特許第6899377号(P6899377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899377
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】フラットベッドエンボス加工機
(51)【国際特許分類】
   B31F 1/07 20060101AFI20210628BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20210628BHJP
   B29C 33/38 20060101ALI20210628BHJP
   B41M 3/06 20060101ALN20210628BHJP
【FI】
   B31F1/07
   B29C59/02 B
   B29C33/38
   !B41M3/06 E
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-509776(P2018-509776)
(86)(22)【出願日】2016年8月15日
(65)【公表番号】特表2018-527223(P2018-527223A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】CH2016000108
(87)【国際公開番号】WO2017031603
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年8月9日
(31)【優先権主張番号】01211/15
(32)【優先日】2015年8月21日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】502236150
【氏名又は名称】ギーツ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベンツィガー,ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】レスリ,マンフレート
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/075184(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/104963(WO,A1)
【文献】 特開2006−035506(JP,A)
【文献】 特開2005−310286(JP,A)
【文献】 特開2014−091280(JP,A)
【文献】 特開2006−256078(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0251940(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31F 1/07
B29C 33/38
B29C 59/02
B41M 3/06
B41F 19/02−19/06
B44B 5/00−5/02
B21D 22/02−37/16
H05B 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットベッドエンボス加工機(1)であって、
−少なくとも1つのエンボス加工ツール(23)と、
−前記少なくとも1つのエンボス加工ツール(23)が配置されるツール側(36)と、前記ツール側(36)と反対側にあるツールプレート後側(35)とを有するツールプレート(20)と、
−前記ツールプレート後側(35)に対向するツールプレート側(12)と、前記ツールプレート側(12)と反対側にあるベースプレート後側(11)とを有し、前記ツールプレート(20)上に加えられるエンボス加工力を前記ツールプレート側(12)と前記ベースプレート後側(11)との間に伝達するためのベースプレート(10)と、
−前記少なくとも1つのエンボス加工ツール(23)を加熱するためのインダクタ(16)を有する誘導加熱器具(3)とを備え、
前記誘導加熱器具(3)の前記インダクタ(16)は、前記インダクタ(16)によって前記誘導加熱器具(3)が交番磁界(19)を生成するように前記ベースプレート(10)の前記ツールプレート側(12)と前記ベースプレート後側(11)との間に設計および配置されて前記ベースプレート(10)に嵌め込まれ、前記交番磁界は、前記ベースプレート(10)の前記ツールプレート側(12)で前記ベースプレート(10)を越えて、前記ベースプレートの前記ツールプレート側(12)を越えて前記ベースプレート(10)の外部に配置される前記ツールプレート(20)を誘導加熱する、フラットベッドエンボス加工機。
【請求項2】
前記インダクタ(16)は、前記ベースプレート(10)と共に、加熱モジュールの一部を形成することを特徴とする、請求項1に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項3】
前記インダクタ(16)は、その巻線が前記ツールプレート側(12)と平行な平面内に配置される、巻かれた導電体として設計されることを特徴とする、請求項1または2に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項4】
フェリ磁性特性を有する磁界伝導要素(18)が前記インダクタ(16)と前記ベースプレート後側(11)との間に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項5】
前記磁界伝導要素(18)は前記ベースプレート(10)に嵌め込まれ、好ましくは前記モジュールユニットの一部を形成することを特徴とする、請求項4に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項6】
導電性材料からなるかまたは導電性材料を含む延在する(平坦な)遮蔽要素(17)が前記ベースプレート後側(11)に配置され、前記遮蔽要素(17)は、前記ベースプレート後側(11)の領域内の前記機械(1)を前記交番磁界から少なくとも部分的に遮蔽することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項7】
前記ベースプレート(10)は、非導電性のキャリア材料からなることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項8】
前記ベースプレート(10)の前記キャリア材料は繊維強化プラスチックであり、特にガラス繊維強化プラスチックであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項9】
前記ツールプレート(20)は誘導加熱可能な材料の加熱区域を形成し、特に強磁性材料を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項10】
前記ツールプレート(20)は前記ツールプレート後側(35)の領域内に連続的なベース領域(21)を形成し、前記連続的なベース領域(21)は前記加熱区域の一部であることを特徴とする、請求項9に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項11】
前記ツールプレート(20)は多数の深部(31)を含み、前記深部は前記ツール側(36)に開口しており、前記ツールプレート後側(35)に向かって前記連続的なベース領域(21)の前で終了することを特徴とする、請求項10に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項12】
前記ツールプレート(20)の一部区域を個別に加熱するために、各々がベースプレート(10.1〜10.4)を有する複数の個別に操作可能な加熱モジュールが前記ツールプレート後側(35)にわたって互いに隣り合って配置されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項13】
前記誘導加熱器具(3)は、前記ツールプレート(20)の温度を判定するための装置(24,54)を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項14】
前記装置(24,54)は、前記ツールプレート(20)の温度を測定するための温度センサ(25,55)を有する温度測定装置を含むことを特徴とする、請求項13に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項15】
前記温度測定装置(24,54)は移動機構(27,30,32;57,60,61)を含み、これによって前記温度センサ(25,55)が前記ベースプレート(10)に対し可動に前記ベースプレート(10)に固定されることを特徴とする、請求項14に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項16】
前記温度センサ(25,55)は、前記移動機構(27,30,32;57,60,61)によって、前記温度センサ(25)が操作位置にある前記ツールプレート(20)と測定接触を形成する測定位置(S1)と、前記測定位置(S1)とは異なり、前記温度センサ(25,55)が前記ツールプレート(20)の構成を行なう構成位置(S2)との間を動くことができることを特徴とする、請求項15に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項17】
前記ツールプレート(20)の温度を判定するための前記装置(24,54)によって検出される温度値に基づいて前記誘導加熱器具(3)を介して前記ツールプレート(20)の温度を閉ループ制御するための装置(44)を特徴とする、請求項13から16のいずれか1項に記載のフラットベッドエンボス加工機。
【請求項18】
フラットベッドエンボス加工機(1)のツールプレート(20)であって、前記フラットベッドエンボス加工機(1)は、
−少なくとも1つのエンボス加工ツール(23)と、
−前記少なくとも1つのエンボス加工ツール(23)が配置されるツール側(36)と、前記ツール側(36)と反対側にあるツールプレート後側(35)とを有するツールプレート(20)と、
−前記ツールプレート後側(35)に対向するツールプレート側(12)と、前記ツールプレート側(12)と反対側にあるベースプレート後側(11)とを有し、前記ツールプレート(20)上に加えられるエンボス加工力を前記ツールプレート側(12)と前記ベースプレート後側(11)との間に伝達するためのベースプレート(10)と、
−前記少なくとも1つのエンボス加工ツール(23)を加熱するためのインダクタ(16)を有する誘導加熱器具(3)とを備え、
前記誘導加熱器具(3)の前記インダクタ(16)は、前記インダクタ(16)によって前記誘導加熱器具(3)が交番磁界(19)を生成するように前記ベースプレート(10)の前記ツールプレート側(12)と前記ベースプレート後側(11)との間に設計および配置されて前記ベースプレート(10)に嵌め込まれ、前記交番磁界は、前記ベースプレート(10)の前記ツールプレート側(12)で前記ベースプレート(10)を越えて、前記ベースプレートの前記ツールプレート側(12)を越えて前記ベースプレート(10)の外部に配置される前記ツールプレート(20)を誘導加熱し、前記ツールプレート(20)は、前記ツール側(36)に向かって開口し、かつ前記少なくとも1つのエンボス加工ツール(23)を固定するための複数の深部(31)を含み、
前記ツールプレート(20)は前記プレート後側(35)に向かって連続的なベース領域(21)を形成し、前記深部(31)は前記プレート後側(35)に向かって前記連続的なベース領域(21)の前で終了することを特徴とする、ツールプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフラットベッドエンボス加工機の分野に関し、請求項1および18の前提部分に係るフラットベッドエンボス加工機およびフラットベッドエンボス加工機のためのツールプレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特に、フラットベッドエンボス加工機は、フラットベッドスタンピング機または平箔印刷機とも称され、エンボス加工箔印刷、ホログラム転写、ブラインドエンボス加工、マイクロエンボス加工および構造エンボス加工のために用いられる。
【0003】
エンボス加工箔印刷に関して、エンボス加工箔が、エンボス加工ツールを利用して、かつ原則として熱の影響下で平坦材料上に「押付けられ」る。転写箔はここにおいて平坦材料とともに一平面内に存在する。エンボス加工ツール、押付け圧力および平坦材料に依存して、ほとんど目立たないものから大きいものまで、平坦材料のエンボス加工が生じる。ここにおいて、平坦材料はエンボス加工または印刷エンボス加工のキャリアである。
【0004】
フラットベッドエンボス加工機は特別な設計態様のエンボス加工機を表わし、特に、プレスヘッドおよびプレスベッドを有するフラットベッドプレスが他のエンボス加工機と異なる。
【0005】
ここで、ツールプレートを受けるプレスヘッドはプレス上部に対応する。プレスヘッドは、背圧プレートを受けるプレス下部であるプレスベッドに対向する部分を表わす。
【0006】
フラットベッドエンボス加工機は高いエンボス加工性能およびエンボス加工品質を特徴とする。この理由のために、フラットベッドエンボス加工機は、紙幣の製造などの特に要求が厳しいエンボス加工印刷作業にも適している。
【0007】
フラットベッドエンボス加工機によって、特に、見当精度の高いエンボス加工区域内の平坦材料の位置決め、および高感度のエンボス加工箔の適用が可能になる。
【0008】
さらに、フラットベッドエンボス加工機は、エンボス加工区域の領域内の均一な温度および圧力条件などの最適な動作条件も特徴とする。
【0009】
典型的なフラットベッドエンボス加工機は、たとえば欧州特許公開第0858888号および国際公開第2009/14644号から公知である。
【0010】
エンボス加工箔印刷などのエンボス加工印刷法に関して、エンボス加工ツールは、エンボス加工処理の開始前に加熱器具によって動作温度に、たとえば150から200℃に加熱される。動作温度は、たとえば、エンボス加工手順時に、プラスチックの転写層を有するエンボス加工箔が、平坦材料との材料嵌合接続を作り出す目的でエンボス加工ツールの熱によって活性化されるように、特に溶解するように選択される。
【0011】
一方では、完璧なエンボス加工のために、かつ最高のエンボス加工品質を達成するために、エンボス加工ツールを最適な動作温度に加熱し、機械の操作中にエンボス加工ツールをこの温度に維持することが重要である。他方では、動作温度がすべてのエンボス加工ツールにわたって同一であること、および動作温度が機械の操作中にも同一に保たれることも重要である。このようにして初めて、完全なツールプレートにわたって同一のエンボス加工条件が保証されるので、エンボス加工された平坦材料に品質の差が生じない。
【0012】
しかし、エンボス加工品質の主題に関して、加熱手順は、エンボス加工ツールの最適な動作温度の設定に関して重要であるだけではない。機械の加熱に伴い、加熱された機械部品の熱膨張も起こる。この熱膨張は、エンボス加工形状を設定する際に予め既に考慮される必要がある。そのようにして初めて、精密なエンボス加工が達成可能である。この結果、エンボス加工形状が前もって設定されたその最適な動作温度で機械を操作することが極めて重要である。
【0013】
エンボス加工ツールを加熱するための、かつ電気抵抗ヒータとして設計される加熱器具を有するフラットベッドエンボス加工機は、最新技術から公知である。しかし、そのような抵抗ヒータによってエンボス加工ツールを動作温度に加熱するのはかなりの時間がかかる。したがって、加熱器具を接続する時点から最適な動作温度に達する時点までに数時間、たとえば5〜6時間かかることは珍しくない。
【0014】
これは特に、熱エネルギを抵抗ヒータの加熱抵抗からの熱伝導によってまずツールプレート内に、そしてこれを介して、ツールプレート上に組立てられるエンボス加工ツール内に導かなければならないという事実に起因する。
【0015】
さらに、従来の電気抵抗ヒータに関して、特に残りのプレスヘッドまたはその部品も、全方向で起こる熱伝導のために加熱される。
【0016】
しかし、こうして同様に意図せず加熱されるプレスヘッドの構成要素も熱膨張を受け、これはひいてはエンボス加工精度に影響を及ぼす。この理由のために、エンボス加工処理は、プレスヘッドも安定した動作温度に加熱された場合にのみ開始され得る。これはしたがってエンボス加工設定に関して予め考慮される。
【0017】
したがって、個々の機械部品の熱膨張がそれ以上起こらない程度までの完全な機械の安定した動作温度は、非常に緩慢にのみ達成される。これは上述の長い加熱時間につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
一方では生産性を高め、他方では運転経費を削減することを試みて、本発明の目的は、加熱時間の大幅な短縮を特徴とする、加熱器具を有するフラットベッドエンボス加工機を提案することである。
【0019】
フラットベッドエンボス加工機はさらに、要求が厳しい印刷/エンボス加工作業にも適しているべきであり、従来のフラットベッドエンボス加工機と比較してエンボス加工製品の品質に欠点を有すべきでない。
【0020】
加熱時間の短縮は特に非常に一般的に、設定/調整および再構成時間の短縮につながり、したがってフラットベッドエンボス加工機の停止の短縮につながる。
【0021】
本発明のさらなる目的は、エネルギコストの削減を特徴とする、加熱器具を有するフラットベッドエンボス加工機を提案することである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、ツール温度の精密な遅延なしの調節(閉ループ制御)を特徴とする、加熱器具を有するフラットベッドエンボス加工機を提案することである。加熱器具および/または温度調節は特に、全てのエンボス加工ツールについて同一である動作温度にエンボス加工ツールを加熱することと、この動作温度を維持することとを単純化すべきである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、さらなる機械部品が不要に加熱されることなく、エンボス加工ツールが可能な限り標的化された態様で加熱され得る、加熱器具を有するフラットベッドエンボス加工機を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上述の目的は独立請求項1から18の特徴によって達成される。本発明の特定のさらなる展開および実施形態が従属請求項、明細書および図面からもたらされる。
【0025】
フラットベッドエンボス加工機はしたがって、
−クリシェとも称される少なくとも1つのエンボス加工ツールを受けるためのクリシェ側とも称されるツール側と、ツール側と反対側にあるツールプレート後側とを有する、クリシェプレートとも称されるツールプレートと、
−ツールプレートの後側に対向するツールプレート側と、ツールプレート側と反対側にあり、ツールプレート上に加えられるエンボス加工力をツールプレート側とベースプレート後側との間に伝達するためのベースプレート後側とを有するベースプレートと、
−少なくとも1つのエンボス加工ツールを加熱するための加熱器具とを含む。
【0026】
エンボス加工ツールを有するツールプレートおよびベースプレートは特にプレスヘッドの一部である。ここにおいて、ベースプレートはそのプレート後側がプレスヘッドに対向する。ベースプレートは特にプレート後側を介してプレスヘッドに固定される。
【0027】
プレストヘッドは特に、背圧プレートを含む印刷テーブルとも称されるプレスベッドの上方に配置される。
【0028】
エンボス加工手順を実行するために、平坦材料およびエンボス加工印刷ホイルウェブが、互いに離間しているツールプレートと背圧プレートとの間に挿入される。押付け圧力を印加しつつ、エンボス加工ツールを有するツールプレートおよび背圧プレートを共に導くことによって、エンボス加工圧力が生じる。
【0029】
フラットベッドエンボス加工機の共通の実施形態によると、エンボス加工手順を実行する際に背圧プレートが静止したツールプレートに向かって動かされる。押圧力はこの結果、背圧プレートまたはプレスベッドからツールプレートまたはプレスヘッド上に加えられる。この手順に関して、押圧力はベースプレートを介してツールプレートから残りのプレスヘッド内に伝達される。
【0030】
フラットベッドエンボス加工機はエンボス加工ツールに関して再構成可能である必要があるため、ツールプレートは特にホルダまたは装着によってプレスヘッドに解放可能に固定される。エンボス加工ツールを交換するために、ツールプレートがプレスヘッドから解放され、たとえばガイド装置を介して構成(セットアップ)位置に移され、この位置でツールプレートにエンボス加工ツールが備え付けられ得る。
【0031】
再適合または再構成が行なわれた後、ツールプレートはガイド装置を介して再びその操作位置に戻され、ホルダによってプレスヘッドに固定される。
【0032】
この手順に関して、ベースプレートは特にプレスヘッド上で静止し続ける。しかし、ベースプレートは同様にプレスヘッドに解放可能に固定され得る。
【0033】
ここで、加熱器具は、インダクタを有する誘導加熱器具である。誘導加熱器具において、インダクタによって交番磁界が発生し、これを介して交流が流れ、上記交番磁界は、加熱すべき導電体の内部に乱流を、および場合によってはさらに再磁化損失を引起こし、導電体の加熱を行なう。インダクタはしたがって誘導加熱手段である。
【0034】
インダクタの設計、およびツールプレート側とベースプレート後側との間のインダクタの配置は、ツールプレート側でベースプレートを越える、誘導加熱可能なツールプレートを誘導加熱するための交番磁界が、ツールプレート側の他方の側で、かつベースプレートの外部で発生可能であるようなものである。
【0035】
交番磁界は特にツールプレート内に達する。
誘導加熱器具は特に、必要な周波数で交流を提供するための装置を含む。当該装置は特に、たとえば必要な周波数で電力を提供する周波数変換器を有するパワーユニットを含み得る。
【0036】
したがって、熱は、加熱すべき導電体自体の内部に直接生じるので、熱伝導によって導電体上に伝達されなくてもよい。したがって、特に強磁性材料を用いて、熱出力を容易に制御可能であり、効率が非常に高い。
【0037】
誘導加熱器具はこうしてツールプレートを誘導加熱するように設計され、交番磁界がインダクタによって標的化された態様でツールプレート内に印加される。
【0038】
エンボス加工ツールは、熱伝導によってツールプレートを介して間接的に加熱される。
誘導加熱器具は、ツールプレート上に組立てられるエンボス加工ツールをさらに誘導加熱するようにも設計され得る。この場合、交番磁界はインダクタによってエンボス加工ツール内にも印加される。
【0039】
誘導加熱器具はしたがって、場合によっては異なる効率で、エンボス加工ツールおよびツールプレートを誘導加熱することができる。
【0040】
しかし、エンボス加工ツールは、適用分野に依存して、すなわちエンボス加工すべき材料に依存して、かつ支配的なエンボス加工圧力およびエンボス加工温度に依存して、真鍮、鋼鉄、マグネシウムまたはアルミニウムなどの異なる材料で製造され得る。これらの金属の中には特に良好な誘導特性を有しないものもあるため、エンボス加工ツールは比較的不十分にしか、すなわち、特に不十分な効率でしか加熱され得ないか、またはまったく加熱され得ない。
【0041】
したがって、ツールプレートを同様に誘導加熱することなくエンボス加工ツールを直接的に誘導加熱することが最先端にある。これは、ツールプレートの質量を安定した動作温度に同様に加熱しなければならないという事実にも起因する。これは、ツールプレートがエンボス加工ツールを介して熱伝導によって間接的にではなく直接的に誘導加熱される場合は、より迅速にかつ効率的に行なわれる。
【0042】
ツールプレート内の熱は、ツールプレートと交番磁界とが相互作用して初めて発生するので、ツールプレートは誘導加熱器具の一部と見なすこともできる。
【0043】
高効率以外に、誘導加熱には、誘導効果が、プラスチックなどの非導電性材料が誘導加熱されることなく、当該非導電性材料を介して生じ得るという利点もある。したがって、加熱手順に悪影響を及ぼさない非導電体が、誘導加熱が起こるインダクタと加熱区域との間に配置され得る。
【0044】
本発明によると、ツールプレートは、交番磁界と相互作用すると、誘導加熱可能な材料の加熱区域を形成する。
【0045】
ツールプレート内の加熱区域は特に強磁性材料からなるか、または強磁性材料を含む。完全なツールプレートも強磁性材料からなり得るか、または強磁性材料を含み得る。特に、ツールプレートは、特にGGG40などのダクタイル鋳鉄からなり得る。
【0046】
ツールプレートは典型的に、処理方向を横切る幅が70から110cmであり、処理方向における長さが50から80cmである。ツールプレートの高さまたは厚さは典型的に15から20mmである。
【0047】
特に、ツールプレートは一片として設計される。
本発明のさらなる展開によると、ツールプレートは、ツールプレート後側の領域内に連続的な、すなわち一定のベース領域を形成する。ベース領域の高さはたとえば1から5mmであり得、特に1から3mmであり得る。連続的または一定とは、ベース領域が途切れることなくツールプレートの表面全体にわたって延びること、すなわち開口部を有さないことを意味する。
【0048】
これによって、ツールプレート内に形成される加熱区域は特に、連続的なベース領域を含む。この連続的なベース領域のおかげで、ベース領域内で誘導的に発生する熱エネルギの均一かつ迅速な横方向の分布が起こる。
【0049】
誘導加熱器具はしたがって、交番磁界が直接ツールプレート内に、および特にそのベース領域内に誘導されるように設計される。ツールプレート内に発生する過電流によって、この迅速かつ均一な加熱が保証される。
【0050】
ツールプレートのさらなる展開によると、ツールプレートは、連続的なベース領域に引き継がれる、ツール側に向かってかつプレート後側に向かって開口する複数の深部を含む。すなわち、深部はツール側とプレート後側との間で連続的に設計されておらず、ベース領域によって境界が定められる。深部は、ツール側およびプレート後側によって形成される支持面を横切って延びる。
【0051】
深部は、ツール側に解放可能に固定されるエンボス加工ツールのための固定補助具として作用する。深部はその結果、ツールプレート内に固定区域を形成する。
【0052】
深部は、ドリル加工またはフライス加工によってツールプレート内に組込まれ得る。特に、深部はツールプレートのボアとして設計される。特に、深部は止まり穴である。
【0053】
しかし、ツールプレートはいくつかの部品で設計されて、たとえば連続的な孔を有するキャリアプレートとその後側を押さえつけるベースプレートとを含むことも考えられる。ベースプレートは連続的なベース領域を形成する。ベースプレートは強磁性材料からなるか、または強磁性材料を含む。ベースプレートは、はんだ付けまたは溶接などの材料嵌合接続によってキャリアプレートに接続され得る。機械的な接続も考えられる。
【0054】
そのようなツールプレートの特定の実施形態は、最新技術から公知のハニカムマウント/ベースである。しかし、本発明のツールプレートは、ツールプレートの深部がツール側からプレート後側に連続する孔として設計されず、対照的に、プレート後側に向かって閉じて連続的なベース領域への移行で終了するという点で、公知のハニカムマウントと異なる。
【0055】
特に、インダクタは巻かれた導電体として設計される。その湾曲部は、特に、ツールプレート側に形成される支持面と平行な平面内に配置される。特に、インダクタは螺旋フラットコイルなどのフラットコイルであり得る。
【0056】
ベースプレートは、ツールプレート側に平面支持面を形成する。特に、当該支持面は、場合によっては温度センサのための開口部を除いて連続的である。
【0057】
ベースプレートは、その後側に平面支持面を形成する。当該支持面は特に連続的に設計されない。当該支持面は特に、インダクタまたは磁界伝導要素を受けるための深部または凹部によって中断され得る。
【0058】
特に、最初に述べたエンボス加工圧力は、上述の支持面を介してツールプレートと残りのプレスヘッドとの間に伝達され得る。
【0059】
本発明のさらなる展開によると、ベースプレートはインダクタを受ける。つまり、インダクタはベースプレートに嵌め込まれる。「嵌め込まれる」とは特に、インダクタが後側の支持面を越えて延在しないことを意味する。
【0060】
ベースプレートおよびインダクタはしたがって加熱モジュールの一部である。
インダクタは、たとえばベースプレートの深部または凹部に嵌め込まれ得る。深部または凹部はたとえばスロット状であり得る。
【0061】
深部または凹部はベースプレート後側に向かって開口している。
ベースプレートは特に、ツールプレート側に向かってベース領域を含む。インダクタのための深部または凹部は、特にベース領域によってツールプレート側に向かって境界が定められる。
【0062】
特に、ベース領域は、場合によっては温度センサのための開口部を除いて連続的である。
【0063】
インダクタはたとえば、ベースプレートの深部または凹部内に成形または接着され得る。
【0064】
しかし、インダクタは、ベースプレートを製造する際に既にベースプレートに統合されていることも可能である。この場合、インダクタはすべての側がベースプレートのキャリア材料に取囲まれている。ツール側および後側は両方とも、場合によっては温度センサのための開口部を除いて連続的な支持面を有する。
【0065】
本発明のさらなる展開によると、フェリ磁性特性を有する磁界伝導要素がインダクタとベースプレート後側との間に配置される。磁界伝導要素は交番磁界を偏向させる役割を果たし、場合によっては変調する役割も果たす。これによって、一方ではツールプレートに最適に導入され、他方では残りのプレスヘッド内に最小限に貫通する交番磁界が達成されることになる。このような方策によって、残りのプレスヘッドの望ましくない加熱が防止され得るかまたは少なくとも減少され得る。
【0066】
磁界伝導要素はたとえばフェライト体であり得る。
本発明のさらなる展開によると、ベースプレートは磁界伝導要素を受ける。つまり、磁界伝導要素はベースプレートに嵌め込まれる。「嵌め込まれる」とは特に、磁界伝導要素がプレート後側の支持面を越えて延在しないことを意味する。
【0067】
磁界伝導要素は上述の加熱モジュールの一部であってもよい。
磁界伝導要素は、たとえばベースプレートの深部または凹部に嵌め込まれ得る。代替的な変形として上述したように、磁界伝導要素も、ベースプレートを製造する際にインダクタとともに既にベースプレートに統合されていてもよい。
【0068】
本発明のさらなる展開によると、少なくとも1層の導電性材料を有する平坦な遮蔽要素がベースプレート後側に配置される。遮蔽要素はベースプレート後側の支持面を、特に支持面全体にわたって延在して覆う。特に、遮蔽要素は支持面を押さえつける。
【0069】
遮蔽要素は誘導加熱が不可能であるか、または不十分にしか誘導加熱されない。このように、遮蔽要素は、遮蔽要素自体は同様に著しく加熱されることなく、残りのプレスヘッドをベースプレートの後側領域内の交番磁界から少なくとも部分的に遮蔽する。この方策は、残りのプレスヘッドの加熱の防止に、または少なくともこの加熱の減少に寄与する。
【0070】
特に、遮蔽要素は、アルミニウムもしくは銅などの良好な導電性を有する金属からなるか、または当該金属を含む。遮蔽要素は特にプレートまたは金属シートとして設計され得る。
【0071】
特に、ベースプレートは非導電性のキャリア材料からなる。特に、ベースプレートのキャリア材料は熱的に絶縁するように設計される。したがってツールプレート内に発生する熱エネルギは、熱伝導のためにベースプレートを通ってベースプレート後側を介して残りのプレスヘッド内に貫通することができない。したがって、ベースプレートは、上方に配置されるプレスヘッドを、下方に配置されるツールプレートに関して熱的に絶縁する。
【0072】
キャリア材料は、特にその形状安定性、機械的強度、特に圧縮強さおよび温度頑健性をさらに特徴とする。圧縮強さとは、ベースプレートが、ここにおいて構造的に損傷することなく、特に変形することなく、エンボス加工時に生じる押付け圧力に対応可能であること、または、押付け圧力をツールプレートと残りのプレスヘッドとの間に伝達可能であることを意味する。
【0073】
キャリア材料はたとえば最大で600N/mm2の圧力に抵抗可能であり、それに応じて適用され得る。キャリア材料はたとえば最大で250°の温度に抵抗可能であり、それに応じて適用され得る。
【0074】
キャリア材料は好ましくは、たとえばマトリクスの形態のプラスチック、特に工業用プラスチックであるか、または当該プラスチックを含む。特に、キャリア材料は繊維強化プラスチックであり得る。特に、強化繊維はガラス繊維である。
【0075】
上述の工業用プラスチックは特に、その高い塗布温度および高い圧縮強さを特徴とする。
【0076】
繊維強化プラスチックの繊維は、繊維マットなどの織物シートの形態として存在し得る。特に、織物シートの形態は短繊維マットまたは微細繊維またはロービング繊維であり得る。
【0077】
特に、強化繊維の存在下でマトリクスを形成するプラスチックは、たとえば樹脂系ベースのデュロプラスチックである。特に、当該プラスチックは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、共重合樹脂、ポリイミド樹脂もしくはシリコーン樹脂製であり得るか、またはこれらの樹脂を含み得る。
【0078】
操作時、ベースプレートは、特に延在して、そのツール側を介してツールプレートを押さえつける。さらに、ベースプレートは、特に延在して、そのプレート後側を介して残りのプレスヘッドを押さえつける。このように、押付力は互いに対向する支持面を介してベースプレートとツールプレートとの間に、またはベースプレートとプレスヘッドとの間に伝達され得る。
【0079】
互いに対向するベースプレートの支持面およびツールプレートの支持面、または互いに対向するまたはベースプレートの支持面およびプレスヘッドの支持面は特に、操作時に互いに平面平行に存在し得る。すべての4つの支持面は好ましくは互いに平面平行に延びる。
【0080】
ベースプレートの高さまたは厚さは10から30mmであり得る。ベースプレートの厚さに関する許容域は特に、わずか0.02から0.05mmで存在する。
【0081】
ベースプレートの幅は10から30cmであり得、長さは20から50cmであり得る。
【0082】
本発明のさらなる展開によると、フラットベッドエンボス加工機は複数の加熱モジュールを含み、当該加熱モジュールは、ツールプレートの後側にわたって互いに隣り合って配置され、各々が少なくとも1つのベースプレートおよびインダクタを有する。
【0083】
個々の加熱モジュールは特に個別に制御可能であり、この結果、個別に操作可能である。ツールプレートの個々の表面領域はこれによって個別に加熱され得る。
【0084】
ツールプレートの加熱区域はしたがって、その平坦状の延在部にわたって、個別に加熱可能な個々の一部区域(一部加熱区域)内に再分割され得る。
【0085】
これは、たとえば、処理方向において、エンボス加工領域の出口側に向かって配置される前方ツールプレート領域および/またはエンボス加工領域の入口側に向かって配置される後方ツールプレート領域が、吹き込み気流のために、または一般により低温の環境に近接しているために、たとえば中間のツールプレート領域よりも大きい熱損失を受ける場合に重要である。
【0086】
吹き込み気流は、たとえば、ホイルウェブを平坦材料から分離するために、エンボス加工領域の出口側でシート供給機を用いて、かつエンボス加工領域の入口側および出口側で連続ウェブ機を用いて加えられる。
【0087】
ここで、処理方向とは、操作時に平坦材料がエンボス加工ツールと背圧プレートとの間のエンボス加工領域を通って搬送される方向を意味する。
【0088】
前方または後方領域にはこうして中間領域よりも大きい加熱パワーが供給され、これにも関わらず、ツールプレートの表面延在部全体にわたって均一の温度が保証され得る。
【0089】
このさらなる展開に係るフラットベッドエンボス加工機は特に、処理方向において交互に配置されるいくつかの加熱モジュールを含む。
【0090】
このさらなる形成に係るフラットベッドエンボス加工機は、処理方向において互いに隣り合って配置されるいくつかの加熱モジュールも含み得る。しかし、加熱モジュールは、処理方向に関して、ツールプレートの完全な横方向延在部にわたって延在することも可能である。
【0091】
さらに、フラットベッドエンボス加工機は、処理方向において順次配置されるいくつかの加熱モジュール、および互いに隣り合って配置されるいくつかの加熱モジュールを含むことも考えられる。
【0092】
温度は、個々の一部区域の温度の個別制御のために一部区域ごとに判定可能でなければならない。このため、各加熱モジュールは、それぞれの一部区域内の温度を検出するための装置、特に、以下に説明するような少なくとも1つの温度センサを有する温度測定装置を含む。
【0093】
上述のさらなる展開によると、個々のパワーユニットが加熱モジュールの各インダクタに割当てられ得る。しかし、加熱モジュールのインダクタにマルチプレクサによって共通のパワーユニットを介して電力が個別に供給されることも考えられる。
【0094】
本発明の好ましいさらなる展開によると、加熱器具は、ツールプレートの少なくとも1つの温度、特にツールプレートの加熱区域内の温度を判定または検出するための装置を含む。当該装置は加熱モジュールの一部であってもよい。
【0095】
ツールプレートの表面延在部に関して、温度は特にツールプレートの少なくとも1つの位置において、または少なくとも1つの領域において判定される。特に、当該装置は、ツールプレートのいくつかの位置または領域において温度を判定するようにも設計され得る。
【0096】
加熱区域がツールプレートの連続的なベース領域を含む場合は、当該温度は特に、判定または測定されるベース領域の温度である。
【0097】
本発明のさらなる展開によると、上述の装置は、ツールプレートの温度、特にベース領域の温度を測定するための少なくとも1つの温度センサを有する温度測定装置である。当該温度センサは、たとえばPt100センサであってもよい。
【0098】
温度センサは、特にセンサキャリアに取付けられる。特に、センサキャリアはベースプレートの凹部に嵌め込まれる。凹部はツールプレート側に向かう開口部を含む。
【0099】
温度測定装置は、操作時に温度センサがツールプレートと、特にベース領域と測定接触を形成するように設計される。
【0100】
温度測定装置は移動機構を含み得、これを介して温度センサはベースプレートに対して可動にベースプレートに固定されるので、ツールプレートを、たとえば所与の再構成手順を想定して、温度センサを損傷することなくベースプレートに対して動かすことができる。
【0101】
移動機構は、温度センサを、少なくとも温度センサが操作位置にあるツールプレートと測定接触を形成する測定位置と、測定位置とは異なり、温度センサがツールプレートの(再)構成を行なう構成位置との間を移動機構によって動かすことができるように設計される。
【0102】
測定位置は、操作位置において、温度センサがツールプレートとの物理的な測定接触を取るように設計される。このため、特に測定位置における温度センサは、ツールプレート側の支持面と面一に並ぶか、または当該支持面を越えて突出する。
【0103】
移動機構は復元要素を含み得、当該復元要素は、温度センサに直接的にまたは間接的に作用する作動力の中断を想定して、温度センサを復元力によって2つの位置の一方に、特に構成位置に動かすように設計される。
【0104】
温度測定装置の第1のさらなる展開によると、たとえば図8aおよび図8bに係る実施形態の例によって示されるように、構成位置はこうして、温度センサが、ツールプレート側の支持面から離間してベースプレート内に配置されるように設計される。つまり、温度センサはベースプレート内に後退する。
【0105】
したがって、温度センサは、移動機構によってツールプレート側に向かって測定位置まで動くことができ、かつここから構成位置に戻ることができる。
【0106】
移動機構は駆動装置を含み得る。当該駆動装置は、たとえば空気圧でまたは水圧で実行され得る。当該駆動装置は、ガイドによって、たとえば空気圧でまたは水圧で加えられる作動力によって、温度センサを構成位置から測定位置に動かす。
【0107】
移動機構は復元バネ(引張バネ)などの復元要素をさらに含み得、当該復元要素によって、温度センサは、作動力の低下または中断を想定して、復元要素の復元力によって測定位置から構成位置に確実に戻される。
【0108】
温度測定装置の第2のさらなる展開によると、たとえば図9に係る実施形態の例によって示されるように、構成位置は、温度センサがツールプレート側の支持面を越えて突出するように設計される。つまり、温度センサはベースプレートを越えて突出する。
【0109】
したがって、温度センサは、移動機構を介して支持面に向かって測定位置まで動くことができ、かつベースプレートから離れて測定位置から構成位置に動くことができる。
【0110】
ツールプレートにおける温度の判定は特に、ツールプレートの温度の調節に役立つ。
このため、フラットベッドエンボス加工機は特に、温度を判定するための装置によって検出される温度値に基づいてツールプレートの温度を調節する(閉ループ制御)ための装置を含む。誘導加熱器具の加熱パワーはここにおいて当該調節装置によって決定される。
【0111】
ベッドエンボス加工機は特に、ホイルウェブをエンボス加工ツールと背圧プレートとの間のエンボス加工領域を通って案内するためのホイルウェブガイドをさらに含む。エンボス加工箔は金属箔、プラスチック箔または複合箔であってもよい。エンボス加工箔は写真箔またはカラー箔であってもよい。
【0112】
特に、フラットベッドエンボス加工機は平坦材料のための搬送器具をさらに含む。当該搬送器具は、平坦材料をエンボス加工ツールと背圧プレートとの間のエンボス加工領域内に供給するための供給装置と、エンボス加工の実行後に平坦材料をエンボス加工領域から導き出すための導出装置とを含む。
【0113】
特に、平坦材料は可撓性を有する。平坦材料は、たとえば、紙、厚紙、プラスチック、金属またはそれらの複合物からなる。平坦材料は個々のシートの形態で(シート供給機)、または連続的なウェブの形態で(連続ウェブ機)供給され得る。
【発明の効果】
【0114】
本発明は、加熱時間の短縮による設定および再構成時間の短縮によってフラットベッドエンボス加工機の生産性が高まるという利点を有する。本発明に係るフラットベッドエンボス加工機を用いる加熱時間をこうして1時間未満に短縮することができる。
【0115】
同時に、誘導加熱器具の低反応時間のおかげで、より精密な温度制御が可能であり、これによってエンボス加工品質を向上させることができ、不良品発生率を低下させることができる。これによって、要求が厳しいエンボス加工作業の範囲を大幅に広げることができる。
【0116】
誘導加熱器具はさらに、加熱すべき導電体内で熱エネルギを直接発生させることができ、さらなる機械部品の不要な加熱が起こらないため、エネルギ消費の大幅な削減を特徴とする。
【0117】
本発明の主題は、添付の図面に示される実施形態の例によって以下により詳細に説明される。いずれの場合も図面は概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0118】
図1】誘導加熱器具を有するフラットベッドエンボス加工機の断面図である。
図2】誘導加熱器具の領域からの図1の拡大詳細図である。
図3】エンボス加工領域の断面図である。
図4】導電体となるインダクタの斜視図である。
図5a図4に係るインダクタを受けるためのベースプレートの平面図である。
図5b】インダクタおよびフェリ磁性素子を有する図5aに係るベースプレートの図である。
図6】連続ウェブ機のツールプレートのためのベースプレートを各々が有する4つの隣接する加熱モジュールの配置の平面図である。
図7】シート供給機のツールプレートのためのベースプレートを各々が有する6つの隣接する加熱モジュールの配置の平面図である。
図8a】温度測定装置の第1の実施形態の断面図である。
図8b図8aに係る温度測定装置の斜視図である。
図9】温度測定装置の第2の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0119】
基本的に、図中同一の部品には同一の参照符号が与えられている。
たとえば本発明に本質的でない特徴などのいくつかの特徴は、本発明のよりよい理解のために図面に表わされていない。記載される実施形態の例は本発明の主題の例であり、またはそれを説明する役割を果たし、限定する効果を有していない。
【0120】
図1は、フラットベッドエンボス加工機1の概略図を示す。
機械(プレス)1は、印刷テーブル8およびプレスヘッド7を有するフラットベッドプレス4を含む。印刷テーブル8は背圧プレート9を含む。
【0121】
誘導加熱器具3のベースプレート10がプレスヘッド7上に配置される。ベースプレート10は、第1の支持面を有するプレート後側11と、プレート後側11と反対側にあり第2の支持面を有するツールプレート側12とを含む。ベースプレート10はプレート後側11の支持面で、延在して(平坦状に)プレスヘッド7の固定部品を押さえつけてこれに機械的に接続される。
【0122】
プレスヘッド7はツールプレート20をさらに含む。ツールプレート20は、第1の支持面を有するプレート後側35と、プレート後側35と反対側にありツール受け面を有するツール側36とを形成する(図2も参照)。
【0123】
操作時、ツールプレート20はプレート後側35の支持面で、ベースプレート10のツールプレート側12の支持面を押さえつける。ツールプレート20はこれによってプレスヘッド7に解放可能に固定される。
【0124】
エンボス加工ツール23が、ツールプレート20のツール側36に解放可能に固定される。
【0125】
ツールプレート20はハニカムマウントとして、エンボス加工ツールを固定するように設計され、支持面を横切って延びる複数の止まり穴31を有する、固定区域を形成するハニカム領域22を含む。止まり穴31は、連続的なベース領域21によってプレート後側35に向かって境界が定められる。
【0126】
平坦材料5のための供給装置41、および平坦材料5のための導出装置42も同様に概略的に表わされている。
【0127】
フラットベッドエンボス加工機1がシート供給機として設計される場合は、平坦材料5はシート5.1として存在する。この場合、供給装置41は供給機を含み、導出装置42は送り出し手段を含む。
【0128】
フラットベッドエンボス加工機1が連続ウェブ機として設計される場合は、平坦材料5は連続的なウェブ5.1として存在する。供給装置41はこの場合は巻出し部を含み、導出装置42は巻取り部を含む。
【0129】
両変形とも、図1では概略的に表わされている。
フラットベッドエンボス加工機1は、エンボス加工ホイルウェブ6をツールプレート20と背圧プレート9との間のエンボス加工領域を通って案内するためのホイルウェブガイド2をさらに含む。
【0130】
フラットベッドエンボス加工機1は、フラットベッドプレス4の制御、ならびにホイルウェブガイド2の制御、ならびに供給装置および導出装置41,42の制御のための機械制御部43をさらに含む。
【0131】
加熱器具3は、ツールプレート20の温度を調節するための調節装置44をさらに含む。ここで、調節装置44は機械制御部43に統合されている。
【0132】
エンボス加工手順を実行するために、エンボス加工箔および平坦材料5がツールプレート20と背圧プレート9との間に挿入されて位置決めされる。エンボス加工箔は同様に、平坦材料5が処理方向Xに導入されている間、処理方向Xに、または処理方向Xと反対方向に挿入され得る。
【0133】
平坦材料5は背圧プレート9上にある。エンボス加工箔6は平坦材料5とツールプレート20との間に配置される。
【0134】
背圧プレート9は、印刷テーブル8を上昇させることによって(矢印参照)、エンボス加工圧力が印加されて静止したツールプレート20上に押付けられる。印刷テーブル8は背圧プレート9とともに、エンボス加工手順の完了後に再び下降する。したがって、印刷テーブル8はエンボス加工ストロークまたはリフトHを実行する。エンボス加工された平坦材料5は続いて処理方向Xにさらに動かされる。
【0135】
エンボス加工された平坦材料5をホイルウェブ6から分離する目的で吹き込み気流を発生させるための圧縮空気装置40が、処理方向X内に考慮されるエンボス加工領域の出口側に配置される(図3図6および図7参照)。圧縮空気装置40はたとえば送風機である。
【0136】
しかし、エンボス加工ツール23は、エンボス加工手順を実行する前にエンボス加工温度に加熱されなければならない。
【0137】
このため、ベースプレート10は誘導加熱器具3の一部である。フラットコイルの実施形態におけるインダクタ16(図4も参照)がベースプレート10に嵌め込まれ、ツールプレート側12とプレート後側11との間に配置される。このため、インダクタ16はプレート後側11からベースプレート10のスロット開口部33に挿入され、たとえば接着剤でこの内部に接着されるか、または成形材料を用いてその内部に成形される。スロット開口部33はしたがってプレート後側11に開口している。フラットコイル16は、ツールプレート側12の支持面と平面平行に配置される。
【0138】
図5aは、このためのプレート後側11に向かうベースプレート10の平面図を示す。特に、プレート後側11は、フラットコイル16のためのスロット開口部33と、以下にさらに説明するセンサユニット26のための貫通開口部34とを示す。
【0139】
ベースプレート10のキャリア材料13はプラスチックであり、これはガラス繊維で補強され、したがって導電性を有さないが、発生する交番磁界19に対して透過性がある。
【0140】
誘導加熱器具3の操作を開始するために、インダクタ16にはこうしてパワーユニット(図示せず)によって交流が供給される。交番磁界19がこうしてインダクタ16の設計および配置に起因して発生し、この交番磁界はツールプレート20のベース領域21内に貫通してこれを誘導加熱する。
【0141】
さらに、フェリ磁性体18がプレート後側11の支持面とインダクタ16との間で、ベースプレート10内に配置される。フェリ磁性体18はプレート後側11からベースプレート10に嵌め込まれる。フェリ磁性体18は交番磁界をツールプレート20に向かって偏向させる役割を果たし、したがってプレート後側11で残りのプレスヘッド7を遮蔽する役割も果たす。
【0142】
このため、図5bは、ベースプレート10の後側11を上から見た方向の加熱モジュールの平面図を示す。加熱モジュールは、ベースプレートのスロット開口部33に挿入されるフラットコイル16と、フラットコイル16とプレート後側11の支持面との間のベースプレート10の深部内に同様に配置される上述のフェリ磁性体18と含む。
【0143】
さらに、たとえば0.2mmの厚さのアルミニウムシートの形態の遮蔽要素17が、ベースプレート10の後側11を押さえつける(図2)。遮蔽要素17は、残りのプレスヘッド7を交番磁界から遮蔽する役割を果たす。これによって残りのプレスヘッド7の誘導加熱が防止されることになる。遮蔽要素17は別の方法では同様に加熱モジュールの一部であってもよい。
【0144】
ツールプレート20のベース領域20内に誘導的に発生する熱エネルギはこうして熱伝導によってツール側36に向かって導かれ、そこからエンボス加工ツール23内に導かれる。同時に、プレート後側の支持面と平行な連続的なベース領域21内の熱伝導によって、ツールプレート20の延在部全体の均一な温度が保証される。
【0145】
図6は、各々がベースプレート10.1から10.4およびインダクタを有する4つの加熱モジュールを有する連続ウェブ機のための誘導加熱器具の特定の実施形態を示す。4つの加熱モジュールは、ツールプレート20の後側で処理方向Xに順次配置される。ツールプレート20は完全性のために図6ではまだ点線で描かれている。ツールプレート20は、処理方向Xにおける長さLと、処理方向Xを横切る幅Bとを有する。入口側および出口側に配置される、吹き込み気流を発生させるための圧縮空気装置40も同様に描かれている。
【0146】
ツールプレート20の加熱区域を、加熱モジュールによって各々が加熱されるいくつかの一部区域に分割することによって、ツールプレート20の個々の一部区域の個別の加熱が可能になる。
【0147】
図7は、合計6つの加熱モジュール10.1から10.6を有するシート供給機の実施形態を示す。4つの加熱モジュール10.3から10.6は、入口側で処理方向Xを横切って互いに隣り合って配置される。2つのさらなる加熱モジュール10.1および10.は、出口側で処理方向Xを横切って互いに隣り合って配置される。
【0148】
出口側に配置される、吹き込み気流を発生させるための2つの圧縮空気装置40も同様に描かれている。
【0149】
たとえば図6および図7に表わすように、吹き込み気流が圧縮空気装置40によってエンボス加工領域の出口側で、かつ場合によってはさらに入口側で吹き込まれる場合は、入口側または出口側の一部区域は加熱区域の中央の一部区域よりも急速に冷却する。
【0150】
出口側の、および場合によってはさらに入口側の一部区域はこうして、図6および図7に係るいくつかの加熱モジュールの本発明の配置のおかげで中央の一部区域よりも高く加熱され得る。ツールプレートの表面延在部にわたる異なる大きい熱損失にも係らず、これによってすべての一部区域にわたってツールプレート20の均一な温度が保証され得る。
【0151】
各加熱モジュールは温度センサ25.1から25.4(図6)または25.1から25.6(図7)を含み、個々の一部区域内の異なる温度を検出するために、当該温度センサを用いてそれぞれの一部区域内の温度が測定され得る。
【0152】
図3は、ツールプレート20と、このツールプレートの後側に互いに隣り合って配置される、各々がベースプレート10.1,10.2を有する2つの加熱モジュールとを有するフラットベッドエンボス加工機のエンボス加工領域の中の概略断面図を示す。当該加熱モジュールは個別に操作可能であるため、処理方向X内に考慮されると、ベース領域21によって形成される加熱区域の前方および後方の一部区域は互いに独立して加熱可能である。
【0153】
それぞれの加熱モジュールは各々が温度センサ25.1,25.2(図8a、図8bも参照)を有する温度測定装置を含むため、一部区域内のツールプレート20のベース領域21の温度およびしたがってエンボス加工ツール23の温度は温度調節装置44(図8a、図8bも参照)を介して調節可能である。
【0154】
図8aおよび図8bは、センサユニット26を有する温度測定装置24の第1の実施形態を示す。センサユニット26は温度センサ25を含み、温度センサ25は可動センサキャリア30の一端に取付けられ、ベースプレート10の支持面に向かって方向付けられる。センサキャリア30はスリーブとして存在し、センサユニット26の移動部を形成する。センサユニット26はハウジング32をさらに含み、ハウジング32の内部で、センサキャリア30が温度センサ25とともに摺動ガイドによって測定位置S1と構成位置S2との間を移動軸に沿って変位可能に案内される。引張バネ27が復元要素として作用し、センサキャリア30を温度センサ25とともに導いて構成位置S2に戻すか、またはそれを構成位置S2に保持する。
【0155】
上述の要素は、センサキャリア30を温度センサ25とともに変位させるための移動機構を共に形成する。
【0156】
センサユニット26はベースプレート10の貫通開口部34に嵌め込まれ、温度センサ25はツールプレート側12に向かって方向付けられる。
【0157】
移動機構は空圧駆動装置28によって駆動される。したがって、ガス圧は空圧導管を介してセンサキャリア30のキャビティ内に蓄積される。ガス圧によってスリーブ上に加えられる押付力が引張バネ27の復元力を超えると、センサキャリア30が構成位置S2から測定位置S1に移される。
【0158】
ガス圧が再び軽減されると、引張バネ27はその復元力のために、復元力がガス圧力を超えるとすぐにセンサキャリア30を、およびその結果として圧力センサ25を引張って再び構成位置S2に戻す。
【0159】
空圧駆動装置28の制御、およびしたがって温度センサの位置の制御は、たとえば機械制御部43を介して実行される。
【0160】
センサ測定データを温度調節装置44に送信するために、温度センサ25からセンサキャリア30のキャビティを通って外部に引出されるセンサリード線59が設けられる。
【0161】
特に、上述の温度測定装置はフラットベッドエンボス加工機用に設計されており、これに関して、ツールプレートは(再)構成後の組立時に横方向移動部品とともにベースプレートへと上方に導かれるため、ツールプレートは組立時に突出する温度センサをたとえばせん断することによって当該温度センサを損傷する可能性がある。
【0162】
図9に示す温度測定装置の第2の実施形態は、ベースプレート内のセンサキャリアの移動を制御するための空圧装置を含まないという点で図8aおよび図8bに係る第1の実施形態と異なる。
【0163】
温度測定装置54はセンサユニット56を含む。センサユニット56は温度センサ55を含み、温度センサ55は可動センサキャリア60の端に取付けられ、ベースプレートのツールプレート側の支持面に向かって方向付けられる。センサキャリア60はスリーブの形態で存在し、センサユニット56の移動部を形成する。センサユニット56はハウジング62をさらに含み、ハウジング62の内部で、移動センサキャリア60が温度センサ55とともに摺動ガイドを介して移動軸Aに沿って可動に案内される。
【0164】
センサユニット56はベースプレートの貫通開口部に嵌め込まれ、温度センサ55はツールプレート側に向かって方向付けられる。
【0165】
摺動ガイドは、静止した態様でハウジング62内に配置されるガイドスリーブ61によって形成される。このため、可動センサキャリア60は特に円筒形状の摺動部を形成し、これを介してセンサキャリア60は特に摺動スリーブ61の円筒形状の摺動部に沿って摺動案内される。特に、摺動部は円柱状に成形される。可動センサキャリア60の摺動部はこれによって摺動スリーブ61の摺動部上に係合するか、または図9に示すようにこの内部に係合する。
【0166】
2つのスリーブ60,61の摺動部は、螺旋バネの形態の圧縮バネ57に取囲まれている。圧縮バネ57は一端でセンサキャリア60上の止め具を押さえつけ、別の端でガイドスリーブ61上の止め具を押さえつける。
【0167】
圧縮バネ57は、圧力が軽減されたセンサキャリア60を温度センサ55とともに構成位置に動かしてそれを構成位置に保持する復元要素として作用する。構成位置において、センサスリーブ60の端部は温度センサ55とともに、ベースプレートの支持面をたとえば約0.5mm越えて突出する(図9参照)。
【0168】
上述の温度測定装置はフラットベッドエンボス加工機に特に適しており、これに関して、ツールプレートは(再)構成後の組立時にベースプレートの支持面に対して垂直にベースプレート上に導かれるため、ツールプレートは組立時に突出する温度センサを損傷するはずがなく、対照的に温度センサをベースプレート内に押し戻す。測定接触を形成する目的で、ツールプレート上への温度センサの十分な押付け圧力がこれによって操作位置において保証される。
【0169】
センサ測定データを温度調節装置44に送信するために、温度センサ55からセンサキャリア60および摺動ガイド61のキャビティを通って外部に引出されるセンサリード線59が設けられる。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8a
図8b
図9