【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、DC受電デバイスコントローラが提示される。DC受電デバイスコントローラは、
外部DC給電デバイスに電気的に接続され、外部DC給電デバイスから種々の電力量のDC電力を受電するように構成されている、DC電力ユニットと、
受電されているDC電力の現在受電されている電圧量を監視するように、及び、現在受電されている電圧量が、マークイベント電圧間隔及び動作電圧間隔を含む多くの既定の非重複電圧間隔のうちの、それぞれの1つに該当することを示す、それぞれの応答信号を出力するように構成されており、マークイベント電圧間隔の電圧量が、動作電圧間隔の電圧量よりも低い、DC電圧監視ユニットと、
現在受信されている応答信号を受信するように、及び、現在受電されているDC電力の電圧量がマークイベント電圧間隔に移行したことを、現在受信されている応答信号が示していることを検出すると、マークイベント時間測定を開始するように、及び、マークイベント時間測定の開始以降の測定されたマークイベント時間が、既定のマークイベント持続時間閾値を超えることを検出すると、マーク時間延長信号を供給するように構成されている、マークイベントタイマーユニットと、
DC電力ユニットと接続されており、現在の応答信号及びマーク時間延長信号を受信するように構成されており、現在受電されているDC電力の、電気負荷ユニットへの送達を、
a)現在受電されている電圧量が動作電圧間隔に該当することを、現在の応答信号が示していることを検出する場合、及び、
b)マーク時間延長信号が受信されたことを検出する場合、のうちのいずれか一方の場合に、可能にするように構成されている、制御ユニットと、を備える。
【0005】
本発明は、感電死のリスクを意味する、不適切なDC受電デバイスに電力を送達すること、又は未接続の電力インタフェースに電力を供給することを回避するために、有線の電力線を介して好適なDC受電デバイスが接続されているか否かを検出する、DC給電デバイスが既知であるという認識に基づく。
【0006】
更には、有線の電力線を介して接続されている好適なDC受電デバイスを検出すると、DC電源は、DC電力デバイスが必要とする電力の量を決定することを目的とした、分類プロシージャを実行するように構成されている。このことは、DC受電デバイスによって、動作DC電力よりも低いDC電力をDC電力デバイスに供給することによって実行される。分類プロシージャが終了した場合にのみ、DC電源は、光源の動作を駆動するための動作電力を供給するように構成されている。
【0007】
本発明の第1の態様のDC受電デバイスコントローラは、有利には、好適な外部電気負荷ユニットの動作能力を、動作電圧間隔に該当する電圧量を有するDC電力の供給に基づく動作能力を超えて拡張するように構成されている。DC受電デバイスコントローラは、現在受電されているDC電力の、外部電気負荷ユニットへの送達を、2つの場合に可能にするように構成されている、制御ユニットを備える。
【0008】
第1の場合では、制御ユニットは、現在受電されているDC電力の電圧量が動作電圧間隔に該当する場合に、現在受電されているDC電力の送達を可能にする。DC電圧監視ユニットは、現在受電されている電圧量を監視して、現在受電されている電圧が既定の動作電圧間隔に該当する場合に、DC電圧監視ユニットは、そのことを示す応答信号を出力する。この第1の場合において、この応答信号はまた、動作応答信号とも称される。動作応答信号は、制御ユニットによって受信される。動作応答信号の制御ユニットでの受信は、この場合、動作電圧間隔の範囲内の電圧量を有するDC電力である、現在受電されているDC電力の、外部電気負荷ユニットへの送達をトリガする。
【0009】
しかしながら、更に、制御ユニットはまた、第2の場合にも、外部電気負荷ユニットへのDC電力の送達を可能にする。この目的で、DC電圧監視ユニットは、現在受電されている電圧量がマークイベント電圧間隔に該当することを示す、応答信号を提供するように、更に構成されている。この第2の場合における応答信号はまた、マークイベント応答信号とも称される。マークイベント電圧間隔と動作電圧間隔とは非重複であり、マークイベント電圧間隔の電圧量は、動作電圧間隔の電圧量よりも低い。
【0010】
本発明は、動作電圧間隔よりも低い電圧量に関連付けられている、そのような電力量が、動作のための電力を供給すること以外の目的で送達されるため、多くの場合、時間的に極めて限定される点を認識している。本発明は、そのような低い電力が、好適な状況下では、外部電気負荷ユニットの少なくとも限定された動作を駆動するために、依然として使用されることができると想定している。特に、本発明は、種々の電圧量を使用して、そのようなDC電力を供給する、外部DC給電デバイスの特性を考慮すると、より低い電圧量に関連付けられている、そのようなDC電力の可用性の閾値持続時間が、動作又は限定された動作を駆動するための、このより低電圧の電力量の使用を可能にする、好適な基準である点を認識している。可用性の閾値持続時間を満たす好適な状況は、本明細書では、マークイベントの延長と称される。
【0011】
それゆえ、本発明の電力コントローラは、現在受電されているDC電力の電圧量がマークイベント電圧間隔に移行したことを、現在受信されている応答信号が示していることを検出すると、マークイベント時間測定を実施し、マークイベント時間測定の開始以降の測定されたマークイベント時間が、既定のマークイベント持続時間閾値を超過していることを検出すると、マーク時間延長信号を提供する、マークイベントタイマーユニットを備える。
【0012】
制御ユニットによるマーク時間延長信号の受信は、この場合はマークイベント電圧間隔の範囲内の電圧量を有するDC電力である、現在受電されているDC電力の、電気負荷ユニットへの送達をトリガする。
【0013】
このように、動作電圧よりも低い電圧量を有する、現在利用可能なDC電力量の送達は、このより低い電力量が、特定の時間間隔の、マークイベント持続時間閾値にわたって利用可能であった場合に可能にされる。それゆえ、本発明の電力コントローラは、好適な状況下で、少なくとも限定された動作を可能にするための、より低い電圧を有するDC電力の供給を可能にするものであり、当該DC電力は、従来、電気負荷ユニットの動作を駆動するために使用されることが可能ではなかった。
【0014】
以下では、本発明の第1の態様の実施形態が提示される。
【0015】
第1の態様のDC受電デバイスコントローラの好ましい実施形態では、既定のマークイベント持続時間閾値は、少なくとも400ミリ秒に及ぶ。この閾値は、マークイベントの延長を実施することが可能なDC給電デバイスと、そうではないDC給電デバイスとを区別するための、好適な制限を形成する。一実施形態では、マークイベント持続時間閾値は、正確に400ミリ秒に及ぶ。
【0016】
DC受電デバイスコントローラは、一部の実施形態では、外部DC給電デバイスとの電力受電及び制御データ交換のためのインタフェースと、外部電気負荷デバイスへの電力送達のためのインタフェースとを有する、独立型モジュールとして実装される。
【0017】
本発明の第2の態様を同時に形成する、他の実施形態では、DC受電デバイスは、本発明の第1の態様又は当該実施形態のうちの1つによる、DC受電デバイスコントローラと、電気負荷ユニットとを備える。電気負荷ユニットは、動作電圧間隔に該当する電圧量を有するDC電力の送達時に、第1の動作モードで動作するように、及び、マークイベント電圧間隔に該当する電圧量を有するDC電力の送達時に、第1の動作モードよりも少ないDC電力を必要とする第2の動作モードで動作するように構成されている。
【0018】
第2の態様のDC受電デバイスでは、DC受電デバイスコントローラの制御ユニットは、現在受電されている電圧量が動作電圧間隔に該当することを、現在の応答信号が示していることを検出すると、第1の動作モードを可能にするように、及び、マーク時間延長信号が受信されたことを検出すると、第2の動作モードを可能にするように構成されている。
【0019】
以下の説明は、DC受電デバイスの実施形態を考察する。
【0020】
電気負荷ユニットは、好適には、動作電圧間隔内の動作電圧下で、第1の動作モードで既定の機能動作を実行するための、負荷デバイスを含む。負荷ユニットは、例えば、LED及びLEDドライバを含む照明デバイスの形態の負荷デバイスを備える、制御可能な照明ユニットである。照明ユニットは、照明デバイスの動作を制御するためのプロセッサ、及び制御通信を交換するための制御送受信機を更に備える。第2の動作モードでは、マークイベント電圧間隔内の電圧を有する電力送達下で、負荷デバイスは、限定された機能を実行する。言及される照明ユニットの実施例では、この新たな形態の電力送達は、LEDドライバ及びLEDがオフにされている間、プロセッサ及び制御送受信機の動作を維持するための電力を供給するために、使用されることができる。
【0021】
更に他の実施形態では、電気負荷ユニットは、第1の動作モード又は第2の動作モードのいずれかで動作可能な、少なくとも2つの電気負荷デバイスを備える。
【0022】
一部の有利なDC受電デバイスは、DC電力ユニットと電気負荷ユニットとの間に配置されている制御ユニットを有し、制御ユニットは、
DC電力ユニットから電気負荷ユニットへの、現在受電されているDC電力の送達を、閉状態において有効にするか、又は開状態において無効にするための、制御可能ホットスワップスイッチと、
DC電力ユニットとホットスワップスイッチとの間に配置されており、制御可能な電流量の電流を生成して、外部DC給電デバイスに供給するように構成されている、制御可能電流源ユニットと、を含み、
DC電圧監視ユニット(108)は、以下の応答信号、
現在受電されている電圧がマークイベント電圧間隔に該当することを示す、マークイベント応答信号と、
現在受電されている電圧がクラスイベント電圧間隔に該当することを示し、クラスイベント電圧間隔の電圧量が、動作電圧間隔の電圧量よりも低いが、マークイベント電圧間隔の電圧量よりも高い、クラスイベント応答信号と、を出力するように構成されており、
制御ユニットは、制御可能ホットスワップスイッチが開状態にある間に、
検出された既定のリセットイベントを基準として、受信されたクラスイベント応答信号の数を計数するように、及び、それぞれのクラスイベント応答信号の受信に応答して、受信されたクラスイベント応答信号とDC受電デバイスに割り当てられている記憶されたデバイスタイプ識別子の一時的計数に応じて、いくつもの既定のクラス電流量のうちの1つを呈するように、制御可能電流源ユニットによって生成される電流を制御するように、並びに、
既定のマークイベント電流量を呈するように、受信されたマークイベント応答信号に応答して、制御可能電流源によって生成される電流の量を制御するように、構成されている。
【0023】
これらの実施形態は、現在受電されている電圧量に対する、クラスイベント応答信号及びマークイベント応答信号を使用した、外部DC給電デバイスとDC受電デバイスとの間での分類プロシージャを可能にするために、特に有利である。そのような分類プロシージャは、例えば、周知のPower−over−Ethernet規格により既知である。Power over Ethernetは、「相互識別」の構想を有する。これは、DC給電デバイス(PSE)が、どの種類のDC受電デバイス(PD)が接続されているかを理解することができ、同様に、DC受電デバイスが、どの種類のDC給電デバイスに接続されているかを見出すことができることを意味する。PSE又はPDの「タイプ」と、PSE又はPDの「クラス」とに関して、区別することができる。タイプは、特定の能力及び共通の仕様に関するコンテナである。タイプとしては、限定するものではないが、特定の電力範囲能力が挙げられる。PSEに関しては、クラスは、PSEがPDのために確保している電力の量である。PDに関しては、クラスは、PDが受電することを望む電力の量である。PSEは、どのクラスが使用されることになるかを決定し、これは、PDが要求していたクラスに等しいか、又はそれよりも低くてもよい。PSEとPDとが接続されているシステムにおいて、双方が、もう一方のタイプ及びクラスを承知している場合には、相互識別が確立されていると言われる。
【0024】
それゆえ、DC受電デバイスは、好ましくは、自身に割り当てられている記憶されたデバイスタイプ識別子に応じて、電気負荷ユニットの電力要件に応じた第1の動作モードに関する所与の量のDC電力を要求するように構成されている。DC受電デバイスは、現在受電されている電圧量がクラスイベント電圧間隔に該当すること(本明細書ではクラスイベントと称されるもの)に、既定の方式で応答することよって、DC電源に、この要件について通知する。2つの連続的なクラスイベントは、現在受電されている電圧量がマークイベント電圧間隔に該当することによって分離され、これは、本明細書ではマークイベントと称される。これらの状況のいずれも、DC電圧監視ユニットによって検出され、DC電圧監視ユニットは、現在受電されている電圧がマークイベント電圧間隔に該当することにより、マークイベントを形成していることを示す、マークイベント応答信号と、現在受電されている電圧がクラスイベント電圧間隔に該当することにより、クラスイベントを形成していることを示す、クラスイベント応答信号とを出力する。クラスイベント電圧間隔の電圧量は、動作電圧間隔の電圧量よりも低いが、マークイベント電圧間隔の電圧量よりも高い。
【0025】
制御ユニットは、DC電圧監視ユニットによって提供された応答信号に基づいて、及び検出された既定のリセットイベントを基準として、受信されたクラスイベント応答信号の数、すなわち、最新の検出された既定のイベント以降のクラスイベントの数を計数するように構成されている。検出された既定のリセットイベントは、複数のリセットイベントのうちの1つを含み得る。リセットイベントは、現在受電されている電圧量がリセット電圧間隔に該当することを検出すること、又は、現在受電されている電圧量が動作電圧間隔に該当することを検出することを含み得る。これは、制御ユニットが無期限に計数しないこと、及び、計数プロセスが制御可能にリセットされ得ることを、確実にするためである。
【0026】
制御ユニットは、好ましくはまた、それぞれのクラスイベント応答信号の受信に応答して、受信されたクラスイベント応答信号とDC受電デバイスに割り当てられている記憶されたデバイスタイプ識別子の一時的計数と、とに応じて、いくつもの既定のクラス電流量のうちの1つを呈するように、制御可能電流源ユニットによって生成される電流を制御する。それゆえ、制御ユニットは、最新のリセットイベント以降に検出されたクラスイベントの追加数と、電力要件を示す記憶されたデバイスタイプ識別子とに応じて、制御可能電流源を駆動して既定のクラス電流量を呈するように、またそれゆえ、電気負荷ユニットのDC電力要件に関連する情報を、好適なDC給電デバイスに提供するように構成されている。
【0027】
制御ユニットは、好ましくはまた、マークイベントの間にも、制御可能電流源を制御する。これらの場合には、制御可能電流源は、既定のマークイベント電流量を生成する。
【0028】
この実施形態の制御可能電流源は、DC電力ユニットとホットスワップスイッチとの間に好適に配置されており、ホットスワップスイッチは、DC電力ユニットから電気負荷ユニットへの、現在受電されているDC電力の送達を、閉状態において有効にするか、又は開状態において無効にするように、制御ユニットによって制御可能である。
【0029】
この実施形態の制御ユニットは、制御可能ホットスワップスイッチが開状態にある場合にのみ、すなわち、DC電力の送達が無効にされている場合にのみ、クラスイベントの数を計数する。マークイベント電流量及び既定のクラス電流量は、それぞれ、既定のマークイベント電流間隔及びクラス電流量間隔に該当するように、好適に実装される。これらのクラス電流量間隔は、非重複である。
【0030】
それゆえ、これらの実施形態は、有利には、より少ないDC電力を必要とする第2の動作モードと、第1の動作モードとの間で、電気負荷ユニットへのDC電力の供給を切り替えるための能力を提供する。
【0031】
DC受電デバイスの好ましい実施形態は、IEEE802.3規格(Power over Ethernet)を遵守するように構成されている。この規格は、DC給電デバイスとDC受電デバイスとの間で、電力要件に関連する情報を交換する際に使用するための、好適なプロトコルを提供する。そのようなプロトコルの特に好適な修正形態が、IEEE802.3bt規格バージョンに含まれており、延長マーク期間を利用する。この規格バージョンの下では、DC給電デバイスは、マーク条件で待機することが可能にされ、すなわち、接続されているDC受電デバイスが、マークイベント電流と称される既定の電流量を引き込む限り、無期限の時間にわたって、マークイベント電圧間隔に該当するDC電圧量を有するDC電力を供給している。このマーク条件における一時停止を可能にすることは、DC給電デバイスが、DC受電デバイスを(第1の動作モードではなく)オフモードに保持するが、規格に固有の検出及び分類プロシージャが既に実現されており、再び実行される必要がないため、即座に始動させる準備が整っていることを可能にすることを含めた、利益を有する。
【0032】
第2の態様のDC受電デバイスは、好ましくは、IEEE802.3bt規格に従って動作するように構成されているが、更にはまた、典型的には第1の動作モードに関して必要とされるDC電力よりも少ないDC電力を伴う、第2の動作モードに従った動作で電気負荷を駆動するために、延長マーク期間を使用するようにも構成されている。これらの実施形態は、802.3bt準拠のDC給電デバイス(PSE)が実行を許可される、延長マーク期間を活用することによって、Power over Ethernetシステム内のDC受電デバイス(PD)、例えばLED照明設備が、極めて低電力の待機メカニズムの下で動作することを可能にする。
【0033】
好ましくは、電気負荷ユニットは、第2の動作モードで動作するために、既定のマークイベント電流量を上回ることも下回ることもない電流量を必要とするように構成されている。このことは、DC電力デバイスが、マークイベントに留まること、すなわち、マークイベント電圧を使用してDC電力を送達することを確実にする。好ましくは、既定のマークイベント電流量は、0.25mA〜4mAの電流値の、マークイベント電流間隔である。
【0034】
第2の動作モードから第1の動作モードに変更するための種々の方法を実施する、いくつかの実施形態が存在する。一実施形態では、電気負荷ユニットは、第2の動作モードでの電気負荷ユニットの動作から、第1の動作モードで電気負荷ユニットを動作させることへと変更するための動作電力要求を、外部DC給電デバイスに提供するように構成されている。このように、DC受電デバイスは、第2の動作モードで動作している間に、第1の動作モードにおける動作のための特定の動作電力量を必要としていることを、DC給電デバイスに示すことにより、動作モードの変更をトリガする。
【0035】
これらの実施形態のうちの別の実施形態では、電気負荷ユニットは、外部DC給電デバイスとの通信リンクを確立して維持するように構成されている、Ethernet送受信機を含む。電気負荷ユニットは、第2の動作モードにおいてEthernet送受信機を作動停止させたまま保つように、並びに、好ましくは多くともEthernet送受信機を作動させること及び外部DC給電デバイスとの通信リンクを確立することによって、外部DC給電デバイスに動作電力要求を示すように構成されている。組み合わされてもよい代替的変形例では、DC給電デバイスとの通信リンクを確立するために、内部生成信号、又は外部信号若しくは外部ユーザ入力のいずれかが、Ethernet送受信機を作動させるために使用可能である。好適なDC給電デバイスは、回転され、Ethernet送受信機との通信リンクの確立を、動作電力要求として解釈するように構成されている。それに応答して、この好適なDC電源は、マークイベント電圧間隔に該当する電圧量を有するDC電力の供給を停止して、動作電圧間隔に該当する電圧量を有するDC電力を供給する。次いで、DC電圧監視ユニットは、そのことを示す応答信号を提供し、応答信号は、制御ユニットによって受信され、第1の動作モードに関するDC電力の送達をトリガする。
【0036】
DC受電デバイスの他の実施形態では、電気負荷ユニットは、第2の動作モードにおいて動作可能であり、外部DC給電デバイスとの通信リンクを確立して維持するように、及び、リンク層プロトコルに従って、通信リンクを介して動作電力要求を提供するように構成されている、Ethernet送受信機を含む。リンク層プロトコルは、好適には、リンク層発見プロトコル(Link Layer Discovery Protocol;LLDP)である。
【0037】
DC受電デバイスの更に他の実施形態では、電気負荷ユニットは、第2の動作モードから動作電力要求モードに切り替えることによって、外部DC給電デバイスに動作電力要求を示すように構成されている、負荷制御ユニットを含み、動作電力要求モードにおいて、電気負荷ユニットは、第1の変形例では、既定のマークイベント電流量よりも大きい電流の送達を必要とするように、又は第2の変形例では、既定のマークイベント電流量よりも小さい電流の送達を必要とするように構成されている。この場合、負荷制御ユニットは、それゆえ、動作モードの変更をトリガするために、既定のマークイベント電流量よりも高い電流量又は低い電流量のいずれかを引き込むように、電気負荷ユニットを「意図的に」駆動することができる。
【0038】
上述の第1の変形例の好ましい実装形態では、動作電力要求を示す引き込み電流は、マークイベント電流量よりも少なくとも25倍高い。許容可能なマークイベント電流量が、0.25mA〜4mAのマークイベント電流量を有するマークイベント電流間隔の形態で実装されている実施形態では、動作電力要求を示す引き込み電流は、100mAよりも高い。好適なDC給電デバイスは、そのような電流の引き込みを、動作電力要求として解釈するように構成されている。
【0039】
第2の変形例の実装形態では、DC受電デバイスは、マークイベント電流量よりも低い値を有する電流を引き込むことによって、動作電力要求を示すように構成されている。この種類の変形例では、マークイベント電流量は、好ましくは、0.25mA〜4mAのマークイベント電流量を有するマークイベント電流間隔であり、動作電力要求を示す引き込み電流は、好ましくは0.15mA未満である。好適なDC給電デバイスは、そのような電流の引き込みを、動作電力要求として解釈するように構成されている。
【0040】
前述のように、本発明は、電気ユニット負荷が、第1の動作モードで動作する際に光を放出するように構成されている照明ユニットを含む、DC受電デバイスにおいて使用するために特に有利である。
【0041】
本発明の第3の態様によれば、電気的装置が提供される。電気的装置は、種々の電力量のDC電力を供給するように構成されている、DC給電デバイスと、第2の態様による、有線の給電線を介してDC給電デバイスに接続されている少なくとも1つのDC受電デバイスとを備える。
【0042】
第3の態様の電気的装置は、第2の態様のDC受電デバイスの利点を共有するものであり、第2の態様のDC受電デバイスの実施形態のいずれかによる、1つ以上のDC受電デバイスを使用して実装されることができる。DC給電デバイスは、好ましくは、上述の延長マーク期間を使用して動作するように構成されており、特に好ましい実施形態では、802.3bt準拠のDC給電デバイスである。
【0043】
本発明の第4の態様によれば、DC受電デバイスコントローラを動作させる方法が提供される。当該方法は、
外部DC給電デバイスから種々の電力量のDC電力を受電するステップと、
受電されたDC電力の電圧量を監視するステップと、
現在受電されている電圧量が、マークイベント電圧間隔及び動作電圧間隔を含めた、いくつもの既定の非重複電圧間隔のうちの、それぞれの1つに該当することを示す、それぞれの応答信号を提供するステップであって、マークイベント電圧間隔の電圧量が、動作電圧間隔の電圧量よりも低い、ステップと、
現在受電されているDC電力の電圧量がマークイベント電圧間隔に移行したことを、現在受信されている応答信号が示していることを検出すると、マークイベント時間測定を開始するステップと、
マークイベント時間測定の開始以降の測定されたマークイベント時間が、既定のマークイベント持続時間閾値を超過していることを検出すると、マーク時間延長信号を提供するステップと、
現在受電されているDC電力の、外部電気負荷ユニットへの送達を、
a)現在受電されている電圧量が動作電圧間隔に該当することを、現在の応答信号が示していることを検出する場合、及び、
b)マーク時間延長信号が受信されたことを検出する場合、のうちのいずれか一方の場合に可能にするステップと、を含む。
【0044】
第4の態様の方法は、第2の態様のDC受電デバイスの利点を共有するものであり、第2の態様のDC受電デバイスの実施形態のいずれかの、追加的特徴を使用して実装されることができる。
【0045】
第5の態様は、第1の態様又は当該実施形態のうちのいずれかのDC受電デバイスコントローラに、第4の態様の方法のステップを実行させるように構成されている命令を含む、コンピュータプログラムによって形成される。
【0046】
第6の態様は、第5の態様のコンピュータプログラムを記憶させている、コンピュータ可読媒体によって形成される。
【0047】
それゆえ、請求項1に記載のDC受電デバイスコントローラ、請求項3に記載のDC受電デバイス、請求項12に記載の電気的装置、及び請求項13に記載のDC受電デバイスの動作を制御する方法、請求項14に記載のコンピュータプログラム、及び請求項15に記載のコンピュータ可読媒体は、特に、従属請求項において定義されるように、同様及び/又は同一の好ましい実施形態を有する点が理解されよう。
【0048】
本発明の好ましい実施形態はまた、従属請求項又は上記の実施形態と、それぞれの独立請求項との、任意の組み合わせとすることもできる点が理解されよう。
【0049】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以降で説明される実施形態から明らかとなり、それらの実施形態を参照して解明されるであろう。