(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやサーバなどの電子機器は入力装置としてキーボード装置を備えている。一般的にこれらのコンピュータでは、制御基板上のキーボードコントローラまたは該キーボードコントローラに接続されたキーボードドライバがキーボード装置からキーの入力を受け付け、入力されたキーの種別を認識してOS(Operating System)へ通知している。
【0003】
ところで、キーボード装置はユーザの使用言語や用途に応じて多くの種類が存在し、例えば外見上が同じ形状であっても所定のキーが異なる文字に割り当てられていることがある。そのため、キーボードコントローラまたはキーボードドライバは接続されているキーボード装置の種類を識別して、種類に応じたキー割り当てテーブルを参照しながら押されたキーの種別を認識する。
【0004】
このため、
図8に示すように制御基板500のキーボードコントローラ502とキーボード装置504との間に複数本の識別信号線506を設け、キーボード装置504では1以上の識別信号線506をその種類に応じてグランドに接続している。各識別信号線506は制御基板500上に設けられたプルアップ抵抗508を介して電源に接続されており、キーボード装置504側でグランドに接続されていない線は論理レベル「1」となり、グランドに接続されている線は論理レベル「0」となる。例えば、キーボード装置504aでは「0,1,1」、キーボード装置504bでは「1,0,1」、キーボード装置504cでは「0,0,0」となる。キーボードコントローラ502ではこのパターンによってキーボード装置504を識別する。キーボード装置504が接続されていないときには識別信号線506の全てが「1」となって、キーボードコントローラ502ではキーボード装置504が未接続であることを認識できる。
図8ではキーのデータ線および電源線については省略している。
【0005】
また、特許文献1に記載の装置では、キーボード装置から押されたキーの種別を複数のデータ線によって制御基板に通知している。複数のデータ線は所定の高インピーダンス状態のときにそれぞれキーとは別のスイッチのオン・オフ状態を制御基板に供給する。制御基板ではスイッチのオン・オフのパターンによってキーボード装置の種類を識別する。すなわち、複数のデータ線が識別信号線を兼ねている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コンピュータを製造・組立するメーカにおいては、制御基板を含む本体側は共通の構成としておき、共通の本体に対して多くの種類のキーボード装置がそのまま適用可能であることが望ましい。また、ユーザ側においても標準品のキーボード装置を他の種類のキーボード装置に交換することがあり、本体側を設定変更することなくそのまま適用可能であることが望ましい。
【0008】
図8および特許文献1に示される装置では識別信号線の数によって識別可能なキーボード装置の数が制限される。例えば、識別信号線が3本の場合には、キーボード装置が未接続の場合も含めて8種類に制限される。これ以上の種類のキーボード装置を適用させるためには識別信号線の数を増やさなければならず、配線や構成が複雑になるとともにコストアップにつながる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、少ない信号線でより多くの種類のキーボード装置を識別することのできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の態様に係る電子機器は、キーボード装置と、制御基板と、前記制御基板に設けられ、前記キーボード装置を制御するキーボードコントローラと、前記キーボードコントローラに設けられたアナログ入力部と、コネクタを介して前記キーボード装置と前記制御基板とをつなぐケーブルと、前記キーボード装置と前記アナログ入力部とをつなぐ識別信号線と、一端が前記識別信号線につながり他端が第1電位部につながる第1分圧抵抗と、一端が前記識別信号線につながり他端が第2電位部につながる第2分圧抵抗と、を備え、前記第1分圧抵抗は前記コネクタと前記キーボード装置との間または前記キーボード装置内に設けられる。これにより、電子機器は識別信号線の電圧によってキーボード装置の種類を識別可能となり、識別のための信号線が1本で足り、しかもアナログ入力部の分解能に応じて多くの種類のキーボード装置を識別可能になる。
【0011】
前記キーボード装置は複数種類から1つが選択されたものであり、前記第1分圧抵抗は前記キーボード装置の種類によって異なる抵抗値であっていてもよい。
【0012】
前記キーボード装置におけるキーの操作を認識するキーボードドライバを備え、前記キーボードコントローラは、前記アナログ入力部から入力される電圧に基づき前記キーボード装置の種類を識別して前記キーボードドライバに通知し、前記キーボードドライバは、前記キーボードコントローラから通知された前記キーボード装置の種類にしたがって前記キーの種別を認識してもよい。このようにして、キーボードドライバはキーの種別を認識することができる。
【0013】
前記キーボード装置は、キートップと、該キートップの下側においてベースプレート上に重ねられて配設され、キートップの押圧操作により接点の離接を行うメンブレンシートと、を備え、前記第1分圧抵抗は前記メンブレンシートにおけるプリントパターンによって形成されていてもよい。メンブレンシートのプリントパターンで第1分圧抵抗を形成すれば、部品点数の増加がない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、第1分圧抵抗と第2分圧抵抗との直列接続による分圧回路が形成され、その分圧値がキーボードコントローラのアナログ入力部に入力される。第1分圧抵抗はコネクタとキーボード装置との間またはキーボード装置内に設けられ、キーボードドライバでは第1分圧抵抗による固有の分圧値に基づいてキーボード装置の種類を識別することができる。これにより、電子機器は1本の識別信号線の電圧によってキーボード装置の種類を識別可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明にかかる電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器10の斜視図である。この電子機器10はノート型PCである。
図1は、ヒンジ装置12によってディスプレイ筐体14を本体筐体16から開いて電子機器10をノート型PCの使用形態とした状態を示している。
【0018】
図1に示すように、電子機器10は、ディスプレイ筐体14の後端部と本体筐体16の後端部とを左右一対のヒンジ装置12,12によって回動可能に連結したものである。
【0019】
ディスプレイ筐体14は、本体筐体16よりも薄い平板形状に構成され、その内面14aにディスプレイ装置18が設けられている。ディスプレイ筐体14は、ヒンジ装置12を通過したケーブルにより本体筐体16と電気的に接続されている。ディスプレイ装置18は、例えばタッチパネル式の液晶表示装置によって構成される。
【0020】
本体筐体16は、平板形状に構成された箱体であり、その内面16aにキーボード装置22aやタッチパッド24が設けられている。本体筐体16は、その内部に制御基板26(
図4参照)、演算装置及びメモリ等の各種電子部品が収納されている。
【0021】
図2は、11種類のキーボード装置22a〜22k(
図2ではキーボード装置22c〜22jは省略している。)から選ばれた1つを電子機器10に装着する様子を示した図である。以下、キーボード装置22a〜22kを代表的にキーボード装置22とも呼ぶ。キーボード装置22は上面に複数のキーを備え、ユーザによる該キーの操作を制御基板26に伝達するものである。
【0022】
キーボード装置22a〜22kはそれぞれ異なる種類であって、例えばユーザの使用言語や用途に応じた仕様となっている。キーボード装置22a〜22kは、例えば外見上が同じ形状であっても所定のキーが異なる文字に割り当てられている。キーボード装置22a〜22kは交換が可能である。なお、
図2ではキーボード装置22が本体筐体16の上方から着脱するように示しているが、裏蓋を外した本体筐体16の下方から着脱するようにしてもよい。
【0023】
図3は、キーボード装置22の構成を模式的に示した側面断面図である。
図3に示すように、キーボード装置22はベースプレート57がベースとなっており、その上面に積層されたメンブレンシート58と、複数のキートップ25と、各キートップ25を支持するリンク部材61とを備える。
【0024】
ベースプレート57は、薄いステンレスやアルミニウム板等の金属板に切り起こし成形や打ち抜き成形を施したものであり、キートップ25の取付板となるものである。全てのキートップ25は、1枚のベースプレート57を共用している。メンブレンシート58は、キートップ25の下側においてベースプレート57上に重ねられて配設され、キートップ25の押圧操作により接点の離接を行う。メンブレンシート58は、例えば押圧された場合に接点が閉じる三層構造のスイッチシートである。メンブレンシート58は、固定接点及び可動接点が重なる位置が押圧された場合に、固定接点と可動接点とが密着することで接点を閉じるものである。メンブレンシート58は、三層構造であるが、三層構造以外にも例えばゴム製の導電部が回路を短絡させる接触スイッチを用いた構造等でもよい。メンブレンシート58は各所に貫通孔を有し、この貫通孔を通してリンク部材61の一部がベースプレート57の上面に着地する。メンブレンシート58は、ベースプレート57の下面側に積層されてもよい。
【0025】
図4は、複数のキーボード装置22a〜22kから選ばれた1つを電子機器10に装着した状態のブロック図である。キーボード装置22は本体27と、該本体27につながったケーブル28とを備えている。ケーブル28の先端にはコネクタ30が設けられている。コネクタ30は、制御基板26のコネクタ49に接続される。本体27はコントロールチップ32と、第1分圧抵抗34とを備えている。ケーブル28には、例えば5本の信号線を含む。すなわち電源線28a、グランド線28b、識別信号線28c、キーデータ線28dおよびタイミング信号線28eである。
【0026】
電源線28aは制御基板26の電源部44につながる。グランド線28bは制御基板26のグランド部42につながる。コントロールチップ32は電源線28aおよびグランド線28bから供給される電力によって動作する。識別信号線28cはキーボード装置22a〜22kの種類を制御基板26に対して固有の電圧によって伝達する線である。キーデータ線28dは押されたキーにかかる信号をシリアル通信によって制御基板26に伝達する線である。このシリアル通信の信号は、例えば11bitである。タイミング信号線28eはキーデータ線28dのシリアル通信のためのタイミングをとる線である。エンベデッドコントローラ36はキーデータ線28dによる双方向通信が可能である。
【0027】
コントロールチップ32は所定のスキャンを行い、ユーザによって押圧されたキーを検出し、キーデータ線28dによるタイミングにしたがって該キーのデータをキーデータ線28dに送信する。このキーのデータは文字情報ではなく、例えばキーの物理的位置を示す情報である。
【0028】
第1分圧抵抗34は一端がグランドに接続され、他端が識別信号線28cとつながっている。つまり、第1分圧抵抗34は識別信号線28cからみてプルダウン抵抗となっている。第1分圧抵抗34は必ずしも1つの抵抗体である必要はなく、2以上の直列構成または並列構成であってもよい。後述するように、第1分圧抵抗34はメンブレンシート58に設けられているが(
図6参照)、本体27内に設けられていてもよいし、コネクタ30と本体27との間に設けられていてもよい。
【0029】
図5は、キーボード装置22a〜22kにおける第1分圧抵抗34の抵抗値と制御基板26で読み込まれる分圧値とを示す表である。
図5に示すように、第1分圧抵抗34はキーボード装置22a〜22kにおいてそれぞれ固有の抵抗値となっている。キーボード装置22a〜22kにおける固有の第1分圧抵抗34をそれぞれ第1分圧抵抗34a〜34kとも表す。第1分圧抵抗34の抵抗値は、後述する第2分圧抵抗40の抵抗値(例えば10kΩ)との関係で決められている。キーボード装置22kは、対応する第1分圧抵抗34kの抵抗値が0Ωとなっている。この場合の第1分圧抵抗34kは抵抗体ではなくジャンパー線を用いることができる。
【0030】
図4に戻り、制御基板26はエンベデッドコントローラ(キーボードコントローラ)36と、主制御部38と、第2分圧抵抗40と、グランド部(第1電位部)42と、電源部(第2電位部)44とを備える。制御基板26はいわゆるマザーボードであり、電子機器10の統括的な制御を行う。エンベデッドコントローラ36、主制御部38および第2分圧抵抗40は制御基板26に対して、例えば表面実装されている。第2分圧抵抗40は表面実装型に限らずスルーホール型でもよい。主制御部38はCPU(Central Processing Unit)であるが、ここではCPUの作用下に実行されるソフトウェア(例えばOS)を含むものとする。
【0031】
グランド部42はグランド線28bにつながっており、その電位は0Vである。電源部44は電源線28aにつながっており、その電位は例えば3.3Vである。エンベデッドコントローラ36および主制御部38は電源部44およびグランド部42から供給される電力によって動作する。
【0032】
エンベデッドコントローラ36はキーボード装置22の制御を行う機能と電子機器10の電源管理の機能とを有しており、アナログ入力部46を備える。エンベデッドコントローラ36は、ファームウェアとしてのキーボードドライバ48によって動作する。キーボードドライバ48は書き替え可能となっている。
【0033】
エンベデッドコントローラ36は、コネクタ49およびコネクタ30を介して識別信号線28c、キーデータ線28dおよびタイミング信号線28eと接続されている。アナログ入力部46はADコンバータであって、例えば10bitで1024の分解能をもつ。アナログ入力部46の入力インピーダンスは十分大きい。
【0034】
第2分圧抵抗40は、一端がアナログ入力部46と識別信号線28cとを結ぶラインに接続され、他端が電源部44に接続されている。つまり、第2分圧抵抗40は識別信号線28cからみてプルアップ抵抗となっている。第2分圧抵抗40をプルアップする電源はIC用電力の3.3Vラインとは別の電源(例えば5V電源)であってもよい。第2分圧抵抗40は、キーボード装置22が未接続時におけるアナログ入力部46の保護回路を兼ねている。アナログ入力部46には第2分圧抵抗40以外の保護回路が設けられていてもよい。第1分圧抵抗34および/または第2分圧抵抗40には、識別信号線28cの電位を安定させるためのコンデンサを並列に設けてもよい。
【0035】
ところで、識別信号線28cはキーボード装置22の内部で第1分圧抵抗34を介してグランド線28bにつながっていることから、第1分圧抵抗34と第2分圧抵抗40とは電源部44とグランド部42との間で直列接続されている。そして、その間の識別信号線28cおよびアナログ入力部46の入力端子における電位は第1分圧抵抗34と第2分圧抵抗40との分圧値となる。
【0036】
図5に示すように、第1分圧抵抗34a〜34kはキーボード装置22a〜22kにおいてそれぞれ固有の抵抗値となっていることから、それぞれの分圧値も固有の電圧を示す。キーボード装置22a〜22kが本体筐体16に接続された場合、この分圧値はキーボード装置22a〜22kの順に0.3V程度の差を示す。なお、キーボード装置22が未接続である場合には、電源部44の電圧である3.3Vが第2分圧抵抗40を介してそのままの電圧値となる。
【0037】
エンベデッドコントローラ36は、タイミング信号線28eのタイミングに基づいてキーデータ線28dからキーボード装置22においてユーザが押したキーの情報を受け取る。上記のとおり、この情報は物理的な位置情報などである。したがって、キーボードドライバ48では、押されたキーの種別を認識するためにはキーボード装置22の種別を予め認識している必要がある。そのため、キーボードドライバ48はアナログ入力部46から分圧値を読み取る。分圧値はキーボード装置22a〜22kに対する固有値であることから、キーボードドライバ48は該分圧値によって接続されているキーボード装置22の種類を認識することができる。そして、キーボードドライバ48は接続されているキーボード装置22の種類を識別して、種類に応じたキー割り当てテーブルを参照しながら押されたキーの種別を認識する。認識されたキーの種別は主制御部38に伝達される。なお、キーボードドライバ48に相当する機能部の一部または全部は主制御部38に設けられていてもよい。
【0038】
また、上記の例では、11種類のキーボード装置22a〜22kが本体筐体16に対して装着可能となっているが、さらに多くのキーボード装置22の識別が可能であり、第1分圧抵抗34の抵抗値に応じて、理論上はアナログ入力部46の分可能である最大1024通りの識別が可能となる。さらに、エンベデッドコントローラ36ではキーボードドライバ48の書き替えを行うことにより新たな開発された種類のキーボード装置22を適用することも可能である。
【0039】
キーボードドライバ48によるキーボード装置22の識別処理は、例えば電子機器10の電源投入直後に行ってもよいし、所定間隔で定期的に行ってもよいし、またはリアルタイムで常時行ってもよい。
【0040】
図6は、メンブレンシート58における第1分圧抵抗34およびその周辺の平面図である。
図6に示すように、第1分圧抵抗34はメンブレンシート58上に設けられたプリントパターンであって、多段の平行線を含む蛇行パターンとなっている。蛇行するプリントパターンによれば第1分圧抵抗34を小さい領域に形成することができる。第1分圧抵抗34はプリントパターンの長さおよび幅の少なくとも一方はキーボード装置22の種類によって異なるように設定すればよい。このようにプリントパターンの長さや幅によって第1分圧抵抗34を形成すると、部品点数を増加させることがない。
図6に示す第1分圧抵抗34は抵抗値の大きいものであるが、比較的小さい抵抗値のものは、仮想線で示すジャンパー線68,70の有無により形成してもよい。
【0041】
図1に示すように、第1分圧抵抗34はキーボード装置22におけるキートップが存在しないスペースに設けることによりデッドスペースを有効利用することができる。
【0042】
上述したように、本実施の形態に係る電子機器10では、キーボード装置22の第1分圧抵抗34と制御基板26の第2分圧抵抗40とにより直列接続による分圧回路が形成され、その分圧値がエンベデッドコントローラ36のアナログ入力部46に入力される。第1分圧抵抗34はキーボード装置22の固有の抵抗値であることから、エンベデッドコントローラ36のキーボードドライバ48では第1分圧抵抗34に基づく固有の分圧値に基づいてキーボード装置22の種類を識別することができる。これにより、電子機器10は1本の識別信号線28cの電圧によってキーボード装置22の種類を識別可能となり、しかもアナログ入力部46の分解能に応じて多くの種類のキーボード装置22を識別可能になる。
【0043】
したがって、電子機器10の組立工場における組立作業員や、キーボード装置22を交換するユーザは、本体筐体16に対して特段の設定や調整を行う必要がない。
【0044】
なお、第1分圧抵抗34はキーボード装置22の本体27内に限らず、コネクタ30から本体27までの間に設けてもよい。
【0045】
上記の例では、キーボード装置22における第1分圧抵抗34がプルダウン抵抗で、制御基板における第2分圧抵抗40がプルアップ抵抗となっているが、逆に第1分圧抵抗34をプルアップ抵抗、第2分圧抵抗40をプルダウン抵抗としてもよい。また、次に述べるように2つの分圧抵抗は両方ともキーボード装置22に設けられていてもよい。
【0046】
図7は、変形例にかかる複数のキーボード装置52a〜52kから選ばれた1つを電子機器10に装着した状態のブロック図である。キーボード装置52a〜52kにおいて上記のキーボード装置22a〜22kと同様の構成箇所には同符号をつけてその詳細な説明は省略する。
【0047】
本体27の内部には上記の第2分圧抵抗40に相当する第2分圧抵抗54が設けられている。第2分圧抵抗54はメンブレンシート58のプリントパターンによって形成してもよい。第1分圧抵抗34と第2分圧抵抗54とは本体27の内部において電源線28aとグランド線28bとの間で直列に接続されており、両者の間の部分が識別信号線28cにつながっている。第2分圧抵抗54を上記の第2分圧抵抗40と同じ抵抗値にすれば分圧値も等しくなり、キーボード装置52a〜52kは、キーボードドライバ48からキーボード装置22a〜22kと同様に識別される。
【0048】
この場合、制御基板26において上記の第2分圧抵抗40に相当する箇所にはプルアップ抵抗56を設けてもよい。プルアップ抵抗56は、第1分圧抵抗34と第2分圧抵抗54とによって形成される分圧値に影響がない程度に十分大きい抵抗値にしておくとよい。
【0049】
上記の電子機器10はノート型PCを例にしているが他の形式、例えばデスクトップ型でも適用可能であることは勿論である。
【0050】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。