに異なる態様でスライドさせる複数のスライド駆動装置と、
を備え、
前記複数のスライド駆動装置の前記係合部が、前記ガイドシャフトの周囲における異なる位置にそれぞれ配置され、
前記回動駆動装置は、前記ガイドシャフトを回動させて、前記複数のスライド駆動装置から選択した1つのスライド駆動装置の前記係合部に前記突出部を係合させる、装飾部品駆動装置。
【請求項2】
請求項1の記載の装飾部品駆動装置において、
前記ガイドシャフトの前記所定の方向に直交する断面の形状が、前記ガイドシャフトの前記所定の方向における一端部から他端部に亘って一定であって、且つ前記断面が非円形であり、
前記支持部材は、環状に形成されていて、前記ガイドシャフトに嵌め込まれている、装飾部品駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装飾部品駆動装置において、
前記複数のスライド駆動装置のうちの少なくとも1つのスライド装置は、前記支持部材を前記所定の方向へ付勢してスライドさせるバネである、装飾部品駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装飾部品駆動装置において、
前記バネを弾性変形させた状態に保持する保持装置を備え、
前記バネの前記係合部に前記突出部が係合したとき、前記保持装置による前記バネの保持が解除される、装飾部品駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の装飾部品を駆動する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載されているように、遊技機の装飾部品を昇降させる装飾部品駆動装置は知られている。この装飾部品駆動装置は、ラックギヤ、ピニオンギヤ及びモーターを備える。装飾部品はラックギヤに組み付けられている。遊技盤には、鉛直方向に延びるガイドシャフトが取り付けられており、ラックギヤは、ガイドシャフトに沿って鉛直方向にスライド可能である。
【0003】
ピニオンギヤは、平歯車である。すなわち、ピニオンギヤは、円板状の基部を有する。基部の外周面には、複数の歯が形成されている。ただし、基部の外周面の全周に亘って複数の歯が並べられているのではなく、基部の外周面のうちの一部分には歯が形成されていない。基部の外周面のうち、歯が形成されていない部分を欠歯部と呼ぶ。ラックギヤの歯にピニオンギヤの歯が噛み合った状態で、モーターによってピニオンギヤが正転駆動又は逆転駆動されて、ラックギヤが上方又は下方へスライドする。すなわち、装飾部品が上昇又は下降する。ピニオンギヤがさらに回転し、欠歯部がラックギヤに差し掛かると、ラックギヤの歯が噛み合う相手の歯が存在しなくなるので、ラックギヤが自由落下する。すなわち、装飾部品が急下降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5119391号公報
【発明の概要】
【0005】
上記のように、特許文献1の装飾部品駆動装置によれば、装飾部品の動作態様は2種類の態様に限られる。すなわち、第1の動作態様は、モーター駆動による比較的低速度での上昇又は下降であり、第2の動作態様は、自由落下による急下降である。このように、装飾部品の動作態様のバリエーションが比較的少ないため、遊技機の演出効果としては単調に感じられる虞がある。
【0006】
本発明の目的は、遊技機の演出効果をさらに高めることができる装飾部品駆動装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、所定の方向へ延びる中心軸(C21)を有するガイドシャフト(21)と、ガイドシャフトを前記中心軸まわりに回動させる回動駆動装置(30)と、遊技機(PM)の装飾部品(DP)を支持するとともに、ガイドシャフトに組み付けられていて、ガイドシャフトに沿った前記所定の方向へのスライドが許容され、且つガイドシャフトに対する前記中心軸まわりの相対的回動が規制されていて、前記所定の方向に対して直交する方向に突出した突出部(242)を有する支持部材(24)と、前記突出部に係合する係合部(P43,SU451a)をそれぞれ有し、前記支持部材を、前記ガイドシャフトに沿って、前記所定の方向へ、互いに異なる態様でスライドさせる複数のスライド駆動装置(SD1,SD2)と、を備え、前記複数のスライド駆動装置の前記係合部が、ガイドシャフトの周囲における異なる位置にそれぞれ配置され、回動駆動装置は、ガイドシャフトを回動させて、前記複数のスライド駆動装置から選択した1つのスライド駆動装置の前記係合部に前記突出部を係合させる、装飾部品駆動装置(1)としたことにある。
【0008】
この場合、ガイドシャフトの前記所定の方向に直交する断面の形状が、ガイドシャフトの前記所定の方向における一端部から他端部に亘って一定であって、且つ前記断面が非円形であり、支持部材は、環状に形成されていて、ガイドシャフトに嵌め込まれているとよい。
【0009】
また、この場合、前記複数のスライド駆動装置のうちの少なくとも1つのスライド装置は、支持部材を前記所定の方向へ付勢してスライドさせるバネであるとよい。さらに、この場合、前記バネを弾性変形させた状態に保持する保持装置(45)を備え、前記バネの前記係合部に前記突出部が係合したとき、保持装置による前記バネの保持が解除されるとよい。
【0010】
上記のように、本発明に係る装飾部品駆動装置は、装飾部品を支持する支持部材を備える。支持部材は、ガイドシャフトに沿ってスライド可能である。支持部材は、突出部を有している。また、本発明に係る装飾部品駆動装置は、複数のスライド駆動装置を備えている。各スライド駆動装置は、支持部材の突出部に係合して、支持部材を上下方向へスライドさせる。これにより、装飾部品を上下方向へスライドさせる。なお、各スライド駆動装置の動作態様は異なる。各スライド駆動装置の部位であって、支持部材の突出部との係合部は、ガイドシャフトの周囲における異なる位置に配置されている。ガイドシャフトを回動させることにより、支持部材の突出部の向きを変更して、突出部を前記複数のスライド駆動装置のうちの1つの装置に係合させることができる。すなわち、ガイドシャフトを回動させることにより、支持部材が係合するスライド駆動装置を切り替えて、装飾部品の動作態様を切り替えることができる。上記のように、本発明によれば、特許文献1の駆動装置を用いた場合に比べて、装飾部品の動作態様のバリエーションを増加させて、遊技機の演出効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実地形態に係る装飾部品駆動装置が適用されたパチンコ機の分解斜視図である。
図2A】装飾部品駆動装置を右斜め上から見た斜視図である。
図2B】装飾部品駆動装置を左斜め上方から見た斜視図である。
図3A図2Aにおけるスライド駆動装置を省略した斜視図である。
図3B図2Bにおけるスライド駆動装置を省略した斜視図である。
図4】ガイドシャフトの長手方向に直交する断面図である。
図5】ガイドシャフトホルダーを右斜め下方から見た斜視図である。
図6A図3Aにおける支持板及びその周辺部の拡大図である。
図6B図3Bにおける支持板及びその周辺部の拡大図である。
図7A】スライドブロックの斜視図である。
図7B】スライドブロックの本体部の中心軸方向に直交する断面図である。
図8図3Aにおける回動駆動装置及びその周辺部の拡大図である。
図9A図2Aにおける支持装置及び回動駆動装置を省略した斜視図である。
図9B図2Bにおける支持装置及び回動駆動装置を省略した斜視図である。
図10図9Aにおけるラックギヤ及びその周辺部の拡大図である。
図11A】保持装置及びその周辺部を右斜め前方から見た斜視図である。
図11B】保持装置及びその周辺部を左斜め後方から見た斜視図である。
図12A】回転爪を左斜め上方から見た斜視図である。
図12B】回転爪を左斜め下方から見た斜視図である。
図13】回転爪及び回動駆動装置の平面図である。
図14】初期状態におけるラックギヤ、スライド爪及びその周辺部の拡大図である。
図15】初期状態におけるラックギヤ、スライド爪及びその周辺部の平面図である。
図16】ラックギヤ及びスライド爪が下降する様子を示す斜視図である。
図17A】スライド爪が回転爪に当接した状態を示す側面図である。
図17B】回転爪が回動する様子を示す斜視図である。
図17C】スライド爪と回転爪とが嵌合した状態を示す側面図である。
図18】スライドブロックが自由落下する状態を示す平面図である。
図19】スライドブロックがスライド爪に係合した状態を示す平面図である。
図20】スライドブロックがラックギヤに係合した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る装飾部品駆動装置1について説明する。まず、装飾部品駆動装置1が適用された遊技機としてのパチンコ機PMの概略について説明しておく。パチンコ機PMは、図1に示すように、鉛直方向に延びる略直方体状の装置である。以下の説明において、パチンコ機PMの高さ方向(鉛直方向)を上下方向と呼ぶ。また、パチンコ機PMの幅方向を左右方向と呼び、パチンコ機PMの奥行き方向を前後方向と呼ぶ。
【0013】
パチンコ機PMは、同図に示すように、遊技球発射装置BS、遊技盤PB、表示装置DD、装飾部品DPなどを備える。遊技球発射装置BSは、図示しない遊技球を1球ずつ遊技盤PBへ向けて発射する。遊技盤PBは、遊技球発射装置BSの上方に配置されている。遊技盤PBは、上下方向に延びる略長方形の板状部材である。遊技盤PBは、遊技者に対向するように配置されている。すなわち、遊技盤PBの板厚方向が前後方向に一致している。
【0014】
遊技盤PBの略中央部に開口部OPが設けられている。開口部OPの後方には、表示装置DD及び装飾部品駆動装置1が収容されたケースCAが配置されている。ケースCAは前方(遊技者側)へ開放された箱状部材である。ケースCAの中央部に表示装置DDが配置されている。表示装置DDとして、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが用いられる。表示装置DDは、図示しない制御装置に接続されており、制御装置から供給された制御信号に従って画像を表示する。また、表示装置DDの左方及び右方に、装飾部品駆動装置1がそれぞれ配置されている。装飾部品駆動装置1に装飾部品DPが取り付けられる。装飾部品DPは、装飾部品駆動装置1によって駆動されて上下方向にスライドする。開口部OPの周縁部には枠状の縁飾りEPが取り付けられている。縁飾りEPによって装飾部品駆動装置1が覆われる。ただし、装飾部品駆動装置1のうち、後述する支持板22のみが縁飾りEPの内側に露出している。この支持板22に装飾部品DPが取り付けられている。すなわち、開口部OPに縁飾りEPが取り付けられた状態において、縁飾りEPの内側に表示装置DD及び装飾部品DPが露出しており、装飾部品駆動装置1はほとんど視認されない。なお、左側の装飾部品DPと右側の装飾部品DPとは左右対称である。また、左側の装飾部品駆動装置1と右側の装飾部品駆動装置1とは左右対称である。以下、左側の装飾部品駆動装置1について説明し、右側の装飾部品駆動装置1の説明は省略する。
【0015】
つぎに、装飾部品駆動装置1の構成について説明する。装飾部品駆動装置1は、図2A及び図2Bに示すように、ベースプレート10、支持装置20、回動駆動装置30及びスライド駆動装置40を備える。
【0016】
ベースプレート10は、上下方向に延びる板部材である。ベースプレート10は、遊技盤PBに対して平行に配置されている。すなわち、ベースプレート10の板厚方向が前後方向に一致している。ベースプレート10に、支持装置20、回動駆動装置30及びスライド駆動装置40が組み付けられている。
【0017】
支持装置20は、装飾部品DPを支持する。支持装置20は、図3A及び図3Bに示すように、ガイドシャフト21、支持板22、支持板ガイド23、及びスライドブロック24を備える。なお、図3A及び図3Bにおいては、スライド駆動装置40を省略している。
【0018】
ガイドシャフト21は、上下方向に延びる棒状部材である。ガイドシャフト21は、丸棒の側面部に、その中心軸C21に平行に延びる一対の溝G21,G21を形成した部材である。図4に示すように、溝G21,G21は、ガイドシャフト21の周方向に180°ずれている。したがって、同図に示すように、ガイドシャフト21の長手方向に直交する断面は非円形を呈する。ガイドシャフト21の上端から下端に亘り、前記断面の形状及び大きさが一定である。
【0019】
ガイドシャフト21は、ベースプレート10の左右方向における中央部から見て少し左方に配置されている。また、ガイドシャフト21は、ベースプレート10の前方に配置されている。ガイドシャフト21の上端部及び下端部が、上下対称の一対のガイドシャフトホルダーHD1,HD1によって支持されている(図3A及び図3B参照)。図5に示すように、ガイドシャフトホルダーHD1は、略直方体のブロック状部材である。ガイドシャフトホルダーHD1には、円形の凹部RPが形成されている。上側のガイドシャフトホルダーHD1の凹部RPと下側のガイドシャフトホルダーHD1とが対向している。凹部RPの内径は、ガイドシャフト21の外径と略同一である。ガイドシャフト21の上端部が上側のガイドシャフトホルダーHD1の凹部RPに挿入され、ガイドシャフト21の下端部が下側のガイドシャフトホルダーHD1の凹部RPに挿入されている。ガイドシャフトホルダーHD1,HD1はベースプレート10に締結されている。ガイドシャフト21は、中心軸C21まわりに回動可能に支持されている。ガイドシャフト21は、後述する回動駆動装置30によって駆動されて、中心軸C21まわりに回動する。
【0020】
支持板22は、図6A及び図6Bに示すように、本体部221及び上下一対のスライドブッシュ部222U,222Lを備える。本体部221及びスライドブッシュ部222U,222Lは一体的に形成されている。本体部221は、左右方向に延びる板状部である。本体部221の板厚方向が前後方向に一致している。本体部221の前面に装飾部品DPが取り付けられる。本体部221は、突出部P221を有する。突出部P221は、本体部221の後面に形成されている。突出部P221は、基部Pa221と凸部Pb221とからなる。基部Pa221は、本体部221の後面から後方へ突出するとともに、上下方向に延設されている。凸部Pb221は、基部Pa221の後端部から左方へ突出するとともに、上下方向に延設されている。凸部Pb221は、後述する支持板ガイド23に形成された溝G23に嵌合する。
【0021】
スライドブッシュ部222U,222Lは、本体部221の左端部に接続されている。スライドブッシュ部222U,222Lは、上下方向に延びる筒状部である。スライドブッシュ部222U,222Lの中心軸C222に直交する断面において、スライドブッシュ部222U,222Lの内周縁部及び外周縁部は円形を呈する。スライドブッシュ部222U,222Lの内径は、ガイドシャフト21の外径と略同一である。スライドブッシュ部222U,222Lの外径は、内径の1.5倍程度である。スライドブッシュ部222U,222Lは、ガイドシャフト21に嵌め込まれている。ガイドシャフト21の中心軸C21とスライドブッシュ部222U,222Lの中心軸C222とが重なっている。すなわち、ガイドシャフト21とスライドブッシュ部222U,222Lとが同軸配置されている。
【0022】
スライドブッシュ部222U,222Lの内周面には、ガイドシャフト21の溝G21,G21に嵌合する部位が存在しない。したがって、スライドブッシュ部222U,222Lとガイドシャフト21との関係における、上下方向の相対的なスライドが許容されるとともに、中心軸C21(中心軸C222)まわりの相対的回動も許容されている。
【0023】
支持板ガイド23は、上下方向に延びる角柱状部材である。支持板ガイド23は、ベースプレート10の前面における右端部に配置されている。支持板ガイド23の右側面部には、上下方向に延びる溝G23が形成されている。溝G23に、支持板22の凸部Pb221が嵌合している。支持装置20がベースプレート10に取り付けられた状態において、本体部221とベースプレート10とが平行になるように、支持板ガイド23の溝G23の位置及びガイドシャフトホルダーHD1における凹部RPの位置が設定されている。また、支持板ガイド23の左面における上部には、左方へ延びる突出部P23が形成されている。突出部P23は、支持板ガイド23の左面から左方へ延びる基部Pa23と、基部Pa23の先端から前方へ突出した突起部Pb23とからなる。
【0024】
スライドブロック24は、図7A及び図7Bに示すように、本体部241と突出部242とを有する。本体部241と突出部242とが一体的に形成されている。本体部241は、略円筒状に形成されている。本体部241の内径は、ガイドシャフト21の外径と同一である。本体部241の外径は、内径の2倍程度である。ガイドシャフト21の外径と同一である本体部241の内周面には凸部P241,P241が形成されている。凸部P241,P241は、本体部241の周方向に180°ずれている。ガイドシャフト21の断面(図4参照)における溝G21,G21の形状と、スライドブロック24の本体部241の断面における凸部P241,P241の形状(図7B参照)とが略同一である。図7Bに示す断面において、本体部241の内周縁部は非円形を呈する。一方、同断面において、本体部241の外周縁部は円形を呈する。
【0025】
突出部242は、本体部241の外周面から、本体部241の径方向における外側へ突出するとともに、本体部241の周方向に沿って延設されている。突出部242は、本体部241の全周の略6分の1に亘る部分に沿って形成されている。
【0026】
本体部241は、ガイドシャフト21に嵌め込まれている。本体部241がガイドシャフト21に嵌め込まれた状態では、中心軸C241と中心軸C21とが重なっている。すなわち、ガイドシャフト21と本体部241とが同軸配置されている。そして、凸部P241,P241が溝G21,G21に嵌合している。そのため、スライドブロック24とガイドシャフト21との関係における、上下方向の相対的スライドは許容されているが、スライドブロック24とガイドシャフト21との関係における、中心軸C21(中心軸C241)まわりの相対的回動は規制されている。すなわち、ガイドシャフト21を中心軸C21まわりに回動させると、ガイドシャフト21とスライドブロック24とが一体的に回動する。したがって、ガイドシャフト21を回動させることにより、突出部242の向きを変更することができる。
【0027】
本体部241は、スライドブッシュ部222Uとスライドブッシュ部222Lとの間に配置されている。したがって、支持板22及びスライドブロック24が一体的に上下方向へスライドする。その際、スライドブロック24は、ガイドシャフト21に沿ってスライドし、支持板22は、ガイドシャフト21及び支持板ガイド23に沿ってスライドする。ガイドシャフト21が中心軸C21まわりに回動すると、スライドブロック24は、ガイドシャフト21とともに回動するが、支持板22は回動しない。すなわち、本体部221とベースプレート10とは常に平行である。なお、スライドブロック24は、本発明の支持部材に相当する。
【0028】
つぎに、回動駆動装置30について説明する。回動駆動装置30は、図8に示すように、ステッピングモーター31、第1ギヤ32及び第2ギヤ33を備える。ステッピングモーター31は、図示しないブラケットを介して、ベースプレート10の前面の下端部に固定されている。第1ギヤ32は、平歯車である。すなわち、円板状の基部321の外周面に複数の歯が形成されている。ただし、基部321の全周に亘って歯が並べられているのではなく、基部321の全周の略3分の1に亘る部分に複数の歯が並べられており、その他の部分には歯が形成されていない。第1ギヤ32は、ステッピングモーター31の出力軸に嵌め込まれている。第1ギヤ32とステッピングモーター31の出力軸とが同軸配置されている。
【0029】
第2ギヤ33は、第1ギヤ32と同様の平歯車である。すなわち、筒状の基部331の外周面における下部に複数の歯が形成されている。ただし、基部331の全周に亘って歯が形成されているのではなく、基部331の全周の略3分の1に亘る部分に複数の歯が形成されており、その他の部分には歯が形成されていない。また、基部331の外周面における上部には、爪部332が形成されている。爪部332は、基端部332aと、凸部332bとを備える。基端部332aは、基部331の外周面から基部331の径方向における外側へ延設されている。凸部332bは、基端部332aの先端部から、基部331の平面視における反時計回り方向へ突出している。第2ギヤ33は、ガイドシャフト21の下端部に嵌め込まれている。第2ギヤ33とガイドシャフト21とが同軸配置されている。基部331の内周面には、スライドブロック24の凸部P241,P241と同様の凸部P33,P33が形成されており(図13参照)、凸部P33,P33がガイドシャフト21の溝G21,G21に嵌合している。第2ギヤ33の歯は、第1ギヤ32の歯に噛み合っている。なお、第1ギヤ32及び第2ギヤ33は、図示しないギヤカバーによって覆われている。
【0030】
第1ギヤ32がステッピングモーター31に駆動されて回動することにより、第2ギヤ33が回動する。これにより、ガイドシャフト21が中心軸C21まわりに回動する。図示しない制御装置によって、ステッピングモーター31の出力軸の回動角度位置が目標位置になるように制御される。これにより、スライドブロック24の突出部242の向きが制御される。
【0031】
つぎに、スライド駆動装置40について説明する。スライド駆動装置40は、図9A及び図9Bに示すように、スライドブロック24に当接して、スライドブロック24を上下方向にスライドさせる第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2から構成されている。なお、図9A及び図9Bにおいては、支持装置20及び回動駆動装置30を省略している。
【0032】
第1スライド駆動装置SD1は、図10に拡大して示すように、ガイドシャフトGS、ステッピングモーター41、ピニオンギヤ42及びラックギヤ43を備える。
【0033】
ガイドシャフトGSは、上下方向に延びる棒状部材である。ガイドシャフトGSは、ガイドシャフト21とは異なり、溝を有していない。つまり、ガイドシャフトGSの長手方向に直交する断面は円形を呈する。ガイドシャフトGSの上端から下端に亘り、前記断面の形状及び大きさが一定である。ガイドシャフトGSの外径は、ガイドシャフト21の外径と略同一である。ガイドシャフトGSは、ガイドシャフト21より少し短い。ガイドシャフトGSは、ベースプレート10とガイドシャフト21との間に配置されている(図2A参照)。
【0034】
ガイドシャフトGSの上端部及び下端部が、ガイドシャフトホルダーHD1,HD1と同様のガイドシャフトホルダーHD2,HD2によって保持されている(図9A及び図9B参照)。ガイドシャフトホルダーHD2の前後方向の寸法は、ガイドシャフトホルダーHD1の前後方向の寸法に比べて小さい。ガイドシャフトホルダーHD2のその他の構成は、ガイドシャフトホルダーHD1の構成と同一である。なお、ガイドシャフトGSは、第1スライド駆動装置SD1と、第2スライド駆動装置SD2とに共用される。
【0035】
ステッピングモーター41は、ベースプレート10の後面に取り付けられている(図10参照)。ステッピングモーター41は、ベースプレート10の中央部から見て少し右方に配置されている。ベースプレート10には貫通孔が設けられており、この貫通孔から、ステッピングモーター41の出力軸41aが、ベースプレート10の前面側へ突出している。出力軸41aの先端にピニオンギヤ42が取り付けられている。ピニオンギヤ42は、平歯車である。ピニオンギヤ42と出力軸41aとが同軸配置されている。ピニオンギヤ42は、支持板ガイド23の左方に位置している。ピニオンギヤ42は、次に説明するラックギヤ43に噛み合っている。
【0036】
ラックギヤ43は、本体部431及びスライドブッシュ部432を有する。本体部431及びスライドブッシュ部432は一体的に形成されている。本体部431は、複数の歯からなる。これらの複数の歯は、上下方向に並べられており、それらの歯面が右方へ向けられている。本体部431を構成する複数の歯に、ピニオンギヤ42の歯が噛み合っている。スライドブッシュ部432は、本体部431の左端面(歯面とは反対側の面)における上端部に接続されている。スライドブッシュ部432は、上下方向に延びる筒状部である。スライドブッシュ部432の長手方向に直交する断面において、スライドブッシュ部432の内周縁部は円形を呈し、スライドブッシュ部432の外周縁部は左右方向に延びる略長方形を呈する。また、スライドブッシュ部432の下端部には、前方へ突出した突起部P43が形成されている。なお、突起部P43は、本発明の係合部に相当する。スライドブッシュ部432は、ガイドシャフトGSに嵌め込まれている。ラックギヤ43は、ガイドシャフトGSに沿って上下方向にスライド可能である。ラックギヤ43がガイドシャフトGSに沿ってスライドする際、スライドブッシュ部432の後面がベースプレート10の前面に摺接する。また、スライドブロック24の突出部242が後方へ向けられていない状態では、スライドブッシュ部432と本体部241とが干渉することなく、ラックギヤ43がスライドブロック24の後方を通過可能である。
【0037】
第2スライド駆動装置SD2は、引張りコイルバネ44及び保持装置45からなる(図9A及び図9B参照)。引張りコイルバネ44は、ベースプレート10の左側部に配置されている。ベースプレート10の左側の上端部には前後方向に延びる軸SHが設けられており、引張りコイルバネ44の上端が軸SHに引っ掛けられている。また、引張りコイルバネ44の下端が、次に説明するスライド爪451に固定されている。また、次に説明する保持装置45によって、引っ張りコイルバネ44が所定量だけ引き伸ばされた状態が一時的に保持される。
【0038】
保持装置45は、図11A及び図11Bに示すように、スライド爪451及び回転爪452を備える。スライド爪451は、本体部451aとスライドブッシュ部451bとを備える。本体部451aは、上下方向に延びる略長方形の板状部である。本体部451aの板厚方向が左右方向に一致している。本体部451aの周端面のうち、本体部451aの前端面SF451a及び後端面SR451aは、前後方向に対して直交している。また、上端面SU451aは、上下方向に対して直交している。また、下端面SL451aのうちの前半部SLF451aは、上下方向に対して直交している。下端面SL451aのうちの後半部SLR451aは、上下方向及び前後方向に対して傾斜している。すなわち、後半部SLR451aは、後方且つ下方へ向けられた傾斜面である。また、本体部451aの後側の部分であって、後端面SR451aの下端部が切り欠かれて、切り欠き部CP451aが設けられている。スライド爪451の左方から見て、切り欠き部CP451aは、上下方向に延びる長方形を呈する。本体部451aの左面における上端部に、引っ張りコイルバネ44の下端部が固定される。
【0039】
スライドブッシュ部451bは、本体部451aの右面に接続されている。スライドブッシュ部451bは、上下方向に延びる筒状部である。スライドブッシュ部451bの形状は、スライドブッシュ部432の形状と略同一である。スライドブッシュ部451bは、ガイドシャフトGSに嵌め込まれている。スライドブッシュ部451bは、スライドブッシュ部432の下方に位置している。スライド爪451は、ガイドシャフトGSに沿って上下方向にスライド可能である。なお、スライド爪451がガイドシャフトGSに沿ってスライドする際、スライドブッシュ部451bの後面がベースプレート10の前面に摺接する。また、スライドブロック24の突出部242が後方へ向けられていない状態では、スライドブッシュ部451bと本体部241とが干渉することなく、スライド爪451がスライドブロック24の後方を通過可能である。なお、本体部451aの上端面SU451aは、本発明の係合部に相当する。また、図示しない制御装置によって、ステッピングモーター41の回転が制御され、ラックギヤ43の上下方向の位置が目標位置に設定される。
【0040】
回転爪452は、図12A及び図12Bに示すように、上下方向に延びる環状部材である。回転爪452は、ガイドシャフトGSの下部に嵌め込まれている。すなわち、回転爪452は、図13に示すように、回動駆動装置30の第2ギヤ32の後方に配置されている。回転爪452とガイドシャフトGSとが同軸配置されている。回転爪452は、ガイドシャフトGSの中心軸CGSまわりに回動可能である。回転爪452は、基部452a、第1爪部452b、第2爪部452c、周壁部452d及びねじりコイルバネ452eを備える。基部452a、第1爪部452b、第2爪部452c及び周壁部452dが一体的に形成されている。基部452aは、円板状部である。基部452aの内径は、ガイドシャフトGSの外径と略同一である。基部452aの外径は、基部452aの内径の2倍程度である。
【0041】
第1爪部452bは、基部452aの外周面から突出した柱状部である。回転爪452はガイドシャフトGSの中心軸CGSまわりに回動可能であるが、以下、回転爪452の説明における各部の方向は、第1爪部452bの先端が左方へ向くように回転爪452の姿勢が設定されている状態の方向である。第1爪部452bは、基部452aの後半部の外周面から左方へ延設されている。第1爪部452bの前面SF452b及び後面SR452bは、前後方向に対して直交している。また、下面SL452bは、上下方向に対して直交している。また、上面SU452bのうちの後半部SUR452bは、上下方向に対して直交している。上面SU452bのうちの前半部SUF452bは、上下方向及び前後方向に対して傾斜している。すなわち、前半部SUF452bは、前方且つ上方へ向けられた傾斜面である。
【0042】
第2爪部452cは、基部452aの外周面から基部452aの径方向における外側へ突出した凸状部である。回転爪452の平面視において、第2爪部452cと第1爪部452bとが、基部452aの周方向に約100°ずれている。
【0043】
周壁部452dは、基部452aの下側の面における外縁部に沿って延設されている。周壁部452dは、基部452aの全周に亘って形成されているのではなく、基部452aの外縁部のうちの略半周に亘って形成されている。周壁部452dは、第1爪部452bと基部452aとの接続部の下方に位置する部分から、回転爪452の平面視において反時計回り方向に延設されている。周壁部452dの一端部であって、第1爪部452bと基部452aとの接続部の下方に位置する部分の上端部が切り欠かれて、基部452aの周方向に沿って延びる溝G452dが形成されている。
【0044】
ねじりコイルバネ452eの外径は、周壁部452dの内径よりも少し小さい。ねじりコイルバネ452eの内径は、ガイドシャフトGSの外径と略同一である。周壁部452dの内側の空間に、ねじりコイルバネ452eが収容される。ねじりコイルばね452eの一端部が溝G452dに挿入される。
【0045】
ベースプレート10の下部には、貫通孔TH10が形成されており、この貫通孔TH10にねじりコイルバネ452eの他端部が挿入されている(図11A参照)。回転爪452は、ねじりコイルばね452eによって、図13における反時計回りに付勢され、第2爪部452cが図示しないギヤカバーに当接して、回転爪452が静止している。なお、回転爪452は、上下方向にはスライドしない。詳しくは後述するように、スライド爪451がガイドシャフトGSの下端部に位置する状態において、第1爪部452bが切り欠き部CP451a内に進入して、スライド爪451の上方へのスライドが規制される。すなわち、引っ張りコイルバネ44が所定量だけ引き伸ばされた状態が一時的に保持される。
【0046】
つぎに、上記のように構成された装飾部品駆動装置1の動作について説明する。まず、初期状態において、図14に示すように、ラックギヤ43がガイドシャフトGSの上端部に位置している。また、スライド爪451が引張りコイルバネ44によって付勢されて上方へスライドし、スライドブッシュ部451bの上面が、スライドブッシュ部432の下面に当接している。この初期状態において、突出部P23の突起部Pb23 の上面、突起部P43の上面、及び本体部451aの上端面が同一の高さに位置している。そして、図15に示すように、スライドブロック24の突出部242が突起部Pb23の上面に当接している。すなわち、装飾部品DP(スライドブロック24及び支持板22)は、その可動範囲の上端部に位置している。
【0047】
つぎに、ステッピングモーター41が正転駆動されて、ラックギヤ43が下方へスライドする。図16に示すように、スライド爪451はラックギヤ43によって下方へ押され、ラックギヤ43とスライド爪451とが一体となって下方へスライドする。これにより、引っ張りコイルバネ44が引き伸ばされる。なお、装飾部品DP(スライドブロック24及び支持板22)は、その可動範囲の上端部に位置したままである。図17Aに示すように、スライド爪451の下端面SL451aのうちの後半部SLR451aが、第1爪部452bの上面SU452bのうちの前半部SUF452bに当接する。スライド爪451がさらに下方へスライドすると、図17Bに示すように、第1爪部452bが、スライド爪451に押され、ねじりコイルばね452eの付勢力に抗して、図13において時計回り方向へ回動する。そして、図17Cに示すように、スライド爪451の切り欠き部CP451aの内周面のうちの下側の面が、第1爪部452bの下面SL452bの位置に達すると、回転爪452がねじりコイルばね452eに付勢されて回動し、第1爪部452bが切り欠き部CP451aに進入する。これにより、スライド爪451の上方へのスライドが規制される。つぎに、ステッピングモーター41が逆転駆動されて、ラックギヤ43が上方へスライドし、初期状態の位置(ガイドシャフト21の上端部)に戻る。
【0048】
つぎに、ステッピングモーター31が正転駆動され、図15において、ガイドシャフト21が時計回り方向に回動する。すると、図18に示すように、突出部242が突起部Pb23から離脱する。そのため、スライドブロック24及び支持板22が自由落下する。すなわち、装飾部品DPが急下降する。そして、スライドブッシュ部222Lが、ガイドシャフトホルダーHD1に当接して、装飾部品DPが停止する。この状態において、スライドブロック24の突出部242の下面とスライド爪451の本体部451aの上端面SU451aとが同一の高さに位置している。
【0049】
つぎに、ステッピングモーター31が逆転駆動され、図13において、第1ギヤ32が時計回り方向へ回動し、第2ギヤ33(すなわち、ガイドシャフト21)が反時計回り方向へ回動する。そして、図19に示すように、突出部242が本体部451aの上端面SU451aの上方に達すると、ステッピングモーター31が停止する。その際、第2ギヤ33の爪部332が回転爪452の第2爪部452cに当接して、回転爪452が図13において時計回り方向へ回動する。回転爪452の第1爪部452bが切り欠き部CP451aから退避すると、スライド爪451の上方へのスライドの規制が解除される。スライド爪451は引張りコイルバネ44によって上方へ付勢されているので、スライド爪451が急上昇する。スライドブロック24は、スライド爪451によって上方へ押される。これにより、スライドブロック24及び支持板22が急上昇する。すなわち、装飾部品DPが急上昇する。そして、スライドブッシュ部451bの上面が、スライドブッシュ部432の下面に当接して、装飾部品DPが停止する。
【0050】
また、スライド爪451の上方へのスライドが規制された状態(図17C参照)において、図20に示すように、スライドブロック24の突出部242がラックギヤ43の突起部P43の上面に当接した状態に設定される。そして、ステッピングモーター41が正転駆動又は逆転駆動されて、装飾部品DPが比較的低速で上昇又は下降する。
【0051】
上記のように、装飾部品駆動装置1は、ガイドシャフト21に沿って上下方向にスライド可能なスライドブロック24を備えている。スライドブロック24は、支持板22を介して装飾部品DPを支持している。また、装飾部品駆動装置1は、第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2を備えている。第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2は、スライドブロック24に係合して、スライドブロック24を上下方向へスライドさせる。これにより、装飾部品DPを上下方向へスライドさせる。第1スライド駆動装置SD1によれば、装飾部品DPを比較的低速度で上昇又は下降させることができる。また、第2スライド駆動装置SD2によれば、装飾部品DPを急上昇させることができる。第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2は、ガイドシャフト21の周囲における異なる位置に配置されている。ガイドシャフト21を回動させることにより、スライドブロック24の突出部242の向きを変更して、突出部242を第1スライド駆動装置SD1又は第2スライド駆動装置SD2に係合させることができる。すなわち、ガイドシャフト21を回動させることにより、スライドブロック24が係合する駆動装置(第1スライド駆動装置SD1又は第2スライド駆動装置SD2)を切り替えて、装飾部品DPの動作態様を切り替えることができる。さらに、本実施形態では、第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2の配置位置とは異なる方向へ突出部242を向けることにより、装飾部品DPを急下降(自由落下)させることができる。上記のように、本実施形態によれば、特許文献1の駆動装置を用いた場合に比べて、装飾部品DPの動作態様のバリエーションを増加させて、パチンコ機PMの演出効果を向上させることができる。
【0052】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0053】
上記実施形態では、スライド駆動装置40は、動作態様の異なる2つの装置(第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2)から構成されているが、スライド駆動装置40が、さらに多くの装置から構成されていてもよい。これによれば、装飾部品DPの動作態様のバリエーションをさらに増加させて、パチンコ機PMの演出効果をさらに向上させることができる。
【0054】
また、上記実施形態では、装飾部品DPを鉛直方向にスライドさせているが、装飾部品駆動装置1(ガイドシャフト21及びガイドシャフトGS)を左右方向に延設して、装飾部品DPを左右方向にスライドさせても良い。
【0055】
また、上記実施形態では、第2スライド駆動装置SD2において、引き伸ばし量(ストローク)に応じて引っ張り荷重が変化する引張りコイルバネ44を採用しているが、引っ張り荷重が一定である定荷重バネを用いてもよい。例えば、定荷重バネは、ボビン及び帯板を備える。ボビンは、前後方向に延びる略円柱状部材である。ボビンの中心には、前後方向に延びる貫通孔が設けられている。ボビンの貫通孔に、軸SHが挿入される。このように、ボビンが軸SHのまわりに回転可能に支持されている。帯板は、帯状の鋼板であり、ボビンの外周部に巻き回されている。帯板の基端がボビンの外周面に固定され、定荷重バネの前側から見て、ボビンを時計回りに回転させるようにして、帯板がボビンに巻き回される。帯板の先端部が下方へ引き出される。帯板の復元力により帯板の先端部が上方へ引き戻される力は、帯板の引き出し量(ストローク)にかかわらず一定である。
【0056】
また、ガイドシャフト21の断面形状(図4)は上記実施形態に限られない、すなわち、ガイドシャフト21に対するスライドブロック24の上下方向のスライドが許容され、且つガイドシャフト21に対するスライドブロック24の中心軸C21まわりの回動が規制されるような形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、ガイドシャフト21の断面が楕円形、矩形などであってもよい。すなわち、ガイドシャフト21の断面は非円形であればよい。これらの場合、スライドブロック24の内周縁の形状をガイドシャフト21の外周縁の形状に沿うように設定すればよい。
【0057】
なお、ラックギヤ43及びスライド爪451の上下方向の位置を検出するセンサー、ガイドシャフト21及び回転爪452の回動角度位置を検出するセンサーを設けておき、それらの検出結果に基づいて、ステッピングモーター31及びステッピングモーター41が制御されるとよい。
【符号の説明】
【0058】
1・・・装飾部品駆動装置、10・・・ベースプレート、20・・・支持装置、21・・・ガイドシャフト、22・・・支持板、23・・・支持板ガイド、24・・・スライドブロック、30・・・回動駆動装置、31・・・ステッピングモーター、40・・・スライド駆動装置、41・・・ステッピングモーター、42・・・ピニオンギヤ、43・・・ラックギヤ、44・・・定荷重バネ、45・・・保持装置、221・・・本体部、222U,222L・・・スライドブッシュ部、241・・・本体部、242・・・突出部、451・・・スライド爪、452・・・回転爪、C21・・・中心軸、DP・・・装飾部品、GS・・・ガイドシャフト、HD1,HD2・・・ガイドシャフトホルダー、P43・・・突起部、PM・・・パチンコ機、SD1・・・第1スライド駆動装置、SD2・・・第2スライド駆動装置、SU451a・・・上面
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20