特許第6899745号(P6899745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899745
(24)【登録日】2021年6月17日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】炊飯器用厨房作業台
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/08 20060101AFI20210628BHJP
   A47B 77/10 20060101ALI20210628BHJP
   A47B 77/14 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   A47B77/08 B
   A47B77/10
   A47B77/14
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-177944(P2017-177944)
(22)【出願日】2017年9月15日
(65)【公開番号】特開2019-51109(P2019-51109A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2020年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】北村 知也
(72)【発明者】
【氏名】荒木 守
(72)【発明者】
【氏名】河邑 貴広
(72)【発明者】
【氏名】市川 惠
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−064309(JP,A)
【文献】 実開昭53−096454(JP,U)
【文献】 実開昭63−005833(JP,U)
【文献】 特開2006−043011(JP,A)
【文献】 特開平07−116034(JP,A)
【文献】 特開昭60−092703(JP,A)
【文献】 特開平05−115365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00−77/18
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器の載置部の上方に、作業面を形成する天板部が設けられた炊飯器用厨房作業台であって、
前記天板部の後方側箇所に、前記炊飯器からの調理排気を上方に排出する排気口が形成され、
前記天板部が、前記炊飯器の上部に位置する作業用状態と、前記炊飯器の上部を開放しかつ前記炊飯器の背部箇所に縦姿勢で収納される開き状態とに切換え自在に構成され
前記天板部の下面側に、後方側ほど上方に位置する傾斜姿勢の調理排気案内体が設けられ、
前記開き状態において、前記天板部と前記調理排気案内体との間に、前記炊飯器の蓋を挿入する蓋収納空間が形成されている炊飯器用厨房作業台。
【請求項2】
前記載置部の下方に、引出し式の補助作業台が、前記載置部の下方に収納された収納状態と前方に引き出された使用状態とに切換え自在に設けられている請求項1に記載の炊飯器用厨房作業台。
【請求項3】
前記調理排気案内体に、前記炊飯器の蓋の取手部を係止する係止具が設けられ、
前記天板部を、前記作業用状態から前記開き状態に切換えるのに伴って、前記係止具に係止された前記蓋を開くように構成されている請求項1又は2に記載の炊飯器用厨房作業台。
【請求項4】
炊飯器の載置部の上方に、作業面を形成する天板部が設けられた炊飯器用厨房作業台であって、
前記天板部の後方側箇所に、前記炊飯器からの調理排気を上方に排出する排気口が形成され、
前記天板部が、前記炊飯器の上部に位置する作業用状態と、前記炊飯器の上部を開放しかつ前記炊飯器の背部箇所に縦姿勢で収納される開き状態とに切換え自在に構成され、
前記作業用状態における前記天板部の前端部から下方に垂下する姿勢で、前板部が設けられている炊飯器用厨房作業台。
【請求項5】
前記前板部が、前記天板部の前記開き状態において、載置台として機能するように構成されている請求項に記載の炊飯器用厨房作業台。
【請求項6】
前記前板部に、前記天板部の前記開き状態において、前記炊飯器の蓋の下方側部分を係合する蓋保持用溝部が形成されている請求項4又は5に記載の炊飯器用厨房作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器の載置部の上方に、作業面を形成する天板部が設けられた炊飯器用厨房作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる炊飯器用厨房作業台は、例えば、業務用の厨房室に、流し台や調理台等の他の厨房用台に並べて設置されて使用されることになり、そして、天板部にて形成される作業面を、調理用の材料等を一時的に載置する載置台として利用する等、天板部にて形成される作業面を備えていることにより、使い勝手が良いものとなっている。
【0003】
炊飯器用厨房作業台として、炊飯器の載置部が、前方に引き出すことができる引出し式の載置台に構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)
つまり、通常は、炊飯器の載置部を天板部の下方側に収納しておき、炊飯を行うときには、炊飯器の載置部を前方に引出した状態にすることにより、炊飯に伴って発生する調理排気(蒸気)を、上方に向けて良好に流動させるようにして、厨房室に設置されている換気扇等の排気装置から適切に排気させるようにすることになる。
尚、炊飯器がガス燃焼式の場合には、調理排気には燃焼ガスも含まれる。
【0004】
また、炊飯器の上部の蓋を開いて、炊き上げた米を保温ジャーに移し替えるとき等においても、炊飯器の載置部を前方に引出した状態にすることより、天板部が邪魔になることを回避しながら、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業等を行えるようにすることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−242947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の炊飯器用厨房作業台においては、炊飯を行うときや炊き上げた米を保温ジャーに移し替えるとき等において、炊飯器を載せた載置部が、前方側に引き出されることになる。
そして、そのように炊飯器を載せた載置部が引き出されると、炊飯器を載せた載置部が、作業者が調理作業を行うために移動する通路の内部に突出するものとなって、作業者が移動し難いことになる。
特に、炊飯を行う際には、長時間に亘って、炊飯器を載せた載置部が前方側に引き出された状態に維持されるため、作業者の調理作業に悪影響を与える虞があり、改善が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、炊飯に伴って発生する調理排気の流動を適切に行えしかも炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業を良好に行えるようにしながらも、作業者の調理作業に悪影響を与えることを回避できる炊飯器用厨房作業台を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の炊飯器用厨房作業台は、炊飯器の載置部の上方に、作業面を形成する天板部が設けられた炊飯器用厨房作業台であって、その特徴構成は、
前記天板部の後方側箇所に、前記炊飯器からの調理排気を上方に排出する排気口が形成され、
前記天板部が、前記炊飯器の上部に位置する作業用状態と、前記炊飯器の上部を開放しかつ前記炊飯器の背部箇所に縦姿勢で収納される開き状態とに切換え自在に構成され
前記天板部の下面側に、後方側ほど上方に位置する傾斜姿勢の調理排気案内体が設けられ、
前記開き状態において、前記天板部と前記調理排気案内体との間に、前記炊飯器の蓋を挿入する蓋収納空間が形成されている点にある。
【0009】
すなわち、天板部の後方側箇所に、炊飯器からの調理排気を上方に排出する排気口が形成されているから、炊飯器を天板部の下方に位置させた状態で炊飯を行うようにしても、炊飯器からの調理排気(蒸気)を、天板部の排気口を通して上方側に向けて流動させて、換気扇等の排気装置から適切に排気させるようにすることができる。
また、天板部の下面側に、後方側ほど上方に位置する傾斜姿勢の調理排気案内体が設けられているから、炊飯を行うときに、炊飯器から発生する調理排気(蒸気)を、調理排気案内体によって、天板部の排気口に向けて案内しながら適切に流動させることができるため、炊飯器から発生する調理排気(蒸気)を、天板部の排気口を通して良好に排出させることができる。
更に、天板部の開き状態において、天板部と調理排気案内体との間に形成される蓋収納空間に、炊飯器の蓋を収納することができるから、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業等を行う際に、炊飯器の蓋を蓋収納空間に収納した状態で支持することができる。
【0010】
また、天板部が、炊飯器の上部に位置する作業用状態と、炊飯器の上部を開放しかつ炊飯器の背部箇所に縦姿勢で収納される開き状態とに切換え自在に構成されているから、作業用状態においては、天板部にて形成される作業面を、調理用の材料を一時的に載置する載置台として利用する等により、使い勝手の向上を図ることができる。
【0011】
また、天板部を開き状態に切換えることにより、炊飯器の上部を開放した状態にできるため、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業等を、天板部が邪魔になることを回避した状態で良好に行うことができる。
ちなみに、開き状態においては、天板部を炊飯器の背部箇所に縦姿勢で収納することにより、天板部が邪魔になることを回避した状態で収納することができる。
【0012】
したがって、炊飯を行うときに、炊飯器を載せた載置部を作業用状態の天板部の下方に相当する位置に位置させ続けるものであるから、炊飯器を載せた載置部が、長時間に亘って、作業者が調理作業を行うために移動する通路の内部に突出することが無くなるため、作業者の調理作業に悪影響を与えることを回避できる。
【0013】
要するに、本発明の炊飯器用厨房作業台の特徴構成によれば、炊飯に伴って発生する調理排気の流動を適切に行えしかも炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業を良好に行えるようにしながらも、作業者の調理作業に悪影響を与えることを回避できる。
また、炊飯器から発生する調理排気(蒸気)を天板部の排気口を通して良好に排出させることができる。
更に、天板部の開き状態において、炊飯器の蓋を蓋収納空間に収納した状態で支持できるため、利便性の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成は、前記載置部の下方に、引出し式の補助作業台が、前記載置部の下方に収納された収納状態と前方に引き出された使用状態とに切換え自在に設けられている点にある。
【0015】
すなわち、補助作業台を載置部の下方に収納する収納状態にしておけば、補助作業台が、作業者が調理作業を行うために移動する通路の内部に突出することが無くなるため、作業者の調理作業に悪影響を与えることを回避できる。
【0016】
そして、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業を行う際に、補助作業台を前方に引き出された使用状態に切換えれば、保温ジャーを補助作業台に載置することができる。
つまり、保温ジャーを補助作業台に載置しながら、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業を良好に行うことができる。
【0017】
要するに、炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成によれば、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業を良好に行うことができる。
【0025】
本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成は、前記調理排気案内体に、前記炊飯器の蓋の取手部を係止する係止具が設けられ、
前記天板部を、前記作業用状態から前記開き状態に切換えるのに伴って、前記係止具にて係止された前記蓋を開くように構成されている点にある。
【0026】
すなわち、天板部を、作業用状態から開き状態に切換えるのに伴って、炊飯器の蓋を開くことができるから、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業等を行う際に、炊飯器の蓋を開く操作が不要となるから、作業性を向上することができる。
【0027】
要するに、本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成によれば、作業性を向上することができる。
【0028】
本発明の炊飯器用厨房作業台は、炊飯器の載置部の上方に、作業面を形成する天板部が設けられた炊飯器用厨房作業台であって、その特徴構成は、
前記天板部の後方側箇所に、前記炊飯器からの調理排気を上方に排出する排気口が形成され、
前記天板部が、前記炊飯器の上部に位置する作業用状態と、前記炊飯器の上部を開放しかつ前記炊飯器の背部箇所に縦姿勢で収納される開き状態とに切換え自在に構成され、
前記作業用状態における前記天板部の前端部から下方に垂下する姿勢で、前板部が設けられている点にある。
【0029】
すなわち、天板部の後方側箇所に、炊飯器からの調理排気を上方に排出する排気口が形成されているから、炊飯器を天板部の下方に位置させた状態で炊飯を行うようにしても、炊飯器からの調理排気(蒸気)を、天板部の排気口を通して上方側に向けて流動させて、換気扇等の排気装置から適切に排気させるようにすることができる。また、作業用状態における天板部の前端部から下方に垂下する姿勢で、前板部が設けられているから、天板部の下方側箇所を前板部にて覆うことによって、外観を美麗にすることができる。
【0030】
また、作業用状態においては、天板部にて形成される作業面を、調理用の材料を一時的に載置する載置台として利用する等により、使い勝手の向上を図ることができる。炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業等を、天板部が邪魔になることを回避した状態で良好に行うことができる。したがって、炊飯を行うときに、炊飯器を載せた載置部を作業用状態の天板部の下方に相当する位置に位置させ続けるものであるから、炊飯器を載せた載置部が、長時間に亘って、作業者が調理作業を行うために移動する通路の内部に突出することが無くなるため、作業者の調理作業に悪影響を与えることを回避できる。そして、天板部の下方側箇所が開放していると、炊飯器の上部が露呈する等、天板部の下方側箇所が露呈することになるが、前板部にて天板部の下方側箇所を覆うことによって、外観を美麗にすることができるのである。
【0031】
このように、本発明の炊飯器用厨房作業台の特徴構成によれば、炊飯に伴って発生する調理排気の流動を適切に行えしかも炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業を良好に行えるようにしながらも、作業者の調理作業に悪影響を与えることを回避できる。要するに、本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成によれば、外観を美麗にすることができる。

【0032】
本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成は、前記前板部が、前記天板部の前記開き状態において、載置台として機能するように構成されている点にある。
【0033】
すなわち、前板部が、天板部の前記開き状態において、載置台として機能するように構成されているから、例えば、載置台として機能する前板部に、炊き上げた米を盛る複数の茶碗を載置しておき、炊き上げた米を炊飯器から茶碗に盛るようにする等、天板部の開き状態において、載置台として機能する前板部を諸々の調理作業に利用することができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0034】
要するに、本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成によれば、天板部の前記開き状態において、前板部を載置台として利用することにより、利便性の向上を図ることができる。
【0035】
本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成は、前記前板部に、前記天板部の前記開き状態において、前記炊飯器の蓋の下方側部分を係合する蓋保持用溝部が形成されている点にある。
【0036】
すなわち、前板部に、天板部の開き状態において、炊飯器の蓋の下方側部分を係合する蓋保持用溝部が形成されているから、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業等を行う際に、炊飯器の蓋の下方側部分を蓋保持用溝部に係合させることにより、炊飯器の蓋を縦姿勢で前板部に支持することができる。
【0037】
したがって、炊き上げた米を保温ジャーに移し替える作業等を行う際に、前板部を利用して、炊飯器の蓋を支持することができるため、利便性が向上する。
【0038】
要するに、本発明の炊飯器用厨房作業台の更なる特徴構成によれば、天板部の開き状態において、前板部を利用して炊飯器の蓋を支持することにより、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】炊飯器用厨房作業台の斜視図
図2】天板部を開いた状態の炊飯器用厨房作業台の斜視図
図3】炊飯器用厨房作業台の切欠側面図
図4】天板部を開いた状態の炊飯器用厨房作業台の切欠側面図
図5】天板部の装着構成を示す縦断正面図
図6】第2実施形態の炊飯器用厨房作業台の一部を示す切欠側面図
図7】第2実施形態の係止具の斜視図
図8】第2実施形態の炊飯器用厨房作業台の一部を示す切欠側面図
図9】第3実施形態の炊飯器用厨房作業台の斜視図
図10】第3実施形態の炊飯器用厨房作業台の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1図4に示すように、炊飯器用厨房作業台Hは、炊飯器Aの載置部Sを備え、その載置部Sの上方に、作業面を形成する天板部1を備えるように構成され、そして、載置部Sの下方に、保温ジャーBを載置支持するための引出し式の補助作業台2が、載置部Sの下方に収納された収納状態と前方に引き出された使用状態とに切換え自在に設けられている。
【0041】
説明を加えると、脚部3aを備える台枠3が設けられ、その台枠3の上面部にて、炊飯器Aの載置部Sが構成されている。そして、左右の横側板4及び後側板5が、台枠3から立設されている。
補助作業台2が、収納状態(図1図3参照)と使用状態(図2図4参照)とに切換え自在に台枠3に設けられている。
【0042】
天板部1の後方側箇所に、炊飯器Aからの調理排気を上方に排出する排気口Dが形成され、そして、天板部1の下面側に、後方側ほど上方に位置する傾斜姿勢の調理排気案内体6が設けられている。
調理排気案内体6は、後端縁がヒンジ7を用いて上下揺動自在に天板部1に枢支され、前端縁が紐や鎖等の索状体8にて天板部1に対して吊下げ支持される形態で設けられている。
尚、本実施形態の炊飯器Aは、ガス燃焼式であり、調理排気には、炊飯に伴って発生する蒸気及び燃焼ガスが含まれることになる。
【0043】
天板部1が、炊飯器Aの上部に位置する作業用状態と、炊飯器Aの上部を開放しかつ炊飯器Aの背部箇所に縦姿勢で収納される開き状態とに切換え自在に構成されている。
また、図1及び図3に示すように、作業用状態における天板部1の前端部から下方に垂下する姿勢で、前板部1Fが設けられている。そして、当該前板部1Fが、図2及び図4に示すように、天板部1の開き状態において、載置台として機能するように構成されている。ちなみに、図2においては、前板部1Fに、複数の茶碗を載置する場合を例示する。
【0044】
さらに、図4に示すように、天板部1の開き状態において、天板部1と調理排気案内体6との間に、炊飯器Aの蓋Aaを挿入する蓋収納空間Uが形成されるように構成されている。
したがって、天板部1の開き状態において、炊飯器Aの蓋Aaを開いたときには、当該蓋Aaを蓋収納空間Uに収納できるように構成されている。
【0045】
天板部1を作業用状態と開き状態とに切換えるための構成について説明すると、図2図5に示すように、左右の横側板4の上端側箇所に、天板部1の左右の横側縁部を載置支持する左右の受止枠9が、前後方向に伸びる姿勢で、かつ、後端部と後側板5との間に、天板部1を上下方向に挿通するための挿通用隙間Wを形成する状態で設けられている。
【0046】
また、図3及び図5に示すように、炊飯器Aの背部箇所に、縦姿勢の天板部1における下方側部分の左右の横側縁部を前方側から受止支持する左右の支持体10が、左右の横側板4に支持される状態で設けられ、左右の支持体10と後側板5との間に、縦姿勢の天板部1における下方側部分の左右の横側縁部が係入する係入部Yが形成されている。
【0047】
したがって、天板部1を作業用状態から開き状態に切換える際には、図4において仮想線で示すように、天板部1の前側部分を上方に持ち上げて、天板部1を後方側ほど下方となる後傾姿勢に切換えながら、挿通用隙間Wを通して天板部1を炊飯器Aの背部側箇所に移動させ、続いて、天板部1を縦姿勢に切換えながら挿通用隙間Wを通して下方に移動させて、天板部1における下方側部分の左右の横側縁部を左右の係入部Yに係入させることにより、天板部1を作業用状態から開き状態に切換えることができる。
【0048】
ちなみに、天板部1を開き状態に切換えたときには、前板部1Fの左右の横側縁部が、左右の受止枠9に載置されるようになっており、前板部1Fを載置台として良好に使用できるように構成されている。
また、左右の受止枠9の後端側部分が、下方に向けて湾曲する湾曲状に形成されることによって、天板部1を姿勢変更しながら移動させ易いように構成されている。
【0049】
また、天板部1を開き状態から作業用状態に切換える際には、縦姿勢の天板部1を上方に移動させながら、漸次前方側に揺動させようにし、続いて、天板部1を前方側に移動させながら水平姿勢に揺動させて、天板部1を左右の受止枠9に載置することになる。
【0050】
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態によれば、炊飯する際に、炊飯器Aを天板部1の下方に位置させた状態において、炊飯器Aからの調理排気(蒸気、燃焼ガス)を、天板部1の排気口Dを通して上方側に向けて流動させて、換気扇等の排気装置から適切に排気させるようにすることができる。
そして、炊飯を行うときに、炊飯器Aから発生する調理排気(蒸気、燃焼ガス)を、調理排気案内体6によって、天板部1の排気口Dに向けて案内しながら適切に流動させることができるため、炊飯器Aから発生する調理排気(蒸気、燃焼ガス)を、天板部1の排気口Dを通して良好に排出させることができる。
【0051】
また、天板部1の作業用状態においては、天板部1にて形成される作業面を、調理用の材料等を一時的に載置する載置台として利用する等により、使い勝手の向上を図ることができる。
そして、天板部1の開き状態においては、炊き上げた米を保温ジャーBに移し替える作業等を、天板部1が邪魔になることを回避した状態で良好に行うことができ、しかも、引出し式の補助作業台2にて、保温ジャーBを炊飯器Aに隣接する位置に保持できるから、炊き上げた米を保温ジャーBに移し替える作業を良好に行うことができる。
【0052】
また、天板部1の開き状態において、炊き上げた米を保温ジャーBに移し替える作業を行う際に、天板部1と調理排気案内体6との間に形成される蓋収納空間Uに炊飯器Aの蓋Aaを収納することにより、炊飯器Aの蓋Aaが邪魔になることを回避できる。
【0053】
さらに、作業用状態における天板部1の前端部から下方に垂下する姿勢の前板部1Fにて天板部1の下方側箇所を覆うことによって、外観を美麗にすることができ、しかも、天板部1の開き状態において、前板部1Fを載置台として利用できるため、利便性が向上する。
【0054】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、天板部1を作業用状態から開き状態に切換えるに伴って、炊飯器Aの蓋Aaを開くように構成したものであって、その他の構成は、第1実施形態と同様であるから、第1実施形態と同様な構成については、第1実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0055】
図6及び図8に示すように、調理排気案内体6に、炊飯器Aの蓋Aaの取手部Tを係止する係止具11が設けられている。
係止具11は、図7に示すように、調理排気案内体6に対して装着する板状装着部11Aと、蓋Aaの取手部Tに係合する二又状の係合部11Cと、板状装着部11Aと係合部11Cとを接続する接続部11Bとを備える形状に構成されている。
【0056】
そして、天板部1の作業用状態において、係止具11の係合部11Cを蓋Aaの取手部Tに係合させておくことにより、天板部1を作業用状態から開き状態に切換えるのに伴って、蓋Aaを開くことができるように構成されている。
ちなみに、天板部1を開き状態から作業用状態に切換えると、蓋Aaが炊飯器Aの上部に位置することになるので、作業者が、蓋Aaを炊飯器Aに密着する閉じ状態に操作することになる。
【0057】
ちなみに、本実施形態を実施する場合において、つまり、係止具11を装備する場合において、第1実施形態における天板部1と調理排気案内体6との間に形成される蓋収納空間Uを備えさせて、係止具11と蓋収納空間Uを使用状況に応じて使い分けるようにしてもよく、また、係止具を装備する場合においては、第1実施形態における天板部1と調理排気案内体6との間に形成される蓋収納空間Uを省略してもよい。
【0058】
本実施形態においては、天板部1を、作業用状態から開き状態に切換えるのに伴って、炊飯器Aの蓋Aaを開くことができるから、炊き上げた米を保温ジャーBに移し替える作業等を行う際に、炊飯器Aの蓋Aaを開く操作が不要となるから、作業性を向上することができる。
【0059】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明するが、この第3実施形態は、炊飯器Aの蓋Aaを支持するための構成を示すものであって、その他の構成は、第1実施形態と同様であるから、第1実施形態と同様な構成については、第1実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
図9及び図10に示すように、前板部1Fに、天板部1の開き状態において、炊飯器Aの蓋Aaの下方側部分を係合する蓋保持用溝部12が形成されている。
したがって、天板部1の開き状態において、炊き上げた米を保温ジャーBに移し替える作業等を行う際に、炊飯器Aの蓋Aaの下方側部分を蓋保持用溝部12に係合させることにより、炊飯器Aの蓋Aaを縦姿勢で前板部1Fに支持することができる。
【0061】
つまり、天板部1の開き状態において、前板部1Fを利用して炊飯器Aの蓋Aaを支持できるため、利便性の向上を図ることができる。
尚、天板部1の開き状態において、前板部1Fを、蓋Aaを支持するのみならず、茶碗等を載置する載置台として使用しても良いことは勿論である。
【0062】
ちなみに、本実施形態を実施する場合において、つまり、前板部1Fに蓋保持用溝部12を形成する場合において、第1実施形態における天板部1と調理排気案内体6との間に形成される蓋収納空間Uを備えさせて、蓋保持用溝部12と蓋収納空間Uを使用状況に応じて使い分けるようにしてもよく、また、前板部1Fに蓋保持用溝部12を形成する場合においては、第1実施形態における天板部1と調理排気案内体6との間に形成される蓋収納空間Uを省略してもよい。
【0063】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、左右の受止枠9にて受止支持された天板部1を、挿通用隙間Wを通して挿通させながら、作業用状態と開き状態とに切換える場合を例示したが、例えば、天板部1に被案内ローラを備えさせて、その被案内ローラを案内することにより、天板部1を作業用状態と開き状態とに切換えるガイドレールを設けるようにする等、天板部1を作業用状態と開き状態とに切換えるための具体構成は各種変更できる。
【0064】
(2)上記実施形態では、調理排気案内体6を設けるようにしたが、この調理排気案内体6を省略してもよい。この場合には、前板部1Fを設けて、調理排気(蒸気)が外部に流出することを抑制するようにするとよい。
【0065】
(3)上記実施形態では、前板部1Fを設けるようにしたが、この前板部1Fを省略してもよい。この場合には、調理排気案内体6を設けて、調理排気(蒸気)が外部に流出することを抑制するようにするとよい。
【0066】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 天板部
1F 前板部
2 補助作業台
6 調理排気案内体
11 係止具
12 蓋保持用溝部
A 炊飯器
Aa 蓋
D 排気口
S 載置部
T 取手部
U 蓋収納空間
図1
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