(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、金属と樹脂とでは線膨張係数が大きく異なり、環境の温度変化の影響を受けると、ボルトの緩みを生じさせ、ドアハンドルと車両のドア間の固定の耐久性が低下するリスクが高くなる。
また、ボルトの背面を支持する部材がなく、ボルトのネジ部分からの押圧に対して、ボルトがケース部から容易に離脱することになる。
【0006】
本発明は、金属製のボディーへの接合に対する耐久性の高いドアハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるドアハンドル(1)は、
ハンドル操作部(3)と、ベースプレート部(4)と、シャフト(6)を備え、
前記シャフト(6)を介して、前記ハンドル操作部(3)と前記ベースプレート部(4)とが回動可能に連結され、
前記ベースプレート部(4)はベースボディー部(40)とボルト(12)とを有し、
前記ボルト(12)は、第1の平坦面(122)と第2の平坦面(123)と第3の平坦面(124)とを有する頭部(121)を備え、
前記第3の平坦面(124)は前記ベースボディー部(40)により覆われ、
前記第1の平坦面(122)と前記第2の平坦面(123)のうち少なくとも前記第1の平坦面(122)は露出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかるドアハンドル(1)は、
前記ベースプレート部(4)は樹脂製であり、
前記ボルト(12)は金属製であることを特徴とする。
【0009】
このような構成のドアハンドルとすることで、ドアハンドルのベースプレート部は、ベースボディー部とボルトとを一体的に形成された構成とすることができ、さらに、ボルトの頭部の第1の平坦面は、ベースボディー部に覆われずに露出している。そのため、第1の平坦面を車体のボディー部に直接接触させることが可能となる。
また、樹脂製のベースボディー部と金属製のボルトとが一体的に形成され、車体の金属製のボディー部に、直接的に金属製の第1の平坦面を接触することが可能となる。そのため、樹脂製のベースボディー部であるにも関わらず、温度変化の大きな環境においても、ドアハンドルと車体ボディーとの固定に対する耐性が向上する。
【0010】
また、本発明にかかるドアハンドル(1)は、
前記ベースプレート部(4)には開口部(15)が設けられ、
前記頭部(121)は前記開口部(15)により部分的に露出し、前記開口部(15)の周縁の前記ベースボディー部(40)により覆われていることを特徴とする。
【0011】
このような構成のドアハンドルとすることにより、ボルトの先端部から力が加わっても、ボルトがベースプレート部から外れることはない。そのため、ドアハンドルの車体のボディーへの取付作業工程において、作業者の作業負担の軽減に寄与することができる。
【0012】
また、本発明にかかるドアハンドル(1)は、
前記ベースボディー部(40)の操作側には突出部(42)が設けられていることを特徴とする。
【0013】
このような構成のドアハンドルとすることにより、操作者がドアハンドルを操作する際に、ベースプレート部と車体のボディー部との間に指や爪を挟み込むリスクを低減することができる。
【0014】
また、本発明にかかるドアハンドル(1)は、
前記ボルト(12)は前記ベースボディー部(40)にインサート成形されていることを特徴とする。
【0015】
このような構成のドアハンドルとすることにより、ボルトとベースプレート部のベースボディー部とは一体的に形成され、ベースプレート部からボルトが離脱することが防止される。そのため、ベースプレート部とボルトとを個別に保管する必要がなく、さらにドアハンドルを車体のボディーへの取付作業の負担の軽減に寄与することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、金属製のボディーへの接合に対する耐久性の高いドアハンドルを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
【0019】
(実施形態1)
図1(a)はドアハンドル1の正面図、
図1(b)は背面図を示す。
図1(a)に示すように、ドアハンドル1は、取付用の基体部2を介して車両のボディー(ドアパネル)101に固定される。
図1(b)は、設置する基体部2側から見たドアハンドル1の背面図であり、ドアハンドル1は、操作者が手を掛ける樹脂製のハンドル操作部3と、ベースプレート部4と、ハンドル操作部3に付勢力を付加するスプリング(ばね)5、例えばトーションスプリングと、シャフト(回転軸芯)6とを備える。ベースプレート部4は、樹脂製のベースボディー部(ベース本体部)40と金属製のボルト12とを備える。
従って、ドアハンドル1は基本的に樹脂により構成され、金属製のボルト12を備えている。
なお、シャフト6は剛性の高い材料から構成され、通常金属製である。
【0020】
ベースプレート部4は第1の軸受け部7a、7bを有し、ハンドル操作部3は第2の軸受け部8a、8bを有する。
シャフト6は、第1の軸受け部7a、7b及び第2の軸受け部8a、8bによりに支持される。シャフト6を介して、ハンドル操作部3とベースプレート部4とが回動可能に連結される。
なお、シャフト6は、第1の軸受け部7a、7b及び第2の軸受け部8a、8bに回動可能に支持されるが、第1の軸受け部7a、7b及び第2の軸受け部8a、8bの一方に回動可能に支持されて、他方において固定されてもよい。
【0021】
ハンドル操作部3はアーム部9を備え、アーム部9にはケーブル(不図示)が接続され、ハンドル操作部3の動きを伝達する。
【0022】
スプリング5の第1の端部51はハンドル操作部3の第1のスプリング係止部10に、スプリング5の第2の端部52はベースプレート部4の第2のスプリング係止部11に掛止されており、スプリング5は、ハンドル操作部3とベースプレート部4とに付勢力を加える。スプリング5の付勢力により、ハンドル操作部5を閉状態の位置に保持することができる。
なお、閉状態とは、ドアを閉めた状態に維持できる状態を意味し、開状態とはドアを開くことが可能な状態を意味する。
【0023】
ベースプレート部4のベースボディー部40には、金属製のボルト12が部分的に埋め込まれて、一体化されて成形されている。後述するように、ボルト12はベースプレート部4にインサート成形されることができる。
【0024】
図2(a)、(b)は
図1(a)のA−A線(
図1(b)のA’−A’線)における断面図であり、
図2(b)はボルト12近傍の拡大断面図である。
ボルト12の頭部121は、ベースボディー部40に囲まれ、一部の表面が露出ている。
【0025】
ベースボディー部40に設けられたボルト12のねじ部120は、ハンドル操作部3の反対側に突出している。車体101に設けられた開口部13にボルト12のねじ部120を貫通させ、ボルト12のねじ部120とナット14とを螺合し、ベースプレート部4がボディー101に固定される。操作者は、ハンドル操作部3の手掛かり部31に手を掛けて車体のドアの開閉操作を行うことができる。操作者は、ハンドル操作部3の手掛かり部31を引くことで、ドアを開状態にすることができる。
【0026】
後述するようにボルト12の頭部121は、第1の平坦面122、第2の平坦面123、第3の平坦面124を有する3段の階段構造である。
図2(b)の点線で囲んだ領域Cにおいて、ボルト12が車体のボディー101に直接的に接触していることが分かる。すなわち、金属製のボルト12の第1の平坦面122が金属製のボディー101と接触する箇所においては、樹脂を介在させることなく直接的に金属と金属とが接触(以下、金属金属接触と称する。)している。
従って、ボルト12とボディー101との間に介在する樹脂が環境温度の変化により膨張収縮することにより、ボルト12とボディー101との間のネジ固定が緩むことを防止できる。そのため、温度変化の大きな環境においても、ドアハンドル1と車体のボディー101との固定に対する耐性が向上する。
【0027】
ベースボディー部40のハンドル操作部3側には開口部15が設けられており、ボルト12の頭部121の一部が露出する。開口部15の周縁領域(
図2(b)の点線で囲んだ領域B)においては、ボルト12の頭部121のハンドル操作部3側表面の被覆部126はベースボディー部40の開口周縁部151により覆われている。従って、ボルト12のネジ部の先端部125から図中X方向に力が加わっても、ボルト12の頭部121の被覆部126はベースボディー部40の開口周縁部151により支えられ、ボルト12がベースプレート部4のベースボディー部40から外れることはない。
特に、ドアハンドル1の車体のボディー101への取付作業工程において、ドアハンドル1からボルト12が離脱することがなく、作業者の取付作業を容易にし、作業負担の軽減に寄与することができる。
【0028】
図3(a)はボルト12の斜視図、
図3(a)はボルト12のねじ部120側からみた平面図、
図3(c)はベースプレート部4のベースボディー部40に埋め込まれたボルト12を示す断面図、
図3(d)はボルト12を有するベースプレート部4のボディー101への取付側から見た背面図である。
【0029】
図3(a)に示すように、ボルト12の頭部121の断面形状は3段の階段構造である。頭部121は、ボルト12のねじ部120側から頭部121側の方向(先端部125側から頭部121の方向)に、第1の平坦面122、第2の平坦面123、第3の平坦面124の3つの平坦面を順に備えている。
ボルト12のねじ部120及び先端部125は、ハンドル操作部3の反対側に位置し、車体のボディー101側に配置される。ボルト12の頭部121は、ハンドル操作部3側に位置する。
図3(b)に示すように、第1の平坦面122、第2の平坦面123、第3の平坦面124の順に幅が広くなる。
【0030】
図3(c)に示すように、ボルト12の頭部121は、部分的にベースプレート部4内部に埋め込まれている。第1の平坦面122はベースボディー部40の表面41より図中上部(ボディー101の取付側)に突出しており、ベースボディー部40の樹脂に覆われることなく露出している。一方、第3の平坦面124はベースボディー部40の樹脂に覆われている。
【0031】
なお、
図3(c)に示す例においては、第2の平坦面123もベースボディー部40の樹脂に覆われることなく露出しているが、後述するように製造上のばらつき等の要素により、第2の平坦面123はベースボディー部40の樹脂に覆われてもよい。
【0032】
ボルト12のねじ部120に最も近い第1の平坦面122は、樹脂により覆われていないため、ベースプレート部4をボディー101に固定する際、第1の平坦面122は直接的にボディー101に接触する。
【0033】
図3(c)、(d)に示すように、ベースボディー部40は開口部15(ボルト頭部露出部)を有し、開口部15においてボルト12の頭部121の表面が部分的に露出している。頭部121の開口部15以外の領域である被覆部126は、ベースボディー部40に覆われ、支持されている。
【0034】
図3(c)、(d)に示す例では、ボルト12の頭部121のハンドル操作部3側の表面(頭部121の上面と称することがある。)は平坦であるが、後述するインサート成形時にボルト12の位置を確定するため、
図3(e)に示すようにボルトの頭部121の上面に、(例えば矩形状の)固定用凹部127を設けてもよい。
【0035】
なお、頭部121の上面の形状は、例えば小判形状であり、ベースボディー部40内での頭部121の回動を防止することが可能な形状とすることができる。
【0036】
図4は、インサート成形によりベースプレート部4のベースボディー部40とボルト12を一体的に形成するための金型の構成を示し、
図4(a)はボルト12近傍の金型の構成を示す模式断面図、
図4(b)は
図4(a)の円で囲まれた領域における第1の金型16の拡大断面図、
図4(c)は第1の金型16とボルト12との位置関係を示す模式断面図である。
なお、
図4は模式図であるため、
図3に示すベースプレート部4の形状を簡略化して示す。
【0037】
図4(a)に示すように、インサート物であるボルト12のねじ部120は、第1の金型16により覆われ、先端部125は突出ピン17により支持されている。
第1の金型16と、第1の金型16に対向する第2の金型18との間にキャビティー19が形成される。第1の金型16と第2の金型18の一方を固定金型、他方を可動金型とすることができる。
キャビティー19に流し込まれた樹脂は、ベースボディー部40を形成する。ボルト12の頭部121はキャビティー19により包含される。
キャビティー19に樹脂を流し込み、金属製のボルト12を備えた樹脂製のベースプレート部4を形成することができる。
【0038】
ボルト12の頭部121の上面は、第2の金型18に設けられた押出ピン20により押圧され、ボルト12は、突出ピン17及び押出ピン20により峡持され、支持される。突出ピン17及び押出ピン20の少なくとも一方をスプリング等の弾性体により付勢し、ボルト12を押圧してもよい。
頭部121に接する押出ピン20が位置する箇所には樹脂が形成されず、開口部15を形成することができる。
図4(a)、及び
図4(b)に示すように、第1の金型16は第1の平坦面122と接する第1の接触面21と、第2の平坦面123と接する第2の接触面22とを有する。そのため、第1の平坦面122と第2の平坦面123には樹脂が流れ込むことはない。
なお、押出ピン20とボルト12との位置を確定するために、
図4(a)ではボルトの頭部121の上面に固定用凹部127を設けた例を示すが、固定用凹部127を設けなくてもよい。
【0039】
図4(c)は、ボルト12又は第1の金型16の寸法ばらつきの影響を示す。
状態S−1は、ボルト12及び第1の金型16が設計通りの寸法に製造された状態を示す。状態S−1では、第3の平坦面124は樹脂に覆われ、第1の平坦面122と第2の平坦面123とは、樹脂に覆われず、露出する。すなわち、第3の平坦面124はベースボディー部40に覆われるが、第1の平坦面122と第2の平坦面123とはベースボディー部40に覆われず、外面に露出する。
【0040】
状態S−2は、第1の接触面21と第2の接触面22との段差h1が、第1の平坦面122と第2の平坦面123との段差h2より小さい例を示し、第1の接触面21と第1の平坦面122のみが接触し、第2の接触面22と第2の平坦面123とが離隔している状態を示す。状態S−2では、第2の平坦面123と第3の平坦面124とは樹脂に覆われ、第1の平坦面122のみが樹脂に覆われていない。すなわち、第2の平坦面123と第3の平坦面124とはベースボディー部40に埋め込まれ、覆われているが、第1の平坦面122のみがベースボディー部40に覆われず、ベースボディー部40の外面に露出する。
【0041】
状態S−3は、第1の接触面21と第2の接触面22の段差h1が、第1の平坦面122と第2の平坦面123との段差h2より大きい例を示し、第1の接触面21と第1の平坦面122とが離隔し、第2の接触面22と第2の平坦面123のみが接触している状態を示す。第1の接触面21と第1の平坦面122とは離隔しているものの、第2の接触面22と第2の平坦面123が接触しているため、樹脂は第1の平坦面122まで流れることはない。状態S−3では、第3の平坦面124は樹脂に覆われているが、第1の平坦面122と第2の平坦面123は樹脂に覆われず、露出する。すなわち、第3の平坦面124はベースボディー部40に埋め込まれ、樹脂に覆われているが、第1の平坦面122と第2の平坦面123は、ベースボディー部40に覆われず、外面に露出する。
【0042】
いずれの状態においても、第1の接触面21及び第1の平坦面122、又は第2の接触面22及び第2の平坦面123の少なくとも一方が互いに接触する。その結果、少なくとも第1の平坦面122に樹脂が流れ込むことはなく、第1の平坦面122が樹脂に覆われることはない。すなわち、第1の平坦面122は、ベースボディー部40に覆われず、その外面に露出する。
【0043】
また、第2の平坦面123と第3の平坦面124との間には有限の段差h3があり、第3の平坦面124上には、いずれの状態においても樹脂が流れ込む。従って、第3の平坦面124は樹脂で覆われ、ベースボディー部40に埋め込まれ、覆われている。
【0044】
また、第2の平坦面123と第3の平坦面124との間の第1の段差壁面部134も樹脂で覆われ、ベースボディー部40に覆われる。しかし、第1の平坦面122と第2の平坦面123との間の第2の段差壁面部132については、状態S−2においては、部分的に樹脂に覆われ、部分的に露出し、状態S−1、S−3においては樹脂に覆われることなく露出する。第2の段差壁面部132は少なくとも部分的に露出する。
なお、露出するとは、樹脂に覆われていない状態を意味する。
【0045】
ボルト12の頭部121に、互いに有限の段差を有する第1の平坦面122、第2の平坦面123及び第3の平坦面124を設けることにより、第1の平坦面122を樹脂で覆われることなく露出した状態で、ボルト12を備えたベースプレート部4をインサート成形により、製造することができる。
【0046】
ボルト12はベースプレート部4にインサート成形されており、一体的に形成されているため、ボルト12とベースボディー部40とを個別に保管する必要がない。また、車体のボディー101の取付作業工程においても、ボルト12がベースボディー部40から脱離することもなく、取付作業の作業性を向上させることができる。
【0047】
(実施形態2)
以下、
図5を参照し、実施形態2のベースプレート部4の構成を説明する。
図5(a)は、第1の平坦面122とベースボディー部40の表面41との位置関係を示し、
図5(b)はボディー101に取り付けた実施形態1のドアハンドル1の拡大断面図であり、
図5(c)はボディー101に取り付けた実施形態2のドアハンドル1の拡大断面図であり、
図5(d)は実施形態2のベースボディー部40の突出部42近傍の拡大断面である。
【0048】
図5(a)に示すように、第1の平坦面122とベースボディー部40の表面41との間には高さd、例えば0.5〜2[mm]の段差が存在する。
図5(b)に示すように、ベースプレート部4は、第1の平坦面122がボディー101の表面に接するように固定されているため、この段差によりベースボディー部40の表面41とボディー101の表面との間には空隙Gが形成される。
このように、シャフト6を支持する第1の軸受け部7と対向する側、すなわちハンドル操作部3の手掛かり部31側のベースプレート部4とボディー101の表面との間には空隙Gが形成される。
なお、上記のように、第1の軸受け部7と対向する側、すなわち操作者が手を差し込む側(
図2(a)中の手掛かり部31側)を操作側と称することがある。
【0049】
車体のドアの開閉を行うため、操作者がハンドル操作部3の手掛かり部31を操作しようとして、意図せず指をベースプレート部4側まで差し入れた場合、ベースプレート部4の操作側の空隙Gに爪が引っ掛かる可能性がある。
【0050】
さらに、ドアハンドル1を操作者が操作する場合、操作者の手の挿入を受け入れるため、基体部2の断面は凹形状である(
図2(a)参照)。また、ドアハンドル1の基体部2を取り付けるボディー101の表面も、車体表面から車体内部に向かって湾曲している。このように車体のボディー101が湾曲している場合、ベースボディー部40の表面41とボディー101の表面との距離が拡がり、ベースプレート部4の操作側の空隙Gに爪が引っ掛かる可能性が大きくなる。
【0051】
図5(c)は、実施形態2のドアハンドル1のベースプレート部4の断面図である。
図5(c)に示すように、ベースボディー部40の操作側の端部には、突出部42が設けられている。突出部42は、ベースボディー部40からボディー101の方向、又はボルト12の頭部121からネジ部120(先端部125)の方向に突出している。突出部42のボディー101に対向する側面の断面形状は、ボディー101の表面の湾曲形状に合わせて、車体表面から車体内部に向かって湾曲するように構成される。
その結果、突出部42は空隙Gを覆い、爪が引っ掛かる危険性を低減することができる。
【0052】
図5(d)に示すように、突出部42の表面は、ボルト12の第2の平坦面123から第1の平坦面122に向かう方向(頭部121からねじ部120、又は頭部121から先端部125に向かう方向)に突出している。
また、ボルト12の第2の平坦面123に隣接するベースボディー部40の表面41と、表面41に対向するボディー101との距離はdである。一方、 第1の平坦面122はボディー101に接するように固定されるため、第2の平坦面123に隣接するベースボディー部40の表面41と第1の平坦面122との距離はdである。
【0053】
図4(d)に示すS−1、S−3の状況においては、ベースボディー部40の上記表面41と第1の平坦面122との距離はh2と等しく、S−2の状況においてはベースボディー部40の表面41と第1の平坦面122との距離はh2より短くなる。従って、ベースボディー部40の上記表面41と第1の平坦面122との距離dは、第1の平坦面122と第2の平坦面123との段差h2以下となる(d≦h2)。
【0054】
ボルト12の第2の平坦面123に隣接するベースボディー部40の表面41から、突出部42のねじ部120側(先端部125側)の最表面までの距離Wは、好適には上記段差h2以上に設定する(W≧h2)。ベースボディー部40の突出部42は、第2の平坦面123に隣接するベースボディー部40の表面41と車体のボディー101との空隙Gを覆うことになる。
【0055】
上記のように、ベースプレート部4は、ボルト12の特別な形状のため、ボルト12の第1の平坦面122とベースボディー部40の表面41との間に距離dの空隙が発生する。そのため、実施形態2のベースボディー部40の第1の軸受け部7と対向する端部に、ボディー101側(ねじ部120又は先端部125側)に突出する突出部42が設けられている。
突出部42のボディー101と対向する側壁面の断面形状を、対向するボディー101の形状に合わせた湾曲形状とすることで、操作者の指や爪の挟み込みの危険性を低減することができる。
ドアハンドルは、ハンドル操作部(3)とベースプレート部(4)とシャフト(6)を備え、ハンドル操作部(3)とベースプレート部(4)とシャフト(6)を介して回動可能に連結されている。ベースプレート部(4)はベースボディー部(40)とボルト(12)とを有し、ボルト(12)は、第1の平坦面(122)と第2の平坦面(123)と第3の平坦面(124)とを有する頭部(121)を備え、第3の平坦面(124)はベースボディー部(40)により覆われ、前記第1の平坦面(122)は露出する。ベースボディー部(40)は樹脂製であり、ボルト(12)は金属製である。