特許第6899711号(P6899711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899711
(24)【登録日】2021年6月17日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/60 20060101AFI20210628BHJP
【FI】
   A01F12/60
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-124231(P2017-124231)
(22)【出願日】2017年6月26日
(65)【公開番号】特開2019-4784(P2019-4784A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2019年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】岩本 瞬
(72)【発明者】
【氏名】安田 和男
(72)【発明者】
【氏名】小田 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】平川 順一
(72)【発明者】
【氏名】迫 和志
(72)【発明者】
【氏名】藤田 敏章
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勝秀
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−050839(JP,U)
【文献】 特開平10−311187(JP,A)
【文献】 実開昭53−126213(JP,U)
【文献】 国際公開第2017/056625(WO,A1)
【文献】 特開2016−199918(JP,A)
【文献】 特開2006−333715(JP,A)
【文献】 特開2001−105873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F12/18−12/395
A01F12/42−12/54
A01F12/60
B60J 5/00− 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、
前記脱穀装置と横並び状態で設けられ、前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられ、
前記穀粒タンクの内部に、前記脱穀装置からの前記穀粒が吐出される吐出部が設けられ、
前記穀粒タンクの側壁のうち、左右方向において前記脱穀装置と反対側に位置する外側壁に、前記外側壁の前後方向における一部に開口された点検口と、前記点検口を開閉する扉と、が備えられ、
前記吐出部は、前記穀粒タンクの内部における前後方向一方側の領域に配置されており、
前記点検口は、前記外側壁における前後方向他方側の領域に位置する状態で形成され、
前記扉は、前記扉のうち前後方向で前記吐出部が設けられた側とは反対側部分の設定された縦向き軸芯周りで揺動開閉可能に支持されているコンバイン。
【請求項2】
前記吐出部は、前記穀粒タンクの内部における前方領域に配置されており、
前記点検口は、前記外側壁における後方領域に配置されている請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記扉は、前記点検口の縁部に当接する当接部を有し、
前記扉の閉鎖状態において、前記当接部と前記縁部とは、シール部材を介して当接している請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記扉は、前記点検口よりも大きく形成されており、
前記当接部は、前記縁部に対して前記穀粒タンクの内側から当接している請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記扉は、前記外側壁の外面に対して面一に配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記扉に、前記穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部が形成され、
前記凹部に、前記扉を開閉するためのハンドルが設けられている請求項1から5のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記凹部は、内側に向かって窄まる内窄まり形状に形成されている請求項6に記載のコンバイン。
【請求項8】
前記点検口は、上下方向に沿う縦長形状に形成されている請求項1から7のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項9】
前記穀粒タンクに、下窄まり形状に形成され、貯留された穀粒を前記穀粒タンクから排出する底スクリューが配置された下側タンク部と、前記下側タンク部の上側に設けられた上側タンク部と、が備えられ、
前記点検口は、前記上側タンク部のうち前記外側壁を構成する部分における上部から下部に亘って形成されている請求項1から8のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、当該脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコンバインは、穀粒タンクの内部のメンテナンスが可能となるように構成されている。例えば、下記の特許文献1には、側壁に開口が形成された穀粒タンクを備えているコンバインが開示されている。この開口は、着脱自在なカバー体〔第1サイドカバー54〕によって覆われており、このカバー体の着脱により開閉自在となっている。特許文献1のコンバインにおいては、上記開口を、穀粒タンク内部のメンテナンスを行うための点検口として利用することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−67221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のコンバインにおいて点検口を開くには、点検口を覆うカバー体を取り外す前に、このカバー体の一部を覆う2つの外側カバー〔第3サイドカバー61、第2サイドカバー55〕を取り外さなければならず、複数の手順を踏む必要がある。更に、点検口は、穀粒タンクの側壁における機体前後方向の全体に亘って形成されているため、これを覆うカバー体、及び外側カバー体を取り外す作業は大掛かりなものとなる。そのため、特許文献1のコンバインでは、穀粒タンクの内部のメンテナンスを容易に行えるものではなかった。
【0005】
上記実情に鑑み、穀粒タンクに形成された点検口を容易に開閉でき、穀粒タンクの内部のメンテナンスを容易に行えるコンバインが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンバインは、
収穫された作物を脱穀処理する脱穀装置と、
前記脱穀装置と横並び状態で設けられ、前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、が備えられ、
前記穀粒タンクの内部に、前記脱穀装置からの前記穀粒が吐出される吐出部が設けられ、
前記穀粒タンクの側壁のうち、左右方向において前記脱穀装置と反対側に位置する外側壁に、前記外側壁の前後方向における一部に開口された点検口と、前記点検口を開閉する扉と、が備えられ、
前記吐出部は、前記穀粒タンクの内部における前後方向一方側の領域に配置されており、
前記点検口は、前記外側壁における前後方向他方側の領域に位置する状態で形成され、
前記扉は、前記扉のうち前後方向で前記吐出部が設けられた側とは反対側部分の設定された縦向き軸芯周りで揺動開閉可能に支持されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、穀粒タンクの点検口は、外側壁の前後方向における一部に開口されているため、穀粒タンクに対してスペースの広い側からアクセスでき、かつ、前後方向における点検口の占有領域を比較的狭くすることができる。そのため、点検口を開くための作業が大掛かりとなることを抑制できる。更に、当該点検口は、扉により開閉するように構成されている。そのため、点検口の開閉を容易に行うことが可能となる。従って、本発明によれば、穀粒タンクの内部をメンテナンスする際に必要な点検口の開閉が容易であるため、当該メンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
本構成によれば、点検口と吐出部とが側面視で重複していないため、それぞれが配置されるための空間を確実性高く確保することができる。これにより、例えば、点検口を開閉する扉が、穀粒タンクの内側に向かって揺動する内開き形状である場合であっても、開く扉が穀粒タンク内部に設けられた吐出部と干渉することを避けることができる。更には、吐出部の周辺に、穀粒の状態を測定するための各種装置が設けられている場合であっても、このような装置と扉との干渉も避けることができる。従って、本発明によれば、吐出部の周辺においてメンテナンスするための空間を確保し易くなり、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0010】
本発明において、
前記吐出部は、前記穀粒タンクの内部における前方領域に配置されており、
前記点検口は、前記外側壁における後方領域に配置されていると好適である。
【0011】
本構成によれば、吐出部と点検口とを、前後方向における異なる位置に配置することが可能となる。これにより、例えば、吐出部及びその周辺の装置等のメンテナンスを行う場合に、これらに対して後方からアクセスすることが可能となり、よりメンテナンスを行い易い状況をつくることができる。
【0012】
本発明において、
前記扉は、前記点検口の縁部に当接する当接部を有し、
前記扉の閉鎖状態において、前記当接部と前記縁部とは、シール部材を介して当接していると好適である。
【0013】
本構成によれば、扉の閉鎖状態において、点検口の縁部と扉の当接部とがシール部材を介して当接しているため、穀粒タンクの密閉性を確実性高く確保することができる。
【0014】
本発明において、
前記扉は、前記点検口よりも大きく形成されており、
前記当接部は、前記縁部に対して前記穀粒タンクの内側から当接していると好適である。
【0015】
本構成によれば、扉の当接部が点検口の縁部に対して穀粒タンクの内側から当接しているため、穀粒タンクの内部に蓄積された穀粒によって、穀粒タンクの外側に向けて作用する圧力が高まった場合であっても、この圧力によって扉が脱落することを抑制することができる。従って、本構成によれば、穀粒タンクの内部の圧力に対する耐久性の高い扉を実現可能となる。
【0016】
本発明において、
前記扉は、前記外側壁の外面に対して面一に配置されていると好適である。
【0017】
例えば、本構成と異なり扉が外側壁の外面に対して外側又は内側に配置されている場合であって、コンバインが強風にあおられた場合等には、当該扉に対して空気抵抗が局所的に掛かり、扉が破損又は脱落することがある。しかし、本構成によれば、扉を含む外側壁の外面に掛かる空気抵抗を均一にすることができ、ひいては、扉の破損や脱落等を抑制することができる。また、扉を含む外側壁の外面が面一であることから、例えば、外側壁の周辺で作業する作業者の安全性など、外側壁の周辺における安全性の向上を図ることができる。
【0018】
本発明において、
前記扉に、前記穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部が形成され、
前記凹部に、前記扉を開閉するためのハンドルが設けられていると好適である。
【0019】
本構成によれば、ハンドルが、穀粒タンクの内側に向けて窪む凹部に設けられているため、当該ハンドルが外側壁の外面から外側に突出することを抑制することができる。これにより、外側壁の周辺における安全性の更なる向上を図ることができる。
【0020】
本発明において、
前記凹部は、内側に向かって窄まる内窄まり形状に形成されていると好適である。
【0021】
本構成によれば、凹部におけるエッジの角度を緩やかにすることができ、ハンドルの操作を安全に行うことが可能となる。
【0022】
本発明において、
前記点検口は、上下方向に沿う縦長形状に形成されていると好適である。
【0023】
点検口が縦長形状であると、作業者は無理のない姿勢で穀粒タンクに出入りすることができる。従って、本構成によれば、穀粒タンクへの出入りを、点検口を介して容易に行うことができる。
【0024】
本発明において、
前記穀粒タンクに、下窄まり形状に形成され、貯留された穀粒を前記穀粒タンクから排出する底スクリューが配置された下側タンク部と、前記下側タンク部の上側に設けられた上側タンク部と、が備えられ、
前記点検口は、前記上側タンク部のうち前記外側壁を構成する部分における上部から下部に亘って形成されていると好適である。
【0025】
本構成によれば、点検口が上側タンク部に形成されているため、下窄まり形状である下側タンク部に亘って点検口を形成する場合に比べて、簡便に点検口を設け易い。更には、このような点検口を開閉する扉の設置も、簡便に行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】コンバインの平面図である。
図2】コンバインの右側面図である。
図3】背面視におけるコンバインの要部断面図である。
図4】右側面視におけるコンバインの要部断面図である。
図5】平面視におけるコンバインの要部断面図である。
図6】穀粒タンクの斜視図である。
図7】平面視における穀粒タンクの要部拡大断面図である。
図8】背面視における穀粒タンクの要部拡大断面図である。
図9】穀粒タンクの内側における要部を示す左側面視図である。
図10】右側面視における天井点検口の周辺を示す要部断面図である。
図11】平面視における下側カバーの連結機構を示す要部断面図である。
図12】背面視における下側カバーの連結機構を示す要部断面図である。
図13】別実施形態に係るコンバインの右側面視図である。
図14】別実施形態に係るコンバインの右側面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態の一例として、本発明が普通型コンバインに適用された場合を例に、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、特に断らない限り、コンバインの進行方向を前側として「前後方向」及び「左右方向」を定義するものとする。
【0028】
〔コンバインの概略構成〕
図1及び図2に示すように、コンバイン100は、機体フレームFに支持された左右一対のクローラ式走行装置Cにより走行する。図示の例では、コンバイン100は普通型として構成されており、圃場に植立するイネ、大豆、そば等の作物を収穫可能である。
【0029】
コンバイン100には、植立穀稈を刈り取る刈取部1と、刈り取られた植立穀稈を脱穀処理する脱穀装置2と、脱穀装置2と横並び状態で設けられ、脱穀装置2によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク4と、穀粒タンク4に貯留された穀粒を排出するアンローダAと、これらの各装置を含むコンバイン100の全体を操作するための運転部Dと、が備えられている。なお、以下の説明では、刈取部1によって刈り取られた作物がアンローダAによって排出されるまでの流れに基づいて、「上流側」及び「下流側」を定義するものとする。
【0030】
〔刈取部〕
図1及び図2に示すように、刈取部1は、機体フレームFの前側に設けられている。刈取部1は、左右方向に沿う軸心周りで上下方向に昇降可能に構成されている。刈取部1は、コンバイン100の旋回時などの非収穫作業時には上昇状態となり、収穫作業時には圃場面に近接した下降状態となる。
【0031】
刈取部1には、植立穀稈を梳き分けるデバイダ11と、回転駆動されることにより植立穀稈を後方へ掻き込む掻込リール12と、掻込リール12によって掻き込まれた植立穀稈を刈り取る切断装置13と、切断装置13によって刈り取られた刈取穀稈を後方の脱穀装置2へ搬送する横送り装置14及び搬送装置15と、が備えられている。
【0032】
〔脱穀装置〕
図1に示すように、脱穀装置2は、刈取部1の後方であって機体フレームFの左部に設けられている。脱穀装置2は、収穫された作物を脱穀処理する。詳細には、脱穀装置2は、刈取部1によって刈り取られた刈取穀稈を脱穀して、一番物としての穀粒を得る。脱穀により得られた穀粒は、脱穀装置2が備える一番物回収部22によって回収されると共に、一番物搬送部3に搬送される(図3も参照)。
【0033】
〔一番物搬送部〕
図3に示すように、一番物搬送部3は、脱穀装置2からの穀粒を穀粒タンク4に搬送する。一番物搬送部3には、穀粒を上方に搬送する揚穀装置31と、上方に搬送された穀粒を横送りして穀粒タンク4の内部に搬送する横送り部32と、が備えられている。これにより、穀粒タンク4の上方領域に穀粒を搬送することができる。
【0034】
揚穀装置31は、駆動スプロケットと従動スプロケットとに亘って巻き掛けられた無端回動チェーンの外周側に複数のバケットが備えられたバケット式に構成されている。揚穀装置31の下流側の端部(上端部)は、横送り部32の上流側の端部(左端部)に接続されている。
【0035】
横送り部32は、穀粒タンク4の内側壁4Wiを貫通している。これにより、横送り部32の下流側の端部(右端部)が穀粒タンク4の内部に配置される。横送り部32には、ケーシング33に覆われて穀粒を下流側に搬送するスクリュー部34と、横送り部32における下流側の端部に配置されて回転羽根36の回転作用により穀粒タンク4の内部に穀粒を吐出する吐出部35と、が備えられている。
【0036】
図4及び図5に示すように、回転羽根36は、左右方向に沿う軸心周りに回転する。このため、回転羽根36の回転作用によって吐出部35から吐出される穀粒は、穀粒タンク4の内部における後方側に投擲される。図4に示す例では、吐出部35は、斜め上方に向けて後方側に穀粒を吐出する。横送り部32によって搬送される穀粒の一部は、測定装置Sによる測定対象となる。
【0037】
〔測定装置〕
図3図5に示すように、測定装置Sは、穀粒タンク4の内部に配置されており、より詳細には、吐出部35の周辺に配置されている。測定装置Sは、穀粒タンク4に搬送される穀粒の状態を測定する。測定装置Sには、穀粒タンク4に搬送される穀粒の流量を測定する流量測定装置S1と、水分やタンパクなどの穀粒成分を測定する食味測定装置S2と、が含まれる。
【0038】
〔アンローダ〕
図1及び図2に示すように、アンローダAは、穀粒タンク4に貯留された穀粒を排出口A3から排出する。アンローダAには、穀粒タンク4の底スクリュー4Sによって穀粒タンク4の外部に搬送された穀粒を上方に縦送りする縦送りスクリューコンベアA1と、縦送りスクリューコンベアA1に接続されて当該縦送りスクリューコンベアA1によって搬送された穀粒を排出口A3に横送りする横送りスクリューコンベアA2と、が備えられている。アンローダAは、縦送りスクリューコンベアA1を中心とする上下軸心周りに旋回可能に構成されている。
【0039】
以上説明したコンバイン100では、穀粒タンク4の内部のメンテナンスが定期的に行われる。前述したように、穀粒タンク4の内部には、穀粒を吐出する吐出部35や穀粒の状態を測定する測定装置Sが備えられており、例えば、これらについてもメンテナンスの対象となる。以下、穀粒タンク4及びその周辺の構成について詳細に説明する。
【0040】
〔穀粒タンク及びその周辺の構成〕
図1及び図2に示すように、穀粒タンク4は、当該穀粒タンク4よりも後方側に設けられた上下軸心周りに、左右方向に回動可能に構成されている。これにより、穀粒タンク4は、脱穀装置2に隣接して当該脱穀装置2からの穀粒を受け取ることが可能な作業位置と、脱穀装置2から離間すると共に機体フレームFからはみ出して当該脱穀装置2の右側方を開放するメンテナンス位置と、に位置変換可能に構成されている。穀粒タンク4がメンテナンス位置にある状態で、脱穀装置2やアンローダAなど、穀粒タンク4の周辺機器のメンテナンスを好適に行うことができる。なお、以下では、特に断らない限り、穀粒タンク4が作業位置にある状態を主として説明する。
【0041】
図1に示すように、穀粒タンク4は、前後方向を長手方向とする箱状に形成されている。穀粒タンク4は、天板4Cと、天板4Cの縁から下方に延出する複数の側壁4Wと、を含んで構成されている。天板4Cと複数の側壁4Wとにより囲まれて、穀粒タンク4の内部空間が形成されている。
【0042】
天板4Cの後部には、後方側に向かって下方に傾斜する天板傾斜部4Caが形成されている。これにより、穀粒タンク4の後方側に配置されたアンローダAが旋回する際に、当該アンローダAと穀粒タンク4とが干渉することを抑制することができる。
【0043】
複数の側壁4Wには、穀粒タンク4の前方に配置される前側壁4Wfと、左右方向において脱穀装置2とは反対側に配置される外側壁4Woと、外側壁4Woに対して左右方向において対向するように配置される内側壁4Wiと、前側壁4Wfに対して前後方向において対向するように配置される後側壁4Wrと、が含まれる。
【0044】
前側壁4Wfは、前後方向において運転部Dと隣接するように配置されている。内側壁4Wiは、左右方向において脱穀装置2と隣接するように配置されている。後側壁4Wrは、前後方向においてアンローダAと隣接するように配置されている。外側壁4Woは、コンバイン100の左右方向において最も外側に配置される外側部分の一部である。
【0045】
図3及び図6に示すように、穀粒タンク4には、下窄まり形状に形成され、貯留された穀粒を穀粒タンク4から排出する底スクリュー4Sが配置された下側タンク部4Lと、下側タンク部4Lの上側に設けられた上側タンク部4Uと、が備えられている。上側タンク部4Uは、天板4C及び複数の側壁4Wによって構成されている。
【0046】
図4図6等に示すように、穀粒タンク4の複数の側壁4Wのうち、左右方向において脱穀装置2と反対側に位置する外側壁4Woに、外側壁4Woの前後方向における一部に開口された点検口41と、当該点検口41を開閉する扉43と、が備えられている。
【0047】
点検口41は、上下方向に沿う縦長形状に形成されている。これにより、穀粒タンク4の内部のメンテナンスが行われる際に、作業者が無理のない姿勢で穀粒タンク4に出入りすることが可能となる。本実施形態では、点検口41は、上側タンク部4Uのうち外側壁4Woを構成する部分における上部から下部に亘って形成されている。
【0048】
図4及び図5に示すように、穀粒タンク4の内部には、脱穀装置2からの穀粒が吐出される吐出部35が設けられている。吐出部35は、穀粒タンク4の内部における前方領域に配置されている。前述したように、本実施形態では、吐出部35は、回転羽根36によって後方側に穀粒を投擲するように構成されている。そのため、このような吐出部35が穀粒タンク4の内部における前方領域に配置されていることで、前方領域から後方側に向けて穀粒を投擲可能となり、穀粒タンク4の内部において満遍なく穀粒を貯留することが可能となる。但し、この構成に限らず、吐出部35は、前後方向における中間の領域に配置されていても良い。
【0049】
図4に示すように、点検口41は、側面視で吐出部35と重複しない位置に配置されている。これにより、穀粒タンク4の内部のメンテナンスが行われる際に、作業者は、吐出部35及びその周辺の測定装置S等が存在しない広い空間を利用して、穀粒タンク4の内部に入ることができる。本実施形態では、点検口41は、外側壁4Woにおける後方領域に配置されている。但し、点検口41は、側面視で吐出部35と重複しない位置に配置されていれば良く、例えば、外側壁4Woにおける前方領域または中間領域に配置されていても良い。
【0050】
図4に示すように、扉43は、点検口41よりも大きく形成されている。また、図5及び図7等に示すように、扉43は、内開き状に構成され、点検口41の縁部42に穀粒タンク4の内側から当接して点検口41を塞ぐ。これにより、穀粒タンク4の内部に蓄積された穀粒によって穀粒タンク4の外側に向けて作用する圧力が高まった場合であっても、この圧力によって扉43が脱落することを抑制することができる。
【0051】
本実施形態では、扉43は、その後部がヒンジ部43Eによって上下軸周りに揺動自在に支持された片開き式の開き戸として構成されている。これにより、点検口41が外側壁4Woにおける後方領域に配置された構成において、扉43を開いた際における穀粒タンク4の内部空間を広く確保可能となる。但し、この構成に限らず、扉43は、その前部がヒンジ部43Eによって支持された構成であっても良い。また、扉43は、片開き式に限らず、両開き式の開き戸として構成されていても良い。
【0052】
図7に示すように、扉43は、外側壁4Woの外面4Fに対して面一に配置される面部43Aと、穀粒タンク4の内側に向けて屈曲する屈曲部43Bと、を有している。面部43Aは、扉43の大部分を占めている。そのため、扉43は、全体として、外側壁4Woの外面4Fに対して面一に配置されている。
【0053】
扉43は、点検口41の縁部42に当接する当接部43Cを有している。当接部43Cは、屈曲部43Bに連続して形成され、点検口41の縁部42と対向するように配置されている。これにより、当接部43Cと縁部42とが当接可能となっている。本実施形態では、扉43の閉鎖状態において、当接部43Cと縁部42とは、シール部材99を介して当接している。また、図7に示す例では、シール部材99は、扉43の閉鎖状態において、当接部43Cを左右方向で挟み込むようにして一対設けられている。
【0054】
当接部43Cは、縁部42に対して穀粒タンク4の内側から当接している。本実施形態では、当接部43Cは、扉43の周縁の全周に亘って設けられ、縁部42の全体に亘って当接している。
【0055】
図6及び図7に示すように、扉43には、穀粒タンク4の内側に向けて窪む凹部43Dが形成されている。凹部43Dには、扉43を開閉するためのハンドル44が設けられている。本実施形態では、ハンドル44は、レバー式に構成されている。但し、この構成に限らず、ハンドル44は、スポーク式に構成されていても良い。
【0056】
図8に示すように、凹部43Dは、内側に向かって窄まる内窄まり形状に形成されている。本実施形態では、凹部43Dは、面部43Aと平行で、且つ、当該面部43Aよりも穀粒タンク4の内側に配置されたハンドル設置部43Daと、ハンドル設置部43Daの上下縁のそれぞれから傾斜して面部43Aに連結する傾斜部43Dbと、を有している。これにより、凹部43Dは、穀粒タンク4の内側に向かって上下方向に窄まる内窄まり形状となっている。ハンドル設置部43Daには、ハンドル44が貫通して設けられている。
【0057】
図9に示すように、扉43における穀粒タンク4の内側の部分には、複数のリブ部46が形成されている。これにより、穀粒タンク4の内部の圧力に対する扉43の耐久性を向上させることができる。
【0058】
複数のリブ部46は、上下方向に沿って形成される複数の縦リブ部46Aと、水平方向に沿って形成される複数の横リブ部46Bと、を有して構成されている。図示の例では、縦リブ部46Aは扉43の内側に4つ形成されており、横リブ部46Bは扉43の内側に2つ形成されている。
【0059】
複数の縦リブ部46Aのうちの一部(2つ)は、凹部43Dを挟んだ位置に配置されている。本実施形態では、凹部43Dを挟んだ位置に配置された一対の縦リブ部46Aが、凹部43Dの一部を構成している。すなわち、図7及び図8に示すように、本実施形態では、凹部43Dは、ハンドル設置部43Daと、ハンドル設置部43Daの上下縁のそれぞれに連続する一対の傾斜部43Dbと、ハンドル設置部43Daの側縁のそれぞれに連続する一対の縦リブ部46A(一対の縦リブ部46Aの一部)と、から構成されている。図8に示すように、ハンドル設置部43Da及び一対の傾斜部43Dbは、屈曲した一枚の板体として構成されており、これにより、上下方向に連続するように形成されている。そして、扉43の内側に形成された一対の縦リブ部46Aによって、当該板体の側縁のそれぞれが覆われることにより、凹部43Dが形成されている。
【0060】
図9に示すように、複数の横リブ部46Bは、扉43における上下の縁のそれぞれに配置されている。本実施形態では、複数の横リブ部46Bのうち、扉43の上縁に配置された横リブ部46Bは、複数の縦リブ部46Aすべての上端部と連結している。また、複数の横リブ部46Bのうち、扉43の下縁に配置された横リブ部46Bは、複数の縦リブ部46Aすべての下端部と連結している。換言すれば、一対の横リブ部46Bは、複数の縦リブ部46Aを上下方向から挟み込むように配置されている。
【0061】
図7図9に示すように、穀粒タンク4の内部には、閉鎖状態の扉43をロックするロック機構5が備えられている。本実施形態では、扉43を開閉するためのハンドル44とロック機構5とが、連動するように構成されている。これにより、扉43の外側からハンドル44を介してロック機構5を操作することができる。
【0062】
ロック機構5は、扉43の内側に設けられたロックバー53と、外側壁4Woの内側に設けられてロックバー53を固定する固定ステー54と、を有している。ロックバー53が固定ステー54に固定されることにより、扉43がロックされる。
【0063】
また、ロック機構5は、ハンドル設置部43Daを貫通するハンドル軸部44Aを回転自在に支持する軸受部51と、ハンドル軸部44Aに連結すると共にロックバー53と連結する連結部材52と、を有している。本実施形態では、ハンドル軸部44A(ハンドル44)と連結部材52とは、ボルトによって固定されており、共に一体回転する。また、連結部材52とロックバー53とは、溶接によって固定されており、共に一体回転する。従って、ハンドル44とロックバー53とは、連結部材52を介して、ハンドル軸部44Aの軸心周りに一体回転するように構成されている(図9参照)。
【0064】
図9に示すように、本実施形態では、ハンドル44が水平姿勢の状態で、ロックバー53が、水平方向に沿うロック姿勢となる。より詳細には、ハンドル44が回転軸心から後方側に延びる水平姿勢の状態で、ロックバー53が、回転軸心から水平方向に沿って前方側に延びるロック姿勢となる。
【0065】
また、ハンドル44が鉛直姿勢の状態で、ロックバー53が、鉛直方向に沿うロック解除姿勢となる。より詳細には、ハンドル44が回転軸心から上方側に延びる鉛直姿勢の状態で、ロックバー53が、回転軸心から鉛直方向に沿って下方側に延びるロック解除姿勢となる。
【0066】
図8及び図9に示すように、本実施形態では、固定ステー54は、ロックバー53よりも上方に配置されている。また、固定ステー54は、左右方向に沿って形成された調整長孔55を介してボルトにより固定されている(図8参照)。これにより、固定ステー54の配置位置を左右方向に調整することができる。固定ステー54は、外側壁4Woから穀粒タンク4の内側に距離を置いた位置において下方に突出する突起部54Aを有している。
【0067】
ロックバー53がロック解除姿勢の状態で、扉43が開放位置から閉鎖位置に揺動すると(図5の実線で示される位置が閉鎖位置であり、仮想線で示される位置が開放位置である)、当該ロックバー53は、固定ステー54の突起部54Aよりも外側壁4Wo側に配置される状態となる。この状態から、ハンドル44を操作してロックバー53をロック姿勢にすると、ロックバー53は、外側壁4Woと固定ステー54の突起部54Aとによって、左右方向の両側から挟まれる状態となる(図8参照)。これにより、ロックバー53の揺動が規制され、扉43は、開く方向への揺動が規制されたロック状態となる。
【0068】
なお、調整長孔55によって固定ステー54の配置位置を左右方向に調整することで、扉43のロック状態の程度を調整することができる。例えば、固定ステー54を右側(外側壁4Wo側)に寄せて配置することで、ロックバー53と突起部54Aとを強く当接させることができ、扉43の揺動がより強く抑制されたロック状態とすることができる。
【0069】
また、図8に示すように、固定ステー54には、ロック解除姿勢からロック姿勢となるロックバー53を案内するロックバー案内部54Bが備えられている。これにより、扉43をロックするための操作が容易となっている。本実施形態では、ロックバー案内部54Bは、突起部54Aの一部に形成されており、突起部54Aの下端部から上方に向かって外側壁4Wo側に傾斜している。
【0070】
図8及び図9に示すように、穀粒タンク4の内部には、閉鎖状態の扉43を支持する支持機構6が備えられている。支持機構6は、扉43の内側に設けられた支持バー61と、外側壁4Woの内側に設けられて支持バー61を支持する支持ステー62と、を有している。支持バー61が支持ステー62に支持されることにより、扉43が支持される。
【0071】
支持バー61は、凹部43Dを構成する一対の縦リブ部46Aのそれぞれを前後方向に貫通して設けられている。本実施形態では、支持バー61は、水平方向に沿う姿勢となるように、凹部43Dを構成する一対の縦リブ部46Aのそれぞれを貫通している。
【0072】
支持ステー62は、支持バー61よりも下方に配置されている。また、支持ステー62は、外側壁4Woから穀粒タンク4の内側に向かって突出する突起状に形成されている。本実施形態では、支持ステー62は、支持バー61を下方から支持可能に構成されている。
【0073】
扉43が開放位置から閉鎖位置に揺動すると、支持バー61は、平面視において支持ステー62と重複する被支持位置に配置される状態となる。また、この状態において、支持バー61は、支持ステー62に対して上方から接触する。これにより、支持ステー62が支持バー61を下方から支持する状態となり、支持バー61を介して、閉鎖状態の扉43が支持される。
【0074】
なお、図8に示すように、支持ステー62には、扉43が開放位置から閉鎖位置に揺動する過程で、支持バー61を被支持位置に案内する支持バー案内部62Aが備えられている。本実施形態では、支持バー案内部62Aは、支持ステー62の一部に形成されており、支持ステー62における穀粒タンク4の内側端部から外側壁4Wo側に向かって上方に傾斜している。これにより、例えば、自重により扉43が下方に傾いている場合であっても、支持バー案内部62Aによって扉43を一旦持ち上げることができ、閉鎖位置として適切な位置に扉43を配置させることが可能となる。
【0075】
図7及び図9に示すように、穀粒タンク4の内部には、穀粒タンク4の内側に開いた扉43が開き過ぎによって穀粒タンク4と干渉することを抑止する戸当たり機構7が備えられている。本実施形態では、戸当たり機構7は、穀粒タンク4の内部において上下の2箇所に備えられている。戸当たり機構7は、扉43の開き過ぎを抑止するストッパ71と、扉43が開く限界位置においてストッパ71と接触するストッパ受部73と、を有している(図5も参照)。
【0076】
ストッパ71は、外側壁4Wo側に設けられている。本実施形態では、ストッパ71は、ストッパ支持部72を介して外側壁4Woに設けられている。ストッパ71におけるストッパ受部73と接触する部分は、前方を向くように配置されている。ストッパ71は、例えば、ゴム製であるなど、緩衝作用を有していると好適である。
【0077】
ストッパ受部73は、扉43側に設けられている。本実施形態では、ストッパ受部73は、扉43を揺動自在に支持するヒンジ部43Eに設けられている。ストッパ受部73は、ヒンジ部43Eの上下軸心周りに回転自在に構成されており、扉43と共に一体回転する。図7に示すように、本実施形態では、ストッパ受部73は、板状に形成されており、扉43の閉鎖状態において複数の縦リブ部46Aのうちの一部(本例では2つ)と当接している。より詳細には、ストッパ受部73の一方の面が、2つの縦リブ部46Aと当接している。ストッパ受部73の他方の面は、扉43が開く限界位置においてストッパ71と接触する(図5参照)。ストッパ受部73が縦リブ部46Aと当接していることで、ストッパ71との接触時におけるストッパ受部73の耐久性を向上させることができる。
【0078】
図6等に示すように、外側壁4Woには、当該外側壁4Woに開口された監視窓45と、当該監視窓45を開閉する小扉45Aと、が備えられている。本実施形態では、小扉45Aは、透明または半透明に構成されている。これにより、小扉45Aにより監視窓45が閉鎖された状態においても、当該監視窓45から穀粒タンク4の内部を監視することができる。また、必要に応じて、小扉45Aを開放することにより、穀粒タンク4の内部のメンテナンスを行うこともできる。但し、本実施形態では、監視窓45は、点検口41に比べて小さく形成されており、監視窓45を介しての穀粒タンク4への出入りは不可能に構成されている。これにより、外側壁4Woにおける開口部分(点検口41や監視窓45)が占める領域を必要以上に広げることを抑えることができるため、穀粒タンク4の耐久性の低下を抑止することができる。
【0079】
図6に示す例では、監視窓45は、点検口41の下部近傍に配置されている。これにより、穀粒タンク4の内部における点検口41の下部近傍の状態を監視することが容易となる。例えば、点検口41を閉鎖している状態の扉43を開放する場合、貯留されている穀粒の詰まりなど、扉43の開放の妨げとなる要因を当該扉43の開放前に認知することが可能となる。また、そのような場合、監視窓45を閉鎖する小扉45Aを開放することにより、詰まりを起こしている穀粒を排除するなど、扉43の開放の妨げとなっている要因を排除することも可能となる。例えば、監視窓45が配置される点検口41の下部近傍は、コンバイン100に乗車していない作業者(例えば圃場に立つ作業者)の目線の位置に配置されていると好適である。これによれば、作業者は、立った姿勢で、監視窓45から穀粒タンク4の内部を監視することが可能となる。
【0080】
本実施形態では、小扉45Aは、上下方向にスライドするスライド式に構成されている。これにより、点検口41に比べて開閉頻度が少なくなる監視窓45において、簡素な開閉構造とすることができる。但し、このような構成に限らず、小扉45Aは、前後方向にスライドするように構成されていても良い。更には、小扉45Aは、常に閉鎖状態である開閉不可能な構成とされていても良い。この場合であっても、小扉45Aは、透明または半透明に構成されているため、監視窓45を介して穀粒タンク4の内部を監視することが可能である。
【0081】
図6及び図10に示すように、天板4Cには、当該天板4Cに開口された天井点検口47と、当該天井点検口47を開閉する蓋47Aと、が備えられている。天井点検口47は、穀粒タンク4の内部に配置された吐出部35の近傍に配置されている。これにより、天井点検口47から、吐出部35及びその周辺の測定装置S等のメンテナンスを行うことが容易となる。本実施形態では、天井点検口47は、天板4Cにおける前方領域に配置されている。
【0082】
本実施形態では、蓋47Aは、その後部が蓋ヒンジ47Bによって水平軸周りに揺動自在に支持された片開き式の開き戸として構成されている。また、蓋47Aは、透明または半透明に構成されている。これにより、蓋47Aにより天井点検口47が閉鎖された状態においても、当該天井点検口47から穀粒タンク4の内部を視認することが可能となる。
【0083】
天井点検口47の後方側には、天井点検口47を補強するための補強部材48が設けられている。補強部材48は、左右方向に沿うリブ状に形成されている。ここで、前述したように、本実施形態では、吐出部35が、穀粒を斜め上方に向けて後方側に吐出するように構成されている。例えば、上記のような補強部材48が天板4Cの内面に設けられている場合には、補強部材48が天板4Cの内面から下方に突出する状態となる。この場合には、当該補強部材48が、上方に向けて後方側に吐出される穀粒の妨げとなり、穀粒タンク4の後方領域において穀粒が貯留されにくくなる事態が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、補強部材48は、天板4Cの外面に設けられている。これによれば、補強部材48が、吐出される穀粒の妨げとなることがないため、穀粒タンク4の後方領域において穀粒が貯留されにくくなる事態の発生を抑制することができる。
【0084】
図6に示すように、下側タンク部4Lを保護する下側カバー8が、左右方向における下側タンク部4Lの外側に備えられている。下側カバー8の上部と下部とが、下側タンク部4Lと連結している。下側カバー8の上部は、後述する連結機構9により下側タンク部4Lに対して着脱自在に構成されている。そして、下側カバー8は、下側カバー8の上部が下側タンク部4Lから外れた状態で、下側タンク部4Lと連結する下側カバー8の下部を回転中心として揺動可能に構成されている。
【0085】
下側カバー8は、外側壁4Woに対して面一に配置される壁面部8Aと、壁面部8Aの下端部に連続して形成され、下方に向かって内側に傾斜する斜面部8Bと、を有している(図3も参照)。
【0086】
図11及び図12に示すように、下側カバー8には、下側タンク部4Lに対して連結及び連結解除が可能な連結機構9が備えられている。図6に示す例では、連結機構9は、前後方向に離間して一対備えられている。
【0087】
図11及び図12に示すように、連結機構9は、下側タンク部4Lに設けられたバー97に係止することが可能な一対のフック92及び係止片93を有している。一対のフック92及び係止片93は、下側カバー8における壁面部8Aの内側に設けられている。
【0088】
壁面部8Aの外側には、取手部91が設けられている。取手部91は、一対のフック92と連動するように構成されている。取手部91が上方に揺動することで、一対のフック92は下方に揺動する。一対のフック92がバー97に係止している状態から取手部91を揺動させることで、一対のフック92が下方に揺動してバー97との係止が解除される。そして、下側カバー8の全体を左右方向における外側に揺動させることで、バー97に係止していた状態の係止片93も外れ、連結機構9による連結が解除される。
【0089】
このように、下側カバー8が揺動可能に構成されているため、壁面部8Aと下側タンク部4Lとが連結している状態であっても、壁面部8Aが外側壁4Woに対して揺動方向にずれて配置される可能性がある。このような場合には、壁面部8Aと外側壁4Woとが面一とならない場合がある。
【0090】
そこで、本実施形態では、図12に示すように、連結機構9が、下側カバー8の角度を調整可能に構成されている。
【0091】
図11に示すように、連結機構9には、下側タンク部4Lの外面に設けられた角ばったU字状のブラケット95と、ブラケット95における前後方向の両端部のそれぞれに設けられた板状の連結部96と、が備えられている。一対の連結部96は、左右方向における外側に突出して設けられている。バー97は、一対の連結部96のそれぞれを前後方向に貫通して設けられている。そして、前述のように、バー97に対して下側カバー8側に設けられた一対のフック92及び係止片93が係止することで、連結機構9が連結状態となる。
【0092】
ブラケット95と連結部96とは、これらを前後方向に一体的に貫通するボルト98によって連結されている。連結部96におけるボルト98の貫通部分には、下側タンク部4Lの傾斜部分に対して垂直な方向に沿って延びる調整長孔96Aが形成されている。ボルト98は、調整長孔96Aを前後方向に貫通することによって、連結部96を貫通している。これにより、連結部96は、調整長孔96Aが延びる方向に、ブラケット95との連結位置を調整可能となっている。そのため、一対の連結部96を貫通する状態で設けられるバー97の配置位置も調整長孔96Aが延びる方向に調整可能であり、当該バー97と壁面部8A(詳細には一対のフック92及び係止片93)との連結位置も調整可能となる。従って、下側カバー8の全体の角度を調整することができ、壁面部8Aと外側壁4Woとを面一に配置することが容易となっている。
【0093】
〔別実施形態〕
以下、本発明に係るコンバインの別実施形態について説明する。
【0094】
〔1〕上記の実施形態では、扉43が、点検口41の縁部42に穀粒タンク4の内側から当接している例について説明した。しかし、扉43は、穀粒タンク4の外側から、点検口41の縁部42に当接していても良い。
【0095】
〔2〕上記の実施形態では、扉43は、点検口41よりも大きく形成されている例について説明した。しかし、扉43は、点検口41の縁部42とは当接しない態様で、点検口41よりも小さく形成されていても良い。この場合には、点検口41の縁部42に、閉鎖位置にある扉43に当接するように構成された戸受けが設けられ、扉43の閉鎖状態において点検口41と扉43との大きさの差によって生じる隙間に、当該隙間を密閉するシール部材が設けられていると良い。
【0097】
〕上記の実施形態では、扉43は、縦長形状である例について説明した。例えば、図13に示すように、扉43の上縁は、穀粒タンク4の上面に形成された天板傾斜部4Caと平行となるように傾斜していても良い。この構成によれば、扉43が長方形状である場合に比べて、扉43の大きさを確保し易くなる。
【0098】
〕上記の実施形態では、監視窓45が、外側壁4Woに開口されている例について説明した。この監視窓45は、外側壁4Woに複数開口されていても良い。例えば、図14に示すように、監視窓45は、外側壁において、上下方向に離間した位置に一対開口されていても良い。この場合にも、下方側の監視窓45は、作業者の目線の高さに配置されていると好適である。
【0099】
〕上記の実施形態では、戸当たり機構7としてのストッパ71が外側壁4Wo側に設けられ、ストッパ受部73が扉43側に設けられている例について説明した。しかし、これらが設けられる位置は、逆であっても良い。すなわち、ストッパ71が扉43側に設けられ、ストッパ受部73が外側壁4Wo側に設けられていても良い。また、例えば、ストッパ71は、扉43の内側における揺動軸心から離れた箇所(例えばロック機構5の近傍)に設けられ、ストッパ受部73は、後側壁4Wrの内側に設けられていても良い。
【0100】
〕なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、穀粒タンクが備えられたコンバインに適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
100 :コンバイン
2 :脱穀装置
4 :穀粒タンク
4F :外側壁の外面
4L :下側タンク部
4S :底スクリュー
4U :上側タンク部
4W :側壁
4Wf :前側壁
4Wi :内側壁
4Wo :外側壁
4Wr :後側壁
5 :ロック機構
6 :支持機構
7 :戸当たり機構
8 :下側カバー
9 :連結機構
35 :吐出部
41 :点検口
42 :点検口の縁部
43 :扉
43A :面部
43B :屈曲部
43C :当接部
43D :凹部
44 :ハンドル
45 :監視窓
45A :小扉
46 :リブ部
46A :縦リブ部
46B :横リブ部
61 :支持バー
62 :支持ステー
62A :支持バー案内部
99 :シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14