(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、前記複数の掃除可能領域のうち、前記人存在掃除対象領域から最も離れた位置にある前記掃除可能領域を前記自走型掃除機に掃除させるための前記掃除指示情報を出力する、
請求項2記載の制御方法。
前記複数の掃除対象領域のうちの複数の人が少なくとも通路として利用する共用掃除対象領域と、前記共用掃除対象領域に関連する、前記共用掃除対象領域以外の掃除対象領域とを予め対応付けた関連領域情報に基づいて、決定した前記掃除可能領域が前記共用掃除対象領域であるか否かを判断し、
決定した前記掃除可能領域が前記共用掃除対象領域であると判断した場合、前記関連領域情報に基づき、前記共用掃除対象領域に対応付けられている掃除対象領域を関連掃除対象領域として特定し、
特定した前記関連掃除対象領域に前記人が存在するか否かを判断し、
特定した前記関連掃除対象領域に前記人が存在しないと判断した場合、前記共用掃除対象領域を前記掃除可能領域として決定する、
請求項1記載の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
上記のように、従来技術では、清掃領域内に人が存在するか否かが判定され、清掃領域内に人が存在しない場合にのみ自動清掃が行われることが開示されているが、複数の清掃領域のそれぞれにおいて人が存在するか否かを判定し、その判定結果及び複数の清掃領域間の関係性に基づいて、自走式掃除機を移動させる方法については開示も示唆もされていない。
【0011】
例えば、24時間営業している複数のテーブル席が配置されたレストランにおいて、各テーブル席の周囲を掃除領域として設定して、複数の掃除領域を自走型掃除機に掃除させる場合を考える。24時間営業しているレストランでは、営業中に掃除することになるため、店内に客が少なく、かつ、客の来店が少ない時間帯に自走型掃除機に掃除させる必要がある。店内に客が少なく、かつ、客の来店が少ない時間帯に掃除させるとはいえ、店内に客が存在する場合に、従来技術を用いて自走型掃除機に掃除させると、テーブル席毎に人が存在するか否かを判定し、人が存在しないと判定したテーブル席の周囲のみを自走型掃除機に掃除させることになる。
【0012】
しかしながら、レストランにおいて、従来技術を用いて自走型掃除機に掃除させる場合、食事中の客を不快にさせてしまう可能性がある。例えば、客が食事をしているテーブル席の隣のテーブル席に客がいないと判定された場合に、自走型掃除機が、客が食事をしているテーブル席の隣のテーブル席の床面の掃除を開始すると、周辺に埃が舞い、場合によっては、客が食事をしているテーブル席にまで埃が飛散してしまう可能性があり、客に不快感を与えるおそれがある。
【0013】
また、自走型掃除機が、客が食事をしているテーブル席の隣のテーブル席の床面の掃除を開始すると、掃除に伴う騒音が発生してしまい、客は騒音を近くで聞きながら食事することになってしまう。
【0014】
そのため、従来技術のように、単に、人が清掃領域に存在するか否かを判定して、その判定結果に基づき、自走型掃除機による掃除を開始する方法は、状況によっては、不都合が生じてしまう可能性があった。
【0015】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御方法は、自走型掃除機を制御する制御装置における制御方法であって、所定の空間内において人が存在する位置を推定し、前記所定の空間内を前記自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定した前記人が存在する位置の掃除対象領域を人存在掃除対象領域として特定し、前記人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域を周辺掃除対象領域として特定し、前記複数の掃除対象領域のうち、前記人存在掃除対象領域及び前記周辺掃除対象領域以外の前記掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。
【0016】
この構成によれば、所定の空間内において人が存在する位置が推定される。所定の空間内を自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定した人が存在する位置の掃除対象領域が人存在掃除対象領域として特定され、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域が周辺掃除対象領域として特定される。複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域が掃除可能領域として決定される。
【0017】
したがって、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域が掃除可能領域として決定されるので、周囲の人に不快感を与えることなく、自走型掃除機に複数の掃除対象領域を掃除させることができる。
【0018】
また、上記の制御方法において、決定した前記掃除可能領域を前記自走型掃除機に掃除させるための掃除指示情報を出力してもよい。
【0019】
この構成によれば、決定した掃除可能領域を自走型掃除機に掃除させるための掃除指示情報が出力されるので、自走型掃除機に掃除可能領域を掃除させることができる。
【0020】
また、上記の制御方法において、前記複数の掃除対象領域のそれぞれと、前記周辺掃除対象領域とを予め対応付けた周辺領域情報に基づき、特定された前記人存在掃除対象領域の前記周辺掃除対象領域を特定してもよい。
【0021】
この構成によれば、複数の掃除対象領域のそれぞれと、周辺掃除対象領域とを予め対応付けた周辺領域情報に基づき、特定された人存在掃除対象領域の周辺掃除対象領域が特定される。
【0022】
したがって、数の掃除対象領域のそれぞれと、周辺掃除対象領域とを予め対応付けた周辺領域情報を用いて、特定された人存在掃除対象領域の周辺掃除対象領域を容易に特定することができる。
【0023】
また、上記の制御方法において、前記人が存在すると推定される位置から所定範囲以内に位置する前記掃除対象領域を前記周辺掃除対象領域として特定してもよい。
【0024】
この構成によれば、人が存在すると推定される位置から所定範囲以内に位置する掃除対象領域が周辺掃除対象領域として特定されるので、人が存在する位置から所定範囲以上離れた掃除対象領域を掃除させることができる。
【0025】
また、上記の制御方法において、前記周辺掃除対象領域は、前記人存在対象領域に隣接し、少なくとも一辺又は一点を前記人存在対象領域と共有してもよい。
【0026】
この構成によれば、人存在対象領域に隣接する周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域を掃除可能領域として決定することができる。
【0027】
また、上記の制御方法において、前記掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、前記複数の掃除可能領域のうち、前記人存在掃除対象領域から最も離れた位置にある前記掃除可能領域を前記自走型掃除機に掃除させるための前記掃除指示情報を出力してもよい。
【0028】
この構成によれば、掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、複数の掃除可能領域のうち、人存在掃除対象領域から最も離れた位置にある掃除可能領域を自走型掃除機に掃除させるための掃除指示情報が出力される。
【0029】
したがって、人が存在する位置から最も離れた位置にある掃除可能領域が自走型掃除機によって掃除されるので、人が存在する人存在掃除対象領域に対して、掃除に伴う埃の飛散の影響を最も少なくすることができる。
【0030】
また、上記の制御方法において、前記自走型掃除機の現在の位置を示す位置情報を取得し、前記掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、前記複数の掃除可能領域のうち、前記自走型掃除機の現在の位置に最も近い前記掃除可能領域を前記自走型掃除機に掃除させるための前記掃除指示情報を出力してもよい。
【0031】
この構成によれば、自走型掃除機の現在の位置を示す位置情報が取得される。掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、複数の掃除可能領域のうち、自走型掃除機の現在の位置に最も近い掃除可能領域を自走型掃除機に掃除させるための掃除指示情報が出力される。
【0032】
したがって、自走型掃除機の現在の位置から掃除可能領域までの移動時間を短縮することができる。
【0033】
また、上記の制御方法において、前記複数の掃除対象領域のそれぞれに対する前記自走型掃除機の掃除履歴を管理し、前記掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、前記複数の掃除可能領域のうち、前記掃除履歴に含まれる前回の掃除終了時刻からの経過時間が最も長い前記掃除可能領域を前記自走型掃除機に掃除させるための前記掃除指示情報を出力してもよい。
【0034】
この構成によれば、複数の掃除対象領域のそれぞれに対する自走型掃除機の掃除履歴が管理される。掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、複数の掃除可能領域のうち、掃除履歴に含まれる前回の掃除終了時刻からの経過時間が最も長い掃除可能領域を自走型掃除機に掃除させるための掃除指示情報が出力される。
【0035】
したがって、自走型掃除機に対し、前回の掃除終了時刻からの経過時間が最も長い掃除可能領域を掃除させるので、最も埃が蓄積されていると推測される領域から優先的に掃除することができる。
【0036】
また、上記の制御方法において、前記複数の掃除対象領域のそれぞれに対する前記自走型掃除機の掃除履歴を管理し、前記自走型掃除機による前記掃除可能領域の掃除が完了した場合、前記人が存在する位置を再度推定し、前記複数の掃除対象領域のそれぞれについて、再度推定した前記人が存在する掃除対象領域を前記人存在掃除対象領域として再度特定し、前記人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域を前記周辺掃除対象領域として再度特定し、前記複数の掃除対象領域のうち、前記人存在掃除対象領域及び前記周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域であり、かつ掃除が完了していない前記掃除対象領域を掃除可能領域として決定してもよい。
【0037】
この構成によれば、複数の掃除対象領域のそれぞれに対する自走型掃除機の掃除履歴が管理される。自走型掃除機による掃除可能領域の掃除が完了した場合、人が存在する位置が再度推定される。複数の掃除対象領域のそれぞれについて、再度推定した人が存在する掃除対象領域が人存在掃除対象領域として再度特定され、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域が周辺掃除対象領域として再度特定される。複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域であり、かつ掃除が完了していない掃除対象領域が掃除可能領域として決定される。
【0038】
したがって、自走型掃除機による掃除可能領域の掃除が完了した後、即座に、次の掃除可能領域を決定し、自走型掃除機に掃除させるので、自走型掃除機を初期位置に帰還させることなく、連続して掃除可能領域を自走型掃除機に掃除させることができ、より効率よく掃除可能領域を自走型掃除機に掃除させることができる。
【0039】
また、上記の制御方法において、予め指定された前記自走型掃除機が掃除する時間帯を示す掃除時間帯情報を管理し、現在時刻が前記掃除時間帯情報で示される前記時間帯内である場合に、前記掃除指示情報を出力してもよい。
【0040】
この構成によれば、予め指定された自走型掃除機が掃除する時間帯を示す掃除時間帯情報が管理される。現在時刻が掃除時間帯情報で示される時間帯内である場合に、掃除指示情報が出力される。
【0041】
したがって、人が多く存在する時間帯ではなく、人が少ない時間帯に自走型掃除機を稼動させることができ、より多くの掃除対象領域を掃除することができる。
【0042】
また、上記の制御方法において、前記掃除時間帯情報に示される前記時間帯内に掃除が完了しなかった前記掃除可能領域を未完了掃除対象領域として取得し、前記複数の掃除対象領域のうち、前記人存在掃除対象領域及び前記周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域であり、かつ前記未完了掃除対象領域に対応する前記掃除対象領域を掃除可能領域として決定してもよい。
【0043】
この構成によれば、掃除時間帯情報に示される時間帯内に掃除が完了しなかった掃除可能領域が未完了掃除対象領域として取得される。複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域であり、かつ未完了掃除対象領域に対応する掃除対象領域が掃除可能領域として決定される。
【0044】
したがって、掃除している途中で掃除可能な時間帯が経過し、掃除が完了しなかった掃除可能領域に対して、次回掃除する際に優先的に掃除させることができる。
【0045】
また、上記の制御方法において、前記周辺領域情報は、それぞれ異なる複数の周辺領域情報を含み、所定の条件に基づき、前記複数の周辺領域情報のうちの1つの周辺領域情報を決定し、決定された前記1つの周辺領域情報に基づき、特定された前記人存在掃除対象領域の周辺掃除対象領域を特定してもよい。
【0046】
この構成によれば、周辺領域情報は、それぞれ異なる複数の周辺領域情報を含む。所定の条件に基づき、複数の周辺領域情報のうちの1つの周辺領域情報が決定され、決定された1つの周辺領域情報に基づき、特定された人存在掃除対象領域の周辺掃除対象領域が特定される。
【0047】
したがって、所定の条件に応じて、用いる周辺領域情報を変化させることで、周辺掃除対象領域として特定する掃除対象領域の範囲を変化させることができるとともに、掃除可能領域の範囲を変化させることができる。
【0048】
また、上記の制御方法において、前記複数の掃除対象領域のうちの複数の人が少なくとも通路として利用する共用掃除対象領域と、前記共用掃除対象領域に関連する、前記共用掃除対象領域以外の掃除対象領域とを予め対応付けた関連領域情報に基づいて、決定した前記掃除可能領域が前記共用掃除対象領域であるか否かを判断し、決定した前記掃除可能領域が前記共用掃除対象領域であると判断した場合、前記関連領域情報に基づき、前記共用掃除対象領域に対応付けられている掃除対象領域を関連掃除対象領域として特定し、特定した前記関連掃除対象領域に前記人が存在するか否かを判断し、特定した前記関連掃除対象領域に前記人が存在しないと判断した場合、前記共用掃除対象領域を前記掃除可能領域として決定してもよい。
【0049】
この構成によれば、複数の掃除対象領域のうちの複数の人が少なくとも通路として利用する共用掃除対象領域と、共用掃除対象領域に関連する、共用掃除対象領域以外の掃除対象領域とを予め対応付けた関連領域情報に基づいて、決定した掃除可能領域が共用掃除対象領域であるか否かが判断される。決定した掃除可能領域が共用掃除対象領域であると判断された場合、関連領域情報に基づき、共用掃除対象領域に対応付けられている掃除対象領域が関連掃除対象領域として特定される。特定された関連掃除対象領域に人が存在するか否かが判断される。特定された関連掃除対象領域に人が存在しないと判断された場合、共用掃除対象領域が掃除可能領域として決定される。
【0050】
したがって、複数の掃除対象領域のうちの複数の人が少なくとも通路として利用する共用掃除対象領域を、人の邪魔にならないように掃除することができる。
【0051】
本開示の他の態様に係る制御装置は、自走型掃除機を制御する制御装置であって、所定の空間内において人が存在する位置を推定する推定部と、前記所定の空間内を前記自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定された前記人が存在する位置の掃除対象領域を人存在掃除対象領域として特定し、前記人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域を周辺掃除対象領域として特定し、前記複数の掃除対象領域のうち、前記人存在掃除対象領域及び前記周辺掃除対象領域以外の前記掃除対象領域を掃除可能領域として決定する掃除可能領域決定部と、を備える。
【0052】
この構成によれば、所定の空間内において人が存在する位置が推定される。所定の空間内を前記自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定された人が存在する位置の掃除対象領域が人存在掃除対象領域として特定され、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域が周辺掃除対象領域として特定され、複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域が掃除可能領域として決定される。
【0053】
したがって、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域が掃除可能領域として決定されるので、周囲の人に不快感を与えることなく、自走型掃除機に複数の掃除対象領域を掃除させることができる。
【0054】
本開示の他の態様に係る制御プログラムは、自走型掃除機を制御するための制御プログラムであって、コンピュータを、所定の空間内において人が存在する位置を推定する推定部と、前記所定の空間内を前記自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定された前記人が存在する位置の掃除対象領域を人存在掃除対象領域として特定し、前記人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域を周辺掃除対象領域として特定し、前記複数の掃除対象領域のうち、前記人存在掃除対象領域及び前記周辺掃除対象領域以外の前記掃除対象領域を掃除可能領域として決定する掃除可能領域決定部として機能させる。
【0055】
この構成によれば、所定の空間内において人が存在する位置が推定される。所定の空間内を前記自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定された人が存在する位置の掃除対象領域が人存在掃除対象領域として特定され、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域が周辺掃除対象領域として特定され、複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域が掃除可能領域として決定される。
【0056】
したがって、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域が掃除可能領域として決定されるので、周囲の人に不快感を与えることなく、自走型掃除機に複数の掃除対象領域を掃除させることができる。
【0057】
本開示の他の態様に係る自走型掃除機は、自律して走行しながら掃除する自走型掃除機であって、所定の空間内において人が存在する位置を推定する推定部と、前記所定の空間内を前記自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定された前記人が存在する位置の掃除対象領域を人存在掃除対象領域として特定し、前記人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域を周辺掃除対象領域として特定し、前記複数の掃除対象領域のうち、前記人存在掃除対象領域及び前記周辺掃除対象領域以外の前記掃除対象領域を掃除可能領域として決定する掃除可能領域決定部と、前記掃除可能領域へ移動し、前記掃除可能領域内を掃除する掃除部と、を備える。
【0058】
この構成によれば、所定の空間内において人が存在する位置が推定される。所定の空間内を自走型掃除機が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定された人が存在する位置の掃除対象領域が人存在掃除対象領域として特定され、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域が周辺掃除対象領域として特定され、複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域が掃除可能領域として決定される。そして、掃除可能領域へ移動し、掃除可能領域内が掃除される。
【0059】
したがって、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域が掃除可能領域として決定されるので、周囲の人に不快感を与えることなく、自走型掃除機に複数の掃除対象領域を掃除させることができる。
【0060】
以下本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0061】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、飲食店内に複数の掃除対象領域がある状況において、客が存在する掃除対象領域とその掃除対象領域の周辺の掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定し、決定した掃除可能領域に自走型掃除機を移動させて掃除させる方法について説明する。
【0062】
図1は、本実施の形態1における掃除システムの全体像を概念的に示す図である。
【0063】
図1に示す掃除システムは、飲食店10の内部にあるPOS(Point of Sales)レジスター3と、店員51が携帯するハンディターミナル4と、自走型掃除機2と、飲食店10の外部にある管理装置1とを備える。
【0064】
飲食店10には、複数のテーブル席61〜65が配置されており、ハンディターミナル4を携帯した店員51と、テーブル席61につく客52,53とがいる。自走型掃除機2は、客が存在するテーブル席61及びテーブル席61の周辺のテーブル席62,64,65以外にあるテーブル席63の床面を掃除している。本実施の形態1では、予め掃除対象領域が、テーブル席毎に対応付けて設定されている。すなわち、飲食店10の2次元空間内を自走型掃除機2が個別に掃除する領域として分割した複数の掃除対象領域のそれぞれは、複数のテーブル席毎に形成される。
【0065】
管理装置1は、例えば、サーバであり、店舗内、又は、店舗外に設置される。管理装置1は、POSレジスター3から送信される会計情報を受信するとともに、ハンディターミナル4から送信される注文情報を受信し、受信した会計情報及び注文情報を記憶部に記憶する。管理装置1は、自走型掃除機2に掃除を開始させる際、まず、POSレジスター3から受信した会計情報、及び、ハンディターミナル4から受信した注文情報に基づき、どのテーブル席(掃除対象領域)に客が存在するのかを判断する。
【0066】
そして、管理装置1は、予め記憶された複数の掃除対象領域のそれぞれと、各掃除対象領域の周辺の掃除対象領域である周辺掃除対象領域とを対応付けた周辺領域情報に基づき、客が存在するテーブル席に対応する人存在掃除対象領域と、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域である周辺掃除対象領域とを特定する。
【0067】
そして、管理装置1は、複数の掃除対象領域のうち、客が存在するテーブル席に対応する人存在掃除対象領域、及び客が存在するテーブル席の周辺のテーブル席に対応する周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。管理装置1は、自走型掃除機2に対して、決定した掃除可能領域を掃除させるための掃除指示情報を出力する。
【0068】
自走型掃除機2は、管理装置1から受信した掃除指示情報に基づき、掃除指示情報で指定される掃除可能領域まで移動し、掃除可能領域を掃除する。
【0069】
POSレジスター3は、飲食代などの会計処理において、店員51により入力される金銭登録結果などの会計情報を、例えば、不図示のLAN(Local Area Network)を介して管理装置1に転送する。会計情報は、例えば、店員51により入力された売上金額、支払をする顧客のテーブル席を識別するためのテーブル識別情報、注文情報を識別するための注文識別情報、顧客の人数、及び会計処理した時刻等の情報を含む。
【0070】
ハンディターミナル4は、店員51によって入力された注文情報を、例えば、不図示のLANを介してPOSレジスター3及び管理装置1に転送する。注文情報は、例えば、店員51により入力された顧客からの注文内容、注文を受けたテーブル席を識別するためのテーブル識別情報、注文情報を識別するための注文識別情報、顧客の人数、及び注文が入力された時刻等の情報を含む。
【0071】
なお、本実施の形態1では、ハンディターミナル4が注文情報を管理装置1に送信しているが、本開示は特にこれに限定されず、POSレジスター3が、ハンディターミナル4から受信した注文情報を管理装置1に送信してもよい。
【0072】
以下に、管理装置1及び自走型掃除機2の構成について、詳細に説明する。
【0073】
図2は、本実施の形態1における管理装置1の構成を示すブロック図である。管理装置1は、通信部11、制御部12及び記憶部13を備える。
【0074】
通信部11は、POSレジスター3から会計情報を受信したり、ハンディターミナル4から注文情報を受信したり、自走型掃除機2へ掃除指示情報を送信したりする。通信部11は、例えば、LAN又はWAN(Wide Area Network)を介して、外部装置と種々の情報を送信及び受信する。
【0075】
制御部12は、例えばCPU(中央演算処理装置)であり、中央制御部121、通信制御部122、人存在判断部123、掃除可能領域決定部124及び掃除機割当部125を備える。
【0076】
中央制御部121は、記憶部13へ各種情報を格納する制御及び制御部12の各制御コンポーネント間の制御などを行う。
【0077】
通信制御部122は、POSレジスター3から会計情報を受信したり、ハンディターミナル4から注文情報を受信したり、自走型掃除機2へ掃除指示情報を送信したりするなど、通信部11を制御する。
【0078】
人存在判断部123は、所定の空間内において人が存在する位置を推定する。人存在判断部123は、複数の掃除対象領域のそれぞれに人が存在するか否かを判断する。本実施の形態1では、予め掃除対象領域をテーブル席毎に対応付けて設定しているため、人存在判断部123は、テーブル席が空席であるか否かを判断することにより、テーブル席、すなわち、掃除対象領域に人が存在するか否かを判断する。飲食店においては、客は、大半の時間をテーブル席で過ごすという特徴から、テーブル席が空席であるか否かを判断することにより、掃除対象領域に人が存在するか否かを判断することができる。
【0079】
具体的には、人存在判断部123は、ハンディターミナル4から受信された注文情報から、最新の注文情報を抽出する。そして、人存在判断部123は、抽出した注文情報に含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報が、POSレジスター3から受信された会計情報に存在するか否かを判断する。人存在判断部123は、同一の注文識別情報が会計情報に存在すると判断した場合、既に会計が済んでいるので、テーブル席が空席であると判断し、同一の注文識別情報が会計情報に存在しないと判断した場合、会計が済んでいないので、テーブル席が空席ではないと判断する。人存在判断部123は、テーブル席が空席であるか否かの判断結果に基づき、掃除対象領域に人が存在するか否かを判断する。
【0080】
掃除可能領域決定部124は、所定の空間内を自走型掃除機2が個別に掃除する領域として分割することにより得られる複数の掃除対象領域のそれぞれについて、推定された人が存在する位置の掃除対象領域を人存在掃除対象領域として特定する。また、掃除可能領域決定部124は、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域を周辺掃除対象領域として特定する。さらに、掃除可能領域決定部124は、複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。
【0081】
掃除可能領域決定部124は、まず、予め記憶された各掃除対象領域の周辺領域の情報に基づき、人存在判断部123により判断された、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象の周辺掃除対象領域とを特定する。次に、掃除可能領域決定部124は、全ての掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び人存在掃除対象領域の周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。
【0082】
掃除機割当部125は、掃除可能領域決定部124により決定された掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当てる。掃除機割当部125は、決定された掃除可能領域を自走型掃除機2に掃除させるための掃除指示情報を出力する。
【0083】
記憶部13は、例えば、半導体メモリであり、間取り情報記憶部1301、掃除対象領域記憶部1302、周辺領域情報記憶部1303、掃除履歴記憶部1304、掃除機情報記憶部1305、注文情報履歴記憶部1306、会計情報履歴記憶部1307、人存在判断プログラム記憶部1308、掃除可能領域決定プログラム記憶部1309及び掃除機割当プログラム記憶部1310を備える。
【0084】
間取り情報記憶部1301は、掃除対象となる所定の空間の全体を示すマップ情報である間取り情報を記憶する。本実施の形態1では、間取り情報は、飲食店10の間取りを示す情報である。通信制御部122は、例えば、飲食店を設計した際に作成された間取り情報を外部のサーバ等から取得して、間取り情報記憶部1301に記憶する。ここで、間取り情報の取得方法は任意の方法で構わない。例えば、マップ作成機能を有した自走型掃除機2が、飲食店内を移動しながら飲食店内のマップ情報を作成してもよく、管理装置1は、作成されたマップ情報を自走型掃除機2から取得して、間取り情報記憶部1301に記憶してもよい。
【0085】
掃除対象領域記憶部1302は、間取り情報に設定された掃除対象領域を示す情報を記憶する。掃除対象領域の設定は、例えば、間取り情報にあるテーブル席の位置又はテーブル席のサイズに基づき、自動で設定されてもよいし、飲食店のオーナー又はスタッフ等のユーザによって設定されてもよい。ユーザによって設定される場合は、例えば、ユーザが所有するパーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ又はスマートフォン(それぞれ図示しない)等のユーザ端末が、管理装置1から間取り情報を取得し、その間取り情報を基に、掃除対象領域のユーザによる入力を受け付け、受け付けた掃除対象領域に関する情報を管理装置1へ送信することにより、掃除対象領域を設定することが可能である。本実施の形態1では、掃除対象領域は、飲食店内のテーブル席毎に対応付けて予め設定されている。
【0086】
図3は、本実施の形態1において掃除対象領域記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図3では、飲食店内の間取り図に17個の掃除対象領域A1〜A17が設定されている。掃除対象領域A1〜A17は、飲食店内のテーブル席毎に設けられている。
【0087】
周辺領域情報記憶部1303は、各掃除対象領域の周辺における周辺掃除対象領域を示す周辺領域情報を記憶する。各掃除対象領域の周辺掃除対象領域を示す周辺領域情報は、所定のルールに基づき生成しもよいし、ユーザによる入力を受け付けることで生成してもよい。
図4を用いて、それぞれ異なるルールに基づき生成した周辺掃除対象領域について説明する。
【0088】
図4は、本実施の形態1において周辺領域情報記憶部に記憶される周辺領域情報の一例を示す図である。
図4に示す周辺領域情報は、掃除対象領域に隣接する掃除対象領域を周辺掃除対象領域とするルールに基づき生成されている。周辺領域情報記憶部1303は、複数の掃除対象領域のそれぞれと、周辺掃除対象領域とを予め対応付けた周辺領域情報を記憶する。
図4では、掃除対象領域毎に隣接する掃除対象領域が周辺掃除対象領域として設定されている。例えば、掃除対象領域A1には、掃除対象領域A2,A8,A9,A10が、周辺掃除対象領域として対応付けられている。掃除可能領域決定部124は、複数の掃除対象領域のそれぞれと、周辺掃除対象領域とを予め対応付けた周辺領域情報に基づき、特定された人存在掃除対象領域の周辺掃除対象領域を特定する。
【0089】
続いて、本実施の形態1の変形例において周辺掃除対象領域を特定する方法について説明する。
【0090】
図5は、本実施の形態1の変形例において周辺掃除対象領域を特定するための方法を説明するための図であり、
図6は、本実施の形態1の変形例において周辺領域情報記憶部に記憶される周辺領域情報の一例を示す図である。
図5に示す本実施の形態1の変形例では、掃除対象領域にあるテーブル席の中心点から所定の範囲内である円領域101と重複する掃除対象領域を周辺掃除対象領域としている。
【0091】
図5では、一例として、掃除対象領域A2に注目しており、掃除対象領域A2のテーブル席の中心点から所定距離離れた円領域101を示している。この例において、掃除対象領域A2には、円領域101と重複する掃除対象領域A1,A3,A7が周辺掃除対象領域として対応付けられる。
【0092】
図6に示すように、周辺領域情報記憶部1303は、複数の掃除対象領域のそれぞれと、周辺掃除対象領域とを予め対応付けた周辺領域情報を記憶する。例えば、掃除対象領域A1には、掃除対象領域A2,A9が、周辺掃除対象領域として対応付けられている。掃除可能領域決定部124は、人が存在すると推定される位置から所定範囲以内に位置する掃除対象領域を周辺掃除対象領域として特定する。
【0093】
なお、
図5では、掃除対象領域にあるテーブル席の中心を円領域101の中心点としているが、本開示は特にこれに限定されず、円領域101の中心点は、ユーザの選択に応じて、掃除対象領域内の任意の点に設定してもよい。また、掃除対象領域の中心点(重心点)を円領域101の中心点としてもよい。また、
図5では、円領域101を用いて周辺掃除対象領域を特定しているが、矩形など異なる形状の領域を用いて周辺掃除対象領域を特定してもよい。
【0094】
図4及び
図6は、所定のルールに基づき生成した周辺領域情報であるが、所定のルールに基づき生成した周辺領域情報のユーザによる修正を受け付けてもよい。この構成により、ユーザの好みに応じて、周辺領域情報を修正することができる。例えば、所定のルールに基づき、互いに周辺掃除対象領域に設定された掃除対象領域の間に、パーティションなどの仕切りが存在して周辺掃除対象領域として設定したくない場合などに、掃除対象領域をお互いに周辺掃除対象領域として設定しないように修正することができる。
【0095】
掃除履歴記憶部1304は、掃除対象領域毎の掃除履歴情報を記憶する。掃除履歴情報は、例えば、自走型掃除機2に掃除指示情報を送信した時刻、及び自走型掃除機2から送信される掃除履歴情報を含む。自走型掃除機2から送信される掃除履歴情報は、例えば、自走型掃除機2が掃除を開始した時刻、自走型掃除機2が掃除を完了した時刻、及び自走型掃除機2の掃除の進捗状況を示す情報などの情報を含む。ここで、自走型掃除機2の掃除の進捗状況を示す情報とは、例えば、指定された掃除可能領域のマップ情報に自走型掃除機2が移動した軌跡を重畳した情報である。また、自走型掃除機2が、バッテリ切れ等により掃除を中断した場合は、中断時刻などの情報も掃除履歴情報に含めてもよい。
【0096】
掃除履歴記憶部1304に記憶する掃除履歴情報は、少なくとも前回の掃除の掃除履歴情報を含む過去の掃除履歴情報も含む。これにより、過去の掃除履歴を次の掃除の際に活用することが可能となる。例えば、掃除機割当部125は、前回の掃除から最も長い時間掃除されていない掃除可能領域を優先的に掃除させることができる。
【0097】
また、掃除履歴記憶部1304は、複数の掃除対象領域のそれぞれに対する自走型掃除機2の掃除履歴を管理している。人存在判断部123は、自走型掃除機2による掃除可能領域の掃除が完了した場合、人が存在する位置を再度推定する。掃除可能領域決定部124は、複数の掃除対象領域のそれぞれについて、再度推定された人が存在する掃除対象領域を人存在掃除対象領域として再度特定するとともに、人存在掃除対象領域の周辺の掃除対象領域を周辺掃除対象領域として再度特定する。そして、掃除可能領域決定部124は、複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域であり、かつ掃除が完了していない掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。
【0098】
掃除機情報記憶部1305は、掃除機割当部125により掃除可能領域に割り当てる自走型掃除機2に関する情報を記憶する。自走型掃除機2に関する情報とは、例えば、自走型掃除機2を識別するための自走型掃除機2の識別情報、及び自走型掃除機2との通信を確立するための自走型掃除機2のアドレス情報を含む。自走型掃除機2に関する情報は、例えば、ユーザの有する管理端末等からユーザが入力することによって取得されてもよいし、自走型掃除機2に管理装置1のアドレスを設定し、自走型掃除機2が管理装置1と通信して、自走型掃除機2が自走型掃除機2に関する情報を送信することにより、取得されてもよい。
【0099】
注文情報履歴記憶部1306は、ハンディターミナル4から受信した注文情報を記憶する。ハンディターミナル4は、注文が発生するたびに、注文情報を管理装置1に送信してもよい。また、ハンディターミナル4は、ハンディターミナル4の記憶部に注文情報を一時的に記憶しておき、管理装置1によってハンディターミナル4に問合せが行われたときに、記憶している注文情報を管理装置1に送信してもよい。また、ハンディターミナル4は、POSレジスター3に注文情報を送信してもよい。この場合、POSレジスター3は、受信した注文情報を一時的に記憶しておき、管理装置1によってPOSレジスター3に問合せが行われたときに、記憶している注文情報を管理装置1に送信してもよい。
【0100】
会計情報履歴記憶部1307は、POSレジスター3から受信した会計情報を記憶する。通信制御部122は、POSレジスター3から会計情報を受信し、会計情報履歴記憶部1307に記憶する。
【0101】
人存在判断プログラム記憶部1308は、掃除対象領域に人が存在するか否かを判断するための人存在判断プログラムを記憶する。人存在判断プログラムは、人存在判断部123により実行される。
【0102】
掃除可能領域決定プログラム記憶部1309は、予め記憶された周辺領域情報に基づき、人存在判断部123により判断された人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを特定し、特定した人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外を掃除可能領域として決定するための掃除可能領域決定プログラムを記憶する。掃除可能領域決定プログラムは、掃除可能領域決定部124により実行される。
【0103】
掃除機割当プログラム記憶部1310は、掃除可能領域決定部124により決定された掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当てるための掃除機割当プログラムを記憶する。掃除機割当プログラムは、掃除機割当部125により実行される。
【0104】
図7は、本実施の形態1における自走型掃除機を上部から見た外観透視図である。
図8は、本実施の形態1における自走型掃除機の機能構成を示すブロック図である。
【0105】
自走型掃除機2は、センサー部21、ごみ吸込み部22、ごみ蓄積部23、駆動部24、通信部25、制御部26、記憶部27及び電力供給部28を備える。
【0106】
センサー部21は、自走型掃除機2の周辺の状況又は自走型掃除機2の状態をセンシングするためのセンサーである。センサー部21は、例えば、赤外線又は超音波を発信するとともに、障害物により反射した赤外線又は超音波を計測することにより、障害物までの距離を測定することで障害物を検知する障害物センサー、障害物センサーで障害物を判断できなかった場合に、物体に接触することで障害物を検知する接触センサー、自走型掃除機2の本体の角度を計測するジャイロセンサー、及び自走型掃除機2が走行した距離を計測する走行センサーなどを含む。
図7では、センサー部21は、センサーの1つである接触センサー21aと障害物センサー21b〜21eを搭載している例を示している。
【0107】
ごみ吸込み部22は、例えば、モータ、ファン、フィルタ及び排気口により構成される(いずれも図示していない)。モータがファンを回転させることにより、ごみが空気と一緒に吸込まれ、ファイルタにより空気のみが通過し、通過した空気のみが排気口から排出される。
【0108】
ごみ蓄積部23は、ごみ吸込み部22により吸込まれたごみを蓄積する。
【0109】
駆動部24は、自走型掃除機2を移動させる。駆動部24は、例えば、モータ及び車輪(いずれも図示していない)により構成され、モータの回転を制御して車輪を回転させることで自走型掃除機2を移動させる。
【0110】
通信部25は、LAN又はWANを介して、管理装置1などの外部装置と情報を送信及び受信する。例えば、通信部25は、管理装置1から、掃除可能領域の掃除を指示する掃除指示情報を受信したり、掃除履歴情報を管理装置1に送信したりする。
【0111】
制御部26は、例えばCPUであり、自走型掃除機2の動作を制御する。制御部26は、中央制御部261、移動制御部262及び通信制御部263を備える。
【0112】
記憶部27は、例えば半導体メモリであり、掃除機情報記憶部271、掃除基本プログラム記憶部272、管理装置情報記憶部273、掃除対象領域記憶部274、掃除可能領域割当情報記憶部275及び掃除履歴記憶部276を含む。
【0113】
中央制御部261は、自走型掃除機2の各構成要素を制御する。通信制御部263は、通信部25を制御し、通信部25を介して種々の情報を送信したり受信したりする。
【0114】
掃除機情報記憶部271は、自走型掃除機2に関連する情報を記憶する。自走型掃除機2に関連する情報は、例えば、自走型掃除機2を識別するための識別情報又は自走型掃除機2の通信アドレス情報を含む。
【0115】
掃除基本プログラム記憶部272は、所定の動きパターンに基づき、自走型掃除機2を移動させるための掃除基本プログラムを記憶する。この掃除基本プログラムは、製造時に予め記憶される。管理装置1に指定された掃除可能領域を掃除する際、移動制御部262は、掃除基本プログラム記憶部272に記憶された掃除基本プログラムに基づき、所定の動きパターンのいずれかを選択し、選択した動きパターンに基づき、駆動部24を制御して、自走型掃除機2を移動させて掃除を行う。動きパターンには、例えば、壁などの障害物に沿って走行する壁伝い走行、ジグザグに走行するジグザグ走行、ランダムに走行するランダム走行、及び、らせんを描きながら走行するらせん走行などがある。移動制御部262は、自走型掃除機2の周辺状況又は自走型掃除機2の状態に応じて、動きパターンを変更しながら移動し、掃除を行う。自走型掃除機2は、自走型掃除機2のメーカーのサーバ等にアクセスして、掃除基本プログラムの更新プログラムを取得して、動きパターンを更新できる構成であってもよい。
【0116】
管理装置情報記憶部273は、管理装置1に関連する情報を記憶する。管理装置1に関連する情報は、例えば、管理装置1を識別するための識別情報又は管理装置1の通信アドレス情報を含む。管理装置1に関連する情報は、製造時に予め記憶されてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。
【0117】
掃除対象領域記憶部274は、間取り情報に設定された掃除対象領域を示す情報を管理装置1から取得して記憶する。自走型掃除機2は、掃除対象領域を示す情報に基づき、管理装置1から受信した掃除指示情報により指定された掃除可能領域まで移動する。
【0118】
掃除可能領域割当情報記憶部275は、管理装置1から受信した掃除指示情報により指定された掃除可能領域を示す情報を記憶する。自走型掃除機2は、この情報に示された掃除可能領域に移動し、掃除を行う。
【0119】
掃除履歴記憶部276は、管理装置1から受信した掃除指示情報により指定された掃除可能領域を掃除する際の掃除履歴情報を記憶する。掃除履歴情報は、自走型掃除機2が掃除を開始した時刻、自走型掃除機2が掃除を完了した時刻、及び自走型掃除機2の掃除の進捗状況を示す進捗情報などの情報を含む。掃除履歴情報は、管理装置1においても同様に記憶されるが、自走型掃除機2においても記憶される。すなわち、自走型掃除機2が掃除中に通信状況の悪いところに移動した場合に、その時点の掃除履歴情報を管理装置1に送信することができないので、自走型掃除機2が掃除履歴情報を記憶する。これにより、通信状況がよくなったときに、自走型掃除機2は、記憶した掃除履歴情報を管理装置1に送信することができる。
【0120】
電力供給部28は、バッテリであり、自走型掃除機2の各構成要素に電力を供給する。
【0121】
次に、本実施の形態1において、複数の掃除対象領域のうち、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除可能領域に自走型掃除機2を移動させて、掃除させる方法について、
図4、
図9及び
図10を用いて説明する。
【0122】
図9は、本実施の形態1において、複数の掃除対象領域のうちの1の掃除対象領域に人をマッピングした状態を示す図である。
図10は、本実施の形態1における管理装置の処理を説明するためのフローチャートである。なお、
図10のフローチャートについては、
図4及び
図9を用いて、具体的に説明する。
図9では、間取り図上に複数の掃除対象領域A1〜A17が設定されており、掃除対象領域A2に人102が存在する状態を示している。また、
図4は、
図9に示す掃除対象領域毎の周辺掃除対象領域を示す。
【0123】
まず、管理装置1の人存在判断部123は、注文情報履歴記憶部1306に記憶されている注文情報から、各掃除対象領域に対応付けられているテーブル席の最新の注文情報を抽出する(ステップS1)。ここで、管理装置1に記憶されている注文情報が、最新の注文情報でない場合は、人存在判断部123は、最新の注文情報をハンディターミナル4から取得した後、ステップS1の処理を行う。
【0124】
次に、人存在判断部123は、抽出した最新の注文情報に関連付けられる会計情報を、会計情報履歴記憶部1307から検索する(ステップS2)。ここで、管理装置1に記憶されている会計情報が、最新の会計情報でない場合は、人存在判断部123は、最新の会計情報をPOSレジスター3から取得した後、ステップS2の処理を行う。人存在判断部123は、会計情報履歴記憶部1307に存在する会計情報の中から、抽出した注文情報に含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報を含む会計情報を検索する。
【0125】
次に、人存在判断部123は、検索結果に基づいて、複数の掃除対象領域の中から、人が存在する人存在掃除対象領域を特定する(ステップS3)。検索の結果、注文情報に関連付けられる会計情報が存在すれば、人存在判断部123は、当該会計情報に対応するテーブル席の会計が終了しており、当該テーブル席が含まれる掃除対象領域には人が存在しないと判断する。一方、検索の結果、注文情報に関連付けられる会計情報が存在しなければ、人存在判断部123は、当該会計情報に対応するテーブル席の会計が終了しておらず、当該テーブル席が含まれる掃除対象領域には人が存在すると判断する。人存在判断部123は、注文情報の注文識別情報と同一の注文識別情報が会計情報に存在すると判断した場合、既に会計が済んでいるので、テーブル席が空席であると判断し、注文情報の注文識別情報と同一の注文識別情報が会計情報に存在しないと判断した場合、会計が済んでいないので、テーブル席が空席ではないと判断する。人存在判断部123は、テーブル席が空席であるか否かの判断結果に基づき、各掃除対象領域に人が存在するか否かを判断する。
図9に示す例では、掃除対象領域A2に人が存在することから、掃除対象領域A2が人存在掃除対象領域であると特定される。
【0126】
次に、掃除可能領域決定部124は、周辺領域情報記憶部1303に記憶されている各掃除対象領域の周辺掃除対象領域に関する周辺領域情報に基づき、人存在掃除対象領域の周辺にある周辺掃除対象領域を特定する(ステップS4)。
図9に示す例では、掃除対象領域A2が人存在掃除対象領域であることから、
図4の周辺領域情報に基づき、掃除対象領域A1,A3,A7,A9,A10,A11が、掃除対象領域A2の周辺掃除対象領域として特定される。周辺掃除対象領域は、人存在対象領域に隣接し、少なくとも一辺又は一点を人存在対象領域と共有する。
【0127】
図11は、本実施の形態1における人存在掃除対象領域と周辺掃除対象領域とを説明するための図である。
図11において、掃除対象領域A2が、人存在掃除対象領域であることを示しており、掃除対象領域A1,A3,A7,A9,A10,A11が、掃除対象領域A2に対応する周辺掃除対象領域であることを示している。すなわち、
図11に示す例では、掃除対象領域A1,A3,A7,A9,A10,A11は、人存在掃除対象領域である掃除対象領域A2に隣接しており、少なくとも一辺又は一点を掃除対象領域A2と共有している。そのため、掃除対象領域A1,A3,A7,A9,A10,A11が、周辺掃除対象領域として特定される。
【0128】
次に、掃除可能領域決定部124は、全ての掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域を除く掃除対象領域を掃除可能領域として決定する(ステップS5)。
図11を参照すると、複数の掃除対象領域A1〜A17のうち、掃除対象領域A1,A2,A3,A7,A9,A10,A11を除いた掃除対象領域A4,A5,A6,A8,A12,A13,A14,A15,A16,A17が掃除可能領域となる。
【0129】
次に、掃除機割当部125は、掃除機情報記憶部1305に記憶されている自走型掃除機2に関する情報に基づいて、掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当てる(ステップS6)。
【0130】
次に、通信制御部122は、自走型掃除機2に対して、掃除可能領域を掃除するための掃除指示情報を送信する(ステップS7)。
図11に示す例では、掃除対象領域A4,A5,A6,A8,A12,A13,A14,A15,A16,A17が掃除可能領域である。そのため、掃除機割当部125は、掃除可能領域である掃除対象領域A4,A5,A6,A8,A12,A13,A14,A15,A16,A17に自走型掃除機2を割り当てる。
【0131】
ここで、自走型掃除機2の台数が、掃除可能領域の数と同じ、もしくは、掃除可能領域の数より多い場合は、全ての掃除可能領域に自走型掃除機2を移動させて掃除させることが可能である。しかしながら、自走型掃除機2の台数が掃除可能領域の数より少ない場合は、全ての掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当てることは不可能である。この場合、掃除機割当部125は、複数の掃除可能領域の中から、自走型掃除機2に掃除させる掃除可能領域を選択し、選択した掃除可能領域に対して自走型掃除機2を移動させて掃除させてもよい。
【0132】
ここで、掃除可能領域をどのような選択基準で選択するのかが問題となる。この選択基準は、店舗毎に要求が異なるため、店舗のオーナー又はスタッフなどのユーザにより任意の選択基準を設定できる構成であることが好ましい。以下に選択基準の例を示す。
【0133】
第1の選択基準の例として、掃除機割当部125は、複数の掃除可能領域のうち、人存在掃除対象領域から最も離れた掃除対象領域を選択してもよい。すなわち、掃除機割当部125は、掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、複数の掃除可能領域のうち、人存在掃除対象領域から最も離れた位置にある掃除可能領域を自走型掃除機2に掃除させるための掃除指示情報を出力する。
【0134】
第1の選択基準の場合、人存在掃除対象領域から最も離れた位置にある掃除可能領域を自走型掃除機2に掃除させるため、人存在掃除対象領域内にいる人に対して、掃除に伴う埃の飛散の影響又は掃除に伴う騒音の影響を最も小さくすることができる。ここで、人存在掃除対象領域から最も離れた掃除可能領域の決定方法は、任意の決定方法であってよい。例えば、人存在掃除対象領域から最も離れた掃除可能領域とは、各掃除対象領域内の任意の点を代表点として予め決定しておき、人存在掃除対象領域内の代表点と、各掃除可能領域内の代表点との間の距離が最も長い掃除可能領域であってもよい。また、別の例として、人存在掃除対象領域から最も離れた掃除可能領域とは、人存在掃除対象領域と各掃除可能領域との間に存在する掃除対象領域の数が最も多い掃除可能領域であってもよい。
【0135】
また、複数の人存在掃除対象領域が存在する場合についても、同様に、複数の人存在掃除対象領域から最も離れた掃除可能領域の決定方法は任意の決定方法であってよい。例えば、第1の人存在掃除対象領域と第2の人存在掃除対象領域とが存在する場合、2つの人存在掃除対象領域から最も離れた掃除可能領域とは、第1の人存在掃除対象領域からの距離と第2の人存在掃除対象領域からの距離との平均距離が最も長い掃除可能領域であってもよい。また、別の例として、第1の人存在掃除対象領域と第2の人存在掃除対象領域とが存在する場合、2つの人存在掃除対象領域から最も離れた掃除可能領域とは、第1の人存在掃除対象領域からの距離と第2の人存在掃除対象領域からの距離とのうちの最短の距離を算出し、算出した距離が最も長い掃除可能領域であってもよい。
【0136】
第2の選択基準の例として、掃除機割当部125は、複数の掃除可能領域のうち、自走型掃除機2の現在位置から最も近い掃除可能領域を選択してもよい。すなわち、通信制御部122は、自走型掃除機2の現在の位置を示す位置情報を自走型掃除機2から取得する。掃除機割当部125は、掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、取得された位置情報に基づいて、複数の掃除可能領域のうち、自走型掃除機2の現在の位置に最も近い掃除可能領域を自走型掃除機2に掃除させるための掃除指示情報を出力する。
【0137】
第2の選択基準の場合、自走型掃除機2の現在位置から最も近い掃除可能領域を自走型掃除機2に掃除させるため、掃除可能領域までの移動時間が最も短くなり、移動にかかる時間を抑えることができる。また、掃除可能領域は、人の往来により、時々刻々と変化するため、掃除指示情報が出力されるとできる限り早く掃除を開始し、掃除を完了することが求められる。そのため、第2の選択基準であれば、移動時間が短縮されるので、できる限り早く掃除を完了することができる。
【0138】
また、第3の選択基準の例として、掃除機割当部125は、複数の掃除可能領域のうち、他の掃除対象領域の周辺掃除対象領域として最も多く設定されている掃除可能領域を選択してもよい。例えば、
図4に示す周辺領域情報において、掃除対象領域A10と掃除対象領域A1とでは、掃除対象領域A10は9つの他の掃除対象領域から周辺掃除対象領域として設定されており、掃除対象領域A1は4つの他の掃除対象領域から周辺掃除対象領域として設定されているので、掃除対象領域A10が掃除可能領域として選択されることになる。第3の選択基準の場合、他の掃除対象領域に人が存在することにより掃除できなくなる可能性が最も高い掃除可能領域を自走型掃除機2に優先的に掃除させることができる。
【0139】
ここで、自走型掃除機2の位置情報は、自走型掃除機2が、自走型掃除機2の有する間取り情報とセンサー部21から取得される情報とに基づき、間取り情報のどの位置にいるのかを特定することにより、把握することができる。例えば、自走型掃除機2のセンサー部21に含まれる障害物センサー又は衝突センサーにより、自走型掃除機2の周辺にある障害物の位置を特定し、特定した障害物の位置から間取り情報のどの位置に存在するのかを特定することができる。もしくは、充電装置の位置など自走型掃除機2の初期位置が予め間取り情報に含まれている場合は、初期位置からどの方向にどれくらいの距離を自走型掃除機2が移動したかを測定することにより、自走型掃除機2が間取り情報のどの位置に存在するのかを特定することができる。自走型掃除機2がどの方向に移動したのかは、ジャイロセンサーにより特定することができ、また、自走型掃除機2がどのくらい移動したのかは走行センサーにより特定することができる。
【0140】
また、第4の選択基準の例として、掃除機割当部125は、各掃除対象領域の掃除履歴情報に基づき、複数の掃除可能領域のうち、前回の掃除終了時刻からの経過時間が最も長い掃除可能領域を選択してもよい。すなわち、掃除履歴記憶部1304は、複数の掃除対象領域のそれぞれに対する自走型掃除機2の掃除履歴を管理する。そして、掃除機割当部125は、掃除可能領域として複数の掃除可能領域が特定された場合、複数の掃除可能領域のうち、掃除履歴に含まれる前回の掃除終了時刻からの経過時間が最も長い掃除可能領域を自走型掃除機2に掃除させるための掃除指示情報を出力する。
【0141】
第4の選択基準の場合、複数の掃除可能領域のうち、前回掃除されてから最も時間が経過している掃除可能領域、すなわち、最も埃が蓄積されていると考えられる掃除可能領域から優先的に掃除することができる。
【0142】
なお、自走型掃除機2の台数が掃除可能領域の数より少ない場合、掃除機割当部125は、1台の自走型掃除機2に複数の掃除可能領域を割り当て、複数の掃除可能領域を順次掃除させてもよい。この構成により、自走型掃除機2は、次に掃除する掃除可能領域を事前に把握することができるため、効率よく次の掃除可能領域に移動できるように現在の掃除可能領域の掃除計画を決めることができる。
【0143】
また、この構成において、新たに来客が発生し、次に掃除する予定であった掃除可能領域が、掃除できなくなった場合には、掃除機割当部125は、掃除予定を変更し、自走型掃除機2に変更した掃除予定を含む掃除指示情報を送信してもよい。また、客がいなくなった場合は、掃除可能領域が増えるため、より効率的に掃除するために現在掃除している掃除可能領域から連続して掃除させる掃除予定を変更し、自走型掃除機2に変更した掃除予定を含む掃除指示情報を送信してもよい。
【0144】
以上の構成により、複数の掃除対象領域がある状況において、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定し、決定した掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当て、自走型掃除機2に掃除可能領域を掃除させることができる。
【0145】
なお、本実施の形態1では、人が存在するか否かの判断は、ハンディターミナル4の注文情報とPOSレジスター3の会計情報とに基づき行われているが、人が存在するか否かを判断できる構成であれば、この構成に限定されない。例えば、カメラが掃除対象領域を撮影し、人存在判断部123が、カメラによって撮影された映像から人をパターンマッチングすることで、人が存在するか否かを判断してもよい。また、掃除対象領域に赤外線センサーなどの人感センサーを設置し、人存在判断部123は、その人感センサーからの情報に基づき、人が存在するか否かを判断してもよい。また、各テーブル席の椅子の座面に圧力センサーを設置し、人存在判断部123は、その圧力センサーからの情報に基づき、人が存在するか否かを判断してもよい。また、人存在判断部123は、これらの技術を組み合わせることにより、人が存在するか否かを判断してもよい。
【0146】
なお、本実施の形態1では、管理装置1は、店舗の外部にある構成について説明したが、店舗の内部にある構成であっても、同様の効果を得ることができる。
【0147】
また、本実施の形態1では、管理装置1が上記処理を行うタイミングについては、特に説明をしていないが、飲食店の場合、客が来店する頻度が低い時間帯に上記処理を行うことが望ましい。客が来店する頻度が高い時間帯に上記処理を行うと、例えば、一時的に、掃除可能領域が決定され、決定された掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当て掃除させている最中に来客が頻繁に発生し、自走型掃除機2が掃除している掃除可能領域に客を案内せざるを得ない状況になってしまうおそれがある。この場合、自走型掃除機2の掃除を中断させ、自走型掃除機2を退避させるという余計な作業が発生するため、客が来店する頻度が低い時間帯に上記処理を行うことが望ましい。
【0148】
客が来店する頻度が低い時間帯は、例えば、客の来店に関する情報である注文情報又は会計情報を管理装置1で蓄積し、その蓄積した情報を統計処理することにより、自動で算出してもよい。また、管理者などが所有する端末から管理装置1に接続して、上記処理を行う時間帯をその端末から設定する構成であってもよい。また、管理者が所有する端末から管理装置1に対して上記処理を行う指示を送信し、管理装置1は、当該指示を受信したタイミングで上記処理を行ってもよい。
【0149】
また、飲食店の場合、全ての掃除対象領域のうち、客が存在する人存在掃除対象領域の割合が小さい場合に、管理装置1が上記処理を行うことが望ましい。客が存在する人存在掃除対象領域の割合が大きい場合において、掃除可能領域が決定され、決定された掃除可能領域に自走型掃除機2を移動させて掃除させたとしても、新しい来客が頻繁に発生すると、自走型掃除機2が掃除している掃除可能領域に客を案内せざるを得ない状況になってしまうおそれがある。この場合、自走型掃除機2の掃除を中断させる必要があるため、全ての掃除対象領域のうち、人が存在する人存在掃除対象領域の割合が、所定の閾値より小さい場合にのみ、上記処理を行うことが望ましい。ここで、所定の閾値は、飲食店のレイアウト又は席の配置などにより一意に決定するのが困難であるため、ユーザにより設定可能であることが望ましい。
【0150】
なお、本実施の形態1では、掃除対象領域全体について、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定し、決定した掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当て、自走型掃除機2に掃除可能領域を掃除させる構成を説明したが、複数の掃除対象領域をグループ化し、グループ毎に、人存在掃除対象領域、及び、人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域を特定し、人存在掃除対象領域と周辺掃除対象領域とを除いた掃除可能領域に自走型掃除機2を移動させて掃除させる構成であってもよい。この構成により、例えば、エリア毎に独立して掃除させたい場合に、エリア毎の掃除対象領域をグループ化することで、他のエリアの状況を気にすることなく、掃除することができる。
【0151】
なお、本実施の形態1では、管理装置1は、複数の掃除対象領域の全てを自走型掃除機2に掃除させているが、人が掃除することを考慮して、掃除可能領域を決定してもよい。例えば、飲食店において、店員が携帯する管理端末(図示しない)は、店員が掃除する掃除対象領域又は掃除する予定の掃除対象領域を管理装置1に通知し、管理装置1は、通知された掃除対象領域を自走型掃除機2の掃除可能領域として選択しないようにしてもよい。また、管理装置1は、店員が掃除を完了した掃除対象領域を店員が携帯する管理端末から通知された場合は、掃除済の当該掃除対象領域を自走型掃除機2の掃除可能領域として選択しないようにしてもよい。
【0152】
なお、本実施の形態1では、自走型掃除機2が1台存在する例を説明したが、自走型掃除機2が複数台存在してもよい。これにより、複数の掃除可能領域が存在する場合に、複数の自走型掃除機2のそれぞれを複数の掃除可能領域のそれぞれに割り当てることができる。
【0153】
また、掃除機割当部125は、1つの掃除可能領域に複数台の自走型掃除機2を割り当ててもよい。この場合、何台の自走型掃除機2を掃除可能領域に割り当てるのかの基準が必要となるが、その基準は、ユーザによって設定可能であることが好ましい。また、割り当てる基準の例としては、例えば、掃除可能領域の面積と1回の充電で自走型掃除機2が掃除可能な面積とに基づき、1つの掃除可能領域に割り当てる自走型掃除機2の台数を決定してもよい。この基準の場合、1つの掃除可能領域を掃除するのに最低限必要な台数の自走型掃除機2を1つの掃除可能領域に割り当てることができる。また、別の基準としては、ユーザが、各掃除可能領域に割り当て可能な自走型掃除機の台数を予め設定しておき、掃除機割当部125は、ユーザによる設定内容に基づき、自走型掃除機の台数を決定してもよい。この場合は、ユーザが各掃除可能領域に必要な自走型掃除機の台数を予め決定できるので、ユーザの好みに応じて自走型掃除機を掃除させることが可能である。
【0154】
また、複数の掃除対象領域をグループ化し、複数のグループを予め構成しておき、自走型掃除機を掃除可能領域に移動させる際、掃除機割当部125は、所定の条件に基づき、複数のグループのうちの1つのグループを選択し、選択したグループ内の掃除可能領域に自走型掃除機を移動させてもよい。この構成により、ある一定の範囲の掃除対象領域を集中的に掃除することができる。飲食店の場合、客を案内する範囲と掃除をする範囲とを区分けすることができる。ここで、グループを選択する際の所定の条件としては、例えば、掃除可能領域の個数が最も多いグループを選択する、という条件が考えられる。この条件の場合、掃除可能領域が最も多いグループを選択することができるので、効率よく掃除することができる。
【0155】
なお、本実施の形態1において、自走型掃除機2が掃除中に、自走型掃除機2が掃除している掃除可能領域が、人が存在する人存在掃除対象領域、及び、人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域のいずれかに変化した場合、管理装置1は、自走型掃除機2の掃除を中断させ、自走型掃除機2を別の掃除可能領域に移動させて掃除させてもよく、もしくは、初期位置に帰還させてもよい。この構成により、人を不快にさせないようにすることができる。
【0156】
次に、管理装置1から掃除指示情報を受信した自走型掃除機2の処理について、
図12のフローチャートを用いて、詳細に説明する。
【0157】
図12は、本実施の形態1における自走型掃除機の処理を説明するためのフローチャートである。
【0158】
まず、自走型掃除機2の通信部25は、掃除可能領域の掃除を指示する掃除指示情報を管理装置1から受信する(ステップS21)。通信制御部263は、受信した掃除指示情報に含まれる掃除可能領域の情報を掃除可能領域割当情報記憶部275に記憶する。
【0159】
次に、移動制御部262は、掃除可能領域割当情報記憶部275に記憶した情報と、掃除対象領域記憶部274に記憶する情報とに基づき、自走型掃除機2を掃除可能領域まで移動させる(ステップS22)。
【0160】
自走型掃除機2が掃除指示情報により指定された掃除可能領域に移動する移動方法は、例えば、充電装置の位置など自走型掃除機2の初期位置から各掃除対象領域までの移動経路を自走型掃除機2が予め記憶しておき、移動制御部262は、記憶している移動経路に基づき掃除可能領域へ移動させる。例えば、中央制御部261は、自走型掃除機2を遠隔操作する動作モードにし、管理者などが所有する管理者端末により、管理者が自走型掃除機2を遠隔操作して、初期位置から各掃除対象領域までを移動させた軌跡を移動経路情報として記憶部27に記憶させる。
【0161】
別の移動方法として、移動制御部262は、自走型掃除機2の掃除対象領域記憶部274で記憶する、間取り情報に設定された掃除対象領域を示す情報と、自走型掃除機2のセンサー部で取得したセンサー情報とに基づき、間取り情報のどの位置に自走型掃除機2が存在するのかを把握しながら、自走型掃除機2を移動させてもよい。例えば、移動制御部262は、自走型掃除機2のセンサー部21に含まれる障害物センサー又は衝突センサーにより、自走型掃除機2の周辺にある障害物の位置を特定し、その特定した障害物の位置から間取り情報のどの位置に自走型掃除機2が存在するのかを特定することができる。もしくは、充電装置の位置など自走型掃除機2の初期位置が予め間取り情報に含まれている場合は、移動制御部262は、その初期位置からどの方向にどれくらいの距離を自走型掃除機2が移動したのかを把握することにより、間取り情報のどの位置に自走型掃除機2が存在するのかを特定することができる。自走型掃除機2がどの方向に移動したのかは、ジャイロセンサーにより特定することができる。また、自走型掃除機2がどのくらい移動したのかは走行センサーにより特定することができる。
【0162】
また、別の移動方法として、管理装置1から送信される掃除指示情報が経路情報を含んでもよく、移動制御部262は、受信した経路情報に基づき自走型掃除機2を移動させてもよい。
【0163】
自走型掃除機2は、掃除可能領域に到着すると、掃除を開始する。
【0164】
次に、自走型掃除機2の通信部25は、自走型掃除機2が掃除を開始する時に、掃除可能領域の掃除を開始することを管理装置1に通知する(ステップS23)。
【0165】
次に、自走型掃除機2の中央制御部261は、掃除中、掃除履歴を掃除履歴記憶部276に記憶する(ステップS24)。掃除履歴は、例えば、掃除対象領域のマップ情報に自走型掃除機2が移動した移動経路を重畳させた情報である。
【0166】
次に、自走型掃除機2の通信部25は、掃除中に、定期的に、又は、掃除の進捗度合いに応じて、掃除の進捗状況を管理装置1に通知する(ステップS25)。
【0167】
次に、自走型掃除機2の通信部25は、掃除可能領域の掃除が完了すると、掃除可能領域の掃除が完了したことを管理装置1に通知する(ステップS26)。管理装置1は、掃除が完了した旨の通知を自走型掃除機2から受信すると、現時点における掃除可能領域を再度決定し、決定した掃除可能領域のうち、まだ掃除が完了していない掃除可能領域がある場合、その掃除可能領域を新たな掃除可能領域として決定し、自走型掃除機2に新たな掃除可能領域の掃除を指示する掃除指示情報を送信する。一方、決定した掃除可能領域のうち、掃除が完了していない掃除可能領域がない場合は、管理装置1は、初期位置であるホームポジションに帰還する帰還指示情報を自走型掃除機2に送信する。
【0168】
次に、通信制御部263は、新たな掃除可能領域の掃除を指示する新たな掃除指示情報を管理装置1から受信したか否かを判断する(ステップS27)。ここで、新たな掃除指示情報を受信したと判断された場合(ステップS27でYES)、ステップS22の処理に戻り、自走型掃除機2の移動制御部262は、新たな掃除可能領域に自走型掃除機2を移動させ、掃除を開始する。
【0169】
一方、新たな掃除指示情報を受信していないと判断された場合、すなわち、帰還指示情報を受信したと判断された場合(ステップS27でNO)、自走型掃除機2の移動制御部262は、自走型掃除機2を初期位置へ帰還させる(ステップS28)。
【0170】
以上の処理により、自走型掃除機2は、管理装置1から受信した掃除指示情報に従って、掃除を行うことができる。
【0171】
なお、本実施の形態1の管理装置1は、掃除可能領域のうち、掃除が完了していない掃除可能領域がない場合は、自走型掃除機2を初期位置に帰還させる帰還指示情報を自走型掃除機2に送信しているが、本開示は特にこれに限定されず、管理装置1は、一時的な待機場所を指定して、自走型掃除機2を待機場所まで移動させて待機させる待機指示情報を自走型掃除機2に送信してもよい。自走型掃除機2が掃除を完了した掃除可能領域から初期位置までの距離が遠い場合に、自走型掃除機2を初期位置まで帰還させるのは効率が悪い。しかしながら、この構成によれば、特に、自走型掃除機2が掃除を完了した掃除可能領域の近くに、現時点では掃除可能ではないが、掃除が完了していない掃除対象領域がある場合、自走型掃除機2は、現在位置の近くの待機場所で待機し、掃除が完了していない掃除対象領域が掃除可能領域として決定された時点で、待機場所から掃除可能領域に移動できるため、移動に要する時間を短くすることができる。
【0172】
なお、待機場所は、事前に設定された待機領域であってもよいし、人が存在しない少なくとも1つの掃除対象領域の中から所定の条件により選択した1つの掃除対象領域であってもよい。
【0173】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、複数の掃除対象領域が存在する状況において、予め指定された時間帯に、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定し、決定した掃除可能領域に自走型掃除機を移動させて掃除させる場合において、予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて、各掃除対象領域の周辺掃除対象領域を変更する方法について説明する。
【0174】
例えば、24時間営業の飲食店においては、自走型掃除機に掃除させる場合、客の来店の頻度が高い時間帯は掃除させず、客の来店の頻度が低い時間帯に掃除させることが望ましい。
【0175】
予め指定された時間帯に自走型掃除機に掃除させる場合においては、指定された時間帯という限られた期間内で、できる限り広い範囲を掃除させるように、人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域をできる限り狭くして、掃除可能領域の数を増やしたいという要求がある。一方、客に不快な思いをさせてしまう可能性を限りなく低くするために、人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除可能領域をできる限り広くして掃除させたいという要求もあり、両者は、トレードオフの関係にある。
【0176】
予め指定された時間帯に自走型掃除機に掃除させる場合、複数の掃除対象領域の全てが掃除を完了していない状態にあるため、人が存在する人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域を広く設定したとしても、掃除可能領域が見つかる可能性が高い。しかしながら、時間経過と共に、自走型掃除機が掃除を完了した掃除対象領域が増えていくため、人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域を広く設定したままにしておくと、選択可能な掃除可能領域が減少し、掃除可能領域が見つからなくなってしまうおそれがある。そのため、時間が経過すると、広く設定していた周辺掃除対象領域を狭くし、掃除可能領域が見つかるようにし、できる限り多くの掃除対象領域を掃除できるようにすることが求められる。この際、人を不快にさせることがない程度に、周辺掃除対象領域を狭くする必要がある。
【0177】
そこで、本実施の形態2では、複数の掃除対象領域が存在する状況において、予め指定された時間帯に、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象を掃除可能領域として決定し、決定した掃除可能領域に自走型掃除機を移動させて掃除させる場合において、予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて、各掃除対象領域の周辺掃除対象領域を変更することにより、客に不快な思いをさせないようにしつつ、できる限り広い範囲を掃除する方法について説明する。
【0178】
図13は、本実施の形態2における管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図13において、
図2と同様の構成要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0179】
図13に示す管理装置1Aは、
図2に示す管理装置1に対して、時間計測部14A、制御部12A及び記憶部13Aが異なる。
【0180】
時間計測部14Aは、時間を計測する。時間計測部14Aにより計測された時刻は、例えば、現在の時刻が、自走型掃除機2に掃除させるためにユーザにより予め指定された時間帯であるか否かを判断するために使われる。
【0181】
制御部12Aは、
図2に示す管理装置1の制御部12に対して、周辺領域情報決定部126Aが異なる。
【0182】
周辺領域情報決定部126Aは、所定の条件に基づき、周辺領域情報記憶部1303Aに記憶された複数の周辺領域情報のうちの1つの周辺領域情報を決定する。本実施の形態2では、周辺領域情報記憶部1303Aは、現在時刻からユーザにより予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて生成された複数の周辺領域情報を記憶する。周辺領域情報決定部126Aは、周辺領域情報記憶部1303Aに記憶された複数の周辺領域情報から、現在時刻からユーザにより予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて、1つの周辺領域情報を決定する。
【0183】
掃除可能領域決定部124は、周辺領域情報決定部126Aによって決定された1つの周辺領域情報に基づき、特定された人存在掃除対象領域の周辺掃除対象領域を特定する。
【0184】
記憶部13Aは、
図2に示す管理装置1の記憶部13に対して、周辺領域情報記憶部1303A、周辺領域決定プログラム記憶部1311A及び掃除時間帯記憶部1312Aが異なる。
【0185】
周辺領域情報記憶部1303Aは、現在時刻からユーザにより予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じた、各掃除対象領域に周辺掃除対象領域を対応付けた複数の周辺領域情報を記憶する。
図14及び
図15は、周辺領域情報記憶部1303Aに記憶される周辺領域情報の一例を示す図である。
図14は、本実施の形態2において、現在時刻から予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間が30分以上である場合に使用される第1の周辺領域情報の一例を示す図であり、
図15は、本実施の形態2において、現在時刻から予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間が30分未満である場合に使用される第2の周辺領域情報の一例を示す図である。
【0186】
図14に示す第1の周辺領域情報は、各掃除対象領域に隣接する掃除対象領域を周辺掃除対象領域とするルールを用いて生成され、
図15に示す第2の周辺領域情報は、各掃除対象領域に隣接する掃除対象領域のうち、掃除対象領域と当該掃除対象領域に隣接する掃除対象領域とが接する境界の長さが所定値以上の掃除対象領域を周辺掃除対象領域とするルールを用いて生成されている。なお、周辺領域情報を生成するルールは、他のルールに基づき生成されてもよい。
【0187】
例えば、
図5に示すように、掃除対象領域にあるテーブル席の中心点から所定距離離れた円領域と重複する掃除対象領域を周辺掃除対象領域とするルールにおいて、現在時刻から予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間が30分以上である場合の周辺掃除対象領域は、第1の円領域を用いて選択されてもよく、現在時刻から予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間が30分未満である場合の周辺掃除対象領域は、第2の円領域(ただし、第1の円領域>第2の円領域)を用いて選択されてもよい。なお、周辺領域情報は、所定のルールを用いて生成される構成ではなく、ユーザ端末等を用いてユーザが周辺掃除対象領域を設定することにより生成される構成であってもよい。また、所定のルールにより生成された周辺領域情報は、ユーザ端末等を用いてユーザにより修正可能であってもよい。
【0188】
周辺領域決定プログラム記憶部1311Aは、周辺領域情報を決定するためのプログラムであり、周辺領域情報決定部126Aにより、実行される。本実施の形態2では、周辺領域情報決定部126Aは、周辺領域情報記憶部1303Aに記憶された、現在時刻からユーザにより予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて生成された複数の周辺領域情報から、現在時刻からユーザにより予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じた1つの周辺領域情報を決定する。
【0189】
掃除時間帯記憶部1312Aは、予め指定された自走型掃除機2が掃除する時間帯を示す掃除時間帯情報を管理する。掃除時間帯記憶部1312Aは、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定し、決定した掃除可能領域に自走型掃除機2を移動させて掃除させる処理を行う期間を示す情報を記憶する。例えば、24時間営業の飲食店において、自走型掃除機2に対し、客の来店の頻度が高い時間帯に掃除させず、客の来店の頻度が低い時間帯に掃除させる場合には、掃除時間帯記憶部1312Aは、客の来店の頻度が低い時間帯を示す情報を記憶する。掃除時間帯記憶部1312Aに記憶される時間帯は、例えば、ユーザによって設定可能であってもよい。また、管理装置1Aは、蓄積している客の注文情報又は会計情報などから客の人数及び客の来店時刻を求め、これら客の人数及び客の来店時刻に基づき、客の来店の頻度が低い時間帯を統計的に算出し、算出した時間帯を自動で設定してもよい。
【0190】
通信部11は、現在時刻が掃除時間帯情報で示される時間帯内である場合に、掃除指示情報を出力する。
【0191】
次に、以上のように構成された管理装置1Aの動作について説明する。
【0192】
図16は、本実施の形態2における管理装置の処理を説明するためのフローチャートである。
【0193】
図16に示すステップS32〜S34,S38〜S41の処理は、
図10に示すステップS1〜S7の処理と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0194】
図16に示すフローチャートでは、
図10に示すフローチャートに対して、ステップS31,S35〜S37の処理が異なる。
【0195】
ステップS31において、管理装置1Aの中央制御部121は、時間計測部14Aにより取得された現在時刻が、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯内であるか否かを判断する。ここで、現在時刻が、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯内ではないと判断した場合(ステップS31でNO)、中央制御部121は、再度、現在時刻が当該時間帯内であるか否かを判断する。ステップS31の判断処理は、ループ処理であり、定期的に行われる。
【0196】
一方、現在時刻が、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯内であると判断した場合、ステップS32において、管理装置1Aの人存在判断部123は、注文情報履歴記憶部1306に記憶されている注文情報から、各掃除対象領域に関連付けられているテーブル席の最新の注文情報を抽出する。なお、ステップS32の処理は、
図10のステップS1の処理と同じであるため、説明は省略する。
【0197】
ステップS34において人存在掃除対象領域が特定された後、ステップS35において、周辺領域情報決定部126Aは、現在時刻から掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯の終了時刻までの残り時間を算出し、算出した残り時間が所定時間以上であるか否かを判断する。
【0198】
ここで、残り時間が所定時間以上であると判断した場合(ステップS35でYES)、ステップS36において、周辺領域情報決定部126Aは、周辺領域情報記憶部1303Aに記憶されている複数の周辺領域情報のうち、所定時間以上の残り時間に対応付けられている第1の周辺領域情報を決定する。例えば、所定時間が30分である場合、残り時間が30分以上であるため、周辺領域情報決定部126Aは、30分以上の残り時間に対応付けられている
図14に示す第1の周辺領域情報に決定する。
【0199】
一方、残り時間が所定時間以上ではないと判断した場合、すなわち、残り時間が所定時間未満であると判断した場合(ステップS35でNO)、ステップS37において、周辺領域情報決定部126Aは、周辺領域情報記憶部1303Aに記憶されている複数の周辺領域情報のうち、所定時間未満の残り時間に対応付けられている第2の周辺領域情報を決定する。例えば、所定時間が30分である場合、残り時間が30分未満であるため、周辺領域情報決定部126Aは、30分未満の残り時間に対応付けられている
図15に示す第2の周辺領域情報に決定する。
【0200】
次に、ステップS38において、掃除可能領域決定部124は、ステップS36又はステップS37で周辺領域情報決定部126Aによって決定された第1又は第2の周辺領域情報に基づき、人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域を特定する。なお、ステップS38以降の処理は、
図10のステップS4以降の処理と同じであるため、説明は省略する。
【0201】
以上の処理により、予め指定された時間帯に、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定し、決定した掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当て、自走型掃除機2に掃除可能領域を掃除させる場合において、現在時刻から予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて、周辺掃除対象領域を変更することが可能となる。この構成により、客に不快感を与えないようにしつつ、できる限り広い範囲を掃除することができる。
【0202】
なお、本実施の形態2では、管理装置1Aが、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯の終了時刻まで、自走型掃除機2に掃除指示情報を送信しているが、管理装置1Aが、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯の終了時刻になったと判断した場合、現在掃除中の自走型掃除機2に対して、掃除を中断して初期位置に帰還する帰還指示情報を送信してもよい。本構成により、掃除時間帯以外に自走型掃除機2が掃除することを防止することができる。また、中央制御部121は、自走型掃除機2の掃除を中断させた場合は、掃除時間帯情報に示される時間帯内に掃除が完了しなかった掃除可能領域を未完了掃除対象領域として掃除履歴記憶部1304に記憶してもよい。掃除可能領域決定部124は、複数の掃除対象領域のうち、人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域であり、かつ未完了掃除対象領域に対応する掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。これにより、掃除可能領域決定部124は、次回の掃除の際に、前回掃除を中断した掃除可能領域を優先して掃除可能領域に決定することができる。
【0203】
また、自走型掃除機2が初期位置に帰還する処理も掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯内で完了させる場合は、掃除機割当部125は、自走型掃除機2が初期位置に帰還するまでにかかる時間を考慮に入れて、当該時間帯の終了時刻よりも前に、初期位置に帰還する帰還指示情報を送信してもよい。本構成により、掃除時間帯以外に自走型掃除機2が移動することを防止することができる。
【0204】
なお、本実施の形態2において、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯の終了時刻までに掃除が完了しなかった掃除対象領域が存在する場合、掃除が完了しなかった掃除対象領域に関する情報を掃除履歴記憶部1304に記憶し、次回掃除を行う際に、掃除履歴記憶部1304に記憶した前回掃除が完了しなかった掃除対象領域が掃除可能領域であると判断した場合、掃除機割当部125は、前回掃除が完了しなかった掃除対象領域を優先して自走型掃除機2に割り当ててもよい。本構成により、前回の掃除する時間帯において掃除が完了せず、埃が最も多く蓄積されていると推測される掃除対象領域を優先的に掃除させることができる。
【0205】
また、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯の終了時刻までに掃除が完了しなかった掃除対象領域が存在する場合、通信制御部122は、掃除が完了しなかった掃除対象領域を店員が管理する管理端末などに通知してもよい。この構成により、店員が、自走型掃除機2が掃除の時間帯に掃除が完了しなかった掃除対象領域を把握することができ、店員が、掃除が完了しなかった掃除対象領域を掃除するための対策をとることができる。店員がとる対策としては、例えば、店員が、掃除が完了しなかった掃除対象領域を自ら掃除することが考えられる。また、店員がとる別の対策としては、店員が所持する管理端末又は管理装置1Aより、掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯以外の時間に、掃除が完了しなかった掃除対象領域を掃除させる掃除指示情報を自走型掃除機2に送信し、自走型掃除機2に掃除させることが考えられる。
【0206】
なお、本実施の形態2において、周辺掃除対象領域が狭くなったことにより新たに掃除可能領域となった掃除対象領域に自走型掃除機2を移動させて掃除させる場合に、管理装置1Aの通信制御部122は、店員が管理する管理端末に、新たに掃除可能領域となった掃除対象領域を通知してもよい。この構成により、店員が、周辺掃除対象領域が狭くなったことにより、新たに掃除可能領域となった掃除対象領域と客が存在する人存在掃除対象領域との境界にパーティションを置くなど、客に不快感を与えないようにするための対策をとることができる。なお、管理装置1Aが管理端末に通知するタイミングは、店員により対策が行われる場合もあるため、自走型掃除機2に掃除指示情報を送信する前が好ましい。
【0207】
また、周辺掃除対象領域が狭くなったことにより新たに掃除可能領域となった掃除対象領域に自走型掃除機2を移動させて掃除させる場合に、管理装置1Aは、新たな掃除可能領域に自走型掃除機2を移動させることを、店員が管理する管理端末に通知し、店員から承諾の応答を受信してから、自走型掃除機2に掃除指示情報を送信してもよい。この構成により、店員の判断に基づき、自走型掃除機2に掃除指示情報を送信するか否かを決定することができる。例えば、周辺掃除対象領域が狭くなったことにより新たに掃除可能領域となった掃除対象領域を自走型掃除機2で掃除する前に、店員が客に自走型掃除機2を用いて掃除してもよいかを確認し、その承諾が得られた場合に、店員の管理端末から管理装置1Aに承諾の通知を発信し、管理装置1Aが承諾の通知を受信した場合にのみ、自走型掃除機2に掃除指示情報を送信して掃除させることができる。
【0208】
なお、本実施の形態2において、現在時刻から予め指定された時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて2種類の周辺領域情報が周辺領域情報記憶部1303Aに記憶されている例について説明したが、残り時間に応じた3種類以上の周辺領域情報が周辺領域情報記憶部1303Aに記憶されていてもよい。本構成によれば、より細かく、周辺掃除対象領域を決定することが可能である。また、本実施の形態2において、周辺領域情報記憶部1303Aが予め2種類の周辺領域情報を記憶しているが、本開示は特にこれに限定されず、周辺領域情報記憶部1303Aが1つの周辺領域情報のみを記憶してもよく、掃除可能領域決定部124は、残り時間が所定時間未満であると判断した場合に、周辺領域情報記憶部1303Aに記憶されている周辺領域情報から、周辺掃除対象領域を算出してもよい。
【0209】
なお、本実施の形態2では、現在時刻から掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて、周辺掃除対象領域を変更しているが、全ての掃除対象領域のうち、掃除が完了した掃除対象領域の割合が所定の割合になった時点で、周辺掃除対象領域を変更してもよい。本構成によれば、掃除の進捗度合いにより、周辺掃除対象領域が変更されるため、現在時刻に捉われずに掃除することができる。
【0210】
また、管理装置1Aが、掃除可能領域を決定することができなかった場合に、周辺掃除対象領域を変更してもよい。この構成により、掃除可能領域を決定することができなかった場合に、直ちに、掃除可能領域を新たに決定することができる可能性が高くなり、効率よく掃除することができる。
【0211】
なお、本実施の形態2では、現在時刻から掃除時間帯記憶部1312Aに記憶されている時間帯の終了時刻までの残り時間に応じて、周辺掃除対象領域を変更しているが、人が掃除対象領域内に存在する滞在時間に応じて、周辺掃除対象領域を変更してもよい。この構成により、例えば、飲食店において、客が食事をしていると推測できる期間は、周辺掃除対象領域を広く設定し、食事が終了していると推測できる期間は、周辺掃除対象領域を狭く設定することができる。これにより、客が食事をしている場合は、周辺掃除対象領域を広くすることで、食事中に埃が飛散する可能性をより低くすることができる。なお、客が掃除対象領域内に存在する滞在時間は、例えば、ハンディターミナル4で最初に注文情報を受けた時刻から現在時刻までの時間を計測することにより算出することができる。なお、本構成は、客が食事している期間と食事していない期間とを推定するため、最初に注文情報を受けた時刻から現在時刻までの滞在時間ではなく、最後に注文情報を受けた時刻から現在時刻までの滞在時間に応じて、周辺掃除対象領域を変更することが好ましい。また、客が食事をしていると推測できる期間は、注文された料理の内容又は注文された料理が提供されるまでの時間などにより、一意に決定することは困難であり、かつ、店舗の事情により異なるため、ユーザにより設定できることが好ましい。
【0212】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定するという制限に加え、さらに、掃除可能領域が、複数の人が少なくとも通路として利用する共用掃除対象領域である場合、共用掃除対象領域に予め関連付けられた関連掃除対象領域に人が存在するか否かを判断し、関連掃除対象領域に人が存在しない場合、共用掃除対象領域を掃除可能領域として決定するという制限により、掃除可能領域を決定し、その掃除可能領域に自走型掃除機を移動させて掃除させる方法について説明する。
【0213】
実施の形態1では、飲食店におけるテーブル席に掃除対象領域を対応付け、複数のテーブル席から、人が存在するテーブル席と、人が存在するテーブル席の周辺のテーブル席とを除いたテーブル席を掃除する例について説明した。これに対し、本実施の形態3では、飲食店におけるテーブル席に加え、さらに、通路、エントランス周辺及びトイレ周辺などの複数の人によって共用される共用エリアに掃除対象領域を対応付けた場合に、掃除対象領域を自走型掃除機に掃除させる方法について説明する。
【0214】
通路又はエントランスなどの複数の人によって共用される共用エリアを掃除する場合、その共用エリアを利用する人に迷惑がかからないようにする必要がある。そのため、共用エリアを利用する可能性のある人が存在しない場合に共用エリアを掃除させる必要がある。そこで、本実施の形態3では、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として掃除させるという制限に、さらに、共用エリアを利用する可能性のある人が存在しない場合に共用エリアを掃除可能領域として掃除させるという制限を加えることにより、自走型掃除機に掃除可能領域を掃除させる方法について説明する。
【0215】
図17は、本実施の形態3における掃除システムの全体像を概念的に示す図である。
図17において、
図1と同様の構成要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0216】
図17に示す掃除システムは、
図1に示す掃除システムに対して、カメラ7Bが異なる。
【0217】
カメラ7Bは、通路、エントランス周辺及びトイレ周辺などの複数の人によって共用される共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域の映像を撮影する。カメラ7Bは、撮影した映像を管理装置1Bに送信する。管理装置1Bは、カメラ7Bから受信した映像より人のパターンマッチングを行うことにより、共用掃除対象領域に人が存在するか否かを判断する。本実施の形態3では、掃除システムは、1台のカメラを備えているが、複数台のカメラを備えてもよい。
【0218】
図18は、本実施の形態3における管理装置1Bの構成を示すブロック図である。
図18において、
図2と同様の構成要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0219】
図18に示す管理装置1Bは、
図2に示す管理装置1に対して、制御部12B及び記憶部13Bが異なる。
【0220】
制御部12Bは、
図2に示す管理装置1の制御部12に対して、人存在判断部123B及び掃除可能領域決定部124Bが異なる。
【0221】
人存在判断部123Bは、複数の掃除対象領域のそれぞれに人が存在するか否かを判断する。本実施の形態3では、飲食店10におけるテーブル席61〜65に加え、さらに、通路、エントランス周辺及びトイレ周辺などの共用のエリアに掃除対象領域を対応付けており、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域と共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域とのそれぞれにおいて人が存在するか否かを判断する。テーブル席に対応付けられた掃除対象領域に人が存在するか否かの判断では、実施の形態1と同様に、人存在判断部123Bは、ハンディターミナル4から受信された注文情報から、最新の注文情報を抽出する。そして、人存在判断部123Bは、抽出した注文情報に含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報が、POSレジスター3から受信された会計情報に存在するか否かを判断する。これにより、人存在判断部123Bは、テーブル席が空席であるか否かを判断し、その判断結果に基づき、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域に人が存在するか否かを判断する。
【0222】
一方、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域に人が存在するか否かは、注文情報及び会計情報からは判断できないため、別の手段により、判断する必要がある。本実施の形態3では、管理装置1Bの通信部11は、飲食店の内部に設置されたカメラ7Bの映像を受信し、人存在判断部123Bは、受信した映像情報に対して人のパターンマッチングを行うことにより、共用エリアに人が存在するか否かを判断する。
【0223】
なお、人存在判断部123Bは、他の方法を用いて、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域に人が存在するか否かを判断してもよい。例えば、赤外線センサーなどの人感センサーを店舗内の共用エリアに設置して、人存在判断部123Bは、人感センサーから送信される人が検知されたことを示す情報に基づき、共用エリアに人が存在するか否かを判断してもよい。
【0224】
掃除可能領域決定部124Bは、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域と共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域とのそれぞれにおいて掃除可能領域を決定する。まず、掃除可能領域決定部124Bは、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域の中から掃除可能領域を決定する。掃除可能領域決定部124Bは、実施の形態1と同様に、予め記憶された各掃除対象領域と周辺掃除対象領域とを対応付けた周辺領域情報に基づき、人存在判断部123Bにより判断された、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを特定し、特定した人存在掃除対象領域及び周辺掃除対象領域以外の掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。
【0225】
次に、掃除可能領域決定部124Bは、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域の中から掃除可能領域を決定する。掃除可能領域決定部124Bは、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域に基づいて決定した掃除可能領域が、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域であるか否かを判断する。掃除可能領域が、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域ではないと判断した場合は、掃除可能領域決定部124Bは、決定した掃除可能領域を出力する。
【0226】
一方、掃除可能領域が、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域であると判断した場合は、掃除可能領域決定部124Bは、関連領域情報記憶部1311Bに記憶されている情報に基づき、当該共用掃除対象領域に関連する関連領域を特定し、特定した関連領域に人が存在するか否かを判断する。そして、関連領域に人が存在しないと判断した場合に、掃除可能領域決定部124Bは、当該共用掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。一方、関連領域に人が存在すると判断した場合に、掃除可能領域決定部124Bは、当該共用掃除対象領域を掃除可能領域として決定しない。
【0227】
掃除可能領域決定部124Bは、複数の掃除対象領域のうちの複数の人が少なくとも通路として利用する共用掃除対象領域と、共用掃除対象領域に関連する、共用掃除対象領域以外の掃除対象領域とを予め対応付けた関連領域情報に基づいて、決定した掃除可能領域が共用掃除対象領域であるか否かを判断する。決定した掃除可能領域が共用掃除対象領域であると判断した場合、掃除可能領域決定部124Bは、関連領域情報に基づき、共用掃除対象領域に対応付けられている掃除対象領域を関連掃除対象領域として特定する。掃除可能領域決定部124Bは、特定した関連掃除対象領域に人が存在するか否かを判断する。掃除可能領域決定部124Bは、特定した関連掃除対象領域に人が存在しないと判断した場合、共用掃除対象領域を掃除可能領域として決定する。
【0228】
記憶部13Bは、
図2に示す管理装置1の記憶部13に対して、掃除対象領域記憶部1302B、周辺領域情報記憶部1303B、関連領域情報記憶部1311B、人存在判断プログラム記憶部1308B及び掃除可能領域決定プログラム記憶部1309Bが異なる。
【0229】
掃除対象領域記憶部1302Bは、間取り情報に設定された掃除対象領域を示す情報を記憶する。掃除対象領域の設定は、例えば、間取り情報にあるテーブル席の位置又はテーブル席のサイズに基づき、自動で設定されてもよいし、飲食店のオーナー又はスタッフ等のユーザによって設定されてもよい。ユーザによって設定される場合は、例えば、ユーザが所有するパーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ又はスマートフォン(それぞれ図示しない)等のユーザ端末が、管理装置1から間取り情報を取得し、その間取り情報を基に、掃除対象領域のユーザによる入力を受け付け、受け付けた掃除対象領域に関する情報を管理装置1へ送信することにより、掃除対象領域を設定することが可能である。
【0230】
図19は、本実施の形態3における掃除対象領域記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図19において、飲食店内の間取り図に17個の掃除対象領域A1〜A17が設定されるとともに、4個の共用掃除対象領域B1〜B4が設定されている。掃除対象領域A1〜A17は、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域であり、共用掃除対象領域B1〜B4は、共用エリアに対応付けられた掃除対象領域である。
【0231】
周辺領域情報記憶部1303Bは、テーブル席に対応付けられた各掃除対象領域の周辺における周辺掃除対象領域を示す周辺領域情報を記憶する。各掃除対象領域の周辺掃除対象領域を示す周辺領域情報は、所定のルールに基づき生成しもよいし、ユーザによる入力を受け付けることで生成してもよい。
【0232】
図20は、本実施の形態3において周辺領域情報記憶部に記憶される周辺領域情報の一例を示す図である。
図20に示す周辺領域情報は、掃除対象領域に隣接する掃除対象領域及び共用掃除対象領域を周辺掃除対象領域とするルールに基づき生成されている。周辺領域情報記憶部1303Bは、複数の掃除対象領域のそれぞれと、周辺掃除対象領域とを予め対応付けた周辺領域情報を記憶する。
図20では、掃除対象領域毎に隣接する掃除対象領域及び共用掃除対象領域が周辺掃除対象領域として設定されている。例えば、掃除対象領域A1には、掃除対象領域A2及び共用掃除対象領域B1が、周辺掃除対象領域として対応付けられている。
【0233】
関連領域情報記憶部1311Bは、共用エリアに対応付けられた各共用掃除対象領域に関連する関連領域を示す関連領域情報を記憶する。共用掃除対象領域の関連領域を示す関連領域情報は、所定のルールに基づき生成してもよいし、ユーザによる入力を受け付けることで生成してもよい。
【0234】
図21は、本実施の形態3において関連領域情報記憶部に記憶される関連領域情報の一例を示す図である。
図21において、通路に対応付けられた共用掃除対象領域の関連領域は、共用掃除対象領域に隣接する掃除対象領域を関連領域とするルールに基づき生成され、エントランス、トイレ及びPOSレジスターが配置された場所に対応付けられた共用掃除対象領域の関連領域は、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域の全てを関連領域とするというルールに基づき生成されている。
【0235】
具体的には、
図21において、共用掃除対象領域B1,B2,B3が、通路を示す共用掃除対象領域であり、共用掃除対象領域B1,B2,B3の関連領域は、共用掃除対象領域B1,B2,B3のそれぞれに隣接する掃除対象領域である。例えば、共用掃除対象領域B1の関連領域は、掃除対象領域A1,A2,A8,A9,A10,A11,A13,A14である。これは、掃除対象領域A1,A2,A8,A9,A10,A11,A13,A14に存在する人が、共用掃除対象領域B1を通る可能性が高いためである。また、共用掃除対象領域B4が、エントランス、トイレ及びPOSレジスターが配置された場所を示すに共用掃除対象領域であり、共用掃除対象領域B4の関連領域は、テーブル席に対応付けられた全ての掃除対象領域A1〜A17である。これは、掃除対象領域A1〜A17に存在する人が、共用掃除対象領域B4を通る可能性が高いためである。なお、関連領域情報を生成するルールは、上記の構成に限定されない。関連領域情報は、任意のルールで生成することが可能である。
【0236】
人存在判断プログラム記憶部1308Bは、掃除対象領域に人が存在するか否かを判断するための人存在判断プログラムを記憶する。人存在判断プログラムは、人存在判断部123Bにより実行される。
【0237】
掃除可能領域決定プログラム記憶部1309Bは、掃除対象領域のうち、自走型掃除機2に移動させて掃除させることが可能な掃除可能領域を決定するための掃除可能領域決定プログラムを記憶する。掃除可能領域決定プログラムは、掃除可能領域決定部124Bにより実行される。
【0238】
次に、以上のように構成された管理装置1Bの動作について説明する。
【0239】
図22は、本実施の形態3における管理装置の処理を説明するための第1のフローチャートであり、
図23は、本実施の形態3における管理装置の処理を説明するための第2のフローチャートである。
【0240】
図22及び
図23に示すステップS51〜S55,S63,S64の処理は、
図10に示すステップS1〜S7の処理と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0241】
図22及び
図23に示すフローチャートでは、
図10に示すフローチャートに対して、ステップS56〜S62の処理が異なる。
【0242】
ステップS51〜S55の処理では、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域について、実施の形態1と同様の処理が行われる。ここで、ステップS55の処理で決定された掃除可能領域は、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域及び共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域の少なくとも一方である。
【0243】
次に、ステップS56において、掃除可能領域決定部124Bは、ステップS55で決定された掃除可能領域が、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域であるか否かを判断する。ステップS56の処理では、掃除可能領域決定部124Bは、掃除可能領域が、関連領域情報記憶部1311Bに記憶されている共用掃除対象領域に一致するか否かを確認することにより、掃除可能領域が共用掃除対象領域であるか否かを判断することができる。なお、複数の掃除可能領域が存在する場合は、掃除可能領域決定部124Bは、各掃除可能領域に対して、共用掃除対象領域であるか否かを判断する。
【0244】
ここで、掃除可能領域が、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域ではないと判断された場合(ステップS56でNO)、掃除可能領域を変更する必要がないので、ステップS63の処理に移行する。
【0245】
一方、掃除可能領域が、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域であると判断された場合(ステップS56でYES)、管理装置1Bの通信制御部122は、通信部11を介して、飲食店10内に設置されたカメラ7Bから、共用掃除対象領域を撮影した撮影画像を取得する(ステップS57)。
【0246】
次に、人存在判断部123Bは、取得した撮影画像に対して人のパターンマッチングを行うことで、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域に人が存在するか否かを判断する(ステップS58)。
【0247】
ここで、共用掃除対象領域に人が存在すると判断された場合(ステップS58でYES)、掃除可能領域決定部124Bは、共用掃除対象領域である掃除可能領域を掃除することができないため、共用掃除対象領域を掃除可能領域に決定せずに処理を終了する(ステップS59)。
【0248】
一方、共用掃除対象領域に人が存在しないと判断された場合(ステップS58でNO)、掃除可能領域決定部124Bは、関連領域情報記憶部1311Bに記憶されている関連領域情報に基づき、共用掃除対象領域に対応付けられている関連領域を特定する(ステップS60)。
【0249】
次に、掃除可能領域決定部124Bは、特定した関連領域に人が存在するか否かを判断する(ステップS61)。ステップS61の判断処理は、ステップS53及びステップS58において、人存在判断部123Bによって既に人が存在するか否かが判断されているので、人存在判断部123Bの判断結果を参照することで行われる。
【0250】
ここで、関連領域に人が存在すると判断された場合(ステップS61でYES)、掃除可能領域決定部124Bは、共用掃除対象領域である掃除可能領域を掃除することができないため、共用掃除対象領域を掃除可能領域に決定せずに処理を終了する(ステップS59)。
【0251】
一方、関連領域に人が存在しないと判断された場合(ステップS61でNO)、掃除可能領域を変更する必要がないので、ステップS62の処理に移行する。
【0252】
次に、掃除機割当部125は、掃除可能領域に対して、自走型掃除機2を割り当てる(ステップS62)。ステップS62の処理は、実施の形態1と同じ処理であるため、説明は省略する。なお、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域と共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域との両方が掃除可能領域として存在する場合は、両方の掃除可能領域に自走型掃除機2を割り当て、両方の掃除可能領域のそれぞれを掃除させてもよい。
【0253】
以上の処理により、複数の掃除対象領域から、人が存在する人存在掃除対象領域と人存在掃除対象領域の周辺の周辺掃除対象領域とを除いた掃除対象領域を掃除可能領域として決定するという制限に加え、さらに、掃除可能領域に関連掃除対象領域が予め設定された共用掃除対象領域がある場合は、その共用掃除対象領域に関連付けられた関連掃除対象領域に人が存在しないという条件を満たす共用掃除対象領域を掃除可能領域として決定するという制限により、掃除可能領域を決定し、その掃除可能領域に自走型掃除機を移動させて掃除させることができる。この構成により、例えば、飲食店において、テーブル席に対応付けた掃除対象領域と、さらに、通路、エントランス周辺及びトイレ周辺などの共用エリアに対応付けた共用掃除対象領域とがある場合において、客を不快にさせることなくテーブル席を掃除できると共に、客の邪魔にならないように共用エリアを掃除することができる。
【0254】
なお、本実施の形態3では、共用エリアである共用掃除対象領域に人が存在するか否かを判断しているが、共用掃除対象領域に人が存在するか否かを判断せずに、共用掃除対象領域に人が存在しないとみなしてもよい。共用エリアである通路などは、客が一時的にいる場所であり、すぐに客がいなくなると考えられる。そのため、たとえ、共用エリアで人を検知したとしても、すぐに人を検知しなくなり、人を検知した情報が有効に機能しないと考えられる。また、客は、大半の時間テーブル席に滞在し、共用エリアに長時間滞在することはあまり考えられないため、共用エリアには人が存在しないとみなしても影響はないと考えられる。
【0255】
なお、本実施の形態3において、複数の共用掃除対象領域に対応する複数の掃除可能領域が存在する場合、対応付けられている関連領域が多い共用掃除可能領域を優先的に掃除させてもよい。関連領域が多い共用掃除対象領域は、関連領域が少ない共用掃除対象領域に比べ、掃除可能である期間が短いと考えられる。そのため、関連領域が多い共用掃除対象領域が掃除可能であれば、当該共用掃除対象領域を優先的に掃除させることにより、共用掃除対象領域をより確実に掃除することができる。
【0256】
なお、本実施の形態3において、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域を自走型掃除機2に掃除させる場合は、共用掃除対象領域は、テーブル席に対応付けられた掃除対象領域に比べ、一時的に人が現れる可能性があるため、自走型掃除機2にアラーム又は点滅光を出力する手段を搭載させ、自走型掃除機2が、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域を掃除している間は、アラーム又は点滅光を出力させてもよい。この構成により、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域を人が通る場合に、注意を促すことができる。さらに、自走型掃除機2に赤外線センサーなどの人感センサーを搭載させ、共用エリアに対応付けられた共用掃除対象領域を人が通る場合にのみ、アラーム又は点滅光を出力させてもよい。この構成により、アラーム又は点滅光を出力することによるバッテリ消費を抑制することができる。
【0257】
また、本実施の形態1〜3において、管理装置1,1A,1Bの各構成要素は、自走型掃除機2、POSレジスター3及びハンディターミナル4のいずれにあってもよい。
【0258】
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る自走型掃除機の制御方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0259】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0260】
本開示の実施の形態1〜3に係る管理装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0261】
また、本開示の実施の形態1〜3に係る管理装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0262】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
【0263】
また、上記
図10、
図12、
図16、
図22及び
図23に示す、各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0264】
さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。