特許第6899250号(P6899250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899250
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20210628BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20210628BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20210628BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20210628BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   H01L23/36 C
   H01L23/12 J
   H05K7/20 C
   H05K1/02 C
   H05K1/02 Q
   H05K3/34 502Z
   H05K3/34 505C
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-86807(P2017-86807)
(22)【出願日】2017年4月26日
(65)【公開番号】特開2018-186182(P2018-186182A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(72)【発明者】
【氏名】安武 一平
【審査官】 豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−080168(JP,A)
【文献】 特開2004−048061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/12 −23/15
23/29
23/34 −23/36
23/373−23/427
23/44
23/467−23/473
H05K 1/00 − 1/02
3/32 − 3/34
7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板を貫通するビアと、
前記絶縁基板上に配置された第1金属層と、
前記ビアの周囲の前記第1金属層上に配置された第1レジスト層と、
前記第1金属層上に配置されたはんだ層と、
前記はんだ層と前記第1レジスト層との間に形成された第1ギャップ領域と、
前記はんだ層上に配置された半導体集積回路と
前記半導体集積回路と前記第1レジスト層との間に形成された第2ギャップ領域と
を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記絶縁基板の裏面に配置され、前記絶縁基板を介して前記第1金属層に対向する第2金属層と、
前記第2金属層上に配置された第2レジスト層と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記ビアの内壁側面に配置され、かつ前記第1金属層および前記第2金属層と接続された第3金属層を備えることを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記第1金属層、前記第2金属層、または前記第3金属層は、同一材料を備えることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記第1レジスト層、または前記第2レジスト層は、同一材料を備えることを特徴とする請求項2記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記半導体集積回路は、
前記はんだ層と融着可能なアイランドと、
前記アイランド上に配置された半導体集積回路チップと
を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記ビアを複数個備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記絶縁基板上に配置され、かつ前記第1金属層の周囲に配置された端子電極を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記端子電極は、前記第1金属層と同一材料を備えることを特徴とする請求項8に記載の半導体集積回路装置。
【請求項10】
絶縁基板を準備し、前記絶縁基板にビアを形成する工程と、
前記絶縁基板の表面上に第1金属層を形成し、前記絶縁基板の裏面上に第2金属層を形成し、前記ビアの内壁側面に第3金属層を形成する工程と、
前記第1金属層上、前記第2金属層上および前記ビアを充填してレジストを形成する工程と、
前記レジストをパターニングして、前記ビアの周囲の前記第1金属層上に第1レジスト層を形成する工程と、
前記第1金属層上にはんだ層を形成する工程と、
前記はんだ層上に半導体集積回路を搭載する工程と、
リフロー工程を実施し、前記はんだ層と前記第1金属層を融着すると共に、前記はんだ層と前記第1レジスト層との間に第1ギャップ領域を形成し、前記半導体集積回路と前記第1レジスト層との間に第2ギャップ領域を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1金属層、前記第2金属層および前記第3金属層は、メッキ工程により形成することを特徴とする請求項10に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項12】
前記はんだ層を形成する工程は、クリームはんだを塗布する工程を有することを特徴とする請求項10または11に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1レジスト層を形成する工程は、前記ビアを貫通するように前記レジストをパターニングして、前記第1レジスト層を前記ビアの周囲の前記第1金属層上に形成する工程を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項14】
前記はんだ層を形成する工程は、メタルマスクを適用して前記ビアおよび前記ビアの周囲の前記第1レジスト層上への前記はんだ層の塗布を回避する工程を有することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施の形態は、半導体集積回路装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスあるいは半導体集積回路においては、実装基板上における高密度実装によって、放熱設計の重要性は高まっている。
【0003】
小型化された半導体素子は、表面積が小さいため、表面からの放熱が期待できず、基板からの放熱が主となる。また、基板コストを抑えるための薄銅化により、基板の横方向の放熱性能が制限されるため、縦方向の放熱経路を実現するスルーホール、ビア(Via)の存在は、基板全体の放熱性能を左右する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−18857号公報
【特許文献2】特開2014−140002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施の形態は、ビアへのはんだ吸い上げを回避可能で、信頼性が向上し、かつ放熱性能を改善した半導体集積回路装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の一態様によれば、絶縁基板と、前記絶縁基板を貫通するビアと、前記絶縁基板上に配置された第1金属層と、前記ビアの周囲の前記第1金属層上に配置された第1レジスト層と、前記第1金属層上に配置されたはんだ層と、前記はんだ層と前記第1レジスト層との間に形成された第1ギャップ領域と、前記はんだ層上に配置された半導体集積回路と、前記半導体集積回路と前記第1レジスト層との間に形成された第2ギャップ領域とを備える半導体集積回路装置が提供される。
【0007】
本実施の形態の他の態様によれば、絶縁基板を準備し、前記絶縁基板にビアを形成する工程と、前記絶縁基板の表面上に第1金属層を形成し、前記絶縁基板の裏面上に第2金属層を形成し、前記ビアの内壁側面に第3金属層を形成する工程と、前記第1金属層上にレジストを形成する工程と、前記レジストをパターニングして、前記ビアの周囲の前記第1金属層上に第1レジスト層を形成する工程と、前記第1金属層上にはんだ層を形成する工程と、前記はんだ層上に半導体集積回路を搭載する工程と、リフロー工程を実施し、前記はんだ層と前記第1金属層を融着すると共に、前記はんだ層と前記第1レジスト層との間に第1ギャップ領域を形成し、前記半導体集積回路と前記第1レジスト層との間に第2ギャップ領域を形成する工程とを有する半導体集積回路装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本実施の形態によれば、ビアへのはんだ吸い上げを回避可能で、信頼性が向上し、かつ放熱性能を改善した半導体集積回路装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、はんだ層形成前における模式的平面パターン構成図。
図2】第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法において適用するメタルマスクの模式的平面パターン構成図。
図3】第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、はんだ層形成後における模式的平面パターン構成図。
図4】第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、リフロー工程を実施後におけるX線イメージ図(模式的平面パターン構成図)。
図5】(a)第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その1)、(b)第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その2)、(c)第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その3)。
図6】(a)第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その4)、(b)第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その5)、(c)第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その6)。
図7】第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、はんだ層形成、半導体集積回路搭載、リフロー工程を実施後における模式的平面パターン構造図。
図8】(a)第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の放熱性能を説明する模式的断面構造図、(b)比較例として、はんだ量が多い場合のはんだブリッジ(実装時側面)の模式的説明図。
図9】第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、はんだ層形成前における模式的平面パターン構成図。
図10】第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法において適用するメタルマスクの模式的平面パターン構成図。
図11】第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、はんだ層形成、半導体集積回路搭載、リフロー工程を実施後における模式的平面パターン構造図。
図12】第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、はんだ層形成前における模式的平面パターン構成図。
図13】第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法において適用するメタルマスクの模式的平面パターン構成図。
図14】第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置において、はんだ層形成、半導体集積回路搭載、リフロー工程を実施後における模式的平面パターン構造図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0011】
又、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
[第1の実施の形態]
(はんだ層形成前の構成)
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、はんだ層24の形成前における模式的平面パターン構造(ランドパターン)例は、図1に示すように表される。図1の平面パターン構造は、半導体集積回路10を搭載する絶縁基板(実装基板)12に対応している。図1は、半導体集積回路装置100がQFN(Quad Flat Non-leaded package)20ピンパッケージ上に搭載される例を示している。実装基板は、図5(a)に示すように、絶縁基板12と、絶縁基板12上に配置された金属層16と、絶縁基板12の裏面上に配置された金属層14とを備えるが、ここでは簡略化のため、実装基板として単に絶縁基板(実装基板)12の表記を用いている。
【0013】
絶縁基板(実装基板)12上には、図1に示すように、レジスト層20および20Cが形成される。すなわち、端子電極22およびExposedPADに相当する金属層(銅箔層)16を除く絶縁基板12上には、レジスト層20が配置される。更に、平面視において、ExposedPADに相当する領域内には、4個のビア18が配置され、この各ビア18の周囲には、レジスト層20Cが配置される。
【0014】
(メタルマスク)
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100の製造方法において適用するメタルマスク(ステンシル)200の模式的平面パターン構成は、図2に示すように表される。メタルマスク200は、例えばSUSやニッケル合金、Cr、Alなどにより形成可能である。ここで、メタルマスク200は、図1に示されたはんだ層24の形成前における絶縁基板12上に配置される。図2に示すように、メタルマスク200により、ビア18およびレジスト層20Cの部分がマスクされる。図2において、メタルマスク200によりマスクされるビア18およびレジスト層20Cの部分を破線で示している。
【0015】
メタルマスク200は、図2に示すように、端子電極22上へのはんだ層24の形成用の開口部122と、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上へのはんだ層24の形成用の開口部120とを備える。ここで、ExposedPAD(EPAD)部の開口部122はPADサイズの60%程度であることが望ましい。ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上のはんだ層24(16)と端子電極22上のはんだ層24(22)との間のはんだブリッジを回避するためである。
【0016】
(はんだ層形成後の構成)
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、図1に示された絶縁基板12に対して図2に示されたメタルマスク200を適用し、はんだ層24を形成後における模式的平面パターン構成は、図3に示すように表される。
【0017】
絶縁基板12上には、図3に示すように、端子電極22上のはんだ層24(22)と、
ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上のはんだ層24(16)が形成される。更に、開口部120を有するメタルマスク200を適用することにより、ExposedPAD(EPAD)内のビア18とビア18の周囲のレジスト層20Cの周辺部は、ExposedPADの4角に相当する金属層16部分が露出される。この露出された金属層16上にはその後のリフロー工程を経て、はんだ層24が流入し、このExposedPADの4角に相当する金属層16上のはんだ層24(16)が形成される。
【0018】
(X線イメージ)
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、リフロー工程を実施後におけるX線イメージ図(模式的平面パターン構成図)は、図4に示すように表される。
【0019】
絶縁基板12上には、図4に示すように、半導体集積回路10のパッケージが搭載されるため、半導体集積回路10が搭載される領域の絶縁基板(実装基板)12表面のパターンは、X線イメージとして破線で示されている。半導体集積回路10が搭載される領域外の絶縁基板(実装基板)12表面のパターンは、X線イメージとして実線で示されている。
【0020】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、図3に示されたはんだ層24を形成後の絶縁基板(実装基板)12に対して、図4に示すように、半導体集積回路10を搭載した後、リフロー工程を実施する。このリフロー工程により、ExposedPADの4角に相当する金属層16上にはんだ層24が流入し、このExposedPADの4角に相当する金属層16上のはんだ層24(16)が形成される。すなわち、図4に示すように、ビア18およびビア18の周囲のレジスト層20Cを除き、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上全域にはんだ層24(16)が形成される。
【0021】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100においては、その製造工程上、ビア18上にメタルマスク200を適用するため、ビア18上にはんだ層24は塗布されない。
【0022】
また、リフロー実装時には、ExposedPAD下のはんだが濡れ広がるが、ビア18周辺にはレジスト層20Cがあるためはんだ層24をはじき、ビア18によるはんだ吸い上げは発生しない。レジスト層20C周辺にははんだ層24が濡れ広がる。
【0023】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100においては、メタルマスク開口部120をExposedPADサイズの60%程度に設定することで、ExposedPADと端子電極(PIN)間のはんだブリッジの形成も回避可能である。
【0024】
ここで、比較例として、はんだ量が多い場合のはんだブリッジ(実装時側面)の模式的説明は、図8(b)に示すように表される。すなわち、図8(b)は、図7において、はんだ量が多い場合のIV−IV線に沿う模式的断面構造に対応している。はんだ層24の量が多いと、パッケージのアイランド6に接続されるはんだ層24(22)とはんだ層24(16)の隣接部Sでブリッジ(ショート)する可能性がある。ここで、はんだ層24(22)は、端子電極22上に配置されるはんだ層であり、はんだ層24(16)は、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上に配置されるはんだ層である。尚、絶縁基板12上の金属層16は、図8(b)では図示を省略している。
【0025】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造(その1)は、図5(a)に示すように表され、半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造(その2)は、図5(b)に示すように表され、半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造(その3)は、図5(c)に示すように表される。ここで、図5(a)〜図5(c)に示される模式的断面構造は、図11のI−I線に沿う模式的断面構造に対応している。すなわち、1つのビア18の近傍における模式的断面構造に対応している。
【0026】
更に、第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造(その4)は、図6(a)に示すように表され、半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造(その5)は、図6(b)に示すように表され、半導体集積回路装置の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造(その6)は、図6(c)に示すように表される。図6(a)および図6(b)に示される模式的断面構造は、図3のII−II線に沿う模式的断面構造に対応している。また、図6(c)に示される模式的断面構造は、図7のV−V線に沿う模式的断面構造に対応している。すなわち、1つのビア18の近傍における模式的断面構造に対応している。
【0027】
ここで、実装基板は、図5(a)に示すように、絶縁基板12と、絶縁基板12上に配置された金属層16と、絶縁基板12の裏面上に配置された金属層14とを備える。
【0028】
絶縁基板12と、絶縁基板12の表面上に配置された金属層16と、絶縁基板12の裏面上に配置された金属層14からなる基板構造は、例えば、銅箔層とエポキシ樹脂層と銅箔層との接合体からなる回路基板構造を備えている。例えば、銅箔層とエポキシ樹脂層と銅箔層との接合体からなる回路基板構造としては、CEM3、FR4、FR5などのPCB基板などを適用可能である。また、金属層とセラミックス基板と金属層との接合体からなる回路基板、或いはDBC基板、DBA基板やAMB基板などの絶縁基板(回路基板)を備えていても良い。
【0029】
絶縁基板12は、図5(a)に示すように、内壁側面に金属層15が配置されたビア18を備える。ビア18は、複数配置されていても良い。また、ビア18は、図5(a)に示すように、絶縁基板12を貫通し、金属層15は、金属層16と金属層14との間を接続している。
【0030】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、金属層16上にはんだ層24を介して半導体集積回路10を搭載し、リフロー工程後における模式的平面パターン構造は、図7に示すように表される。また、第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100であって、図7のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図8(a)に示すように表される。
【0031】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100は、図6(c)および図8(a)に示すように、絶縁基板12と、絶縁基板12貫通するビア18と、絶縁基板12上に配置された金属層16と、ビア18の周囲の金属層16上に配置された第1レジスト層20Cと、金属層16上に配置されたはんだ層24と、はんだ層24とレジスト層20Cとの間に形成された第1ギャップ領域26Gと、はんだ層24上に配置された半導体集積回路10とを備える。
【0032】
また、半導体集積回路10とレジスト層20Cとの間に形成された第2ギャップ領域28Gを備えていても良い。
【0033】
ここで、レジスト層20Cは、ビア18の上部には、実質的に配置されていない。金属層16上に配置されたはんだ層24の一部は、ビア18の周囲の金属層16上に配置されたレジスト層20C上に延伸して配置されていても良い。
【0034】
また、絶縁基板12の裏面に配置され、絶縁基板12を介して金属層16に対向する金属層14と、金属層14上に配置されたレジスト層20Bとを備えていても良い。
【0035】
また、ビア18の内壁側面に配置され、かつ金属層16および金属層14と接続された金属層15を備えていても良い。
【0036】
また、金属層16、金属層14、または金属層15は、同一材料を備えていても良い。
【0037】
レジスト層20Cおよびレジスト層20Bは、同一材料を備えていても良い。
【0038】
また、図8(a)に示すように、半導体集積回路10は、はんだ層24と融着可能なアイランド6と、アイランド6上に配置された半導体集積回路チップ8とを備えていても良い。
【0039】
また、ビア18を複数個備えていても良い。
【0040】
また、図4および図7に示すように、絶縁基板12上に配置され、かつ金属層16の周囲に配置された複数個の端子電極22を備えていても良い。
【0041】
また、端子電極22は、金属層16と同一材料を備えていても良い。
【0042】
(製造方法)
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100の製造方法は、図5(a)〜図5(c)および図6(a)〜図6(c)に示すように、絶縁基板12を準備し、絶縁基板12にビア18を形成する工程と、絶縁基板12の表面上に金属層16を形成し、絶縁基板12の裏面上に金属層14を形成し、ビア18の内壁側面に金属層15を形成する工程と、金属層16上、金属層14上およびビア18を充填してレジスト層20・20B・20Tを形成する工程と、ビア18を貫通するようにレジスト層20・20B・20Tをパターニングして、ビア18の周囲の金属層16上にレジスト層20Cを形成する工程と、金属層16上にはんだ層24を形成する工程と、はんだ層24上に半導体集積回路10を搭載する工程と、リフロー工程を実施し、はんだ層24と金属層16を融着すると共に、はんだ層24とレジスト層20Cとの間に第1ギャップ領域26Gを形成し、半導体集積回路10とレジスト層20Cとの間に第2ギャップ領域28Gを形成する工程とを有する。
【0043】
また、レジスト層20Cを形成する工程は、ビア18を貫通するようにレジスト層20・20B・20Tをパターニングして、レジスト層20Cをビア18の周囲の金属層16上に形成する工程を有する。レジスト層20Cは、ビア18内壁側面上の金属層15の上部には形成されるが、空洞化されたビア18の上部は、形成されていない。
【0044】
また、金属層16、金属層14および金属層15を形成する工程は、メッキ工程により実施されていても良い。
【0045】
また、はんだ層24を形成する工程は、クリームはんだを塗布する工程を有していても良い。
【0046】
また、はんだ層24を形成する工程は、図2に示されたメタルマスク200を適用してビア18およびビア18の周囲のレジスト層20C上へのはんだ層24の塗布を回避する工程を有していても良い。
【0047】
以下、図5(a)〜図5(c)および図6(a)〜図6(c)を参照して、第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100の製造方法を説明する。
【0048】
(a)まず、図5(a)に示すように、絶縁基板12を準備し、ビア18を形成する。
【0049】
(b)次に、図5(a)に示すように、メッキ工程により絶縁基板12の表面に金属層16を形成する。同時に、絶縁基板12の裏面に金属層14を形成する。同時に、絶縁基板12のビア18の内壁側面に金属層15を形成する。メッキ工程においては、例えば、銅(Cu)メッキのためのシーズ電極(Cu)をスパッタリング工程により形成する。ビア18の内壁側面に対しては、斜めスパッタリング工程により形成しても良い。その後、シーズ電極上に、電解メッキ工程若しくは無電解メッキ工程を用いて、金属層16・15・14を形成する。金属層16・15・14は、例えば銅箔層からなる。
【0050】
(c)次に、図5(b)に示すように、絶縁基板12の表面の金属層16上にレジスト層20を形成する。同様に、絶縁基板12の裏面の金属層14上にレジスト層20Bを形成する。同様に、絶縁基板12を貫通するビア18を充填してレジスト層20Tを形成する。レジスト層20B、20Tは、レジスト層20と同一材料で形成可能である。レジスト層は、印刷工程を用いて形成可能である。以上の説明において、絶縁基板12のビア18の形成に関係のないエッチングなどの工程は説明を省略している。
【0051】
(d)次に、図5(c)に示すように、ビア18を貫通するようにレジスト層20・20B・20Tをパターニングして、キャップ用のレジスト層20Cを形成する。図5(c)の構造は、図1のI−I線に沿う断面構造に対応する。レジスト層20Cは、ビア18の周囲の金属層16上に形成されている。
【0052】
(e)次に、図6(a)に示すように、金属層16上にはんだ層24を形成する。図6(a)の構造は、図3のII−II線に沿う断面構造に対応する。このため、金属層16上にはんだ層24が形成された部分と形成されていない部分がある。はんだ層24を形成する工程においては、図2に示されたメタルマスク200を適用する。メタルマスク200を利用することによって、ビア18およびビア18の周囲のレジスト層20C上へのはんだ層24の塗布を回避することができる。また、はんだ層24は、例えばクリームはんだを塗布することで形成しても良い。
【0053】
(f)次に、図6(b)に示すように、はんだ層24上に半導体集積回路10を搭載する。ここで、はんだ層24上に半導体集積回路10を搭載すると、はんだ層24の一部が半導体集積回路10とレジスト層20Cとの間に押し出される。また、半導体集積回路10とレジスト層20Cとの間には、ギャップ領域28Gが形成される。
【0054】
(g)次に、図6(c)に示すように、リフロー工程を実施する。図6(c)の構造は、図7のV−V線に沿う断面構造に対応する。リフロー工程は、例えば、所定の時間内に室温から所定の温度まで熱処理し、再び所定の時間内に室温にもどすことで、実施可能である。ここで、所定の温度とは、例えば、鉛フリーはんだ(Sn−3Ag−0.5Cu)の場合で、約240℃〜260℃、共晶はんだ(Sn−37Pb)の場合で、約200℃〜220℃である。リフロー工程によって、はんだ層24は、金属層16上にはんだ層24が形成されていない部分にまで流入する。また、リフロー工程後、はんだ層24は金属層16部分にのみ融着可能である。リフロー工程により、レジスト層20Cは、はんだ層24をはじく特性を有するため、はんだ層24とレジスト層20Cの間にギャップ領域26Gが形成される。
【0055】
ギャップ領域26Gおよび28Gの形成により、はんだ層24のはんだ流れを防止することができる。ギャップ領域26Gおよび28Gの形成により、はんだ層24がビア18に流れ込むのを防止し、その他の部品とのショートを回避可能であり、信頼性を向上することができる。
【0056】
(放熱性能)
図8(a)は、第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100の放熱性能の説明図にも対応している。
【0057】
図8(a)に示すように、はんだ層24は、金属層16に融着し、金属層16とレジスト層20Cとの間には、ギャップ領域26Gが形成されている。また、半導体集積回路10とレジスト層20Cとの間には、ギャップ領域28Gが形成されている。
【0058】
また、図8(a)に示すように、はんだ層24は、半導体集積回路10の半導体集積回路チップ8を搭載するアイランド6に融着している。矢印は放熱経路を示す。
【0059】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100においては、図8(a)の矢印で示す放熱経路で示すように、半導体集積回路チップ8からの発熱は、アイランド6を介して、はんだ層24に伝導し、さらに、金属層16を伝導する絶縁基板12に平行な横方向への放熱とともに、金属層15を介する熱伝導により、金属層14を伝導する絶縁基板12に平行な横方向への放熱も加わる。
【0060】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100は、発熱源となる半導体集積回路チップ(ダイ)8に接続されるアイランド6の直下に、ビア18を配置し、さらにはんだの吸い上げもないため、融着率低下による熱抵抗悪化もなく、良好な放熱性能を確保することができる。
【0061】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100の製造方法においては、ビアへのはんだ吸い上げを回避するためのメタルマスクを適用する。
【0062】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100によれば、ExposedPADもしくはFin直下のスルーホール、ビア周辺にレジスト層を塗布することで、はんだ吸い上げを低減できる。更に、メタルマスク開口部にスルーホール、ビアが配置されないようにメタルマスクのマスク開口部を調整することによって、スルーホール、ビア上に蓋をしてはんだ層を塗布する。したがって、はんだ層の吸い上げを更に抑制することが可能となる。同時に開口部面積をコントロールすることで、はんだブリッジも抑制することができる。
【0063】
第1の実施の形態に係る半導体集積回路装置100によれば、スルーホール、ビア形成時、メッキ後にスルーホール、ビアの上に、または周辺にレジストを形成することで、レジストのはんだをはじく特性を利用して、はんだ流れを低減する。更にビアにふたをする形状のメタルマスクを使用してはんだ塗布を行うことで、ビア上にはんだが塗布されることがなくなるため、はんだ吸い上げの問題をさらに低減することが可能になる。
【0064】
[第2の実施の形態]
(はんだ層形成前の構成)
第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、はんだ層24の形成前における模式的平面パターン構造(ランドパターン)例は、図9に示すように表される。図9の平面パターン構造は、半導体集積回路10を搭載する絶縁基板(実装基板)12に対応している。図9は、半導体集積回路装置100がQFN32ピンパッケージ上に搭載される例を示している。
【0065】
絶縁基板(実装基板)12上には、図9に示すように、レジスト層20および20Cが形成される。すなわち、端子電極22およびExposedPADに相当する金属層(銅箔層)16を除く絶縁基板12上には、レジスト層20が配置される。更に、平面視において、ExposedPADに相当する領域内には、9個のビア18が配置され、この各ビア18の周囲には、レジスト層20Cが配置される。
【0066】
(メタルマスク)
第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置100の製造方法において適用するメタルマスク(ステンシル)200の模式的平面パターン構成は、図10に示すように表される。メタルマスク200は、例えばSUSやニッケル合金、Cr、Alなどにより形成可能である。ここで、メタルマスク200は、図9に示されたはんだ層24の形成前における絶縁基板12上に配置される。図10に示すように、メタルマスク200により、ビア18およびレジスト層20Cの部分がマスクされる。図10において、メタルマスク200によりマスクされるビア18およびレジスト層20Cの部分を破線で示している。
【0067】
メタルマスク200は、図10に示すように、端子電極22上へのはんだ層24の形成用の開口部122と、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上へのはんだ層24の形成用の開口部1201、1202、1203、1204とを備える。ここで、ExposedPAD(EPAD)部の開口部1201、1202、1203、1204はPADサイズの60%程度であることが望ましい。ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上のはんだ層24(16)と端子電極22上のはんだ層24(22)との間のはんだブリッジを回避するためである。
【0068】
(はんだ層形成、半導体集積回路搭載、リフロー工程後の構成)
第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、図9に示された絶縁基板12に対して図10に示されたメタルマスク200を適用し、はんだ層24を形成、半導体集積回路搭載、リフロー工程を実施後における模式的平面パターン構造は、図11に示すように表される。
【0069】
絶縁基板12上には、図11に示すように、端子電極22上のはんだ層24(22)と、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上のはんだ層24(16)が形成される。更に、開口部1201、1202、1203、1204を有するメタルマスク200を適用することにより、ExposedPAD(EPAD)内のビア18とビア18の周囲のレジスト層20Cの周辺部は、金属層16部分が露出される。この露出された金属層16上にはその後のリフロー工程を経て、はんだ層24が流入し、この露出された金属層16上にはんだ層24(16)が形成される。
【0070】
(X線イメージ)
第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、リフロー工程を実施後におけるX線イメージ図(模式的平面パターン構成図)は、図11と同様に表される。
【0071】
絶縁基板12上には、図11に示すように、半導体集積回路10のパッケージが搭載されるため、半導体集積回路10が搭載される領域の絶縁基板(実装基板)12表面のパターンは、X線イメージとして破線で示されている。半導体集積回路10が搭載される領域外の絶縁基板(実装基板)12表面のパターンは、X線イメージとして実線で示されている。
【0072】
第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、はんだ層24を形成後の絶縁基板(実装基板)12に対して、図11に示すように、半導体集積回路10を搭載した後、リフロー工程を実施する。このリフロー工程により、ExposedPADに相当する金属層16上にはんだ層24が流入し、このExposedPADに相当する金属層16上のはんだ層24(16)が形成される。すなわち、図11に示すように、ビア18およびビア18の周囲のレジスト層20Cを除き、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上全域にはんだ層24(16)が形成される。
【0073】
第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置100においては、その製造工程上、ビア18上にメタルマスク200を適用するため、ビア18上にはんだ層24は塗布されない。
【0074】
また、リフロー実装時には、ExposedPAD下のはんだが濡れ広がるが、ビア18周辺にはレジスト層20Cがあるためはんだ層24をはじき、ビア18によるはんだ吸い上げは発生しない。レジスト層20C周辺にははんだ層24が濡れ広がる。
【0075】
第2の実施の形態に係る半導体集積回路装置100においても、メタルマスク開口部120をExposedPADサイズの60%程度に設定することで、ExposedPADと端子電極(PIN)間のはんだブリッジの形成も回避可能である。
【0076】
[第3の実施の形態]
(はんだ層形成前の構成)
第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、はんだ層24の形成前における模式的平面パターン構造(ランドパターン)例は、図12に示すように表される。図12の平面パターン構造は、半導体集積回路10を搭載する絶縁基板(実装基板)12に対応している。図12は、半導体集積回路装置100がHTSOP−J8型8ピンパッケージ上に搭載される例を示している。
【0077】
絶縁基板(実装基板)12上には、図12に示すように、レジスト層20および20Cが形成される。また、端子電極22、ExposedPADに相当する金属層16およびビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810を除く絶縁基板12上には、レジスト層20が配置される。すなわち、ExposedPADに相当する金属層16の周辺には、10個のビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810が配置され、この10個のビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810の周囲には、レジスト層20が配置される。
【0078】
更に、平面視において、ExposedPADに相当する金属層16領域内には2個のビア1811・1812が配置され、このビア1811・1812の周囲には、レジスト層20Cが配置されている。
【0079】
(メタルマスク)
第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置100の製造方法において適用するメタルマスク(ステンシル)200の模式的平面パターン構成は、図13に示すように表される。メタルマスク200は、例えばSUSやニッケル合金、Cr、Alなどにより形成可能である。ここで、メタルマスク200は、図12に示されたはんだ層24の形成前における絶縁基板12上に配置される。図13に示すように、メタルマスク200により、ビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810・1811・1812およびレジスト層20Cの部分がマスクされる。図13において、メタルマスク200によりマスクされるビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810・1811・1812およびレジスト層20Cの部分を破線で示している。
【0080】
メタルマスク200は、図13に示すように、端子電極22上へのはんだ層24の形成用の開口部122と、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上へのはんだ層24の形成用の開口部1205、1206、1207とを備える。ここで、ExposedPAD(EPAD)部の開口部1205、1206、1207はPADサイズの60%程度であることが望ましい。ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上のはんだ層24(16)と端子電極22上のはんだ層24(22)との間のはんだブリッジを回避するためである。
【0081】
(はんだ層形成、半導体集積回路搭載、リフロー工程後の構成)
第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、図12に示された絶縁基板12に対して図13に示されたメタルマスク200を適用し、はんだ層24を形成、半導体集積回路10を搭載、リフロー工程を実施後における模式的平面パターン構造は、図14に示すように表される。
【0082】
絶縁基板12上には、図14に示すように、端子電極22上のはんだ層24(22)と、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上のはんだ層24(16)が形成される。更に、開口部1205、1206、1207を有するメタルマスク200を適用することにより、ビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810・1811・1812とその周囲のレジスト層20およびビア1811・1812とその周囲のレジスト層20Cの周辺部は、金属層16部分が露出される。この露出された金属層16上にはその後のリフロー工程を経て、はんだ層24が流入し、この露出された金属層16上にはんだ層24(16)が形成される。
【0083】
(X線イメージ)
第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、リフロー工程を実施後におけるX線イメージ図(模式的平面パターン構成図)は、図14と同様に表される。
【0084】
絶縁基板12上には、図14に示すように、半導体集積回路10のパッケージが搭載されるため、半導体集積回路10が搭載される領域の絶縁基板(実装基板)12表面のパターンは、X線イメージとして破線で示されている。半導体集積回路10が搭載される領域外の絶縁基板(実装基板)12表面のパターンは、X線イメージとして実線で示されている。
【0085】
第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置100において、はんだ層24を形成後の絶縁基板(実装基板)12に対して、図14に示すように、半導体集積回路10を搭載した後、リフロー工程を実施する。このリフロー工程により、ExposedPADに相当する金属層16上にはんだ層24が流入し、このExposedPADに相当する金属層16上のはんだ層24(16)が形成される。すなわち、図14に示すように、181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810・1811・1812とその周囲のレジスト層20およびビア1811・1812とその周囲のレジスト層20Cを除き、ExposedPAD(EPAD)に相当する金属層16上全域にはんだ層24(16)が形成される。
【0086】
第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置100においては、その製造工程上、ビア18上にメタルマスク200を適用するため、ビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810・1811・1812上にはんだ層24は塗布されない。
【0087】
また、リフロー実装時には、ExposedPAD下のはんだが濡れ広がるが、ビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810・1811・1812の周辺にはレジスト層20・20Cがあるためはんだ層24をはじき、ビア181・182・183・184・185・186・187・188・189・1810・1811・1812によるはんだ吸い上げは発生しない。レジスト層20C・20周辺にははんだ層24が濡れ広がる。
【0088】
第3の実施の形態に係る半導体集積回路装置100においても、メタルマスク開口部120をExposedPADサイズの60%程度に設定することで、ExposedPADと端子電極(PIN)間のはんだブリッジの形成も回避可能である。
【0089】
以上の説明において、はんだ層24は、例えば、鉛フリーはんだ(Sn−3Ag−0.5Cu)、共晶はんだ(Sn−37Pb)などで形成可能である。
【0090】
また、銅(Cu)箔層からなる金属層16、14、15や端子電極22上には、Auフラッシュ層、はんだメッキ、Auメッキ処理などが実施されて、Au/Cuからなる層構造が形成されていても良い。
【0091】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置が搭載されるパッケージには、Finパッケージや、TO−252型パッケージ、TO−263薄型パッケージ、ExposedPADやFinなど放熱板を有するパッケージなどが適用可能である。
【0092】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置に搭載される半導体集積回路チップ以外にも例えば、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、ダイオード、三端子レギュレータなどを搭載可能である。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ビアへのはんだ吸い上げを回避可能で、信頼性が向上し、かつ放熱性能を改善した半導体集積回路装置およびその製造方法を提供することができる。
【0094】
[その他の実施の形態]
上記のように、本実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、本実施の形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0095】
このように、本実施の形態はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本実施の形態の半導体集積回路装置は、モバイル機器、車載機器、産業機器、医療機器、ディスプレイ装置など幅広い分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
24…はんだ層
6…アイランド
8…半導体集積回路チップ
10…半導体集積回路
12…絶縁基板(実装基板)
14、15、16…金属層(銅箔層)
18、181、182、183、184、185、186、187、188、189、1810、1811、1812…ビア
20、20B、20C、20T…レジスト層
22…端子電極
26G、28G…ギャップ領域
100…半導体集積回路装置
120、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、122…開口部
200…メタルマスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14