特許第6899400号(P6899400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6899400LACTOBACILLUS PLANTARUMの新規プロバイオティクス細菌株ならびにそれらの組成物及び炎症の治療における使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899400
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】LACTOBACILLUS PLANTARUMの新規プロバイオティクス細菌株ならびにそれらの組成物及び炎症の治療における使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20210628BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20210628BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20210628BHJP
   A61K 8/99 20170101ALI20210628BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   C12N1/20 A
   A61K35/747
   A61K9/08
   A61K9/107
   A61K9/16
   A61K9/20
   A61K9/28
   A61K9/48
   A61K8/99
   A61Q11/00
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-556013(P2018-556013)
(86)(22)【出願日】2017年1月18日
(65)【公表番号】特表2019-506181(P2019-506181A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2017051003
(87)【国際公開番号】WO2017125446
(87)【国際公開日】20170727
【審査請求日】2019年11月29日
(31)【優先権主張番号】1600975.5
(32)【優先日】2016年1月19日
(33)【優先権主張国】GB
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 32131
(73)【特許権者】
【識別番号】509243300
【氏名又は名称】プロビ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ヨルグ ティロ
(72)【発明者】
【氏名】ゴッツ,マーカス ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】モリン,ゴーラン
(72)【発明者】
【氏名】アーネ,シヴ
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−526413(JP,A)
【文献】 特表2013−535226(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/140080(WO,A1)
【文献】 特開2010−202557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
A61K
A61Q
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
actobacillus plantarum GOS 42(DSM 32131)である微生物
【請求項2】
前記微生物が、栄養細胞及び/または胞子として存在する、請求項1に記載の微生物
【請求項3】
前記微生物が、弱毒化されているか、または死滅している、請求項1または2に記載の微生物
【請求項4】
Lactobacillus plantarum GOS 42(DSM 32131)である微生物を、担体、賦形剤、及び/または希釈剤と共に含む、組成物。
【請求項5】
前記組成物が、薬学的組成物である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記微生物が、栄養細胞及び/または胞子として存在する、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
前記微生物が、弱毒化されているか、または死滅している、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項8】
前記微生物の総量が、前記組成物の総重量に対して、少なくとも0.01重量であり、かつ/または前記微生物の総量が、1×10〜1×1011コロニー形成単位(CFU)の範囲内にある、請求項4〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記微生物の総量が、前記組成物の総重量に対して0.1〜50重量%の範囲内にあり、かつ/または前記微生物の総量が、1×10〜1×1010CFUの範囲内にある、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記微生物の総量が、前記組成物の総重量に対して1〜10重量%の範囲内にあり、かつ/または前記微生物の総量が、1×10〜1×10CFUの範囲内にある、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、コーティングまたはカプセル化されている、請求項4〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、溶液、懸濁液、乳剤、錠剤、顆粒、粉末、またはカプセルの形態である、請求項4〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、練り歯磨き粉、歯磨きジェル、歯磨き粉、歯洗浄液、歯洗浄フォーム、口内洗浄液、口内スプレー、糸ようじ、チューインガム、及びトローチ剤からなる群から選択される、請求項4〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、動物用食品及び/または飲料構成成分を含む、請求項4〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
医薬として使用するための請求項1〜のいずれか一項に記載の微生物または請求項4〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記使用が炎症の治療及び/または予防におけるものである、請求項15に記載の使用のための微生物または組成物。
【請求項17】
前記使用が、インターロイキン1(IL−1)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン8(IL−8)、腫瘍壊死因子(TNF)、プロスタグランジンE2(PGE2)、イソプロスタン、及びマトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP9)からなる群から選択される1つ以上の炎症因子の放出を低減及び/または阻害するためのものである、請求項16に記載の使用のための微生物または組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規細菌株Lactobacillus plantarum Gos 42(DSM 32131)、及びプロバイオティクスとしての使用のためのそれらの組成物に関する。新規株は、医薬、特に炎症の治療及び/または予防における特定の使用を有する。それらの新規株及び組成物は、口腔内の炎症の治療及び/または予防において、好ましくは歯齦炎及び/または歯周炎の治療及び/または予防のための、特定の実用性を見出す。
【発明の概要】
【0002】
特に、それらの新規株及び組成物は、インターロイキン1(IL−1)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン8(IL−8)、腫瘍壊死因子(TNF)、プロスタグランジンE2(PGE2)、イソプロスタン、マトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP9)、及びNF−κBからなる群から選択される1つ以上の炎症因子の放出を低減または阻害するため、抗炎症剤として使用され得る。
【0003】
好ましくは、本発明の新規株はプロバイオティクスであり、これは、特定の微環境で増殖した場合、例えば、同じ微環境内での他の有機体の増殖を阻害または防止することによって利益をもたらす微生物である。プロバイオティクス微生物の例としては、少なくとも一時的に胃腸管に定着し得て、病原菌を置き換えまたは破壊し、宿主に他の利益も提供する乳酸菌が挙げられる。
【0004】
本明細書で使用される場合、「プロバイオティクス」は、一過性または内生の微生物叢の少なくとも一部を形成し、それにより宿主生物に有利な予防的及び/または治療的効果を呈する微生物を指す。プロバイオティクスは、臨床的に安全(すなわち、非病原性)であると、当業者に一般的に知られている。一例として、しかしいずれの特定のメカニズムにも限定するものではないが、本発明の酸産生細菌の予防的及び/または治療的効果は、(i)それらの優れた定着能力、(ii)望ましくない微生物の寄生、(iii)抗菌活性を有する酸(例えば、乳酸、酢酸、及び他の酸性化合物)及び/または他の細胞外産物の産生、ならびに(iv)それらの様々な組み合わせによる、病原菌の増殖の優位性のある阻害から、ある程度は、生じる。本発明の酸産生細菌の前述の産物及び活性は、相乗的に作用して、本明細書に開示される有利なプロバイオティクス効果を生成することに留意されたい。
【0005】
細菌株の精製または単離された調製物とは、調製物が、特定の温度での調製物の複製に影響するのに十分な量の別の細菌種または株を含有しないことを意味する。細菌株の精製または単離された調製物は、例えば、限界希釈でのプレーティング及び温度選択のような標準的な方法を使用して作製される。
【0006】
歯肉の炎症状態は、主に歯垢の形成によって引き起こされる。定着している細菌は、唾液の構成成分と食品の残渣の存在に助けられて、歯の表面上に生物膜を形成する。初期の段階で十分に除去されない場合、歯の表面上の歯垢の膜は、取り除くことが非常に困難な歯石の堆積をもたらす。歯肉の隙間の増大した数の細菌の存在は、歯肉炎として知られる歯肉の炎症につながる。感染しやすい個体において、歯肉炎は、歯の損失につながる場合がある歯周炎に進行することがある。特に、グラム陰性菌中に存在するリポ多糖(LPS)は、患部組織中にプロスタグランジンE2(PEG2)ならびにインターロイキン及びTNF−αのような炎症性メディエーターを放出するLPS刺激マクロファージによる非特異的免疫反応の原因となり得る。炎症性メディエーターは、存在する線維芽細胞から、さらなるPGE2及びマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の放出を引き起こし、周囲の組織の細胞外マトリックスを破壊する。これは、細菌が、組織をより深く貫通し、上皮の外層及び歯根の独立した炎症プロセスを促進することを可能にし、歯周ポケット形成の原因となる。歯を支えている歯槽骨は、前進する細菌より先に再吸収を行い、歯を不安定にさせ、未治療で放置された場合は、歯を失う原因となる。
【0007】
歯肉の進行する破壊を避けるために、口腔内の炎症反応は、早期段階で抑えられるか、または理想的には予防される必要がある。
【0008】
歯垢の機械的除去の改善された方法から、強力な抗菌特性を有する口ケア製品の使用までにわたる、多数の異なるアプローチがこの問題に対処してきた。
【0009】
しかしながら、口腔内に存在する全ての細菌が病気に関連するわけではなく、多くは口の健康を促進さえする。それゆえ、常在細菌を一律に根絶する代わりに、口の微生物叢の健康的な配合に向けたバランスを確立することが望ましい。
【0010】
通常の口の微生物叢は、非常に複雑であり、古細菌、菌類、原生動物、及びウイルスと並んで、700を超える細菌種を含む。乳酸菌及びビフィズス菌のような下側歯肉片利共生生物は、プロバイオティクスとして投与された場合、いくつかの抗炎症特性を含む胃腸の健康に有利な効果を有することが示されてきた。
【0011】
口腔内の細菌のプロバイオティクス作用は、いくつかの研究の対象となってきたが、結果は使用された種によって大きく異なり、作用が無関係の効果に大きく依存し得るため、効率的な適用の好適な指標は、確立が困難である。
【0012】
プロバイオティクス作用の中でも、抗炎症効果と並んで、病気に関連する種に対する一般的な抗菌効果、歯の表面への細菌の付着の低減または予防は、文献で論じられてきた。
【0013】
しかしながら、特に異なる炎症性メディエーターの抑制に関して、炎症メカニズムに対する具体的なプロバイオティクス株の影響は、ほとんど知られていない。注目すべきことには、本発明に先立つ広範な研究において、一般的に認知されているプロバイオティクス細菌のいくつかの株は、ある投与量で炎症性因子の放出を高め得ることも見出されている。したがって、炎症の炎症性及び抗炎症性メディエーターに対して望ましい効果を呈する新規株の満たされていない必要が残っている。
【0014】
本発明の目的は、医薬において、特に口腔内における炎症の治療及び/または予防において、特に歯齦炎及び/または歯周炎の治療及び/または予防において使用され得るそれらの新規株及び組成物を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、インターロイキン1(IL−1)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン8(IL−8)、腫瘍壊死因子(TNF)、プロスタグランジンE2(PGE2)、イソプロスタン、マトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP9)、及びNF−κBのような1つ以上の炎症因子の放出を低減または阻害することができる、それらの新規細菌株及び組成物を提供することである。
【0016】
本発明の目的は、2015年9月2日にBudapest Treatyの要件に従ってLeibniz Institute DSMZ−German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、Inhoffenstr.7 B、D−38124 BraunschweigでSolvegatan 41、22370 Lund、SwedenのProbi ABによって寄託され、寄託受付番号DSM 32131を受けたLactobacillus plantarum株 GOS 42及びそれらの組成物を提供することによって達成される。
【0017】
本発明の株は、健康なヒトボランティアの唾液から単離され、Bacillus subtilis、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium bifidum、Bifdobacterium longum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium lactis、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus LAFTI、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus cellobiosus、Lactobacillus salivarius、Streptococcus thermophilus、及びLactococcus lactisの株を含む50を超える候補プロバイオティクス株の中から選択された。
【0018】
広範なスクリーニングによって、本発明による細菌株は、同時に、他の炎症性因子の放出を高めないか、または無視できるほどのみ高める一方で、主に、特定の炎症性因子の放出に対する阻害方法において明らかな調節活性を呈することが確認された。本発明は、今回、炎症状態、特に、口腔内で発生するものの予防及び/または治療のためのプロバイオティクス細菌株の最適化された使用を可能にし、これは、以前は不可能であった。
【0019】
上で説明されたように、病気に関連する細菌による口粘膜の定着及び歯垢の形成は、口腔内の微生物バランスを、有害微生物の蓄積に傾け得て、これは腸内毒素症としても呼ばれる。それゆえ、本発明による口腔内の炎症の予防及び/または治療において使用する微生物は、歯垢及び歯垢に関連する病気の予防及び/または治療における使用を含み、口の微生物叢を健康な状態に整えることによって口の腸内毒素症を避けることを有利に助ける。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、上述された微生物は、理想的には70〜100℃の温度での2〜8分間の培養によって弱毒化されているか、または死滅していて、好ましくは熱失活されている。
【0021】
下に記述される研究において、本発明による微生物が、不活性状態においてさえ、炎症性因子の放出の阻害効果を提供し得ることが例証されてきた。それゆえ、死滅または熱失活されている場合に新規株を使用することも可能である。注目すべきことには、熱失活株は、特定の因子に対して同じまたは少し高められてさえいる抗炎症活性を示すことがある。
【0022】
一態様において、本発明は、抗炎症剤として使用されるための、特に、インターロイキン1(IL−1)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン8(IL−8)、腫瘍壊死因子(TNF)、プロスタグランジンE2(PGE2)、イソプロスタン、マトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP9)、及びNF−κBからなる群から選択される1つ以上の炎症因子の放出を低減または阻害するための、上に引用された微生物に関する。
【0023】
本発明の別の態様に従って、上述された態様のいずれかにおいて定義されたような微生物の新規株の断片は、特に口腔内における炎症の治療及び/または予防において、好ましくは歯齦炎及び/または歯周炎の治療及び/または予防において使用され得る。
【0024】
微生物の断片のみ(例えば、分解された細胞の破片)を含む混合物が発明に関する効果を提供するのに十分であるため、本発明の新規株の全細胞を使用することが、不必要であり得る。
【0025】
さらなる態様において、本発明は、また、Lactobacillus plantarum GOS 42またはそれらの断片ならびに薬学的に許容可能な担体、賦形剤、及び/または希釈剤を含む薬学的組成物に関する。微生物またはそれらの断片の総量は、好ましくは特に口腔内の炎症の治療及び/または予防のため、好ましくは歯齦炎及び/または歯周炎の治療及び/または予防のために十分である。好ましくは、微生物またはそれらの断片の総量が、各々の場合において組成物の総量に対して、0.01〜100%の範囲内にあり、より好ましくは、0.1〜50%の範囲内にあり、最も好ましくは、1〜10%の範囲内にあり、かつ/または微生物(複数可)またはそれらの断片の総量が、1×10〜1×1011コロニー形成単位(CFU)の範囲内にあり、より好ましくは、1×10〜1×1010CFU、理想的には、1×10〜1×10CFUの範囲内にある。
【0026】
好ましい実施形態において、本発明の微生物(細菌)は、組成物中に、グラム当たり約1×10〜1×1014コロニー形成単位(CFU)、好ましくは、約1×10〜1×1012CFU/グラムの濃度で存在し、一方で他の実施形態において、濃度は約1×10〜1×1013CFU/グラム、約1×10〜1×10CFU/グラム、または約1×10〜1×10CFU/グラムである。しかしながら、濃度よりも全体的なCFUが最も重要であることが理解されるだろう。
【0027】
一実施形態において、本発明の細菌は、薬学的に許容可能な担体内または好ましくは粉末補助食品、ペレット化された製剤、または液体製剤のような哺乳動物への経口投与に好適な食料製品内にある。哺乳動物は、好ましくはヒトである。
【0028】
当業者は、本発明による組成物または製品に使用されるプロバイオティクス有機体が、その活性がバッチによって異なり得て、製品または加工方法にも依存する生物由来物質の典型であることを理解している。それゆえ、好適な量は、所与の範囲内でそれに従って調整され得る。
【0029】
さらに、本発明は、医薬、好ましくは特に口腔内における炎症の治療及び/または予防における、最も好ましくは歯齦炎及び/または歯周炎の治療及び/または予防において使用するための、上述された組成物または製品に関する。
【0030】
本発明による組成物は、担体、賦形剤、もしくは、例えば、非ステロイド性消炎剤、抗生剤、ステロイド、抗TNF−アルファ抗体、または他のバイオテクノロジーによって製造された活性剤の群からの活性剤のようなさらなる活性成分、及び/もしくは、鎮痛剤、デクスパンテノール、プレドニゾロン、ポリビドンヨージド、クロルヘキシジン−ビス−D−グルコネート、ヘキセチジン、ベンジダミンHCl、リドカイン、ベンゾカイン、マクロゴールラウリルエーテル、セチジルピリジニウムクロライドと組み合わせたベンゾカイン、または子牛の血からのたんぱく質フリー血液透析と組み合わせたマクロゴールラウリルエーテルと並ぶ薬物、ならびに、例えば、充填剤(例えば、セルロース、炭酸カルシウム)、可塑剤または流れ向上剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム)、コーティング剤(例えば、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタレート)、崩壊剤(例えば、デンプン、架橋ポリビニルピロリドン)、柔軟剤(例えば、トリエチルシトレート、ジブチルフタレート)、顆粒形成用物質(ラクトース、ゼラチン)、遅延剤(例えば、分散状態のポリ(メタ)アクリル酸メチル/エチル/2−トリメチルアミノメチルエステル共重合、ビニルアセテート/クロトン酸共重合)、圧縮剤(例えば、マイクロクリスタリンセルロース、ラクトース)、溶媒、懸濁化または分散剤(例えば、水、エタノール)、乳化剤(例えば、セチルアルコール、レクチン)、流動学的特性調整物質(シリカ、アルギン酸ナトリウム)、微生物安定化物質(例えば、ベンザルコニウムクロリド、ソルビン酸カリウム)、保存料及び抗酸化剤(例えば、DL−アルファ−トコフェノール、アスコルビン酸)、pH調整物質(乳酸、クエン酸)、発泡剤または不活性ガス(例えば、フッ素化塩素化炭化水素、二酸化炭素)、染料(酸化鉄、酸化チタン)、軟膏の基本成分(例えば、パラフィン、ビーズワックス)、及び文献で(例えば、Schmidt、Christin.Wirk− und Hilfsstoffe fur Rezeptur、Defektur und Groβherstellung.1999、Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH Stuttgart oder Bauer、Fromming Fuhrer.Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie.8.Auflage、2006、Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH Stuttgartにおいて)記述されたような他のものからなる郡から選択された1つ以上の組成物をさらに含み得る。
【0031】
本発明による組成物または製品は、また、コーティングされるか、カプセル化され得る。
【0032】
本発明による組成物のカプセル化は、例えば、水に触れた途端の制御された放出または延長された時間にかけての継続的な放出を可能にするという有利性を有し得る。さらに、組成物は分解から保護され得て、製品の保存可能期間を向上する。活性成分のカプセル化のための方法は、当業界においてよく知られており、具体的な要件に従ってそれらを組成物に適用する方法と並んで多くのカプセル化材料が利用可能である。
【0033】
さらに、本発明による組成物または製品は、溶液、懸濁液、乳剤、錠剤、顆粒、粉末、またはカプセルの形態であり得る。
【0034】
本発明による組成物または製品は、練り歯磨き粉、歯磨きジェル、歯磨き粉、歯洗浄液、歯洗浄フォーム、口内洗浄液、口内スプレー、糸ようじ、チューインガム、及びトローチ剤からなる群から選択され得る。
【0035】
そのような組成物または製品は、シリケート、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、及び/またはヒドロキシルアパタイトのような研磨装置(研磨及び/または艶出し構成成分)、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、及び/またはコカミドプロピルベタインのような界面活性剤、グリセロール及び/またはソルビトールのような保湿剤、増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カラギーナン、及び/またはLaponite(登録商標)、不快な味の印象のための芳香及び味修正剤、味調整物質(例えば、イノシトールホスフェート、ヌクレオチド、例えば、グアノシンモノホスフェイト、アデノシンモノホスフェイト、または他の物質、例えば、グルタミン酸ナトリウム、または2−フェノキシプロピオン酸)、メントール誘導体(例えば、L−メンチルラクテート、L−メンチルアルキルカーボネート、メントンケタール)、イシリン、及びイシリン誘導体のような着色剤、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、二フッ化スズ、第四級フッ化アンモニウム、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ピロリン酸スズ、二塩化スズ、異なるピロリン酸の混合物、トリクロサン、セチルピリジニウムクロリド、乳酸アルミニウム、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、過酸化水素のような安定剤及び活性剤、芳香物質、重曹、及び/または匂い修正剤を含有し得る。
【0036】
チューインガムまたは歯科ケアチューインガムは、エラストマー、例えばポリビニルアセテート(PVA)、ポリエチレン、(低または中分子)ポリイソブタン(PIB)、ポリブタジエン、イソブテン/イソプレンコポリマー、ポリビニルエチルエーテル(PVE)、ポリビニルブチルエーテル、ビニルエステル及びビニルエーテルのコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、またはビニルエラストマー、例えば、ビニルアセテート/ビニルラウラート、ビニルアセテート/ビニルステアレート、またはエチレン/ビニルアセテートに基づいたもの、ならびに、例えば、EP0242325、US4,518,615、US5,093,136、US5,266,336、US5,601,858、またはUS6,986,709に記述された例のように言及されたエラストマーの混合物を含むチューインガムベースを含み得る。加えて、チューインガムベースは、さらなる成分、例えば、(無機)充填剤、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化シリコン、タルク、酸化アルミニウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、及びそれらの混合物、可塑剤(例えば、ラノリン、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、エチルアセテート、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、トリアセチン(グリセロールトリアセテート)、及びトリエチルシトレート)、乳化剤(例えば、レクチンのようなホスファチド、ならびに脂肪酸のモノ及びジグリセリド、例えば、グリセロールモノステアレート)、酸化防止剤、ワックス(例えば、パラフィンワックス、カンデリラワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びポリエチレンワックス)、脂肪または脂肪油(例えば、硬化された(水素添加された)植物または動物脂肪)、ならびにモノ、ジ、またはトリグリセリドを含有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】ヒト初代単球におけるLactobacillus plantarum GOS 42(DSM 32131)の、インターロイキン1ベータ(A)、インターロイキン6(B)、インターロイキン8(C)、プロスタグランジンE2(D)、腫瘍壊死因子アルファ(E)、及びイソプロスタン(F)に対する抗炎症効果を示す。左の柱は未処理の細胞を指し、右の柱は弱毒化された細胞を指す。
図2】弱毒化形態におけるLactobacillus plantarum GOS 42(DSM 32131)の、ヒト歯肉線維芽細胞内のインターロイキンに対する抗炎症効果を示す。左の柱はインターロイキン6を指し、右の柱はインターロイキン8を指す。
【0038】
以下の実施例は、その範囲を限定する意図はなく、本発明を例証するために加えられる。
【0039】
実施例1:プロバイオティクス株の培養及び取り扱いを確立
本発明の株は、Bacillus subtilis、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium bifidum、Bifdobacterium longum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium lactis、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus LAFTI、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus cellobiosus、Lactobacillus salivarius、Streptococcus thermophilus、及びLactococcus lactisの株を含む50を超える候補プロバイオティクス株の中から選択された。
【0040】
最適な増殖条件及び集菌の時点を特定し、スクリーニングされるプロバイオティクス細菌のコロニー形成単位(CFU)を判定するために、まず、対数期と増殖期の終わりとを判定した。
【0041】
細菌増殖
凍結した(−80℃)プロバイオティクス株を一晩かけて4℃で解凍し、翌朝、6mlの無菌9%NaCl溶液を1.2mlの細菌に添加した。試料を遠心分離(5分、5000rpm)し、上澄みを捨て、ペレットを8mlの9%NaClで洗浄し、再び5分間、5000rpmで遠心分離した。その後、ペレットを1.2mlの9%NaCl中に再懸濁し、1mlの試料を50mlの37℃の温かい培地(MRSブイヨン、Carl Roth KG、Karlsruhe)に添加し、37℃でインキュベートした。50mlの無菌ポリプロピレン管(Greiner)内でインキュベーションを実施し、増殖曲線を評価するために異なる時点で探針を取り入れた。
【0042】
OD判定
ODの判定のために、500μlの細菌懸濁液を除去し、1.5ml−PS−キュベット(Brand)内で1mlのMRSブイヨンで希釈した。600nm(ThermoScientific、Helios Epsilon)でOD判定を実施した。1.5mlのMRSブイヨンをブランクとして使用した。
【0043】
CFU判定
CFUの判定のために、細菌を希釈し(1:10.000.000、1:50.000.000、及び1:100.000.000)、MRS寒天プレート(MRS寒天、X924、Carl Roth)上に蒔き、2日間37℃でインキュベートした。その後、増殖したコロニーを数え、CFUを計算した。
【0044】
開始直後から細菌は対数期に接近し、7〜8時間後に分裂停止期に到達し始めた。播種されるバクテリアの量は曲線の形を変化させない。5時間を対数期における細菌を集菌する最も急な増殖段階の時点として、7時間を対数期の終わりでそれらを集菌する時点として選択した。
【0045】
実施例2:プロバイオティクスによるヒト単球の刺激を確立
新規プロバイオティクス株による単球細胞培養物の刺激を、粉末として得られた株を使用することによって確立した。まず、増殖した細菌(対数期から採取)、増殖した細菌培養物の上澄み、溶解した粉末の直接適用、及び粉末の上澄みを使用するようないくつかの適用形態を試験した。結果に従って、対数期の終わりの細菌で、2バッチの凍結された株を用いてこれを試験した。上澄みを使用する代わりに、それら2つの株の熱失活を確立し、不活性化された細菌を活性化された細菌と比較した。
【0046】
サイトカインの測定、初代ヒト単球内のMMP−9及びPGE2
ヒト初代単球を、健康なヒト血液提供者の軟膜から単離した。細胞をELISA実験用の24ウェルプレートに播種した。細胞をLPSと共に24時間インキュベートした。LPS処理の30分前にプロバイオティクス(5投与量)を添加した。24時間後、上澄みを取り出し、遠心分離し、製造者のプロトコルを使用してEIA(PGE2、AssayDesignから、イソプロスタン、Caymanから)またはELISA(全サイトカイン、Immunotools、MMP−9、GE Healthcare)中のIL−1ベータ、TNFアルファ、IL−6、IL−8、MMP−9、イソプロスタン−8、及びPGE濃度を調査した。各投与量を、2人の異なる提供者からの2つの軟膜内で2〜3度調査した。
【0047】
まず、ヒト単球刺激用プロバイオティクス凍結乾燥粉末調整物の異なる型が試験された。
【0048】
プロバイオティクスを集菌し、その後、遠心分離した。細胞を未使用の培地の中で溶解し、ヒト単球に適用した。
【0049】
その後、単球をプロバイオティクスと共に30分間インキュベートし、その後、LPSを添加し、24時間後に上澄みを取り出し、炎症指標の判定に使用した。
【0050】
実施例3:熱失活株の試験
熱失活の確立
熱失活は2バッチで確立された。細菌の増殖対数期の終わりで、細菌懸濁液のアリコートを取り出し、未使用の50ml管に添加し、水浴中にて80℃で5分間インキュベートした。80℃での5分間が、細菌を不活性化し、このように細菌の増殖を止めた。
【0051】
熱失活した株のバッチを試験し、IL−1及びTNFに対する効果を高めることは、熱処理によって影響されないことを見出した。さらに、加熱活性化は、両方の株によるPGE2阻害に影響しなかったか、またはわずかにのみ影響した。
【0052】
実施例4:ヒト単球に関するプロバイオティクスのスクリーニング及びNF−kappaB活性化に対する効果
様々なプロバイオティクス株を、それらの活性化されたもの及び不活性化されたもの(熱失活形態)において、LPS誘発ヒト初代単球に関してスクリーニングした(IL−1ベータ、IL−6、IL−8、TNFアルファ、PGE2、8−イソプロスタン、及びMMP−9を判定する)。
【0053】
実施例1〜4による新規株の典型的な抗炎症パターンを図1に示す。
【0054】
TNFin NIH−3T3線維芽細胞によって引き起こされたNF−kappaB活性化に対する効果を試験する実験を、NF−kappaB依存性プロモーターによって安定的にトランスフェクトされたルシフェラーゼ遺伝子ドライブを含有した線維芽細胞株内で行った。細胞を、プロバイオティクスの存在または不在においてTNFで刺激した。6時間の刺激後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ活性をルミノメーター内で測定した。
【0055】
実施例5:ヒト歯肉線維芽細胞に関する選択されたプロバイオティクスのスクリーニング
本発明の選択された株を、ヒト歯肉線維芽細胞に適用した。製造者のプロトコルに説明されるように、線維芽細胞培養物を維持した。刺激の前に、ELISA実験用の24ウェルプレートに細胞を播種する。細胞をIL−1ベータ無し(非刺激対照群)で、またはそれと共に24時間インキュベートした。IL−1処理の30分前にプロバイオティクス(5投与量、スクリーニング分析の結果による)を添加する。24時間後、上澄みを取り出し、遠心分離し、製造者のプロトコルを使用してEIA(PGE2、AssayDesignから、Caymanからのイソプロスタン)またはELISA(IL−6、IL−8、Immunotools)中のIL−6、IL−8、イソプロスタン、及びPGE2濃度を調査した。各投与量を少なくとも2〜3度調査した。株は、いくつかのIL−6阻害効果を示した。
【0056】
実施例5による株の抗炎症パターンを図2に示す。
【0057】
実施例6:プロバイオティクストローチ剤または錠剤
【0058】
【表1】
【0059】
製造方法:
●構成成分1及び6を真空コンパートメント乾燥機中で50℃及び最大10mbarの圧力で16時間乾燥する。
●全ての構成成分を正確に測る。
構成成分1、2、3、4、及び5を組み合わせて、完全に混合する(ブロックA)。グラム当たり約10〜1012コロニー形成単位(CFU)の活性を有する凍結乾燥形態でプロバイオティクス物質を適用する。
●続いて、ブロックAを構成成分6に添加し、5分間完全に混合する。
●粉末混合物を、錠剤プレスEK0(Korsch AG、Berlin)中で15〜20kNの調整圧力で錠剤にプレス加工する。
目標指標:
○錠剤直径:20mm
○錠剤重量:2.0g
●密封されたアルミニウム小袋内で室温にて保管する。5トローチ剤当たり1gの乾燥剤を除湿に使用する(真空コンパートメント乾燥機内で、105℃で3時間保管することによって活性化される)。
【0060】
実施例7:粉末歯磨き剤
【0061】
【表2】
【0062】
製造方法:
●構成成分7を真空コンパートメント乾燥機中で50℃及び最大10mbarの圧力で16時間乾燥する。
●全ての構成成分を正確に測る。
●構成成分1、2、3、及び4を組み合わせて、共に完全に混合する(ブロックA)。
●構成成分5及び6を、必要な場合は、組み合わせて、完全に混合する(ブロックB)。グラム当たり約10〜1012コロニー形成単位(CFU)の活性を有する凍結乾燥形態でプロバイオティクス物質を適用する。
●続いて、ブロックA及びBを組み合わせて、共に完全に混合する
●混合物を構成成分7に添加し、5分間完全に混合する。
●密封されたアルミニウム小袋内で、粉末混合物は、分量当たり1gの乾燥剤(真空コンパートメント乾燥機内で、105℃で3時間保管することによって活性化される)と共に室温での保管量当たり0.5gの分量に作り上げられる。
【0063】
実施例8:粉末歯磨き剤
【0064】
【表3】
【0065】
製造方法:
●構成成分6、9及び10を真空コンパートメント乾燥機中で50℃及び最大10mbarの圧力で16時間乾燥する。
●全ての構成成分を正確に測る。
●構成成分1、2、3、4、5、及び6を組み合わせて、共に完全に混合する(ブロックA)。
●構成成分7及び8を組み合わせて、共に完全に混合する(ブロックB)。グラム当たり約10〜1012コロニー形成単位(CFU)の活性を有する凍結乾燥形態でプロバイオティクス物質を適用する。
●続いて、ブロックA及びBを組み合わせて、共に完全に混合する
●構成成分9及び10を組み合わせて、共に完全に混合する(ブロックC)。
●2つの混合物(ブロックA/B及びブロックC)を組み合わせ、5分間完全に混合する。
●粉末混合物を、錠剤プレスEK0(Korsch AG、Berlin)中で15〜20kNの調整圧力で錠剤にプレス加工する。
目標指標
○錠剤直径:9mm
○錠剤重量:0.3g
●密封されたアルミニウム小袋内で室温にて保管する。3錠剤当たり1gの乾燥剤を除湿に使用する(真空コンパートメント乾燥機内で、105℃で3時間保管することによって活性化される)。
【0066】
実施例9:チューインガム
【0067】
【表4】
【0068】
製造方法:
●構成成分2を真空コンパートメント乾燥機中で50℃及び最大10mbarの圧力で16時間乾燥する。
●全ての構成成分を正確に測る。
●構成成分1を、チューインガムラボ混練機内で45〜59℃に調節し、均質の塊が得られるまで加熱と共に混練する。加熱は、全混合プロセスの間で行われる。
●続いて、構成成分2、3、及び4を添加し、混合物が均質で、粉末がもう見えなくなるまで混練する。
●処方により、構成成分6を、構成成分5(ブロックC)または構成成分7(ブロックD)のいずれかに組み入れる。グラム当たり約10〜1012コロニー形成単位(CFU)の活性を有する凍結乾燥形態でプロバイオティクス物質を適用する。構成成分を、均一な懸濁液が得られるまで混合する。
●まず、ブロックCをチューインガムの塊に添加し、均質の塊が得られるまで再び混練する。
●最後に、ブロックDをそれに従って処理する。添加の後、均一なチューインガムの塊が得られるまで、構成成分を混練しなければならない。
●ミキサーから塊を取り出し、エンボスセット「slabs」を使用し、エンボスローラにより小さな棒に形成する。
●密封されたアルミニウム小袋内で室温にて保管する。7つのチューインガム当たり1gの乾燥剤を除湿に使用する(真空コンパートメント乾燥機内で、105℃で3時間保管することによって活性化される)。
【0069】
実施例10:プロバイオティクスビードレット
【0070】
【表5】
【0071】
製造方法:
アルジネートビードレットの沈殿物のための塩化カルシウム浴の製造:
●2%の塩化カルシウム溶液を蒸留水及び塩化カルシウムから製造する。CaClを完全に溶解するように注意を払わなければならない。
アルジネート溶液の製造(アルジネートの代わりに、また、ペクチンまたはゲランガムを使用し得る):
●反応槽内で、攪拌機を用いて、バッチサイズに好適である水を提供する。
●攪拌機を作動し、高レベルでの攪拌の間、任意に必要なゲランガムと並んで、アルジネート、アラビアガム、小麦繊維、及びプロバイオティクスのそれぞれの量を、添加する。
●攪拌しながら混合物を80℃に加熱し、この温度で5分間保持し、この手順の間、構成成分を形成しているジェルを溶解する。
●その後、加熱を止め、ダマがなくなるまで少なくとも30分間熱いジェル溶液をさらに攪拌する。
●続いて、溶液を攪拌しながら冷蔵によって39〜43℃に冷却する。
●さらなる槽内で、必要な場合、芳香及び染料を提供し、完全に混合する。芳香が使用されない場合、染料はグリセロールと混合する。
●染料分散液を均質に混合した場合、バッチ槽にアルジネート溶液と添加する。混合槽を水を使用し分散液に添加される約10%の量のアルジネート溶液で何度か洗浄する。
●アルジネート分散液を、少なくとも5分間さらに攪拌する。
●続いて、低速でさらに少なくとも15分間バッチを攪拌し、存在する可能性のある空気を除去する。
【0072】
ビードレットの沈殿物のための塩化カルシウム溶液中にアルジネート溶液を滴下:
●アルジネート分散液を、2つの排水口を有する厳封可能圧力安定反応槽に移動する。1つの排水口で、加圧空気を適用する。第2の排水口は、管を介して滴下ユニットのノズルにつながる。
●アルジネート溶液が約45℃に到達するように、反応槽を加熱プレート上で調節する。溶液を磁力攪拌機で少し攪拌する。
●反応槽への圧力の適用後、アルジネート溶液をノズルに押し込み、発振器によって発振を始める。圧力の適応及び発振器の振動数によって、ノズルの先端で結果として得られる滴のサイズを調整することができる。
●ノズルの先端で形成するアルジネート溶液の滴は、最初に調製された塩化カルシウム溶液が流れる漏斗の形態で収集槽内に落ちる。
●硬化されたアルジネートビードレットを、塩化カルシウム溶液と漏斗を通過し、篩で収集溶液され、収集された塩化カルシウムを滴下ユニットの下で漏斗内に送り戻し、このように再循環する。
45℃の排気温度に到達するまで、80℃の供給空気温度で、Aeromatic流体ベッド乾燥機内でビードレットを乾燥する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2