【課題を解決するための手段】
【0024】
上述の目的は独立請求項1から18の特徴によって達成される。本発明の特定のさらなる展開および実施形態が従属請求項、明細書および図面からもたらされる。
【0025】
フラットベッドエンボス加工機はしたがって、
−クリシェとも称される少なくとも1つのエンボス加工ツールを受けるためのクリシェ側とも称されるツール側と、ツール側と反対側にあるツールプレート後側とを有する、クリシェプレートとも称されるツールプレートと、
−ツールプレートの後側に対向するツールプレート側と、ツールプレート側と反対側にあり、ツールプレート上に加えられるエンボス加工力をツールプレート側とベースプレート後側との間に伝達するためのベースプレート後側とを有するベースプレートと、
−少なくとも1つのエンボス加工ツールを加熱するための加熱器具とを含む。
【0026】
エンボス加工ツールを有するツールプレートおよびベースプレートは特にプレスヘッドの一部である。ここにおいて、ベースプレートはそのプレート後側がプレスヘッドに対向する。ベースプレートは特にプレート後側を介してプレスヘッドに固定される。
【0027】
プレストヘッドは特に、背圧プレートを含む印刷テーブルとも称されるプレスベッドの上方に配置される。
【0028】
エンボス加工手順を実行するために、平坦材料およびエンボス加工印刷ホイルウェブが、互いに離間しているツールプレートと背圧プレートとの間に挿入される。押付け圧力を印加しつつ、エンボス加工ツールを有するツールプレートおよび背圧プレートを共に導くことによって、エンボス加工圧力が生じる。
【0029】
フラットベッドエンボス加工機の共通の実施形態によると、エンボス加工手順を実行する際に背圧プレートが静止したツールプレートに向かって動かされる。押圧力はこの結果、背圧プレートまたはプレスベッドからツールプレートまたはプレスヘッド上に加えられる。この手順に関して、押圧力はベースプレートを介してツールプレートから残りのプレスヘッド内に伝達される。
【0030】
フラットベッドエンボス加工機はエンボス加工ツールに関して再構成可能である必要があるため、ツールプレートは特にホルダまたは装着によってプレスヘッドに解放可能に固定される。エンボス加工ツールを交換するために、ツールプレートがプレスヘッドから解放され、たとえばガイド装置を介して構成(セットアップ)位置に移され、この位置でツールプレートにエンボス加工ツールが備え付けられ得る。
【0031】
再適合または再構成が行なわれた後、ツールプレートはガイド装置を介して再びその操作位置に戻され、ホルダによってプレスヘッドに固定される。
【0032】
この手順に関して、ベースプレートは特にプレスヘッド上で静止し続ける。しかし、ベースプレートは同様にプレスヘッドに解放可能に固定され得る。
【0033】
ここで、加熱器具は、インダクタを有する誘導加熱器具である。誘導加熱器具において、インダクタによって交番磁界が発生し、これを介して交流が流れ、上記交番磁界は、加熱すべき導電体の内部に乱流を、および場合によってはさらに再磁化損失を引起こし、導電体の加熱を行なう。インダクタはしたがって誘導加熱手段である。
【0034】
インダクタの設計、およびツールプレート側とベースプレート後側との間のインダクタの配置は、ツールプレート側でベースプレートを越える、誘導加熱可能なツールプレートを誘導加熱するための交番磁界が、ツールプレート側の他方の側で、かつベースプレートの外部で発生可能であるようなものである。
【0035】
交番磁界は特にツールプレート内に達する。
誘導加熱器具は特に、必要な周波数で交流を提供するための装置を含む。当該装置は特に、たとえば必要な周波数で電力を提供する周波数変換器を有するパワーユニットを含み得る。
【0036】
したがって、熱は、加熱すべき導電体自体の内部に直接生じるので、熱伝導によって導電体上に伝達されなくてもよい。したがって、特に強磁性材料を用いて、熱出力を容易に制御可能であり、効率が非常に高い。
【0037】
誘導加熱器具はこうしてツールプレートを誘導加熱するように設計され、交番磁界がインダクタによって標的化された態様でツールプレート内に印加される。
【0038】
エンボス加工ツールは、熱伝導によってツールプレートを介して間接的に加熱される。
誘導加熱器具は、ツールプレート上に組立てられるエンボス加工ツールをさらに誘導加熱するようにも設計され得る。この場合、交番磁界はインダクタによってエンボス加工ツール内にも印加される。
【0039】
誘導加熱器具はしたがって、場合によっては異なる効率で、エンボス加工ツールおよびツールプレートを誘導加熱することができる。
【0040】
しかし、エンボス加工ツールは、適用分野に依存して、すなわちエンボス加工すべき材料に依存して、かつ支配的なエンボス加工圧力およびエンボス加工温度に依存して、真鍮、鋼鉄、マグネシウムまたはアルミニウムなどの異なる材料で製造され得る。これらの金属の中には特に良好な誘導特性を有しないものもあるため、エンボス加工ツールは比較的不十分にしか、すなわち、特に不十分な効率でしか加熱され得ないか、またはまったく加熱され得ない。
【0041】
したがって、ツールプレートを同様に誘導加熱することなくエンボス加工ツールを直接的に誘導加熱することが最先端にある。これは、ツールプレートの質量を安定した動作温度に同様に加熱しなければならないという事実にも起因する。これは、ツールプレートがエンボス加工ツールを介して熱伝導によって間接的にではなく直接的に誘導加熱される場合は、より迅速にかつ効率的に行なわれる。
【0042】
ツールプレート内の熱は、ツールプレートと交番磁界とが相互作用して初めて発生するので、ツールプレートは誘導加熱器具の一部と見なすこともできる。
【0043】
高効率以外に、誘導加熱には、誘導効果が、プラスチックなどの非導電性材料が誘導加熱されることなく、当該非導電性材料を介して生じ得るという利点もある。したがって、加熱手順に悪影響を及ぼさない非導電体が、誘導加熱が起こるインダクタと加熱区域との間に配置され得る。
【0044】
本発明によると、ツールプレートは、交番磁界と相互作用すると、誘導加熱可能な材料の加熱区域を形成する。
【0045】
ツールプレート内の加熱区域は特に強磁性材料からなるか、または強磁性材料を含む。完全なツールプレートも強磁性材料からなり得るか、または強磁性材料を含み得る。特に、ツールプレートは、特にGGG40などのダクタイル鋳鉄からなり得る。
【0046】
ツールプレートは典型的に、処理方向を横切る幅が70から110cmであり、処理方向における長さが50から80cmである。ツールプレートの高さまたは厚さは典型的に15から20mmである。
【0047】
特に、ツールプレートは一片として設計される。
本発明のさらなる展開によると、ツールプレートは、ツールプレート後側の領域内に連続的な、すなわち一定のベース領域を形成する。ベース領域の高さはたとえば1から5mmであり得、特に1から3mmであり得る。連続的または一定とは、ベース領域が途切れることなくツールプレートの表面全体にわたって延びること、すなわち開口部を有さないことを意味する。
【0048】
これによって、ツールプレート内に形成される加熱区域は特に、連続的なベース領域を含む。この連続的なベース領域のおかげで、ベース領域内で誘導的に発生する熱エネルギの均一かつ迅速な横方向の分布が起こる。
【0049】
誘導加熱器具はしたがって、交番磁界が直接ツールプレート内に、および特にそのベース領域内に誘導されるように設計される。ツールプレート内に発生する過電流によって、この迅速かつ均一な加熱が保証される。
【0050】
ツールプレートのさらなる展開によると、ツールプレートは、連続的なベース領域に引き継がれる、ツール側に向かってかつプレート後側に向かって開口する複数の深部を含む。すなわち、深部はツール側とプレート後側との間で連続的に設計されておらず、ベース領域によって境界が定められる。深部は、ツール側およびプレート後側によって形成される支持面を横切って延びる。
【0051】
深部は、ツール側に解放可能に固定されるエンボス加工ツールのための固定補助具として作用する。深部はその結果、ツールプレート内に固定区域を形成する。
【0052】
深部は、ドリル加工またはフライス加工によってツールプレート内に組込まれ得る。特に、深部はツールプレートのボアとして設計される。特に、深部は止まり穴である。
【0053】
しかし、ツールプレートはいくつかの部品で設計されて、たとえば連続的な孔を有するキャリアプレートとその後側を押さえつけるベースプレートとを含むことも考えられる。ベースプレートは連続的なベース領域を形成する。ベースプレートは強磁性材料からなるか、または強磁性材料を含む。ベースプレートは、はんだ付けまたは溶接などの材料嵌合接続によってキャリアプレートに接続され得る。機械的な接続も考えられる。
【0054】
そのようなツールプレートの特定の実施形態は、最新技術から公知のハニカムマウント/ベースである。しかし、本発明のツールプレートは、ツールプレートの深部がツール側からプレート後側に連続する孔として設計されず、対照的に、プレート後側に向かって閉じて連続的なベース領域への移行で終了するという点で、公知のハニカムマウントと異なる。
【0055】
特に、インダクタは巻かれた導電体として設計される。その湾曲部は、特に、ツールプレート側に形成される支持面と平行な平面内に配置される。特に、インダクタは螺旋フラットコイルなどのフラットコイルであり得る。
【0056】
ベースプレートは、ツールプレート側に平面支持面を形成する。特に、当該支持面は、場合によっては温度センサのための開口部を除いて連続的である。
【0057】
ベースプレートは、その後側に平面支持面を形成する。当該支持面は特に連続的に設計されない。当該支持面は特に、インダクタまたは磁界伝導要素を受けるための深部または凹部によって中断され得る。
【0058】
特に、最初に述べたエンボス加工圧力は、上述の支持面を介してツールプレートと残りのプレスヘッドとの間に伝達され得る。
【0059】
本発明のさらなる展開によると、ベースプレートはインダクタを受ける。つまり、インダクタはベースプレートに嵌め込まれる。「嵌め込まれる」とは特に、インダクタが後側の支持面を越えて延在しないことを意味する。
【0060】
ベースプレートおよびインダクタはしたがって加熱モジュールの一部である。
インダクタは、たとえばベースプレートの深部または凹部に嵌め込まれ得る。深部または凹部はたとえばスロット状であり得る。
【0061】
深部または凹部はベースプレート後側に向かって開口している。
ベースプレートは特に、ツールプレート側に向かってベース領域を含む。インダクタのための深部または凹部は、特にベース領域によってツールプレート側に向かって境界が定められる。
【0062】
特に、ベース領域は、場合によっては温度センサのための開口部を除いて連続的である。
【0063】
インダクタはたとえば、ベースプレートの深部または凹部内に成形または接着され得る。
【0064】
しかし、インダクタは、ベースプレートを製造する際に既にベースプレートに統合されていることも可能である。この場合、インダクタはすべての側がベースプレートのキャリア材料に取囲まれている。ツール側および後側は両方とも、場合によっては温度センサのための開口部を除いて連続的な支持面を有する。
【0065】
本発明のさらなる展開によると、フェリ磁性特性を有する磁界伝導要素がインダクタとベースプレート後側との間に配置される。磁界伝導要素は交番磁界を偏向させる役割を果たし、場合によっては変調する役割も果たす。これによって、一方ではツールプレートに最適に導入され、他方では残りのプレスヘッド内に最小限に貫通する交番磁界が達成されることになる。このような方策によって、残りのプレスヘッドの望ましくない加熱が防止され得るかまたは少なくとも減少され得る。
【0066】
磁界伝導要素はたとえばフェライト体であり得る。
本発明のさらなる展開によると、ベースプレートは磁界伝導要素を受ける。つまり、磁界伝導要素はベースプレートに嵌め込まれる。「嵌め込まれる」とは特に、磁界伝導要素がプレート後側の支持面を越えて延在しないことを意味する。
【0067】
磁界伝導要素は上述の加熱モジュールの一部であってもよい。
磁界伝導要素は、たとえばベースプレートの深部または凹部に嵌め込まれ得る。代替的な変形として上述したように、磁界伝導要素も、ベースプレートを製造する際にインダクタとともに既にベースプレートに統合されていてもよい。
【0068】
本発明のさらなる展開によると、少なくとも1層の導電性材料を有する平坦な遮蔽要素がベースプレート後側に配置される。遮蔽要素はベースプレート後側の支持面を、特に支持面全体にわたって延在して覆う。特に、遮蔽要素は支持面を押さえつける。
【0069】
遮蔽要素は誘導加熱が不可能であるか、または不十分にしか誘導加熱されない。このように、遮蔽要素は、遮蔽要素自体は同様に著しく加熱されることなく、残りのプレスヘッドをベースプレートの後側領域内の交番磁界から少なくとも部分的に遮蔽する。この方策は、残りのプレスヘッドの加熱の防止に、または少なくともこの加熱の減少に寄与する。
【0070】
特に、遮蔽要素は、アルミニウムもしくは銅などの良好な導電性を有する金属からなるか、または当該金属を含む。遮蔽要素は特にプレートまたは金属シートとして設計され得る。
【0071】
特に、ベースプレートは非導電性のキャリア材料からなる。特に、ベースプレートのキャリア材料は熱的に絶縁するように設計される。したがってツールプレート内に発生する熱エネルギは、熱伝導のためにベースプレートを通ってベースプレート後側を介して残りのプレスヘッド内に貫通することができない。したがって、ベースプレートは、上方に配置されるプレスヘッドを、下方に配置されるツールプレートに関して熱的に絶縁する。
【0072】
キャリア材料は、特にその形状安定性、機械的強度、特に圧縮強さおよび温度頑健性をさらに特徴とする。圧縮強さとは、ベースプレートが、ここにおいて構造的に損傷することなく、特に変形することなく、エンボス加工時に生じる押付け圧力に対応可能であること、または、押付け圧力をツールプレートと残りのプレスヘッドとの間に伝達可能であることを意味する。
【0073】
キャリア材料はたとえば最大で600N/mm
2の圧力に抵抗可能であり、それに応じて適用され得る。キャリア材料はたとえば最大で250°の温度に抵抗可能であり、それに応じて適用され得る。
【0074】
キャリア材料は好ましくは、たとえばマトリクスの形態のプラスチック、特に工業用プラスチックであるか、または当該プラスチックを含む。特に、キャリア材料は繊維強化プラスチックであり得る。特に、強化繊維はガラス繊維である。
【0075】
上述の工業用プラスチックは特に、その高い塗布温度および高い圧縮強さを特徴とする。
【0076】
繊維強化プラスチックの繊維は、繊維マットなどの織物シートの形態として存在し得る。特に、織物シートの形態は短繊維マットまたは微細繊維またはロービング繊維であり得る。
【0077】
特に、強化繊維の存在下でマトリクスを形成するプラスチックは、たとえば樹脂系ベースのデュロプラスチックである。特に、当該プラスチックは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、共重合樹脂、ポリイミド樹脂もしくはシリコーン樹脂製であり得るか、またはこれらの樹脂を含み得る。
【0078】
操作時、ベースプレートは、特に延在して、そのツール側を介してツールプレートを押さえつける。さらに、ベースプレートは、特に延在して、そのプレート後側を介して残りのプレスヘッドを押さえつける。このように、押付力は互いに対向する支持面を介してベースプレートとツールプレートとの間に、またはベースプレートとプレスヘッドとの間に伝達され得る。
【0079】
互いに対向するベースプレートの支持面およびツールプレートの支持面、または互いに対向するまたはベースプレートの支持面およびプレスヘッドの支持面は特に、操作時に互いに平面平行に存在し得る。すべての4つの支持面は好ましくは互いに平面平行に延びる。
【0080】
ベースプレートの高さまたは厚さは10から30mmであり得る。ベースプレートの厚さに関する許容域は特に、わずか0.02から0.05mmで存在する。
【0081】
ベースプレートの幅は10から30cmであり得、長さは20から50cmであり得る。
【0082】
本発明のさらなる展開によると、フラットベッドエンボス加工機は複数の加熱モジュールを含み、当該加熱モジュールは、ツールプレートの後側にわたって互いに隣り合って配置され、各々が少なくとも1つのベースプレートおよびインダクタを有する。
【0083】
個々の加熱モジュールは特に個別に制御可能であり、この結果、個別に操作可能である。ツールプレートの個々の表面領域はこれによって個別に加熱され得る。
【0084】
ツールプレートの加熱区域はしたがって、その平坦状の延在部にわたって、個別に加熱可能な個々の一部区域(一部加熱区域)内に再分割され得る。
【0085】
これは、たとえば、処理方向において、エンボス加工領域の出口側に向かって配置される前方ツールプレート領域および/またはエンボス加工領域の入口側に向かって配置される後方ツールプレート領域が、吹き込み気流のために、または一般により低温の環境に近接しているために、たとえば中間のツールプレート領域よりも大きい熱損失を受ける場合に重要である。
【0086】
吹き込み気流は、たとえば、ホイルウェブを平坦材料から分離するために、エンボス加工領域の出口側でシート供給機を用いて、かつエンボス加工領域の入口側および出口側で連続ウェブ機を用いて加えられる。
【0087】
ここで、処理方向とは、操作時に平坦材料がエンボス加工ツールと背圧プレートとの間のエンボス加工領域を通って搬送される方向を意味する。
【0088】
前方または後方領域にはこうして中間領域よりも大きい加熱パワーが供給され、これにも関わらず、ツールプレートの表面延在部全体にわたって均一の温度が保証され得る。
【0089】
このさらなる展開に係るフラットベッドエンボス加工機は特に、処理方向において交互に配置されるいくつかの加熱モジュールを含む。
【0090】
このさらなる形成に係るフラットベッドエンボス加工機は、処理方向において互いに隣り合って配置されるいくつかの加熱モジュールも含み得る。しかし、加熱モジュールは、処理方向に関して、ツールプレートの完全な横方向延在部にわたって延在することも可能である。
【0091】
さらに、フラットベッドエンボス加工機は、処理方向において順次配置されるいくつかの加熱モジュール、および互いに隣り合って配置されるいくつかの加熱モジュールを含むことも考えられる。
【0092】
温度は、個々の一部区域の温度の個別制御のために一部区域ごとに判定可能でなければならない。このため、各加熱モジュールは、それぞれの一部区域内の温度を検出するための装置、特に、以下に説明するような少なくとも1つの温度センサを有する温度測定装置を含む。
【0093】
上述のさらなる展開によると、個々のパワーユニットが加熱モジュールの各インダクタに割当てられ得る。しかし、加熱モジュールのインダクタにマルチプレクサによって共通のパワーユニットを介して電力が個別に供給されることも考えられる。
【0094】
本発明の好ましいさらなる展開によると、加熱器具は、ツールプレートの少なくとも1つの温度、特にツールプレートの加熱区域内の温度を判定または検出するための装置を含む。当該装置は加熱モジュールの一部であってもよい。
【0095】
ツールプレートの表面延在部に関して、温度は特にツールプレートの少なくとも1つの位置において、または少なくとも1つの領域において判定される。特に、当該装置は、ツールプレートのいくつかの位置または領域において温度を判定するようにも設計され得る。
【0096】
加熱区域がツールプレートの連続的なベース領域を含む場合は、当該温度は特に、判定または測定されるベース領域の温度である。
【0097】
本発明のさらなる展開によると、上述の装置は、ツールプレートの温度、特にベース領域の温度を測定するための少なくとも1つの温度センサを有する温度測定装置である。当該温度センサは、たとえばPt100センサであってもよい。
【0098】
温度センサは、特にセンサキャリアに取付けられる。特に、センサキャリアはベースプレートの凹部に嵌め込まれる。凹部はツールプレート側に向かう開口部を含む。
【0099】
温度測定装置は、操作時に温度センサがツールプレートと、特にベース領域と測定接触を形成するように設計される。
【0100】
温度測定装置は移動機構を含み得、これを介して温度センサはベースプレートに対して可動にベースプレートに固定されるので、ツールプレートを、たとえば所与の再構成手順を想定して、温度センサを損傷することなくベースプレートに対して動かすことができる。
【0101】
移動機構は、温度センサを、少なくとも温度センサが操作位置にあるツールプレートと測定接触を形成する測定位置と、測定位置とは異なり、温度センサがツールプレートの(再)構成を行なう構成位置との間を移動機構によって動かすことができるように設計される。
【0102】
測定位置は、操作位置において、温度センサがツールプレートとの物理的な測定接触を取るように設計される。このため、特に測定位置における温度センサは、ツールプレート側の支持面と面一に並ぶか、または当該支持面を越えて突出する。
【0103】
移動機構は復元要素を含み得、当該復元要素は、温度センサに直接的にまたは間接的に作用する作動力の中断を想定して、温度センサを復元力によって2つの位置の一方に、特に構成位置に動かすように設計される。
【0104】
温度測定装置の第1のさらなる展開によると、たとえば
図8aおよび
図8bに係る実施形態の例によって示されるように、構成位置はこうして、温度センサが、ツールプレート側の支持面から離間してベースプレート内に配置されるように設計される。つまり、温度センサはベースプレート内に後退する。
【0105】
したがって、温度センサは、移動機構によってツールプレート側に向かって測定位置まで動くことができ、かつここから構成位置に戻ることができる。
【0106】
移動機構は駆動装置を含み得る。当該駆動装置は、たとえば空気圧でまたは水圧で実行され得る。当該駆動装置は、ガイドによって、たとえば空気圧でまたは水圧で加えられる作動力によって、温度センサを構成位置から測定位置に動かす。
【0107】
移動機構は復元バネ(引張バネ)などの復元要素をさらに含み得、当該復元要素によって、温度センサは、作動力の低下または中断を想定して、復元要素の復元力によって測定位置から構成位置に確実に戻される。
【0108】
温度測定装置の第2のさらなる展開によると、たとえば
図9に係る実施形態の例によって示されるように、構成位置は、温度センサがツールプレート側の支持面を越えて突出するように設計される。つまり、温度センサはベースプレートを越えて突出する。
【0109】
したがって、温度センサは、移動機構を介して支持面に向かって測定位置まで動くことができ、かつベースプレートから離れて測定位置から構成位置に動くことができる。
【0110】
ツールプレートにおける温度の判定は特に、ツールプレートの温度の調節に役立つ。
このため、フラットベッドエンボス加工機は特に、温度を判定するための装置によって検出される温度値に基づいてツールプレートの温度を調節する(閉ループ制御)ための装置を含む。誘導加熱器具の加熱パワーはここにおいて当該調節装置によって決定される。
【0111】
ベッドエンボス加工機は特に、ホイルウェブをエンボス加工ツールと背圧プレートとの間のエンボス加工領域を通って案内するためのホイルウェブガイドをさらに含む。エンボス加工箔は金属箔、プラスチック箔または複合箔であってもよい。エンボス加工箔は写真箔またはカラー箔であってもよい。
【0112】
特に、フラットベッドエンボス加工機は平坦材料のための搬送器具をさらに含む。当該搬送器具は、平坦材料をエンボス加工ツールと背圧プレートとの間のエンボス加工領域内に供給するための供給装置と、エンボス加工の実行後に平坦材料をエンボス加工領域から導き出すための導出装置とを含む。
【0113】
特に、平坦材料は可撓性を有する。平坦材料は、たとえば、紙、厚紙、プラスチック、金属またはそれらの複合物からなる。平坦材料は個々のシートの形態で(シート供給機)、または連続的なウェブの形態で(連続ウェブ機)供給され得る。