(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記立設部材は、前記ディスプレイ支持具と前記カバー部材との間に形成された隙間を通じて前記ディスプレイ支持具と前記カバー部材との間に下方から進入し、前記ディスプレイ支持具に固定されている請求項1に記載のディスプレイ支持什器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、支柱やディスプレイに対して前方に物品の載置部を設けると、ユーザ(視聴者)が前方からディスプレイを見たときに物品や載置部が視界に映る可能性がある。そのため、従来のディスプレイ支持什器では、意匠性を向上させる点で未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、意匠性を向上させることができるディスプレイ支持什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るディスプレイ支持什器は、基部と、前記基部から上方に立設された立設部材と、前記立設部材に接続されるとともに、前面にディスプレイが取り付けられるディスプレイ支持具と、前記ディスプレイ支持具の後方に設けられた物品載置部と、を備え
、前記ディスプレイ支持具には、前記ディスプレイ支持具を後方から覆うカバー部材が設けられ、前記物品載置部は、前記カバー部材に一体に形成されている。
【0008】
本態様によれば、物品載置部に物品を載置できるため、ディスプレイ支持什器とは別の場所に物品を保管する必要がなくなり、利便性を向上させることができる。
特に、本態様では、ディスプレイ支持具の後方に物品載置部を設けることで、ユーザがディスプレイを前方からみたときに、物品載置部がユーザの視界に映るのを抑制できる。そのため、ディスプレイ支持什器の意匠性を向上させることができる。
【0009】
また、本態様によれば、ディスプレイ支持具の前面に、ディスプレイを取り付けるための取付部が形成されている場合であっても、取付部をカバー部材によって隠すことができる。これにより、ディスプレイ支持什器の意匠性をより一層向上させることができる。
しかも、物品載置部がカバー部材に一体に形成されているため、カバー部材及び物品載置部を別々に形成する場合に比べて、部品点数の削減や低コスト化を図ることができる。
【0010】
本発明の一態様に係るディスプレイ支持什器において、前記立設部材は、前記ディスプレイ支持具と前記カバー部材との間に形成された隙間を通じて前記ディスプレイ支持具と前記カバー部材との間に下方から進入し、前記ディスプレイ支持具に固定されていてもよい。
本態様によれば、立設部材とディスプレイ支持具との固定部分がカバー部材によって覆われるので、意匠性の更なる向上を図ることができる。
【0011】
本発明の一態様に係るディスプレイ支持什器において、前記ディスプレイ支持具は、後方に開口する箱型に形成されるとともに、前記立設部材を少なくとも前方、左右方向の両側及び上方から取り囲み、前記カバー部材は、前記ディスプレイ支持具の後端開口部を閉塞していてもよい。
本態様によれば、立設部材の周囲のうち、少なくとも前方、左右方向の両側及び上方がディスプレイ支持具に覆われ、後方がカバー部材により覆われる。これにより、ディスプレイ支持具と立設部材との固定部分が外部に露呈するのをより確実に抑制し、意匠性の更なる向上を図ることができる。
【0012】
本発明の一態様に係るディスプレイ支持什器において、前記ディスプレイ支持具には、把持部が設けられていてもよい。
本態様によれば、ディスプレイ支持什器の移動が容易になる
。
【0013】
本発明の一態様によれば、意匠性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、ディスプレイ支持什器1(以下、単に什器1という。)が設置された床面Gの法線方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向に直交する方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印LHが左側)とする。
【0016】
[什器]
図1は、什器1の正面図である。
図2は、什器1の背面図である。
図1、
図2に示すように、什器1は、各種施設(オフィスや公共施設等)に設置されている。什器1は、ディスプレイDを所定高さに支持した状態で、床面G上を移動可能に構成されている。これにより、施設内の所望の場所にディスプレイDを移動させることができる。
【0017】
本実施形態において、ディスプレイDは、例えば液晶ディスプレイである。ディスプレイDにおいて、筐体D1の後面(表示面(前面)とは反対側を向く面)中央部には、例えばVESA(Video Electronics Standards Association)にて制定されたVESA FPMPMI Standardに適合した位置及び寸法のねじ穴が形成されている。但し、ディスプレイDには、情報を表示可能な構成であれば、液晶ディスプレイの他、有機ELディスプレイやホワイトボード、プロジェクタ投影用のスクリーン等であってもよい。
【0018】
什器1は、基部11と、支柱(立設部材)12と、マウントユニット14と、を主に備えている。
基部11は、多岐脚21を備えている。多岐脚21の各脚部には、床面G上を走行可能なキャスタ22が取り付けられている。なお、基部11は、キャスタ22を有さない構成であってもよい。基部11は、ディスプレイDを支持可能な構成であれば、多岐脚21以外の構成であってもよい。
【0019】
支柱12は、多岐脚21の中央部から上方に立設されている。本実施形態において、支柱12は、円筒状に形成されている。なお、支柱12は、基部11から複数本立設されていてもよい。支柱12は、上下方向に伸縮可能な構成であってもよい。
【0020】
<マウントユニット>
図3は、什器1を左後方から見た拡大斜視図である。
図3に示すように、マウントユニット14は、前後方向に扁平した箱型に形成されている。マウントユニット14は、支柱12の上端部に設けられ、ディスプレイDの後面を支持する。具体的に、マウントユニット14は、ディスプレイ支持具31と、把持部33と、カバー体34と、を主に備えている。
【0021】
図4は、カバー体34を取り外した状態の什器1を後方から見た拡大背面図である。
ディスプレイ支持具31は、ベース部35と、ブラケット36と、を備えている。ベース部35は、後方及び下方に開口する箱型に形成されている。すなわち、ベース部35は、前壁41と、前壁41の上端部から後方に延びる上壁42と、前壁41の左右両端部から後方に延びる側壁43と、を備えている。
【0022】
ベース部35の内側には、ベース部35とカバー体34との間に形成された隙間(以下、下端開口部31aという。)を通じて支柱12の上端部が進入している。支柱12の上端部は、ベース部35の内側において、前壁41や上壁42に溶接等によって固定されている。なお、支柱12とベース部35との固定方法は、適宜変更可能である。ベース部35が前壁41の下端部に連なる下壁を有する場合、支柱12をベース部35の内側に案内する案内孔を下壁に形成してもよい。
【0023】
ベース部35の前壁41は、ディスプレイD1の筐体D1に前後方向で対向している。前壁41には、前壁41を前後方向に貫通する前壁貫通孔51が形成されている。前壁貫通孔51は、上下方向及び左右方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0024】
ベース部35の各側壁43には、カバー取付部52が形成されている。カバー取付部52は、例えば側壁43を左右方向に貫通する貫通孔52aと、側壁43における左右方向の内側を向く面において貫通孔52aに対応する位置に設けられたナット52bと、を有している。カバー取付部52は、各側壁43において、上下方向に間隔をあけて2ヵ所形成されている。但し、カバー取付部52の数や位置等は適宜変更が可能である。
【0025】
図5は、什器1の平面図である。
図5に示すように、ブラケット36は、ベース部35の前壁41に、左右方向に間隔をあけて一対設けられている。各ブラケット36は、左右方向に直交する仮想面に対して面対称に形成されている。したがって、以下の説明では、一方のブラケット36を例にして説明する。
【0026】
ブラケット36は、上下方向に沿って直線状に延びるとともに、上下方向から見た平面視でクランク状に形成されている。具体的に、ブラケット36は、第1取付片61及び第2取付片62と、各取付片61,62同士を接続する接続片63と、を有している。
【0027】
第1取付片61は、接続片63の前端部から左右方向の内側(什器1の左右方向の中心に接近する方向)に屈曲されている。第1取付片61には、第1取付片61を前後方向に貫通するディスプレイ取付孔65が形成されている。ディスプレイ取付孔65は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。第1取付片61は、ディスプレイ取付孔65を通じてディスプレイDのねじ穴にねじ66が螺着されることで、ディスプレイDに固定される。
【0028】
第2取付片62は、接続片63の後端部から左右方向の外側に屈曲されている。第2取付片62には、ユニット取付部67が形成されている。ユニット取付部67は、例えば第2取付片62を前後方向に貫通する貫通孔67aと、第2取付片62の前面において貫通孔67aに対応する位置に設けられたナット67bと、を有している。なお、ユニット取付部67は、第2取付片62において、上下方向に間隔をあけて2ヵ所形成されている。
【0029】
第2取付片62は、ディスプレイ支持具31の前壁貫通孔51及び第2取付片62の貫通孔67aを通じてナット67bにねじ69が螺着されることで、ディスプレイ支持具31に固定されている。但し、ブラケット36とベース部35との固定方法は、例えば溶接等、適宜変更が可能である。また、ベース部35とブラケット36とが一体に形成されていてもよい。
【0030】
図2に示すように、把持部33は、ベース部35の各側壁43にそれぞれ一対で設けられている。把持部33は、左右方向の内側に向けて開口するC字状に形成されている。把持部33の両端部は、対応する側壁43に溶接等によって固定されている。
図1に示すように、把持部33は、マウントユニット14にディスプレイDが取り付けられた状態において、ディスプレイDに前方から覆われる。これにより、把持部33は、前方から見た正面視で視認不能になっている。
図3、
図5に示すように、側壁43のうち、把持部33の固定位置は、上述したカバー取付部52に対して上下方向の外側、かつ後方に設定されている。但し、側壁43における把持部33の固定位置は、適宜変更が可能である。なお、把持部33は、ユーザが把持可能な構成であれば、C字状に限られない。
【0031】
カバー体34は、ディスプレイ支持具31(ベース部35)に着脱可能に取り付けられている。
図1に示すように、カバー体34は、少なくともマウントユニット14にディスプレイDが取り付けられた状態において、前方から見た正面視で視認不能になっている。
図3に示すように、カバー体34は、左右方向から見た側面視でJ字状に形成されている。カバー体34は、カバー部材71と、取付ステー72と、物品載置部73と、を有している。
【0032】
図4、
図5に示すように、カバー部材71は、前後方向から見た正面視外形がベース部35よりも大きい矩形状とされている。カバー部材71は、ベース部35の後端開口部31bを後方から閉塞している。カバー部材71は、ベース部35のうち、上壁42及び側壁43の後端縁に前後方向で突き当たるとともに、前壁41との間に隙間をあけて前後方向で対向している。すなわち、カバー部材71は、ディスプレイ支持具31の下端開口部31aを後方から区画している。これにより、上述した支柱12の上端部は、ベース部35とカバー部材71とにより下方を除く周囲が覆われることで、マウントユニット14の外部に露呈していない。なお、本実施形態において、カバー部材71の外周部分は、正面視でベース部35から外側にはみ出している。
【0033】
図3、
図5に示すように、取付ステー72は、カバー部材71の前面に、左右方向で間隔をあけて一対で設けられている。各取付ステー72は、平面視でL字状に形成されている。具体的に、取付ステー72の基端部は、カバー部材71の前面に溶接等によって固定されている。取付ステー72の先端部は、基端部における左右方向の外側端部から前方に向けて屈曲している。
【0034】
図5に示すように、各取付ステー72の先端部には、取付ステー72を左右方向に貫通する取付孔75が形成されている。本実施形態において、取付孔75は、上下方向に間隔をあけて2ヵ所形成されている。各取付ステー72は、取付孔75及び側壁43の貫通孔52aを通じてナット52bにねじ76が螺着されることで、側壁43に固定されている。この場合、取付ステー72は、後方から見てカバー部材71の外周部分に覆われ、左右方向の外側から見て把持部33と重なり合うことで、マウントユニット14の外部から視認し難くなっている。なお、取付ステー72は、ベース部35に係止する構成等でもよい。
【0035】
図3に示すように、物品載置部73は、カバー部材71の後方に一体で連なっている。物品載置部73は、カバー部材71の下部と協働して上方に開口する箱型に形成されている。具体的に、物品載置部73の底壁81は、カバー部材71の下端縁から後方に延在している。底壁81は、リモコン等の物品Bが載置可能に構成されている。
【0036】
物品載置部73において、底壁81の後端縁には、上方に延びる後壁82が形成されている。後壁82は、カバー部材71に対して前後方向に間隔をあけて対向している。
物品載置部73において、底壁81の左右両端縁には、上方に延びる立ち上がり壁84が形成されている。立ち上がり壁84は、カバー部材71、底壁81及び後壁82とで画成された空間の内外を左右方向で仕切っている。なお、立ち上がり壁84は、後壁82よりも上下方向の高さが低くなっている。これにより、物品載置部73の左右両側から物品載置部73内へのアクセスがし易くなっている。
【0037】
なお、物品載置部73は、物品Bが載置可能であれば、箱型に限られない。例えば、物品載置部73は、底壁81のみを有していてもよい。物品載置部73は、カバー部材71において、上下方向や左右方向に間隔をあけて複数形成してもよい。物品載置部73は、例えばフックを吊り下げる吊下部を有していてもよい。
【0038】
<ディスプレイの固定方法>
続いて、上述した什器1にディスプレイDを固定する方法について説明する。
まず、ディスプレイDにブラケット36を取り付ける。具体的には、第1取付片61のディスプレイ取付孔65を通じて、ディスプレイDのねじ穴にねじ66を螺着することで、ディスプレイDにブラケット36が取り付けられる。
【0039】
続いて、ベース部35からカバー体34を取り外した状態で、ブラケット36及びディスプレイDをベース部35に取り付ける。具体的には、ベース部35の前壁貫通孔51及び第2取付片62の貫通孔67aを通じてナット67bにねじ69を螺着することで、ブラケット36がベース部35に取り付けられる。
【0040】
その後、カバー体34をベース部35に取り付ける。具体的には、取付ステー72の取付孔75及び側壁43の貫通孔52aを通じてナット52bにねじ76を螺着することで、カバー体34がベース部35に取り付けられる。
以上により、ディスプレイDが什器1に取り付けられる。
【0041】
このように、本実施形態では、ディスプレイ支持具31の後方に物品載置部73が設けられる構成とした。
この構成によれば、物品載置部73に物品Bを載置できるため、物品Bを什器1とは別の場所に保管する必要がなくなり、利便性を向上させることができる。
特に、本実施形態では、ディスプレイ支持具31の後方に物品載置部73を設けることで、ユーザがディスプレイDを前方からみたときに、物品載置部73がユーザの視界に映るのを抑制できる。そのため、什器1の意匠性を向上させることができる。
【0042】
本実施形態では、ディスプレイ支持具31を後方から覆うカバー部材71を備えている構成とした。
この構成によれば、ディスプレイ支持具31の前面に、ディスプレイDを取り付けるための取付部(例えば、前壁貫通孔51等)が形成されている場合であっても、取付部をカバー部材71によって隠すことができる。これにより、什器1の意匠性をより一層向上させることができる。
しかも、上述した物品載置部73がカバー部材71に一体に形成されているため、カバー部材71及び物品載置部73を別々に形成する場合に比べて、部品点数の削減や低コスト化を図ることができる。
【0043】
本実施形態では、支柱12の上端部がベース部35の内側でベース部35に固定されている構成とした。
この構成によれば、支柱12とベース部35との固定部分がカバー部材71によって覆われるので、意匠性の更なる向上を図ることができる。
【0044】
本実施形態では、ベース部35が後方に開口する箱型に形成され、カバー部材71がベース部35の後端開口部31bを閉塞する構成とした。
この構成によれば、支柱12の周囲のうち、少なくとも前方、左右方向の両側及び上方がベース部35に覆われ、後方がカバー部材71により覆われる。これにより、ベース部35と支柱12との固定部分が外部に露呈するのをより確実に抑制し、意匠性の更なる向上を図ることができる。
【0045】
本実施形態では、ディスプレイ支持具31に把持部33が設けられているため、什器1の移動が容易になる。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0047】
例えば、上述した実施形態では、ディスプレイ支持具31が箱型に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。ディスプレイ支持具31は、例えば板状等であってもよい。この場合においても、ディスプレイ支持具31の後方をカバー体34により覆うことで、意匠性を向上させることができる。なお、ディスプレイ支持具31が板状に形成され、カバー体34がディスプレイ支持具31を後方から覆う箱型に形成されていてもよい。
上述した実施形態では、カバー部材71と物品載置部73とが一体に形成された構成について説明したが、この構成に限らず、ディスプレイ支持具31に物品載置部を直接設けてもよい。
【0048】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。