特許第6899294号(P6899294)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6899294高速炉の炉心及びこの炉心を備える高速炉
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899294
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】高速炉の炉心及びこの炉心を備える高速炉
(51)【国際特許分類】
   G21C 5/00 20060101AFI20210628BHJP
   G21C 1/02 20060101ALI20210628BHJP
   G21C 3/336 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   G21C5/00 A
   G21C1/02 200
   G21C3/336
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-180812(P2017-180812)
(22)【出願日】2017年9月21日
(65)【公開番号】特開2019-56615(P2019-56615A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2020年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 晃久
(72)【発明者】
【氏名】松原 慎一郎
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−102189(JP,A)
【文献】 特開昭49−027797(JP,A)
【文献】 特開昭55−132988(JP,A)
【文献】 特開2001−147285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 5/00
G21C 1/02
G21C 3/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端から他端に延びるように構成されるとともに前記一端側にエントランスノズルを有する複数の炉心構成要素と、
複数の挿入孔を有するとともに各挿入孔に各エントランスノズルを挿入した状態で前記複数の炉心構成要素を支持する支持構造物と
を備える高速炉の炉心であって、
前記複数の炉心構成要素のうちの少なくとも1つの第1炉心構成要素は、
前記エントランスノズルから前記他端側へ離れた位置に設けられる少なくとも1つの押し付け部材と、
前記少なくとも1つの押し付け部材を隣接する第2炉心構成要素に向かって押し付ける弾性力を前記少なくとも1つの押し付け部材に付与するように構成された少なくとも1つの第1弾性部材と、
前記少なくとも1つの押し付け部材の押し付けを解除する押し付け解除機構と
を備える高速炉の炉心。
【請求項2】
前記少なくとも1つの押し付け部材は、前記第1炉心構成要素の全長をLとしたとき、前記第1炉心構成要素の前記他端から0.5L以内の位置に設けられている、請求項1に記載の高速炉の炉心。
【請求項3】
前記第2炉心構成要素に隣接する複数の前記第1炉心構成要素の前記押し付け部材から前記第2炉心構成要素が受ける押し付け力の合力がゼロよりも大きい、請求項1または2に記載の高速炉の炉心。
【請求項4】
前記第1炉心構成要素の各々は、前記第1炉心構成要素の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成されたパッド部を有し、前記少なくとも1つの押し付け部材は前記パッド部に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高速炉の炉心。
【請求項5】
前記第1炉心構成要素は、炉心燃料を交換するための燃料交換機の操作端と係合可能に設けられた係合空間を含み、
前記押し付け解除機構の少なくとも一部が前記係合空間内に設けられ、
前記押し付け解除機構は、前記燃料交換機によって操作可能に構成された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高速炉の炉心。
【請求項6】
前記押し付け解除機構は、前記第1炉心構成要素の軸方向に対して斜めに延びるように前記押し付け部材に連結された可動部又は前記押し付け部材に形成された第1テーパ面に接触する第2テーパ面を含み、前記軸方向に沿ってスライド可能に設けられたスライド部材を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高速炉の炉心。
【請求項7】
前記第1テーパ面は、前記第2テーパ面に対して前記押し付け部材の押し付け方向における上流側に位置する、請求項6に記載の高速炉の炉心。
【請求項8】
前記押し付け部材には、前記第1テーパ面によって画定されるとともに、前記第2テーパ面を含む前記スライド部材の先端部が収容される収容空間が設けられた、請求項7に記載の高速炉の炉心。
【請求項9】
前記第1テーパ面は、前記押し付け部材に対して押し付け方向における上流側において前記第1弾性部材を介して前記押し付け部材に連結される前記可動部に設けられ、
前記第2テーパ面は、前記第1テーパ面に対して前記押し付け方向における上流側に位置する、請求項6に記載の高速炉の炉心。
【請求項10】
前記第1炉心構成要素には、前記押し付け部材と、前記第1弾性部材と、前記可動部とが収容される凹部が設けられ、
前記凹部内に設けられ、前記押し付け部材に対して前記押し付け方向の上流側に向かう弾性力を作用させるように構成された第2弾性部材を備える、請求項9に記載の高速炉の炉心。
【請求項11】
前記押し付け解除機構は、第1端部から第2端部に延びるように構成されるとともに前記第1端部と前記第2端部との間に設けられた回転軸を中心に回転可能に前記炉心構成要素内に設けられた回転棒部材を有し、該回転棒部材の回転によって前記押し付け部材が押し付け方向とは逆方向に移動させるように構成された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高速炉の炉心。
【請求項12】
前記第1炉心構成要素には、前記押し付け部材と、前記第1弾性部材と、前記可動部とが収容される凹部が設けられ、
前記第1炉心構成要素のうち前記凹部の開口端の周縁部又は前記凹部の内壁面には、前記押し付け部材の前記凹部からの抜け出しを防止するための抜け止め部が設けられた、請求項9〜11のいずれか一項に記載の高速炉の炉心。
【請求項13】
一端から他端に延びるように構成されるとともに前記一端側にエントランスノズルを有する複数の炉心構成要素と、
複数の挿入孔を有するとともに各挿入孔に各エントランスノズルを挿入した状態で前記複数の炉心構成要素を支持する支持構造物と
を備える高速炉の炉心であって、
前記複数の炉心構成要素のうちの少なくとも1つの第1炉心構成要素は、
前記エントランスノズルから前記他端側へ離れた位置に設けられる少なくとも1つの押し付け部材と、
前記少なくとも1つの押し付け部材を隣接する第2炉心構成要素に向かって押し付ける弾性力を前記少なくとも1つの押し付け部材に付与するように構成された少なくとも1つの第1弾性部材と
を備え、
前記第1炉心構成要素及び前記第2炉心構成要素はそれぞれ、前記第1炉心構成要素及び前記第2炉心構成要素の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成されたパッド部を備え、
前記押し付け部材の各々は、前記第1炉心構成要素の前記パッド部において前記第1炉心構成要素の径方向内側に向かって凹んだ凹部内に設けられ、前記第1弾性部材は、前記凹部内において、前記押し付け部材と前記凹部の奥壁面との間に設けられ、前記押し付け部材は、前記第1炉心構成要素に隣接する第2炉心構成要素から荷重を受けたときに前記押し付け部材の全体が前記凹部内に完全に引き込まれ得るような長さを有する高速炉の炉心。
【請求項14】
請求項1〜13に記載の炉心と、
前記炉心を収容する高速炉容器と
を備える高速炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高速炉の炉心及びこの炉心を備える高速炉に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、炉心燃料の交換作業時には炉心構成要素を容易に引き抜くことができるとともに、炉心燃料の交換作業が終了した後は炉心構成要素の跳び上がりを抑えることができるように、炉心構成要素の軸方向への変位速度に対して減衰力を発生させるダッシュポット構造を備えた高速炉が開示されている。
【0003】
炉心構成要素の跳び上がりを抑えることを目的とする技術ではないが、特許文献2には、炉心構成要素の径方向外側に向かって突出する流体ダンパーを各炉心構成要素に設け、地震等で炉心構成要素が水平方向に振動したときに、炉心構成要素間の衝突力を流体ダンパーが受けることで、炉心構成要素の振動を減衰させることが記載されている。炉心構成要素間の衝突力を流体ダンパーが受けて炉心構成要素の振動を減衰させることが目的であることに鑑みると、炉心構成要素が振動していないときには、各流体ダンパーは、互いに押し付け合っていたり、接触していたりするよりも、最小限の間隔をあけて離れていたほうが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5999890号公報
【特許文献2】特開平3−47477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のダッシュポット構造は、支持構造物に追設構造を設置する必要があり、既設炉への適用が困難であるといった問題点があった。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも1つの実施形態は、支持構造物に追設構造を設置せずに、燃料交換時の炉心構成要素の引き抜き作業を阻害しないようにしながら炉心構成要素の跳び上がりを抑えることのできる高速炉の炉心及びこの炉心を備える高速炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも1つの実施形態に係る高速炉の炉心は、
一端から他端に延びるように構成されるとともに前記一端側にエントランスノズルを有する複数の炉心構成要素と、
複数の挿入孔を有するとともに各挿入孔に各エントランスノズルを挿入した状態で前記複数の炉心構成要素を支持する支持構造物と
を備える高速炉の炉心であって、
前記複数の炉心構成要素のうちの少なくとも1つの第1炉心構成要素は、
前記エントランスノズルから前記他端側へ離れた位置に設けられる少なくとも1つの押し付け部材と、
前記少なくとも1つの押し付け部材を隣接する第2炉心構成要素に向かって押し付ける弾性力を前記少なくとも1つの押し付け部材に付与するように構成された少なくとも1つの第1弾性部材と、
前記少なくとも1つの押し付け部材の押し付けを解除する押し付け解除機構と
を備える。
【0008】
上記(1)の構成によると、第2炉心構成要素のエントランスノズルから他端側へ離れた位置に第1炉心構成要素の少なくとも1つの押し付け部材が押し付けられることにより、この押し付けによって生じるモーメントと同じ大きさのモーメントが、エントランスノズルが挿入される挿入孔の内壁から荷重(押し付け力)を受けることでエントランスノズル部分に発生し、内壁からエントランスノズルに加えられる押し付け力によって内壁とエントランスノズルとの間に摩擦力が生じる。この摩擦力によって、例えば地震のような上下方向の振動が発生したときに、第2炉心構成要素の跳び上がりが抑制される。しかしながら、炉心燃料の交換時にこの摩擦力が存在すると、炉心構成要素の引き抜き作業に支障が生じる。炉心燃料の交換時には、押し付け解除機構によって、少なくとも1つの押し付け部材の押し付けを解除してこの摩擦力をなくす又は低減できるので、炉心構成要素を容易に引き抜くことができる。
【0009】
(2)いくつかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記少なくとも1つの押し付け部材は、前記エントランスノズルから前記第1炉心構成要素の前記他端までの長さをLとしたとき、前記第1炉心構成要素の前記他端から0.5L以内の位置に設けられている。
【0010】
エントランスノズルから少なくとも1つの押し付け部材までの距離が長いほど、挿入孔の内壁からエントランスノズルの上部と下部とに生じる荷重(押し付け力)が大きくなり、エントランスノズルと挿入孔の内壁との間に生じる摩擦力も大きくなる。上記(2)の構成によると、エントランスノズルから少なくとも1つの押し付け部材までの距離が長いので、少なくとも1つの押し付け部材による押し付け力が小さくても上記摩擦力を大きくすることができ、第1炉心構成要素及び第2炉心構成要素の跳び上がりをより効果的に抑制することができる。
【0011】
(3)いくつかの実施形態では、上記(1)または(2)の構成において、
前記第2炉心構成要素は、該第2炉心構成要素に隣接する複数の前記第1炉心構成要素の前記押し付け部材から受ける押し付け力の合力がゼロよりも大きい。
【0012】
上記(3)の構成によると、複数の第1炉心構成要素の押し付け部材の数及び押し付け方向を調整することによって、第2炉心構成要素に与える押し付け力の方向及び大きさを調整することができる。尚、複数の押し付け部材から受ける押し付け力の合力がゼロになってしまうと、複数の押し付け部材が押し付けられている第2炉心構成要素について、エントランスノズルと挿入孔の内壁との間に摩擦力が生じなくなり、跳び上がりを抑制することができないので、複数の押し付け部材による押し付け力の方向及び大きさをあえて不均一にしている。
【0013】
(4)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(3)のいずれか1つの構成において、
前記第1炉心構成要素の各々は、前記第1炉心構成要素の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成されたパッド部を有し、前記少なくとも1つの押し付け部材は前記パッド部に設けられている。
【0014】
上記(4)の構成によると、パッド部は第1炉心構成要素の軸方向における他の領域から径方向外側に突出しているので、押し付け部材及び第1弾性部材の設置スペースを確保しやすくなる。
【0015】
(5)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(4)のいずれか1つの構成において、
前記第1炉心構成要素は、炉心燃料を交換するための燃料交換機の操作端と係合可能に設けられた係合空間を含み、
前記押し付け解除機構の少なくとも一部が前記係合空間内に設けられ、
前記押し付け解除機構は、前記燃料交換機によって操作可能に構成されている。
【0016】
上記(5)の構成によると、炉心燃料の交換時に燃料交換機の操作端が係合空間内で押し付け解除機構を操作することで押し付け部材の押し付けを解除することができるので、炉心構成要素の引き抜きを容易に行うことができる。
【0017】
(6)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(5)のいずれか1つの構成において、
前記押し付け解除機構は、前記第1炉心構成要素の軸方向に対して斜めに延びるように前記押し付け部材に連結された可動部又は前記押し付け部材に形成された第1テーパ面に接触する第2テーパ面を含み、前記軸方向に沿ってスライド可能に設けられたスライド部材を含む。
【0018】
上記(6)の構成によると、第1炉心構成要素の軸方向に沿ってスライド部材をスライドさせると、第2テーパ面が第1テーパ面に接触しながらスライドする際に第1テーパ面が第2テーパ面から押圧されることにより可動部又は押し付け部材が移動して、押し付け部材の押し付けが解除される。したがって、第1炉心構成要素の軸方向に沿ってスライド部材をスライドさせるという容易な操作で、押し付け部材の押し付けを解除することができる。
【0019】
(7)いくつかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記第1テーパ面は、前記第2テーパ面に対して前記押し付け部材の押し付け方向における上流側に位置する。
【0020】
上記(7)の構成によると、第1テーパ面は、第2テーパ面によって、第2テーパ面よりも押し付け部材の押し付け方向における下流側へ移動することができないので、押し付け部材の移動が制限され、その結果、押し付け部材が第1炉心構成要素から抜け出してしまうことを防止できる。
【0021】
(8)いくつかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記押し付け部材には、前記第1テーパ面によって画定されるとともに、前記第2テーパ面を含む前記スライド部材の先端部が収容される収容空間が設けられている。
【0022】
上記(8)の構成によると、第1テーパ面が押し付け部材の内部に形成され、第2テーパ面を含むスライド部材の先端部が押し付け部材内の収容空間内に収容されていることにより、押し付け解除機構の構成がコンパクトになるので、押し付け解除機構が設けられる部分の炉心構成要素の外径が大きくなることを抑制できる。
【0023】
(9)いくつかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記第1テーパ面は、前記押し付け部材に対して押し付け方向における上流側において前記第1弾性部材を介して前記押し付け部材に連結される前記可動部に設けられ、
前記第2テーパ面は、前記第1テーパ面に対して前記押し付け方向における上流側に位置する。
【0024】
上記(9)の構成によると、第1テーパ面は押し付け部材とは別体の可動部に設けられているので、押し付け部材に第1テーパ面を設ける場合に比べて、押し付け解除機構の各構成要素の構成を簡単にすることができる。
【0025】
(10)いくつかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記第1炉心構成要素には、前記押し付け部材と、前記第1弾性部材と、前記可動部とが収容される凹部が設けられ、
前記凹部内に設けられ、前記押し付け部材に対して前記押し付け方向の上流側に向かう弾性力を作用させるように構成された第2弾性部材を備える。
【0026】
上記(10)の構成によると、押し付け部材の押し付けを解除した後、第2弾性部材の弾性力により、押し付け部材を第1炉心構成要素内に向かって退避させることができる。
【0027】
(11)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(5)のいずれか1つの構成において、
前記押し付け解除機構は、第1端部から第2端部に延びるように構成されるとともに前記第1端部と前記第2端部との間に設けられた回転軸を中心に回転可能に前記炉心構成要素内に設けられた回転棒部材を有し、該回転棒部材の回転によって前記押し付け部材が押し付け方向とは逆方向に移動させるように構成されている。
【0028】
上記(11)の構成によると、回転棒部材を回転させるという容易な操作で、押し付け部材の押し付けを解除することができる。
【0029】
(12)いくつかの実施形態では、上記(9)〜(11)のいずれか1つの構成において、
前記第1炉心構成要素には、前記押し付け部材と、前記第1弾性部材と、前記可動部とが収容される凹部が設けられ、
前記第1炉心構成要素のうち前記凹部の開口端の周縁部又は前記凹部の内壁面には、前記押し付け部材の前記凹部からの抜け出しを防止するための抜け止め部が設けられている。
【0030】
上記(12)の構成によると、押し付け部材の押し付けを解除した後、押し付け部材が凹部から抜け出してしまうことを防止できる。
【0031】
(13)本発明の少なくとも1つの実施形態に係る高速炉の炉心は、
一端から他端に延びるように構成されるとともに前記一端側にエントランスノズルを有する複数の炉心構成要素と、
複数の挿入孔を有するとともに各挿入孔に各エントランスノズルを挿入した状態で前記複数の炉心構成要素を支持する支持構造物と
を備える高速炉の炉心であって、
前記複数の炉心構成要素のうちの少なくとも1つの第1炉心構成要素は、
前記エントランスノズルから前記他端側へ離れた位置に設けられる少なくとも1つの押し付け部材と、
前記少なくとも1つの押し付け部材を隣接する第2炉心構成要素に向かって押し付ける弾性力を前記少なくとも1つの押し付け部材に付与するように構成された少なくとも1つの第1弾性部材と
を備え、
前記第1炉心構成要素及び前記第2炉心構成要素はそれぞれ、前記第1炉心構成要素及び前記第2炉心構成要素の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成されたパッド部を備え、
前記押し付け部材の各々は、前記第1炉心構成要素の前記パッド部において前記第1炉心構成要素の径方向内側に向かって凹んだ凹部内に設けられ、前記第1弾性部材は、前記凹部内において、前記押し付け部材と前記凹部の奥壁面との間に設けられ、前記押し付け部材は、前記第1炉心構成要素に隣接する第2炉心構成要素から荷重を受けたときに前記押し付け部材の全体が前記凹部内に完全に引き込まれ得るような長さを有する

【0032】
上記(13)の構成によると、第2炉心構成要素のエントランスノズルから他端側へ離れた位置に第1炉心構成要素の少なくとも1つの押し付け部材が押し付けられることにより、この押し付けによって生じるモーメントによって、内壁からエントランスノズルに加えられる押し付け力が発生し、内壁とエントランスノズルとの間に摩擦力も生じる。この摩擦力によって、例えば地震のような上下方向の振動が発生したときに、第2炉心構成要素の跳び上がりが抑制される。一方で、押し付け部材が第2炉心構成要素から荷重を受けた場合には、押し付け部材は第1炉心構成要素内へ向かって退避され、第1炉心構成要素のパッドと第2炉心構成要素のパッドとが接触して荷重を受けることができるので、過大な荷重によって押し付け部材及び第1弾性部材が損傷するおそれを抑制することができる。
【0033】
(14)本発明の少なくとも1つの実施形態に係る高速炉は、
上記(1)〜(13)のいずれか1つの炉心と、
前記炉心を収容する高速炉容器と
を備える。
【0034】
上記(14)の構成によると、燃料交換時の炉心構成要素の引き抜き作業を阻害しないようにしながら炉心構成要素の跳び上がりを抑えることのできる高速炉を提供できる。
【発明の効果】
【0035】
この発明の少なくとも1つの実施形態によれば、第2炉心構成要素のエントランスノズルから他端側へ離れた位置に、第1炉心構成要素の少なくとも1つの押し付け部材が押し付けられることにより、この押し付けによって生じるモーメントと同じ大きさのモーメントが、エントランスノズルが挿入される挿入孔の内壁からエントランスノズルの上部・下部に荷重(押し付け力)を受けることで、エントランスノズル部分に発生し、内壁からエントランスノズルに加えられる押し付け力によって内壁とエントランスノズルとの間に摩擦力が生じる。この摩擦力によって、例えば地震のような上下方向の振動が発生したときに、第2炉心構成要素の跳び上がりが抑制される。一方で、炉心燃料の交換時には、押し付け解除機構によって、少なくとも1つの押し付け部材の押し付けを解除してこの摩擦力をなくす又は低減できるので、炉心構成要素を容易に引き抜くことができる。その結果、支持構造物に追設構造を設置せずに、燃料交換時の炉心構成要素の引き抜き作業を阻害しないようにしながら炉心構成要素の跳び上がりを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態1に係る高速炉の構成図である。
図2】本発明の実施形態1に係る炉心の部分構成図である。
図3】本発明の実施形態1に係る炉心において炉心構成要素が支持される構成を説明するための図である。
図4】本発明の実施形態1に係る炉心の炉心構成要素の内部構造を示す部分断面図である。
図5】本発明の実施形態1に係る炉心の炉心構成要素において押し付け解除機構の動作を説明するための部分断面図である。
図6】本発明の実施形態1に係る炉心において炉心構成要素の跳び上がりを抑える原理を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態1に係る炉心の炉心構成要素において押し付け解除機構の動作の変形例を説明するための部分断面図である。
図8】本発明の実施形態2に係る炉心の炉心構成要素の内部構造を示す部分断面図である。
図9】本発明の実施形態2に係る炉心の炉心構成要素において押し付け解除機構の動作を説明するための部分断面図である。
図10】本発明の実施形態2に係る炉心の炉心構成要素において押し付け解除機構の動作の変形例を説明するための部分断面図である。
図11】本発明の実施形態2に係る炉心の炉心構成要素において押し付け解除機構の抜け止め部のいくつかの変形例の図である。
図12】本発明の実施形態2に係る炉心の炉心構成要素において押し付け解除機構の動作の別の変形例を説明するための部分断面図である。
図13】本発明の実施形態3に係る炉心の炉心構成要素の内部構造を示す部分断面図である。
図14】本発明の実施形態4に係る炉心の炉心構成要素の内部構造を示す部分断面図である。
図15】本発明の実施形態4に係る炉心の隣接する炉心構成要素間で互いから加えられる荷重を受ける原理を説明するための図である。
図16】押し付け部材のいくつかの変形例を示す図である。
図17】押し付け部材による押し付け形態のいくつかの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0038】
(実施形態1)
図1に示されるように、高速炉1は、上部が開口した高速炉容器2と、高速炉容器2の上部の開口を塞ぐ遮蔽プラグ6とを有している。高速炉容器2の内部は、中央部に開口部7aを有する板状の隔壁7によって上下の2つの室2a,2bに区画されており、室2a,2bは開口部7aを介して連通している。下側の室2bには炉心3が設けられ、上側の室2aには上部構造物5が設けられている。上部構造物5は、遮蔽プラグ6を貫通して高速炉容器2の外部に突出している。
【0039】
高速炉1では、炉心3での核分裂反応により熱が発生する。炉心3を冷却するために、高速炉容器2内部に一次主冷却材としての液体金属(例えば、ナトリウム)が供給される。高速炉容器2には、高速炉容器2の内部に液体金属を供給するための冷却材供給配管11が設けられている。冷却材供給配管11は、高速炉容器2内において上側の室2aから隔壁7を貫通して下側の室2bまで下方に延びるように設けられ、液体金属は下側の室2bに供給されるようになっている。液体金属は、下側の室2bから炉心3内を流通し、開口部7aを介して上側の室2aに流入する。上側の室2aから液体金属を排出するために、高速炉容器2には冷却材排出配管12が設けられている。
【0040】
図2に示されるように、炉心3は、複数の炉心構成要素20と、炉心構成要素20のそれぞれを支持する支持構造物4とを備えている。各炉心構成要素20は、一端すなわち下端21から他端すなわち上端22に延びるとともに軸方向に垂直な面に対する断面が六角形となる外形を有するように構成され、断面が円筒形状であるとともにある外径を有するエントランスノズル23を下端21側に有している。支持構造物4は複数の挿入孔8を有し、挿入孔8にエントランスノズル23を挿入した状態で支持構造物4が炉心構成要素20を支持している。各炉心構成要素20は、上端22近傍に、炉心構成要素20の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成されたパッド部24を有している。また、各炉心構成要素20は、パッド部24とエントランスノズル23との間に、炉心構成要素20の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成されたパッド部25も有している。
【0041】
図3に示されるように、エントランスノズル23は、エントランスノズル23の下端23a側に、エントランスノズル23の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成された第1拡径部26を有している。また、エントランスノズル23は、エントランスノズル23の上端23b側に、エントランスノズル23の軸方向における他の領域から径方向外側に突出して形成された第2拡径部27を有している。挿入孔8は、挿入孔8の軸方向における他の領域から径方向内側に突出して形成された第1縮径部8a及び第2縮径部8bを互いに挿入孔8の軸方向に離れた位置に有している。第1拡径部26の外径と第1縮径部8aの内径とはほぼ同径であり、第2拡径部27の外径と第2縮径部8bの内径とはほぼ同径である。このため、エントランスノズル23を挿入孔8に挿入すると、第1拡径部26が第1縮径部8aによって挿入孔8の径方向に保持されるとともに、第2拡径部27が第2縮径部8bによって挿入孔8の径方向に保持される。
【0042】
図4に示されるように、複数の炉心構成要素20のうち少なくとも1つの第1炉心構成要素20aには、パッド部24において第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって凹んだ凹部28が形成されている。凹部28内には、棒状の押し付け部材30と、押し付け部材30を第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって押し付ける弾性力を押し付け部材30に付与するように構成された第1弾性部材31とが設けられている。この実施形態1において、第1弾性部材31はスプリング31aである。スプリング31aの一端は押し付け部材30に接続され、スプリング31aの他端は、凹部28内において第1炉心構成要素20aの最も径方向内側の奥壁面28aに接続されている。スプリング31aの弾性力によって押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって押し付けられ、これにより、第1炉心構成要素20aに隣接する第2炉心構成要素20bのパッド部24を押し付け部材30が押し付ける。すなわち、第2炉心構成要素20bには、隣接する第1炉心構成要素20aの押し付け部材30から、押し付け力Fが加えられる。
【0043】
第1炉心構成要素20aには、上端22から第1炉心構成要素20aの軸方向に沿って下端21(図2参照)に向かって延びるように形成された内部空間40が形成されている。第1炉心構成要素20aの内部には、第1炉心構成要素20aの軸方向においてパッド部24と上端22との間の領域で、内部空間40に連通するとともに内部空間40よりも第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって広がった空間である係合空間41が形成されている。第1炉心構成要素20aの内部には、さらに、係合空間41に連通するとともに第1炉心構成要素20aの軸方向に沿って延びて凹部28に連通する連絡空間42が形成されている。
【0044】
第1炉心構成要素20aには、押し付け部材30の押し付けを解除する押し付け解除機構50が設けられている。押し付け解除機構50は、連絡空間42内で第1炉心構成要素20aの軸方向に沿ってスライド可能に設けられたスライド部材51と、スライド部材51の上端から係合空間41内に延びる係合片52と、スライド部材51の下端に設けられた先端部53とを有している。押し付け部材30には、押し付け部材30の軸方向と交差する方向に延びるように収容空間32が形成されている。収容空間32を画定する内壁は、押し付け部材30の押し付け方向における上流側に位置する第1テーパ面32aを含んでいる。第1テーパ面32aは、第1炉心構成要素20aの軸方向に対して斜めに延びるように、すなわち、上端22から下端21(図2参照)に向かうに従い第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって傾斜するように構成されている。先端部53には、収容空間32内で第1テーパ面32aに対面接触可能に傾斜した第2テーパ面53aが形成されている。
【0045】
押し付け解除機構50の動作は次の通りである。内部空間40内に、炉心燃料を交換するための燃料交換機45を挿入する。燃料交換機45の先端側には、燃料交換機45の軸方向に対して垂直な方向に延びるように操作端46が出没可能に設けられており、操作端46が係合空間41内に入り込むように、すなわち操作端46が係合空間41と係合するように、操作端46を突出させる。係合空間41内において、操作端46は、押し付け解除機構50の係合片52よりも下端21(図2参照)側に位置している。この状態で、燃料交換機45を上端22側に向かって引き上げると、係合片52が操作端46によって上端22側に向かって移動される。これにより、スライド部材51が上端22側に向かってスライドする。
【0046】
図5に示されるように、スライド部材51が上端22(図4参照)側に向かって(矢印Bの方向に)スライドすると、第2テーパ面53aが第1テーパ面32aに接触しながらスライドする際に第1テーパ面32aが第2テーパ面53aから矢印C方向に押圧されることにより、押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向内側(矢印Dの方向)に向かって移動する。これにより、押し付け部材30が第2炉心構成要素20bのパッド部24から離れるので、押し付け部材30の押し付けが解除される。
【0047】
次に、第1炉心構成要素20aの押し付け部材30が、第1炉心構成要素20aに隣接する第2炉心構成要素20bのパッド部24を押し付けることによる効果を説明する。
図6に示されるように、第2炉心構成要素20bのパッド部24に第1炉心構成要素20aの押し付け部材30が押し付けられることによって、第2炉心構成要素20bのパッド部24に押し付け力Fが加えられる。すると、エントランスノズル23の第2拡径部27と挿入孔8の第2縮径部8bとの接触部分Rを支点として、この支点から押し付け部材30までの距離Lと押し付け力Fとを乗算して得られたモーメントM(=F×L)と釣り合うように第1縮径部8a及び第2縮径部8bに押し付け力F及びFが発生する(図3参照)。これらの押し付け力F及びFによって、第1縮径部8aと第1拡径部26との間及び第2縮径部8bと第1拡径部27との間に摩擦力f及びfが生じる(図3参照)。これらの摩擦力f及びfによって、例えば地震のような上下方向の振動が発生したときに、第2炉心構成要素20bの跳び上がりを抑制することができる。
【0048】
地震では、上下方向の振動だけではなく水平方向の振動も生じる場合があるので、図4に示されるように、第2炉心構成要素20bが水平方向に振動して第2炉心構成要素20bのパッド部24が押し付け部材30を第1炉心構成要素20aの径方向内側に押し込んでしまう場合もある。この場合、第2炉心構成要素20bに押し付け力Fが加えられなくなるので、この状態で上下方向の振動が生じると、第2炉心構成要素20bの跳び上がりが発生してしまう。
【0049】
上述したように、炉心3(図1参照)内を液体金属が流通する。炉心3内では、複数の炉心構成要素20(図2参照)間に液体金属が流れているだけではなく、炉心構成要素20の内部、すなわち、内部空間40、係合空間41、連絡空間42、及び凹部28の内部にも液体金属が流れる。押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向内側に押し込まれるためには、凹部28内の液体金属が、連絡空間42又は炉心構成要素20の外周面における凹部28の開口から排出される必要があるが、地震による横揺れでは、第2炉心構成要素20bのパッド部24は押し付け部材30に瞬間的に繰り返して衝突することになるので、このような衝突に敏感に対応して凹部28から液体金属が排出される可能性は小さく、押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向内側に押し込まれて、第2炉心構成要素20bの跳び上がりが発生する可能性は低い。
【0050】
地震のような上下方向の振動が発生したときに第2炉心構成要素20bの跳び上がりを抑制できる一方で、炉心燃料の交換時には、炉心構成要素20を挿入孔8から容易に引き抜くことができる必要もある。これに対しては、上述したように、燃料交換機45によって押し付け解除機構50を操作して押し付け部材30の押し付けを解除することで、炉心構成要素20を挿入孔8から引き抜くことができるようになる。特に、この実施形態1では、燃料交換機45によってスライド部材51を上端22に向かってスライドさせるという容易な操作で押し付け部材30の押し付けを解除することができる。
【0051】
このように、第1炉心構成要素20aの押し付け部材30が、第1炉心構成要素20aに隣接する第2炉心構成要素20bに押し付けられることにより、第2炉心構成要素20bの跳び上がりが抑制される一方で、炉心燃料の交換時には、押し付け解除機構50によって、押し付け部材30の押し付けを解除することで、第2炉心構成要素20bを容易に引き抜くことができるようになる。その結果、支持構造物4に追設構造を設置せずに、燃料交換時の炉心構成要素20の引き抜き作業を阻害しないようにしながら炉心構成要素20の跳び上がりを抑えることができる。
【0052】
また、この実施形態1では、第1テーパ面32aが押し付け部材30の内部に形成され、スライド部材51の第2テーパ面53aを含む先端部53が押し付け部材30内の収容空間32内に収容されていることにより、押し付け解除機構50がコンパクトになるので、押し付け解除機構50が設けられる部分の第1炉心構成要素20aの外径が大きくなることを抑制することができる。
【0053】
実施形態1では、図5に示されるように、第1テーパ面32aは、上端22(図2参照)から下端21(図2参照)に向かうに従い第1炉心構成要素20aの径方向内側に傾斜しているが、図7に示されるように、第1テーパ面32aを上端22(図2参照)から下端21(図2参照)に向かうに従い第1炉心構成要素20aの径方向外側に傾斜するように構成してもよい。この場合にも、第2テーパ面53aは、収容空間32内で第1テーパ面32aに対面接触可能に傾斜するように構成する。この場合には、押し付け部材30を第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって移動させるために、スライド部材51を、図5とは反対方向、すなわち、下端21側(矢印Eの方向)にスライドさせるような構成にする必要がある。
【0054】
実施形態1では、図5に示されるように、スプリング31aの一端は押し付け部材30と接続されているが、スプリング31aの一端が押し付け部材30と接続されずに単に接するように構成されてもよい。この場合、押し付け部材30がその押し付け方向に移動して凹部28から抜け出てしまう可能性があるが、第1テーパ面32aは、第2テーパ面53aに対して押し付け部材30の押し付け方向における上流側に位置することにより第2テーパ面53aに接触することになり、第2テーパ面53aよりも押し付け部材30の押し付け方向における下流側へ移動することができないようになっているので、押し付け部材30の移動も制限され、その結果、押し付け部材30が凹部28から抜け出してしまうことを防止できる。
【0055】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る高速炉の炉心について説明する。実施形態2に係る高速炉の炉心は、実施形態1に対して、押し付け解除機構の構成を変更したものである。尚、実施形態2において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図8に示されるように、押し付け解除機構60は、連絡空間42内で第1炉心構成要素20aの軸方向に沿ってスライド可能に設けられたスライド部材61と、スライド部材61の下端に設けられた先端部63と、係合空間41内に設けられるとともにスライド部材61を下端21(図2参照)に向かって押し付けるスプリング64とを有している。スライド部材61には、燃料交換機45の操作端46が挿入可能な貫通孔62が形成されている。スプリング31aの一端は押し付け部材30に接続され、スプリング31aの他端には可動部65が接続されている。スプリング31aの他端が接続された面に対向する可動部65の面には、第1炉心構成要素20aの軸方向に対して斜めに延びるように、すなわち、上端22から下端21(図2参照)に向かうに従い第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって傾斜するように構成された第1テーパ面32bが形成されている。先端部63には、押し付け部材30の押し付け方向における下流側で第1テーパ面32bに対面接触可能に傾斜した第2テーパ面53bが形成されている。その他の構成は、実施形態1と同じである。
【0057】
押し付け解除機構60が機能しない場合は、スプリング64の弾性力によってスライド部材61が下端21(図2参照)に向かって押し付けられているので、先端部63が押し付け部材30の押し付け方向における可動部65の上流側に位置している。これにより、可動部65が先端部63によって支えられた状態になっているので、スプリング31aの弾性力が押し付け部材30に付与されて、押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって押し付けられる。これにより、実施形態1と同じ原理で第2炉心構成要素20b(図4参照)の跳び上がりを抑えることができる。
【0058】
次に、押し付け解除機構60によって押し付け部材30の押し付けが解除される動作について説明する。
内部空間40内に、炉心燃料を交換するための燃料交換機45を挿入する。操作端46が係合空間41内に入り込むように、すなわち操作端46が係合空間41と係合するように、操作端46を突出させる。係合空間41内において、操作端46を、スライド部材61の貫通孔62内に挿入させる。この状態で、燃料交換機45を上端22側に向かって引き上げると、操作端46によってスライド部材61が、スプリング64の弾性力に抗するように上端22側に向かってスライドする。
【0059】
図9に示されるように、スライド部材61が上端22(図8参照)側に向かって(矢印Gの方向に)スライドすると、第1テーパ面32aと第2テーパ面53aとが接触しなくなり、可動部65は先端部63によって支えられなくなる。すると、可動部65は、スプリング31aの弾性力により、押し付け部材30の押し付け方向における下流側に向かって移動する。その結果、スプリング31aは完全に伸びた状態になり、弾性力が消滅する。この状態では、押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの外周面から突出していたとしても、押し付け部材30は、隣接する第2炉心構成要素20bに押し付け力を与えない。これにより、押し付け部材30の押し付けが解除されて、第2炉心構成要素20bが容易に引き抜けるようになる。
【0060】
図8に示されるように、燃料交換機45による押し付け解除機構60操作をやめると、スプリング64の弾性力により、スライド部材61が下端21(図2参照)に向かってスライドされる。図9に示されるように、第1テーパ面32bが上端22(図8参照)から下端21に向かうに従い第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって傾斜し、第2テーパ面53bが第1テーパ面32bに対面接触可能に傾斜しているので、第2テーパ面53bが第1テーパ面32bに対してスライドするようにして、先端部63が容易に、押し付け部材30の押し付け方向における可動部65の上流側に位置することができる。
【0061】
このように、燃料交換機45によってスライド部材61を上端22に向かってスライドさせるという容易な操作で押し付け部材30の押し付けを解除することができる。その結果、支持構造物4に追設構造を設置せずに、燃料交換時の炉心構成要素20の引き抜き作業を阻害しないようにしながら炉心構成要素20の跳び上がりを抑えることができる。
【0062】
また、この実施形態2では、第1テーパ面32bは押し付け部材30とは別体の可動部65に設けられているので、実施形態1のように押し付け部材30に第1テーパ面32aを設ける場合に比べて、押し付け解除機構60の各構成要素の構成を簡単にすることができる。
【0063】
実施形態2では、押し付け部材30とスプリング31aと可動部65とはいずれも、凹部28の壁に固定されていないので、押し付け部材30の押し付けが解除されたとき、押し付け部材30が、スプリング31a及び可動部65と共に、凹部28から抜け出てしまう可能性がある。そこで、図10に示されるように、凹部28からの押し付け部材30の抜け出しを防止するための抜け止め部70を設けてもよい。抜け止め部70は、凹部28の内壁面28bから凹部28の径方向内側に向かって突出して形成された第1当接部71と、押し付け部材30の外周面30aから押し付け部材30の径方向外側に向かって突出して形成された第2当接部72とを備え、押し付け部材30がスプリング31aの弾性力によって押し付けられたとき、その押し付け方向に向かって第2当接部72が第1当接部71に当接可能に構成されている。この場合、スプリング31aは、押し付け部材30の一部を内部に挿入するようにして、スプリング31aの一端が第2当接部72に当接するとともにスプリング31aの他端が可動部65に当接するように設けることもできる。
【0064】
図10では、第1当接部71は、凹部28の最も開口端28c側に設けられているが、凹部28の内壁面28bのどこに形成してもよい。例えば、図11(a)に示されるように、凹部28の開口端28cよりも第1炉心構成要素20aの径方向内側に第1当接部71を形成してもよい。また、凹部28の内壁面28bに限定されず、図11(b)に示されるように、開口端28cの周縁部28dに環形状の板状部材を張り付けることにより第1当接部71を形成してもよい。さらに、第1当接部71及び第2当接部72とも、完全に環形状である必要はなく、図11(c)に示されるように、周方向に部分的に切り離された複数の部分71aから第1当接部71を構成し、周方向に部分的に切り離された複数の部分72aから第2当接部72を構成してもよい。
【0065】
実施形態2では、押し付け部材30の押し付けが解除されても、自動的に押し付け部材30が凹部28内に退避させる構成とはなっていない。そこで、図12に示されるように、図10の構成に対して、第1当接部71と第2当接部72との間に、第2弾性部材75であるスプリング75aを設けてもよい。この場合、先端部63による可動部65の支えがなくなり、押し付け部材30の押し付け方向における上流側に向かって可動部65が動いたときに、スプリング75aの弾性力によって第2当接部72が押し付け部材30の押し付け方向における上流側に向かって押されることにより、押し付け部材30を凹部28内に退避させることができる。
【0066】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る高速炉の炉心について説明する。実施形態3に係る高速炉の炉心は、実施形態1に対して、押し付け解除機構の構成を変更したものである。尚、実施形態3において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
図13に示されるように、押し付け解除機構80は、係合空間41及び連絡空間42内に設けられた回転棒部材81を有している。回転棒部材81は、第1端部すなわち下端部81aから第2端部すなわち上端部81bに延びるように構成されるとともに下端部81aと上端部81bとの間に設けられた回転軸82を中心に回転可能に設けられている。回転棒部材81の下端部81a側には、凹部28の軸方向に第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって延びるように構成された伝達部83が設けられている。伝達部83は、回転棒部材81の軸方向に対して垂直に延びている。伝達部83には、凹部28の奥壁面28aに一端が接続されたスプリング31aの他端が接続されている。伝達部83と押し付け部材30との間には、一端が伝達部83に接続されるとともに他端が押し付け部材30に接続されたスプリング85が設けられている。回転棒部材81の上端部81b側には、回転棒部材81が回転軸82を中心に回転するための回転力を受ける回転力受部84が設けられている。回転力受部84は、回転棒部材81の軸方向に対して垂直かつ第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって延びている。その他の構成は、実施形態1と同じである。
【0068】
押し付け解除機構80が機能しない場合は、スプリング31aの弾性力が伝達部83及びスプリング85を介して押し付け部材30に伝達されて、押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって押し付けられる。これにより、実施形態1と同じ原理で第2炉心構成要素20b(図4参照)跳び上がりを抑えることができる。
【0069】
次に、押し付け解除機構80によって押し付け部材30の押し付けが解除される動作について説明する。
内部空間40内に、炉心燃料を交換するための燃料交換機45を挿入する。操作端46が係合空間41内に入り込むように、すなわち操作端46が係合空間41と係合するように、操作端46を突出させる。係合空間41内において、操作端46を、回転力受部84に隣接するように位置させる。すなわち、操作端46を回転力受部84に係合させる。この状態で、燃料交換機45を第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって移動させると、操作端46が回転力受部84を第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって(矢印J方向に)押すことにより、回転棒部材81が回転軸82を中心に矢印K方向に回転する。この回転により、伝達部83が第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって(矢印L方向に)スプリング31aの弾性力に抗するように移動する。この伝達部83の移動により、スプリング85を介して押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって引き込まれるので、押し付け部材30の押し付けが解除される。その結果、押し付け部材30によって押し付け力を与えられていた第2炉心構成要素20b(図4参照)が容易に引き抜けるようになる。
【0070】
このように、燃料交換機45によって回転棒部材81を回転軸82を中心に回転させるという容易な操作で押し付け部材30の押し付けを解除することができる。その結果、支持構造物4に追設構造を設置せずに、燃料交換時の炉心構成要素20の引き抜き作業を阻害しないようにしながら炉心構成要素20の跳び上がりを抑えることができる。
【0071】
実施形態3では、スプリング85の一端が押し付け部材30に接続されていたが、スプリング85の一端は、押し付け部材30に接続されずに単に当接するようにしてもよい。この場合、押し付け部材30が凹部28から抜け出るおそれがあるが、実施形態2の抜け止め部70(図10並びにその変形例の図11及び12参照)を設けることにより、押し付け部材30が凹部28から抜け出してしまうことを防ぐことができる。
【0072】
実施形態3では、伝達部83と押し付け部材30との間にスプリング85が設けられていたが、スプリング85を設けずに、押し付け部材30を伝達部83に直接連結してもよく、または、剛体の部材で伝達部83と押し付け部材30とを連結させてもよい。
【0073】
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る高速炉の炉心について説明する。実施形態4に係る高速炉の炉心は、実施形態1に対して、押し付け解除機構を有さないものである。尚、実施形態4において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0074】
図14に示されるように、複数の炉心構成要素20のうち少なくとも1つの第1炉心構成要素20aには、パッド部24において第1炉心構成要素20aの径方向内側に向かって凹んだ凹部28が形成されている。凹部28内には、棒状の押し付け部材30と、押し付け部材30を第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって押し付ける弾性力を付与するように構成された第1弾性部材31とが設けられている。この実施形態4において、第1弾性部材31はスプリング31aである。スプリング31aの一端は押し付け部材30に接続され、スプリング31aの他端は凹部28の奥壁面28aに接続されている。その他の構成は、押し付け解除部材を有さないこと以外、実施形態1と同じである。
【0075】
スプリング31aの弾性力によって押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向外側に向かって押し付けられると、第1炉心構成要素20aに隣接する第2炉心構成要素20bのパッド部24を押し付け部材30が押し付ける。押し付け部材30のこの押し付けにより、実施形態1と同じ原理で、第2炉心構成要素20bの跳び上がりを抑えることができる。
【0076】
実施形態1で説明したように、地震時の横揺れで、第2炉心構成要素20bのパッド部24が押し付け部材30に瞬間的に繰り返して衝突しても、このような衝突に敏感に対応して凹部28から液体金属が排出される可能性は小さいので、押し付け部材30が第1炉心構成要素20aの径方向内側に押し込まれる可能性は低い。しかし、第2炉心構成要素20bのパッド部24の衝突により押し付け部材30に加えられる荷重が過大な大きさであれば、押し付け部材30が凹部28内に押し込まれる場合もある。
【0077】
そこで、実施形態4では、押し付け部材30が、第2炉心構成要素20bから過大な荷重を受けたとき、第1炉心構成要素20aのパッド部24と第2炉心構成要素20bのパッド部24との接触を許容する位置まで第1炉心構成要素20a内に向かって退避可能に構成されている。この実施形態4では、押し付け部材30がパッド部24に設けられているので、押し付け部材30の全体が凹部28内に完全に引き込まれることができるように構成されている。この構成により、押し付け部材30が第2炉心構成要素20bから過大な荷重を受けた場合には、押し付け部材30は第1炉心構成要素20a内へ向かって退避され、図15に示されるように、第1炉心構成要素20aのパッド部24と第2炉心構成要素20bのパッド部24とが接触して荷重を受けることができるので、過大な荷重によって押し付け部材30及びスプリング31aが損傷するおそれを抑制することができる。
【0078】
実施形態1〜4では、第1炉心構成要素20aに設けられた押し付け部材30が第2炉心構成要素20bに押し付けられるように説明されており、押し付け部材30で押し付ける炉心構成要素と、押し付け部材30で押し付けられる炉心構成要素とを完全に区別していたが、この形態に限定するものではない。第1炉心構成要素20aも、第1炉心構成要素20a及第2炉心構成要素20b以外の他の炉心構成要素に設けられた押し付け部材30によって押し付けられてもよく、また、第2炉心構成要素20bにも押し付け部材30が設けられて、この押し付け部材30が、第1炉心構成要素20a及第2炉心構成要素20b以外の他の炉心構成要素に押し付けられてもよい。すなわち、複数の炉心構成要素20の全てが押し付け部材30を有して、隣接する炉心構成要素に対して押し付け部材30が押し付け力を与えてもよく、複数の炉心構成要素20の一部、すなわち少なくとも1つが押し付け部材30を有して、隣接する炉心構成要素に対して押し付け部材30が押し付け力を与えてもよい。尚、これは、以下の各変形例の説明についても適用される。
【0079】
実施形態1〜4では、パッド部24に棒状の1つの押し付け部材30が設けられているが、この形態に限定するものではない。図16(a)に示されるように、2つの押し付け部材30が設けられてもよく、図示しないが3つ以上の押し付け部材30が設けられてもよい。また、形状も棒状に限定されず、図16(b)に示されるように、直方体形状の押し付け部材30でもよく、図示しないが、円柱及び多角柱形状の押し付け部材であってもよい。
【0080】
また、複数の押し付け部材30が設けられる場合、図16(a)に示されるように、全ての押し付け部材30が同じ方向に押し付けられる形態に限定するものではない。図17(a)に示されるように、第2炉心構成要素20bが、隣接する他の2つの第1炉心構成要素20aに設けられた各押し付け部材30によって押し付けられてもよく、図17(b)に示されるように、第2炉心構成要素20bが、隣接する他の3つの第1炉心構成要素20aに設けられた各押し付け部材30によって押し付けられてもよい。図示しないが、第2炉心構成要素20bが、隣接する他の4つ以上の第1炉心構成要素20aに設けられた各押し付け部材30によって押し付けられてもよい。ただし、各押し付け部材30による押し付け力Fの合力Σがゼロよりも大きくなるようにする必要がある。このように、複数の第1炉心構成要素20aの押し付け部材30の数及び押し付け方向を調整することによって、第2炉心構成要素20bに与える押し付け力の方向及び大きさを調整することができる。
【0081】
実施形態1〜4では、押し付け部材30はパッド部24に設けられていたが、この形態に限定するものではない。パッド部24以外の部分に設けられてもよい。ただし、パッド部24は第1炉心構成要素20aの軸方向における他の領域から径方向外側に突出していることにより、押し付け部材30及び第1弾性部材31の設置スペースを確保しやすいので、押し付け部材30はパッド部24に設けることが好ましい。
【0082】
また、図6を参照して説明したように、モーメントM(F×L)と釣り合う押し付け力F及びF図3参照)は、押し付け部材30による押し付け力Fが変わらなくても、距離Lに比例して大きくなるので、押し付け部材30は、できる限り上端22の近傍に設けることが好ましい。これにより、押し付け部材30による押し付け力Fが小さくても摩擦力f及びf図3参照)を大きくすることができ、第2炉心構成要素20bの跳び上がりをより効果的に抑制することができる。尚、上端22の近傍とは、炉心構成要素20の全長をLとしたとき、炉心構成要素20の上端22から0.5L以内の位置、好ましくは0.3L以内の位置、より好ましくは0.2L以内の位置、さらにより好ましくは0.1L以内の距離、最も好ましくは0.05L以内の位置である。
【0083】
実施形態1〜4では、第1弾性部材31はスプリング31aであったが、これに限定するものではない。押し付け部材30に対して弾性力を与えられるものであればどのようなものでもよく、板ばねや皿ばね等であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 高速炉
2 高速炉容器
2a (高速炉容器の)室
2b (高速炉容器の)室
3 炉心
4 支持構造物
5 上部構造物
6 遮蔽プラグ
7 隔壁
7a 開口部
8 挿入孔
8a 第1縮径部
8b 第2縮径部
11 冷却材供給配管
12 冷却材排出配管
20 炉心構成要素
20a 第1炉心構成要素
20b 第2炉心構成要素
21 (炉心構成要素の)下端(一端)
22 (炉心構成要素の)上端(他端)
23 エントランスノズル
24 パッド部
25 パッド部
26 第1拡径部
27 第2拡径部
28 凹部
28a 奥壁面
28b 内壁面
28c 開口端
28d 周縁部
30 押し付け部材
31 第1弾性部材
31a スプリング
32 収容空間
32a 第1テーパ面
32b 第1テーパ面
40 内部空間
41 係合空間
42 連絡空間
45 燃料交換機
46 操作端
50 押し付け解除機構
51 スライド部材
52 係合片
53 先端部
53a 第2テーパ面
53b 第2テーパ面
60 押し付け解除機構
61 スライド部材
62 貫通孔
63 先端部
64 スプリング
65 可動部
70 抜け止め部
71 第1当接部
72 第2当接部
75 第2弾性部材
75a スプリング
80 押し付け解除機構
81 回転棒部材
81a (回転棒部材の)下端部(第1端部)
81b (回転棒部材の)上端部(第2端部)
82 回転軸
83 伝達部
84 回転力受部
85 スプリング
図1
図2
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