(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フェイスマスク部は、少なくともユーザの鼻と口を覆う覆い部と、前記覆い部から左右方向にそれぞれ延びると共に、ユーザの耳に掛けられる環状の耳紐部とを有する、
請求項2又は3に記載のフェイスマスクユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、フェイスマスクを構成する不織布は柔らかい素材であることから、その形状が崩れやすい。形状が崩れると、不織布が破れてしまう等のおそれがある。そのため、保管の際にその形状を維持する工夫が必要である。
【0005】
上記課題を鑑みて、本発明は、形状を維持しつつ保管可能なフェイスマスクユニット、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下のとおりである。
【0007】
(1)少なくとも2枚以上の不織布が積層される不織布積層体と、前記不織布積層体の表面又は裏面のうち少なくとも一方に固定されると共に、前記不織布積層体を保持する平面状の保持体と、を有し、前記不織布積層体及び保持体には、前記不織布積層体の表面又は裏面のうち他方から前記保持体の表面側に貫通する,ユーザの顔面の外形の少なくとも一部に応じた有端線状の穴が形成されている、フェイスマスクユニット。
【0008】
(2)(1)において、前記有端線状の穴に沿う外形を有するフェイスマスク部と、前記有端線状の穴を介して前記フェイスマスク部の周辺に設けられる周辺部と、前記有端線状の穴の延伸方向の端部を構成すると共に、前記フェイスマスク部と前記周辺部とを部分的に接続する接続部と、を有する、フェイスマスクユニット。
【0009】
(3)(2)において、前記周辺部において記不織布積層体と前記保持体とを固定する固定具をさらに有する、フェイスマスクユニット。
【0010】
(4)(2)又は(3)において、前記フェイスマスク部には、少なくともユーザの鼻と口に応じた形状の穴が形成されている、フェイスマスクユニット。
【0011】
(5)(2)又は(3)において、前記フェイスマスク部は、少なくともユーザの鼻と口を覆う覆い部と、前記覆い部から左右方向にそれぞれ延びると共に、ユーザの耳に掛けられる環状の耳紐部とを有する、フェイスマスクユニット。
【0012】
(6)(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記保持体は、前記不織布積層体の前記表面に固定される第1の保持体と、前記不織布積層体の前記裏面に固定される第2の保持体と、を含む、フェイスマスクユニット。
【0013】
(7)(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記保持体は、前記不織布積層体の前記表面に固定されており、前記不織布積層体及び前記保持体は、前記不織布積層体の前記裏面の一部が、該裏面の他部に重なるように、折り畳まれている、フェイスマスクユニット。
【0014】
(8)(7)において、前記有端線状の穴は左右対称の形状であり、前記不織布積層体及び前記保持体は、前記有端線状の穴の左部と右部とが平面視において重なるように、折り畳まれている、フェイスマスクユニット。
【0015】
(9)(1)〜(8)のいずれかにおいて、前記保持体は、前記不織布積層体よりも外形が大きい、フェイスマスクユニット。
【0016】
(10)少なくとも2枚以上の不織布が積層される不織布積層体を用意し、平面状の保持体を、前記不織布積層体の表面又は裏面の少なくとも一方に固定し、前記不織布積層体及び前記保持体に、前記不織布積層体の表面又は裏面のうち他方から前記保持体の表面側に貫通する、ユーザの顔面の外形の少なくとも一部に応じた有端線状の穴を形成する、フェイスマスクユニットの製造方法。
【0017】
(11)(10)において、レーザ加工機から出射されるレーザ光により前記有端線状の穴を形成する、フェイスマスクユニットの製造方法。
【発明の効果】
【0018】
上記(1)〜(11)の側面によれば、形状を維持しつつ保管可能なフェイスマスクユニット、及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0021】
[フェイスマスクユニット100の全体構成]
図1〜
図4を参照して、第1の実施形態に係るフェイスマスクユニット100の全体構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るフェイスマスクユニットを示す斜視図である。
図2は、
図3のII−II切断線における切断端面を示す端面図である。
図3は、第1の実施形態に係るフェイスマスクユニットを示す平面図である。
図4は、第1の実施形態のフェイスマスクを示す平面図である。
図3においては、フェイスマスクユニット100を、第1の保持体21側から見た様子を示している。
【0022】
第1の実施形態に係るフェイスマスクユニット100は、肌の手入れを行うための美容向けフェイスマスク(フェイスパックとも呼ばれる)を提供するためのものである。第1の実施形態において提供されるフェイスマスクは、目、鼻、及び口を除くユーザの顔面のほぼ全体を覆うように構成されている。第1の実施形態において提供されるフェイスマスクは、後述の不織布積層体10に含まれる不織布のうちフェイスマスク部11に対応するものである。
【0023】
フェイスマスクユニット100は、不織布積層体10と、第1の保持体21と、第2の保持体22とを有する。
【0024】
不織布積層体10は、少なくとも2枚以上の不織布が積層されて成る。不織布とは、繊維を織らずに絡み合わせてなるシート状の布である。不織布は、例えば、天然パルプ、コットン、シルク、レーヨンなどの天然繊維又は化学繊維からなるとよい。また、不織布は、それら天然繊維又は化学繊維に、ポリエステルやポリプロピレンなどの合成繊維を混合した混合素材からなってもよい。なお、不織布積層体10に含まれる不織布の枚数に制限はないが、5〜10枚程度であるとよい。
【0025】
第1の保持体21は、平面状であって、不織布積層体10の表面10fに固定されると共に、不織布積層体10を保持している。第2の保持体22は、平面状であって、不織布積層体10に裏面(表面の反対の面)10bに固定されると共に、不織布積層体10を保持している。第1の保持体21及び第2の保持体22は、例えば、段ボール等の厚紙や樹脂板等、不織布よりも剛性が高い板状体であるとよい。
【0026】
図2に示すように、不織布積層体10は、第1の保持体21と第2の保持体22とによって挟まれることにより保持されている。また、第1の実施形態において、第1の保持体21及び第2の保持体22の外形は、不織布積層体10の外形よりも大きい。すなわち、第1の実施形態においては、第1の保持体21及び第2の保持体22が、フェイスマスクユニット100の外装を構成している。
【0027】
以下の説明において、第1の保持体21のうち、不織布積層体10の表面10fに接触する側の面を第1の保持体21の裏面21bと呼び、その反対側の面を第1の保持体21の表面21fと呼ぶ。また、第2の保持体22のうち、不織布積層体10の裏面10bに接触する側の面を第2の保持体22の裏面22bと呼び、その反対側の面を第2の保持体22の表面22fと呼ぶ。
【0028】
図1、
図3に示すように、不織布積層体10、第1の保持体21、及び第2の保持体22には、ユーザの顔面の外形に応じた線状の穴Hが形成されている。
【0029】
穴Hは、第1の保持体21の表面21fから第2の保持体22の表面22fに貫通している。すなわち、穴Hは、第1の保持体21、不織布積層体10、及び第2の保持体22を貫通して形成されている。
【0030】
穴Hは、ユーザの顔面の外形に応じた形状の外形穴H1、ユーザの目の位置に応じた目穴H2、ユーザの鼻の位置に応じた鼻穴H3、ユーザの口の位置に応じた口穴H4を含む。なお、本明細書において、これら穴を特に区別して説明する必要のない場合は、単に「穴H」と呼ぶこととする。
【0031】
外形穴H1は、有端線状の貫通孔である。ここで、有端線状とは、延伸方向において端部を有すると共に、平面視において線状であることを意味する。
【0032】
また、第1の実施形態においては、目穴H2、鼻穴H3、及び口穴H4も、外形穴H1と同様に、有端線状の貫通孔とした。ただし、目穴H2、鼻穴H3、口穴H4は、有端線状であるものに限らず、目、鼻、口のそれぞれの外形に応じた縁を有する開口であってもよい。
【0033】
不織布積層体10は、外形穴H1に沿う外形を有するフェイスマスク部11と、外形穴H1を介してフェイスマスク部11の周辺に設けられる周辺部12とを有する。
【0034】
また、不織布積層体10は、有端線状の外形穴H1の延伸方向の端部を構成すると共に、フェイスマスク部11と周辺部12とを部分的に接続する接続部13を有する。
【0035】
なお、不織布積層体10は、フェイスマスクユニット100の外装を構成する第1の保持体21の内側に配置されるため、第1の保持体21側からフェイスマスクユニット100を見た様子を示す
図3においては現れていない。
図3においては、フェイスマスク部11、周辺部12、接続部13の平面視における位置を符号及び引き出し線により示すこととする。第2の保持体22についても同様とする。なお、後述するが、フェイスマスク部11、フェイスマスク部211、及びフェイスマスク部221は、互いに平面形状が同じであって、重ねて設けられている。周辺部12、周辺部212、及び周辺部222も、互いに平面形状が同じであって、重ねて設けられている。接続部13、接続部213、及び接続部223も、互いに平面形状が同じであって、重ねて設けられている。
【0036】
第1の保持体21は、外形穴H1に沿う外形を有するフェイスマスク部211と、外形穴H1を介してフェイスマスク部211の周辺に設けられる周辺部212とを有する。また、第1の保持体21は、フェイスマスク部211と周辺部212とを部分的に接続する接続部213を有する。
【0037】
第2の保持体22は、外形穴H1に沿う外形を有するフェイスマスク部221と、外形穴H1を介してフェイスマスク部221の周辺に設けられる周辺部222とを有する。また、第2の保持体22は、フェイスマスク部221と周辺部222とを部分的に接続する接続部223を有する。
【0038】
図3等においては、外形穴H1は、3箇所に設けられる接続部13、213、223により、それぞれ延伸方向に端部を有する4つの領域に区画されている例を示す。ただし、接続部13、213、223の数や配置は一例であって、これに限られるものではない。
【0039】
第1の保持体21、不織布積層体10、及び第2の保持体22は、例えば、ステープラにより互いに綴じられているとよい。この場合、ステープラは、周辺部12、212、222に設けられているとよい。それにより、フェイスマスクとして提供されるフェイスマスク部11がステープラによって損傷してしまうことが抑制される。または、第1の保持体21、不織布積層体10、及び第2の保持体22は、周辺部12、212、222に塗布された接着剤等により、不織布積層体10に対して接着固定されていてもよい。
【0040】
[フェイスマスクユニット100の使用方法]
フェイスマスクユニット100のうち不織布積層体10に含まれる不織布のうちフェイスマスク部11がユーザによって使用されるフェイスマスクとなる。
【0041】
まず、ユーザは、フェイスマスクユニット100の接続部13、213、223を切断する。当該切断において、道具等は特に不要であるとよい。すなわち、接続部13、213、223は、素手で千切れる程度の太さ、強度であるとよい。接続部13、213、223を切断することにより、フェイスマスク部11、211、221と、周辺部12、212、222とが分離される。すなわち、フェイスマスクユニット100からフェイスマスク部11、211、221が取り出される。なお、この際、フェイスマスク部11、211、221のうち、接続部13、213、223が切断された箇所においては、
図4に示すように、欠片や窪み等である切断残部Rが形成されていてもよい。
【0042】
さらに、ユーザは、取り出されたフェイスマスク部11、211、221のうち、外装を構成するフェイスマスク部211を取り外すとよい。
【0043】
これにより、フェイスマスク部221上に、複数の不織布が積層されて成るフェイスマスク部11が載置された状態となる。ユーザは、複数の不織布のうち、最上層にある1枚のフェイスマスク部11を取り出すとよい。そして、取り出した1枚のフェイスマスク部11に液体化粧料等を染み込ませ、当該フェイスマスク部11を湿潤状態にて自身の顔面に密着させるとよい。
【0044】
なお、周辺部12、212、222は、上記のようにフェイスマスク部11、211、212が取り出された後、廃棄されるとよい。また、フェイスマスク部211も、上記のように取り外された後、廃棄されるとよい。フェイスマスクユニット100の製造者及び販売者において、周辺部12、212、222等の廃棄物を廃棄する必要がないため、廃棄処理の工程を削減することができ、フェイスマスクユニット100の管理が容易となる。
【0045】
ただし、これに限らず、周辺部12、212、222は、取り外された後、元の位置に戻されて、フェイスマスク部11を保管する際の収容枠として使用されてもよい。周辺部12、212、222を収容枠として使用することにより、保管の際にフェイスマスク部11の縁が折れ曲がる等、形状が変形することを抑制することができる。また、フェイスマスク部211は、取り外された後、元の位置に戻されて、不織布積層体10の表面を粉塵から保護する保護層として用いられてもよい。
【0046】
なお、第1の実施形態においては、不織布積層体10が、2枚の保持体に挟まれている例について示したが、これに限られず、不織布積層体10の表面10f又は裏面10bの一方のみに保持体が設けられていてもよい。
【0047】
また、
図1等に示した穴Hの形状は一例であり、これに限られるものではない。フェイスマスクを顔面に密着した状態において、少なくともユーザが呼吸可能となるように穴Hが形成されているとよい。例えば、目穴H2が形成されていなくてもよい。
【0048】
また、
図1等に示すように、外形穴H1から内側に延びるスリットSが形成されているとよい。これにより、フェイスマスクをユーザの顔面に装着した際に、フェイスマスクに浮き上がりが生じることが抑制され、ユーザの顔面に対するフェイスマスクの密着性を向上することができる。なお、スリットSの数、長さ、配置等は任意である。
【0049】
また、図示の例においては、穴Hの形状を左右対称としたが、これに限られるものではない。すなわち、ユーザの顔面の外形に応じて、左右非対称の穴Hが形成されていてもよい。
【0050】
また、第1の実施形態においては、平面形状が矩形の第1の保持体21及び第2の保持体22を示したが、これに限られるものではない。周辺部212、222の少なくとも一辺が直線状であるとよい。それにより、直線状の辺を床面に向けて置くことにより、フェイスマスクユニット100を、姿勢を安定させた状態で保管することが可能となる。
【0051】
以上説明した第1の実施形態においては、不織布積層体10が第1の保持体21及び第2の保持体22により保持される構成であるため、フェイスマスクの形状が維持される。そのため、ユーザ、製造者、及び販売者等は、保管場所や保管方法に気を配ることなく、フェイスマスクの形状を維持することができる。その結果、保管中にフェイスマスクが折れ曲がったり、破れたりすることが抑制される。
【0052】
[フェイスマスクユニット100の製造方法]
まず、少なくとも2枚以上の不織布が積層される不織布積層体10を用意する。そして、不織布積層体10の表面10fに第1の保持体21を載置し、裏面10bに第2の保持体22を載置する。すなわち、不織布積層体10を、第1の保持体21と第2の保持体22により挟持する。その状態で、第1の保持体21及び第2の保持体22を不織布積層体10に固定させる。具体的には、フェイスマスクユニット100の縁近傍をステープラ等を用いて固定するとよい。
【0053】
次に、穴Hを形成する。穴Hは、例えば、レーザ加工機(レーザカッター)から照射されるレーザ光により形成されるとよい。ただし、それに限られず、超音波加工機(超音波カッター)やカッターナイフ、はさみ等を用いて形成されてもよい。
【0054】
また、穴Hは、例えば、ユーザの顔面の画像情報に基づいて形成されるとよい。それにより、ユーザ個々の顔面の大きさや各パーツの位置に応じた、フェイスマスクを提供することが可能となる。
【0055】
ただし、これに限られず、例えば、ユーザの顔面の大きさ等の実寸をメジャー等で測り、その測定結果に応じて、穴Hを形成してもよい。さらには、ユーザの顔面の大きさ等を計測することなく、例えば、ユーザが成人男性であれば、サイズ「大」の外形穴H1を形成し、成人女性であれば、サイズ「小」の外形穴H1を形成する等、予め決められたパターンに基づくものであってもよい。
【0056】
また、第1の実施形態においては、穴Hが、第1の保持体21、不織布積層体10、及び第2の保持体22を貫通して形成される例について説明したが、これに限られない。例えば、穴Hは第1の保持体21及び不織布積層体10を貫通して形成されており、第2の保持体22に形成されていなくてもよい。この場合、ユーザは、接続部13及び接続部213を切断することにより、フェイスマスク部11、211を取り出すことができる。なお、第1の保持体21及び不織布積層体10を貫通しており、第2の保持体22を貫通しない穴Hの形成は、レーザ加工機から出射されるレーザ光の出力を調整することにより行うとよい。
【0057】
第1の実施形態においては、不織布積層体10を、不織布よりも剛性の高い第1の保持体21及び第2の保持体22に固定し、第1の保持体21及び第2の保持体22とまとめて加工している。そのため、加工の際に形状が変形しにくく、不織布積層体10のみを加工する場合と比較して、加工が容易である。
【0058】
[その他]
フェイスマスクユニット100は、店舗内や道中に配置される自動販売機で購入可能であってもよい。この場合、ユーザによる自動販売機のボタン等を操作に基づいて、自動販売機内に収容されるフェイスマスクユニット100が自動販売機の取り出し口に送られるとよい。フェイスマスクユニット100においては、不織布積層体10が第1の保持体21と第2の保持体22によって保持されているため、不織布積層体10がその形状を維持した状態で、自動販売機の取り出し口に送られることとなる。また、ユーザは、自動販売機の取り出し口からフェイスマスクユニット100を取り出し、不織布積層体10の形状を維持した状態で、持ち運ぶことができる。
【0059】
また、例えば、自動販売機には、ユーザの顔面を撮像するカメラ等の撮像装置、及び、レーザ加工機等が備えられていてもよい。そして、撮像装置により撮像されたユーザの顔面の画像データに基づいて、レーザ加工装置から照射されるレーザ光により穴Hが形成されるとよい。これにより、ユーザは、煩雑な測定工程を受けることなく、自己の顔面に応じたフェイスマスク部11を備えるフェイスマスクユニット100を入手することが可能となる。
【0060】
[第1の実施形態の変形例]
次に、
図5及び
図6を参照して、第1の実施形態の変形例について説明する。
図5は、第1の実施形態の変形例に係るフェイスマスクユニットを示す平面図である。
図6は、
図5のVI−VI切断線における切断端面を示す端面図である。なお、上記第1の実施形態で示した構成と同様の構成については同じ符号を用いて、その説明は省略する。
【0061】
上記第1の実施形態においては、2枚の保持体で不織布積層体10を保持する例について示したが、本変形例においては、1枚の保持体21で不織布積層体10を保持すると共に、フェイスマスクユニット200を折り畳んだ例について説明する。
【0062】
第1の実施形態の変形例に係るフェイスマスクユニット200は、少なくとも2枚以上の不織布が積層される不織布積層体10と、不織布積層体10の表面10fに固定されると共に不織布積層体10を保持する保持体21と、を有する。
【0063】
フェイスマスクユニット200は、
図6に示すように、不織布積層体10の裏面10bの一部と他部とが重なるように、折り畳まれている。そして、不織布積層体10と保持体21は、折り畳まれた状態を維持するように、周辺部12、212に設けられるステープラ又は接着剤等により固定されている。
【0064】
ここで、ユーザの顔面の右半分に対応する部位を右部、左半分に対応する部位を左部と呼ぶこととする。
図5においては、フェイスマスクユニット200の右部を示している。
【0065】
また、フェイスマスクユニット200には、穴Hが形成されている。具体的には、ユーザの顔面の外形の右部に応じた有端線状の外形穴H1と、ユーザの右目の形状に応じた1つの有端線状の目穴H2と、ユーザの鼻の外形の右部に応じた有端線状の鼻穴H3と、ユーザの口の外形の右部に応じた口穴H4とが形成されている。
【0066】
穴Hは、
図6に示すように、保持体21及び不織布積層体10を貫通するように形成されている。すなわち、穴Hは、フェイスマスクユニット200の右部において、保持体21の表面21fから裏面21bに貫通すると共に、不織布積層体10の表面10fから裏面10bに貫通している。さらに、穴Hは、フェイスマスクユニット200の左部において、不織布積層体10の裏面10bから表面10fに貫通すると共に、保持体21の裏面21bから表面21fに貫通している。すなわち、穴Hは左右対称の形状であり、不織布積層体10及び保持体21は、左右対称の穴Hのうち左部と右部とが平面視において重なるように、折り畳まれている。
【0067】
第1の実施形態の変形例においては、
図1〜
図4で示した構成と比較して、フェイスマスクユニット200の平面積が小さいため、持ち運びや保管がより容易となる。また、保持体が1枚であるため、材料コストや、重量を低減することができる。また、ユーザの顔面の半分に対応する穴Hを形成することにより、顔面全体の形状に対応するフェイスマスク部11を取り出すことが可能であるため、穴Hの形成工程を簡略化することができる。
【0068】
[第2の実施形態]
次に、
図7、
図8を参照して、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態に係るフェイスマスクユニットを示す平面図である。
図8は、第2の実施形態のフェイスマスを示す平面図である。なお、第1の実施形態で説明した構成と同様の構成については同じ符号を用いて、その説明は省略する。
【0069】
第2の実施形態に係るフェイスマスクユニット300は、感染予防や花粉症対策等のために用いられるフェイスマスク50(
図8参照)を提供するためのものである。
【0070】
フェイスマスクユニット300は、少なくとも2枚以上の不織布が積層される不織布積層体10と、第1の保持体41と、第2の保持体(不図示)と、を有する。また、フェイスマスクユニット300には、ユーザの顔面の外形に応じた穴Hが形成されている。
【0071】
なお、フェイスマスクユニット300の積層構造は、第1の実施形態で示したフェイスマスクユニット100と同様であるため、端面図及びその説明の詳細については省略する。
【0072】
穴Hは、有端線状の外形穴H5と、開口H6とを含む。外形穴H5は、ユーザの顔の幅(又は左耳と右耳との間の長さ)に応じて形成されるとよい。
【0073】
フェイスマスクユニット300は、外形穴H5に沿う外形を有するフェイスマスク部と、外形穴H5を介してフェイスマスク部の周辺に設けられる周辺部と、フェイスマスク部と周辺部とを部分的に接続する接続部とを有する。
図7においては、第1の保持体41のフェイスマスク部411、周辺部412、及び接続部413を示すが、不織布積層体10及び第2の保持体もそれらと同形状の部位を有している。
【0074】
図8に示すように、第2の実施形態に係るフェイスマスクユニット300により提供されるフェイスマスク50は、ユーザの鼻及び口を覆う覆い部51と、覆い部51から左右方向にそれぞれ延びると共にユーザの耳に掛けられる環状の耳紐部52と、を有する。耳紐部52は、外形穴H5と開口H6の大きさに基づいた幅を有する部位である。
【0075】
[第2の実施形態の変形例]
第2の実施形態において提供されるマスクの形状は、
図7、
図8に示すものに限られない。例えば、
図9や
図10に示す形状であってもよい。
【0076】
図9は、第2の実施形態の第1変形例に係るフェイスマスクユニットにより提供されるフェイスマスク60を示している。フェイスマスク60は、ユーザの鼻及び口を覆う覆い部61と、覆い部61から左右方向にそれぞれ延びると共にユーザの耳に掛けられる環状の耳紐部62と、を有する。
【0077】
図10は、第2の実施形態の第2変形例に係るフェイスマスクユニットにより提供されるフェイスマスク70を示している。フェイスマスク70は、ユーザの鼻及び口を覆う覆い部71と、覆い部71から左右方向にそれぞれ延びると共にユーザの耳に掛けられる環状の耳紐部72と、を有する。
形状を維持しつつ保管可能なフェイスマスクユニット、その製造方法を提供する。フェイスマスクユニット(100)は、少なくとも2枚以上の不織布が積層される不織布積層体(10)と、不織布積層体(10)の表面(10f)に固定されると共に、不織布積層体(10)を保持する平面状の第1の保持体(21)と、を有し、不織布積層体(10)及び第1の保持体(21)には、不織布積層体(10)の裏面(10b)から第1の保持体(21)の表面側に貫通する、ユーザの顔面の外形の少なくとも一部に応じた有端線状の穴(H1)が形成されている。