(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱媒体を加熱する加熱源を有する熱源機と、前記熱媒体の供給対象部と前記熱源機との間で該熱媒体を循環させ得るように該供給対象部と該熱源機とを接続する循環流路と、該循環流路での前記熱媒体の循環を行わせるポンプとを備える熱源システムであって、
前記ポンプの周囲に配置された第1温度センサと、
該第1温度センサよりも前記ポンプから離れた箇所に配置された第2温度センサと、
前記循環流路の詰まりの発生を検知する詰まり検知手段とを備えており、
前記第1温度センサは、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該ポンプの発熱の影響を受けることによって、該第1温度センサが検出する温度が上昇するように前記ポンプに近接して配置されており、
前記第2温度センサは、前記循環流路における前記熱媒体の流通を正常に行い得る状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該第2温度センサが検出する温度が前記第1温度センサにより検出される温度と同等の温度に保たれ、且つ、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該第2温度センサが検出する温度が前記ポンプの発熱の影響を受けない箇所に配置されており、
前記詰まり検知手段は、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させた状態で、前記第1温度センサにより検出される温度と、前記第2温度センサにより検出される温度との温度差に基づいて、前記循環流路の詰まりの発生を検知するように構成されていることを特徴とする熱源システム。
熱媒体を加熱する加熱源を有する熱源機と、前記熱媒体の供給対象部と前記熱源機との間で該熱媒体を循環させ得るように該供給対象部と該熱源機とを接続する循環流路と、該循環流路での前記熱媒体の循環を行わせるポンプとを備える熱源システムであって、
前記ポンプの周囲に配置された第1温度センサと、
前記循環流路の詰まりの発生を検知する詰まり検知手段とを備えており、
前記第1温度センサは、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該ポンプの発熱の影響を受けることによって、該第1温度センサが検出する温度が上昇するように前記ポンプに近接して配置されており、
前記詰まり検知手段は、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させた状態で、前記第1温度センサにより検出される温度の変化に基づいて、前記循環流路の詰まりの発生を検知するように構成されていることを特徴とする熱源システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に見られる如き従来のシステムでは、温度センサにより検出される外気温が、循環流路の周囲の実際の温度に比して高めの温度となりやすい場合、あるいは、循環流路の周囲の実際の温度が、循環流路内の温水の凍結を早期に進行させてしまう程度に低温となった場合には、ポンプの作動を開始したときには、既に、循環流路内の温水の凍結、ひいては、該循環流路の詰まりが発生してしまっているという事態も起こり得る。
【0005】
この場合、ポンプを作動させても、循環流路での温水の流通が行われないため、暖房熱交換器による温水の加熱を行うと、該暖房熱交換器内の温水が急速に沸騰して、該暖房熱交換器の損傷等の不都合を生じる虞がある。
【0006】
そこで、循環流路での温水の凍結等に起因して該循環流路の詰まりが発生した場合には、そのことを検知し得ることが望まれる。
【0007】
ここで、例えば循環流路の温水の流量を検出し得る流量センサが循環流路に備えられている場合には、ポンプを作動させた状態での該流量センサの出力を観測することで、詰まりの発生の有無を検知することは可能である。
【0008】
ただし、循環流路に流量センサを備えると、温水の循環時のエネルギー損失が発生しやすいことから、ボイラ装置等の熱源システムでは、当該流量センサが備えられていない場合が多い。
【0009】
また、熱源システムの循環流路に新たに流量センサを搭載することは、熱源システムのエネルギー効率、あるいは、製品コストの点で不利である。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、流量センサを必要とせずに、凍結等に起因する循環流路の詰まりの発生を簡易に検知することができる熱源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の熱源システムは、上記の目的を達成するために、熱媒体を加熱する加熱源を有する熱源機と、前記熱媒体の供給対象部と前記熱源機との間で該熱媒体を循環させ得るように該供給対象部と該熱源機とを接続する循環流路と、該循環流路での前記熱媒体の循環を行わせるポンプとを備える熱源システムであって、
前記ポンプの周囲に配置された第1温度センサと、
該第1温度センサよりも前記ポンプから離れた箇所に配置された第2温度センサと、
前記循環流路の詰まりの発生を検知する詰まり検知手段とを備えており、
前記第1温度センサは、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該ポンプの発熱の影響を受けることによって、該第1温度センサが検出する温度が上昇するように前記ポンプに近接して配置されており、
前記第2温度センサは、前記循環流路における前記熱媒体の流通を正常に行い得る状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該第2温度センサが検出する温度が前記第1温度センサにより検出される温度と同等の温度に保たれ、且つ、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該第2温度センサが検出する温度が前記ポンプの発熱の影響を受けない箇所に配置されており、
前記詰まり検知手段は、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させた状態で、前記第1温度センサにより検出される温度と、前記第2温度センサにより検出される温度との温度差に基づいて、前記循環流路の詰まりの発生を検知するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
【0012】
なお、本発明において、「前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態」というのは、前記ポンプを作動させても、該循環流路での前記熱媒体の流量又は流速がゼロもしくはほぼゼロになる状態(換言すれば、前記ポンプを作動させても、該循環流路での前記熱媒体の流れが生じないか、もしくはほとんど生じない状態)を意味する。
【0013】
また、「前記第1温度センサにより検出される温度と同等の温度」というのは、第1温度センサにより検出される温度に一致もしくはほぼ一致する温度を意味する。
【0014】
また、「第2温度センサが検出する温度が前記ポンプの発熱の影響を受けない」というのは、前記ポンプで発生する熱が、前記第2温度センサの配置箇所には、ほとんど伝達されず、第2温度センサが検出する温度が、該ポンプの発熱に対する依存性を持たないか、もしくはほとんど持たないことを意味する。
【0015】
上記第1発明によれば、前記循環流路における前記熱媒体の流通を正常に行い得る状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたときには、前記温度差はゼロもしくはそれに近い値に保たれる。
【0016】
一方、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたときには、前記第1温度センサにより検出される温度と前記第2温度センサにより検出される温度とのうち、前記ポンプに近接している第1温度センサによる温度が、前記ポンプの発熱の影響によって上昇するために、前記温度差がある程度大きくなる。
【0017】
このため、前記詰まり検知手段は、前記温度差に基づいて、前記循環流路の詰まりの発生を適切に検知することができる。
【0018】
よって、第1発明によれば、流量センサを必要とせずに、凍結等に起因する循環流路の詰まりの発生を簡易に検知することができる。
【0019】
上記第1発明では、前記第1温度センサは、前記循環流路で前記熱源機から前記供給対象部に供給される前記熱媒体の温度である往き温度と、前記循環流路で前記供給対象部から前記熱源機に戻る前記熱媒体の温度である戻り温度とのうちの一方を検出するように前記循環流路に組付けられた温度センサであり、前記第2温度センサは、前記往き温度及び戻り温度のうちの他方を検出するように前記循環流路に組付けられた温度センサであることが好ましい(第2発明)。
【0020】
ここで、熱源システムは、一般に、前記加熱源による熱媒体の加熱量の制御のために、前記往き温度及び戻り温度をそれぞれ検出するための温度センサが備えられている。また、前記ポンプは、前記循環流路のうち、前記熱源機から前記供給対象部に熱媒体を供給する側の流路と、前記供給対象部から前記熱源機に熱媒体を戻す側の流路とのうちのいずかに介装されるので、通常、前記往き温度及び戻り温度をそれぞれ検出するための温度センサのうちの一方は、他方よりも前記ポンプの近くに配置されている。
【0021】
このため、第2発明によれば、熱源システムの既存の温度センサを使用することができ、低コスト且つ簡易に本発明の熱源システムを実現できる。
【0022】
また、循環流路内の熱媒体は、該循環流路を構成する配管の内部に閉じ込められているので、前記第1温度センサ及び第2温度センサによりそれぞれ検出される該熱媒体の温度(往き温度又は戻り温度)は安定性が高い。そのため、前記温度差に基づいて、循環流路の詰まりの発生を検知することの信頼性を高めることができる。
【0023】
上記第1又は第2発明では、前記詰まり検知手段は、例えば、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させることを開始してから、所定時間が経過した時の前記温度差を所定の閾値と比較することにより、前記循環流路の詰まりの発生を検知するように構成され得る(第3発明)。
【0024】
これによれば、循環流路の詰まりが発生している場合に、第1温度センサにより検出される温度が前記ポンプの発熱の影響によって十分に上昇した段階での前記温度差に基づいて、前記循環流路の詰まりの発生を検知することができるので、その検知の信頼性を高めることができる。
【0025】
また、本発明の熱源システムは、次のような態様を採用することもできる。すなわち、熱媒体を加熱する加熱源を有する熱源機と、前記熱媒体の供給対象部と前記熱源機との間で該熱媒体を循環させ得るように該供給対象部と該熱源機とを接続する循環流路と、該循環流路での前記熱媒体の循環を行わせるポンプとを備える熱源システムであって、
前記ポンプの周囲に配置された第1温度センサと、
前記循環流路の詰まりの発生を検知する詰まり検知手段とを備えており、
前記第1温度センサは、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたとき、該ポンプの発熱の影響を受けることによって、該第1温度センサが検出する温度が上昇するように前記ポンプに近接して配置されており、
前記詰まり検知手段は、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させた状態で、前記第1温度センサにより検出される温度の変化に基づいて、前記循環流路の詰まりの発生を検知するように構成されていることを特徴とする(第4発明)。
【0026】
なお、本発明において、「前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態」ということの意味は、第1発明と同様である。
【0027】
前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害された状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたときには、前記第1温度センサにより検出される温度は、前記ポンプの発熱の影響によって上昇する。
【0028】
一方、前記循環流路における前記熱媒体の流通を正常に行い得る状態で、前記加熱源を作動させずに、前記ポンプを作動させたときには、該ポンプで発生する熱は、その多くが循環流路内で流れる熱媒体によって搬送されるため、前記第1温度センサにより検出される温度は前記ポンプの発熱の影響をほとんど受けないものとなる。ひいては、該第1温度センサにより検出される温度は、前記循環流路における前記熱媒体の流通が阻害されている場合の如き上昇を生じないものとなる。
【0029】
このため、前記詰まり検知手段は、前記第1温度センサにより検出される温度の変化に基づいて、前記循環流路の詰まりの発生を適切に検知することができる。
【0030】
よって、第4発明によれば、第1発明と同様に、流量センサを必要とせずに、凍結等に起因する循環流路の詰まりの発生を簡易に検知することができる。
【0031】
上記第4発明では、前記第1温度センサは、前記循環流路で前記熱源機から前記供給対象部に供給される前記熱媒体の温度である往き温度と、前記循環流路で前記供給対象部から前記熱源機に戻る前記熱媒体の温度である戻り温度とのうちの一方を検出するように前記循環流路に組付けられた温度センサであることが好ましい(第5発明)。
【0032】
これによれば、前記第2発明と同様に、熱源システムの既存の温度センサを使用することができ、低コスト且つ簡易に本発明の熱源システムを実現できる。
【0033】
また、前記第1温度センサにより検出される熱媒体の温度は安定性が高いため、該温度の変化に基づいて、循環流路の詰まりの発生を検知することの信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の一実施形態を
図1〜
図4を参照して以下に説明する。本実施形態の熱源システム1は、例えばボイラ装置であり、その本体部としての熱源機2と、該熱源機2と暖房装置等の放熱器Hとの間で熱媒体としての温水を循環させ得るように、熱源機2と放熱器Hとを接続する循環流路10とを備える。なお、放熱器Hは、熱媒体(温水)の供給対象部の一例である。
【0036】
熱源機2には、バーナ3及び熱交換器4が収容された燃焼室5と、バーナ3に燃料ガスを供給する燃料供給路6とが搭載されている。燃焼室5の給気口5aには、バーナ3に燃焼用空気を供給する燃焼ファン7が取り付けられ、燃焼室5の排気口5bには、燃焼排ガスを熱源機2の外部に導く排気路8が接続されている。
【0037】
燃料供給路6の上流側は、熱源機2の外部において、図示を省略する燃料供給源の配管に接続されている。また、該燃料供給路6には、それを開閉する電磁弁6a,6bと、バーナ3への燃料ガスの供給量(流量)を調整する比例弁等の燃料流量制御弁6cとが介装されている。
【0038】
バーナ3は、循環流路10で循環させる温水(熱媒体)の加熱源である。該バーナ3は、燃焼ファン7を所定の回転数で作動させると共に、電磁弁6a,6bを開弁制御し、且つ、燃料流量制御弁6cの開度を所定の開度に制御した状態で、図示しない点火器を駆動することで点火されるようになっている。そして、バーナ3の燃焼運転中には、バーナ3への燃料ガスの供給量を燃料流量制御弁6cを介して制御すると共に、バーナ3への燃焼用空気の供給量を燃焼ファン7を介して制御することで、バーナ3の燃焼量を可変的に制御することが可能である。
【0039】
なお、バーナ3は、燃料ガスを燃焼させるバーナに限らず、灯油等の液体燃料を燃焼させるバーナであってもよい。
【0040】
熱交換器4は、循環流路10で循環させる温水を加熱するために、バーナ3の燃焼熱を該温水に伝熱する熱交換器であり、バーナ3の燃焼熱により加熱されるように燃焼室5内に配置されていると共に、循環流路10の途中部に介装されている。
【0041】
循環流路10は、熱交換器4から放熱器Hに温水を流す往路側流路10aと、放熱器Hから熱交換器4に温水を流す復路側流路10bとを含む。そして、循環流路10での温水の循環を行わせるポンプ11が、往路側流路10a及び復路側流路10bの一方、例えば復路側流路10bに熱源機2の内部で介装されている。
【0042】
また、循環流路10で熱交換器4から放熱器Hに供給される温水の温度(以降、往き温度という)を検出するための温度センサ12aと、放熱器Hから熱交換器4に戻ってくる温水の温度(以降、戻り温度という)を検出するための温度センサ12bとが、熱源機2の内部において、往路側流路10a及び復路側流路10bのそれぞれに組付けられている。以降、温度センサ12aを往路側温度センサ12a、温度センサ12bを復路側温度センサ12bということがある。
【0043】
ここで、本実施形態では、温度センサ12a,12bのうち、往路側温度センサ12aが本発明における第2温度センサに相当し、復路側温度センサ12bが本発明における第1温度センサに相当するものである。
【0044】
さらに詳細には、本実施形態では、ポンプ11と同じ側の流路(本実施形態では復路側流路10b)に組み付けられた温度センサである復路側温度センサ12b(第1温度センサ)は、ポンプ11の周囲の該ポンプ11に近接した箇所(図示例では、ポンプ11の吐出口側で該ポンプ11に近接した箇所)に配置されている。
【0045】
なお、本実施形態では、ポンプ11の近くに配置されている復路側温度センサ12bは、ポンプ11の吐出口側(下流側)に配置されているが、ポンプ11の吸入口側(上流側)に配置されていてもよい。
【0046】
また、循環流路10内の温水の凍結等に起因する循環流路10の詰まりによって、該循環流路10での温水の流通が阻害された状態(以降、温水循環阻害状態という)において、バーナ3の燃焼運転を行うことなく(熱交換器4での温水の加熱を行うことなく)、ポンプ11を作動させた場合には、循環流路10での温水の流量がゼロもしくはほぼゼロとなることから、該ポンプ11の作動により該ポンプ11で発生する熱は循環流路10内の温水によって搬送されないか、もしくはほとんど搬送されない状態となる。ひいては、ポンプ11の近くに配置されている復路側温度センサ12bが検出する戻り温度は、復路側温度センサ12bの配置箇所で循環流路10内に留まる温水の温度となり、該温度は、ポンプ11で発生する熱の影響を顕著に受ける。
【0047】
このため、上記温水循環阻害状態で、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を作動させた場合には、ポンプ11の近くに配置されている復路側温度センサ12bにより検出される戻り温度は、該ポンプ11の作動開始後、該ポンプ11の発熱の影響を受けて上昇していく。
【0048】
例えば、
図4の上側のグラフは、温水循環阻害状態(詳しくは、外気温が−10℃となっており、且つ、循環流路10内の温水の温度が20℃になっている状況での温水循環阻害状態)において、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を作動させた場合に、復路側温度センサ12bによる実際に検出された戻り温度の経時変化の一例を示している。図示の如く、復路側温度センサ12bにより検出された戻り温度は、ポンプ11の発熱の影響を受ける(ポンプ11で発生する熱が復路側温度センサ12bに伝達される)ことによって、ポンプ11の作動の開始後、顕著に上昇するものとなる。
【0049】
一方、往路側流路10aに組み付けられた往路側温度センサ12a(第2温度センサ)は、復路側温度センサ12bよりもポンプ11から十分に離れた箇所に配置されている。このため、該往路側温度センサ12aは、温水循環阻害状態において、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を作動させた場合に、該ポンプ11の発熱の影響をほとんど受けない(ポンプ11で発生する熱は、往路側温度センサ12aの配置箇所にはほとんど伝達されない)。
【0050】
このため、温水循環阻害状態において、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を作動させた場合に、往路側温度センサ12aにより検出される往き温度(往路側温度センサ12aの配置箇所で循環流路10内に留まる温水の温度)は、ポンプ11の発熱に応じた昇温を生じない。
【0051】
例えば、
図4の下側のグラフは、温水循環阻害状態(詳しくは、外気温が−10℃となっており、且つ、循環流路10内の温水の温度が20℃になっている状況での温水循環阻害状態)において、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を作動させた場合に、往路側温度センサ12aにより実際に検出された往き温度の経時変化の一例を示している。図示の如く、往路側温度センサ12aによる検出された往き温度は、ポンプ11の発熱の影響による昇温が生じないものとなる。この場合、
図4に示す例では、ポンプ11の作動開始時の温水の温度(20℃)よりも外気温(−10℃)が低いため、往路側温度センサ12aによる検出された往き温度が徐々に低下している。
【0052】
なお、バーナ3の燃焼運転とポンプ11の作動とを停止した定常状態では、往路側温度センサ12aにより検出される往き温度と、復路側温度センサ12bにより検出される戻り温度とは、熱源機2の周辺の雰囲気温度に一致もしくはほぼ一致する温度に収束する。
【0053】
また、循環流路10の詰まりが無く、該循環流路10での温水の流通を正常に行い得る状態で、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を作動させた場合には、循環流路10内の温水が加熱されることなく、連続的に流れる状態となるため、往路側温度センサ12aにより検出される往き温度と、復路側温度センサ12bにより検出される戻り温度とは互いに一致もしくはほぼ一致する温度に保たれる。
【0054】
図1に戻って、本実施形態の熱源システム1(ボイラ装置)は、さらに、熱源機2の作動制御を行う制御装置20と、熱源システム1の種々の運転操作を行うためのリモコン21とを備えている。
【0055】
リモコン21は、例えば熱源システム1の運転の起動又は停止、放熱器Hに供給する温水の目標温度の設定、熱源システム1の運転モードの設定等の運転操作を行い得るように構成されており、それらの運転操作を行うための複数の操作スイッチ等により構成される操作部21aと、各種情報を表示する表示器21bとを備える。
【0056】
そして、リモコン21は、制御装置20と相互に通信し得るように該制御装置20に有線接続されている。なお、リモコン21と制御装置20との間の通信方式は、有線通信に限らず、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等による無線通信であってもよい。
【0057】
制御装置20は、マイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成される。この制御装置20には、前記往路側温度センサ12a及び復路側温度センサ12bの検出信号が入力される。
【0058】
そして、制御装置20は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能として、前記電磁弁6a,6b、燃料流量制御弁6c、燃焼ファン7及び点火器(図示省略)の作動制御を通じてバーナ3の燃焼運転を制御する機能と、ポンプ11の作動を制御する機能とを有することに加えて、循環流路10の詰まりを検知する詰まり検知部20aとしての機能を含む。該詰まり検知部20aは、本発明における詰まり検知手段に相当する機能部である。
【0059】
なお、本実施形態では、詰まり検知部20aが検知する詰まりは、循環流路10内の温水の凍結に起因する該循環流路10の詰まりである。従って、詰まり検知部20aは、換言すれば、循環流路10内の温水の凍結を検知する凍結検知部としての機能を持つものである。
【0060】
次に、詰まり検知部20aによる詰まりの検知(凍結検知)に関する熱源システム1の作動を説明する。
【0061】
本実施形態では、制御装置20は、循環流路10内の温水の凍結を予防する処理(以降、凍結予防処理という)を実行するとき、あるいは、熱源システム1の起動時(電源投入の直後)において、詰まり検知部20aの処理を実行する。
【0062】
凍結予防処理は、熱源システム1が起動されている状態(熱源システム1に電源電力が付与されている状態)で、バーナ3の燃焼運転及びポンプ11の作動が停止されている場合に、
図2のフローチャートに示す如く実行される。
【0063】
制御装置20は、STEP1において、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度が、所定温度T1(例えば4℃)よりも低温であるか否かを判断する。この判断結果が否定的となる状況は、往き温度が所定温度T1(4℃)以上の温度となっている状況であるので、循環流路10内の温水の凍結が発生するような状況では無いとみなし得る。
【0064】
このため、STEP1の判断結果が否定的となる場合には、制御装置20は、STEP1の判断処理を逐次繰り返す。
【0065】
冬季等において、STEP1の判断結果が肯定的になる場合がある。この場合には、循環流路10内のいずれかの箇所で温水の凍結が発生しているか、もしくは、近々、凍結が発生する虞があるので、制御装置20は、次に、凍結の発生を予防するために、STEP2からの処理を実行する。
【0066】
STEP2では、制御装置20は、ポンプ11の作動を開始させる。この時、循環流路10で温水が流れ得る状態であれば、循環流路10での温水の循環が開始される。
【0067】
次に、STEP3において、制御装置20は、ポンプ11の作動の開始後、所定時間(例えば5分)が経過したか否かの判断処理を逐次実行し、該所定時間が経過すると(STEP3の判断結果が肯定的になると)、次にSTEP4の判断処理を実行する。このSTEP4の判断処理が、凍結の発生(詳しくは、凍結の発生に起因する循環流路10の詰まり)を検知するために、前記詰まり検知部20aが実行する処理である。
【0068】
具体的には、このSTEP4では、詰まり検知部20aは、往路側温度センサ12a及び復路側温度センサ12bによりそれぞれ検出された現在の往き温度及び戻り温度の検出値を取得する。そして、戻り温度の検出値と、往き温度の検出値との温度差(=戻り温度−往き温度)が、所定の閾値T2(例えば10℃)よりも大きいか否かを判断する。
【0069】
ここで、循環流路10での温水の凍結が発生している状態は、前記温水循環阻害状態であるので、前記した如く、ポンプ11の発熱の影響によって、ポンプ11の近くの復路側温度センサ12bにより検出される戻り温度が昇温する一方、ポンプ11から離れた往路側温度センサ12aにより検出される往き温度はポンプ11の発熱の影響による昇温を生じない。
【0070】
また、前記STEP1の判断結果が肯定的となる状況では、その時点以前に、バーナ3の燃焼運転とポンプ11の作動とが定常的に停止されているので、STEP2でポンプ11の作動を開始した時点では、往路側温度センサ12aの配置箇所での循環流路10内の温水の温度(往き温度)と、復路側温度センサ12bの配置箇所での循環流路10内に温水の温度(戻り温度)との両方の温度は、熱源機2の周辺の雰囲気温度と同等の温度(該雰囲気温度に一致もしくはほぼ一致する温度)になっている。
【0071】
そして、往路側温度センサ12aにより検出される往き温度は、ポンプ11の作動開始後の発熱の影響を受けないので、該往き温度は、ポンプ11の作動の開始後、熱源機2の周辺の雰囲気温度と同等の温度に保たれる。
【0072】
このため、循環流路10での温水の凍結が発生することによって、該循環流路10が温水循環阻害状態となっている場合には、ポンプ11の作動開始後、所定時間(5分)が経過した時点での上記温度差(=戻り温度−往き温度)は、ある程度大きな値となる。ひいては、STEP4の判断結果が肯定的になる。これにより、循環流路10での温水の凍結の発生が検知される。
【0073】
そして、このようにSTEP4の判断結果が肯定的になった場合(凍結の発生が検知された場合)には、制御装置20は、STEP5でポンプ11の作動を停止させ、さらに、STEP6において、凍結の発生が検知された旨を示すエラー報知をリモコン21に出力させる。このエラー報知は、例えばリモコン21の表示部21bで視覚的に行われ、あるいは、警報音もしくは音声により聴覚的に行われる。
【0074】
補足すると、凍結以外の要因で循環流路10の詰まりが発生している場合(例えば循環流路10内の異物によって詰まりが発生した場合、あるいは、循環流路10に備えられた手動バルブがユーザにより誤って閉弁された場合等)にも、STEP4の判断結果が肯定的になる。従って、STEP6で出力させるエラー報知は、循環流路10の詰まりが発生した旨を示すものであってもよい。
【0075】
凍結等に起因する循環流路10の詰まりが発生していない状況でポンプ11の作動を開始した場合には、該循環流路10での温水の循環が連続的に行われるので、STEP4で往路側温度センサ12aにより検出される往き温度と、復路側温度センサ12bにより検出される戻り温度とは互いに同等の温度になる。ひいては、STEP4の判断結果が否定的になる。
【0076】
この場合には、制御装置20は、次に、STEP7において、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度が所定温度T3(例えば2℃)よりも低いか否かを判断する。
【0077】
このSTEP7の判断結果が肯定的となる状況では、循環流路10での温水の凍結が進行する虞がある。このため、STEP7の判断結果が肯定的となる場合には、制御装置20は、STEP8において、ポンプ11の作動を継続したまま、バーナ3の燃焼運転を開始させ、該燃焼運転を所定時間だけ実行する。
【0078】
そして、制御装置20は、STEP8でのバーナ3の燃焼運転の終了後、STEP9において、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度が、前記STEP7での所定温度T3よりも高い所定温度T4(例えば3.5℃)を超える温度に達したか否かを判断する。
【0079】
循環流路10での温水の循環と、STEP8でのバーナ3の燃焼運転とが正常に行われた場合には、STEP9の判断結果が肯定的になるが、そうでない場合には、STEP9の判断結果が否定的になる。
【0080】
そこで、STEP9の判断結果が否定的になった場合には、制御装置20は、STEP10でポンプ11の作動を停止させ、さらに、STEP11において、異常の発生が検知された旨を示すエラー報知をリモコン21に出力させる。このエラー報知は、STEP6と同様に行われる。
【0081】
また、前記STEP7の判断結果が否定的であるからか、又はSTEP9の判断結果が肯定的である場合には、STEP12において、制御装置20は、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度が所定温度T5(例えば10℃)よりも低いか否かを判断する。そして、STEP12の判断結果が肯定的である場合には、制御装置20は、循環流路10での今後の凍結の発生を確実に予防し得るようにするために、ポンプ11の作動を継続したまま、STEP7からの処理を繰り返す。
【0082】
また、STEP12の判断結果が否定的である場合には、循環流路10内の温水の温度がさほど低くなく、該温水の凍結が早期に発生する虞はないとみなし得ることから、制御装置20は、STEP13でポンプ11の作動を停止させた後、STEP1からの処理を再開する。
【0083】
以上が熱源システム1が起動されている状態で、バーナ3の燃焼運転及びポンプ11の作動が停止されている場合に制御装置20により実行される制御処理である。
【0084】
次に、熱源システム1の起動時(電源投入の直後)において、制御装置20が実行する制御処理を説明する。該制御処理は、
図3のフローチャートに示す如く実行される。
【0085】
この場合、制御装置20は、STEP21において、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度が、所定温度T11(例えば1℃)よりも低温であるか否かを判断する。この判断結果が肯定的である場合には、制御装置20は、STEP22において、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を所定時間(例えば20秒間)だけ作動させる。
【0086】
そして、STEP22でのポンプ11の作動の停止後、制御装置20は、STEP23において、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度が、所定温度T12(例えば2℃)よりも低温であるか否かを判断する。このSTEP23の判断処理は、後述のSTEP27の判断処理と共に、詰まり検知部20aにより実行される処理である。
【0087】
このSTEP23の判断結果が肯定的となる場合には、循環流路10での温水の凍結が発生している可能性が高い。そこで、この場合には、制御装置20は、STEP24において、凍結の発生が検知された旨を示すエラー報知をリモコン21に出力させる。このエラー報知は、
図2のSTEP6と同様に行われる。
【0088】
また、STEP23の判断結果が否定的となる場合には、制御装置20は、次にSTEP26において、バーナ3の燃焼運転を行うことなく、ポンプ11を所定時間(例えば5分間)だけ作動させる。該所定時間は、STEP22でのポンプ11の作動時間(20秒間)よりも長い時間である。
【0089】
そして、STEP26でのポンプ11の作動の停止後、制御装置20は、STEP27において、復路側温度センサ12bにより検出された現在の戻り温度と、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度との温度差(=戻り温度−往き温度)が所定の閾値T2(例えば10℃)よりも大きいか否かを判断する処理を詰まり検知部20aにより実行する。該閾値T2は、
図2のSTEP4での所定温度と同じである。
【0090】
STEP27の判断結果が肯定的となる状況は、
図2のSTEP4の判断結果が肯定的となる状況と同様に、循環流路10での温水の凍結に起因する詰まりによって、該循環流路10が温水循環阻害状態となったために、ポンプ11の発熱の影響によって、復路側温度センサ12bにより検出される戻り温度の昇温が発生した状況である。
【0091】
このため、制御装置20は、STEP27の判断結果が肯定的となった場合(凍結の発生が検知された場合)には、前記STEP24において、凍結の発生が検知された旨を示すエラー報知をリモコン21に出力させる。
【0092】
また、STEP27の判断結果が否定的となった場合には、制御装置20は、循環流路10での温水の凍結が発生していないものとして、
図3のフローチャートの処理を終了する。
【0093】
また、前記STEP21の判断結果が否定的である場合には、制御装置20はさらに、STEP25において、往路側温度センサ12aにより検出された現在の往き温度が所定温度T13(例えば4℃)よりも低温であるか否かを判断する。
【0094】
そして、このSTEP25の判断結果が肯定的である場合には、循環流路10での温水の凍結が発生している可能性があることから、制御装置20は、前記したSTEP26からの処理を実行する。この時、前記した如く、STEP27で詰まり検知部20aの処理(凍結の発生を検知するための判断処理)が実行される。
【0095】
また、STEP25の判断結果が否定的となる場合には、制御装置20は、循環流路10での温水の凍結が発生していないものとして、
図3のフローチャートの処理を終了する。
【0096】
以上が、熱源システム1の起動時(電源投入の直後)において、制御装置20により実行される制御処理である。
【0097】
なお、STEP21の判断結果が肯定的である場合に、例えば、STEP22,23の処理を実行する代わりに、STEP26からの処理を実行するようにしてもよい。
【0098】
補足すると、
図3の制御処理において、凍結以外の要因で循環流路10の詰まりが発生している場合(例えば循環流路10内の異物によって詰まりが発生した場合、あるいは、循環流路10に備えられた手動バルブがユーザにより誤って閉弁された場合等)にも、STEP23又はSTEP27の判断結果が肯定的になる。従って、STEP24で出力させるエラー報知は、循環流路10の詰まりが発生した旨を示すものであってもよい。
【0099】
以上説明した実施形態によれば、バーナ3の燃焼運転を停止した状態で、ポンプ11を所定時間(5分間)作動させた後に、復路側温度センサ12b及び往路側温度センサ12aによりそれぞれ検出された戻り温度と往き温度と温度差を所定の閾値T2と比較することによって、循環流路10での詰まりの発生(前記実施形態では、主に凍結に起因する詰まりの発生)を適切に検知することができる。
【0100】
この場合、往路側温度センサ12a及び復路側温度センサ12bは、温水を加熱するためのバーナ3の燃焼量の制御等のために、従来より一般に熱源システムに備えられているものである。このため、循環流路10での温水の流量を検出するための流量センサ等の新たなセンサを必要とすることなく、安価且つ容易に循環流路10の詰まりを検知することを実現できる。
【0101】
また、凍結等に起因する循環流路10の詰まりの発生を検知するために、復路側温度センサ12b及び往路側温度センサ12aによりそれぞれ検出された戻り温度と往き温度との温度差を用いることで、当該温度差は、熱源機2の周辺の雰囲気温度の変動の影響を受けにくい。このため、循環流路10の詰まりの発生の検知を高い信頼性で行うことができる。
【0102】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に、他の実施形態をいくつか説明する。
【0103】
前記実施形態では、バーナ3の燃焼運転を停止した状態で、ポンプ11を所定時間(5分間)作動させた後に、復路側温度センサ12b及び往路側温度センサ12aによりそれぞれ検出された戻り温度と往き温度との温度差を所定の閾値T2と比較することによって、循環流路10での詰まりの発生を検知するものを例示した。
【0104】
ただし、例えば、バーナ3の燃焼運転を停止した状態でポンプ11の作動を開始した後の上記温度差の増加率(単位時間当たりの増加量)等に基づいて、循環流路10での詰まりの発生を検知することも可能である。
【0105】
また、例えば、バーナ3の燃焼運転を停止した状態でポンプ11を作動させた場合に、ポンプ11の近くの復路側温度センサ12bにより検出される温度(戻り温度)の変化に基づいて、循環流路10での詰まりの発生を検知することも可能である。
【0106】
この場合の実施形態としては、例えば次のような実施形態を採用し得る。すなわち、バーナ3の燃焼運転を停止した状態でポンプ11を作動させた場合に、ポンプ11の近くの復路側温度センサ12bにより検出される温度の増加率(単位時間当たりの上昇量)を観測し、該増加率が所定値以上となる状態が所定時間以上、継続した場合、あるいは、所定時間の期間における平均の増加率が所定値以上となる場合に、該温度がポンプ11の発熱に起因して上昇したとみなして、循環流路10での詰まりの発生を検知する。
【0107】
また、前記実施形態では、復路側温度センサ12b及び往路側温度センサ12aをそれぞれ、本発明における第1温度センサ、第2温度センサとして使用するものを示した。ただし、例えばポンプ11が往路側流路10aに介装されており、往路側温度センサ12aが復路側温度センサ12bよりも近い場合には、往路側温度センサ12aを第1温度センサ、復路側温度センサ12bを第2温度センサとして使用してもよい。より詳しくは、バーナ3の燃焼運転を停止した状態でポンプ11を作動させた場合に、往き温度の検出値と戻り温度の検出値との温度差に基づいて、循環流路10での詰まりの発生を検知してもよい。
【0108】
また、この場合、往路側温度センサ12aにより検出される往き温度の変化に基づいて、循環流路10での詰まりの発生を検知することも可能である。
【0109】
また、本発明における第1温度センサ、第2温度センサとして使用し得る温度センサは、前記復路側温度センサ12b及び往路側温度センサ12aに限られない。例えば、熱源システム1が、ポンプ11の周囲の物体の温度もしくは雰囲気温度を検出する温度センサを有する場合には、該温度センサを本発明における第1温度センサとして使用し得る。さらに、熱源システム1が該第1温度センサよりもポンプ11から離れた箇所で物体の温度もしくは雰囲気温度を検出する温度センサを有する場合には、該温度センサを本発明における第2温度センサとして使用し得る。
【0110】
また、前記実施形態では、熱源機として、バーナ3(燃焼式の加熱源)を有する熱源機2を例示した。ただし、本発明における熱源機は、電気式の加熱源(ヒートポンプ方式の加熱源を含む)を備えるもの、あるいは、燃焼式の加熱源と電気式の加熱源との両方を備えるものであってもよい。
【0111】
また、前記実施形態では熱媒体として温水を使用する熱源システム1を例示した。ただし、本発明における熱媒体は、温水以外の熱媒体であってもよい。