(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899487
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】TFT基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20210628BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20210628BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20210628BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20210628BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
H01L29/78 612D
H01L29/78 627C
H01L29/78 618B
H01L29/78 616S
H01L29/78 616J
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/00 338
G02F1/1368
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-520000(P2020-520000)
(86)(22)【出願日】2017年12月14日
(65)【公表番号】特表2020-537346(P2020-537346A)
(43)【公表日】2020年12月17日
(86)【国際出願番号】CN2017116283
(87)【国際公開番号】WO2019095482
(87)【国際公開日】20190523
【審査請求日】2020年4月7日
(31)【優先権主張番号】201711140087.2
(32)【優先日】2017年11月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519293715
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISPLAY TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP−FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】徐 洪遠
【審査官】
岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0307976(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2016−0124978(KR,A)
【文献】
特開2009−271527(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2009−0116131(KR,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0278131(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0157507(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第102116984(CN,A)
【文献】
特開2007−183620(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第1991470(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0321740(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第101614917(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
G02F 1/1368
G09F 9/00
G09F 9/30
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TFT基板の製造方法であって、
ベース基板を提供し、前記ベース基板上にアレイ状に配列されるTFTを製造するステップS1と、
すべてのTFT上に金属薄膜及び透明導電薄膜を連続的に積層するステップS2と、
前記透明導電薄膜上にフォトレジストをコーティングし、ハーフトーンマスクによってフォトレジストを露光及び現像し、第2フォトレジスト層及び厚さが第2フォトレジスト層の厚さよりも大きい第1フォトレジスト層が得られるように前記フォトレジストをパターニング処理するステップS3と、
第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層によって被覆されていない透明導電薄膜及び金属薄膜をエッチングするステップS4と、
第2フォトレジスト層が除去されるとともに第1フォトレジスト層の厚さが小さくなるように第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層をアッシング処理するステップS5と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆されていない金属薄膜が露出されるように露出した透明導電薄膜をエッチングするステップS6と、
パッシベーション層として絶縁性の金属酸化物薄膜が形成されるように露出した前記金属薄膜を酸化処理するステップS7と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆される金属薄膜及び透明導電薄膜が画素電極として露出されるように残留した第1フォトレジスト層を剥離するステップS8と、を含み、
前記第1フォトレジスト層のパターンは、形成される画素電極のパターンと一致し、前記TFTのソースから離間するドレインの部分は、第1フォトレジスト層によって被覆され、
前記TFTのドレインの他部分、ソース及びチャネル層は、前記第2フォトレジスト層によって被覆され、
前記画素電極は、前記TFTのソースから離間するドレインの部分に接触する、
TFT基板の製造方法。
【請求項2】
前記金属薄膜の材料は、アルミニウム、モリブデン又はチタンであり、
前記ステップS7において形成される金属酸化物薄膜は、酸化アルミニウム薄膜、酸化モリブデン薄膜又は酸化チタン薄膜である、
請求項1に記載のTFT基板の製造方法。
【請求項3】
前記透明導電薄膜の材料は、酸化インジウムスズである、
請求項1に記載のTFT基板の製造方法。
【請求項4】
前記金属薄膜の厚さは、50nm未満である、
請求項1に記載のTFT基板の製造方法。
【請求項5】
前記TFTは、酸化物半導体TFTである、
請求項1に記載のTFT基板の製造方法。
【請求項6】
前記ステップS7において、酸素プラズマによって露出した前記金属薄膜を酸化処理する、
請求項1に記載のTFT基板の製造方法。
【請求項7】
ベース基板と、前記ベース基板上にアレイ状に配列されるTFTと、前記TFT上に設けられるパッシベーション層及び画素電極とを含むTFT基板であって、
前記画素電極は、金属薄膜と、前記金属薄膜上に積層される透明導電薄膜とを含み、前記画素電極における金属薄膜は、前記TFTのソースから離間するドレインの部分に接触し、
前記パッシベーション層は、前記TFTのドレインの他部分、ソース及びチャネル層を被覆し、前記パッシベーション層は、画素電極における金属薄膜と一体化した絶縁性の金属酸化物薄膜である、
TFT基板。
【請求項8】
前記画素電極における金属薄膜の材料は、アルミニウム、モリブデン又はチタンであり、
前記パッシベーション層は、酸化アルミニウム薄膜、酸化モリブデン薄膜又は酸化チタン薄膜であり、
前記画素電極における透明導電薄膜の材料は、酸化インジウムスズである、
請求項7に記載のTFT基板。
【請求項9】
前記画素電極における金属薄膜の厚さは、50nm未満である、
請求項7に記載のTFT基板。
【請求項10】
前記TFTは、酸化物半導体TFTである、
請求項7に記載のTFT基板。
【請求項11】
TFT基板の製造方法であって、
ベース基板を提供し、前記ベース基板上にアレイ状に配列されるTFTを製造するステップS1と、
すべてのTFT上に金属薄膜及び透明導電薄膜を連続的に積層するステップS2と、
前記透明導電薄膜上にフォトレジストをコーティングし、ハーフトーンマスクによってフォトレジストを露光及び現像し、第2フォトレジスト層及び厚さが第2フォトレジスト層の厚さよりも大きい第1フォトレジスト層が得られるように前記フォトレジストをパターニング処理するステップS3と、
第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層によって被覆されていない透明導電薄膜及び金属薄膜をエッチングするステップS4と、
第2フォトレジスト層が除去されるとともに第1フォトレジスト層の厚さが小さくなるように第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層をアッシング処理するステップS5と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆されていない金属薄膜が露出されるように露出した透明導電薄膜をエッチングするステップS6と、
パッシベーション層として絶縁性の金属酸化物薄膜が形成されるように露出した前記金属薄膜を酸化処理するステップS7と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆される金属薄膜及び透明導電薄膜が画素電極として露出されるように残留した第1フォトレジスト層を剥離するステップS8と、を含み、
前記第1フォトレジスト層のパターンは、形成される画素電極のパターンと一致し、前記TFTのソースから離間するドレインの部分は、第1フォトレジスト層によって被覆され、
前記TFTのドレインの他部分、ソース及びチャネル層は、前記第2フォトレジスト層によって被覆され、
前記画素電極は、前記TFTのソースから離間するドレインの部分に接触し、
前記金属薄膜の材料は、アルミニウム、モリブデン又はチタンであり、
前記ステップS7において形成される金属酸化物薄膜は、酸化アルミニウム薄膜、酸化モリブデン薄膜又は酸化チタン薄膜であり、
前記透明導電薄膜の材料は、酸化インジウムスズであり、
前記金属薄膜の厚さは、50nm未満であり、
前記TFTは、酸化物半導体TFTであり、
前記ステップS7において、酸素プラズマによって露出した前記金属薄膜を酸化処理する、
TFT基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術の分野に関し、特にTFT基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラット表示装置は、薄型、省電力、無放射など、多くの利点を有し、広く適用されている。従来のフラット表示装置は、主に液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)及び有機発光ディスプレイ(Organic Light Emitting Display,OLED)を含む。
【0003】
従来の市場にある液晶ディスプレイのほとんどは、筐体と、筐体内に設けられる液晶パネルと、筐体内に設けられるバックライトモジュール(Backlight Module)とを含むバックライト型液晶ディスプレイである。液晶パネルの構造は、カラーフィルタ(Color Filter,CF)基板、薄膜トランジスタアレイ基板(Thin Film Transistor Array Substrate,TFT Array Substrate,TFT基板と略称する)及び二つの基板間に配置される液晶層(Liquid Crystal Layer)により構成される。その動作原理は、二つの基板に駆動電圧を印加することによって液晶層の液晶分子の回転を制御し、バックライトモジュールの光を屈折させて画像を生成することである。
【0004】
有機発光ディスプレイには、同様にTFT基板が必要であり、TFTをスイッチング部材及び駆動部材として、TFT基板上にアレイ状に配列される画素構造を製造する。
【0005】
酸化物半導体(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide,IGZO)など)をTFTのチャネル層とする技術は、現在人気のある技術である。酸化物半導体は高いキャリア移動度を有するため、TFTの画素電極への充放電速度が大幅に向上し、より速いリフレッシュレートが実現される。また、酸化物半導体はアモルファスシリコンプロセスとの互換性が高いため、酸化物半導体は徐々に、LCD及びOLEDにおけるTFTのチャネル層の優先材料になっている。
【0006】
TFT基板では、各絶縁層(例えば、ゲート絶縁層、パッシベーション層など)の材料は一般に酸化ケイ素(SiOx)及び窒化ケイ素(SiNx)の積層構造が使用されるが、SiOxをエッチングするガスは一般にテトラフルオロメタン(CF
4)が使用される。このガスは、金属(例えば、銅(Cu)など)の表面に化合物を形成しやすく、金属表面の電気的接触特性に影響を与えてしまう。この問題を解決するために、TFT基板を製造する場合、通常はTFTゲートに必要なビアとTFTのソース/ドレインに必要なビアを別々にエッチングする。すなわち、ゲート絶縁層に対する穴処理とパッシベーション層に対する穴処理を別々に行い、その後、パッシベーション層上に画素電極を製造する。フォトマスクを用いてゲート絶縁層を穴処理し、別のフォトマスクを用いてパッシベーション層を穴処理し、さらに別のフォトマスクを用いてパターン化された画素電極を製造する必要がある。TFT基板の製造プロセス全体に必要なフォトマスクの数が多く、製造コストが高いことがわかる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、製造プロセスに必要なフォトマスクの数を減らし、製造コストを節約し、生産能力を向上させることができるTFT基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、製造コストが低く、生産能力が高いTFT基板を提供することにある。
【0009】
上記目的を実現するために、本発明によれば、まず、TFT基板の製造方法であって、
ベース基板を提供し、前記ベース基板上にアレイ状に配列されるTFTを製造するステップS1と、
すべてのTFT上に金属薄膜及び透明導電薄膜を連続的に積層するステップS2と、
前記透明導電薄膜上にフォトレジストをコーティングし、ハーフトーンマスクによってフォトレジストを露光及び現像し、第2フォトレジスト層及び厚さが第2フォトレジスト層の厚さよりも大きい第1フォトレジスト層が得られるように前記フォトレジストをパターニング処理するステップS3と、
第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層によって被覆されていない透明導電薄膜及び金属薄膜をエッチングするステップS4と、
第2フォトレジスト層が除去されるとともに第1フォトレジスト層の厚さが小さくなるように第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層をアッシング処理するステップS5と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆されていない金属薄膜が露出されるように露出した透明導電薄膜をエッチングするステップS6と、
パッシベーション層として絶縁性の金属酸化物薄膜が形成されるように露出した前記金属薄膜を酸化処理するステップS7と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆される金属薄膜及び透明導電薄膜が画素電極として露出されるように残留した第1フォトレジスト層を剥離するステップS8と、を含み、
前記第1フォトレジスト層のパターンは、形成される画素電極のパターンと一致し、前記TFTのソースから離間するドレインの部分は、第1フォトレジスト層によって被覆され、
前記TFTのドレインの他部分、ソース及びチャネル層は、前記第2フォトレジスト層によって被覆され、
前記画素電極は、前記TFTのソースから離間するドレインの部分に接触する、
TFT基板の製造方法が提供される。
【0010】
前記金属薄膜の材料は、アルミニウム、モリブデン又はチタンであり、
前記ステップS7において形成される金属酸化物薄膜は、酸化アルミニウム薄膜、酸化モリブデン薄膜又は酸化チタン薄膜である。
【0011】
前記透明導電薄膜の材料は、酸化インジウムスズである。
【0012】
前記金属薄膜の厚さは、50nm未満である。
【0013】
前記TFTは、酸化物半導体TFTである。
【0014】
前記ステップS7において、酸素プラズマによって露出した前記金属薄膜を酸化処理する。
【0015】
本発明によれば、ベース基板と、前記ベース基板上にアレイ状に配列されるTFTと、前記TFT上に設けられるパッシベーション層及び画素電極とを含むTFT基板であって、
前記画素電極は、金属薄膜と、前記金属薄膜上に積層される透明導電薄膜とを含み、前記画素電極における金属薄膜は、前記TFTのソースから離間するドレインの部分に接触し、
前記パッシベーション層は、前記TFTのドレインの他部分、ソース及びチャネル層を被覆し、前記パッシベーション層は、画素電極における金属薄膜と一体化した絶縁性の金属酸化物薄膜である、
TFT基板がさらに提供される。
【0016】
前記画素電極における金属薄膜の材料は、アルミニウム、モリブデン又はチタンであり、
前記パッシベーション層は、酸化アルミニウム薄膜、酸化モリブデン薄膜又は酸化チタン薄膜であり、
前記画素電極における透明導電薄膜の材料は、酸化インジウムスズである。
【0017】
前記画素電極における金属薄膜の厚さは、50nm未満である。
【0018】
前記TFTは、酸化物半導体TFTである。
【0019】
本発明によれば、TFT基板の製造方法であって、
ベース基板を提供し、前記ベース基板上にアレイ状に配列されるTFTを製造するステップS1と、
すべてのTFT上に金属薄膜及び透明導電薄膜を連続的に積層するステップS2と、
前記透明導電薄膜上にフォトレジストをコーティングし、ハーフトーンマスクによってフォトレジストを露光及び現像し、第2フォトレジスト層及び厚さが第2フォトレジスト層の厚さよりも大きい第1フォトレジスト層が得られるように前記フォトレジストをパターニング処理するステップS3と、
第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層によって被覆されていない透明導電薄膜及び金属薄膜をエッチングするステップS4と、
第2フォトレジスト層が除去されるとともに第1フォトレジスト層の厚さが小さくなるように第1フォトレジスト層及び第2フォトレジスト層をアッシング処理するステップS5と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆されていない金属薄膜が露出されるように露出した透明導電薄膜をエッチングするステップS6と、
パッシベーション層として絶縁性の金属酸化物薄膜が形成されるように露出した前記金属薄膜を酸化処理するステップS7と、
残留した第1フォトレジスト層によって被覆される金属薄膜及び透明導電薄膜が画素電極として露出されるように残留した第1フォトレジスト層を剥離するステップS8と、を含み、
前記第1フォトレジスト層のパターンは、形成される画素電極のパターンと一致し、前記TFTのソースから離間するドレインの部分は、第1フォトレジスト層によって被覆され、
前記TFTのドレインの他部分、ソース及びチャネル層は、前記第2フォトレジスト層によって被覆され、
前記画素電極は、前記TFTのソースから離間するドレインの部分に接触し、
前記金属薄膜の材料は、アルミニウム、モリブデン又はチタンであり、
前記ステップS7において形成される金属酸化物薄膜は、酸化アルミニウム薄膜、酸化モリブデン薄膜又は酸化チタン薄膜であり、
前記透明導電薄膜の材料は、酸化インジウムスズであり、
前記金属薄膜の厚さは、50nm未満であり、
前記TFTは、酸化物半導体TFTであり、
前記ステップS7において、酸素プラズマによって露出した前記金属薄膜を酸化処理する、
TFT基板の製造方法がさらに提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るTFT基板の製造方法によれば、一つのハーフトーンマスクによってパッシベーション層及び画素電極を製造することができる。従来技術と比較して、製造プロセスに必要なマスクの数を減らすことができるので、製造コストが節約され、製造工程が減らされ、生産能力が向上する。本発明に係るTFT基板によれば、金属薄膜及び前記金属薄膜上に積層される透明導電薄膜によって画素電極が構成されるとともに、パッシベーション層は画素電極における金属薄膜と一体化した絶縁性の金属酸化物薄膜であり、上記TFT基板の製造方法によって製造することができるため、製造コストが低く、生産能力が高い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の特徴及び技術内容をさらに理解するために、以下の本発明に関する詳細な説明及び図面を参照されたいが、図面は参照及び説明のためにのみ提供され、本発明を限定することを意図するものではない。
【0022】
【
図1】本発明に係るTFT基板の製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS1を示す概略図である。
【
図3】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS2を示す概略図である。
【
図4】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS3を示す概略図である。
【
図5】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS4を示す概略図である。
【
図6】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS5を示す概略図である。
【
図7】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS6を示す概略図である。
【
図8】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS7を示す概略図である。
【
図9】本発明に係るTFT基板の製造方法のステップS8を示す概略図及び本発明に係るTFT基板の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に採用される技術的手段及びその効果をさらに説明するために、以下では、本発明の好適実施例及びその図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1を参照して、本発明によれば、まず、下記のステップを含むTFT基板の製造方法が提供される。
【0025】
ステップS1では、
図2を参照して、ベース基板1を提供し、前記ベース基板1上にアレイ状に配列されるTFT10を製造する。
【0026】
具体的には、前記ベース基板1は、ガラス基板であることが好ましい。
【0027】
前記TFT10の構造形式は限定されず、バックチャネル(BCE)型TFTであってもよく、エッチストップ(ESL)型TFTであってもよい。BCE型TFTを例として、
図2に示すように、前記TFT10は、ベース基板1上に設けられるゲート104と、前記ゲート104及びベース基板1を被覆するゲート絶縁層105と、前記ゲート104の上方に位置するようにゲート絶縁層105上に設けられるチャネル層103と、チャネル層103の両側にそれぞれ接触するようにゲート絶縁層105上に設けられるソース102及びドレイン101とを含み、これは従来技術と異なっていない。従来の通常の製造プロセスによってTFT10を製造することができ、ここではこれ以上説明しない。
【0028】
さらに、前記TFT10は、酸化物半導体TFTであることが好ましい。すなわち、TFT10のチャネル層103の材料は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide,IGZO)又は他の適切な酸化物から選択される。
【0029】
ステップS2では、
図3を参照して、すべてのTFT10上に金属薄膜2及び透明導電薄膜3を連続的に積層する。
【0030】
具体的には、前記金属薄膜2の材料は、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)又はチタン(Ti)であることが好ましい。最終的に形成される画素電極の光透過性能を助けるために、前記金属薄膜2の厚さは50nm未満であることが好ましい。
【0031】
前記透明導電薄膜3の材料は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide,ITO)であることが好ましい。
【0032】
ステップS3では、
図4を参照して、前記透明導電薄膜3上にフォトレジストをコーティングし、異なる領域でフォトレジストが受ける光強度が異なるようにハーフトーンマスク(Half Tone Mask)によってフォトレジストを露光し、現像すると第2フォトレジスト層42及び厚さが第2フォトレジスト層42の厚さよりも大きい第1フォトレジスト層41が得られるように前記フォトレジストをパターニング処理する。
【0033】
第1フォトレジスト層41のパターンは、形成される画素電極のパターンと一致し、前記TFT10のソース102から離間するドレイン101の部分は、第1フォトレジスト層41によって被覆される。前記TFT10のドレイン101の他部分、ソース102及びチャネル層103は、前記第2フォトレジスト層42によって被覆される。
【0034】
ステップS4では、
図5を参照して、エッチング液を用いて、第1フォトレジスト層41及び第2フォトレジスト層42によって被覆されていない透明導電薄膜3及び金属薄膜2をエッチングする。
【0035】
ステップS5では、
図6を参照して、第2フォトレジスト層42が除去されるとともに第1フォトレジスト層41の厚さが小さくなるように第1フォトレジスト層41及び第2フォトレジスト層42をアッシング(Ash)処理する。
【0036】
ステップS6では、
図7を参照して、エッチング液を用いて、残留した第1フォトレジスト層41によって被覆されていない金属薄膜2が露出されるように露出した透明導電薄膜3をエッチングする。
【0037】
ステップS7では、
図8を参照して、酸素プラズマ(O
2 Plasma)を用いて、パッシベーション層20として、例えば、酸化アルミニウム(AlO
X)薄膜、酸化モリブデン(MoO
X)薄膜又は酸化チタン(TiO
X)薄膜など、絶縁性の金属酸化物薄膜が形成されるように露出した前記金属薄膜2を酸化処理する。
【0038】
ステップS8では、
図9を参照して、残留した第1フォトレジスト層41によって被覆される金属薄膜2及び透明導電薄膜3が画素電極30として露出されるように残留した第1フォトレジスト層41を剥離する。
【0039】
前記画素電極30は、前記TFT10のソース102から離間するドレイン101の部分に接触する。
【0040】
上記TFT基板の製造方法によれば、一つのハーフトーンマスクによってパッシベーション層20及び画素電極30を製造することができる。パッシベーション層20は画素電極30における金属薄膜2と一体化した金属薄膜を酸化処理することによって製造され、パッシベーション層20において穴処理する必要がなく、画素電極30が前記TFT10のソース102から離間するドレイン101の部分に直接接触する。従来技術と比較して、製造プロセスに必要なフォトマスクの数を減らすことができ、それにより、製造コストが節約され、製造工程が減らされ、生産能力が向上する。
【0041】
図9を参照して、本発明によれば、上記TFT基板の製造方法によって製造されるTFT基板であって、ベース基板1と、前記ベース基板1上にアレイ状に配列されるTFT10と、前記TFT10上に設けられるパッシベーション層20及び画素電極30とを含むTFT基板がさらに提供される。
【0042】
前記画素電極30は、金属薄膜2と、前記金属薄膜2上に積層される透明導電薄膜3とを含み、前記画素電極30における金属薄膜2は、前記TFT10のソース102から離間するドレイン101の部分に接触する。
【0043】
前記パッシベーション層20は、前記TFT10のドレイン101の他部分、ソース102及びチャネル層103を被覆し、前記パッシベーション層20は、画素電極30における金属薄膜2と一体化した絶縁性の金属酸化物薄膜である。
【0044】
具体的には、前記ベース基板1は、ガラス基板であることが好ましい。
【0045】
前記TFT10の構造形式は限定されず、バックチャネル(BCE)型TFTであってもよく、エッチストップ(ESL)型TFTであってもよい。BCE型TFTを例として、
図2に示すように、前記TFT10は、ベース基板1上に設けられるゲート104と、前記ゲート104及びベース基板1を被覆するゲート絶縁層105と、前記ゲート104の上方に位置するようにゲート絶縁層105上に設けられるチャネル層103と、チャネル層103の両側にそれぞれ接触するようにゲート絶縁層105上に設けられるソース102及びドレイン101とを含み、これは従来技術と異ならない。さらに、前記TFT10は、酸化物半導体TFTであることが好ましい。すなわち、TFT10のチャネル層103の材料は、IGZO又は他の適切な酸化物から選択される。
【0046】
前記画素電極30における金属薄膜2の材料は、Al、Mo又はTiであることが好ましい。金属薄膜2の厚さは50nm未満であることが好ましい。
【0047】
前記画素電極30における透明導電薄膜3の材料は、ITOであることが好ましい。
【0048】
前記パッシベーション層20は、AlO
X薄膜、MoO
X薄膜又はTiO
X薄膜であることが好ましい。
【0049】
本発明に係るTFT基板によれば、金属薄膜2及び前記金属薄膜2上に積層される透明導電薄膜3によって画素電極30が構成されるとともに、パッシベーション層20は画素電極30における金属薄膜2と一体化した絶縁性の金属酸化物薄膜であり、上記TFT基板の製造方法によって製造することができるため、製造コストが低く、生産能力が高い。
【0050】
以上のように、本発明に係るTFT基板の製造方法によれば、一つのハーフトーンマスクによってパッシベーション層及び画素電極を製造することができる。従来技術と比較して、製造プロセスに必要なマスクの数を減らすことができるので、製造コストが節約され、製造工程が減らされ、生産能力が向上する。本発明に係るTFT基板によれば、金属薄膜及び前記金属薄膜上に積層される透明導電薄膜によって画素電極が構成されるとともに、パッシベーション層は画素電極における金属薄膜と一体化した絶縁性の金属酸化物薄膜であり、上記TFT基板の製造方法によって製造することができるため、製造コストが低く、生産能力が高い。
【0051】
上記のように、当業者にとって、本発明の技術手段及び技術的概念に従って、さまざまな他の対応する変更及び変形を行うことができ、これらのすべての変更及び変形は、いずれも本発明の特許請求の範囲の保護範囲に属するべきである。