【文献】
齊藤 敬佑 他,下りリンク非直交多元接続(NOMA)に様々なMIMOプリコーダの組み合わせを考慮した場合のSIC受信,電子情報通信学会技術研究報告,2015年 6月17日,Vol.115,No.113,pp.37-42,RCS2015-52
【文献】
Anxin Li et al.,Investigation on Same and Different Precoder for Downlink NOMA with Closed-loop SU-MIMO,電子情報通信学会2015年通信ソサイエティ大会講演論文集1,2015年 8月25日,p.322,B-5-60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態における通信システムは、基地局装置(送信装置、セル、サービングセル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB)および端末装置(端末、移動端末、受信点、受信端末、受信装置、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、UE)を備える。
【0021】
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
【0022】
図1は、本実施形態に係る通信システムの例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態における通信システムは、基地局装置1A、端末装置2A、2Bを備える。また、カバレッジ1−1は、基地局装置1Aが端末装置と接続可能な範囲(通信エリア)である。また、端末装置2A、2Bを総称して端末装置2とも称する。
【0023】
図1において、端末装置2Aから基地局装置1Aへの上りリンクの無線通信では、以下の上りリンク物理チャネルが用いられる。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PUCCH(Physical Uplink Control Channel)
・PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)
・PRACH(Physical Random Access Channel)
【0024】
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク制御情報は、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するACK(a positive acknowledgement)またはNACK(a negative acknowledgement)(ACK/NACK)を含む。下りリンクデータに対するACK/NACKを、HARQ−ACK、HARQフィードバックとも称する。
【0025】
また、上りリンク制御情報は、下りリンクに対するチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)を含む。また、上りリンク制御情報は、上りリンク共用チャネル(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)のリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(Scheduling Request: SR)を含む。前記チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI(Rank Indicator)、好適なプレコーダを指定するプレコーディング行列指標PMI(Precoding Matrix Indicator)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQI(Channel Quality Indicator)等が該当する。
【0026】
前記チャネル品質指標CQIは(以下、CQI値)、所定の帯域(詳細は後述)における好適な変調方式(例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等)、符号化率(coding rate)とすることができる。CQI値は、前記変更方式や符号化率により定められたインデックス(CQI Index)とすることができる。前記CQI値は、予め当該システムで定めたものをすることができる。
【0027】
なお、前記ランク指標、前記プレコーディング品質指標は、予めシステムで定めたものとすることができる。前記ランク指標や前記プレコーディング行列指標は、空間多重数やプレコーディング行列情報により定められたインデックスとすることができる。なお、前記ランク指標、前記プレコーディング行列指標、前記チャネル品質指標CQIの値をCSI値と総称する。
【0028】
PUSCHは、上りリンクデータ(上りリンクトランスポートブロック、UL-SCH)を送信するために用いられる。また、PUSCHは、上りリンクデータと共に、ACK/NACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられても良い。また、PUSCHは、上りリンク制御情報のみを送信するために用いられても良い。
【0029】
また、PUSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。RRCメッセージは、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層において処理される情報/信号である。また、PUSCHは、MAC CE(Control Element)を送信するために用いられる。ここで、MAC CEは、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層において処理(送信)される情報/信号である。
【0030】
例えば、パワーヘッドルームは、MAC CEに含まれ、PUSCHを経由して報告されても良い。すなわち、MAC CEのフィールドが、パワーヘッドルームのレベルを示すために用いられても良い。
【0031】
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる。
【0032】
また、上りリンクの無線通信では、上りリンク物理信号として上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)が用いられる。上りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。ここで、上りリンク参照信号には、DMRS(Demodulation Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)が含まれる。
【0033】
DMRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連する。例えば、基地局装置1Aは、PUSCHまたはPUCCHの伝搬路補正を行なうためにDMRSを使用する。SRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連しない。例えば、基地局装置1Aは、上りリンクのチャネル状態を測定するためにSRSを使用する。
【0034】
図1において、基地局装置1Aから端末装置2Aへの下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PBCH(Physical Broadcast Channel: 報知チャネル)
・PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel: 制御フォーマット指示チャネル)
・PHICH(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel: HARQ指示チャネル)
・PDCCH(Physical Downlink Control Channel: 下りリンク制御チャネル)
・EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel: 拡張下りリンク制御チャネル)
・PDSCH(Physical Downlink Shared Channel: 下りリンク共有チャネル)
【0035】
PBCHは、端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block: MIB, Broadcast Channel: BCH)を報知するために用いられる。PCFICHは、PDCCHの送信に用いられる領域(例えば、OFDMシンボルの数)を指示する情報を送信するために用いられる。
【0036】
PHICHは、基地局装置1Aが受信した上りリンクデータ(トランスポートブロック、コードワード)に対するACK/NACKを送信するために用いられる。すなわち、PHICHは、上りリンクデータに対するACK/NACKを示すHARQインディケータ(HARQフィードバック)を送信するために用いられる。また、ACK/NACKは、HARQ−ACKとも呼称する。端末装置2Aは、受信したACK/NACKを上位レイヤに通知する。ACK/NACKは、正しく受信されたことを示すACK、正しく受信しなかったことを示すNACK、対応するデータがなかったことを示すDTXである。また、上りリンクデータに対するPHICHが存在しない場合、端末装置2AはACKを上位レイヤに通知する。
【0037】
PDCCHおよびEPDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、複数のDCIフォーマットが定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIフォーマットに定義され、情報ビットへマップされる。
【0038】
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPDSCH(1つの下りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット1Aが定義される。
【0039】
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットには、PDSCHのリソース割当てに関する情報、PDSCHに対するMCS(Modulation and Coding Scheme)に関する情報、PUCCHに対するTPCコマンド等の下りリンク制御情報が含まれる。ここで、下りリンクに対するDCIフォーマットを、下りリンクグラント(または、下りリンクアサインメント)とも称する。
【0040】
また、例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPUSCH(1つの上りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット0が定義される。
【0041】
例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットには、PUSCHのリソース割当てに関する情報、PUSCHに対するMCSに関する情報、PUSCHに対するTPCコマンド等上りリンク制御情報が含まれる。上りリンクに対するDCIフォーマットを、上りリンクグラント(または、上りリンクアサインメント)とも称する。
【0042】
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、下りリンクのチャネル状態情報(CSI: Channel State Information。受信品質情報とも称する。)を要求(CSI request)するために用いることができる。チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI(Rank Indicator)、好適なプリコーダを指定するプリコーディング行列指標PMI(Precoding Matrix Indicator)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQI(Channel Quality Indicator)、プリコーディングタイプ指標PTI(Precoding type Indicator)等が該当する。
【0043】
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
【0044】
例えば、チャネル状態情報報告は、不定期なチャネル状態情報(Aperiodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、不定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。基地局装置は、前記定期的なチャネル状態情報報告または前記不定期的なチャネル状態情報報告のいずれかを設定することができる。また、基地局装置は、前記定期的なチャネル状態情報報告および前記不定期的なチャネル状態情報報告の両方を設定することもできる。
【0045】
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告の種類を示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告の種類は、広帯域CSI(例えば、Wideband CQI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CQI)等がある。
【0046】
端末装置は、下りリンクアサインメントを用いてPDSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPDSCHで下りリンクデータを受信する。また、端末装置は、上りリンクグラントを用いてPUSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPUSCHで上りリンクデータおよび/または上りリンク制御情報を送信する。
【0047】
PDSCHは、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL-SCH)を送信するために用いられる。また、PDSCHは、システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
【0048】
また、PDSCHは、システムインフォメーションメッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションメッセージは、システムインフォメーションブロックタイプ1以外のシステムインフォメーションブロックXを含む。システムインフォメーションメッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
【0049】
また、PDSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。ここで、基地局装置から送信されるRRCメッセージは、セル内における複数の端末装置に対して共通であっても良い。また、基地局装置1Aから送信されるRRCメッセージは、ある端末装置2に対して専用のメッセージ(dedicated signalingとも称する)であっても良い。すなわち、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のメッセージを使用して送信される。また、PDSCHは、MAC CEを送信するために用いられる。
【0050】
ここで、RRCメッセージおよび/またはMAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。
【0051】
また、PDSCHは、下りリンクのチャネル状態情報を要求するために用いることができる。また、PDSCHは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを送信するために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
【0052】
下りリンクのチャネル状態情報報告の種類は広帯域CSI(例えば、Wideband CSI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CSI)がある。広帯域CSIは、セルのシステム帯域に対して1つのチャネル状態情報を算出する。狭帯域CSIは、システム帯域を所定の単位に区分し、その区分に対して1つのチャネル状態情報を算出する。
【0053】
また、下りリンクの無線通信では、下りリンク物理信号として同期信号(Synchronization signal: SS)、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal: DL RS)が用いられる。下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。
【0054】
同期信号は、端末装置が、下りリンクの周波数領域および時間領域の同期を取るために用いられる。また、下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンク物理チャネルの伝搬路補正を行なうために用いられる。例えば、下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられる。
【0055】
ここで、下りリンク参照信号には、CRS(Cell-specific Reference Signal: セル固有参照信号)、PDSCHに関連するURS(UE-specific Reference Signal: 端末固有参照信号、端末装置固有参照信号)、EPDCCHに関連するDMRS(Demodulation Reference Signal)、NZP CSI−RS(Non-Zero Power Chanel State Information - Reference Signal)、ZP CSI−RS(Zero Power Chanel State Information - Reference Signal)が含まれる。
【0056】
CRSは、サブフレームの全帯域で送信され、PBCH/PDCCH/PHICH/PCFICH/PDSCHの復調を行なうために用いられる。PDSCHに関連するURSは、URSが関連するPDSCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信され、URSが関連するPDSCHの復調を行なうために用いられる。
【0057】
EPDCCHに関連するDMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。DMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの復調を行なうために用いられる。
【0058】
NZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。例えば、端末装置2Aは、NZP CSI−RSを用いて信号の測定(チャネルの測定)を行なう。ZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。基地局装置1Aは、ZP CSI−RSをゼロ出力で送信する。例えば、端末装置2Aは、NZP CSI−RSが対応するリソースにおいて干渉の測定を行なう。
【0059】
MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network) RSは、PMCHの送信に用いられるサブフレームの全帯域で送信される。MBSFN RSは、PMCHの復調を行なうために用いられる。PMCHは、MBSFN RSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。
【0060】
ここで、下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号とも称する。また、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号とも称する。また、下りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルとも称する。また、下りリンク物理信号および上りリンク物理信号を総称して、物理信号とも称する。
【0061】
また、BCH、UL−SCHおよびDL−SCHは、トランスポートチャネルである。MAC層で用いられるチャネルを、トランスポートチャネルと称する。また、MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(Transport Block: TB)、または、MAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliverする)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理等が行なわれる。
【0062】
基地局装置は、時間、周波数および空間(例えば、アンテナポート、ビームパターン、プリコーディングパターン)でリソースを分割することなく複数の端末装置を多重することができる。時間/周波数/空間でリソースを分割することなく複数の端末装置を多重することを、以下では非直交多重、マルチユーザ重畳送信(MUST: Multiuser Superposition Transmission)とも称する。以下では、2つの端末装置を非直交多重する場合を説明するが、本発明の一態様はこれに限らず、3つ以上の端末装置を非直交多重することも可能である。
【0063】
基地局装置は非直交多重する複数の端末装置に対して、共通の端末装置固有参照信号を送信することができる。つまり、基地局装置は、複数の端末装置に対して、時間/周波数/空間で同じリソース、同じ参照信号系列を用いて参照信号を送信することができる。また、基地局装置は、所定の送信モードの場合に、MUSTによる送信をすることができる。また、基地局装置は、所定の送信モードの場合に、MUSTによる送信をしないとすることができる。言い換えると、端末装置は、設定された送信モードによって、MUSTによる送信か否かを判断することができる。
【0064】
図1の基地局装置1Aが、端末装置2Aと端末装置2Bを非直交多重する場合を例に説明する。特に断りがない限り、端末装置2Aの方が端末装置2Bと比べて、基地局装置1Aに近いまたは受信品質が良いとする。また、以下の説明では、端末装置2Aに対するPDSCHをPDSCH1(第1のPDSCH)、端末装置2Bに対するPDSCH(第2のPDSCH)とも称する。
【0065】
基地局装置1Aが端末装置2A、2Bを非直交多重して送信する場合、いくつか送信方法がある。例えば、基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bに対して、同じコンスタレーションのQPSK/16QAM/64QAM/256QAMのマッピングを用いて重畳送信することができる。この場合、端末装置2A、2Bを合成したコンスタレーションは非グレイ符号のコンスタレーションとなる。またこの場合、基地局装置1Aは端末装置2A、2Bに対して様々な比率の電力を割当てても良い。また、例えば、基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bを合成したコンスタレーションがグレイ符号のコンスタレーションになるように、端末装置2A、2Bに対して異なるコンスタレーションを用いて重畳送信することができる。またこの場合、基地局装置1Aは端末装置2A、2Bに対して様々な比率の電力を割当てても良い。また、例えば、基地局装置1Aは、端末装置2A、2B宛ての送信ビット列を既存のQPSK/16QAM/64QAM/256QAMのコンスタレーションとなるようにマッピングして重畳送信することができる。またこの場合、基地局装置1Aはマッピングするコンスタレーションに従って端末装置2A、2Bの電力を割当てることができる。
【0066】
基地局装置が複数の端末装置宛ての信号を非直交多重して送信した場合、PDSCH1とPDSCH2は互いに干渉となる。この場合、少なくとも端末装置2Aは、強い干渉信号を受信するため、干渉信号のハンドリング、除去または抑圧をする必要がある。このような干渉信号をマルチユーザ干渉、ユーザ間干渉、マルチユーザ伝送による干渉、同一チャネル干渉等と言う。干渉信号を除去または抑圧するためには、例えば、干渉信号の復調または復号結果から求められる干渉信号レプリカ信号を受信信号から減算する。干渉信号を除去または抑圧するためには、干渉信号の復調結果によって干渉除去を行なうSLIC(Symbol Level Interference Cancellation)、干渉信号の復号結果によって干渉除去を行なうCWIC(Codeword Level Interference Cancellation)、送信信号候補の中から最もそれらしいものを探索する最尤検出(MLD: Maximum Likelihood Detection)、干渉信号を線形演算によって抑圧するEMMSE−IRC(Enhanced Minimum Mean Square Error-Interference Rejection Combining)等がある。
【0067】
端末装置2Aは、干渉信号の除去または抑圧に必要なパラメータを、基地局装置から受信もしくはブラインド検出によって検出することができる。端末装置2Bは、必ずしも干渉信号の除去または抑圧は必要としない。端末装置2Bが干渉キャンセルしない場合、干渉信号電力は比較的小さいため、端末装置2Bは、干渉信号に関するパラメータを知らなくても、自装置宛ての信号を復調することができる。つまり、基地局装置1Aが端末装置2Aおよび2Bを非直交多重する場合、端末装置2Aは、非直交多重による干渉信号を除去または抑圧する機能を備える必要があるが、端末装置2Bは干渉除去または抑圧する機能を備えなくても良い。言い換えると、基地局装置1Aは、非直交多重をサポートしている端末装置と非直交多重をサポートしていない端末装置を非直交多重することができる。また、別の言い方では、基地局装置1Aは、異なる送信モードが設定されている端末装置を非直交多重することができる。従って、各端末装置の通信機会を向上させることができる。
【0068】
基地局装置1Aは、干渉となる端末装置(この例では端末装置2B)に関する情報(アシスト情報、補助情報、制御情報、設定情報)を、端末装置2Aに対して送信する。基地局装置1Aは、上位層の信号または物理層の信号(制御信号、PDCCH、EPDCCH)で、干渉となる端末装置に関する情報(MUSTアシスト情報、MUST情報)を送信することができる。
【0069】
MUSTアシスト情報には、PAに関する情報、送信モード、端末固有参照信号の送信電力に関する情報、PMI、サービングセルのPAに関する情報、サービングセルの端末固有参照信号の送信電力に関する情報、変調方式、MCS(Modulation and Coding Scheme)、リダンダンシーバージョン、C(Cell)−RNTI(Radio Network Temporary Identifier)、SPS(Semi-Persistent Scheduling) C−RNTI、MUST−RNTIの一部または全部が含まれる。なお、PAは、CRSが配置されていないOFDMシンボルにおけるPDSCHとCRSの送信電力比(電力オフセット)に基づく情報である。
【0070】
また、送信モードに関する情報は、干渉信号の送信モードや基地局装置1Aが設定できる(設定する可能性のある)送信モードの候補等、端末装置2Aが干渉信号の送信モードを知る(検出する)ためのアシスト情報である。
【0071】
また、上記のMUSTアシスト情報に含まれるパラメータの各々は、1つの値(候補、リスト)が設定されても良いし、複数の値(候補、リスト)が設定されても良い。複数の値が設定された場合は、端末装置は、そのパラメータについては、複数の値から干渉信号に設定されているパラメータを検出(ブラインド検出)する。また、上記のMUSTアシスト情報に含まれるパラメータの一部または全部は、上位層の信号で送信される。また、上記のMUSTアシスト情報に含まれるパラメータの一部または全部は、物理層の信号で送信される。
【0072】
また、MUSTアシスト情報は、様々な測定を行なうときに用いられても良い。測定は、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定を含む。
【0073】
また、端末装置2Aが複数のコンポーネントキャリア(CC: Component Carrier)を合わせて広帯域伝送を行なうキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation: CA)をサポートしている場合、基地局装置1Aはプライマリセル(Primary Cell: PCell)および/またはセカンダリセル(Secondary Cell: SCell)に対するMUSTアシスト情報を設定することができる。また、基地局装置1Aは、MUSTアシスト情報をPCellのみに対して設定または送信することもできる。
【0074】
端末装置2Aは、上位層の信号および/または物理層の信号で、MUSTアシスト情報を受信し、MUSTアシスト情報に基づいて、干渉信号を除去または抑圧するためのパラメータを検出(特定)し、前記パラメータを用いて干渉信号を除去または抑圧する。なお、端末装置2Aは、MUST情報に含まれていないパラメータについて、パラメータの候補を順に検出を試みるブラインド検出によって、検出することができる。
【0075】
基地局装置1AはMUSTに対応する変調方式(またはMCS)の組合せを制限することができる。例えば、基地局装置1Aは、端末装置2Bの変調方式を端末装置2Aと同じか小さい変調方式とすることができる。例えば、基地局装置1Aは、端末装置2Aの変調方式が16QAMの場合、端末装置2Bの変調方式を16QAM/QPSKとすることができる。このようにすると、基地局装置1Aが端末装置2Aに端末装置2Bの変調方式を送信する場合、端末装置2Aは、自身の変調方式から端末装置2Bの変調方式を知ることができたり、端末装置2Bの変調方式の候補を削減したりすることができる。また、基地局装置1Aは、端末装置2A、2BをMUSTで多重する場合、端末装置2Bの変調方式をQPSKで固定することもできる。この場合、基地局装置1Aは端末装置2Aに端末装置2Bの変調方式を知らせる必要はないため、制御情報量を削減できる。
【0076】
基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bの変調方式の組合せによって、電力割当てを設定することができる。例えば、基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bの変調方式の組合せに関連する、異なる電力割当て(電力比、電力オフセット)のリスト(候補、セット)から端末装置2A、2Bの電力割当て(電力比、電力オフセット)を選択することができる。電力割当てリストに含まれる電力割当ての候補の数は、1つまたは複数である。例えば、各変調方式の組合せに関連する電力割当てのリストは、組合せによって電力割当てリストに含まれる電力比の数が異なる。また、例えば、各変調方式の組合せに関連する電力割当てのリストは、それぞれの組合せにおいて、電力割当てリストに含まれる電力比の値が一部または全部異なる。基地局装置1Aは、電力割当てリストのインデックスを上位層の信号または物理層の信号で端末装置2Aに送信することができる。端末装置2Aは、MUSTが適用されている端末装置の変調方式の組合せ(もしくは、自身の変調方式または端末装置2Bの変調方式)によって電力割当てのリストを特定し、基地局装置1Aから受信した電力割当てリストのインデックスによって、電力割当てを知ることができる。また、基地局装置1Aは、端末装置2Aに電力割当てを知らせることができる。このとき、端末装置2Aは、基地局装置1Aから受信した電力割当てによって、端末装置2Bの変調方式を知る(特定)することができる。なお、端末装置2Bの変調方式が、例えばQPSKに固定されている場合、端末装置2Aは自身の変調方式が分かれば、変調方式の組合せが分かる。この場合、基地局装置1Aは、変調式の組合せではなく、変調方式毎に電力割当ての設定をすることができる。
【0077】
また、端末装置2Aは、端末装置2Bの変調方式よりも小さい多値数の変調方式またはMCSの場合、端末装置2Aは、MUSTによって送信されていないと想定して復調することができる。つまり、この場合、端末装置2Aは干渉キャンセルを行なわない。また、端末装置2Aは、下りリンク制御情報に含まれるMCSがある特定の値を示す場合、例えば最も低いMCSを示す場合、MUSTによって送信されていないと想定して復調することができる。
【0078】
基地局装置1Aは、端末装置2A、2BをMUSTで多重する際に、各端末装置に同じプリコーディングまたは異なるプリコーディングをすることができる。この場合、基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bに対して同じプリコーディングする場合と異なるプリコーディングする場合で、異なる電力割当てリストを用いることができる。例えば、同じプリコーディングの場合の電力割当てリストと異なるプリコーディングの場合の電力割当てリストは、一部または全部の値が異なる。また、例えば、同じプリコーディングの場合の電力割当てリストと異なるプリコーディングの場合の電力割当てリストは、値の範囲が異なる。例えば、端末装置2Aに割当てる電力P1と端末装置2Bに割当てる電力の組合せを(P1、P2)で表すとする。同じプリコーディングの電力割当てリストが、[(0.1、0.9)、(0.2、0.8)、(0.3、0.7)、(0.4、0.6)]だったとすると、異なるプリコーディングの電力割当てリストは、[(0.05、0.95)、(0.1、0.9)、(0.15、0.85)、(0.2、0.8)]のように、値の範囲を変更することができる。また、同じプリコーディングと異なるプリコーディングの場合の電力割当てリストに含まれる電力比の数が同じ場合、上記の数値例で示したように、異なる粒度の電力比を設定することができる。
【0079】
また基地局装置1Aは、異なるプリコーディングの場合は、電力割当てを固定とすることができる。例えば、基地局装置1Aは、電力割当てを(0.5、0.5)とすることができる。このとき端末装置2Aは、異なるプリコーディングでMUSTされていると判断した場合、特定の電力比(例えば(0.5、0.5))を用いて、復調することができる。また基地局装置1Aは、端末装置2Aに同じプリコーディングなのか、異なるプリコーディングなのかを示す情報を上位層の信号または物理層の信号で送信することができる。同じプリコーディングなのか、異なるプリコーディングなのかを示す情報は、例えば、同じ/異なるプリコーディングを示す1ビットを送信することもできるし、干渉信号のプリコーディング行列を示す情報(例えば、PMI)を送信することもできる。また、上記特定の電力比は、端末装置2Aと端末装置2Bで使用されるプリコーディングの組合せに応じて選択されても良い。
【0080】
基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bに対してMUSTで多重する場合、同じプリコーディングの場合は同じアンテナポートを用い、異なるプリコーディングの場合は異なるアンテナポートおよび/または異なるスクランブリングアイデンティティとすることができる。このとき端末装置2Aは、基地局装置1Aからのシグナリング等で端末装置2Bが割当てられているアンテナポートを知る(特定する)ことによって、同じプリコーディングか否かを判断することができる。また、端末装置2Aは、同じプリコーディングか異なるプリコーディングかによって、受信処理を変えることができる。例えば、端末装置2Aは、同じプリコーディングと判断した場合はSLICやCWICやMLDのような非線形検出を行ない、異なるプリコーディングの場合はEMMSE−IRCのような線形検出を行なうことができる。
【0081】
基地局装置1Aは、端末装置2Aに対して、レイヤ数、アンテナポート番号、スクランブリングアイデンティティを送信することができる。
図2、
図3、
図4はアンテナポート、スクランブリングアイデンティティ、レイヤ数を示すテーブルの例であり、この例では3ビットの値(value)でアンテナポート、スクランブリングアイデンティティ、レイヤ数を示すことができる。基地局装置1Aは、アンテナポート7/8でマルチユーザ多重する場合およびSU(Single User)−MIMOの場合に
図2のテーブルを用いることができる。また基地局装置1Aは、アンテナポート7/8/11/13でマルチユーザ多重する場合に
図3のテーブルを用いることができる。また基地局装置1Aは、アンテナポート7/8/11/13でマルチユーザ多重する場合またはSU−MIMOの場合に
図4のテーブルを用いることができる。基地局装置1Aは、
図2、
図3、
図4のテーブルを選択して用いることができる。例えば、基地局装置1Aは、アンテナポート7/8を用いてMUSTする場合、
図2に示すテーブルを用いることができる。また基地局装置1Aは、アンテナポート7/8/11/13を用いてMUSTする場合、
図3、
図4に示すテーブルを用いることができる。また基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bに対して同じプリコーディングでMUSTする場合、
図2に示すテーブルを用いることができる。また基地局装置1Aは、端末装置2A、2Bに対して異なるプリコーディングでMUSTする場合、
図3または
図4に示すテーブルを用いることができる。このとき、端末装置2Aは、プリコーディングが同じか異なるかによって、参照するテーブルを変えることができる。また、基地局装置1Aは、端末装置2A、2BをMUSTする場合、端末装置2Aには
図3または
図4に示すテーブルによってアンテナポート、スクランブリングアイデンティティ、レイヤ数を指示し、端末装置2Bには
図2に示すテーブルによってアンテナポート、スクランブリングアイデンティティ、レイヤ数を指示することができる。この時、基地局装置1Aは、
図2、
図3、
図4のいずれかのテーブルを参照するかは端末装置2Aのみに通知し、端末装置2Bは
図2に示すテーブルのみを参照するように通知しても良い。また、基地局装置1Aが端末装置2Aに
図2、
図3、
図4のいずれかのテーブルを使用するかを、上位層の信号でMUSTの設定(コンフィグレーション)が行なわれているかによって通知しても良いし、設定されている送信モードと関連付けられても良い。例えば、MUSTの設定が行なわれているとは、MUST情報、干渉情報、電力比等MUSTに関連するパラメータが設定されていることを指すことができる。例えば、MUSTの設定がされていない場合は端末装置2Aが
図2のテーブルを使用し、MUSTの設定がされている場合は端末装置2Aが
図3または
図4のテーブルを使うことができる。また、端末装置2Aは、設定されている送信モードによって
図3または
図4のテーブルを切り替えることができる。また、他の情報と関連付けることも可能であり、MCSインデックスが一定値以上の場合に、
図3のテーブルを使用することができる。また、NDI(New Data Indicator)やRV(Redundancy Version)と関連付けられて、
図3または
図4のテーブルを切り替えることができる。NDI、RVは下りリンク制御情報に含まれる。
【0082】
基地局装置1Aは、端末装置2Aに対して、不定期なCSIを要求するモードを設定することができる。端末装置2Aは、設定されたモードに従って、基地局装置1AにCSIを報告する。
【0083】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第1のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第1のモードが設定された場合に、サブバンドPMIとワイドバンドCQIを報告する。端末装置2Aは、サブバンド毎に、そのサブバンドでの伝送を想定してコードブックサブセットから好適なプリコーディング行列を選択する。ワイドバンドCQIは選択されたサブバンド毎のプリコーディング行列およびシステム帯域での伝送を想定して、算出される。また、端末装置はサブバンド毎に選択されたPMI(サブバンドPMI)を送信する。ただし送信モード9/10で8 CSI-RSポートが設定された場合、もしくは、送信モード8/9/10で4Txの場合に別のコードブックが利用可能な設定(alternativeCodeBookEnabledFor4TX=TRUE)の場合、サブバンドPMIとしてサブバンド毎の第1のPMIおよび第2のPMIを報告する。また、送信モード4/8/9/10では、報告されたRIに基づいてPMIおよびCQI値を計算される。RIを報告しない送信モードの場合、ランクは1という条件でPMIとCQIを計算する。
【0084】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第2のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第2のモードが設定された場合に、第1のモードで報告するCSIに加え、ワイドバンドPMIとワイドバンドPMIの使用およびシステム帯域の伝送を想定して計算されるCQIを報告する。また、第1のモードと第2のモードは同一のモードとして設定され、ワイドバンドPMIを送信するか否かを上位層で基地局装置1Aが端末装置2Aに通知(指示)して区別することができる。
【0085】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第3のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第3のモードが設定された場合に、端末装置2Aが選択するM個のサブバンドにおける好適なPMI/CQI、ワイドバンドPMI/CQIを報告する。ただし、送信モード9/10で8 CSI-RSポートが設定された場合、もしくは、送信モード8/9/10で4Txの場合に別のコードブックが利用可能な設定(alternativeCodeBookEnabledFor4TX=TRUE)の場合、システム帯域の伝送を想定した第1のPMIおよび第2のPMI、選択されたM個のサブバンドに対する第2のPMIを報告する。
【0086】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第4のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第4のモードが設定された場合に、第3のモードで報告するCSIに加え、M個のサブバンドにおいて2番目に好適なPMIおよび/または2番目に好適なワイドバンドPMIを報告する。また、端末装置2Aは、さらに、M個のサブバンドにおいて2番目に好適なPMIに基づくCQI、2番目に好適なワイドバンドPMIに基づくCQIも報告することができる。ただし、送信モード9/10で8 CSI-RSポートが設定された場合、もしくは、送信モード8/9/10で4Txの場合に別のコードブックが利用可能な設定(alternativeCodeBookEnabledFor4TX=TRUE)の場合、端末装置2Aは、システム帯域の伝送を想定した2番目に好適な第1のPMIおよび第2のPMI、M個のサブバンドにおいて2番目に好適な第2のPMIを報告することができる。また、端末装置2Aは、不定期なCSIを要求する第4のモードが設定された場合に、第3のモードが設定された場合と比べて、サブバンドサイズを増やすことができる。つまり、端末装置2Aは、第3のモードに比べて第4のモードでは、小さいMの値を用いてCSIを算出および報告することができる。このようにすると、CSIを報告に必要な情報量を削減できる。また、端末装置2Aは、最も好適なPMIを求める場合のサブバンド数とは異なるサブバンド数で2番目に好適なPMIを求めることができる。例えば、最も好適なPMIを求める場合のサブバンド数をMとすると、端末装置2Aは、Mより小さい値を用いて2番目に好適なPMIを求めることができる。また、第3のモードと第4のモードは、同一のモードとして設定され、2番目に好適なPMIを送信する否かを上位層で基地局装置1Aが端末装置2Aに通知(指示)して区別することができる。
【0087】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第5のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第5のモードが設定された場合に、サブバンドCQI、ワイドバンドCQI、ワイドバンドPMIを報告する。ただし、送信モード9/10で8 CSI-RSポートが設定された場合、もしくは、送信モード8/9/10で4Txの場合に別のコードブックが利用可能な設定(alternativeCodeBookEnabledFor4TX=TRUE)の場合、システム帯域における伝送を想定してコードブックサブセットから選択された1つのプリコーディング行列に対応する第1のPMIおよび第2のPMIが報告される。
【0088】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第6のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第6のモードが設定された場合に、第5のモードで報告するCSIに加え、2番目に好適なワイドバンドPMIおよび2番目に好適なワイドバンドPMIに基づいたCQIを報告することができる。また、第5のモードと第6のモードは同一のモードとして設定され、2番目に好適なPMIを送信する否かを上位層で基地局装置1Aが端末装置2Aに通知(指示)して区別することができる。
【0089】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第7のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第7のモードが設定された場合に、ワイドバンドCQI、サブバンドCQI、サブバンドPMIを報告する。ただし、送信モード9/10で8 CSI-RSポートが設定された場合、もしくは、送信モード8/9/10で4Txの場合に別のコードブックが利用可能な設定(alternativeCodeBookEnabledFor4TX=TRUE)の場合、端末装置2Aは、PMIとして、ワイドバンドな第1のPMIとサブバンドの第2のPMIを報告する。
【0090】
基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第8のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第8のモードが設定された場合に、第7のモードで報告するCSIに加え、各サブバンドで2番目に好適なPMIおよび各サブバンドで2番目に好適なPMIに基づいたワイドバンドCQIおよび/またはサブバンドCQIを報告することができる。ただし、送信モード9/10で8 CSI-RSポートが設定された場合、もしくは、送信モード8/9/10で4Txの場合に別のコードブックが利用可能な設定(alternativeCodeBookEnabledFor4TX=TRUE)の場合、2番目に好適なワイドバンドな第1のPMIと2番目に好適なサブバンドの第2のPMIを報告する。また、端末装置2Aは、基地局装置1Aから不定期なCSIを要求する第8のモードが設定された場合、第7のモードと比較して、サブバンドサイズを増やし、サブバンド数を減らすことができる。このようにすると、CSIを報告に必要な情報量を削減できる。また、第7のモードと第8のモードは同一のモードとして設定され、2番目に好適なPMIを送信する否かを上位層で基地局装置1Aが端末装置2Aに通知(指示)して区別することができる。
【0091】
基地局装置1Aは、端末装置2Aに対して、定期的なCSIを要求するモードを設定することができる。定期的なCSIを要求するモードの場合、端末装置2Aは、RIおよび/またはワイドバンドCQI/PMIおよび/またはサブバンドCQI/PMIを定期的に報告する。報告周期は、RI、ワイドバンドCQI/PMI、サブバンドCQI/PMIの順に長くなる。端末装置2Aは、設定されたCSIモードに従って、基地局装置1Aに定期的にCSIを報告する。また、端末装置2Aは、上記に加え、2番目に好適なワイドバンドCQI/PMI、2番目に好適なサブバンドCQI/PMIを定期的に報告することができる。端末装置2Aは、2番目に好適なCQI/PMIを、最も好適なCQI/PMIを報告した後に報告することができる。また、端末装置2Aは、最も好適なCQI/PMIの報告周期と2番目に好適なCQI/PMIの報告周期を変えることができる。例えば、端末装置2Aは、2番目に好適なCQI/PMIを、最も好適なCQI/PMIよりも長い報告周期で報告することができる。
【0092】
基地局装置1Aから定期的にCSIを要求する第1のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから設定された定期的なCSIを要求する第1のモードに従って、定期的にCSIを報告する。RIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、1つのRIを報告する。RIおよび第1のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、ジョイント符号化されたRIと第1のPMIを報告する。CQI/PMIが報告されるサブフレームにおいて、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドCQIおよび第2のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドの第2のPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドCQIおよび第1のPMIおよび第2のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドの第1のPMIおよび第2のPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。
【0093】
基地局装置1Aから定期的にCSIを要求する第2のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから設定された定期的なCSIを要求する第2のモードに従って、定期的にCSIを報告することができる。RIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、1つのRIを報告する。RIおよび第1のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、ジョイント符号化されたRIと第1のPMIを報告する。CQI/PMIが報告されるサブフレームにおいて、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドCQIおよび第2のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドの第2のPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドCQIおよび第1のPMIおよび第2のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドの第1のPMIおよび第2のPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。RIおよび2番目に好適な第1のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、ジョイント符号化されたRIと2番目に好適な第1のPMIを報告する。CQI/2番目に好適なPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、2番目に好適なワイドバンドPMIおよび2番目に好適なワイドバンドプリコーディング行列に基づいて算出されるCQIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドCQIおよび2番目に好適な第2のPMIが報告されるサブフレームで、端末装置2Aは、2番目に好適なワイドバンドの第2のPMI、2番目に好適なワイドバンドの第2のPMIおよび最近報告した第1のPMIに基づくワイドバンドCQIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。
【0094】
基地局装置1Aから定期的にCSIを要求する第3のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから設定された定期的なCSIを要求する第3のモードに従って、定期的にCSIを報告することができる。RIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、1つのRI、または、1つのRIおよびPTIを報告する。ワイドバンドCQI/PMIを報告するサブフレームで、ワイドバンドCQI、ワイドバンドPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドの第1のPMIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドの第1のPMIを逐次的に報告する。ワイドバンドCQI/第2のPMIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドの第2のPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。選択されたサブバンドに対するCQIを報告するサブフレームで、バンド幅パート毎のサブバンドCQIを逐次的に報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。選択されたサブバンドに対するサブバンドCQI/第2のPMIを報告するサブフレームで、バンド幅パート毎のサブバンドCQIおよびサブバンドの第2のPMIを逐次的に報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。
【0095】
基地局装置1Aから定期的にCSIを要求する第4のモードを端末装置2Aに設定することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aから設定された定期的なCSIを要求する第4のモードに従って、定期的にCSIを報告することができる。RIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、1つのRI、または、1つのRIおよびPTIを報告する。ワイドバンドCQI/PMIを報告するサブフレームで、ワイドバンドCQI、ワイドバンドPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドの第1のPMIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドの第1のPMIを逐次的に報告する。ワイドバンドCQI/第2のPMIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、ワイドバンドCQI、ワイドバンドの第2のPMIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。選択されたサブバンドに対するCQIを報告するサブフレームで、バンド幅パート毎のサブバンドCQIを逐次的に報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。選択されたサブバンドに対するサブバンドCQI/第2のPMIを報告するサブフレームで、バンド幅パート毎のサブバンドCQIおよびサブバンドの第2のPMIを逐次的に報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。ワイドバンドCQI/2番目に好適なPMIを報告するサブフレームで、2番目に好適なワイドバンドPMI、2番目に好適なワイドバンドPMIに基づくワイドバンドCQIを報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。2番目に好適なワイドバンドの第1のPMIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、2番目に好適なワイドバンドの第1のPMIを報告する。ワイドバンドCQI/2番目に好適な第2のPMIを報告するサブフレームで、端末装置2Aは、2番目好適な第2のPMI、2番目に好適な第2のPMIおよび最近報告された2番目に好適な第1のPMIに基づいて算出されるワイドバンドCQIを報告する。選択されたサブバンドに対するサブバンドCQI/2番目に好適な第2のPMIを報告するサブフレームで、2番目に好適なサブバンドの第2のPMI、2番目に好適なサブバンドの第2のPMIおよび最近報告された2番目に好適な第1のPMIに基づいて算出されるサブバンドCQIを逐次的に報告する。RI>1の場合、端末装置2Aは、追加で3ビットのワイドバンドの空間的な差分CQIを報告する。
【0096】
2番目に好適なPMI/第1のPMI/第2のPMIを含む報告と、2番目に好適なPMI/第1のPMI/第2のPMIを含まない報告が衝突した場合、端末装置2Aは、2番目に好適なPMI/第1のPMI/第2のPMIを含まない報告を優先して報告することができる。
【0097】
基地局装置1Aは、2番目に好適なPMIの報告を要求するか否かを示す情報を端末装置2Aに送信することができる。このとき端末装置2Aは、基地局装置1Aから2番目に好適なPMIの報告を要求することを示す情報を受信したと判断した場合、2番目に好適なPMIを含んだCSIを報告することができる。また、端末装置2Aは、受信した制御情報から、基地局装置1Aから2番目に好適なPMIの報告を要求されていると判断した場合、2番目に好適なPMIを不定期のCSI報告で報告することができる。また、基地局装置1Aは、2番目に好適なPMIの報告を要求するか否かを示す情報をCC毎に設定することができる。このとき端末装置2Aは、受信した制御情報に従って、CC毎に2番目に好適なPMIの報告することができる。また、基地局装置1Aは、2番目に好適なPMIの報告を要求するか否かを示す情報を複数のCCで共通の設定とすることができる。このとき端末装置2Aは、あるCCで受信した制御情報に従って、複数のCCに対して2番目に好適なPMIを報告することができる。
【0098】
基地局装置1Aは、端末装置2A、2BをMUSTで送信する場合、端末装置2Aに割当てるMCSのパターンを減らすことができる。MCSパターンは、MCSインデックスを等間隔に間引くこともできるし、端末装置がCQIの報告に用いるCQIテーブルと同様にすることもできるし、MCSインデックスの大きいもの、例えば64QAM/256QAMに対応する一部または全部のMCSを削除することができる。基地局装置1Aは、パターンを減らしたMCSのビット数を減らして端末装置2Aに送信することができる。例えば、MCSのビット数は5ビットから4ビットに減らすことができる。また基地局装置1Aは、パターンを減らしたMCSに自身のMCSとは異なる情報を付加することができる。例えば、付加する情報は、端末装置2Aと端末装置2Bの電力比、端末装置2BのPMI、端末装置2BのMCS、端末装置2Bの変調方式の一部または全部である。MCSのビット数を1ビット減らした場合、例えば、減らした1ビットは端末装置2A、2Bの電力比を示す情報とすることができる。このとき端末装置2Aは、基地局装置1Aから受信した5ビットのMCSから自身のMCSおよび電力比を知ることができる。このようにすると、基地局装置1Aは、ビット数を増やさずに新たな情報を送信することができるようになる。
【0099】
図5は、本実施形態における基地局装置1Aの構成を示す概略ブロック図である。
図5に示すように、基地局装置1Aは、上位層処理部(上位層処理ステップ)101、制御部(制御ステップ)102、送信部(送信ステップ)103、受信部(受信ステップ)104と送受信アンテナ105を含んで構成される。また、上位層処理部101は、無線リソース制御部(無線リソース制御ステップ)1011、スケジューリング部(スケジューリングステップ)1012を含んで構成される。また、送信部103は、符号化部(符号化ステップ)1031、変調部(変調ステップ)1032、下りリンク参照信号生成部(下りリンク参照信号生成ステップ)1033、多重部(多重ステップ)1034、無線送信部(無線送信ステップ)1035を含んで構成される。また、受信部104は、無線受信部(無線受信ステップ)1041、多重分離部(多重分離ステップ)1042、復調部(復調ステップ)1043、復号部(復号ステップ)1044を含んで構成される。
【0100】
上位層処理部101は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。また、上位層処理部101は、送信部103および受信部104の制御を行なうために必要な情報を生成し、制御部102に出力する。
【0101】
上位層処理部101は、端末装置の機能(UE capability)等、端末装置に関する情報を端末装置から受信する。言い換えると、端末装置は、自身の機能を基地局装置に上位層の信号で送信する。
【0102】
なお、以下の説明において、端末装置に関する情報は、その端末装置が所定の機能をサポートするかどうかを示す情報、または、その端末装置が所定の機能に対する導入およびテストの完了を示す情報を含む。なお、以下の説明において、所定の機能をサポートするかどうかは、所定の機能に対する導入およびテストを完了しているかどうかを含む。
【0103】
例えば、端末装置が所定の機能をサポートする場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。端末装置が所定の機能をサポートしない場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しない。すなわち、その所定の機能をサポートするかどうかは、その所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信するかどうかによって通知される。なお、所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)は、1または0の1ビットを用いて通知しても良い。
【0104】
また、例えば、MUSTに対応する機能が複数ある場合、端末装置は、機能毎にサポートするかどうかを示す情報を送信することができる。例えば、MUSTに対応する機能とは、マルチユーザ干渉(PDSCHの干渉)を除去または抑圧できる能力、アンテナポート、スクランブリングアイデンティティおよびレイヤ数を示す複数のテーブルに対応している能力、所定数のアンテナポート数に対応している能力、キャリアアグリゲーションのCC数やリソースブロック数に対応している能力、所定の送信モードに対応している能力の一部または全部である。
【0105】
無線リソース制御部1011は、下りリンクのPDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ、MAC CE等を生成、または上位ノードから取得する。無線リソース制御部1011は、下りリンクデータを送信部103に出力し、他の情報を制御部102に出力する。また、無線リソース制御部1011は、端末装置の各種設定情報の管理をする。
【0106】
スケジューリング部1012は、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)を割当てる周波数およびサブフレーム、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)の符号化率および変調方式(あるいはMCS)および送信電力等を決定する。スケジューリング部1012は、決定した情報を制御部102に出力する。
【0107】
スケジューリング部1012は、スケジューリング結果に基づき、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)のスケジューリングに用いられる情報を生成する。スケジューリング部1012は、生成した情報を制御部102に出力する。
【0108】
制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、送信部103および受信部104の制御を行なう制御信号を生成する。制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、下りリンク制御情報を生成し、送信部103に出力する。
【0109】
送信部103は、制御部102から入力された制御信号に従って、下りリンク参照信号を生成し、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および、下りリンクデータを、符号化および変調し、PHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ105を介して端末装置2に信号を送信する。
【0110】
符号化部1031は、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の予め定められた符号化方式を用いて符号化を行なう、または無線リソース制御部1011が決定した符号化方式を用いて符号化を行なう。変調部1032は、符号化部1031から入力された符号化ビットをBPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(quadrature amplitude modulation)、64QAM、256QAM等の予め定められた、または無線リソース制御部1011が決定した変調方式で変調する。
【0111】
下りリンク参照信号生成部1033は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(PCI、セルID)等を基に予め定められた規則で求まる、端末装置2Aが既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。
【0112】
多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とを多重する。つまり、多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とをリソースエレメントに配置する。
【0113】
無線送信部1035は、多重された変調シンボル等を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)してOFDMシンボルを生成し、OFDMシンボルにサイクリックプレフィックス(cyclic prefix: CP)を付加してベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、フィルタリングにより余分な周波数成分を除去し、搬送周波数にアップコンバートし、電力増幅し、送受信アンテナ105に出力して送信する。
【0114】
受信部104は、制御部102から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ105を介して端末装置2Aから受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部101に出力する。
【0115】
無線受信部1041は、送受信アンテナ105を介して受信された上りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
【0116】
無線受信部1041は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去する。無線受信部1041は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行ない、周波数領域の信号を抽出し多重分離部1042に出力する。
【0117】
多重分離部1042は、無線受信部1041から入力された信号をPUCCH、PUSCH、上りリンク参照信号等の信号に分離する。なお、この分離は、予め基地局装置1Aが無線リソース制御部1011で決定し、各端末装置2に通知した上りリンクグラントに含まれる無線リソースの割当て情報に基づいて行なわれる。
【0118】
また、多重分離部1042は、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部1042は、上りリンク参照信号を分離する。
【0119】
復調部1043は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform: IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の予め定められた、または自装置が端末装置2各々に上りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。
【0120】
復号部1044は、復調されたPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、または自装置が端末装置2に上りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号を行ない、復号した上りリンクデータと、上りリンク制御情報を上位層処理部101へ出力する。PUSCHが再送信の場合は、復号部1044は、上位層処理部101から入力されるHARQバッファに保持している符号化ビットと、復調された符号化ビットを用いて復号を行なう。
【0121】
図6は、本実施形態における端末装置2の構成を示す概略ブロック図である。
図6に示すように、端末装置2Aは、上位層処理部(上位層処理ステップ)201、制御部(制御ステップ)202、送信部(送信ステップ)203、受信部(受信ステップ)204、チャネル状態情報生成部(チャネル状態情報生成ステップ)205と送受信アンテナ206を含んで構成される。また、上位層処理部201は、無線リソース制御部(無線リソース制御ステップ)2011、スケジューリング情報解釈部(スケジューリング情報解釈ステップ)2012を含んで構成される。また、送信部203は、符号化部(符号化ステップ)2031、変調部(変調ステップ)2032、上りリンク参照信号生成部(上りリンク参照信号生成ステップ)2033、多重部(多重ステップ)2034、無線送信部(無線送信ステップ)2035を含んで構成される。また、受信部204は、無線受信部(無線受信ステップ)2041、多重分離部(多重分離ステップ)2042、信号検出部(信号検出ステップ)2043を含んで構成される。
【0122】
上位層処理部201は、ユーザの操作等によって生成された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、送信部203に出力する。また、上位層処理部201は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。
【0123】
上位層処理部201は、自端末装置がサポートしている端末装置の機能を示す情報を、送信部203に出力する。
【0124】
無線リソース制御部2011は、自端末装置の各種設定情報の管理をする。また、無線リソース制御部2011は、上りリンクの各チャネルに配置される情報を生成し、送信部203に出力する。
【0125】
無線リソース制御部2011は、基地局装置から送信されたCSIフィードバックに関する設定情報を取得し、制御部202に出力する。
【0126】
スケジューリング情報解釈部2012は、受信部204を介して受信した下りリンク制御情報を解釈し、スケジューリング情報を判定する。また、スケジューリング情報解釈部2012は、スケジューリング情報に基づき、受信部204、および送信部203の制御を行なうために制御情報を生成し、制御部202に出力する。
【0127】
制御部202は、上位層処理部201から入力された情報に基づいて、受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203の制御を行なう制御信号を生成する。制御部202は、生成した制御信号を受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203に出力して受信部204、および送信部203の制御を行なう。
【0128】
制御部202は、チャネル状態情報生成部205が生成したCSIを基地局装置に送信するように送信部203を制御する。
【0129】
受信部204は、制御部202から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ206を介して基地局装置1Aから受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部201に出力する。
【0130】
無線受信部2041は、送受信アンテナ206を介して受信した下りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
【0131】
また、無線受信部2041は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換を行ない、周波数領域の信号を抽出する。
【0132】
多重分離部2042は、抽出した信号をPHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号に、それぞれ分離する。また、多重分離部2042は、チャネル測定から得られた所望信号のチャネルの推定値に基づいて、PHICH、PDCCH、およびEPDCCHのチャネルの補償を行ない、下りリンク制御情報を検出し、制御部202に出力する。また、制御部202は、PDSCHおよび所望信号のチャネル推定値を信号検出部2043に出力する。
【0133】
信号検出部2043は、PDSCH、チャネル推定値を用いて、信号検出し、上位層処理部201に出力する。
【0134】
送信部203は、制御部202から入力された制御信号に従って、上りリンク参照信号を生成し、上位層処理部201から入力された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成した上りリンク参照信号を多重し、送受信アンテナ206を介して基地局装置1Aに送信する。
【0135】
符号化部2031は、上位層処理部201から入力された上りリンク制御情報を畳み込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行なう。また、符号化部2031は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づきターボ符号化を行なう。
【0136】
変調部2032は、符号化部2031から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。
【0137】
上りリンク参照信号生成部2033は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(physical cell identity: PCI、Cell ID等と称される)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、上りリンクグラントで通知されたサイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値等を基に、予め定められた規則(式)で求まる系列を生成する。
【0138】
多重部2034は、制御部202から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT)する。また、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎に多重する。つまり、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎にリソースエレメントに配置する。
【0139】
無線送信部2035は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、SC−FDMA方式の変調を行ない、SC−FDMAシンボルを生成し、生成されたSC−FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、余分な周波数成分を除去し、アップコンバートにより搬送周波数に変換し、電力増幅し、送受信アンテナ206に出力して送信する。
【0140】
なお、本発明の一態様に係る基地局装置および端末装置で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであっても良い。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の一態様に係る機能が実現される場合もある。
【0141】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明の一態様に含まれる。また、上述した実施形態における端末装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現しても良い。受信装置の各機能ブロックは個別にチップ化しても良いし、一部、または全部を集積してチップ化しても良い。各機能ブロックを集積回路化した場合に、それらを制御する集積回路制御部が付加される。
【0142】
また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0143】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本願発明の端末装置は、移動局装置への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、例えば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器等に適用出来ることは言うまでもない。
【0144】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も請求の範囲に含まれる。