【文献】
木村美香子 他3名,オントロジーを用いた英日料理レシピ変換システム,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2008年 1月14日,Vol.107 No.429,77−82頁,(KBSE2007−51)
【文献】
多言語に自動翻訳!お店のホームページも自動作成:スマートメニュー,[online],2014年8月6日,[令和3年4月21日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20140806215709/http://www.it−momonga.com/v3/solution/menu/order/index.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メニュージャンル入力受付処理部により受け付けられた前記メニュージャンルに対応するメニュー紹介文を,前記メニュージャンルと前記第1言語によるメニュー紹介文との対応関係に基づいて抽出し,該抽出したメニュー紹介文を前記第1言語によるメニュー紹介文として受け付けるメニュー紹介文処理部と,
を備え,
前記入力情報外国語変換処理部は,前記メニュー紹介文についての第1言語と第2言語による対応関係に基づいて,前記メニュー紹介文処理部により受け付けられた前記第1言語による前記メニュー紹介文を第2言語に変換する,
請求項2に記載のコンピュータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では,メニューに記載した品目の詳細な解説情報を,外国語による音声で再生するメニュー解説装置の発明が開示されている。この装置を用いた場合,外国語による音声が周囲にも響き,周囲に座っている利用客に対して迷惑になってしまう。また,飲食店が事前に詳細な解説情報を準備しておかなければならないが,飲食店に,外国語が堪能な従業員がいないことも多い。そのため,メニューの解説そのものを作成できない,ということもありえる。
【0006】
特許文献2では,料理の品目について,日本語と英語からなるメニュー説明をあらかじめ準備して,接客担当者が用いるハンディターミナルにあらかじめ記憶させておく。そして,利用客に外国人がいる場合に,所定の操作をすることで,英語によるメニュー説明をハンディターミナルで表示させ,それを見せることで,外国人に対して対応をする発明が開示されている。しかしこの場合であっても,特許文献1の場合と同様に,飲食店が事前にメニューの説明をハンディターミナルに登録しておかなければならないが,飲食店に,外国語が堪能な従業員がいないことも多い。そのため,メニューの説明そのものを作成できない,ということもありえる。
【0007】
特許文献3では,飲食店用券売機に多言語対応ソフトを記憶させたライセンスキットを接続することで,券売機で外国語によるメニュー表示を可能とする発明が開示されている。この場合,ライセンスキットは券売機メーカーなどが作成しているので,飲食店に外国語が堪能な従業員がいなくても対応することができる。しかし,多言語対応ソフトを購入する必要があること,また飲食店独自のメニューなどには対応することができない,といった問題点がある。
【0008】
近年,外国人が飲食店を探す場合,ガイドブックなどを用いるほか,インターネットで飲食店情報を提供するウェブサイトから探すことも多い。そして,飲食店情報を提供するウェブサイトで検索された飲食店のウェブページでは,店名,場所,連絡先などのほか,メニューなども情報提供されている。そうすると,飲食店のウェブページで外国語の表記によるメニューを提示できれば,外国人に対する訴求効果も高くなり,また,実際に飲食店に外国人が訪れた場合に,そのメニューを見せれば,外国人が注文をすることも容易となる。
【0009】
この目的を達成するためには,自動翻訳サイトなどを用いて,外国語による飲食店のウェブページを提供することが考えられるが,日本語によるメニューを自動翻訳した場合,自動翻訳の精度などに問題がある。とくに,飲食店におけるメニューの場合,宗教,信条,健康(アレルギーなど)などの理由などにより,食材や調理方法,調味料などが限定されている人もいる。たとえばベジタリアンの場合には,動物性食品を避けることとなる。
【0010】
日本語が堪能であれば,自ら従業員に確認することもできるが,そうでない場合には従業員に確認をすることが困難である。そして自動翻訳サイトなどを用いてメニュー名などを翻訳したとしても,食材や調理方法などが正確に翻訳できなければ,外国人に誤解を招き,却って,飲食店との間でトラブルになることも予想される。このように,食材や調理方法などが制限される場合,外国人が理解可能とするためには,正確な表現により行わなければならない。そのため,メニューが記載されたウェブページの全体を自動翻訳サイトなどを用いて翻訳して情報提供するのみでは,誤解の発生する余地があり,実際上,好ましくはない。
【0011】
このように,外国語でメニューを提供する場合には,注文をする外国人に宗教,信条,健康上などの理由から,禁忌や制限の対象となる食材や調理方法などのメニューの説明が正確に伝わるようにしなければならない問題点がある。また,単に外国語に翻訳しただけでは,注文を受ける従業員が誤って注文内容を認識する可能性があるので,外国人による注文内容を正確に認識できるようにする必要がある。一方で,飲食店のメニューはその飲食店の特徴などを示すものであるから,飲食店の独自のアピールを可能とさせることで,利用客に訴求を図る必要がある,という観点も必要である。つまり,情報を正確に伝えなければならない一方,その表現方法の自由度をも維持しなければならない,という相矛盾した目的を達成しなければならない。これを達成するには,上記のように外国語に堪能な従業員による翻訳が必要であるが,すべての飲食店がそれを行えるわけではない。そこで,外国語が堪能な従業員がいない場合であっても,簡便な方法により,外国人に対して正確にメニューを理解させることが可能な外国人向けのメニューを生成する方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで本発明者は上記課題に鑑み,外国語が堪能な従業員がいない場合であっても,簡便な方法により,外国人に対してメニューを理解させることが可能なメニュー生成システムを発明した。
【0013】
本発明は,複数言語による飲食店のメニューを生成するメニュー生成システムであって,第1言語によるメニュー名の入力を受け付けるメニュー名入力受付処理部と,前記受け付けたメニュー名に対応する第1言語によるメニュー属性の入力を受け付けるメニュー属性処理部と,前記メニュー属性について第1言語と第2言語による対応関係を記憶する外国語対応用語記憶部と,前記外国語対応用語記憶部に基づいて,前記受け付けた第1言語による前記メニュー属性を第2言語に変換する入力情報外国語変換処理部と,情報端末からのメニューの表示要求に応じて,前記第2言語に変換したメニュー属性を含むメニュー情報を該情報端末に表示させるメニュー情報表示処理部と,を備えており,前記メニュー属性には,メニューに用いられる食材,メニューに用いられる調味料及びメニューの調理方法のうちの何れかが含まれており,前記メニュー名入力受付処理部は,前記入力されたメニュー名を外国人が第1言語による発音が可能なメニュー表記へ自動変換し,前記メニュー情報表示処理部は,前記表示させるメニュー情報に,前記外国人が第1言語による発音が可能なメニュー表記を含める,メニュー生成システムです。尚,上記の情報端末は,飲食店が利用する飲食店端末または利用客が利用するコンピュータをいう。
【0014】
上述の発明において,前記メニュー生成システムは,さらに,前記受け付けたメニュー名に対応するメニュージャンルの選択入力を受け付けるメニュージャンル入力受付処理部と,メニュージャンルと,第1言語によるメニュー紹介文とを対応付けて記憶するメニュー紹介文マスター記憶部と,メニュージャンルと,第1言語による前記メニュー属性とを対応付けて記憶するメニュー属性マスター記憶部と,前記受け付けたメニュージャンルに対応するメニュー紹介文を,前記メニュー紹介文マスター記憶部から抽出し,該抽出したメニュー紹介文を前記第1言語によるメニュー紹介文として受け付けるメニュー紹介文処理部と,を備えており,前記外国語対応用語記憶部は,前記メニュー属性に加えて,さらに,前記メニュー紹介文について第1言語と第2言語による対応関係を記憶しており,前記メニュー属性処理部は,前記受け付けたメニュージャンルに対応するメニュー属性を,前記メニュー属性マスター記憶部から抽出し,該抽出したメニュー属性を前記第1言語によるメニュー属性の入力として受け付けるようになっており,前記入力情報外国語変換処理部は,前記外国語対応用語記憶部に基づいて,前記受け付けた第1言語による前記メニュー紹介文を第2言語に変換し,前記メニュー情報表示処理部は,前記第2言語に変換したメニュー紹介文が含まれるメニュー情報を表示させる,メニュー生成システムのように構成することができる。また,上述の発明において,前記メニュー生成システムは,さらに,第1言語を第2言語に翻訳する自動翻訳処理部を有しており,前記メニュー紹介文処理部は,飲食店が利用する飲食店端末からの要求に応じて,前記受け付けた第1言語による前記メニュー紹介文の修正入力を受け付け可能になっており,前記自動翻訳処理部は,前記第1言語による前記メニュー紹介文の修正入力を受け付けると,該修正入力を受け付けたメニュー紹介文を第2言語に自動翻訳し,前記メニュー情報表示処理部は,前記メニュー紹介文の修正入力を受け付けた場合,前記メニュー情報に含まれるメニュー紹介文として,前記自動翻訳した第2言語のメニュー紹介文を表示させる,メニュー生成システムのように構成することができる。また,上述の発明において,前記メニュー属性処理部は,飲食店が利用する飲食店端末からの第1言語の前記メニュー属性の修正要求を受け付け可能になっており,該メニュー属性の修正要求を受け付けると,前記メニュー属性マスター記憶部を参照して,修正する第1言語のメニュー属性の選択肢を抽出し,抽出した選択肢に対する修正入力を前記飲食店端末から受け付け,前記入力情報外国語変換処理部は,前記外国語対応用語記憶部に基づいて,前記修正入力を受け付けたメニュー属性を第2言語に変換し,前記メニュー情報表示処理部は,前記メニュー属性の修正入力を受け付けた場合,前記メニュー情報に含まれるメニュー属性として,前記修正入力された第1言語のメニュー属性を第2言語に変換したものを表示させる,メニュー生成システムのように構成することができる。
【0015】
これらの発明のように構成することで,外国語に堪能な従業員がいない場合であっても,外国語によるメニューを簡便な方法によって生成することができる。特にこれらの発明においては,メニュー名をローマ字表記などの,第1言語による発音が可能な表記とし,メニューの紹介文を修正した場合には,その内容を自動翻訳により外国語に翻訳をし,メニュー属性を選択により受け付け,対応する外国語で表示させる構成としている。
【0016】
外国語によるメニューでの注文の際に問題となるのは,従業員が誤った注文を受けてしまうことである。特に,メニュー名をそのまま外国語に翻訳をしてしまうと,注文を受ける従業員がどのメニューであるのか理解することが困難であり,誤注文の恐れがある。そこで,メニュー名は外国人であっても第1言語での発音が可能な表記とすることで,外国人であってもそのまま第1言語での発音による注文を可能とすることができる。このような構成によって誤注文を防止することができる。
【0017】
また食材や調理方法,調味料などのメニューの属性は,宗教,信条,健康上などの理由から禁忌や制限の対象となっていることも多い。そのため,正確性が重要であり,曖昧さや誤解を招く表記などは避けなければならない。飲食店による自由な入力とし,それを自動翻訳してしまうと,曖昧さ,誤解を招く表記となる可能性が生じてしまう。また,メニューの属性の情報は定型性が高い情報である。そこでこれらの発明では,メニューの属性については,あえて飲食店による自由度を制限し,選択方式による入力とすることで,曖昧さ,誤解を招く表記を排除することとしている。これによって,外国人が宗教上,信条上,健康上などの理由から禁忌や制限の対象となっている食材等を注文してしまうことを回避することができる。
【0018】
さらにメニューの紹介文については,そのメニューの食べ方,特徴などを示すことから,定型性が低い情報である。そのため,選択方式による入力を行うことは困難であり,またメニューの属性において,禁忌や制限の情報がメニューの説明で示されていることから,自由な入力を受け付けて自動翻訳を用いたとしても,弊害の発生が低い。そこでメニューの紹介文については,必要に応じて第1言語による自由な入力を受け付け,それを自動翻訳で処理することで,定型性の低い情報を外国人にも提供することができる。
【0019】
このように,これらの発明においては,メニューにおける,メニュー名,メニューの紹介文,メニューの属性について,それぞれがもつ特性を勘案した上で,それぞれに適した処理を行わせることで,最適な方法で外国語によるメニューを生成することを可能とせしめている。
【0020】
また,上述の発明においては,メニュージャンルを選択することで,メニューの紹介文やメニューの属性などを初期設定として自動的に設定することができる。そのため,飲食店の入力の負担軽減になるとともに,あらかじめ設定されている内容を利用できるので,誤入力等の防止にもつながる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のメニュー生成システムを用いることによって,外国語が堪能な従業員がいない場合であっても,簡便な方法により,外国人に対してメニューを理解させることが可能となる。また,食材や調理方法などを正確にメニューに表示することができるので,利用者との間でトラブルになる可能性も低くなる。さらに,メニュー名は外国人でも第1言語による発音が可能な表記にしているので,誤注文の可能性も低くなる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のメニュー生成システム1の全体のシステム構成の一例を
図1に示す。またメニュー生成システム1における後述するメニュー情報処理部20の構成の一例を
図2に,メニューマスター記憶部23の構成の一例を
図3に示す。
【0024】
メニュー生成システム1は,サーバなどを含むコンピュータを用いて実現される。
図4にコンピュータのハードウェア構成の一例を示す。コンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,表示を行うディスプレイなどの表示装置72と,入力を行うマウスやキーボード,タッチパネルなどの入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報を,コンピュータ間で送受信をする通信装置74とを有している。
【0025】
本発明における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。また,本発明のメニュー生成システム1は,これらが一つのサーバでその機能を実現しても良いし,各機能を2台以上のサーバに分散して配置しても良い。また,本発明の機能の一部または全部を,飲食店の検索を行うユーザの利用するコンピュータ(携帯電話などの可搬型通信端末を含む)で行っても良い。とくに,後述する自動翻訳処理部205,入力情報外国語変換処理部206,メニュー情報表示処理部22などの処理をユーザのコンピュータで行っても良い。これによって管理サーバ2の処理の負荷を減らすことができる。
【0026】
メニュー生成システム1の各機能を備える管理サーバ2は,飲食店で利用するコンピュータである飲食店端末3と,インターネットなどのネットワークを介して情報の送受信が可能である。飲食店端末3としてはコンピュータであれば良く,パーソナルコンピュータのほか,スマートフォンを含む携帯電話,PHS,タブレット型コンピュータなどの可搬型通信端末などを含む。メニュー生成システム1は,飲食店に関する情報を提供する企業などが,その加盟店となっている飲食店に対して提供することが好ましいが,それに限定されるものではない。
【0027】
メニュー生成システム1における管理サーバ2は,メニュー情報処理部20とメニュー情報記憶部21とメニュー情報表示処理部22とメニューマスター記憶部24とを有している。
【0028】
メニュー情報処理部20は,飲食店で提供するメニューに関する情報の入力を受け付ける。メニュー情報処理部20では,各処理部において入力を受け付けた情報をメニュー情報として,後述するメニュー情報記憶部21に記憶させる。またメニュー情報処理部20では,メニュー名を,外国人でも第1言語(メニュー生成システム1を運用する国における言語(公用語を含む))による発音が可能な表記,たとえば日本語であればローマ字表記で入力を受け付ける。また,メニューの紹介文を必要に応じて第1言語(たとえば日本語)で自由に入力を受け付け,また,メニューの属性を必要に応じて選択形式で入力を受け付ける。メニューの紹介文はあらかじめ定められたメニューの紹介文を変更することを希望する場合には,その入力を受け付けて外国語に自動翻訳し,メニューの属性を対応する外国語の単語に自動変換する。メニューに関する情報としては,メニュー名,メニューの紹介文,メニューの属性などの情報がある。メニュー生成システム1を利用したサービスを展開する国における言語である第1言語として日本語の場合を説明するが,他の国で実施する場合には,その国で用いられている言語を第1言語として用いることができる。また第2言語とは第1言語である言語以外の一または複数の言語(その国にとっての外国語)を意味する。
【0029】
メニュー情報処理部20は,メニュー名入力受付処理部200とメニュー画像入力受付処理部201とメニュージャンル入力受付処理部202とメニュー紹介文入力受付処理部203とメニュー属性入力受付処理部204と入力情報外国語変換処理部205とを有する。
【0030】
メニュー名入力受付処理部200は,メニューの名称として,日本語とそのカタカナ表記の入力を受け付ける。またメニュー名入力受付処理部200は,受け付けたカタカナ表記に基づいて,外国人でも日本語による発音が可能なローマ字表記への変換処理を行う。この際に,そのメニューを特徴付ける英単語,たとえばtempura,sushi,beaf steak,curry,pizzaなどのメニュー特徴情報を併せて入力を受け付けても良い。また,カタカナ表記の入力を受け付けてローマ字表記に変換するのではなく,日本語のメニュー名のローマ字表記での入力を受け付けても良い。なお,ローマ字表記ではなく,日本語(第1言語)での発音が可能な表記であればいかなる表記であっても良い。
【0031】
メニュー画像入力受付処理部201は,そのメニューの画像情報の入力を受け付ける。
【0032】
メニュージャンル入力受付処理部202は,そのメニューの属するジャンルの選択入力を受け付ける。選択されるジャンルは,後述するメニューマスター記憶部23のメニュージャンルマスター記憶部230に記憶されており,メニュージャンル入力受付処理部202は,メニュージャンルマスター記憶部230を参照し,選択肢の表示を行わせることで,選択入力を受け付ける。
【0033】
メニュー紹介文処理部203は,メニュージャンル入力受付処理部202で選択を受け付けたジャンルの情報に基づいて,後述するメニューマスター記憶部23のメニュー紹介文マスター記憶部231から対応するメニュー紹介文のテンプレートの情報を抽出し,表示させる。また,そのメニュー紹介文の変更の選択を受け付けた場合には,メニュー紹介文処理部203は,メニューを紹介する文章の入力を日本語で受け付ける。メニューを紹介する文章としてはそのメニューの食べ方,特徴,アピールポイントなどがある。
【0034】
メニュー紹介文処理部203は,テンプレートの情報を用いずに,最初から,メニューの紹介文の入力を受け付けても良い。
【0035】
メニュー属性処理部204は,メニュージャンル入力受付処理部202で選択を受け付けたジャンルの情報に基づいて,後述するメニューマスター記憶部23の食材マスター記憶部232,調味料マスター記憶部233,調理方法マスター記憶部234から対応する代表的食材,調理方法,調味料のテンプレートの情報を抽出し,表示させる。また,メニューの属性の変更の選択を受け付けた場合には,メニュー属性処理部204は,食材マスター記憶部232,調味料マスター記憶部233,調理方法マスター記憶部234を参照することで,メニューの代表的食材,調理方法,調味料などについて選択入力を受け付ける。選択される各メニュー属性は,後述するメニューマスター記憶部23の食材マスター記憶部232,調味料マスター記憶部233,調理方法マスター記憶部234などに記憶されており,メニュー属性処理部204は,これらの各マスター記憶部を参照し,選択肢の表示を行わせることで,選択入力を受け付ける。メニュー属性としては,代表的食材,調理方法,調味料などがあるが,それらに限定されず,適宜,設定可能である。
【0036】
メニュー属性処理部204は,テンプレートの情報を用いずに,最初から,各マスター記憶部を参照し,選択肢の表示を行わせることで選択入力を受け付けても良い。
【0037】
代表的食材としては,たとえばメニューで使用している魚の特徴や種類,肉の特徴や種類,野菜の特徴や種類などがある。また調理方法としては焼く,煮る,蒸す,揚げるなど,その食材をどのように調理しているかを示す情報がある。また調味料はそのメニューで使用している調味料である。
【0038】
自動翻訳処理部205は,メニュー紹介文処理部203でメニューを紹介する文章が変更され,その入力を受け付けている場合には,公知の翻訳処理機能を用いて外国語に翻訳する。翻訳処理機能としてはさまざまなものを用いることができ,ウェブサイトで文章の翻訳を行う機能のほか,料理に関する翻訳に特化した機能を用いることもできる。
【0039】
入力情報外国語変換処理部206は,後述するメニューマスター記憶部23の外国語対応用語記憶部236に記憶する第1言語である日本語と,第2言語である少なくとも1以上の外国語の対応テーブルに基づいて,メニュージャンル入力受付処理部202,メニュー紹介文処理部203,メニュー属性入力受付処理部204で受け付けた情報を,対応する外国語に自動変換する。
【0040】
また,メニュー情報処理部20は,メニューの価格の情報の入力を受け付けてもよい。
【0041】
メニュー情報記憶部21は,メニュー情報処理部20における各情報をメニュー情報として,飲食店ごとに記憶する。
【0042】
メニュー情報表示処理部22は,飲食店端末3や利用客が利用するコンピュータからメニュー情報の表示要求を受け付けた場合,その飲食店のメニュー情報をメニュー情報記憶部21から抽出し,表示させる。
【0043】
メニューマスター記憶部23は,メニュー情報処理部20において外国語によるメニューを生成するにあたり必要な情報を,マスターテーブルにそれぞれ記憶している。メニューマスター記憶部23は,メニュージャンルマスター記憶部230,メニュー紹介文マスター記憶部231,食材マスター記憶部232,調味料マスター記憶部233,調理方法マスター記憶部234,外国語対応用語記憶部235を有している。
【0044】
メニュージャンルマスター記憶部230は,メニュージャンル入力受付処理部202で料理のメニューのジャンルの選択入力を受け付けるための選択肢となるジャンルの情報を記憶している。ジャンルは,上述のように階層構造で記憶されており,たとえば大分類,大分類を細分化した中分類,中分類をさらに細分化した小分類といったように記憶されている。大分類としては,たとえば和食,イタリアン,フランス料理,スペイン料理,中華料理などがあり,中分類としては,たとえば大分類が和食であると,寿司,鮮魚料理,鉄板焼き,居酒屋などがある。また,小分類としては,たとえば中分類が鮮魚料理であると,刺身,海鮮丼,煮付け,焼き魚などがある。このように,メニュージャンルマスター記憶部230に記憶するジャンルに基づいて,メニュージャンル入力受付処理部202で選択肢の表示を行うことで,その選択入力を受け付けることができる。
【0045】
メニュー紹介文マスター記憶部231は,メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応するメニュー紹介文のテンプレートの情報を記憶している。すなわちジャンルとそれに対応するメニュー紹介文のテンプレートとが対応づけて記憶されている。たとえばジャンル「刺身」には,メニュー紹介文のテンプレートとして「刺身(さしみ)とは,魚介類等の生の食材を小片に切り,ワサビ・ショウガなどの薬味を添えた醤油・酢味噌などの調味料に付けて食べる日本料理である。」が対応づけて記憶されている。したがって,ジャンル「刺身」が選択された場合には,メニュー紹介文処理部203は,メニュー紹介文マスター記憶部231に記憶する「刺身」に対応するメニュー紹介文のテンプレートの情報を抽出し,表示させる。
【0046】
食材マスター記憶部232は,メニュー属性入力受付処理部204で料理のメニューの食材の選択入力を受け付けるための選択肢となる食材の情報を記憶している。食材の情報は,ジャンルの情報と対応づけて記憶されていても良く,メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応する食材をメニュー属性入力受付処理部204が食材マスター記憶部232に基づいて抽出し,テンプレートの食材の情報として表示させても良い。
【0047】
調味料マスター記憶部233は,メニュー属性入力受付処理部204で料理のメニューで使用している調味料の選択入力を受け付けるための選択肢となる調味料の情報を記憶している。調味料の情報は,ジャンルの情報と対応づけて記憶されていても良く,メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応する調味料をメニュー属性入力受付処理部204が調味料マスター記憶部233に基づいて抽出し,テンプレートの調味料の情報として表示させても良い。
【0048】
調理方法マスター記憶部234は,メニュー属性入力受付処理部204で料理のメニューの調理方法の選択入力を受け付けるための選択肢となる調理方法の情報を記憶している。調理方法の情報は,ジャンルの情報と対応づけて記憶されていても良く,メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応する調理方法をメニュー属性入力受付処理部204が調理方法マスター記憶部234に基づいて抽出し,テンプレートの調理方法の情報として表示させても良い。
【0049】
食材マスター記憶部232,調味料マスター記憶部233,調理方法マスター記憶部234を総称して,メニュー属性マスター記憶部という。
【0050】
外国語対応用語記憶部235は,メニュージャンル入力受付処理部202で入力を受け付けるメニューのジャンル,メニュー紹介文処理部203で受け付ける紹介文のテンプレートの情報,メニュー属性処理部204で受け付ける代表的食材,調理方法,調味料などのメニュー属性のテンプレートの情報などについて,日本語(第1言語)と少なくとも一以上の外国語(第2言語)を対応させた対応テーブルである。
【実施例1】
【0051】
つぎに本発明のメニュー生成システム1の処理プロセスの一例を
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0052】
外国語によるメニューの表記を所望する飲食店は,所定の操作を行うことで飲食店の情報提供サービスを運営する企業のメニュー生成システム1にアクセスし,外国語によるメニューの生成を行うことの操作入力を行う。
【0053】
この操作入力を管理サーバ2で受け付けると,メニュー情報処理部20は,飲食店端末3に
図6に示す管理画面を表示させ,飲食店端末3においてメニュー情報の入力を行わせる。まずメニュー情報処理部20のメニュー名入力受付処理部200は,管理画面においてメニュー名の入力を受け付ける(S100)。メニュー名は日本語とそのカタカナ表記したものにより入力を受け付ける。そして,受け付けたカタカナ表記に基づいて,ローマ字への変換を行う。なお,カタカナ表記の代わりにローマ字表記の入力を受け付けても良い。この場合,カタカナ表記からローマ字表記への変換処理は不要である。
【0054】
たとえばメニューが「まぐろの赤富士盛り」であった場合,メニュー名入力受付処理部200は,メニュー名として「まぐろの赤富士盛り」と「マグロノアカフジモリ」の入力を受け付ける。そしてメニュー名入力受付処理部200は,「マグロノアカフジモリ」に基づいて,これを「MAGURONOAKAFUJIMORI」に変換する。
図7に,メニュー名の入力が行われた場合の管理画面の一例を示す。
【0055】
つぎに管理画面において画像の「アップロード」ボタンが選択されると,当該メニューの画像情報をアップロードする画面が表示され,そこでアップロードする画像情報が選択されることで,飲食店端末3から管理サーバ2にメニューの画像情報が送られる。メニューの画像情報は,メニュー情報処理部20のメニュー画像入力受付処理部201で入力を受け付ける(S110)。
図8に,メニュー画像の入力が行われた場合の管理画面の一例を示す。
【0056】
そして飲食店端末3で,管理画面において「ジャンルを選択」のボタンが選択されることで,その選択がされたことをメニュー情報処理部20のメニュージャンル入力受付処理部202が受け付ける。そしてメニュージャンル入力受付処理部202は,メニューマスター記憶部23におけるメニュージャンルマスター記憶部230を参照し,メニューのジャンルの選択肢を管理画面に表示させる。選択肢の表示方法はプルダウンメニューによる方法やチェックボックスによる方法,ポップアップ画面による方法などさまざまな方法があり,いかなる方法でも良い。
【0057】
たとえば「和食」(大分類)の「鮮魚料理」(中分類)のうち「刺身」が選択されたとすると,メニュージャンル入力受付処理部202は,その選択入力を受け付ける(S120)。
図9に,メニュージャンルの入力が行われた場合の管理画面の一例を示す。
【0058】
メニュー紹介文処理部203,メニュー属性処理部204は,メニュージャンル入力受付処理部202においてメニュージャンルの選択を受け付けると,メニューマスター記憶部23におけるメニュー紹介文マスター記憶部231,食材マスター記憶部232,調味料マスター記憶部233,調理方法マスター記憶部234を参照することで,選択されたメニュージャンルに対応するメニュー紹介文,メニュー属性としての食材,調味料,調理方法などのそれぞれ対応するテンプレートの情報を取得する(S130)。そして,メニュー紹介文処理部203,メニュー属性処理部204は,それらのテンプレートの情報を管理画面に表示させる。
図10に,メニュー紹介文,メニュー属性のテンプレートの情報が表示された場合の管理画面の一例を示す。
【0059】
もしメニュー紹介文,メニュー属性について,テンプレートの情報に修正を行いたい場合には(S140),メニュー紹介における「編集する」,「食材を編集」,「調味料を編集」,「調理方法を編集」を選択することで,編集が可能となり,その入力を受け付ける(S150)。この際に,メニュー紹介文の入力は,メニュー紹介文処理部203で日本語で自由に入力を受け付ける。一方,メニュー属性,すなわち,食材,調味料,調理方法については,「食材を編集」,「調味料を編集」,「調理方法を編集」の選択を受け付けることで,メニュー属性処理部204がメニューマスター記憶部23における食材マスター記憶部232,調味料マスター記憶部233,調理方法マスター記憶部234を参照し,選択肢の表示を管理画面で行わせることで,その選択入力を受け付ける。
【0060】
以上のように,メニュー名,メニュー紹介文,メニュー属性などをメニュー情報として入力を受け付け,メニュー紹介文処理部203でその内容が修正されている場合には,自動翻訳処理部205が,メニュー紹介文入力受付処理部203で入力を受け付けた日本語によるメニュー紹介文を,あらかじめ定められた外国語,たとえば英語,フランス語,ドイツ語,スペイン語,中国語,アラビア語などに自動翻訳する処理を実行する(S170)。一方,修正がない場合には,入力情報外国語変換処理部206が,メニュー紹介文に対応する外国語を外国語対応用語記憶部235を参照し,選択されたメニュー紹介文の外国語を特定することで自動変換処理を実行する(S160)。
【0061】
さらに,入力情報外国語変換処理部206は,メニュー属性処理部204で入力を受け付けた選択に基づいて,外国語対応用語記憶部235を参照し,選択されたメニューの属性の外国語を特定することで自動変換処理を実行する(S170)。
【0062】
以上のような処理を実行することで,メニュー情報処理部20はメニュー情報記憶部21にメニュー情報として記憶させる(S180)。
【0063】
実際に飲食店に外国人が訪れた場合には,飲食店の従業員は,可搬型通信端末などにより,所定の操作をすることで管理サーバ2にアクセスし,その外国人に対して,可搬型通信端末を渡す。そして外国人が可搬型通信端末で自らが理解可能な言語等を選択することで,メニュー情報表示処理部22が,メニューのリストを
図11のように表示させる。この場合,メニュー名の日本語表記とローマ字表示の情報,メニューの写真の情報とがリスト形式で表示されていると良い。
【0064】
そしてこのリストからメニュー名などを選択すると,当該可搬型通信端末から管理サーバ2に対して当該メニュー情報の取得要求が行われる。そしてメニュー情報表示処理部22は,メニュー情報記憶部21から,選択されたメニューのうち,外国人が選択した言語に対応するメニュー情報,たとえばメニュー名の日本語表記とローマ字表記の情報,メニュー紹介文が当該言語で自動変換/自動翻訳された紹介文の情報,食材,調味料,調理方法などのメニュー属性が当該言語で自動変換されたメニュー説明の情報などを表示させる。この一例を
図12に示す。
【0065】
以上のようにメニュー情報を表示させることで,外国語によるメニューを提供することができる。そして外国人はそのまま従業員に,所望のメニューを注文することができる。この場合,メニュー名は外国人が日本語での発音が可能なローマ字表記でされており,翻訳されていないので,外国人は日本語による発音で注文することができ,また従業員もそれを聞き取ることができる。したがって,従業員による注文内容の聞き取りの誤りの恐れが少なくなる。
【0066】
また,
図12に表示されるメニューの属性は,選択された情報が自動変換され,選択された言語で表示が行われる。飲食店ごとに自由な表現が行えない反面,統一された用語で表示を行える。そのため,食材,調理方法,調味料などについて,正確性を保ったまま外国人に情報提供が行える。したがって,曖昧さや誤解を招く表記がなくなるので,宗教や信条,健康などによって禁忌や制限となっている食材を摂取してしまう,といったトラブルもなくすことができる。
【0067】
一方,メニュー紹介文では飲食店による自由な入力を行え,それを自動翻訳することも可能としている。そのため,メニューに対する飲食店の自由な思いを伝える余地は確保している。したがって,飲食店ごとの独自性を確保することも維持することができる。
【0068】
なお,自動翻訳処理部205,入力情報外国語変換処理部206による自動翻訳処理,自動変換処理は,事前に行うほか,いかなるタイミングで行われても良く,たとえば外国人がそのメニューの表示要求を行った場合に処理を実行しても良い。
【0069】
また,入力情報外国語変換処理部206は,選択されたメニューの属性について対応する外国語の用語を表示するのではなく,選択可能なメニューの属性を対応する外国語で表示を行い,その中から,どのメニューの属性が選択されたかを表示することでも良い。
【実施例2】
【0070】
また,実施例1の別の実施態様として,飲食店情報提供サイトの利用するウェブサーバとメニュー情報記憶部21とを連動させ,飲食店情報提供サイトで飲食店またはメニューを探すための検索条件として,メニュー名,メニュー紹介文,メニューの属性のいずれか一以上を受け付けても良い。この場合,
図13に模式的に示すように,管理サーバ2には検索処理部24を有する。なお,飲食店情報提供サイトの利用するウェブサーバに対する検索条件の入力は,飲食店端末3または利用者が利用するコンピュータから行われれば良い。
【0071】
検索処理部24は,飲食店情報提供サイトへの検索条件におけるメニュー名,メニュー紹介文,メニューの属性のいずれか一以上に基づいて,その検索条件(第1の検索条件)に対応する外国語による単語を外国語対応用語記憶部235から特定する。その用語をさらに検索条件に追加して(第2の検索条件),それらの用語を含む飲食店をメニュー情報記憶部21から検索し,飲食店情報提供サイトに結果として返す。
【0072】
たとえば,検索条件として「pork」の入力を飲食店情報提供サイトで受け付けると,検索処理部24は,飲食店情報提供サイトから検索条件「pork」に対応する外国語による単語,「豚肉」(日本語),「猪肉」(中国語),「schwein」(ドイツ語),「porc」(フランス語)などを外国語対応用語記憶部235から特定する。そして,検索処理部は,「pork」,「豚肉」,「猪肉」,「schwein」,「porc」をあらたな検索条件として,それらの用語をメニュー情報に含む飲食店をメニュー情報記憶部21から検索し,該当する飲食店を飲食店情報提供サイトに結果として返す。
【0073】
この場合,検索結果として表示させる飲食店のメニュー情報は,飲食店情報提供サイトに入力された検索条件の言語(第1の検索条件)と同一の言語に対応する情報として表示させると良い。すなわち,「pork」ではなく,「豚肉」の検索条件(第2の検索条件)をメニュー情報に含むとして該当した飲食店のメニュー情報であっても,日本語のメニュー情報を表示させるのではなく,英語のメニュー情報をメニュー情報記憶部21から抽出して表示させることが好ましい。
【0074】
検索処理部24を設けることで,該当するメニューを提供する飲食店を,飲食店情報提供サイトを介して,外国人に情報提供することができる。特に宗教上,信条上の理由により食材等の禁忌や制限がある場合,その規準などを満たしている飲食店を選択することが可能となる。