特許第6899230号(P6899230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899230
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】スクロール型流体機械
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/02 20060101AFI20210628BHJP
【FI】
   F04C18/02 311C
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-38598(P2017-38598)
(22)【出願日】2017年3月1日
(65)【公開番号】特開2018-145815(P2018-145815A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】515098886
【氏名又は名称】サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】田口 正則
(72)【発明者】
【氏名】小林 将広
【審査官】 大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−158156(JP,A)
【文献】 特開2015−132238(JP,A)
【文献】 特開平05−302578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/02、29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の軸方向の一端面に偏心状態で固定されたクランクピンと、
前記クランクピンに偏心状態かつ相対回転可能に固定された偏心ブッシュと、
前記偏心ブッシュと一体化され、当該偏心ブッシュの旋回によって発生する遠心力を低減するバランサウェイトと、
前記偏心ブッシュに相対回転可能に固定された旋回スクロールと、
前記旋回スクロールと噛み合う固定スクロールと、
前記偏心ブッシュの軸方向の一端面から前記駆動軸へと向かって延び、前記駆動軸の外周面の一部と接触して、前記駆動軸に対する前記旋回スクロールの従動量を規制する従動量規制機構と、
を備え、
前記従動量規制機構は、前記駆動軸の軸心を挟んで前記バランサウェイトとは反対側に位置する前記偏心ブッシュの端部に設けられ、前記駆動軸の外周面の一部と接触する部分が平面に形成された、
スクロール型流体機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定スクロール及び旋回スクロールにより区画される圧縮室の容積を変化させることで、流体を圧縮又は膨張させるスクロール型流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
スクロール型流体機械の一例として挙げられるスクロール型圧縮機は、互いに噛み合わされるインボリュート曲線のラップが形成された、固定スクロール及び旋回スクロールを備えている。そして、スクロール型圧縮機は、旋回スクロールが固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動することで、固定スクロールと旋回スクロールとにより区画される圧縮室の容積を増減し、気体冷媒を圧縮して吐出する。
【0003】
スクロール型圧縮機の旋回スクロールにおいては、ラップの側壁間のシールを確保すべく、固定スクロールのラップの輪郭に追従させて旋回半径を変更可能な、従動クランク機構を備えている。この場合、旋回スクロールの従動量を規制するため、特開2010−150963号公報(特許文献1)に記載されるように、駆動軸及び偏心ブッシュの一方に軸方向に延びるピンを立設すると共に、その他方にピンの直径よりも大きな内径を有する凹部を形成し、これらを嵌合させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−150963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、軸方向に延びるピンと凹部との嵌合によって、旋回スクロールの従動量を規制すると、スクロール型圧縮機の軸方向に沿ってピン及び凹部を配置するためのスペースが必要となり、その分だけスクロール型圧縮機が大型化してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、旋回スクロールの従動量を規制する機構を見直すことで、小型化が可能なスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、スクロール型流体機械は、回転駆動される駆動軸と、駆動軸の軸方向の一端面に偏心状態で固定されたクランクピンと、クランクピンに偏心状態かつ相対回転可能に固定された偏心ブッシュと、偏心ブッシュと一体化されて偏心ブッシュの旋回によって発生する遠心力を低減するバランサウェイトと、偏心ブッシュに相対可能に固定された旋回スクロールと、旋回スクロールと噛み合う固定スクロールと、を備える。また、スクロール型流体機械は、偏心ブッシュの軸方向の一端面から駆動軸へと向かって延び、駆動軸の外周面の一部と接触して、駆動軸に対する旋回スクロールの従動量を規制する従動量規制機構を更に備える。そして、従動量規制機構は、駆動軸の軸心を挟んでバランサウェイトとは反対側に位置する偏心ブッシュの端部に設けられ、駆動軸の外周面の一部と接触する部分が平面に形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スクロール型流体機械の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】スクロール型圧縮機の一例を示す断面図である。
図2】従動クランク機構のモデルの説明図である。
図3】旋回スクロールの従動量規制機構の一例を示す側面図である。
図4】旋回スクロールの従動量規制機構の一例を示す透過正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
なお、スクロール型流体機械としては、圧縮機又は膨張機のどちらでも使用することができるが、ここではスクロール型圧縮機を例にとって説明する。
【0011】
図1は、スクロール型圧縮機の一例を示す。
スクロール型圧縮機100は、例えば、車両用空調機器の冷媒回路に組み込まれ、冷媒回路の低圧側から吸入した気体冷媒(流体)を圧縮して吐出する。スクロール型圧縮機100は、ハウジング200と、低圧の気体冷媒を圧縮する圧縮機構300と、圧縮機構300に外部から駆動力を伝達する駆動力伝達機構400と、を備えている。ここで、冷媒としては、例えば、FHC冷媒R32、R410Aなどを使用することができる。
【0012】
ハウジング200は、分離可能な、圧縮機構300及び駆動力伝達機構400を収容するフロントハウジング220と、フロントハウジング220の開口端に接合され、圧縮機構300により圧縮された気体冷媒の吐出室H1を形成するリアハウジング240と、を含んで構成されている。
【0013】
フロントハウジング220の外周面は、リアハウジング240との接合面から離れるにつれて、その外径が4段階に縮径する段付円柱形状に形成されている。ここで、円柱形状とは、見た目で円柱形状であると認識できる程度でよく、例えば、その外周面に補強用のリブ、取付用のボスなどがあってもよい(形状については以下同様)。また、フロントハウジング220の内周面は、リアハウジング240との接合面から離れるにつれて、その外径が4段階に縮径する段付円柱形状に形成されている。従って、フロントハウジング220は、その外周面と内周面とが相似形となっており、その全体について略同一の外殻厚さを有する、4段階に縮径する円筒形状に形成されている。さらに、フロントハウジング220の周壁には、冷媒回路の低圧側から圧縮機構300の外周へと気体冷媒を吸入する、図示しない吸入ポートが形成されている。
【0014】
以下の説明においては、説明の便宜上、フロントハウジング220の段付円柱形状の内周面について、その大径部から小径部にかけて、第1内周面220A、第2内周面220B、第3内周面220C及び第4内周面220Dと称することとする。
【0015】
リアハウジング240は、フロントハウジング220との接合面から離れるにつれて、その中心部が外方へと膨出する半球形状をなしている。従って、リアハウジング240は、所定容積を有する内部空間を形成し、これが吐出室H1として機能する。また、リアハウジング240の周壁には、吐出室H1から冷媒回路の高圧側へと圧縮冷媒を吐出する、図示しない吐出ポートが形成されている。
【0016】
フロントハウジング220及びリアハウジング240は、フロントハウジング220の大径側の開口端とリアハウジング240の開口端とを接合させた状態で、例えば、締結具としての複数のボルト500を介して分離可能に締結されている。このため、フロントハウジング220の外周面の離間した複数位置には、その大径部から小径部へと向かって軸方向に沿って延びる、ボルト500の軸部が螺合するボス部222が夫々形成されている。一方、リアハウジング240の外周面の離間した複数位置であって、フロントハウジング220のボス部222に対応した位置には、その開口端から膨出方向へと向かって軸方向に沿って延びる、ボルト500の軸部が貫通するボス部242が夫々形成されている。従って、フロントハウジング220とリアハウジング240とを接合させた状態で、リアハウジング240の外方からボス部242へとボルト500の軸部を挿入し、その軸部をフロントハウジング220のボス部222に螺合することで、フロントハウジング220とリアハウジング240とが一体化されたハウジング200が構成される。
【0017】
圧縮機構300は、フロントハウジング220の第1内周面220Aにより区画される円柱形状の空間に配設される。圧縮機構300は、具体的には、フロントハウジング220の大径側の開口を閉塞するように配設される固定スクロール320と、固定スクロール320と第1内周面220A及び第2内周面220Bの段部との間に配設される旋回スクロール340と、を含んで構成されている。
【0018】
固定スクロール320は、フロントハウジング220の第1内周面220Aの開口端に嵌合される円盤形状の底板322と、底板322の一面から旋回スクロール340に向かって延びる、インボリュート曲線のラップ(渦巻き形状の羽根)324と、第1内周面220Aの開口側において底板322の外周面から半径外方へと延び、フロントハウジング220とリアハウジング240との接合面に挟持される、薄板円環形状のフランジ326と、を有している。フランジ326の外縁端は、フロントハウジング220の大径側の開口端の外形に倣った形状に形成され、その板面の複数の所定箇所に、ボルト500の軸部が貫通可能な貫通孔が夫々形成されている。従って、固定スクロール320は、そのフランジ326を介して、フロントハウジング220とリアハウジング240との接合面に挟持され、フロントハウジング220の大径側の開口を閉塞すると共に、リアハウジング240と協働して吐出室H1を区画する。
【0019】
旋回スクロール340は、第1内周面220A及び第2内周面220Bの段部側に配設される円盤形状の底板342と、底板342の一面から固定スクロール320に向かって延びる、インボリュート曲線のラップ344と、を有している。底板342は、固定スクロール320の底板322より小さい外径をなし、その他面が、第1内周面220A及び第2内周面220Bの段部にスラスト力を伝達するように、薄板円環形状のスラストプレート510を介して段部に当接されている。
【0020】
そして、固定スクロール320及び旋回スクロール340は、ラップ324及び344の周方向の角度が互いにずれた状態で、ラップ324及び344の側壁が互いに部分的に接触するように噛み合わされる。このとき、固定スクロール320のラップ324の先端部には、旋回スクロール340の底板342とのシール性を確保する、図示しないチップシールが埋設されている。一方、旋回スクロール340のラップ344の先端部には、固定スクロール320の底板322とのシール性を確保する、図示しないチップシールが埋設されている。従って、圧縮機構300では、固定スクロール320と旋回スクロール340との間に、三日月形状の密閉空間、即ち、気体冷媒を圧縮する圧縮室H2が区画される。
【0021】
固定スクロール320の底板322の中心部には、圧縮室H2により圧縮された気体冷媒を吐出室H1へと吐出する吐出孔322Aが形成されている。底板322の他面には、圧縮室H2から吐出室H1への気体冷媒の流れを許容する一方、吐出室H1から圧縮室H2への気体冷媒の流れを阻止する、例えば、リードバルブからなる一方向弁328が取り付けられている。
【0022】
固定スクロール320の底板322の外周面には、その全長に亘って凹溝322Bが形成され、フロントハウジング220とのシールを確保するOリング322Cが嵌め込まれている。また、リアハウジング240の開口端面には、その全長に亘って凹溝240Aが形成され、フロントハウジング220とのシールを確保するOリング240Bが嵌め込まれている。
【0023】
駆動力伝達機構400は、駆動軸410と、クランクピン420と、偏心ブッシュ430と、バランサウェイト440と、電磁クラッチ450と、プーリ460と、を含んで構成されている。
【0024】
駆動軸410は、小径部410A及び大径部410Bを有する段付円柱形状をなし、その小径部410Aの先端部がフロントハウジング220の小径側端部から外部に突出するように、フロントハウジング220に回転自由に収容される。具体的には、駆動軸410の小径部410A及び大径部410Bは、夫々、第4内周面220Dの開口側端部及び第3内周面220Cに対して、ボールベアリング520及びローラベアリング530を介して回転自由に軸支されている。駆動軸410の小径部410Aであって、ボールベアリング520と大径部410Bとの間に位置する部位は、例えば、メカニカルシールやリップシールなどのシール部材540によって、フロントハウジング220の第4内周面220Dとのシール性が確保されている。
【0025】
駆動軸410の大径部410Bの軸方向の一端面には、その軸心から偏心した位置に、ここから圧縮機構300に向かって突出する円柱形状のクランクピン420が立設されている。クランクピン420の外周面には、クランクピン420が相対回転可能に嵌合する嵌合孔が形成された、円柱形状の外形を有する偏心ブッシュ430が偏心状態で固定されている。偏心ブッシュ430の外周面は、旋回スクロール340の底板342の他面からフロントハウジング220の小径側へと延びる、円環形状のボス部342Aの内周面に取り付けられたローラベアリング550を介して回転自由に支持されている。
【0026】
駆動軸410の先端部は、フロントハウジング220の小径側の外周面に遊転可能に取り付けられた電磁クラッチ450を介して、外部からの動力によって回転するプーリ460に連結されている。従って、電磁クラッチ450を作動させると、プーリ460と駆動軸410とが連結され、プーリ460の回転力によって駆動軸410が回転する。一方、電磁クラッチ450の作動を停止させると、プーリ460と駆動軸410との連結が解除され、駆動軸410の回転が停止する。このように、電磁クラッチ450を適宜制御することで、スクロール型圧縮機100の作動を制御することができる。
【0027】
バランサウェイト440は、偏心ブッシュ430の旋回によって発生する遠心力を低減することで、例えば、スクロール型圧縮機100の振動を低減する。即ち、クランクピン420及び偏心ブッシュ430は、駆動軸410の軸心から偏心した位置に固定されているため、これが駆動軸410の軸心周りに旋回すると、アンバランスに起因する遠心力によって振動などが発生する。このため、このアンバランスを解消する目的で、例えば、駆動軸410の軸心を挟んだ所定位置に、クランクピン420及び偏心ブッシュ430の重心と釣り合いがとれる質量を有するバランサウェイト440を配置する。なお、例えば、部品点数を削減するために、バランサウェイト440を偏心ブッシュ430と一体化することもできる。
【0028】
次に、スクロール型圧縮機100の作用について説明する。
外部からの動力によって駆動軸410が回転すると、その回転力がクランクピン420及び偏心ブッシュ430を介して旋回スクロール340に伝達され、旋回スクロール340を固定スクロール320の軸心周りに公転旋回運動させる。その結果、圧縮機構300の圧縮室H2の容積が増減し、フロントハウジング220の吸入ポートから内部空間へと吸入された低圧の気体冷媒は、圧縮室H2で圧縮されつつ中心部へと導かれる。圧縮機構300の中心部へと導かれた気体冷媒は、固定スクロール320の底板322に形成された吐出孔322A及び一方向弁328を介して吐出室H1へと吐出される。吐出室H1へと吐出された気体冷媒は、リアハウジング240の吐出ポートを介して、冷媒回路の高圧側へと吐出される。
【0029】
ところで、駆動軸410の大径部410Bの一端面に偏心状態で立設されたクランクピン420に対して、偏心ブッシュ430が偏心状態かつ相対回転可能に固定されることで、図2に示すように、駆動軸410の軸心に対して旋回スクロール340の旋回半径を変更可能な従動クランク機構が構成される。この場合、旋回スクロール340のラップ344の側壁が固定スクロール320のラップ324の側壁から容易に離間しないように、駆動軸410の軸心に対する旋回スクロール340の従動量を規制する必要がある。
【0030】
そこで、図3及び図4に示すように、偏心ブッシュ430の軸方向の一端面、即ち、駆動軸410の大径部410Bの一端面に対向する端面に、ここから大径部410Bへと向かって延び、大径部410Bの外周面の一部と接触する突起430Aを形成する。具体的には、突起430Aは、欠円形状の横断面を有する柱状をなし、例えば、偏心ブッシュ430の一端面をフライス盤で切削加工することで容易に形成することができる。
【0031】
そして、突起430Aの周壁の一辺、即ち、欠円形状を区画する直線状の平面は、駆動軸410の大径部410Bの外周面に接触して、駆動軸410の軸心に対する旋回スクロール340の従動量を規制する。なお、突起430Aとしては、欠円形状の横断面を有する柱状に限らず、例えば、円柱形状などであってもよい。
【0032】
偏心ブッシュ430における突起430Aの形成位置、大きさなどは、例えば、クランクピン420の軸心周りに偏心ブッシュ430が所定角度回動しても、突起430Aの平面が大径部410Bの外周面から離れないように適宜決定することができる。ここで、所定角度としては、例えば、旋回スクロール340の旋回半径の可変量に応じた角度とすることができる。なお、偏心ブッシュ430の一端面に形成された突起430Aが、駆動軸に対する旋回スクロールの従動量を規制する従動量規制機構の一例として挙げられる。
【0033】
このようにすれば、駆動軸410のクランクピン420の軸心周りに偏心ブッシュ430が回動しても、偏心ブッシュ430の突起430Aの平面が駆動軸410の大径部410Bの外周面に接触しつつ摺動するので、旋回スクロール340の従動量を規制することができる。この場合、従来技術のようなピン及び凹部が不要となることから、その分だけ、スクロール型圧縮機100の軸方向のサイズを小さくすることが可能となり、小型化を促進することができる。なお、従動量規制機構を構成する突起は、偏心ブッシュ430ではなく、これと対面する駆動軸410の大径部410Bに形成することもできる。
【0034】
以上、本発明を実施するための実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、下記に一例を列挙するように、技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
【0035】
スクロール型圧縮機100のハウジング200は、フロントハウジング220及びリアハウジング240からなる構成に限らず、例えば、フロントハウジング、センターハウジング及びリアハウジングからなる構成とすることもできる。また、駆動力伝達機構400は、上述した構成に限らず、周知の構成とすることもできる。さらに、駆動軸410は、小径部410A及び大径部410Bを有する段付円柱形状に限らず、略同一の外径を有する円柱形状をなしていてもよい。さらにまた、スクロール型圧縮機100は、上述した構成に限らず、少なくとも、ケーシング、固定スクロール、旋回スクロール、駆動軸、クランクピン及び偏心ブッシュを備えていればよい。
【符号の説明】
【0036】
100 スクロール型圧縮機(スクロール型流体機械)
320 固定スクロール
340 旋回スクロール
410 駆動軸
420 クランクピン
430 偏心ブッシュ
430A 突起(従動量規制機構)
440 バランサウェイト
図1
図2
図3
図4