(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記麺投入部は、筒状の麺導入部と、前記麺導入部の一方の端部の第1の開口部を開閉可能に構成された第1の蓋部と、前記麺導入部の他方の端部の第2の開口部を開閉可能に構成された第2の蓋部と、を有し、
前記第2の開口部を介して前記麺投入部と前記麺茹で部とが連通しており、
前記麺導入部は、前記第1の蓋部側から前記第2の蓋部側へと低くなるよう傾斜している、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の麺茹で装置。
前記第2の移動機構は、前記麺保持器を前記麺取出部へと導入する筒状の麺導出部と、前記第1の皿部に載置された前記麺保持器を前記麺導出部へと押し出す押出機構と、を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の麺茹で装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る麺茹で装置について、詳細に説明する。
【0010】
(麺茹で装置の概略全体構成)
図1に、本実施形態に係る麺茹で装置の一例の全体概略斜視図を示す。また、
図2に、本実施形態に係る麺茹で装置に投入する麺保持器の一例の概略全体図を示す。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る麺茹で装置100は、ラーメン等の麺を保持可能に構成された麺保持器200(
図2参照)に保持された麺を茹でる湯槽112が配置された麺茹で部110と、麺茹で部110の例えば下に配置され、麺茹で部110を加熱可能に構成された加熱部114とを有する。
【0012】
また、本実施形態に係る麺茹で装置100は、麺茹で装置100の外部から麺茹で部10に麺保持器200を投入可能に構成された麺投入部120と、麺茹で部110内に投入された麺保持器200内の麺が茹であがった後に、麺保持器200を回転させることで麺保持器200内の麺を湯切りする湯切り部130と、湯切り部130で湯切りした麺保持器200を取り出し可能に構成された麺取出部140と、を有する。
【0013】
さらに、本実施形態に係る麺茹で装置100は、麺茹で部110から湯切り部130へと麺保持器200を移動させる第1の移動機構150と、湯切り部130から麺取出部140へと麺保持器200を移動させる第2の移動機構160と、を有する。
【0014】
次に、各々の構成要素について、更に詳細に説明する。
【0015】
(麺保持器)
本実施形態に係る麺茹で装置100では、麺は麺保持器200内に保持された状態で、茹で及び湯切りが実施される。先ずは、麺保持器200の構成例について、
図2を参照して説明する。
【0016】
麺保持器200は、外形が例えば球形、亜球形(例えば楕円球形、だるま形)を有し、内部に所定量、例えば1食分50g乃至300g程度の乾燥麺又は生麺を収容可能な大きさに構成されている。麺保持器200は、例えばだるま形とすることで、麺の湯切り後に、麺保持器200が自立できる。
【0017】
麺保持器200の材質としてはシリコンを使用して、麺が保持された麺保持器200は、麺が茹で上がる前は麺を茹でる温度のお湯に沈み、麺が茹で上がった後は、麺を茹でる温度のお湯に浮く用に、麺保持器200のフレームの厚さを調整しておくことが好ましい。これにより、後述するように、麺が茹で上がった後に、第1の移動機構150により、麺茹で部110から湯切部130へと麺保持器200を移動させることができる。
【0018】
麺保持器200の外周には、1乃至複数の穴部210(孔)が形成されている。穴部210の外周形状としては、特に限定されないが、
図2に示す例では、十字型の形状を示しており、他にも、円型、星型等の公知の形状を適宜採用することができる。
【0019】
麺保持部200に形成される穴部210の数としては、特に限定されないが、出来る限り多く、麺保持器200の外周全体に亘って形成されることが好ましい。具体的には、麺保持器200に形成される穴部210の数は、一例として30個乃至100個とすることができる。なお、複数の穴部210は、所定の間隔で整列して設けられていても良いが、
図2に示すように、複数の穴部210が、互いに無作為に設けられていても良い。
【0020】
穴部210の大きさとしては、麺保持器200に収容される麺が穴部210を介して外部に出てくることがない程度の、十分に小さい大きさを有する。これにより、後述する第1の移動機構150により麺保持部200が湯切り部130へ移動された後、麺が麺保持器200から出ることなく、確実に麺を湯切りすることができる。
【0021】
麺保持器200は、内部に麺を収容できるように、開閉可能に構成されることが好ましい。開閉方法としては、特に限定されないが、例えば、麺保持器200が球形の場合、2つの半球形の蓋部を係合可能に構成して、麺保持器200を開閉可能に構成することができる。
【0022】
次に、本実施形態に係る麺茹で装置100の主要構成について、より詳細に説明する。
【0023】
(麺茹で部110)
本実施形態に係る麺茹で装置100における麺茹で部110は、麺保持器200内に保持された麺を茹でる役割を果たす。
【0024】
麺茹で部110は、麺茹で装置100の筐体の内部に配置された湯槽112と、湯槽112の例えば下部に配置された加熱装置114と、を備えている。
【0025】
図3に、本実施形態に係る麺茹で部の一例の概略側面図を示す。
図3に示すように、湯槽112は、例えば、上方に開口する矩形の開口を有する箱型の槽112aと、開口を開閉可能な蓋部112bと、を有して構成されている。別の言い方をすると、湯槽112は、矩形の底面部と、底面部から上方に延びる4つの側面部と、開閉可能に構成された矩形の上面部(蓋部)と、を有する。そして、湯槽112は、内部に、開口を介して導入された湯又は水が貯留されている。
【0026】
図3に示すように、湯槽112の蓋部112bは、一方の端部側、例えば
図1における前面側112a1から、他方の端部側、例えば
図1における後面側112a2へと高くなるように傾斜するよう構成されていることが好ましい。これにより、麺保持器200内に保持された麺が茹で上がった際に、湯槽112の湯面に浮き上がってきた麺保持器200が、この傾斜と浮力により、高くなっている面側へと誘導される。
図3を参照してより具体的に説明すると、麺が保持された麺保持器200aは、麺が茹でられる前は湯に沈む(湯に浮かばない)ように設計されている。そして、湯により麺が茹でられるにつれ、比重の変化に伴い、麺が保持された麺保持器200bは湯面に浮かんでくる(
図3の上矢印参照)。そして、蓋部112bの傾斜と浮力により、麺保持器200cは、湯槽112内の後面側112a2側へと誘導される(
図3の右矢印参照)。これにより、後述する第1の移動機構150を介した麺茹で部110から湯切り部130への麺保持器200の移動が容易となる。
【0027】
加熱装置114は、湯槽112内の湯又は水を加熱することができれば特に限定されないが、例えば、IHインバーターやガスバーナー等から構成される。
【0028】
(麺投入部120)
麺投入部120は、本実施形態に係る麺茹で装置100の外部から麺茹で部110へと麺保持器200を導入する役割を果たす。
【0029】
麺投入部120は、麺保持器200を麺茹で部110へと導入する筒状の麺導入部121と、麺導入部121の一方の端部の開口部を開閉可能に構成され、この開口部が麺保持器200の投入口となる第1の蓋部122と、麺導入部121の他方の端部の開口部を開閉可能に構成され、この開口部を介して麺投入部120と麺茹で部110とが連通する第2の蓋部123と、を有する。
【0030】
麺導入部121は、第1の蓋部122側から第2の蓋部123側へと低くなるよう傾斜していることが好ましい。これにより、第1の蓋部122を介して麺導入部121に導入された麺保持器200が、外部の動力等を使用せずに重力により第2の蓋部123側へと移動して、第2の蓋部123が開くことにより形成される開口部を介し麺茹で部110へと移動される。
【0031】
更に好ましい例として、
図4に、本実施形態に係る麺投入部の一例の概略側面図を示す。
図4に示すように、麺投入部120は、麺保持器200を麺茹で部110へと導入する筒状の麺導入部121内に、第3の蓋部124と、第3の蓋部124と第2の蓋部123との間に第1の検知部125と、第3の蓋部124を第2の蓋部123側へと移動させる第3の移動機構126と、を有している。そして、
図4に示す例では、第3の蓋部124は、麺茹で部110の湯槽112の湯が存在する位置に対応して設けられている。
【0032】
第3の蓋部124は、麺導入部121を、第1の蓋部122と第3の蓋部124との間の空間P1と、第3の蓋部124と第2の蓋部123との間の空間P2とに隔てる役割を果たす。そして、空間P1は、図示しない真空ポンプ等により、真空引き可能に構成されていることが好ましい。
【0033】
図4に示す例において、麺保持器200を、麺茹で部110へと導入する例について、説明する。先ず、第1の蓋部122を開け、開口部を介して空間P1に麺保持器200を入れる。そして、第1の蓋部122を閉じ、図示しない真空ポンプ等により、空間P1を真空引きする。そして、第3の蓋部124を開け、麺保持器200を空間P2へと移動させ、第3の蓋部124を閉じる。第1の検知部125は、麺保持器200を検知することで、第3の移動機構126を介して、第3の蓋部124を第2の蓋部123側へと移動させるとともに、第2の蓋部123を開け、麺保持器200を麺茹で部110へと導入することができる。
【0034】
図4に示す実施例では、麺保持器200内を(低)真空にした状態で、麺茹で部110の湯内へと投入することができる。そのため、手もみのつきたてのような歯ごたえを有する麺を製造することができる。
【0035】
麺投入部120の数は、1つでも良いが、同時に複数の麺を茹でることができるように、複数とすることが好ましい。
図1に示す例では、3つの麺投入部120が、一列に配置されている。
【0036】
(第1の移動機構150)
第1の移動機構150は、麺茹で部110で茹でられた麺が保持された麺保持器200を、湯切り部130へと移動させる役割を果たす。
図1に示す例では、第1の移動機構150は、麺茹で部110の湯面とほぼ同じ高さ位置であって、麺茹で装置100の背面側に設けられている。
【0037】
麺保持器200は、麺が茹でられると共に、湯面へと浮き上がってくる。そのため、上述の
図3に示すように、湯槽112の蓋部112bを傾斜させることで、麺保持器200を所定の位置(例えば、
図1に示す例では、麺茹で装置100の背面側)へと移動させることができる。
【0038】
そして、第1の移動機構150を介して、麺保持器200を麺茹で部110から湯切り部130へと移動させる。そのため、湯切部130は、麺茹で部110と連通して設けられている。第1の移動機構150は、麺の茹で時間、例えば3分乃至5分毎に自動で起動するよう設けられても良いし、手動で起動して、麺保持器200を麺茹で部110から湯切り部130へと移動させても良い。
【0039】
第1の移動機構150は、麺保持器200を麺茹で部110から湯切り部130へと移動させることができれば、特にその構成は限定されず、例えば、棒状部材を例えば圧縮コイル等を用いて伸縮可能に構成された移動機構などを使用することができる。
【0040】
(湯切り部)
湯切り部130は、第1の移動機構150によって移動された、茹で上がった麺が保持された麺保持器200を回転させることで、麺保持器200内の水分を排出して麺を湯切りする役割を果たす。
【0041】
図1に示す本実施形態に係る麺茹で装置100においては、湯切部130は、麺保持器200に形成される穴部210の外周形状に係合する外周形状を有する凸部132を有し、好ましくは水平に配置される第1の皿部134と、この凸部132を回転可能に構成された回転駆動部136と、を有する。
【0042】
凸部132は、上述したように、麺保持器200に形成される穴部210の外周形状に係合する形状を有し、
図2に示すように穴部210の外周形状が十字型の場合、凸部132の外周形状も穴部210の外周形状よりも僅かに小さい外周形状を有する十字型とすることが好ましい。
【0043】
上述したように、麺保持器200に形成される穴部210の数は、麺保持器200の大きさにも依存するが、多いほど好ましい。麺保持器200に形成される穴部210の数を多くすることで、第1の移動機構150によって移動された麺保持器200の位置に関係なく、麺保持器200の穴部210に、凸部132が係合する。
【0044】
そして、麺保持器200内に保持された麺を湯切りする場合、回転駆動部136を駆動させることで、麺が湯切りされる。
【0045】
回転駆動部134によって回転される回転速度、時間としては、麺を十分に湯切りすることができれば特に制限されないが、例えば数十秒程度の湯切り時間で十分に湯切りできる回転速度と回転時間とすることが好ましい。本実施形態に係る湯切り部130を使用することで、麺を麺保持器200内に保持した状態で湯切りすることができるため、湯切り時において、麺を傷つけることがない。
【0046】
(第2の移動機構)
第2の移動機構160は、湯切り部130によって湯切りされた麺を保持する麺保持器200を、麺取出部140へと移動させる役割を果たす。
【0047】
図1に示す例では、第2の移動機構160は、麺保持器200を麺取出部140へと導入する筒状の麺導出部162と、第1の皿部134に保持された麺保持器200を麺導出部162側へと押し出す押出機構164と、を有する。
【0048】
麺導出部162は、麺保持器200を麺取出部140へと導く導出路の役割を果たす筒状の形状を有し、少なくとも一方の端部が湯切部130に連通し、他方の端部が麺取出部140に連通して構成される。
【0049】
麺導出部162は、湯切部130側から麺取出部140側へと低くなるよう傾斜していることが好ましい。これにより、麺保持器200自身の重さによって、自動で麺保持器200が麺取出部140へと移動される。
【0050】
押出機構164は、第1の皿部134に保持された麺保持器200を、麺導出部162へと押すことができれば特に限定されず、公知の押出機構を使用することができる。
【0051】
(麺取出部)
麺取出部140は、湯切りされた麺が保持された麺保持器200を、麺茹で装置100の操作者が取り出すためのものであり、例えば、麺導出部162に連通して設けられた第2の皿部142を有する。
【0052】
即ち、本実施形態に係る麺茹で装置100において、麺保持器200は、麺投入部120、麺導入部121、麺茹で部110、湯切部130及び麺導出部162を順次経て麺取出部140へと移動され、操作者によって回収される。即ち、麺を半自動で茹でることができ、かつ、麺を傷つけることなく半自動で湯切りすることができる。
【0053】
また、本実施形態に係る麺茹で装置100は、材料にシリコンを使用しており、麺が茹で上がった後は、麺を茹でる温度のお湯に浮くよう構成されている。そのため、麺保持器200のフレームの厚さを調整することで、茹で時間が短く1食分の量の少ない麺類を茹でるのと同時に、茹で時間が長く1食分の量の多い麺類を茹でること等、1つの麺茹で装置100で茹で時間や1食分の量の異なる麺類を効率的に茹でることができる。
【0054】
さらに、本実施形態に係る麺茹で装置100は、麺保持器200内を(低)真空にした状態で、麺茹で部110の湯内へと投入することができる。そのため、手もみのつきたてのような歯ごたえを有する麺を製造することができる。
【0055】
またさらに、本実施形態に係る麺茹で装置100は、麺を麺保持器200内に保持した状態で湯切りすることができるため、湯切り時において、麺を傷つけることがない。
【解決手段】麺茹で装置であって、当該麺茹で装置は、表面に1乃至複数の穴部が形成され、麺を収容可能に構成された麺保持器と、湯を貯留する湯槽112と、湯槽内の湯を加熱する加熱装置114とを有する麺茹で部110と、麺茹で部に麺保持器を導入する麺投入部120と、穴部に係合する凸部が形成された第1の皿部と、第1の皿部を回転させる回転駆動部とを有し、凸部に穴部が係合した状態で麺保持器を回転させることで麺保持器内に収容された麺を湯切りする湯切り部130と、湯切り部で湯切りされた麺が収容された麺保持器を取り出す麺取出部140と、麺茹で部から湯切り部へと麺保持器を移動させる第1の移動機構150と、湯切り部から麺取出部へと麺保持器を移動させる第2の移動機構と、を有する、麺茹で装置。