【課題を解決するための手段】
【0026】
よって、本発明は、患者の睡眠呼吸障害を治療する方法であって、
(a)第1の口腔器具及び少なくとも第2の口腔器具を備える口腔器具のセットを提供するステップと、
(b)第1の期間中は睡眠しつつ第1の治療段階において前記第1の口腔器具を着用することを前記患者にさせるステップと、
(c)第2の期間中は睡眠しつつ第2の治療段階において前記第2の口腔器具を着用することを前記患者にさせるステップと、を備え、
前記第1の口腔器具及び少なくとも第2の口腔器具の各々が、
前部及び2つのアームを有し内壁及び外壁を含む概してU字形の器具本体と、
前部とそれぞれ後端を有する2つのアームとを有し前記内壁及び前記外壁を相互接続するウェブと、を備え、
前記内壁及び外壁の各々が、上歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブの上方に突出する上部を有し、
前記内壁及び外壁の各々が、下歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブから垂下する下部を有し、
前記ウェブが、呼吸のための全断面積を規定するように少なくとも1つの呼吸孔を備え、前記第1の器具の前記呼吸のための全断面積が前記第2の口腔器具の前記呼吸のための全断面積よりも大きい方法に関する。
【0027】
この方法は、呼吸の生化学及び生理学並びにCO
2によって行われる重要な役割の理解に基づいている。これは、下顎を物理的に前進させることにのみ関係する先行技術のMAD装置とは全く異なる取り組みであることが理解されるであろう。
【0028】
血中CO
2濃度の上昇は、ヘモグロビンタンパク質が細胞レベルで酸素を放出する要因となる血液pHの低下をもたらす。逆に、血中CO
2の減少はpHの上昇を引き起こし、結果としてヘモグロビンがより多くの酸素を獲得する。従って、細胞への最適な酸素運搬のために最適な血中CO
2レベルが必要となる。しかし、このCO
2要求は大気中の含有量を超えている。身体は、動脈血中並びに肺、鼻及び咽喉の死腔(dead space)内にCO
2を蓄えることによって、この大気の欠乏に対処している。
【0029】
しかし、鼻よりもむしろ口が主として呼吸に用いられるとき、鼻腔はもはや呼吸経路の一部ではないので、死腔容積は減少する。これにより肺胞CO
2濃度及び動脈血CO
2濃度が低下し、それに続き細胞へ運搬される酸素が減少し、結果として低酸素症になることがある。低酸素症はSDBにおいて頻繁に発生すると考えられている。
【0030】
また、CO
2は呼吸のトリガーとなる。正常な呼吸パターンを有する人では、化学的トリガーは、約40mmHgの圧力の動脈血CO
2レベルに反応する。人が低CO
2レベルの期間に曝されると、時間の経過とともに脳内の化学的トリガーがリセットされ、より低いレベルのCO
2に反応して過呼吸や過換気を引き起こす。結果として生じる過呼吸は、血圧及び心拍数の上昇を含む悪影響を与えたり、喘息、アレルギー及び鼻炎を悪化させることがあり、また、心臓、脳及び他の器官から最適な酸素供給を奪ってしまう。
【0031】
開示された方法は、先ず、口を通って吸入され吐き出される空気の量を呼吸孔により調節することによって作用する。理想的には、第1の器具は、器具が無い場合の呼吸のための断面積と比較して低減された呼吸のための断面積を有する。これにより、各呼吸で交換される空気の量が減少し、動脈血CO
2レベルが上昇し、細胞にはより多くの酸素が放出される。呼吸用断面積(cross sectional breathing area)が治療の第2段階で減少させられるにつれて、患者は口を通してより少ない空気を、また鼻を通してより多い空気を吸入するように徐々に変化して動脈血CO
2レベルをもたらし、結果として細胞への酸素供給が更に増大される。
【0032】
理論に縛られることを望む訳ではないが、この段階的なCO
2レベルの上昇は、患者が細胞への適切な酸素供給を有するように、最終的に正常な呼吸パターンを回復すべく化学的トリガーをリセットし得ると考えられている。
【0033】
更に、この段階的な口呼吸から鼻呼吸への移行は、人が口呼吸よりもむしろ鼻呼吸するように訓練することを支援するであろう。
【0034】
口を完全に閉塞することにより、口呼吸者を睡眠中に鼻呼吸するよう強いることが提案されてきた。最も簡単な取り組みは、単に口にテープを貼ることである。口が開くのを防ぐ顎ストラップもよく知られている。しかし、そのような性急な解決策は、呼吸習慣を再訓練することには役立たない。装置が取り外されると、その人はたやすく速やかに口呼吸に戻ってしまう。
【0035】
これは、口呼吸(及び他の口腔筋機能疾患)においては、顔面及び口の関連筋肉が、人が機能不全のやり方で呼吸するのを助けるようにプログラムされてしまっているからである。患者の身体は、どのようにして正常に呼吸するのかを知らない。
【0036】
現在、口呼吸を実際に止める唯一の方法は、筋肉が新たな方法で機能するように再訓練する筋機能療法によるものである。筋機能療法は、適切な舌の位置、改善された呼吸、咀嚼、及び嚥下を促進するための、顔及び舌の運動並びに行動修正技術を含む。筋機能療法では、筋機能療法専門家が定めた運動及び定期的な療法セッションを厳密に遵守する必要がある。全ての患者、特に子供、が遵守するとは限らない。
【0037】
理論に縛られることを望む訳ではないが、本発明者は、鼻を通して患者にゆっくりと呼吸を開始させる器具の呼吸孔を段階的に減少させることによっても、口を閉じたまま保つ口唇筋等の口腔顔面筋を再訓練し強化することを支援するものと考えている。
【0038】
第1及び/又は第2の口腔器具の上歯列弓受け入れチャネル及び下歯列弓受け入れチャネルは、器具が口内で着用されるときに、患者の下顎が前進させられるように構成されてよい。これにより舌は前方に動かされ、咽頭気道の閉塞が緩和され得る。下顎変位の程度は、それがある場合には、第1の口腔器具から第2の口腔器具に適切に減少してよい。幾つかの方法では、最終段階の口腔器具は下顎変位を有していなくてもよい。
【0039】
更なる実施形態では、治療の任意の1つ以上の段階は、目が覚めている間に口腔装具を着用することを更に含んでいてよい。これにより、呼吸を調節し、移行を訓練する効果を高めることができる。目が覚めているときに器具を着用するための適切な時間は、約20分から約4時間、好適には約1時間から約3時間、より好適には約1時間から約2時間である。
【0040】
本発明者はまた、小児の口呼吸が、小児及び最終的には成人がSDBに罹患し易くし得る顔面成長変化及び/又は口腔顔面筋緊張に重大で深刻な結果を及ぼし得ることを観察した。
【0041】
SDB症状を未だ示していないこともある口呼吸者にとっては、健康上の重大な悪影響があることが理解されるであろう。従って、SDB症状を示さない口呼吸者を訓練して、彼らの呼吸パターンを口から鼻に変えることができることが望ましい。
【0042】
よって、本発明はまた、主として鼻を通しての呼吸に人を訓練する方法であって、
(a)第1及び少なくとも第2の口腔器具を備える口腔器具のセットを提供するステップと、
(b)第1の期間中は睡眠しつつ第1の治療段階においては前記第1の口腔器具を着用することを患者にさせるステップと、
(c)第2の期間中は睡眠しつつ第2の治療段階において前記第2の口腔器具を着用することを前記患者にさせるステップと、を備え、
前記第1及び少なくとも第2の口腔器具の各々が、
前部及び2つのアームを有し内壁及び外壁を含む概してU字形の器具本体と、
前部とそれぞれ後端を有する2つのアームとを有し前記内壁及び前記外壁を相互接続するウェブと、を備え、
前記内壁及び外壁の各々が、上歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブの上方に突出する上部を有し、
前記内壁及び外壁の各々が、下歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブから垂下する下部を有し、
前記ウェブが、呼吸のための全断面積を規定するように少なくとも1つの呼吸孔を備え、前記第1の器具の前記呼吸のための全断面積が前記第2の口腔器具の前記呼吸のための全断面積よりも大きい方法に関する。
【0043】
第1及び/又は第2の口腔器具の上歯列弓受け入れチャネル及び下歯列弓受け入れチャネルは、器具が口内で着用されるときに、患者の下歯列弓が前進させられるように構成されてよい。これにより舌は前方に動かされ、咽頭気道の閉塞が緩和され得る。下顎変位の程度は、それがある場合には、第1の口腔器具から第2の口腔器具に適切に減少してよい。幾つかの方法では、最終段階の口腔器具は下顎変位を有していなくてもよい。
【0044】
SDBが未だ生じていない場合、上記方法での使用のためのセットにおける全ての器具が下顎を前進させる必要はない。
【0045】
上記方法での使用のための全ての器具は、内壁と外壁を相互接続するウェブを含み、このウェブは、口腔器具が患者の口内に装着されたときに、上下歯列弓の間に位置する。このように、ウェブは、使用中の上下歯列弓の間の咬合面内に広く横たわっている。
【0046】
少なくとも第1の器具のウェブは、口が閉じるのを防ぐように適切に寸法付けられている。ウェブ寸法は、患者が鼻呼吸に向けて訓練されるのに従って、それに続く器具に伴い減少してよい。
【0047】
ウェブは、ウェブの前部からアームの後端に向かう点まで適切に厚くなる。これは上下顎の歯の間の空間を埋める傾向がある。これは、いくつかの点で翼(airfoil)に似ており、ウェブを厚くする。この配置は、より大きな圧力を後臼歯にかけることにより、関節及び筋肉を弛緩させ訓練する。
【0048】
好適には、ウェブの厚い部分は圧縮可能である。圧縮は、より柔らかい又はより圧縮可能な材料の部分を設けることによって達成され得る。好適には、圧縮は、ウェブのアームの後端を通る1つ以上の孔を設けることによって達成される。
【0049】
翼形状と後臼歯間でウェブの当該部分を圧縮する能力との組み合わせは、従来の柔軟でない装置の使用者が感じるTMJの痛みや他の不快感を軽減することができる。例えば、マウスガード型の従来技術に係る多くのMAD装置は、ボイル・バイト型(boil and bite type)のマウスガードに類似している。これらは周知であり、ガードが使用者の歯及び歯列弓の形状に使用者成形されたエチレン酢酸ビニル等の熱変形可能なプラスチックから形成される。
【0050】
また、ウェブを圧縮する能力は、使用者の顎の互いに対する動きを可能にし、不快感を更に軽減し、より重要なことに、このような動きを可能にすることで口の筋肉の再訓練及び発達を可能にする。
【0051】
圧縮可能な孔はまた、呼吸孔としての二重の機能を果たし得る。
【0052】
器具の内壁は、器具が患者の口に装着されたときにウェブの上方に突出する上部とウェブから垂下する下部とを含む。
【0053】
内壁は、2つの主面、即ち舌に向かって内側に面する舌面と、歯列弓受け入れチャネル内へと外側に面するチャネル面と、を有していてよい。
【0054】
外壁は、2つの主面、即ち頬粘膜に向かって外側に面する頬面と、歯列弓受け入れチャネル内へと面するチャネル面と、を有していてもよい。
【0055】
好適には、内壁及び外壁は、患者が口を開けて眠っているときに口腔内に保持され得るように寸法付けられる。
【0056】
これらの壁は歯列弓を受け入れるための上部及び下部チャネルを規定するので、内壁及び外壁は、前部と前部から離れるように延びる2つのアーム部とを含む。
【0057】
内壁の前部は、ウェブから上方に延びるにつれて外壁から離れるように後方に傾斜していてよい。この傾斜角は、器具を着用したときに快適さをもたらすように、口蓋の自然な湾曲を採用すべく適切に選択される。
【0058】
器具は、患者の歯列の正中線に対応して、内壁の上部に形成された舌タグ、例えば内壁上の実質的に中心に形成された舌タグ又は内壁に沿って実質的に途中に形成された舌タグを含んでいてよい。
【0059】
内壁は、舌タグの周りに周縁を形成してよく、周縁は丸みを帯びていてよい。特に、周縁は、舌開口が開口の内側の位置から内壁の舌面及びチャネル面上に移行する場所で丸みを帯びていてよい。
【0060】
舌タグは、制限された気道を拡大するために、前方位置での舌の正確な位置決めのための指標として役立ち得る。舌タグについては、後で更に論じる。
【0061】
器具本体は、ポリマー材料から形成されてよい。特に、器具本体は、ポリウレタン又はシリコーンであるポリマー材料から例えば射出成形によって形成される。
【0062】
シリコーンは、柔軟性があり、使用者の歯への成形を必要としないので、特に適している。これにより快適さを改善することができ、即ち使用者の快適さ及びこれに伴いコンプライアンスにも寄与する使用者の何らかの顎運動が可能になる。
【0063】
器具本体は、幾つかの異なるサイズで作製されてよく、サイズは、人々の大多数が、適度な適合度合いで彼らの上歯列弓にフィットし得る器具を選択することができるように選択されてよい。典型的には、器具本体の3〜4個の異なるサイズが存在してよい。
【0064】
本方法は、呼吸のための断面積が段階的に減少する2つ以上の器具のセットを使用する。複数の呼吸孔が器具のウェブ内にある。第1段階の器具は、前部に2〜4個の比較的大きな呼吸孔を有していてよい。1つ以上の呼吸孔がウェブの後部に向けて位置していてもよい。
【0065】
呼吸を可能にすることに加えて、空気孔は、顎関節の穏やかな圧縮を可能にする程度の柔軟性を提供する。
【0066】
第2の器具は、同等数の孔を適切に有する。代替的には、孔の数は減らされてもよい。
【0067】
好適には、上記に開示された両方法に対して、これらの方法は、少なくとも第3の口腔器具を提供することを更に含み、この更なる1つ以上の器具は、治療の更なる段階での使用のためのものであり、治療の各段階において、呼吸のために利用可能な断面積が減少させられる。
【0068】
好適には、治療は、3〜6個の器具を伴う3〜6段階であり、各器具は、減少する空気呼吸用断面積を有する。
【0069】
このように、段階的な器具を用いると、より少ない総空気量が吸入される。最終段階の器具は、1mm以下の幅又は直径を有する複数の孔を有していてよい。幾つかの方法では、最終段階の器具は呼吸孔を全く有していなくてもよい。
【0070】
上記方法のいずれかの幾つかの態様においては、ウェブの厚みは、段階的な器具と共に減少してよい。ウェブの厚みによって、器具により顎がどの程度離れて保持されるのかがある程度は決定される。ウェブの厚みを減少させることにより、顎は、治療計画を通して、鼻呼吸のために完全に閉じられるまで近づくことが可能になる。
【0071】
上歯列弓受け入れチャネル及び下歯列弓受け入れチャネルは、着用時に下顎が前進させられるように構成されてよい。幾つかの実施形態では、これらの方法は、呼吸のための全断面積と共に下顎前進の度合いが減少する器具を用いてよい。
【0072】
舌タグが存在し、舌が舌タグ内に位置させられている場合、舌タグは上顎上の器具の収縮作用に対抗することができる。場合によっては、これにより上顎が前進することがある。
【0073】
好適には、少なくとも第1段階の器具は、最初に舌先を上方及び前方に「吸引」して、制限された気道を拡大するために、隔壁のような特性を有する舌タグを有する。
【0074】
隔壁状舌タグは、器具の各段階で次第に薄くなってよく、幾つかの実施形態では、最終的には、舌の先端を受け入れるための孔になってよい。
【0075】
下顎前進と舌を前進させることとの総合作用の結果として、従来のMAD装置と比較して、ここに開示された器具及び方法では、より少ない下顎前進で済むであろう。これにより副作用が低減され、本開示に係る器具を成人及び幼児に安全に使用させることができる。
【0076】
治療の段階は、患者の年齢、口呼吸の程度、及びSDBの重症度等の幾つかの因子に依存し得る。器具は口内で着用されるべきである。
【0077】
好適には、段階は1〜3ヶ月の間で変動してよい。全治療は最長で1〜2年である。治療の進行は、SDBをモニタリングする既知の方法を用いて医療従事者によってモニタリングされてよい。
【0078】
更なる実施形態では、治療の任意の1つ以上の段階は、目が覚めている間に口腔装具を着用することを更に含んでいてよい。これにより、呼吸を調節し移行を訓練する効果を高めることができる。目が覚めているときに器具を着用するための適切な時間は、約20分から約4時間、好適には約1時間から約3時間、より好適には約1時間から約2時間である。
【0079】
患者の睡眠呼吸障害を治療する方法における使用のための口腔器具のセットもまたここに開示され、口腔器具のセットは、第1の口腔器具及び少なくとも第2の口腔器具を備え、前記第1の口腔器具及び少なくとも第2の口腔器具の各々は、
前部及び2つのアームを有し内壁、外壁を含む概してU字形の器具本体と、
前部とそれぞれ後端を有する2つのアームとを有し前記内壁及び前記外壁を相互接続するウェブと、を備え、
前記内壁及び外壁の各々は、上歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブの上方に突出する上部を有し、
前記内壁及び外壁の各々は、下歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブから垂下する下部を有し、
前記ウェブは、呼吸のための全断面積を規定するように少なくとも1つの呼吸孔を備え、前記第1の口腔器具の前記呼吸のための全断面積は、前記第2の口腔器具の前記呼吸のための全断面積よりも大きい。
【0080】
第1及び/又は第2の口腔器具の上歯列弓受け入れチャネル及び下歯列弓受け入れチャネルは、器具が口内で着用されるときに、患者の下顎が前進させられるように構成されてよい。これにより舌は前方に動かされ、咽頭気道の閉塞が緩和され得る。下顎変位の程度は、それがある場合には、第1の口腔器具から第2の口腔器具に適切に減少してよい。幾つかの態様では、最終段階の口腔器具は下顎変位を有していなくてもよい。
【0081】
主として鼻を通しての呼吸に人を訓練する方法における使用のための口腔器具のセットも更に開示され、口腔器具のセットは、第1の口腔器具及び少なくとも第2の口腔器具を備え、前記第1及び少なくとも第2の器具の各々は、
前部及び2つのアームを有し内壁、外壁を含む概してU字形の器具本体と、
前部とそれぞれ後端を有する2つのアームとを有し前記内壁及び前記外壁を相互接続するウェブと、を備え、
前記内壁及び外壁の各々は、上歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブの上方に突出する上部を有し、
前記内壁及び外壁の各々は、下歯列弓受け入れチャネルを規定するように前記ウェブから垂下する下部を有し、
前記ウェブは、呼吸のための全断面積を規定するように少なくとも1つの呼吸孔を備え、前記第1の口腔器具の前記呼吸のための全断面積は、前記第2の口腔器具の前記呼吸のための全断面積よりも大きい。
【0082】
第1及び/又は第2の口腔器具の上歯列弓受け入れチャネル及び下歯列弓受け入れチャネルは、器具が口内で着用されるときに、患者の下顎が前進させられるように構成されてよい。これにより舌は前方に動かされ、咽頭気道の閉塞が緩和され得る。下顎変位の程度は、それがある場合には、第1の口腔器具から第2の口腔器具に適切に減少してよい。幾つかの態様では、最終段階の口腔器具は下顎変位を有していなくてもよい。