特許第6899174号(P6899174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899174
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】監視制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20210628BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311H
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-222803(P2016-222803)
(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2018-82291(P2018-82291A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年5月20日
【審判番号】不服2020-8037(P2020-8037/J1)
【審判請求日】2020年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 竜也
【合議体】
【審判長】 北岡 浩
【審判官】 佐藤 智康
【審判官】 衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−175322(JP,A)
【文献】 特開2013−168823(JP,A)
【文献】 特開2015−069610(JP,A)
【文献】 特開2016−126435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 1/00-7/04,11/00-13/04,17/00-17/02,19/18-19/416,19/42-23/02
G06F 3/14-3/153,13/00,19/00
G06Q 10/00-10/10,30/00-30/08,50/00-50/20,50/26-99/00
G09G 5/00-5/36,5/377-5/42
H03J 9/00-9/06
H04N 5/222-5/257
H04Q 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星車載局に備えられる監視制御システムであって、
示部を備えた複数のモジュールと、
前記複数のモジュールのうちあるモジュールの表示部に表示された情報に対する操作に応じて、他のモジュールの表示部に表示される情報の切り替えを制御する切替制御部と、
を備え
前記切替制御部は、前記モジュール毎に与えられた識別情報によって、操作された表示部を有するモジュールを判別し、判別したモジュールの表示部において操作された情報に関連する情報を他のモジュールの表示部に表示させるように切り替えることによって他のモジュールの表示部に表示される情報の切り替えを制御し、
モジュールは、モジュール毎に設けられたウェブブラウザ機能によって所定のタイミングでウェブサーバから取得された情報を各モジュールの表示部に表示し、
前記切替制御部は、前記ウェブサーバとして機能する制御装置に備えられ、前記他のモジュールに設けられたウェブブラウザ機能において所定のタイミングでアクセスするアクセス先の情報を、前記関連する情報に切り替えることによって前記関連する情報を他のモジュールの表示部に表示させるように切り替え
複数の前記モジュールは、それぞれ異なるIPアドレスが割り当てられており、それぞれ異なるプロセッサを含むハードウェアを備える、監視制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、電圧が所定の閾値未満であることが検知された旨の通知を受けると、前記モジュールの機能を停止する、請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記切替制御部を備える制御装置と、前記表示部とが縦の長さ2Uサイズのラックマウントに実装される、請求項1又は2に記載の監視制御システム。
【請求項4】
3台の前記モジュールを備え、各モジュールは1面ずつ液晶パネルを有し、各液晶パネルは横並びに配置して構成される、請求項3に記載の監視制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星車載局の監視制御システムでは、ハードスイッチタイプのコントローラが使用されていた。ハードスイッチタイプのコントローラは小型で実現できる反面、スイッチや表示器種類や、物理的な大きさが制約となり、高機能化するシステムの操作パターンや、アラーム等の表現方法に限界があることが課題となっていた。このような経緯から近年では、タッチパネル式の操作端末で、操作や表示をソフトウェア画面で実現する方法が主流となってきている。タッチパネル式の操作端末は、視認性がよく、複雑化なシステムの情報を配色や、文字の大きさ等をユーザーの重要度や状況に応じてソフトウェアで自由に変更し、わかりやすく表現することに優れている。しかしながら、タッチパネル式の操作端末では、視認性を確保するため、12〜15型サイズのタッチパネルを採用することが多く、実装面積が大きく(ハードスイッチタイプの2〜4倍)なってしまうことがデメリットとなっていた。この問題は、実装容量が限られている衛星車載局のシステムには非常に重要な課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−332484号公報
【特許文献2】特開2002−123785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、タッチパネルコントローラによる視認性、操作性やソフトウェアによる柔軟性、拡張性を損なわず、従来のハードウェアスイッチタイプのコントローラの実装面積サイズに抑えた監視制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の監視制御システムは、複数のモジュールと、切替制御部を持つ。各モジュールは表示部を備える。モジュールは、モジュール毎に設けられたウェブブラウザ機能によって所定のタイミングでウェブサーバから取得された情報を各モジュールの表示部に表示する。切替制御部は、前記複数のモジュールのうちあるモジュールの表示部に表示された情報に対する操作に応じて、他のモジュールの表示部に表示される情報の切り替えを制御する。切替制御部は、前記モジュール毎に与えられた識別情報によって、操作された表示部を有するモジュールを判別し、判別したモジュールの表示部において操作された情報に関連する情報を他のモジュールの表示部に表示させるように切り替えることによって他のモジュールの表示部に表示される情報の切り替えを制御する。切替制御部は、前記ウェブサーバとして機能する制御装置に備えられ、前記他のモジュールに設けられたウェブブラウザ機能において所定のタイミングでアクセスするアクセス先の情報を、前記関連する情報に切り替えることによって前記関連する情報を他のモジュールの表示部に表示させるように切り替える。複数の前記モジュールは、それぞれ異なるIPアドレスが割り当てられており、それぞれ異なるプロセッサを含むハードウェアを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の通信システム1のシステム構成を示す図。
図2】送受信局2に備えられる本実施形態における監視制御システム100のシステム構成を示す図。
図3】監視制御システム100の構造例を示す図。
図4】監視操作端末10の構成を表す概略ブロック図。
図5】監視操作端末10の正面図。
図6】制御装置30の構成を表す概略ブロック図。
図7】対応情報テーブルの具体例を示す図。
図8】条件テーブルの具体例を示す図。
図9】監視制御システム100の処理の流れを示すシーケンス図。
図10】監視操作端末10の操作の一例を示す図。
図11】本実施形態において情報取得表示部に表示された画面情報の一例を示す図。
図12】変形例における監視制御システム100aのシステム構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の監視制御システムを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の通信システム1のシステム構成を示す図である。通信システム1は、送受信局2、通信衛星3及び管制局4を備える。送受信局2は、基地局のような固定局の場合だけでなく、車載局のような移動局の場合もある。送受信局2と管制局4とは、通信衛星3を介して、すなわち通信衛星回線を介して相互に通信を行う。なお、送受信局2は、1つであっても複数であってもよい。送受信局2が複数の場合、送受信局2は、他の送受信局2または管制局4と通信衛星3を介して相互に通信を行う。通信に用いる通信帯域は、例えば12GHz−18GHzのKuバンドである。
【0008】
図2は、送受信局2に備えられる本実施形態における監視制御システム100のシステム構成を示す図である。
送受信局2は、監視制御システム100を備える。監視制御システム100は、監視操作端末10、中継装置20、制御装置30、パラレル機器40、シリアル機器50及びEhter機器55(登録商標)を備える。
監視操作端末10は、ウェブブラウザ機能を有し、ウェブサーバとして機能する制御装置30に対して、画面情報を要求し、制御装置30から要求に対する応答として受信した画面情報を表示する。画面情報は、例えばHTML(HyperText Markup Language)形式で記述されたデータである。また、監視操作端末10は、複数の表示画面を有する。
中継装置20は、スイッチ、ルータ等の中継装置である。中継装置20は、監視操作端末10と制御装置30との間の通信を中継する。
【0009】
制御装置30は、ウェブサーバである。制御装置30は、監視操作端末10から要求された画面情報を監視操作端末10に送信する。
パラレル機器40は、制御装置30のパラレルポートに接続される機器である。
シリアル機器50は、制御装置30のシリアルポートに接続される機器である。
Ehter機器55は、中継装置20を経由して制御装置30と接続される機器である。
【0010】
図3は、監視制御システム100の構造例を示す図である。
図3に示すように、監視制御システム100は、一つの筺体の中に監視操作端末10、中継装置20及び制御装置30が含まれて構成される。ここで、監視操作端末10の縦方向(X方向)の長さは2U(約88mm)であり、このサイズの中に監視操作端末10と、中継装置20と、制御装置30とが実装可能な構造である。また、監視操作端末10には、小型の表示画面(例えば、5型のタッチパネルディスプレイ)が複数(例えば、3面)備えられる。
【0011】
図4は、監視操作端末10の構成を表す概略ブロック図である。監視操作端末10は、第1モジュール11、第2モジュール12及び第3モジュール13を備える。第1モジュール11、第2モジュール12及び第3モジュール13のそれぞれには、異なるIPアドレスが割り当てられている。以下の説明では、第1モジュール11、第2モジュール12及び第3モジュール13を特に区別しない場合には、単にモジュールと記載する。
【0012】
第1モジュール11は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)111やメモリ112や補助記憶装置などを備え、取得表示プログラムを実行する。取得表示プログラムの実行によって、第1モジュール11は、第1情報取得表示部113、第1通信部114を備える装置として機能する。なお、第1モジュール11の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、取得表示プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、取得表示プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0013】
第1情報取得表示部113は、例えばタッチパネルディスプレイである。第1モジュール11は、ウェブブラウザ機能を有し、所定のタイミングで、制御装置30に対して画面情報を要求し、要求に対する応答として取得した画面情報を表示する。ここで、所定のタイミングは、例えば監視操作端末10に対して起動指示(電源ON)がなされたタイミングであってもよいし、第1情報取得表示部113に対する操作入力がなされたタイミングであってもよいし、定期的(例えば、200msec)なタイミングであってもよいし、その他のタイミングであってもよい。第1情報取得表示部113が要求する画面情報の宛先は予め設定されている。なお、第1情報取得表示部113が要求する画面情報の宛先は、第2情報取得表示部123及び第3情報取得表示部133とは異なる。
第1通信部114は、中継装置20を介して、制御装置30との間で通信を行う。
【0014】
第2モジュール12は、バスで接続されたCPU121やメモリ122や補助記憶装置などを備え、取得表示プログラムを実行する。取得表示プログラムの実行によって、第2モジュール12は、第2情報取得表示部123、第2通信部124を備える装置として機能する。なお、第2モジュール12の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、取得表示プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、取得表示プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0015】
第2情報取得表示部123は、例えばタッチパネルディスプレイである。第2モジュール12は、ウェブブラウザ機能を有し、所定のタイミングで、制御装置30に対して画面情報を要求し、要求に対する応答として取得した画面情報を表示する。第2情報取得表示部123が要求する画面情報の宛先は予め設定されている。なお、第2情報取得表示部123が要求する画面情報の宛先は、第1情報取得表示部113及び第3情報取得表示部133とは異なる。
第2通信部124は、中継装置20を介して、制御装置30との間で通信を行う。
【0016】
第3モジュール13は、バスで接続されたCPU131やメモリ132や補助記憶装置などを備え、取得表示プログラムを実行する。取得表示プログラムの実行によって、第3モジュール13は、第3情報取得表示部133、第3通信部134を備える装置として機能する。なお、第3モジュール13の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、取得表示プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、取得表示プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0017】
第3情報取得表示部133は、例えばタッチパネルディスプレイである。第3モジュール13は、ウェブブラウザ機能を有し、所定のタイミングで、制御装置30に対して画面情報を要求し、要求に対する応答として取得した画面情報を表示する。第3情報取得表示部133が要求する画面情報の宛先は予め設定されている。なお、第3情報取得表示部133が要求する画面情報の宛先は、第1情報取得表示部113及び第2情報取得表示部123とは異なる。
第3通信部134は、中継装置20を介して、制御装置30との間で通信を行う。
【0018】
図5は、監視操作端末10の正面図である。
図5に示すように、監視操作端末10の正面には、第1情報取得表示部113、第2情報取得表示部123及び第3情報取得表示部133が設けられている。これらの表示部は、それぞれ異なる情報を表示する。例えば、第1情報取得表示部113には、頻繁に操作を行う必要が無いモニター情報が表示される。モニター情報としては、RF信号の波形(図5では、スペアナ)、ログ情報(図5では、LOG)、システムの状態図(図5では、SYSTEM STATUS)等が挙げられる。また、例えば、第2情報取得表示部123には、送受信局2に備えられる送信設備、受信設備及びアンテナ設備等の設定情報が表示される。設定情報としては、送信設備又は受信設備が使用しているCH(図5では、CH)、送信設備又は受信設備の変復調方式(図5では、MODE)等が挙げられる。また、例えば、第3情報取得表示部133には、各項目の詳細設定画面や、実行確認画面が表示される。図5では、詳細設定画面として、CHの設定画面が表示されている。
【0019】
図6は、制御装置30の構成を表す概略ブロック図である。制御装置30は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、表示制御プログラムを実行する。表示制御プログラムの実行によって、制御装置30は、通信部31、画面表示管理部32、記憶部33、システム機器管理部34を備える装置として機能する。なお、制御装置30の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、表示制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、表示制御プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0020】
通信部31は、複数の物理的、論理的な通信I/F(インタフェース)を持つ。例えば、EtherNET通信では、通信部31は、中継装置20を介して、監視操作端末10や、Ether機器55との間で通信を行う。また、通信部31は、パラレル機器40や、シリアル機器50(RS232C、USB機器)等に対してもそれぞれの通信I/Fに応じた方式でシステムを構成する機器と通信を行う。監視操作端末10との通信内容は、画面表示管理部32、その他機器との通信はシステム機器管理部34を介して処理される。
【0021】
画面表示管理部32は、監視操作端末10から要求された画面情報を、記憶部33から検索し、検索した画面情報を通信部31及び中継装置20を介して監視操作端末10に応答として送信する。画面表示管理部32は、監視操作端末10からの操作指示と、対応情報テーブルと、条件テーブルとに基づいて、監視操作端末10が備える複数の画面のうちある画面に表示された情報に対する操作に応じて、他の画面に表示される情報の切り替えを制御する。
【0022】
記憶部33は、画面情報記憶部331、システム情報記憶部332及び設定条件記憶部333を用いて構成される。画面情報記憶部331は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。画面情報記憶部331は、画面の出力先(左画面用、中央画面用、右画面用)に対応付けて画面情報を記憶、更新する。画面情報記憶部331が記憶する画面情報は、例えばHTMLやCSS(Cascading Style Sheets)で記述されている。システム情報記憶部332は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。システム情報記憶部332は、システムが動作するために必要な機器状態や、動作条件及びログ等を記憶する。
【0023】
設定条件記憶部333は、対応情報テーブル及び条件テーブルを記憶する。対応情報テーブルは、監視操作端末10の各モジュールと、表示画面設定(左画面用、中央画面用、右画面用)とが対応付けられたテーブルである。条件テーブルは、監視操作端末10に対する操作入力に関する条件と、条件が満たされた場合に実行される制御内容とが対応付けられたテーブルである。
【0024】
図7は、対応情報テーブルの具体例を示す図である。対応情報テーブルは、複数のレコードを有する。レコードには、接続元情報と表示画面設定が記憶される。接続元情報は、接続元(各情報取得表示部)を識別可能な情報である。接続元情報は、例えばシステムによってIPアドレスやポート番号などのような通信ポートを識別できる情報でもよいし、アプリケーションで定めたID等でもよい。このように、対応情報テーブルは、監視操作端末10の各モジュールの情報とそれぞれの表示画面設定をレコードとして記憶する。
【0025】
図7に示される例では、対応情報テーブルには複数の接続元情報が登録されている。これらの接続元情報は、“第1情報取得表示部”、“第2情報取得表示部”、“第3情報取得表示部”である。図7において、対応情報テーブルの最上段に登録されているレコードは、接続元情報の値が“第1情報取得表示部”、表示画面設定の値が“左画面出力設定”である。すなわち、対応情報テーブルには、“第1情報取得表示部”が初回接続時に要求するページ情報により左画面出力設定であることが記憶されている。
【0026】
図8は、条件テーブルの具体例を示す図である。条件テーブルは、複数のレコードを有する。レコードは、条件及び制御内容の各値を有する。条件の値は、監視操作端末10に対する操作入力に関する条件を表す。監視操作端末10に対する操作入力に関する条件として、例えば、ある情報取得表示部に表示されているあるボタンが選択されたことや、システム機器(例えば、パラレル機器40、シリアル機器50及びEther機器55)の制御を行うボタンが選択されたことが挙げられる。制御内容の値は、同じレコードの条件が満たされた場合に実行される制御内容を表す。
【0027】
図6に戻って、制御装置30の説明を続ける。
システム機器管理部34は、システム機器(例えば、パラレル機器40、シリアル機器50及びEther機器55)の機器を制御する。
【0028】
図9は、監視制御システム100の処理の流れを示すシーケンス図である。図9では、監視操作端末10に起動指示が入力された場合の処理の流れについて説明する。
起動指示が入力されると、第1情報取得表示部113は予め設定されている宛先に格納されている画面情報を要求するための画面情報要求信号を生成する。画面情報要求信号は、例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストである。画面情報要求信号には、第1情報取得表示部113が備えられる第1モジュール11のIPアドレスと、画面情報の要求先のページアドレスが含まれる。第1情報取得表示部113は、生成した画面情報要求信号を、第1通信部114及び中継装置20を介して制御装置30に送信することによって画面情報を要求する(ステップS101)。
【0029】
起動指示が入力されると、第2情報取得表示部123は第1情報取得表示部113と同様に、予め設定されている宛先に対して画面情報を要求するための画面情報要求信号を生成する。第2情報取得表示部123が生成する画面情報要求信号には、第2情報取得表示部123が備えられる第2モジュール12のIPアドレスと、画面情報の要求先のページアドレスが含まれる。第2情報取得表示部123は、生成した画面情報要求信号を、第2通信部124及び中継装置20を介して制御装置30に送信することによって画面情報を要求する(ステップS102)。
【0030】
起動指示が入力されると、第3情報取得表示部133は第1情報取得表示部113及び第2情報取得表示部123と同様に、予め設定されている宛先に対して画面情報を要求するための画面情報要求信号を生成する。第3情報取得表示部133が生成する画面情報要求信号には、第3情報取得表示部133が備えられる第3モジュール13のIPアドレスと、画面情報の要求先のページアドレスが含まれる。第3情報取得表示部133は、生成した画面情報要求信号を、第3通信部134及び中継装置20を介して制御装置30に送信することによって画面情報を要求する(ステップS103)。
【0031】
制御装置30の通信部31は、各モジュールから送信された画面情報要求信号を受信する。通信部31は、受信した画面情報要求信号を画面表示管理部32に出力する。画面表示管理部32は、通信部31から出力された画面情報要求信号に含まれる情報に基づいて、画面情報記憶部331から画面情報を検索する(ステップS104)。具体的には、画面表示管理部32は、第1モジュール11から送信された画面情報要求信号に含まれる情報に基づいて、画面情報記憶部331から第1モジュール11が要求する画面情報を検索する。
【0032】
画面表示管理部32は、同様の処理を第2モジュール12及び第3モジュール13それぞれから送信された画面情報要求信号に含まれる情報に対して行う。この処理により、画面表示管理部32は、各モジュールから要求された画面情報を取得する。画面表示管理部32は、取得した画面情報を応答として、通信部31及び中継装置20を介して、各モジュールに送信する(ステップS105)。また、画面表示管理部32は、接続開始時に各モジュールから要求されたアドレス情報により、各モジュールが左画面設定であるか、中央画面設定であるか、右画面設定であるかを識別し、設定条件記憶部333の対応情報テーブルを更新する。
【0033】
各モジュールの情報取得表示部は、制御装置30から送信された応答から画面情報を取得し、取得した画面情報を画面上に表示する(ステップS106)。その後、第2モジュール12の第2情報取得表示部123の画面上に表示されている情報に対して選択操作の入力がなされたとする(ステップS107)。例えば、図10の矢印200で示すように、第2情報取得表示部123に表示されている“CH”に対して選択操作の入力がなされたとする。この場合、第2情報取得表示部123は、“CH”に対して選択操作の入力がなされた旨を示す通知を操作入力情報として、第2通信部124及び中継装置20を介して、制御装置30に送信する。
【0034】
制御装置30の通信部31は、第2モジュール12から送信された操作入力情報を受信する。通信部31は、受信した操作入力情報を画面表示管理部32に出力する。画面表示管理部32は、通信部31から出力された操作入力情報に含まれる情報と、対応情報テーブルと、条件テーブルとに基づいて、システム機器を制御しなければならないか、他の画面情報を更新しなければならないかを判定する(ステップS108)。ここで、一例を挙げて説明する。説明の前提として、条件テーブルに登録されている条件が[図10]の“第2情報取得表示部123においてCHのボタンが選択されること”であり、制御内容が“第3情報取得表示部133がアクセスする情報(要求する画面情報)をCHの詳細設定画面の情報に切り替えること”であるとする。
【0035】
画面表示管理部32は、操作入力情報に含まれる内容と、条件テーブルとに基づいて、システム機器を制御しなければならない条件か、画面を更新しなければならない条件かを識別する。例えば、操作入力情報に含まれる内容が、ある情報取得表示部に表示されているあるボタンが選択されたことを示す内容である場合、画面表示管理部32は画面を更新しなければならない条件であると判定する。また、操作入力情報に含まれる内容が、システム機器の制御を行うボタンが選択されたことを示す内容である場合、画面表示管理部32はシステム機器を制御しなければならない条件であると判定する。
【0036】
システム機器の制御しなければならない条件である場合、画面表示管理部32はシステム情報記憶部332に制御内容を記憶し、システム機器管理部34にて制御先機器と通信するように通知する。システム機器管理部34は、条件テーブルにおいて満たされた条件に対応する制御内容に基づいて、制御先機器と通信する。
一方、画面を更新しなければならない条件である場合、すなわち、機器の制御はなく、画面の表示のみが切り替わる動作の場合、画面表示管理部32は画面情報記憶部331の該当画面の情報を更新し(ステップS109)、対応情報テーブルに基づいて、該当画面のモジュールに対し、通信部31を経由してアクセスし、情報の更新の通知(以下「情報更新通知」という。)を行う。情報更新通知を受けたモジュールは、情報の更新要求を行う(ステップS110)。
【0037】
具体例を示すと、ステップS107の処理において、前述の「CHボタンが選択されること」が実行された場合、第2モジュール12から通信部31を経由して画面表示管理部32に操作入力情報が通知される。
ステップS108の処理において、画面表示管理部32は、画面のみ更新すればよい情報であることを設定条件記憶部333の条件テーブルより判断し、ステップS109の処理において画面情報記憶部331の対象画面情報を「CHの詳細設定画面」に更新する。
【0038】
画面表示管理部32は、対象画面の情報更新後、設定条件記憶部333の対応情報テーブルの情報を参照し、第3モジュール13に対し情報が更新されたことを通信部31経由で通知する。ステップS110の処理において、第3モジュール13は、情報更新の通知を受け取り、制御装置30の通信部31に対し情報更新要求として画面情報要求信号を送信し、画面情報要求信号が画面表示管理部32に通知される。
【0039】
画面表示管理部32は、画面情報記憶部331から第3モジュール13の情報「CHの詳細設定画面」を取り出し(ステップS111)、取り出した第3モジュール13の情報「CHの詳細設定画面」を応答として通信部31経由で第3モジュール13に送信する(ステップS112)。
第3モジュール13は、制御装置30から送信された「CHの詳細設定画面」を受信し、受信した「CHの詳細設定画面」を表示する。(ステップS113)
なお、上記例では、プッシュ通知の方式で説明したが、実現方法は定期的にモジュール側から更新要求を行うポーリング方式や、ロングポーリング方式でも実現可能である。
【0040】
以上のように構成された監視制御システム100によれば、複数の小型の画面(液晶パネル)のうち1つの画面の操作に応じて、他の画面の表示が連動して変化する。例えば、監視制御システム100では、1つの画面で選択された情報に応じて、選択された情報の詳細な情報を示す画面が他の画面に表示される。1画面のみで表現していた従来の場合では、一つの画面を切り替えて表現するか、ポップアップなどで上にさらに画面を置いて表現していたため、一つ前のプロセスの確認がしにくくなっていた。これに対して、今回提案する構成によりタッチパネルコントローラによる視認性、操作性やソフトウェアによる柔軟性、拡張性を損なわず、従来のハードウェアスイッチタイプのコントローラの実装面積サイズに抑えることができるとともに利便性を向上させることができる。
【0041】
従来のタッチパネル式の操作端末では、複数の画面を表示することができないため、画面を切り替えて情報を確認する必要があり、利便性が低下してしまう場合があった。それに対して、上記のように複数の画面のうち1つの画面の操作に応じて、他の画面の表示が連動して変化する。これにより、画面を切り替えて情報を確認する必要が無くなる。そのため、利便性を向上させることができる。
【0042】
従来のタッチパネル式の操作端末は、上記のように視認性がよく、複雑化するシステムの情報をわかりやすく表現することに優れている一方、筺体のサイズが大きいという課題もあった。それに対して、本実施形態における監視操作端末10は、実装スペースが2Uサイズと小型に抑えて複数の画面を配置する構造となっている。そのため、省スペースが実現できる。
【0043】
また、本実施形態における監視制御システム100では、監視操作端末10に3つの表示部を採用し、制御装置30において各表示部に表示させる情報を連動して動作させることによって優れた視認性と操作性及び将来の柔軟な拡張性を提供することができる。
【0044】
以下、変形例について説明する。
監視操作端末10は、ハードスイッチ及び音声出力用のスピーカーを備えるように構成されてもよい。ハードスイッチとしては、電源入力ボタン等が挙げられる。
各モジュールのCPUは、監視操作端末10内の電圧が所定の閾値未満であることが検知された旨の通知を受けた場合に、自身が備えられるモジュールの機能を停止する(シャットダウンする)ように構成されてもよい。
本実施形態における監視操作端末10の各情報取得表示部に表示させる情報は、図5のような情報に限定される必要はない。例えば、図5の第1情報取得表示部113に表示されている情報を第3情報取得表示部133に表示させて、第3情報取得表示部133に表示されている情報を第1情報取得表示部113に表示させるように構成されてもよい。
【0045】
画面情報記憶部331には、タッチパネル操作時用の画面情報と、マウス操作時用の画面情報とが記憶されていてもよい。例えば、図11は、本実施形態において情報取得表示部に表示された画面情報の一例を示す図である。図11(A)は実施形態において第2情報取得表示部123に表示された画面情報の一例であり、図11(B)は実施形態において第3情報取得表示部133に表示された画面情報の一例である。図11に示す例では、枠201又は枠202に囲まれるボタン(以下「操作ボタン」という。)が、画面の下に配置されている。これは、タッチパネル操作時において身体的負荷や、操作時の見やすさを重視しているためである。
【0046】
一方、マウス操作時には、操作ボタンが画面の下よりも画面の上に配置されている方が操作しやすい場合がある。そこで、画面情報記憶部331は、マウス操作時用の画面情報として、操作ボタンが画面の上に配置されるようにHTMLで記述された画面情報もタッチパネル操作時用の画面情報と記憶する。このように構成される場合、画面表示管理部32は、画面情報の要求元の操作入力方法に応じて、タッチパネル操作時用の画面情報又はマウス操作時用の画面情報のいずれを応答として送信するのか判断する。そして、画面表示管理部32は、判断結果に応じて、タッチパネル操作時用の画面情報又はマウス操作時用の画面情報のいずれを応答として送信する。
監視操作端末10の各情報取得表示部は、フリック操作により各情報取得表示部が画面に表示する情報を変更可能に構成されてもよい。
【0047】
本実施形態では、監視制御システム100として、ウェブブラウザ機能を有する監視操作端末10と、制御装置30とにおける構成を示したが、監視制御システム100は監視操作端末10に代えてウェブブラウザ機能を有するノートパソコン、タブレット端末等の端末装置と、制御装置30とで構成されてもよい。このような構成における一例について図12を用いて説明する。図12は、変形例における監視制御システム100aのシステム構成を示す図である。
【0048】
監視制御システム100aは、中継装置20a、制御装置30a、パラレル機器40、シリアル機器50、端末装置60及びアクセスポイント70を備える。
中継装置20aは、スイッチ、ルータ等の中継装置である。中継装置20aは、アクセスポイント70と制御装置30aとの間の通信を中継する。
【0049】
端末装置60は、ノートパソコン、タブレット端末等の情報処理を装置を用いて構成される。端末装置60は、ウェブブラウザ機能を有し、制御装置30aに対して、画面情報を要求し、制御装置30aから要求に対する応答として受信した画面情報を表示する。端末装置60は、例えば1つの表示部の画面を4画面に分割し、各画面でそれぞれ異なる情報を表示する。この分割された画面それぞれが監視操作端末10における各情報取得表示部の画面に相当する。
【0050】
アクセスポイント70は、端末装置60との間で通信を行う。アクセスポイント70と、端末装置60との間の通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。アクセスポイント70と、端末装置60との間の通信が無線通信である場合、無線通信には例えば無線LAN(Local Area Network)が用いられてもよい。アクセスポイント70は、端末装置60から送信された画面情報要求信号を中継装置20aを介して制御装置30に送信し、制御装置30aから送信された応答を端末装置60に送信する。
【0051】
制御装置30aは、ウェブサーバである。制御装置30aは、端末装置60から要求された画面情報を端末装置60に送信する。制御装置30aは、例えばIPアドレスと、ポート番号に基づいて端末装置60の各画面を判別する。このように構成される場合、制御装置30aの対応情報テーブルには、IPアドレスと、ポート番号と、各画面とが予め対応付けて記憶される。そして、制御装置30aは、画面情報要求信号の送信元のIPアドレスと、画面情報要求信号を受信したポート番号とに基づいて、画面情報を要求しているのがどの画面であるのかを判別する。なお、システム機器管理部34による処理については、制御装置30の同名の機能部と同様である。
【0052】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、監視制御システム100は、表示部(実施形態における第1情報取得表示部113、第2情報取得表示部123及び第3情報取得表示部133に相当)と、切替制御部(実施形態における画面表示管理部32に相当)とを持つ。表示部は、画面に情報を表示する。切替制御部は、複数の画面のうちある画面に表示された情報に対する操作に応じて、他の画面に表示される情報の切り替えを制御することにより、タッチパネルコントローラによる視認性、操作性やソフトウェアによる柔軟性、拡張性を損なわず、従来のハードウェアスイッチタイプのコントローラの実装面積サイズに抑えることができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
10…監視操作端末,11…第1モジュール,12…第2モジュール,13…第3モジュール,20、20a…中継装置,30、30a…制御装置,40…パラレル機器,50…シリアル機器,60…端末装置,70…アクセスポイント,111…CPU,112…メモリ,113…第1情報取得表示部,114…第1通信部,121…CPU,122…メモリ,123…第2情報取得表示部,124…第2通信部,131…CPU,132…メモリ,133…第3情報取得表示部,134…第3通信部,31…通信部,32…画面表示管理部,33…記憶部,331…画面情報記憶部,332…システム情報記憶部,333…設定条件記憶部,34…システム機器管理部
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