(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御設定を調整するステップは、前記第1の材料と前記第2の材料のスパッタエッチング特性の差を考慮して、前記第1のイオンビームと前記第2のイオンビームとの間でイオン入射角を調整するために、少なくとも一つの制御設定を調整するステップを備える、請求項2記載の方法。
前記信号を検出するステップは、前記第1の材料又は前記第2の材料の少なくとも一つの元素により発生される発光分光分析(OES)信号を受信するステップを備える、請求項1記載の方法。
前記制御設定を調整するステップは、抽出電圧、前記処理装置のプラズマチャンバに供給されるRF電力、前記基板と前記抽出プレートとの間の間隔、前記プラズマチャンバの圧力、パルスイオンビームのイオンビームデューティサイクル、及び前記基板を保持する基板ホルダに与えられる走査速度のうちの少なくとも一つを調整するステップを備える、請求項1記載の方法。
前記第1のイオンビームは第1のイオン角度分布を有し、前記第2のイオンビームは前記第1のイオン角度分布と異なる第2のイオン角度分布を有する、請求項1記載の方法。
前記第1のイオンビームは第1のイオン角度分布及び第1のイオンエネルギーを有し、前記第2のイオンビームは第2のイオン角度分布及び第2のイオンエネルギーを有し、前記第1のイオンエネルギー及び前記第1のイオン角度分布の少なくとも一つは前記第2のイオンエネルギー又は前記第2のイオン角度分布とそれぞれ異なる、請求項8記載の方法。
前記制御設定を調整するステップは、抽出電圧、前記処理装置のプラズマチャンバに供給されるRF電力、前記基板と前記抽出プレートとの間の間隔、前記プラズマチャンバの圧力、パルスイオンビームのイオンビームデューティサイクル、及び前記基板を保持する基板ホルダに与えられる走査速度のうちの少なくとも一つを調整するステップを備える、請求項8記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の実施形態を以下に、種々の実施形態を示す添付図面につきより完全に説明する。しかしながら、本発明の要旨は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書において記載される実施形態に限定するものと解釈すべきではない。むしろ、これら実施形態は、本明細書を完全かつ完璧にするよう、また本発明要旨の範囲を当業者に完全に伝えるよう提示したものである。
【0011】
本明細書に記載する実施形態は基板を動的にエッチングする装置及び方法を提供する。特に、本実施形態は基板上に配置された層の積み重ね(本明細書では「積層」という)内にエッチ加工構造を生成する新規な方法及び装置を提供する。積層は部分的にマスクで覆うことができ、このマスクは積層内にエッチ加工すべき構造のパターンを規定するために使用される一組のパターン化された特徴部を備える。本実施形態は、少なくとも一つの金属層を含む積層、例えばMRAMデバイス又は同類のデバイスを形成するために使用される積層をエッチングするのに適している。しかしながら、本実施形態は他の多層構造をエッチングするために利用し、イオンビームエッチングの条件をエッチング中に動的に調整することができる。様々な実施形態では、積層のエッチングは、積層の多数の層をスパッタエッチングするためにプラズマチャンバから抽出されるイオンを使用する動的エッチングプロセスを用いて実行される。本実施形態によれば、エッチング中の層の物理的及び/又は化学的特性に従ってイオンビームの特性を調整するために処理装置の制御設定が動的に調整される。
【0012】
このように、MRAM積層の構造、特に側壁の急峻性及び損傷は、イオンビームの入射角及び入射イオンのエネルギーを形成すべきMRAMデバイスの積層内のエッチング中の層に従って制御することによって改善することができる。この制御は、積層の異なる金属層はイオンエネルギー及びイオン入射角の関数として異なるスパッタリング収率を有し得るため及び形成中のMRAM積層へのそれらの再堆積率が異なる付着係数のために異なり得るために、有用である。例えば、本実施形態は、エッチングし難い金属層に対して、イオンビームエネルギーを高いエネルギー及び大きい入射角に動的に調整することができ、エッチングし易い金属層に対して、イオンビームは低いエネルギー及び低い入射角に動的に切り替えることができる。
【0013】
様々な実施形態では、第1の層のエッチングが完了する時、又は第1の層と隣接する第2の層のエッチングが開始する時、又はその両方の組み合わせをリアルタイムに決定するためにモニタリング装置及び方法が使用される。こうして、エッチングに使用するイオンビームを発生する処理装置の制御設定を調整するタイミングについての決定を行うことができる。
【0014】
本実施形態のモニタリング装置は一般に知られている発光分光分析(OES)装置とし得る。モニタリング装置は代わりに、エッチング中の基板の表面反射率(異なる層の間で変化する)を測定する反射計装置としてもよい。しかしながら、実施形態はこれに関連して限定されない。このようなモニタリング装置は本明細書では「エンドポイント検出」装置と総称するが、本実施形態では、検出される「エンドポイント」は、エッチング中の第1の層から第2の層への移行を示し、使用するイオンビームの状態をエッチングを完全に終了させるよりもエッチングを実行させるように調整するのに使用することができる。従って、様々な実施形態では、積層がエッチングされているプロセスチャンバから放出されるOES信号は、積層の所定の層のエッチングが開始する時又はその隣の層のエッチングが開始する時をリアルタイムに指示する帰還信号として使用することができるため、処理装置の制御設定が所定の層をエッチングするためのイオンビーム入射角、イオンエネルギー又は他のパラメータを調整するために調整される。
【0015】
図1Aは本発明の実施形態による処理装置100の側面図を示す。処理装置100は、プラズマチャンバ104内にプラズマ112を発生させるためにプラズマ源102を含む。プラズマ源102は、RFプラズマ源(誘導結合プラズマICP)源、容量結合プラズマ(CCP)源、ヘリコン源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、誘導加熱陰極(IHC)源、グロー放電源、又は当業者に周知の他のプラズマ源とし得る。この特定の実施形態では、プラズマ源102は、RF発生器108及びRF整合ネットワーク110を有するICP源である。RF発生器からガス原子及び/又は分子へのRF電力の伝達はアンテナ及び誘電体窓(図示せず)を介して行われる。ガスマニホルド106が適切なガスライン又はガスインレットを介してプラズマ源102に接続される。処理装置100のプラズマ源102又は他のコンポーネントも真空システム(図示せず)、例えばロータリ又はメンブレンポンプで支援されたターボ分子ポンプ、に接続される。プラズマ源102はエンクロージャ126で囲まれ、絶縁体140が基板ホルダ120を含むプロセスチャンバ142からエンクロージャ126を絶縁する。プラズマ源102と基板ホルダ120は高電位にする又は電気的に接地することができるが、処理チャンバ142は電気的に接地することができる。
【0016】
抽出プレート114は
図1Aに示すようにプラズマチャンバ104の一側面に沿って配置される。
図1Aの図において、抽出プレート114はプラズマチャンバ104の底面に配置されている。抽出プレート114は具体的にはプラズマチャンバ104とプロセスチャンバ142との間に配置される。抽出プレート104はプラズマチャンバ又はプロセスチャンバ又は場合によってはその両方のチャンバ壁の一部分を規定し得る。抽出プレート114は、イオンをイオンビーム118として抽出し、基板ホルダ120に向ける開口116を含む。
図1Bは抽出プレート114及びプロセスチャンバ142の一実施形態の上面図を示し、処理装置100のプラズマチャンバ104及びその他のコンポーネントは明瞭のために省略されている。
【0017】
処理装置100は更に、抽出光学系を駆動し、基板122に供給されるイオンビームエネルギーを制御するために使用する複数の電圧源を含む。それらはまとめて抽出電圧システム130として示されている。様々な実施形態において、抽出電圧システム130は、チャンバ電源132、抽出プレート電源136及び基板電源138を含み得る。基板122において所望のエネルギーを有するイオンビーム118で示されるような正イオンビームを発生させるために、基板電源138によって基板ホルダ120をグランドに対して負にバイアスし、プラズマチャンバ104は接地することができる。代わりに、プラズマチャンバ104をグランドに対して正にバイアスし、基板120を接地するか、グランドに対して負にバイアスすることができる。いくつかの実施形態では、抽出プレート114は抽出プレート電源136を用いてプラズマチャンバ104と独立にバイアスするか、フローティングにすることができる。
【0018】
処理装置100は処理装置100の種々のコンポーネントの動作を制御するために制御システム150も含む。制御システム150は、処理装置100のコンポーネント、特にRF発生器10
8、質量流コントローラ(図示せず)、基板ホルダ120の移動及び位置、及び抽出電圧システム130の動作を命令するハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの組み合わせを含み得る。制御システム150は、実行時に基板122上の積層からエッチングされた材料により発生されるリアルタイム信号並びにイオンビームプロファイル測定からの信号に応答して処理装置のコンポーネントの動作を処理装置100に動的に調整せしめる命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0019】
様々な実施形態では、基板ホルダ120は基板ホルダ120を図示のカーテシアン座標系のY軸に平行な方向に沿って移動するように構成されたドライブ148に結合し得る。他の実施形態では、基板ホルダ120はX軸,Z軸又はその両軸に平行な方向に沿って移動可能にし得る。この構成は処理装置100に複数の自由度を与える。すなわち、抽出開口116に対する基板の相対位置を変えることができ、場合により基板122を開口116に対して走査してイオンビーム118を基板122の全表面に供給することができる。
図1Bに示すように、基板ホルダ120及び基板122はX−Y平面内で回転角γに亘って回転可能にすることもできる。
【0020】
図1Bは抽出プレート114の一実施形態の詳細平面図を示し、抽出プレート114には開口116がイオンビーム118をリボンビームとして抽出するようにX軸に平行な方向に延在している。様々な実施形態では、図に示すようにX軸に沿うイオンビーム118のイオンビーム幅はX軸に沿う基板122の寸法より大きくすることができる。例えば、30cmのX軸に沿う基板寸法に対して、イオンビームの幅は、基板122が一回の走査でその全幅に亘って処理されるように、33cmより数センチメートル大きくすることができる。
図1Bに示すように、開口116に隣接して位置する基板122の細長い部分はいかなる場合にもイオンビーム118に暴露される。従って、基板122の全体をエッチングのためにイオンビーム118に暴露させるために、処理装置100の動作の一例では、基板ホルダ120を点AとBの間でY軸に平行な方向に沿って往復走査させることができる。いくつかの実施形態では、所定の基板122の所定の層のエッチング中に、イオンビーム118でエッチングすべき特徴部の種々の部分を暴露する基板をX−Y平面内で複数回回転させることができる。この回転は、例えば多数の層を含むMRAMデバイス等のパターン化された特徴部を形成するために、基板上に形成された積層の所定の層のエッチング中に多数回実行することができる。
【0021】
図1Aに更に示すように、プラズマ112がプラズマチャンバ104内に発生されるとき、プラズマ112のプラズマシース境界115は開口116に隣接してメニスカスを形成する曲率を呈する。メニスカスの正確な形状は処理装置100の制御設定を変更することによって変化させることができる。このように、開口116から抽出されるイオンの軌道は以下で論じるように処理装置100の制御設定を調整することによって変化させることができる。特に、基板ホルダ120とプラズマチャンバ104との間に電圧を印加すると(この電圧をここでは「抽出電圧」という)、イオンビーム118がプラズマ112から抽出され、基板122に向けられる。高電圧をチャンバ電源132又は基板電源138によって供給し、正イオンがプラズマ112から抽出されるように基板ホルダ120に負極性を発生させることができる。
【0022】
様々な実施形態では、イオンビーム118は、既知の物理エッチングプロセスによって基板122から材料をスパッタエッチングする不活性ガスイオン、反応性イオン、又は不活性ガスイオンと反応性イオンの両方などのイオンを含み得る。以下に記載する実施形態では、基板122上に形成された積層の物理エッチングは、プラズマチャンバ104に供給されるRF電力、又は処理装置100のコンポーネントにより供給される電圧、並びに抽出プレート114に対する基板122の位置などの制御設定を調整することによって動的に調整することができる。この制御設定の動的調整は積層の異なる層に対してイオンビーム118により実行されるエッチングを調整する能力を促進する。イオンビーム118は積層内の種々の層からなるデバイス構造をスパッタエッチングするために使用することができ、そのスパッタエッチング特性を異なる層の間で変えることができ、そのためにはイオンビーム118のイオンビームプロファイルをエッチングされる層に従って調整することが有用である。このようにすると、デバイス構造内のすべての層が上記のようにエッチングされた後に良好なデバイス構造が得られる。本明細書で使用する「イオンビームプロファイル」という用語は、イオンエネルギー、イオンビーム電流又はイオンビーム電流密度、及びイオン角度分布(IAD)などのイオンビームの特性又はパラメータを意味する。本明細書で使用する「イオン角度分布」という用語は、基板に垂直のような基準方向に対するイオンビーム内のイオンの平均入射角度、並びに平均角度を中心とする入射角の幅又は範囲(この範囲は略して「イオン角拡散」という)を意味する。様々な実施形態では、イオンビームプロファイルは、抽出電圧、プラズマチャンバ104内のガス圧力、及びプラズマチャンバ104に供給されるRF電力などの制御設定、並びに以下で論じる他の設定を調整することによって調整される。イオンビームプロファイルは、図示のカーテシアン座標系のZ軸に平行な方向に沿った抽出プレート114と基板ホルダ120の間隔(この間隔はここでは「Zギャップ」という)を調整することによって調整することもできる。
【0023】
様々な実施形態では、イオンビーム118が基板122に向けられると、信号146が基板122上に形成された積層の一つ又は複数の層から発生され得る。
図2Aは積層200として示す例示的なMRAM積層の側面図を示し、この積層は処理装置100によりエッチングされ、以下で詳細に論じるように、エッチング中に多数の異なる元素に固有の信号を放出し得る。
図1Aに更に示すように、モニタリング装置144が処理装置100内に設けられ、信号146を検出することができる。信号146はイオンビーム118によりエッチングされている一つ又は複数の層(
図1Aには示されていない)に関するリアルタイム情報を提供する。例えばモニタリング装置がOES装置である実施形態では、信号146は基板122からスパッタエッチングされた少なくとも一つの元素から放出されるその元素に固有の発光スペクトルを表し得る。周知のように、OES装置は一つの元素又は複数の異なる元素からの発光スペクトルを同時に収集することができ、その発光スペクトルはエッチング中の一つの層の一つ又は複数の元素を示し、よってその層を特定することができる。イオンビームが第1の層の底面までエッチングすると、第1の層の第1の元素からの種が気相内にスパッタエッチングされなくなるので、この第1の元素からのOES信号の強度が減少又は減衰する。同時に、イオンビーム118は第1の層の下に最初に配置された第2の層の第2の元素をエッチングし始めるので、この第2の元素からのOES信号の強度が増大する。
【0024】
第1のエッチングが完了し、第2のエッチングが開始するとき、第1の層のスパッタエッチング特性及び第2の層のスパッタエッチング特性に応じてイオンビーム118のイオンビームプロファイルを変更するのが有用である。従って、第2の層からの元素に固有のOES信号の増大又は第1の層からの元素に固有のOES信号の減少、又はその両方の組み合わせを用いて、イオンビーム118のイオンビームプロファイルを基板のエッチング中に動的に調整すべき瞬時又は間隔を特定することができる。イオンビーム118のイオンビームプロファイルの調整は、多数の異なる層を備える積層がエッチングされる場合には多数回実行することができる。
【0025】
様々な実施形態では、処理装置100はイオンビーム118のイオンビームプロファイルを測定するメトロロジー(図示せず)を含み得る。例えば、メトロロジーはイオンビームIAD並びにイオンビームのエネルギー及び電流を測定する既知の電流プローブ及びエネルギープローブを含み得る。このメトロロジーは帰還ループ内で場合によっては制御システムとともに利用して、所定の層のエッチングに使用すべき目標イオンビームプロファイルがメトロロジーにより計測されて達成されるまで制御設定の調整が実行されるようにすることができる。
【0026】
図2Aに戻り説明すると、積層200は基板基部224上に形成された多数の層からなる。一例では、基板基部224はシリコン、層222は酸化シリコン、層220はTa、層218はRu、層216はTa、層214はPtMn、層212はCoFe合金、層210はRu、層208はCoFeB合金、層206はMgO、層204はCoFeB合金、及び層202はTaである。一つの特定の事例では、層202は50nmの厚さ、層218は50nmの厚さ、及び層214は20nmの厚さを有する。積層200の他の層は1nm〜2nmの範囲内の厚さを有する。しかしながら、実施形態はこれに関連して限定されない。積層200の大多数の層は上述したように反応性イオンエッチングによってエッチングされ難く、物理スパッタリングによってより効率的にエッチングされ得る。しかしながら、エッチング特性は異なる層の間で変化し得るため、積層200をスパッタエッチングしてMRAMデバイス構造を形成するとき、異なる層のスパッタエッチングが異なる層に合わせて調整されるイオンビーム118の入射角、イオン角拡散、又はイオンエネルギーのうちの少なくとも一つを調整するのが有益である。更に、前の層よりエッチングし難い新しい層が検出されたとき、エッチング種の組成を調整すること、例えばArプラズマにXeを添加することも有益である。
【0027】
図2Bは、MRAM特徴部230を形成するためにイオンビーム232により部分的にエッチングされた積層200の一つの事例を示す。MRAM特徴部230を規定するスパッタエッチングは基板240のいくつかの部分を覆う複数のマスク特徴部を含むマスクを形成することによって実行される。マスク特徴部234で覆われていない基板240の部分はイオンビーム232によりエッチングされる。特に、マスク特徴部234もイオンビーム232により物理的にエッチングされ得るが、マスク特徴部234は積層200を十分な深さにエッチングして所望のデバイス構造を形成することができるように十分な厚さに形成することができる。
図2Bの事例では、積層200は概略的に示され、
図2Aについて述べたすべての層を含んでいない。エッチングが進むにつれて、信号236が発生され、この信号はモニタリング装置144で検出されるOES信号とし得る。このOES信号は、
図3Aに示すように、積層200の異なる層がエッチングされるにつれて変化する。とくに、
図3Aは、時間の関数として測定される積層200の種々の元素に固有の多数の異なる発光スペクトルを含むOESスペクトルの信号強度を示すグラフである。
図3Aのグラフの縦座標は発光スペクトルの強度であり、横座標はエッチングされた材料の深さを表し、積層200の外表面は左側である。
図3Aの例において、OESスペクトルは層202で表されるタンタル層のエッチング後に収集される。時間が進むにつれて、積層200のエッチングは、異なる層がエッチングされるときに発光スペクトルに変化を生じさせる。例えば、MgO信号250は層206を表す顕著な狭ピークを示し、この層は1nm−2nmの厚さを有し得る。Ru信号252は層210に固有の小さいピークを示し、この層は一例では1nmの厚さを有し得る。このRu信号は層218の大きく広いピークも示す。更に、
図3Aは層214のPtMn材料のプラチナを表すPt信号258、層216からのTa信号256、並びに、層212、層208及び層204内の鉄を表すFe信号260を示している。最後に、シリコン信号254は層222及び基板224内のシリコンを表している。
【0028】
図3Aで示されるように、積層200内の異なる元素に固有の発光スペクトルの強度は時間又は深さとともに大きく変化し、一つの層のエッチングが終了し次の層のエッチングが開始する時を決定することができる。様々な実施形態では、イオンビーム232によるエッチング中にプロセスチャンバから受信される発光スペクトルをモニタリング装置144及び制御システム150を含む帰還システムの一部分として監視することができる。例えば、新しい層を表す元素からの発光が閾値を超えることが検出されるとき、モニタリング装置144は信号238を出力し、この信号は制御システム150により受信され、イオンビーム232を発生するプロセスシステムの制御設定の調整をトリガする。図面を参照して後に詳述するように、いくつかの実施形態では、この制御設定の調整は、イオンビーム232のイオンエネルギー、イオン電流密度、平均角度、又は角拡散のうちの少なくとも一つを変化させることができる。積層200のエッチング中に、制御設定の調整は複数の機会、例えば新しい層に固有の元素からの発光がモニタリング装置144により検出される時に行われる。他の例では、制御設定の調整は、新しい層が検出される時に行う必要はない。例えば、積層200内の上層のスパッタエッチング特性がこの上層に隣接する下層のスパッタエッチング特性と同等である場合には、イオンビーム232のイオンビームプロファイルをその上層と下層の両層のエッチングに維持することができる。
【0029】
しかしながら、第1の層のエッチング中に、第1の層の元素と異なるエッチング特性を有する新しい元素が第2の層から検出される時には、新しい元素をより良好にエッチングするようにイオンビームプロファイルを調整するために制御設定を調整することができる。
【0030】
図3Bは種々の材料に対するスパッタ速度を入射角の関数として示し、スパッタ収率は積層に使用される種々の層に対して大きく変化し得ることを示している。スパッタ速度は、1.5kVの電圧で抽出された1×10
17のドーズ量のArイオンを所定の材料からなる層に照射した後のエッチングされた厚さ(厚さ減少)として明確に示されている。イオン入射角は所定の層の平面に垂直の0度から85度まで変化される。従って、
図2Bに示すような積層のエッチングの状況では、60度のイオン入射角はエッチングされる構造の最上面235に垂直の方向(Z軸方向)に対して60度の角度をなすイオン入射角を表すが、60度の同じイオン入射角は同じ構造の垂直側壁237に垂直の方向(Y軸方向)に対しては30度の入射角を成す。特に
図3Bは、5つの異なる材料に関する0度、15度、30度、45度、60度、70度、80度及び85度におけるスパッタ速度データを示す。15度のイオン入射角に対するデータ群262で示されるように、各データ群内にはエッチ速度データが左から右へW,Ru,MgO,TiN及びTaの順に一組のヒストグラムとして示されている。従って、バー264はW、バー266はRu、バー268はMgO、バー270はTiN及びバー272はTaである。スパッタエッチ挙動の差を強調するために、MgOのスパッタエッチ速度は45度以下のイオン入射角に対して極めて低く、70度のイオン入射角でピークに達することに注意すべきである。対照的に、Ruのスパッタエッチングは15度から80度のイオン入射角の範囲に亘って比較的高く比較一定であり、60度でピークに達する。更に、TiNのスパッタエッチ速度は60度のイオン入射角以下では比較的低いままで、80度のイオン入射角でピークになる。このデータを用いて、ルテニウムを含む第1の層は30度のイオン入射角を発生する制御設定の下でエッチングすることができる。MgOからなる次の層がエッチングされるとき、制御設定はMgO層をより効率的にエッチングするために60度のイオン入射角を発生するように調整することができる。
【0031】
他の実施形態では、イオンエネルギー、ビーム電流並びにイオン種を異なる層のスパッタエッチ挙動の差を考慮するよう調整することができる。異なる層のスパッタエッチ挙動の差を考慮するように制御設定を調整するのに加えて、制御設定は異なる材料の堆積速度の差を考慮するように調整することもできる。
【0032】
図4Aは、積層の2つの異なる層のエッチングに適用し得る2つの異なるイオン角度分布の一例を示す。このイオン角度分布は、
図4Bに示す基板のX−Y平面に垂直な方向415に対して規定されるイオン入射角(θ)の関数としての相対イオン密度として示されている。IAD402は比較的大きな角拡散及び低い平均角度を有するが、IAD404は比較的狭い角拡散及び大きな平均角度を有する。
【0033】
図4Bも参照すると、イオンビーム414を基板400に照射してエッチングされた構造410を生成する一例が示されている。エッチングされた構造410はエッチングの完了時にMRAMセルを構成する。エッチングされた構造410はマスク特徴部234のような少なくとも一つのマスク特徴部で部分的にマスクされた積層412をエッチングすることによって生成することができる。一例では、エッチングされた構造410のエッチングをエッチング中の層のスパッタエッチング特性に従って調整するために、イオンビーム414のイオンビームプロファイルを積層412のエッチング中に、少なくとも一つの機会に、動的に調整することができる。例えば、制御設定は、20度の平均角度でエッチングするのに適した元素を有する層422をエッチングするために、IAD402のイオンビーム414を発生するように第1セットの制御設定にセットすることができる。その後、層422のエッチングが完了に近づいたとき又は層424のエッチングが開始したとき、層424内の元素からのOES信号の増加又は層422内の材料(元素)からのOES信号の減少を検出することができる。図面で後に詳述されるように、層242内の材料(元素)の性質に基づいて、制御設定はIAD404のイオンビーム414の発生をもたらす第2セットの制御設定に調整するという決定が行われる。IAD404を用いる層424のエッチングは次の層が検出されるまで進められ、その時次の層内の性質に応じて制御設定の更なる調整が行われるかもしれず、また行われないかもしれない。これは、例えばIAD402の発生又は異なるAIDの発生を生じ得る。
【0034】
積層の異なる層の間におけるIADの調整に加えて、様々な実施形態では、イオンビームプロファイルの他の成分を調整することができる。ある場合には、後に詳述するように、イオンビーム414のようなイオンビームのイオンエネルギーをエッチング中の層に応じて調整することができる。この調整は、例えばイオンエネルギーを直接決定し得る抽出電圧を調整することによって達成し得る。例えば、プラズマチャンバ内のプラズマ電位は
基板ホルダの電位より数ボルトから数十ボルト高くし得る。従って、1000Vの抽出電圧がプラズマチャンバと基板ホルダの間に印加されるとき、プラズマから射出する一価の正イオンは基板へ例えば1020Vで加速され得る。イオンビーム414のイオンエネルギーの調整は、異なるエッチング性を有する連続する層をエッチングするときに有用であり得る。例えば、エッチングし難い金属層はエッチングし易い金属層に比較して高いイオンエネルギー及び大きな平均入射角を有するイオンビームを使用することができる。
【0035】
他の実施形態では、イオンビームのビーム電流を連続する層のエッチングの間で調整することができる。いくつかの実施形態では、所定のパルス周期内に「オン」及び「オフ」部分を有するパルスイオンビームとしてイオンビームを供給することによってビーム電流を調整することができる。このパルスイオンビームは、抽出電圧をオン状態とオフ状態の間でパルス状に変化させることによって、又はプラズマチャンバ内のプラズマをオン状態とオフ状態の間でパルス状に変化させることによって達成し得る。このようなパルスイオンビームのイオンビームデューティサイクル、即ちオン及びオフ状態の全持続時間に対するオン状態の持続時間の比(D
ON/(D
ON+D
OFF))、を変化させることによって、時間とともに供給される平均ビーム電流を調整することができる。これによりエッチングすべき所定の層に対してエッチング速度を必要に応じ減少又は増加させることができる。いくつかの実施形態では、デューティサイクルはパルス周期の周波数を一定に維持したままパルス周期内のオン部分の持続時間を変化させることによって変化させることができるが、他の実施形態では、デューティサイクルはオン部分の持続時間を一定に維持したままパルス周期の周波数(持続時間)を変化させることによって変化させることができる。実施形態はこれに関連して限定されない。
【0036】
所定の層のエッチング特性に対するエッチングの調整のためにイオンビームプロファイルをいつ調整すべきかを正確に決定するために、いくつかの実施形態では、複数のモニタリング装置、例えば2つ、3つ、4つ又はそれより多数のモニタリング装置を用いて基板からエッチングされる種をモニタすることができる。エッチングされる所定の層の層厚は基板の全域に亘って完全に均一であり得ないため、及び基板の全域におけるイオンビーム電流密度は例えばY軸に平行な方向に沿って変化し得るため、所定の層のエッチングは基板内の異なる点の間で変化し得る。これは基板の一つの領域では積層の第1の層の完全な除去をもたらすが、基板の別の部分では第1の層の一部分が残存する結果をもたらし得る。
図1Bに戻り説明すると、3つのモニタリング装置を使用する例が示され、Y軸に平行に1列に配列されたモニタリング装置144として示されている。このようにすると、種からのOES信号を例えば基板に隣接する異なる位置から検出しモニタすることができる。これらの異なる位置は基板122の異なる部分、例えば中心領域C、中間領域I及び外部領域O、からスパッタされた種からの発光を提供し得る。所定の層のエッチングがY軸に平行な方向に沿って不均等に進む場合には、中心領域Cに隣接するモニタリング装置144により検出されるOES信号は外部領域0に隣接するモニタリング装置144により検出されるOES信号と相違し得る。一例では、制御システム150は3つの全モニタリング装置からのOES信号を受信し、所定の層のエッチングが完了と見なされる時について、従って所定のセットの制御設定を3つのOES信号の平均に基づいて変化させるべき時について決定を行うことができる。別の例では、不均一の検出に応答して、制御システムはよりよいエッチングの均一性を可能にするために走査速度、パルスプラズマのデューティサイクル、又は基板回転スキームを調整することができる。
【0037】
特定の実施形態では、積層内の層のエッチング中に、デューティサイクルを抽出プレートに対する基板の走査時に基板の位置の関数として調整することができる。例えば、積層内の層のエッチングは、
図1Bにつき上述したように所定の方向に対して直角の方向に延在する抽出プレートの細長い開口の下部で基板を所定の方向に走査することによって達成することができる。所定の時間に、中心から縁までの層の厚さ又はエッチング速度の不均一が所定の方向に沿って基板上の位置の関数として検出される場合、この不均一は基板が所定の方向に沿って走査されるにつれてデューティサイクルを変化させることにより実行ビーム電流を調整することによって補償することができる。
【0038】
一実施形態では、この中心−縁間の不均一は、基板に対して異なる位置、例えば
図1Bに示すようにY軸に平行な第1の方向に沿って異なる位置に配置された複数のOES検出器を含むアレイによって検出することができる。異なるOES信号を例えば異なるOES検出器により同時に検出することができ、これらの信号は任意の所定の瞬時に基板の異なる部分からスパッタされた材料の組成を示し得る。一つのシナリオでは、基板に対して異なる位置に配置された異なるOES検出器でOES信号を検出することによって、所定の層のエッチングの完了を示す信号強度の減少が異なるOES検出器において異なる時間に検出され得る。例えば、Ru層に対する信号強度の減少はウェハの外側部分に隣接してスパッタされた出力からの発光をインタセプトするように配置されたOES検出器で最初に検出され得る。この場合には、Ru層のエッチング速度をウェハの外側部分に沿って減少させるために、ウェハの縁部が開口の下部に走査されるときにパルスプラズマのデューティサイクルを選択的に減少させることができる。代わりに、ウェハの内側部分が開口の下部に走査されるときにパルスプラズマのデューティサイクルを選択的に増加させてRu層のエッチング速度を外側部分よりも増加させることができる。
【0039】
更に、他の実施形態では、異なるOES検出器から受信される異なるOES信号に応答して他の調整を行うことができる。例えば、第1のOES信号は第1の方向(基板の走査方向とし得る)に沿って第1の位置に配置された第1のOES検出器から所定の時間に受信される。第2のOES信号は第1の方向に沿って第2の位置に配置された第2のOES検出器から同じ時間に受信され、第2のOES信号と第1のOES信号は異なり得る。OES信号のこの差は、例えばエッチングが異なる層において異なる位置で行われていること、又はエッチングが所定の層の第1の位置で完了間近であるが第2の位置では完了間近でないことを示し得る。従って、パルスイオンビームのデューティサイクルの上述の調整は、基板が第1の位置と第2の位置との間で走査される際に実行することができる。しかしながら、第1の位置から第2の位置への基板の走査中に層内のエッチング速度を減少(又は増加)するように、他の制御設定を動的に調整することができ、例えばプラズマ電力又はウェハの走査速度を調整することができる。
【0040】
様々な実施形態では、積層をエッチングするために使用するイオンビームのイオンビームプロファイルの動的制御は制御システム150内に存在し得るソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって少なくとも部分的に自動化することができる。開示の動的イオンビームエッチングの新規な態様を実行する例示的な方法を代表する一組のフローチャートが本明細書に含まれている。説明を簡単にするために、例えばフローチャート又は流れ図の形で本明細書に示す一以上の方法は一連のアクトとして示され記述されるが、本方法はアクトの順序により限定されず、いくつかのアクトは本明細書に示され記述される順序と異なる順序で及び/又は他のアクトと同時に生起してもよいことを理解し認識されたい。更に、方法に示されるすべてのアクトが新規の実装のために必要とされるわけではない
【0041】
図5は動的イオンビームエッチングを実施する例示的な第1のプロセスフロー500を示す。このプロセスフロー及び図に示された他のフローは上述した処理装置100のような処理装置に実装することができる。ブロック502において、第1のイオンビームが処理装置の第1セットの制御設定を用いて抽出プレートを通して基板に向けられる。例えば、第1の制御設定は基板上に形成された積層の第1の層を生成する第1の元素をエッチングするのに適した第1のイオン角度分布及びイオンエネルギーを有するイオンビームを発生するように構成することができる。
【0042】
ブロック504において、積層から第1のイオンビームによりスパッタされた種から放出されるOES信号のような信号が積層からモニタされる。特定の実施形態では、この信号はある波長の範囲に亘って放射強度を有し、この範囲内において異なる元素の発光に固有の異なる波長範囲がモニタされ得る。したがって、この信号は少なくとも一つの波長範囲に亘って検出された発光の強度を構成し得る。
【0043】
ブロック506において、基板から、例えば積層から、第1の材料から第2の材料への材料の変化を示す信号が検出される。基板からのこの信号は、基板からエッチングされる第1の種の輝線の強度の減少に相当し得る。第1の種の輝線はエッチングされている第1の層内の元素に固有の第1の波長範囲で発生し得る。この輝線強度が減少するとき、これはエッチングされている材料の変化が生じるとみなされ、異なる元素を有する新しい(第2の)層がエッチングされることを示す。あるいは、基板からの信号はエッチングされる第2の層内の元素に固有の第2の波長の輝線の強度の増大を示し、第2の層がエッチングされていることを示すとみなせる。更に、基板からの信号は第1の反射率を有する第1の層のエッチングが終了
し第2の反射率を有する第2の層のエッチングが開始するときに発生し得る基板の表面の反射率の変化とすることができる。
【0044】
ブロック508において、処理装置の制御設定は第1セットの制御設定と異なる第2セットの制御設定に調整される。第2セットの制御設定はエッチングされる第2の材料に基づいている。例えば、第2セットの制御設定は第1の層のエッチング用に調整されたイオンビームプロファイルと相違し得る第2の材料のエッチング用に調整されたイオンビームプロファイルを発生するために使用し得る。いくつかの実施形態では、第2セットの制御設定は第2の層内の元素と関連する、又は第2の層内の元素を含有する物質、例えば合金又は化合物、と関連する一組の制御設定を指定するレシピを受信することによって自動的に発生させることができる。
【0045】
ブロック510において、第2のイオンビームが第2セット の制御設定を用いて抽出プレートを通して積層に向けられる。第2のイオンビームは第1のイオンビームと同じイオン種を含み得るが、そのエネルギー及びイオン角度分布が第1のイオンビームのそれと異なり得るので第2のイオンビームと称する。
【0046】
様々な実施形態では、ブロック504と510との間に概して示されるプロセスフローは積層の追加の層を連続的にエッチングするために繰り返される。従って、積層の第2の層がエッチングされるとき、第2の層のエッチングが完了し、第3の材料を含有する第3の層のエッチングが開始する時を決定するために信号をモニタすることができる。第3の材料の元素に基づいて、制御設定は、第3の層内の第3の元素をエッチングするように調整されたイオンビームプロファイルを有する第3のイオンビームを発生するように設定された第3セットの制御設定に調整することができる。
【0047】
図6は、動的イオンビームエッチングを実施する例示的な第2のプロセスフロー600を示す。ブロック602において、初期イオンエネルギー、初期イオン入射角、初期イオン電流(E
0,θ
0,I
0)を含む初期イオンビームプロファイルが受信される。最終イオンエネルギー、最終イオン入射角、最終イオン電流(E
f,θ
f,I
f)を含む最終イオンビームプロファイルが受信される。更に、初期基板方位角(γ
0)、基板回転インクリメント(γ)、及び基板温度(T)が受信される。初期イオンビームプロファイルの受信に応答して、予備イオンビームを初期セットの制御設定を用いて発生させることができる。いくつかの変形例では、予備イオンビームを測定するためにメトロロジーを実行することができる。
【0048】
ブロック604において、E
0,θ
0,I
0を含む初期イオンビームプロファイルが得られるまで初期セットの制御設定が調整される。調整される初期制御設定は処理装置のプラズマチャンバ電圧と基板電圧の差(Vc−Vs)により決まる抽出電圧を含み得る。調整される他の初期制御設定は、処理装置のプラズマチャンバに供給されるRF電力、Zギャップ、プラズマチャンバ内のガス圧力、イオンビームのデューティサイクル、並びに基板ホルダの走査速度を含み得る。初期イオンビームプロファイルの達成の決定は、プロセスチャンバ内に位置する装置によって実行されるその場メトロロジーから受信される予備イオンビームの測定に基づいて行うことができる。調整された制御設定は基板のエッチングに適用すべき第1セットの制御設定に相当する。
【0049】
ブロック606において、上述した制御設定に加えて基板温度及び初期基板方位角γ0を含み得る第1セットの制御設定を用いてイオンビームが抽出プレートを通して基板に向けられる。ブロック608において、「アップ走査」が実行され、基板は抽出プレートに対して第1の方向に走査される。ブロック610において、基板は回転インクリメントγだけ回転され、ブロック612において基板は第1の方向と反対の第2の方向にダウン走査される。ブロック614において、基板は再び回転角度インクリメント
γだけ回転される。
【0050】
ブロック616において、処理終点が検出されたかどうかの決定が行われる。処理終点は積層の一つ又は複数の層のエッチングが完了した場合とみなすことができる。処理が完了でない場合、例えば新しい層がエッチングされていることを示すOES信号がない場合には、プロセスはブロック608に戻る。信号がある場合には、プロセスは決定ブロック618に移動する。
【0051】
決定ブロック618において、最終エッチング処理の終点が検出されたかどうかの決定が行われる。例えば、最終エッチング処理の終点は積層のエッチングが完了した場合とすることができる。これは、一実施形態ではシリコンのような基板の元素からのOES信号が増加するときに決定される。そうであれば、プロセスはブロック620で終了する。そうでなければ、フローはブロック622に進む。
【0052】
ブロック622において、プロセス装置の制御設定は、検出された新しい層に従って前セットの制御設定(上述した第1セットの制御設定であり得る)から調整される。例えば、制御設定はOES装置により検出された一つ又は複数の元素の信号の増加に基づいて調整することができ、この信号の増加は新しい層のエッチングの開始を示すものとみなせる。この制御設定は現セットの制御設定に調整され、抽出電圧(Vc−Vs)、RF電力、Zギャップ、プラズマチャンバガス圧力、パルスイオンビームのデューティサイクル、又は基板ホルダの走査速度の何れかかの調整を含む。いくつかの実施形態では、ブロック622で設定される現セットの制御設定は、エッチングすべき一つ又は複数の新しい層と関連する一組の制御設定を指定するレシピを受信することによって自動的に発生される。
【0053】
ブロック624において、イオンビームは現セットの制御設定を用いて抽出プレートを通して基板に向けられる。
【0054】
様々な実施形態では、処理装置の制御設定をエッチングすべき層に従ってどのように調整するかの決定は種々の方法で実行することができる。
図7は、動的イオンビームエネルギーを実施する例示的な第3のプロセスフロー700を示す。特に、
図7は制御設定をエッチングすべき層に従って調整する一実施形態を提供する。
図7は上述したプロセスフロー600内に実装することができる。例えば、プロセスフロー700は決定ブロック618とブロック608との間に実装することができる。ブロック702において、エッチングすべき新しい層が検出される。この新しい層は上述したように、例えばOESによって検出することができる。フローはその後ブロック622に進み、ここで制御設定が上で詳述したように新しい層に従って現セットの制御設定に調整される。いくつかの実施形態では、ブロック622で設定される現セットの制御設定はエッチングすべき新しい層内の一つ又は複数の元素と関連する一組の制御設定を指定するレシピを読み出すことによって自動的に発生させることができる。これにより、新しい層をエッチングするための目標イオンビームプロファイルを近似するために、以前の測定又は計算に基づいた新しい層をエッチングするためのレシピを確定することができる。
【0055】
次に、現セットの制御設定への制御設定の調整後に、調整されたイオンビームに新しい層のエッチングのための目標イオンビームプロファイルを実際に持たせるために、これらの制御設定を新しい層のエッチング前に反復して調整することができる。そのイオンビームプロファイルを評価するために、現セットの制御設定への制御設定の調整後に発生されるイオンビームのメトロロジーを実行することができる。ブロック704において、イオンエネルギー、イオン平均角又はイオンビーム電流の少なくとも一つを含む現在セットの制御設定を用いて生成されたイオンビームのイオンビームプロファイルを測定するメトロロジーの結果が受信される。
【0056】
決定ブロック706において、現セットの制御設定を用いて生成されたイオンビームのイオンビームプロファイルが目標イオンビームプロファイルに一致するかどうかについて決定が行われる。イエスであれば、フローはブロック624に移動し、ここでイオンビームは現セットの制御設定を用いて基板に向けられる。ノーであれば、フローはブロック708に進む。
【0057】
ブロック708において、制御設定は前セットの制御設定から新(現)セットの制御設定に調整される。この制御設定の調整は、ブロック704における測定されたイオンビームプロファイルと目標イオンビームプロファイルとの差に基づいて行われる。制御設定をイオンビームプロファイルの成分に良く一致するように調整するためのプロセスフローは
図8及び
図10−11に例示されている。その後、更なるメトロロジーを現セットの制御設定を用いて生成されたイオンビームに実行してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、エッチングされる積層の層順序は先見的に知ることができる。そのような場合には、各レシピがエッチングすべき所定の層に対して使用すべき一組の制御設定を指定する複数の異なるレシピをエッチング中に検索可能し、所定の層を示す信号が上述したように検出されるとき所定のレシピがトリガされるようにし得る。他の実施形態では、積層の層順序を処理装置は先見的に知り得ない。しかしながら、この後者の場合にも、所定の層をエッチングするために使用する所定のセットの制御設定を指定するレシピを一定の間プリストアし、このレシピを所定の層の検出時にロードすることができる。いずれの場合にも、複数の層を含む積層のエッチング中における第1の層のエッチングから次の層のエッチングのための制御設定の調整は第1の層をエッチングするためのレシピと次の層をエッチングするためのレシピとの差に依存し得る。ある場合には、新しい層の検出時に複数の制御設定が変化され、他の場合には、単一の制御設定が変化され、さらに他の場合には、どの制御設定も変化されない。
【0059】
更に、エッチングすべき積層内の層の正確な順序が先験的に分かっていてもいなくても、連続する層のエッチング間の制御設定の調整は段階的に進めることができる。したがって、新しい層を表す信号が検出されたとき、第1の制御設定を最初に第2の層内の第2の材料と関連する所定のセットの制御設定に調整することができる。所定のセットの制御設定は、第2の材料をスパッタエッチングするように調整された、イオンエネルギー、イオン入射角、イオン角拡散などのパラメータを含む目標イオンビームプロファイルを有するイオンビームを発生するように設計することができる。所定のセットの制御設定を用いて抽出プレートを通して向けられたイオンビームの少なくとも一つのパラメータを測定するメトロロジーを実行した後に、測定されたイオンビームプロファイルが目標イオンビームプロファイルに一致しないと決定されることがある。したがって、所定のセットの制御設定は目標イオンビームプロファイルにより密接に近似するイオンビームを発生するように調整されるべきであると決定されることがある。それゆえ、次の処理は所定のセットの制御設定を他のセットの制御設定に調整し、他のセットの制御設定の下で生成された新しいイオンビームプロファイルを測定し、目標イオンビームプロファイルと一致するまでこのシーケンスが反復される。したがって、第2の層をエッチングするために使用される「第2」セットの制御設定はもとの第1セットの制御設定からの複数の制御設定の調整の結果を表し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、第2の層のエッチングに適したイオンビームを発生するためにこのような制御設定の反復調整が実行された後に、第2セットの制御設定は第2の層及び第2の層と同じ組成を有する任意の他の層をエッチングするためのデフォルトレシピとして前所定のセットの制御設定に取って代わって格納することができる。更に、他の実施形態では、所定のセットの制御設定により発生されたイオンビームの反復メトロロジーが目標イオンビームプロファイルを再現可能に生じる場合には、第1セットの制御設定の下での第1の層のエッチングと第2セットの制御設定の下での第2の層のエッチングとの間の切り替え時に前もって実行されるメトロロジー処理を低減もしくは除去することができる。したがって、同じSRAM積層を有するウェハのバッチをエッチングする処理においては、制御設定が変更されるとき、第1の層のエッチングと第2の層のエッチングの間でメトロロジーを幾つかの初期ウェハについて実行することができる。これは第2の層をエッチングするように設計された目標イオンビームプロファイルを常に発生する安定な第2セットの制御設定をもたらすことができる。したがって、第2の層が検出されるとき、第1セットの制御設定と第2セットの制御設定を自動的に切り換えることによって、メトロロジー処理を実行することなく後続のウェハをエッチングすることができる。
【0061】
図8は動的イオンビームエッチングを実施する例示的な第4のプロセスフロー800を示す。ブロック802において、イオンビームによる積層のエッチングが第1セットの制御設定を用いて実行される。決定ブロック804において、新しい層が検出されない場合には、フローはブロック802に戻り、エッチングは第1セットの制御設定を用いて続行される。新しい層が例えばOESによって検出される場合には、フローはブロック806に進む。
【0062】
ブロック806において、新しい層は第1セットの制御設定と同じイオンエネルギーでエッチングすべきかどうかについて決定が行われる。そうであれば、フローは決定ブロック808に進む。決定ブロック808において、新しい層は同じ平均角度でエッチングすべきかどうかについて決定が行われる。そうであれば、フローはブロック802に戻り、(新しい層の)エッチングは第1セットの制御設定を用いて進む。そうでなければ、フローはブロック810に進み、
処理装置のRF電力
が調整される。周知のように、抽出プレートに隣接するプラズマチャンバのRF電力を調整すると、抽出プレートの開口に形成されるメニスカスの形状が変化し、よってプラズマから射出し基板に向かうイオンの平均角度を変更することができる。
【0063】
ブロック806において、新しい層をエッチングするためにイオンエネルギーを変更すべきである場合には、フローは決定ブロック812に進む。決定ブロック812において、新しい層は第1セットの制御設定を用いて生成される平均角度と同じ平均角度を有するイオンビームでエッチングすべきであるかどうかについて決定が行われる。そうであれば、フローはブロック814に進む。ブロック814において、処理装置の抽出電圧(Vc−Vs)が最初にイオンビームのイオンエネルギーを変更するために変更される。次に、RF電力がイオンビーム内のイオンの平均角度を調整するために初期調整される。
【0064】
決定ブロック812において、同じ平均角度を使用すべきである場合には、ブロック816に進む。ブロック816において、処理装置の抽出電圧が最初に変更される。次に、この平均角度を新しいイオンビームに維持するためにZギャップが調整され、処理装置のプラズマチャンバに供給されるRF電力が調整される。この組み合わせの調整は、一旦抽出電圧がイオンエネルギーの必要な変化を発生させるために変更されると、開口から抽出されるイオンビームの形状が変化され、平均角度の変化を生じるために必要とされ得る。この結果を補償するために、Zギャップとともにプラズマ電力も変更させて抽出電圧の変化により誘起される平均角度の変化を相殺することができる。
【0065】
図9A〜9Cはプロセスフローを実施する一つのシナリオの図的表現を提供し、このシナリオではイオン入射角が積層の異なる層を考慮して動的に調整される。特に、積層910を有する基板900内にパターン化された特徴部をエッチングする一連のエッチング処理が示されている。イオンが積層910の露出部分をエッチングするために基板に向けられるとき、形成すべき構造を規定するために積層910の上にマスク特徴部902が設けられている。
図9Aにおいて、イオンビーム912が基板900に向けられる。処理装置の制御設定は最上層904をエッチングするのに適したイオンエネルギー、平均角度及びイオン電流をイオンビーム912に与えるように設定される。イオンビーム912を用いるエッチングが進むにつれて、最上層904が除去され、中間層906を露出する。中間層906は、イオンビーム912より高いエネルギーのイオンが中間層906のエッチングに適しているようなエッチング特性を有する金属からなり得る。中間層906の材料をエッチングするレシピをプリストアし、もっと高いイオンエネルギーを使用することを示すことができる。従って、中間層906からスパッタされた種が検出されたとき、抽出電圧のような処理装置の制御設定をもっと高いエネルギーイオン、例えば
図9Bに示すようなイオンビーム914を発生するように自動的に調整することができる。この例では、制御設定はイオンエネルギーを増大するが同じ平均角度及び同じビーム電流を発生するように調整することができる。次に、中間層906のエッチングが完了するとき、下層908の材料をエッチングするレシピを読み出し、もっと高いイオンエネルギーを下層908のエッチングに使用すべきことを示すことできる。従って、下層908からスパッタされた種が検出されたとき、抽出電圧のような処理装置の制御設定を、更にもっと高いエネルギーイオン、例えば
図9Cに示すようなイオンビーム916を発生するように自動的に調整することができる。この例では、制御設定はイオンエネルギーを増加するが同じ平均角度及び同じビーム電流を発生するように調整することができる。
【0066】
図10は動的イオンビームエッチングを実施する例示的な第5のプロセスフロー1000を示す。プロセスフロー1000を実施する一つのシナリオの図的表現が
図12A−12Cに示されている。ブロック1002において、新しい層が積層のエッチング中に検出される。ブロック1004において、新しい層は現セットの制御設定に使用された平均角度と異なる平均角度でエッチングすべきであると決定される。ブロック1006において、新しい層は現セットの制御設定に使用されたイオンエネルギーと同じイオンエネルギーでエッチングすべきであると決定される。決定ブロック1008において、新しい層は現セットの制御設定により発生されたビーム電流と同じビーム電流でエッチングすべきかについて決定が行われる。そうでなければ、フローはブロック1010に進む。
【0067】
ブロック1010において、RF電力が最初に調整される。次に、Zギャップが新しい層のエッチングに使用すべき目標イオンビームプロファイルに対応する所望の角拡散を発生するように調整される。イオンビームの角拡散に対する微調整を達成するためにDC及びプラズマチャンバ圧力が調整されてもよい。
【0068】
検出ブロック1008において、現セットの制御設定のビーム電流と同じビーム電流を使用すべきであるという決定が行われた場合には、フローは決定ブロック1012に進む。決定ブロック1012において、新しい層は現セットの制御設定により発生される角拡散と同じ角拡散でエッチングすべきであるかどうかについて決定が行われる。そうであれば、フローはブロック1014に進む。
【0069】
ブロック1014において、ガス供給がZギャップの調整と一緒に調整され得る。代わりに、プラズマチャンバ圧力がRF電力の調整又はZギャップの調整又はその両方と一緒に調整されてもよい。
【0070】
決定ブロック1012において、新しい層は異なる角拡散でエッチングすべきである場合には、フローはブロック1016に進む。ブロック1016において、Zギャップが変化され或いはハードウェアが変更される。
【0071】
次に
図12A−12Cにつき説明すると、積層12
00を有する基板12
20内にパターン化された特徴部をエッチングする一連のエッチング処理が示されている。イオンが積層12
00の露出部分をエッチングするために基板に向けられるとき、形成すべき構造を規定するために積層12
00の上にマスク特徴部1222が設けられている。
図12Aにおいて、イオンビーム1232が基板1220に向けられる。処理装置の制御設定は最上層1224をエッチングするのに適したイオンエネルギー、平均角度及びイオン電流をイオンビーム1232に与えるように設定される。イオンビーム1232を用いるエッチングが進むにつれて、最上層1224が除去され、中間層1226を露出する。中間層1226は、イオンビーム1232より高い角度のイオンが中間層1226のエッチングに適しているようなエッチング特性を有する金属からなり得る。中間層1226の材料をエッチングするレシピをプリストアし、中間層1226のエッチングにもっと高い平均角度及び異なるビーム電流を使用すべきことを示すことができる。従って、中間層1226からスパッタされた種が検出されたとき、RF電力のような処理装置の制御設定をもっと高い平均角度を有するイオンビーム、例えば
図12Bに示すようなイオンビーム1234を発生するように自動的に調整することができる。この例では、制御設定は、ブロック1010において、
図12Bに示すような同じイオンエネルギー、異なるビーム電流及び異なる平均角度を有するイオンを発生するように調整することができる。次に、中間層1226のエッチングが完了するとき、下層1228の材料をエッチングするレシピを読み出し、更に高い平均角度を下層1228のエッチングに使用すべきことを示すことができる。従って、下層1228からスパッタされた種が検出されたとき、RF電力のような処理装置の制御設定を、更に高い平均角度を有するイオンビーム、例えば
図12Cに示すようなイオンビーム1236を発生するように自動的に調整することができる。この例では、制御設定はブロック1010において、
図12Cに示すような同じイオンエネルギー、異なるビーム電流及び更に高い平均角度を有するイオンビームを発生するように調整することができる。
【0072】
図11は動的イオンビームエッチングを実施する例示的な第5のプロセスフロー1100を示す。プロセスフロー1100を実施する一つのシナリオの図的表現が
図12D−12Fに示されている。ブロック1102において、新しい層が検出される。ブロック1104において、新しい層は現セットの制御設定により発生されるイオンビームと異なる平均角度及び異なるイオンエネルギーを有するイオンビームを用いてエッチングすべきであると決定される。
【0073】
決定ブロック1106において、新しい層は現セットの制御設定により発生されたビーム電流と同じビーム電流でエッチングすべきかどうかについて決定が行われる。そうでなければ、フローは1108に進み、抽出電圧が調整される。ビーム電流を調整するためにプラズマチャンバへのガス流又はイオンビームデューティサイクル又はその両方が調整される。同じビーム電流を維持すべき場合には、フローは決定ブロック1110に進む。
【0074】
決定ブロック1110において、新しい層は現セットの制御設定により発生された角拡散と同じ角拡散でエッチングすべきかどうかについて決定が行われる。そうであれば、フローはブロック1112に進む。ブロック1112において、処理装置の抽出電圧が最初に調整される。次に平均角度がプラズマチャンバに供給されるRF電力のような適切な制御設定の調整によって調整される。
【0075】
決定ブロック1110において、新しい層をエッチングするイオンビームの角拡散は変化させるべきであると決定された場合には、フローはブロック1114に進み、最初に抽出電圧がイオンエネルギーの変更のために調整される。次に、ビーム電流を維持しながらイオンビームの平均角度及び角拡散を調整するためにZギャップ、RF電力及びデューティサイクルを調整することができる。
【0076】
次に
図12D−12Fにつき説明すると、積層1250を有する基板1240内にパターン化された特徴部をエッチングする一連のエッチング処理が示されている。イオンが積層1250の露出部分をエッチングするために基板に向けられるとき、形成すべき構造を規定するために積層1250の上にマスク特徴部1242が設けられている。
図12Dにおいて、イオンビーム1252が基板1240に向けられる。処理装置の制御設定は最上層1244をエッチングするのに適したイオンエネルギー、平均角度及びイオン電流をイオンビーム1252に与えるように設定される。イオンビーム1252を用いるエッチングが進むにつれて、最上層1244が除去され、中間層1246を露出する。中間層1246は、イオンビーム1252より高いエネルギーを有する高い角度のイオンが中間層1246のエッチングに適しているようなエッチング特性を有する金属からなり得る。中間層1246の材料をエッチングするレシピをプリストアし、中間層1246のエッチングにもっと高い平均角度及び異なるビーム電流を使用すべきことを示すことができる。従って、中間層1246からスパッタされた種が検出されたとき、抽出電圧、RF電力、及びZギャップなどの処理装置の制御設定が、もっと高い平均角度を有するイオンビーム、例えば
図12Eに示すようなイオンビーム1254を発生するように自動的に調整され得る。この例では、制御設定が
図12Eに示すようなもっと高いイオンエネルギー及びもっと高い平均角度を有するイオンを発生するように調整され得る。次に、中間層1246のエッチングが完了するとき、下層1248の材料をエッチングするレシピが読み出され、更に高い平均角度を下層1248のエッチングに使用すべきことを示すことができる。従って、下層1248からスパッタされた種が検出されたとき、抽出電圧及びRF電力のような処理装置の制御設定が、更に高いイオンエネルギー及び更に高い平均角度を有するイオンビーム、例えば
図12Fに示すようなイオンビーム1256を発生するように自動的に調整され得る。この例では、制御設定は、更に高いイオンエネルギー、更に高い平均角度及び異なる角拡散を有するイオンビームを発生するように調整され得る。
【0077】
本発明は本明細書に開示した特定の実施形態により制限されない。実際、本明細書に開示した実施形態に加えて、本発明の他の様々な実施形態及び変更例が以上の詳細な説明及び添付図面から当業者に明らかになるであろう。従って、このような他の実施形態及び変更例は本発明の範囲に含まれることが意図されている。更に、本発明は特定の目的に対する特定の環境における特定の実施と関連して記載されているが、当業者は、その有用性がこれに限定されず、本発明は任意の数の目的に対して任意の数の環境において有利に実施できることを認識されよう。従って、後記の特許請求の範囲はここに記載する本発明の範囲の広さ及び精神を考慮して解釈すべきである