特許第6899707号(P6899707)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899707
(24)【登録日】2021年6月17日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/453 20060101AFI20210628BHJP
【FI】
   H01R13/453
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-109988(P2017-109988)
(22)【出願日】2017年6月2日
(65)【公開番号】特開2018-206584(P2018-206584A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保
(72)【発明者】
【氏名】後藤 達哉
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0372412(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3121566(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3138121(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40−13/533
H01R12/00−12/91
H01R24/00−24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する一対の端子と、該一対の端子を内部に収容する絶縁性のコネクタハウジングと、該コネクタハウジングに設けられるシャッター機構とを備え、
該シャッター機構は、前記一対の端子の位置に合わせて形成される一対の相手端子挿通孔を同時に開状態又は閉状態にすることが可能なシャッター機構本体を有し、
前記シャッター機構本体は、前記一対の相手端子挿通孔の間に設けられる一対のシャッター回転軸と、該一対のシャッター回転軸にそれぞれ回転自在に組み付けられ且つ対称に配置される一対のシャッターと、該一対のシャッターの間で且つ回転軌跡上に配置されるシャッター係合部材と、一端が前記一対の相手端子挿通孔の間に配置され且つ他端が前記シャッター係合部材に組み付けられるバネ部材とを備え、
前記一対のシャッターは、蓋形状のシャッター本体部と、該シャッター本体部に連続して前記シャッター回転軸に組み付けられる軸受け部と、該軸受け部又は前記シャッター本体部に連続し且つ回転移動に伴って前記シャッター係合部材の押さえ付けが可能な押さえ付け部とを有するとともに、前記軸受け部の一部又は前記押さえ付け部が前記シャッター係合部材を押圧する部分としても形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項に記載のコネクタにおいて、
前記シャッター係合部材は、前記一対のシャッターの回転量を規制する回転規制部を有する
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項又はに記載のコネクタにおいて、
前記シャッター機構本体は、前記コネクタハウジングに嵌合し且つ前記一対の相手端子挿通孔が形成されるシャッター受け部材を備える
ことを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の端子とコネクタハウジングとシャッター機構とを備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばハイブリッド自動車や電気自動車の電源回路は高電圧の回路になり、機器同士の電気的な接続はコネクタが採用される(例えば特許文献1参照)。仮に何らかの要因でコネクタ同士の接続が解除されてしまうような場合を考えると、上記の如く高電圧であることから、端子部分が露出しないように遮蔽をする必要があると考えられる。遮蔽構造に関しては、接続側の開口部分にシャッターを設けるコネクタが知られる(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−164118号公報
【特許文献2】特開2005−32648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献2の従来技術にあっては、開口部分一つに対してシャッターが二つ必要になることから、例えば開口部分が二つあればシャッターは四つ必要になり、そのためシャッターの部品点数が多くなるのは勿論のこと接続側開口部分周辺の体格も大きくなってしまうという問題点を有する。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、シャッターに係る部品点数の削減と接続側開口部分周辺の大型化防止とを図ることが可能なコネクタの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のコネクタは、導電性を有する一対の端子と、該一対の端子を内部に収容する絶縁性のコネクタハウジングと、該コネクタハウジングに設けられるシャッター機構とを備え、該シャッター機構は、前記一対の端子の位置に合わせて形成される一対の相手端子挿通孔を同時に開状態又は閉状態にすることが可能なシャッター機構本体を有し、前記シャッター機構本体は、前記一対の相手端子挿通孔の間に設けられる一対のシャッター回転軸と、該一対のシャッター回転軸にそれぞれ回転自在に組み付けられ且つ対称に配置される一対のシャッターと、該一対のシャッターの間で且つ回転軌跡上に配置されるシャッター係合部材と、一端が前記一対の相手端子挿通孔の間に配置され且つ他端が前記シャッター係合部材に組み付けられるバネ部材とを備え、前記一対のシャッターは、蓋形状のシャッター本体部と、該シャッター本体部に連続して前記シャッター回転軸に組み付けられる軸受け部と、該軸受け部又は前記シャッター本体部に連続し且つ回転移動に伴って前記シャッター係合部材の押さえ付けが可能な押さえ付け部とを有するとともに、前記軸受け部の一部又は前記押さえ付け部が前記シャッター係合部材を押圧する部分としても形成されることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1の特徴を有する本発明によれば、一つのシャッター機構で二つの開口部分(一対の相手端子挿通孔)を遮蔽することができる。従って、シャッターに係る部品点数の削減と接続側開口部分周辺の大型化防止とを図ることができる。
【0009】
更に、このような請求項の特徴を有する本発明によれば、シャッター機構のより良い構成を提供することができる。また、本発明によれば、シャッター機構の構成にバネ部材を含むことから、バネ部材の耐久性から考えれば、長期間に渡り同じ状態にしていても、その後一対の相手端子挿通孔を同時に開状態又は閉状態にすることができる。すなわち、高い信頼性を確保することができる。
【0010】
請求項に記載の本発明は、請求項に記載のコネクタにおいて、前記シャッター係合部材は、前記一対のシャッターの回転量を規制する回転規制部を有することを特徴とする。
【0011】
このような請求項の特徴を有する本発明によれば、シャッターの回転量を規制することができる。すなわち、必要以上にシャッターが開いてしまうことを防止することができる。
【0012】
請求項に記載の本発明は、請求項又はに記載のコネクタにおいて、前記シャッター機構本体は、前記コネクタハウジングに嵌合し且つ前記一対の相手端子挿通孔が形成されるシャッター受け部材を備えることを特徴とする。
【0013】
このような請求項の特徴を有する本発明によれば、シャッター機構本体のより良い構成を提供することができる。また、本発明によれば、シャッター機構本体を設けるにあたり、コネクタハウジングの構造を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコネクタによれば、シャッターに係る部品点数の削減と接続側開口部分周辺の大型化防止とを図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のコネクタの一実施形態を示す外観斜視図である。
図2図1のコネクタ及び相手コネクタの嵌合前の状態を示す断面図である。
図3図2のコネクタ及び相手コネクタの嵌合後の状態を示す断面図である。
図4図2のコネクタの拡大図である。
図5図2の相手コネクタの拡大図である。
図6】シャッター機構の構成を示す図である。
図7図6の拡大図である。
図8】シャッター機構の分解斜視図である。
図9図8の拡大図である。
図10】シャッター機構の拡大断面図(コネクタ嵌合前)である。
図11】シャッター機構の拡大断面図(コネクタ嵌合途中)である。
図12】シャッター機構の拡大断面図(コネクタ嵌合後)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
コネクタは、導電性を有する一対の端子と、この一対の端子を内部に収容する絶縁性のコネクタハウジングと、コネクタハウジングに設けられるシャッター機構とを備えて構成される。シャッター機構は、一対の端子の位置に合わせて形成される一対の相手端子挿通孔を同時に開状態又は閉状態にすることが可能なシャッター機構本体を備えて構成される。シャッター機構本体は、一対のシャッター回転軸と、一対のシャッターと、シャッター係合部材と、バネ部材とを備えて構成される。
【実施例】
【0017】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明のコネクタの一実施形態を示す外観斜視図である。また、図2図1のコネクタ及び相手コネクタの嵌合前の状態を示す断面図、図3図2のコネクタ及び相手コネクタの嵌合後の状態を示す断面図、図4図2のコネクタの拡大図、図5図2の相手コネクタの拡大図、図6はシャッター機構の構成を示す図、図7図6の拡大図、図8はシャッター機構の分解斜視図、図9図8の拡大図、図10図12はシャッター機構の拡大断面図である。
【0018】
<コネクタ1について>
ハイブリッド自動車や電気自動車には、インバータやモータが搭載される。図1において、コネクタ1は、例えばインバータに設けられる。このコネクタ1との接続相手(嵌合相手)は、図2に示すような相手コネクタ2である。相手コネクタ2は、例えばモータに設けられる(モータやインバータは一例であるものとする)。先ず、相手コネクタ2について説明をし、次に、コネクタ1の構成について説明をする。尚、図中の矢印Pを上下方向、矢印Qを左右方向と定義して説明をするものとする。
【0019】
<相手コネクタ2について>
図2図3及び図5において、相手コネクタ2は、モータケース3に取り付けられる。相手コネクタ2は、導電性の一対の相手端子4と、この一対の相手端子4を収容する絶縁性の相手コネクタハウジング5と、パッキン6、7とを備えて構成される。一対の相手端子4は、タブ状に形成されて対向するように配置される。一対の相手端子4における引用符号8は接点部を示す。この接点部8は、コネクタ1の後述する一対の端子11に接触する部分として形成される。
【0020】
<コネクタ1の構成について>
図1ないし図4において、コネクタ1は、インバータケース9の開口部10の位置に合わせて取り付けられる。コネクタ1は、導電性の一対の端子11と、この一対の端子11を内部に収容する絶縁性のコネクタハウジング12と、コネクタハウジング12に設けられるシャッター機構13と、コネクタハウジング12に設けられる操作部材14(図1参照)等とを備えて構成される。
【0021】
<一対の端子11について>
図4において、一対の端子11は、タブ状に形成されて対向するように配置される。このような一対の端子11は、は、図4の紙面垂直方向に複数存在するように設けられる(本実施例においては、紙面垂直方向に三つ存在するように設けられる)。
【0022】
一対の端子11の間には、カム15が配置される。このカム15は、図示しないカムシャフトに設けられる。カム15は、操作部材14(図1参照)を回転操作することにより回転し、この回転時に一対の端子11を矢印Qの左右方向に平行移動させることができるような部分に形成される。
【0023】
尚、カム15や操作部材14に関しては、背景技術の欄の特許文献1に開示されるものと基本的に同じ機能を有するものとする。また、左右方向に移動可能な一対の端子11は、金属部品16の端部に設けられるが、この金属部品16に関しても特許文献1に開示されるものと基本的に同じ機能を有するものとする。
【0024】
<コネクタハウジング12について>
図1及び図4において、コネクタハウジング12は、相手コネクタハウジング5の内側に差し込まれて嵌合する嵌合筒部17を有する。この嵌合筒部17の開口部分18は、インバータケース9の開口部10の位置に配置される。開口部分18の近傍には、後述するシャッター受け部材21を係止するための爪状の係止部19が形成される。
【0025】
<シャッター機構13について>
図4図6及び図8において、シャッター機構13は、一つのシャッター機構で二つの開口部分(後述する一対の相手端子挿通孔27)を遮蔽することができるように構成される。具体的には、シャッター機構本体20を有し、このシャッター機構本体20は、シャッター受け部材21と、一対のシャッター回転軸22と、一対のシャッター23と、シャッター係合部材24と、バネ部材25とを備えて構成される(この構成により一対の相手端子挿通孔27を遮蔽することができる)。別な言い方をすれば、シャッター機構本体20は、一対の端子11の位置に合わせて形成される一対の相手端子挿通孔27を同時に開状態又は閉状態にすることができるように構成される。
【0026】
<シャッター受け部材21について>
図6図8及び図9において、シャッター受け部材21は、絶縁性を有する樹脂成形品であって、上方が開口する有底の箱形状に形成される。シャッター受け部材21は、この上部にコネクタハウジング12の係止部19に係止されるフランジ部42を有し、底部26には、一対の相手端子挿通孔27が複数形成される(本実施例においては、一対の相手端子挿通孔27が三つ形成される)。また、底部26には、複数の丸穴28と、丸凸29とが形成される。複数の丸穴28は、一対の相手端子挿通孔27の近傍に二つずつ配置形成される。また、丸凸29は、一対の相手端子挿通孔27の中央位置に一つ配置形成される。シャッター受け部材21における引用符号43は、カムシャフト受け部を示す。カムシャフト受け部43は、上記図示しないカムシャフトを受ける円弧状の凹み部分に形成される。
【0027】
<一対の相手端子挿通孔27について>
図4図8及び図9において、一対の相手端子挿通孔27は、一対の相手端子4(図5参照)の挿通部分として形成される。一対の相手端子挿通孔27は、一対の相手端子4の幅や接点部8の厚みに応じて開口するように形成される。すなわち、電気的な接続に係る開口部分として形成される。一対の相手端子挿通孔27における外側の開口縁には、一対の相手端子4の拾い部分になるテーパが形成される。
【0028】
<一対のシャッター回転軸22について>
図6図8及び図9において、一対のシャッター回転軸22は、一対の相手端子挿通孔27の近傍の丸穴28に差し込まれて固定される脚部30と、底部26から所定の間隔をあけて平行に配置される軸部31とを有する。一対のシャッター回転軸22は、金属の丸棒を曲げて図示形状に形成される。
【0029】
<一対のシャッター23について>
図6ないし図9において、一対のシャッター23は、樹脂成形品であって対称に配置される。このような一対のシャッター23は、シャッター本体部32と、軸受け部33と、押さえ付け部34とを有する。シャッター本体部32は、蓋の機能を有するような形状部分に形成される。シャッター本体部32は、軸受け部33に連続する基端部分が厚く、先端に行くにつれて細くなるように形成される。シャッター本体部32の先端部分には、曲面35が形成される。
【0030】
軸受け部33は、シャッター回転軸22の軸部31に対し所定の範囲で回転自在になるような組み付け部分に形成される。軸受け部33は、C字状に形成される。尚、軸受け部33の一方の端部36(軸受け部33の一部)は、曲面でなくエッジが生じるような形状に形成される。一方の端部36は、シャッター係合部材24の後述する回転規制部39に対し係合可能な部分に形成される。また、一方の端部36は、シャッター係合部材24を下方に押圧する部分にも形成される(シャッター係合部材24を下方に押圧する部分は、後述する押さえ付け部34であってもよいものとする)。
【0031】
押さえ付け部34は、シャッター係合部材24を押さえ付けることが可能な部分に形成される。具体的には、シャッター本体部32が上方を向いた時に押さえ付け部34がシャッター係合部材24を押さえ付けるような部分に形成される。尚、本実施例では押さえ付け部34が軸受け部33に連続するように形成されているが、シャッター本体部32に連続するように形成されてもよいものとする。
【0032】
<シャッター係合部材24について>
図6ないし図8において、シャッター係合部材24は、樹脂成形品であって、一対のシャッター23の間に配置される。また、シャッター係合部材24は、一対のシャッター23の回転軌跡上に配置される。シャッター係合部材24は、上面と、この上面よりも幅が広い下面とを有する。シャッター係合部材24の下面には、丸穴37が形成される。シャッター係合部材24における左右の側面は、くびれるような形状部分に形成される。シャッター係合部材24は、上記くびれ等の部分を生じさせる一つとして、受け部38を有する。この受け部38は、押さえ付け部34の回転軌跡上に配置されて、この押さえ付け部34により押さえ付けられる略斜面形状に形成される。
【0033】
シャッター係合部材24における引用符号39は回転規制部を示す。この回転規制部39は、シャッター23の回転量を規制する部分として形成される。回転規制部39は、軸受け部33の一方の端部36が係合する部分に形成される。本実施例において、回転規制部39は、軸受け部33の一方の端部36から押圧される部分にも形成される。尚、押圧される部分は、受け部38の部分で代替することも可能である。また、回転規制部39は、受け部38の部分で代替することも可能である。
【0034】
<バネ部材25について>
図6ないし図8において、バネ部材25は、公知のコイルスプリングが採用される。バネ部材25は、この一端40が底部26の丸凸29に組み付けられるとともに、他端41がシャッター係合部材24の丸穴37に組み付けられる。バネ部材25は、シャッター係合部材24が下方に押し下げられると逆に上方へ押し上げるような力を生じさせるものである。
【0035】
<シャッター機構13の組み付けについて>
図10において、一対のシャッター回転軸22は、シャッター受け部材21の底部26に固定される。一対のシャッター23は、軸受け部33を介して一対のシャッター回転軸22に取り付けられる。バネ部材25は、この一端40が底部26に組み付けられるとともに、他端41がシャッター係合部材24に組み付けられる。シャッター係合部材24は、一対のシャッター23の間に配置される。図10の状態では、一対のシャッター23が倒れており、一対の相手端子挿通孔27は一対のシャッター23により塞がれる。
【0036】
シャッター受け部材21をコネクタハウジング12に係合させると、シャッター機構13の組み付けが完了する。
【0037】
<シャッター機構13の作用について>
図10において、電気的な接続が行われてない状態では(又は何らかの要因でコネクタ同士の接続が解除されている状態では)、一対の相手端子挿通孔27は一対のシャッター23により塞がれる。
【0038】
図11において、一対の相手端子挿通孔27に一対の相手端子4が差し込まれてコネクタ接続が開始されると、一対のシャッター23は一対の相手端子4やこの接点部8により押し上げられる。この時、シャッター本体部32が上方を向くように回転移動をする。この回転移動に伴ってシャッター係合部材24は、軸受け部33の一方の端部36からの押圧を受けて下方へ移動するとともに、押さえ付け部34によって押さえ付けられる。尚、一対のシャッター23は、図11の位置で回転移動が規制されるようになる。
【0039】
図12において、一対の相手端子4の接点部8が通過すると、一対のシャッター23は回転移動が可能になり、そのためシャッター係合部材24はバネ部材25の作用によって上方へ移動する。この時、一対のシャッター23は回転移動をし、シャッター本体部32は一対の相手端子4に立て掛けられたような状態になる。
【0040】
<シャッター機構13の効果について>
以上、図1ないし図12を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態であるコネクタ1によれば、一つのシャッター機構13で二つの開口部分(一対の相手端子挿通孔27)を遮蔽することができる。従って、シャッターに係る部品点数の削減と上記開口部分周辺の大型化防止とを図ることができる。また、コネクタ1によれば、シャッター機構13の構成にバネ部材25を含むことから、バネ部材25の耐久性から考えれば、長期間に渡り同じ状態にしていても、その後一対の相手端子挿通孔27を同時に開状態又は閉状態にすることができる。すなわち、高い信頼性を確保することができる。
【0041】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1…コネクタ、 2…相手コネクタ、 3…モータケース、 4…相手端子、 5…相手コネクタハウジング、 6、7…パッキン、 8…接点部、 9…インバータケース、 10…開口部、 11…端子、 12…コネクタハウジング、 13…シャッター機構、 14…操作部材、 15…カム、 16…金属部品、 17…嵌合筒部、 18…開口部分、 19…係止部、 20…シャッター機構本体、 21…シャッター受け部材、 22…シャッター回転軸、 23…シャッター、 24…シャッター係合部材、 25…バネ部材、 26…底部、 27…相手端子挿通孔、 28…丸穴、 29…丸凸、 30…脚部、 31…軸部、 32…シャッター本体部、 33…軸受け部、 34…押さえ付け部、 35…曲面、 36…一方の端部(一部)、 37…丸穴、 38…受け部、 39…回転規制部、 40…一端、 41…他端、 42…フランジ部、 43…カムシャフト受け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12