(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検査装置は、前記ヘッドユニットによる基板に対する部品の搭載後であって、半田を用いて基板に対して部品を固定化するリフロー処理が施される前に、基板に対する部品の搭載状態を検査する、請求項7に記載の部品実装システム。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[部品実装システムの全体構成]
以下、本発明の実施形態に係る部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装システム1Sの構成を概略的に示す図である。部品実装システム1Sは、部品実装装置1と機械学習装置20と検査装置28とを備え、これらの各装置がネットワークNWを介してデータ通信可能に接続されている。ネットワークNWは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)により構築されている。
【0029】
<部品実装装置の構成>
部品実装装置1は、基板に部品を搭載(実装)して電子回路基板を生産する装置である。この部品実装装置1について、
図2を参照して説明すると、次の通りである。
図2は、部品実装システム1Sに備えられる部品実装装置1の構成を示す平面図である。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向は水平面と平行な方向であり、Y方向は水平面上でX方向と直交する方向であり、Z方向はX、Y両方向に直交する上下方向である。また、X方向の一方向側を「+X側」と称し、X方向の一方向側とは反対の他方向側を「−X側」と称する。また、Y方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y方向の一方向側とは反対の他方向側を「−Y側」と称する。また、Z方向の一方向側を「+Z側」と称し、Z方向の一方向側とは反対の他方向側を「−Z側」と称する。
【0030】
部品実装装置1は、装置本体1aと、移動フレーム2と、コンベア3と、部品供給装置5が装着される部品供給ユニット4と、ヘッドユニット6と、第1駆動機構7と、第2駆動機構8と、部品認識撮像装置9とを備える。
【0031】
装置本体1aは、部品実装装置1を構成する各部が配置される構造体であり、Z方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア3は、X方向に延び、装置本体1aに配置される。コンベア3は、基板PをX方向に搬送する。基板Pは、コンベア3上を搬送されて、所定の部品搭載位置(基板P上に部品が搭載される位置)に位置決めされるようになっている。
【0032】
部品供給ユニット4は、装置本体1aにおけるY方向の+Y側及び−Y側の領域部分にそれぞれ、X方向に2箇所ずつ合計4箇所に配置される。部品供給ユニット4は、装置本体1aにおいて、部品供給装置5が複数並設された状態で装着される領域であって、後述のヘッドユニット6に備えられる保持具である吸着ノズル63による吸着対象の部品毎に、各部品供給装置5のセット位置が区画されている。
【0033】
部品供給装置5は、装置本体1aの部品供給ユニット4に着脱自在に装着されている。部品供給装置5は、電子部品(以下、単に部品と称す)を供給可能に構成されていれば、その部品供給方式は特に限定されるものではない。部品供給装置5としては、例えば、テープを担体(キャリア)として、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の部品を供給する方式のテープフィーダー、部品が載置されたトレイを含むパレットを移動させることにより部品を供給する方式のトレイフィーダー、筒状のスティックに収納された部品を当該スティックから押し出しながら供給する方式のスティックフィーダーなどを採用することができる。本実施形態では、部品供給装置5は、テープフィーダーである。この部品供給装置5について、
図3乃至
図5を参照して説明する。
図3は、部品実装装置1に備えられる部品供給装置5を概略的に示す図である。
図4は、部品供給装置5に備えられるテープガイド45の構成を示す図である。
図5は、部品供給装置5に装着される部品収納テープ100の斜視図である。
【0034】
部品供給装置5は、部品供給ユニット4に設けられた取付部31に取り付けられている。取付部31には、X方向に一定間隔で並びかつY方向に互いに平行に延びる複数のスロット32と、これらスロット32よりも前側の位置でX方向に伸びる固定台33とが設けられている。そして、各スロット32に部品供給装置5がセットされ、各部品供給装置5が固定台33に固定されている。これにより、部品供給ユニット4に、複数の部品供給装置5がX方向に横並びに整列して配置されている。
【0035】
部品供給装置5は、前後方向(Y方向)に細長い形状をなす本体部41を備えている。部品供給装置5は、前記スロット32に本体部41が挿入(セット)された状態で、固定台33に固定されている。
【0036】
部品供給装置5は、さらに、本体部41の前端部分に備えられた第1テープ送出部42と、本体部41の後端部分に備えられた第2テープ送出部43と、本体部41に設けられたテープ通路44と、テープガイド45とを備えている。
【0037】
前記テープ通路44は、部品収納テープ100を案内するための通路である。テープ通路44は、本体部41の後端部から前側上部に向かって斜め上方に延びている。部品収納部材としての部品収納テープ100は、本体部41の後端部からその内部に導入され、テープ通路44を通じて本体部41の上面前部に案内されている。
【0038】
部品収納テープ100は、
図5に示すように、テープ本体101とカバーテープ102とで構成された長尺のテープである。テープ本体101には、上部に開口した多数の部品収納部103(凹部)が長手方向(テープ送り方向)に一定間隔で形成されており、各部品収納部103に部品Eが収納されている。テープ本体101の上面には、前記カバーテープ102が接着されており、これにより各部品収納部103がカバーテープ102により閉鎖されている。また、テープ本体101のうち部品収納部103の側方には、長手方向に一定間隔で並びかつテープ本体101をその厚み方向に貫通する複数の嵌合孔104が設けられている。
【0039】
部品供給装置5において、前記テープガイド45は、本体部41の前部上面に設けられている。テープガイド45は、テープ通路44を通過した部品収納テープ100を覆い、当該部品収納テープ100を本体部41の上面に沿って略水平に部品供給位置P1まで案内するものである。部品供給位置P1は、前記ヘッドユニット6に部品の取り出しを行わせる位置であり、本体部41の上面前端に近い位置に設定されている。
【0040】
図4に示すように、テープガイド45のうち、部品供給位置P1に対応する位置には開口部45Aが設けられ、この開口部45Aよりも後方側の位置には、部品露出部451が設けられている。部品露出部451は、テープガイド45によりガイドされる部品収納テープ100の部品収納部103内において、部品Eを露出させる。部品露出部451は、部品Eを露出させることが可能な構成であれば、その構成は特に限定されるものではない。部品露出部451は、例えば、カバーテープ102を切断することにより部品Eを露出させる方式や、カバーテープ102を剥離することにより部品Eを露出させる方式など、多種多様な部品露出方式を採用することができる。本実施形態では、部品露出部451は、カバーテープ102を切断することにより部品Eを露出させる方式が採用され、挿入部4511と、刃部4512と、カバーテープ後処理部4513とを含む。
【0041】
挿入部4511は、先細状に形成された薄板状の部分であり、テープガイド45によりガイドされ、先端が自由端とされた状態の部品収納テープ100に対し、テープ本体101とカバーテープ102との間に挿入される。部品露出部451において刃部4512は、挿入部4511に対してテープ送り方向の下流側に配置され、部品収納テープ100の走行に応じてカバーテープ102を、テープ送り方向に沿った直線状に切断する。部品露出部451においてカバーテープ後処理部4513は、刃部4512に対してテープ送り方向の下流側に配置され、刃部4512により切断されたカバーテープ102を押し広げる処理を行う。これにより、部品収納テープ100の部品収納部103内において、部品Eを露出させることができる。このようにして部品収納部103内において露出された部品Eは、部品供給位置P1において、テープガイド45の開口部45Aを介して、部品実装装置1におけるヘッドユニット6の吸着ノズル63により吸着されて取り出される。
【0042】
第1テープ送出部42は、テープガイド45の下方に配置される第1スプロケット51と、第1モーター52と、第1モーター52の駆動力を第1スプロケット51に伝達する、複数枚の伝動ギヤからなる第1ギヤ群53とを備えている。第1スプロケット51は、テープガイド45に沿って案内される部品収納テープ100の嵌合孔104に嵌合する歯を有している。つまり、第1テープ送出部42は、第1スプロケット51を第1モーター52により回転駆動することにより、部品収納テープ100を部品供給位置P1に向かって送出する。
【0043】
第2テープ送出部43は、本体部41の後端部に配置される第2スプロケット54と、第2モーター55と、第2モーター55の駆動力を第2スプロケット54に伝達する、複数枚の伝動ギヤからなる第2ギヤ群56とを備えている。第2スプロケット54は、上方から前記テープ通路44内に臨んでおり、当該テープ通路44に沿って案内される部品収納テープ100の嵌合孔104に嵌合する歯を有している。つまり、第2テープ送出部43は、第2スプロケット54を第2モーター55により回転駆動することにより、部品収納テープ100を前方(部品供給位置P1)に向かって送出する。
【0044】
部品収納テープ100は、各送出部42、43により部品供給位置P1に向かって間欠的に送出され、部品供給位置P1でテープガイド45の開口部45Aを通じて部品Eの取り出しが行われる。
【0045】
次に、
図2を参照して部品実装装置1に備えられる移動フレーム2は、X方向に延び、装置本体1aに、所定の移動方向(Y方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム2にヘッドユニット6が搭載されている。ヘッドユニット6は、X方向に移動可能となるように、移動フレーム2に搭載される。すなわち、ヘッドユニット6は、移動フレーム2の移動に伴ってY方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム2に沿ってX方向に移動可能である。ヘッドユニット6は、部品供給ユニット4に装着された部品供給装置5の部品供給位置P1と、コンベア3により搬送された基板Pの所定の部品搭載位置とにわたって移動可能とされ、部品供給位置P1において部品供給装置5から部品Eを取り出すとともに、その取り出した部品Eを部品搭載位置において基板P上に搭載(実装)する。ヘッドユニット6の詳細については、後述する。
【0046】
第1駆動機構7は、装置本体1aの+X側及び−X側の端部に配設される。第1駆動機構7は、移動フレーム2をY方向に移動させる機構である。第1駆動機構7は、例えば、駆動モーターと、Y方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム2に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構7は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム2をY方向に移動させる。
【0047】
第2駆動機構8は、移動フレーム2に配設される。第2駆動機構8は、ヘッドユニット6を移動フレーム2に沿ったX方向に移動させる機構である。第2駆動機構8は、第1駆動機構7と同様に、例えば、駆動モーターと、X方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット6に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構8は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット6をX方向に移動させる。
【0048】
なお、第1駆動機構7及び第2駆動機構8は、当例では、駆動モーターによりボールねじ軸を介して移動フレーム2及びヘッドユニット6を移動させる構成である。しかし、例えばリニアモーターを駆動源として移動フレーム2やヘッドユニット6をダイレクトに駆動する構成であってもよい。
【0049】
ヘッドユニット6について、
図2に加えて
図6及び
図7を参照して説明する。
図6はヘッドユニット6の側面図であり、
図7はヘッドユニット6を下方から見た平面図である。ヘッドユニット6は、ヘッド本体61と、回転体62と、吸着ノズル63とを含む。ヘッド本体61は、ヘッドユニット6の本体部分を構成する。回転体62は、円柱状に形成され、回転体駆動機構66(後記の
図8参照)により鉛直軸(Z方向に延びる軸)を回転中心として回転可能に、ヘッド本体61に設けられる。
【0050】
回転体62の外周縁端部には、複数の吸着ノズル63が、周方向に所定の間隔をおいて配設されている。吸着ノズル63は、部品供給装置5により部品供給位置P1に供給された部品Eを吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル63は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル63に負圧が供給されることで当該吸着ノズル63による部品Eの吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品Eの吸着保持が解除される。なお、本実施形態では、吸着ノズル63以外の保持具として、例えば部品Eを把持して保持するチャックなどであってもよい。
【0051】
吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構67(後記の
図8参照)により上下方向(Z方向)に昇降可能に、回転体62に設けられる。吸着ノズル63は、部品供給装置5により部品供給位置P1に供給された部品Eの保持が可能な保持位置と、保持位置に対して上方側の退避位置との間で、Z方向(上下方向)に沿って移動可能である。つまり、部品供給位置P1に供給された部品Eを保持するときには、吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構67によって退避位置から保持位置へ向かって下降し、当該保持位置において部品Eを吸着保持する。一方、部品Eの吸着保持後の吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構67によって保持位置から退避位置へ向かって上昇する。
【0052】
また、
図6及び
図7に示すように、ヘッドユニット6のヘッド本体61の下面には、回転体62よりも外側(−X側)に取付部材64を介して基板認識カメラ65が固定されている。基板認識カメラ65は、基板Pの品種の識別や位置決めのために、ヘッドユニット6と共に移動して、基板Pの上面に記された各種マークを上方から撮像するものである。
【0053】
更に、本実施形態に係る部品実装装置1は、
図2、
図6及び
図7に示すように、部品認識撮像装置9を備えている。部品認識撮像装置9は、ヘッドユニット6による基板Pに対する部品Eの搭載前に、吸着ノズル63に保持された部品Eを撮像して撮像画像を取得する撮像装置である。部品認識撮像装置9は、第1撮像部91と第2撮像部92とを含む。第1撮像部91は、吸着ノズル63に保持された部品Eを、第1の方向から撮像して第1撮像画像G1(後記の
図9(A)参照)を取得する。第2撮像部92は、吸着ノズル63に保持された部品Eを、第1の方向と交差する第2の方向から撮像して第2撮像画像G2(後記の
図9(B)参照)を取得する。
【0054】
本実施形態では、
図2に示すように、第1撮像部91は、装置本体1a上の各部品供給ユニット4とコンベア3との間の位置にそれぞれ配設され、例えばCMOS(Complementary metal−oxide−semiconductor)やCCD(Charged−coupled devices)等の撮像素子を備えた部品認識カメラである。第1撮像部91は、部品供給装置5の部品供給位置P1から、コンベア3により搬送された基板Pの部品搭載位置へ向かってヘッドユニット6が移動している間において、吸着ノズル63に吸着保持された部品Eを、第1の方向(下方から上方に向かう方向)から撮像して第1撮像画像G1を取得する。
【0055】
一方、第2撮像部92は、
図6及び
図7に示すように、ヘッドユニット6のヘッド本体61の下面に突設された取付部材64に固定され、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた部品認識カメラである。第2撮像部92は、吸着ノズル63に吸着保持された部品Eを、第2の方向(側方)から撮像して第2撮像画像G2を取得する。
【0056】
<部品実装装置の制御系>
次に、部品実装装置1の制御系について、
図8のブロック図を用いて説明する。部品実装装置1は、制御部10を備えている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部10は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、部品実装装置1の動作を統括的に制御する。制御部10は、
図8に示すように、通信部11と、部品供給制御部12と、ヘッド駆動制御部13と、部品姿勢判定部14とを含む。
【0057】
通信部11は、ネットワークNWを介して機械学習装置20との間でデータ通信を行うためのインターフェース回路である。部品供給制御部12は、部品供給装置5による部品供給位置P1への部品Eの供給動作を制御する。
【0058】
ヘッド駆動制御部13は、第1駆動機構7及び第2駆動機構8によるヘッドユニット6のX方向及びY方向に関する水平面上の移動を制御する。また、ヘッド駆動制御部13は、ノズル昇降駆動機構67による吸着ノズル63の昇降動作を制御する。更に、ヘッド駆動制御部13は、回転体駆動機構66による回転体62の回転動作を制御する。
【0059】
部品姿勢判定部14は、第1撮像部91により取得された第1撮像画像G1及び第2撮像部92により取得された第2撮像画像G2に基づき、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢を判定する。
【0060】
ここで、部品姿勢判定部14が部品Eの姿勢を判定する際に参照する第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2について、
図9を参照して説明する。
図9(A)は、第1撮像部91により取得された第1撮像画像G1を模式的に示す図であり、
図9(B)は、第2撮像部92により取得された第2撮像画像G2を模式的に示す図である。第1撮像画像G1は、当該第1撮像画像G1において背景に対応した画素からなる背景領域G11と、吸着ノズル63に保持された部品Eに対応した画素からなる部品領域G12とを含む。第1撮像画像G1では、部品領域G12が、背景領域G11よりも明るい明領域とされている。一方、第2撮像画像G2は、吸着ノズル63の先端部631に対応した画素からなるノズル先端領域G21と、吸着ノズル63に保持された部品Eに対応した画素からなる部品領域G22とを含む。第2撮像画像G2では、ノズル先端領域G21及び部品領域G22が、背景領域よりも暗い暗領域とされている。
【0061】
部品姿勢判定部14は、上記の第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2に基づき、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢を判定し、その判定結果を表す判定結果情報J1(
図10参照)を出力する。
図10に示すように、判定結果情報J1は、例えば、部品Eを識別するための部品識別情報J11(部品ID)と、部品Eの種類を表す部品種情報J12(部品種)と、部品Eの基板Pに対する搭載番号を表す搭載番号情報J13(搭載番号)と、部品姿勢の判定結果を表す部品姿勢判定結果情報J14(部品姿勢判定結果)と、を関連付けた情報である。部品姿勢判定結果情報J14には、搭載許可情報J141と搭載不許可情報J142とが含まれる。搭載許可情報J141は、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が、基板Pに対する搭載を許可する姿勢(以下、「搭載許可姿勢」と称する)である場合に、部品姿勢判定部14から出力される情報である。一方、搭載不許可情報J142は、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が、基板Pに対する搭載を不許可とする姿勢(以下、「搭載不許可姿勢」と称する)である場合に、部品姿勢判定部14から出力される情報である。
【0062】
図10に示す例では、搭載番号情報J13が「M001」に相当する、部品識別情報J11が「PID01」で示され、部品種情報J12が「P001」で示される部品Eに対して、搭載許可情報J141が関連付けられており、当該部品Eは、搭載許可姿勢を取っていることが示されている。同様に、搭載番号情報J13が「M002」に相当する、部品識別情報J11が「PID01」で示され、部品種情報J12が「P001」で示される部品Eに対して、搭載許可情報J141が関連付けられており、当該部品Eは、搭載許可姿勢を取っていることが示されている。同様に、搭載番号情報J13が「M003」に相当する、部品識別情報J11が「PID01」で示され、部品種情報J12が「P001」で示される部品Eに対して、搭載不許可情報J142が関連付けられており、当該部品Eは、搭載不許可姿勢を取っていることが示されている。
【0063】
部品姿勢判定部14から搭載許可情報J141が出力された場合、ヘッド駆動制御部13は、当該搭載許可情報J141に関連付けられた部品識別情報J11、部品種情報J12及び搭載番号情報J13にて示される部品Eの基板Pに対する部品搭載動作を実行するように、ヘッドユニット6の動作を制御する。一方、部品姿勢判定部14から搭載不許可情報J142が出力された場合、ヘッド駆動制御部13は、当該搭載不許可情報J142に関連付けられた部品識別情報J11、部品種情報J12及び搭載番号情報J13にて示される部品Eを廃棄する部品廃棄動作を実行するように、ヘッドユニット6の動作を制御する。
【0064】
次に、部品姿勢判定部14のより詳細な構成について説明する。部品姿勢判定部14は、
図8に示すように、特徴量算出部141と、判定部142と、判定条件更新部143と、判定条件記憶部144とを含む。
【0065】
特徴量算出部141は、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2に基づき、部品Eの姿勢の判定のための指標となる判定指標ごとに、部品Eの姿勢に関する特徴量を算出する。判定指標としては、例えば、第1撮像画像G1に基づく「エッジ強度」、「辺直交度」、「部品角度」及び「部品中心ずれ量」等と、第2撮像画像G2に基づく「部品厚み」及び「部品下面傾斜度」等と、を挙げることができる。
【0066】
判定指標の「エッジ強度」は、第1撮像画像G1において、背景領域G11と部品領域G12との境界部分となるエッジの濃淡の変化の度合いを示す指標である。例えば、吸着ノズル63の先端部631の部品保持面に対して平行な平行姿勢で部品Eが保持されている場合、第1撮像画像G1において背景領域G11と部品領域G12との境界部分には、部品Eの影を表す影領域は形成されない。これに対し、吸着ノズル63の部品保持面に対して傾斜した傾斜姿勢で部品Eが保持されている場合、第1撮像画像G1において背景領域G11と部品領域G12との境界部分には、部品Eの影を表す影領域が形成されるから、平行姿勢の場合に比べて「エッジ強度」が低くなる。特徴量算出部141は、第1撮像画像G1に基づく判定指標の「エッジ強度」に関する特徴量として、背景領域G11と部品領域G12との境界部分となるエッジの濃淡の変化の度合いを算出する。
【0067】
判定指標の「辺直交度」は、第1撮像画像G1において、部品領域G12を構成する各辺において隣接する辺同士の直交度合いを示す指標である。例えば、吸着ノズル63の先端部631の部品保持面に対して平行な平行姿勢で平面視矩形状の部品Eが保持されている場合、第1撮像画像G1において部品領域G12の隣接する辺同士は直交している。これに対し、吸着ノズル63の部品保持面に対して傾斜した傾斜姿勢で部品Eが保持されている場合、第1撮像画像G1において部品領域G12の隣接する辺同士は直交しなくなるから、平行姿勢の場合に比べて「辺直交度」が低くなる。特徴量算出部141は、第1撮像画像G1に基づく判定指標の「辺直交度」に関する特徴量として、部品領域G12の隣接する辺同士の直交度合いを算出する。
【0068】
判定指標の「部品角度」は、第1撮像画像G1において、画像のフレーム内における部品領域G12の回転度合いを示す指標である。例えば、吸着ノズル63に所定の正常姿勢で部品Eが保持されていることに対し、所定の回転角度で回転した回転姿勢で部品Eが保持されている場合、第1撮像画像G1において部品領域G12は正常姿勢の場合に比べて「部品角度」が大きくなる。特徴量算出部141は、第1撮像画像G1に基づく判定指標の「部品角度」に関する特徴量として、部品領域G12の回転度合いを算出する。
【0069】
判定指標の「部品中心ずれ量」は、第1撮像画像G1において、部品領域G12の中心の、画像のフレームの中心からのずれ量を示す指標である。例えば、吸着ノズル63に所定の正常姿勢で部品Eが保持されている場合、吸着ノズル63の部品保持面の中心と部品Eの中心とは同軸上に位置しているから、第1撮像画像G1において部品領域G12の中心は画像のフレームの中心と一致している。これに対し、吸着ノズル63に対して位置ずれした状態で部品Eが保持されている場合、吸着ノズル63の部品保持面の中心と部品Eの中心とは同軸上に位置しなくなるから、第1撮像画像G1において部品領域G12の中心は、画像のフレームの中心に対して位置ずれすることになる。特徴量算出部141は、第1撮像画像G1に基づく判定指標の「部品中心ずれ量」に関する特徴量として、部品領域G12の中心の、画像のフレームの中心からのずれ量を算出する。
【0070】
判定指標の「部品厚み」は、第2撮像画像G2において、部品領域G22の上端から下端までの長さを示す指標である。例えば、吸着ノズル63の部品保持面に上面が接した正常姿勢で部品Eが保持されていることに対し、側面が接した起立姿勢で部品Eが保持されている場合、或いは、吸着ノズル63の部品保持面に対して傾斜した傾斜姿勢で部品Eが保持されている場合、第2撮像画像G2において部品領域G22の上端から下端までの長さで表される「部品厚み」は大きくなる。特徴量算出部141は、第2撮像画像G2に基づく判定指標の「部品厚み」に関する特徴量として、部品領域G22の上端から下端までの長さを算出する。
【0071】
判定指標の「部品下面傾斜度」は、第2撮像画像G2において、部品領域G22を構成する各辺において下辺の傾斜度合いを示す指標である。例えば、吸着ノズル63の部品保持面に対して平行な平行姿勢で側面視矩形状の部品Eが保持されている場合、第2撮像画像G2において部品領域G22の下辺は、画像の矩形状フレームの下辺に対して平行である。これに対し、吸着ノズル63の部品保持面に対して傾斜した傾斜姿勢で部品Eが保持されている場合、第2撮像画像G2において部品領域G22の下辺は、画像の矩形状フレームの下辺に対して傾斜することになるから、平行姿勢の場合に比べて「部品下面傾斜度」が大きくなる。特徴量算出部141は、第2撮像画像G2に基づく判定指標の「部品下面傾斜度」に関する特徴量として、部品領域G22の下辺の傾斜度合いを算出する。
【0072】
判定部142は、後述の判定条件記憶部144に記憶された判定条件情報D2(後記の
図15参照)に含まれる判定条件を読み出し、その判定条件と特徴量算出部141により算出された特徴量とを参照することによって、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が、前記搭載許可姿勢又は前記搭載不許可姿勢のいずれの姿勢であるかを判定する。判定部142は、前記搭載許可姿勢であると判定した場合には前記搭載許可情報J141を出力し、前記搭載不許可姿勢であると判定した場合には前記搭載不許可情報J142を出力する。
【0073】
判定部142が部品Eの姿勢を判定する際に用いる判定条件は、部品姿勢の判定に適切な少なくとも1つの判定指標と、搭載許可姿勢と搭載不許可姿勢とを区別するための閾値となる判定基準値と、を含んでいる。判定条件においては、判定指標ごとに判定基準値が設定されている。判定部142は、特徴量算出部141により算出された特徴量と判定基準値とを判定指標ごとに比較することによって、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が、前記搭載許可姿勢又は前記搭載不許可姿勢のいずれの姿勢であるかを判定する。判定部142は、全ての判定指標において特徴量が判定基準値を満たす場合に、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が前記搭載許可姿勢であると判定する。一方、少なくとも1つの判定指標において特徴量が判定基準値を満たさない場合には、判定部142は、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が前記搭載不許可姿勢であると判定する。
【0074】
判定条件記憶部144は、後述の機械学習装置20の学習部262(
図12参照)が生成する判定条件を含む判定条件情報D2を記憶する記憶部である。また、判定条件更新部143は、学習部262が判定条件を生成し、当該判定条件を含む判定条件情報D2が学習部262から出力されるごとに、判定条件記憶部144に記憶された判定条件情報D2を更新する。
【0075】
判定部142からの搭載許可情報J141の出力に応じ、ヘッド駆動制御部13に制御されたヘッドユニット6が基板Pに対する部品Eの部品搭載動作を実行すると、部品Eが搭載された基板Pは、検査装置28に搬送される。検査装置28は、ヘッドユニット6により基板Pに搭載された部品Eの搭載状態を検査する装置である。本実施形態では、検査装置28は、ヘッドユニット6による基板Pに対する部品Eの搭載後であって、半田を用いて基板Pに対して部品Eを固定化するリフロー処理が施される前に、基板Pに対する部品Eの搭載状態を検査する。
【0076】
検査装置28は、基板Pに対する部品Eの搭載状態の検査結果を表す検査結果情報J2(
図11参照)を出力する。検査装置28から出力された検査結果情報J2は、ネットワークNWを介して機械学習装置20に送信される。
図11に示すように、検査結果情報J2は、例えば、部品Eを識別するための部品識別情報J21(部品ID)と、部品Eの種類を表す部品種情報J22(部品種)と、部品Eの基板Pに対する搭載番号を表す搭載番号情報J23(搭載番号)と、部品Eの搭載状態の検査結果J24と、を関連付けた情報である。検査結果J24には、搭載良好情報J241と搭載不良情報J242とが含まれる。搭載良好情報J241は、基板Pに対する部品Eの搭載状態が良好である場合に、検査装置28から出力される情報である。一方、搭載不良情報J242は、基板Pに対する部品Eの搭載状態が不良である場合に、検査装置28から出力される情報である。
【0077】
図11に示す例では、搭載番号情報J23が「M001」に相当する、部品識別情報J21が「PID01」で示され、部品種情報J22が「P001」で示される部品Eに対して、搭載良好情報J241が関連付けられており、当該部品Eの搭載状態が良好であることが示されている。同様に、搭載番号情報J23が「M002」に相当する、部品識別情報J21が「PID01」で示され、部品種情報J22が「P001」で示される部品Eに対して、搭載不良情報J242が関連付けられており、当該部品Eの搭載状態が不良であることが示されている。なお、搭載番号情報J23が「M003」に相当する、部品識別情報J21が「PID01」で示され、部品種情報J22が「P001」で示される部品Eに対しては、検査結果J24が関連付けられていない。これは、判定部142から搭載不許可情報J142が出力されたことに応じて当該部品Eに対してヘッドユニット6が部品廃棄動作を実行したため、検査装置28による検査の対象外とされたからである。
【0078】
<機械学習装置の構成>
次に、
図1に加えて
図12のブロック図を参照して、部品実装システム1Sに備えられる機械学習装置20について説明する。機械学習装置20は、通信部22と、操作部23と、蓄積データ格納部24と、履歴記憶部25と、中央処理部26と、教師データ記憶部27とを含んで構成され、これらの各部はバス21を介して接続されている。
【0079】
通信部22は、ネットワークNWを介して部品実装装置1及び検査装置28の各々との間でデータ通信を行うためのインターフェース回路である。操作部23は、オペレーターによる各種情報の入力操作を受付ける。
【0080】
蓄積データ格納部24は、第1撮像部91及び第2撮像部92により取得された第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2、又は、特徴量算出部141により算出された部品姿勢に関する特徴量を、順次蓄積して格納する記憶部である。また、蓄積データ格納部24は、検査装置28から出力された検査結果情報J2についても、順次蓄積して格納する。但し、蓄積データ格納部24に格納される検査結果情報J2は、検査装置28から出力された情報に限定されるものではなく、操作部23に対する操作によって入力された情報であってもよい。
【0081】
中央処理部26は、例えば、マイクロプロセッサやその周辺回路等で構成され、教師データ生成部261と、学習部262と、補正部263とを含む。
【0082】
教師データ生成部261は、学習部262が機械学習を実行する際に用いる教師データを生成する。教師データ生成部261は、学習部262が実行する機械学習の手法に応じて、
図13に示す第1の教師データD1、又は、
図14に示す第2の教師データD1Aを生成する。
【0083】
図13に示す第1の教師データD1を生成する場合、教師データ生成部261は、蓄積データ格納部24に格納されている第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2に、検査結果情報J2を付与することにより、第1の教師データD1を生成する。
図13に示すように、第1の教師データD1は、例えば、部品Eの形状を表す部品形状情報D11(部品形状)と、部品Eを識別するための部品識別情報D12(部品ID)と、部品Eの種類を表す部品種情報D13(部品種)と、部品Eの基板Pに対する搭載番号を表す搭載番号情報D14(搭載番号)と、第1撮像画像G1を表す第1画像情報D15(第1撮像画像)と、第2撮像画像G2を表す第2画像情報D16(第2撮像画像)と、検査結果情報J2に含まれる検査結果D17と、を関連付けたデータである。
【0084】
図13に示す例では、搭載番号情報D14が「M001」に相当する、部品形状情報D11が「PS01」で示され、部品識別情報D12が「PID01」で示され、部品種情報D13が「P001」で示される部品Eに対して、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2そのものが関連付けられるとともに、検査結果D17として「搭載良好」が関連付けられている。同様に、搭載番号情報D14が「M002」に相当する、部品形状情報D11が「PS01」で示され、部品識別情報D12が「PID01」で示され、部品種情報D13が「P001」で示される部品Eに対して、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2そのものが関連付けられるとともに、検査結果D17として「搭載不良」が関連付けられている。
【0085】
図14に示す第2の教師データD1Aを生成する場合、教師データ生成部261は、蓄積データ格納部24に格納されている、特徴量算出部141により算出された部品姿勢に関する特徴量に、検査結果情報J2を付与することにより、第2の教師データD1Aを生成する。
図14に示すように、第2の教師データD1Aは、例えば、部品Eの形状を表す部品形状情報D11A(部品形状)と、部品Eを識別するための部品識別情報D12A(部品ID)と、部品Eの種類を表す部品種情報D13A(部品種)と、部品Eの基板Pに対する搭載番号を表す搭載番号情報D14A(搭載番号)と、判定指標D15Aごとの特徴量D16Aと、検査結果情報J2に含まれる検査結果D17Aと、を関連付けたデータである。
【0086】
図14に示す例では、搭載番号情報D14Aが「M001」に相当する、部品形状情報D11Aが「PS01」で示され、部品識別情報D12Aが「PID01」で示され、部品種情報D13Aが「P001」で示される部品Eに対して、判定指標D15Aが「DA01」,「DA02」ごとの特徴量D16Aとして「T001」,「T002」が関連付けられるとともに、検査結果D17Aとして「搭載良好」が関連付けられている。同様に、搭載番号情報D14Aが「M002」に相当する、部品形状情報D11Aが「PS01」で示され、部品識別情報D12Aが「PID01」で示され、部品種情報D13Aが「P001」で示される部品Eに対して、判定指標D15Aが「DA01」,「DA02」ごとの特徴量D16Aとして「T003」,「T004」が関連付けられるとともに、検査結果D17Aとして「搭載不良」が関連付けられている。
【0087】
なお、検査結果情報J2を付与した教師データD1,D1Aを生成する際に、教師データ生成部261は、検査装置28から出力された検査結果情報J2を用いることに限定されず、操作部23に対する操作によって入力された検査結果情報を用いてもよい。教師データ生成部261により生成された教師データD1,D1Aは、教師データ記憶部27に順次蓄積して記憶される。換言すると、教師データ記憶部27は、教師データ生成部261により生成された教師データD1,D1Aを、順次蓄積して記憶する。また、教師データ記憶部27は、教師データD1,D1Aを、部品Eの形状ごとに区分して記憶する。
【0088】
学習部262は、教師データ記憶部27に記憶された教師データD1,D1Aを用いて機械学習を実行することにより、部品姿勢判定部14の判定部142が部品Eの姿勢を判定する際に用いる判定条件を生成する。学習部262は、定期的に機械学習を実行する。学習部262が実行する機械学習の手法は、特に限定されるものではないが、例えば、ニューラルネットワーク(Neural Network)を使用した手法が挙げられる。ニューラルネットワークは、人間の脳の構造を模した構成となっており、人間の脳におけるニューロン(神経細胞)の機能を模した論理回路を多層に積層して構成されたものである。ニューラルネットワークは、論理回路層として、入力層、隠れ層、及び出力層を含んで構成される。
【0089】
学習部262は、生成した判定条件を含む判定条件情報D2(
図15参照)を出力する。学習部262から出力された判定条件情報D2は、ネットワークNWを介して部品実装装置1に送信される。部品実装装置1においては、通信部11を介して判定条件情報D2を受信すると、その受信した判定条件情報D2を判定条件記憶部144が記憶する。
【0090】
図15に示すように、判定条件情報D2は、例えば、部品Eを識別するための部品識別情報D21(部品ID)と、部品Eの種類を表す部品種情報D22(部品種)と、学習部262により生成された判定条件D23と、を関連付けた情報である。判定条件D23には、判定指標D231と判定基準値D232とが含まれる。判定条件D23では、判定指標D231ごとに判定基準値D232が設定されている。
【0091】
図15に示す例では、部品識別情報D21が「PID01」で示され、部品種情報D22が「P001」で示される部品Eに対して、判定指標D231が「DA01」,「DA02」,「DA03」,「DA04」ごとの判定基準値D232として、「DB11」,「DB21」,「DB31」,「DB41」が関連付けられている。同様に、部品識別情報D21が「PID02」で示され、部品種情報D22が「P002」で示される部品Eに対して、判定指標D231が「DA01」,「DA02」,「DA04」,「DA05」ごとの判定基準値D232として、「DB12」,「DB22」,「DB42」,「DB51」が関連付けられている。
【0092】
前述の部品姿勢判定部14の判定部142は、学習部262から出力され、判定条件記憶部144に記憶された判定条件情報D2を参照することにより、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢を判定する。具体的には、判定部142は、特徴量算出部141により算出された特徴量と、判定条件情報D2の判定条件D23に含まれる判定基準値D232とを判定指標D231ごとに比較することによって、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が、搭載許可姿勢又は搭載不許可姿勢のいずれの姿勢であるかを判定する。
【0093】
学習部262が機械学習を実行する際に用いる教師データD1,D1Aは、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2、又は、その撮像画像G1,G2に基づく部品姿勢に関する特徴量に、検査結果情報J2が付与されたデータである。このような、教師データD1,D1Aを用いた機械学習の実行により生成された判定条件D23に基づき、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が判定されるので、基板Pに対する搭載を許可する搭載許可姿勢を取っているかを好適に判定することができる。このため、不所望な部品Eの廃棄を低減するとともに、基板Pに対する部品Eの搭載不良の発生を低減することが可能となる。
【0094】
また、学習部262は、教師データ記憶部27に記憶された、部品Eの形状ごとに区分された教師データD1,D1Aを用いた機械学習を実行することにより、判定条件D23を生成する。これにより、学習部262が実行する機械学習の範囲を、部品Eの形状ごとに制限することができ、学習部262が判定条件D23を生成するために要する時間を短縮することができる。また、学習部262により生成された判定条件D23は、部品Eの形状ごとに設定されたものとなり、同形状の部品Eに対し、同様の判定条件D23を適用することができる。
【0095】
また、学習部262は、
図13に示す第1の教師データD1を用いる場合、機械学習として深層学習(ディープラーニング:Deep Learning)を実行する。第1の教師データD1には、互いに異なる方向から撮像された第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2を表す画像情報D15,D16と、検査結果D17と、が含まれる。学習部262が深層学習を実行する場合、ニューラルネットワークは、隠れ層が多数存在する多層構造となる。学習部262が深層学習を実行する場合、第1の教師データD1が入力層からより深い層(隠れ層)に伝達されていくうちに各層で学習が繰り返され、検査結果D17に適合した判定指標D231及び判定基準値D232が、部品ごとに区分された第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2から抽出されて、判定条件D23が生成される。深層学習を実行した学習部262により生成された判定条件D23に基づき、判定部142が部品姿勢を判定することによって、基板Pに対する搭載を許可する搭載許可姿勢と、基板Pに対する搭載を不許可とする搭載不許可姿勢とを、より高精度に、且つ信頼性が高い状態で区別することができる。
【0096】
また、学習部262は、
図14に示す第2の教師データD1Aを用いる場合、機械学習として教師あり学習を実行する。第2の教師データD1Aには、判定指標D15Aごとの特徴量D16Aと、検査結果D17Aと、が含まれる。学習部262が深層学習とは区別された教師あり学習を実行する場合、ニューラルネットワークは、例えば隠れ層が1層の層構造となる。学習部262が深層学習とは区別された教師あり学習を実行する場合、第2の教師データD1Aが入力層から隠れ層に伝達されることにより学習され、検査結果D17Aに適合した判定基準値D232が判定指標D15Aごとに抽出されて、判定条件D23が生成される。学習部262が深層学習とは区別された教師あり学習を実行する場合には、学習部262が判定条件D23を生成するために要する時間を、深層学習に比べて短縮することができ、学習部262による機械学習処理の負荷を軽減することができる。
【0097】
また、前述したように、学習部262が機械学習を実行する際に用いる教師データD1,D1Aに含まれる検査結果情報J2は、リフロー処理が施される前に、基板Pに対する部品Eの搭載状態を検査する検査装置28から出力された情報である。
【0098】
基板Pに対する部品Eの搭載後にリフロー処理が行われると、半田の凝集作用によるセルフアライメント効果によって、基板P上において部品Eが、基板Pに対する所定位置に引っ張られる。すなわち、基板Pに対する部品Eの搭載状態の検査をリフロー処理後に行った場合、部品の搭載直後における真の搭載状態を把握することができない。このため、学習部262が機械学習を実行する際に、リフロー処理後の検査結果情報を付与した教師データを用いた場合、基板Pに対する部品Eの搭載状態と直接的に関連付けられた部品姿勢を判定するための判定条件を、生成することができなくなる可能性がある。そこで、基板Pに対する部品Eの搭載状態の検査をリフロー処理前に行うように検査装置28を構成する。これにより、学習部262は、基板Pに対する部品Eの搭載状態と直接的に関連付けられた部品姿勢を判定するための判定条件D23を、生成することができる。
【0099】
学習部262により生成された判定条件D23を用いた部品姿勢の判定について、搭載許可姿勢と搭載不許可姿勢との区別を、
図16を参照して説明する。
図16に示す例では、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2において、第1部品姿勢パターンPA1、第2部品姿勢パターンPA2、及び第3部品姿勢パターンPA3で示される部品姿勢が搭載許可姿勢に属している。一方、第4部品姿勢パターンPA4、第5部品姿勢パターンPA5、第6部品姿勢パターンPA6、第7部品姿勢パターンPA7、及び第8部品姿勢パターンPA8で示される部品姿勢が搭載不許可姿勢に属している。
【0100】
第1乃至第3部品姿勢パターンPA1,PA2,PA3では、第1撮像画像G1における判定指標D231の「エッジ強度」、「辺直交度」及び「部品角度」に関する特徴量と、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品厚み」及び「部品下面傾斜度」に関する特徴量との、全ての判定指標D231の特徴量が、判定基準値D232を満たしている。このため、判定部142は、第1乃至第3部品姿勢パターンPA1,PA2,PA3で示される部品姿勢を、搭載許可姿勢であると判定する。
【0101】
第4部品姿勢パターンPA4では、第1撮像画像G1における判定指標D231の「エッジ強度」、「辺直交度」及び「部品角度」に関する特徴量と、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品下面傾斜度」に関する特徴量とが、判定基準値D232を満たしている。しかしながら、吸着ノズル63の部品保持面に側面が接した起立姿勢で部品Eが保持されているので、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品厚み」に関する特徴量が判定基準値D232よりも大きく、当該判定基準値D232を満たしていない。このため、判定部142は、第4部品姿勢パターンPA4で示される部品姿勢を、搭載不許可姿勢であると判定する。
【0102】
第5部品姿勢パターンPA5では、第1撮像画像G1における判定指標D231の「エッジ強度」及び「辺直交度」に関する特徴量と、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品厚み」及び「部品下面傾斜度」に関する特徴量とが、判定基準値D232を満たしている。しかしながら、吸着ノズル63に対して所定の回転角度で回転した回転姿勢で部品Eが保持されているので、第1撮像画像G1における判定指標D231の「部品角度」に関する特徴量が判定基準値D232よりも大きく、当該判定基準値D232を満たしていない。このため、判定部142は、第5部品姿勢パターンPA5で示される部品姿勢を、搭載不許可姿勢であると判定する。
【0103】
第6部品姿勢パターンPA6では、第1撮像画像G1における判定指標D231の「辺直交度」及び「部品角度」に関する特徴量と、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品厚み」に関する特徴量とが、判定基準値D232を満たしている。しかしながら、吸着ノズル63の部品保持面に対して傾斜した傾斜姿勢で部品Eが保持され、第1撮像画像G1において背景領域G11と部品領域G12との境界部分には、部品Eの影を表す影領域が形成されているので、「エッジ強度」に関する特徴量が判定基準値D232よりも低く、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品下面傾斜度」に関する特徴量が判定基準値D232よりも大きく、判定基準値D232を満たしていない。このため、判定部142は、第6部品姿勢パターンPA6で示される部品姿勢を、搭載不許可姿勢であると判定する。
【0104】
第7部品姿勢パターンPA7では、第1撮像画像G1における判定指標D231の「部品角度」に関する特徴量と、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品厚み」に関する特徴量とが、判定基準値D232を満たしている。しかしながら、吸着ノズル63の部品保持面に対して傾斜した傾斜姿勢で部品Eが保持され、第1撮像画像G1において背景領域G11と部品領域G12との境界部分には、部品Eの影を表す影領域が形成され、更には、第1撮像画像G1において部品領域G12の隣接する辺同士が直交していないので、第1撮像画像G1における判定指標D231の「エッジ強度」及び「辺直交度」に関する特徴量が判定基準値D232よりも低く、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品下面傾斜度」に関する特徴量が判定基準値D232よりも大きく、判定基準値D232を満たしていない。このため、判定部142は、第7部品姿勢パターンPA7で示される部品姿勢を、搭載不許可姿勢であると判定する。
【0105】
第8部品姿勢パターンPA8では、第1撮像画像G1における判定指標D231の「辺直交度」及び「部品角度」に関する特徴量と、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品下面傾斜度」に関する特徴量とが、判定基準値D232を満たしている。しかしながら、吸着ノズル63の部品保持面に対して傾斜した傾斜姿勢で部品Eが保持され、第1撮像画像G1において背景領域G11と部品領域G12との境界部分には、部品Eの影を表す影領域が形成されているので、第1撮像画像G1における判定指標D231の「エッジ強度」に関する特徴量が判定基準値D232よりも低く、第2撮像画像G2における判定指標D231の「部品厚み」に関する特徴量が判定基準値D232よりも大きく、判定基準値D232を満たしていない。このため、判定部142は、第8部品姿勢パターンPA8で示される部品姿勢を、搭載不許可姿勢であると判定する。
【0106】
図12を参照して、機械学習装置20の履歴記憶部25は、履歴情報D3(
図17参照)を記憶する。履歴情報D3は、判定部142から出力される判定結果情報J1に含まれる搭載不許可情報J142と、検査装置28から出力される検査結果情報J2に含まれる搭載不良情報J242との、所定期間ごとの出力回数の履歴を表す情報である。
【0107】
学習部262による機械学習が定期的に実行され、当該機械学習が進むと、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢に関し、基板Pに対する搭載を許可する搭載許可姿勢の許容範囲を過度に狭くする、厳しい判定条件D23が生成される虞がある。
図17に示す例では、左から順に、1回目の判定条件更新(第1判定条件更新)、2回目の判定条件更新(第2判定条件更新)、3回目の判定条件更新(第3判定条件更新)、4回目の判定条件更新(第4判定条件更新)の各タイミングで機械学習が順次実行され、4回目の判定条件更新(第4判定条件更新)のタイミングでの機械学習の実行により生成された判定条件D23が、搭載許可姿勢の許容範囲を過度に狭くする判定条件とされている。この場合、基板Pに対する部品Eの搭載不良の発生を大幅に低減し、搭載不良情報J242の出力回数を低減することができるものの、部品搭載動作を実行しても実際には搭載不良にはならない部品姿勢をも搭載不許可姿勢であると判定され、搭載不許可情報J142の出力回数が過剰な上昇傾向を示す。このように、実際には搭載不良にはならない部品姿勢が搭載不許可姿勢であると判定されると、不所望に部品Eの廃棄が行われてしまう可能性がある。
【0108】
そこで、補正部263は、履歴情報D3に基づき、搭載不許可情報J142及び搭載不良情報J242の各々の出力回数の推移を監視する。そして、補正部263は、搭載不許可情報J142の出力回数の過剰な上昇傾向を検知した場合に、当該上昇傾向が緩和されるように、判定条件D23を補正する。
【0109】
例えば、補正部263は、学習部262により生成された判定条件D23について、搭載不許可情報J142の出力回数が過剰な上昇傾向を示したタイミング(以下、「過剰上昇タイミング」と称する)で生成された判定条件D23と、過剰上昇タイミングに対して1つ前のタイミング(以下、「前回タイミング」と称する)で生成された判定条件D23とを参照し、補正された判定条件を生成する。詳しく説明すると、補正部263は、過剰上昇タイミングで生成された判定条件D23に含まれる判定基準値D232と、前回タイミングで生成された判定条件D23に含まれる判定基準値D232との中間値を、補正後の判定基準値として、補正された判定条件を生成する。
【0110】
補正部263は、搭載許可姿勢の許容範囲を過度に狭くする、厳しい判定条件D23が生成された場合に、その判定条件D23を好適に補正することができる。判定部142は、補正された判定条件に基づき、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢を判定することにより、基板Pに対する搭載を許可する搭載許可姿勢を取っているかを好適に判定することができる。
【0111】
<機械学習装置の制御動作について>
次に、
図18のフローチャートを参照して、機械学習装置20の制御動作について説明する。なお、以下では、学習部262が機械学習として深層学習を実行するものとして説明する。
【0112】
機械学習装置20は、第1撮像部91及び第2撮像部92により取得された第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2と、検査装置28から出力された検査結果情報J2とを、通信部22を介して受信すると、機械学習処理を開始する。蓄積データ格納部24は、通信部22を介して受信するごとに、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2を順次蓄積して格納するとともに(ステップa1)、検査結果情報J2を順次蓄積して格納する(ステップa2)。
【0113】
次に、教師データ生成部261は、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2に、検査結果情報J2を付与することにより、第1の教師データD1(
図13参照)を生成する(ステップa3)。教師データ生成部261により生成された第1の教師データD1は、部品Eの形状ごとに区分された状態で、教師データ記憶部27に順次蓄積して記憶される(ステップa4)。
【0114】
次に、学習部262は、教師データ記憶部27に記憶された第1の教師データD1を用いて機械学習(深層学習)を実行し(ステップa5)、判定部142が部品Eの姿勢を判定する際に用いる判定条件D23を生成する(ステップa6)。学習部262は、生成した判定条件D23を含む判定条件情報D2(
図15参照)を出力する。学習部262から判定条件情報D2が出力されると、その判定条件情報D2は、通信部22を介して部品実装装置1に送信される(ステップa7)。
【0115】
部品実装装置1では、機械学習装置20から送信された判定条件情報D2を判定条件記憶部144が記憶し、判定部142が当該判定条件情報D2を参照して吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢を判定する。そして、判定部142は、判定結果を表す搭載許可情報J141又は搭載不許可情報J142を出力する。機械学習装置20の履歴記憶部25は、搭載不許可情報J142の出力回数の履歴を含む履歴情報D3(
図17参照)を記憶する。
【0116】
そして、補正部263は、履歴情報D3に基づき搭載不許可情報J142の出力回数の推移を監視し(ステップa8)、搭載不許可情報J142の出力回数が過剰に上昇しているか否かを判断する(ステップa9)。補正部263は、搭載不許可情報J142の出力回数の過剰な上昇傾向を検知した場合には、当該上昇傾向が緩和されるように、判定条件D23を補正する(ステップa10)。補正部263は、補正後の判定条件を出力する。補正部263から補正後の判定条件が出力されると、その判定条件は、通信部22を介して部品実装装置1に送信される(ステップa11)。
【0117】
部品実装装置1では、機械学習装置20から送信された補正後の判定条件を判定条件記憶部144が記憶し、判定部142が当該補正後の判定条件を参照して吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢を判定する。これにより、基板Pに対する搭載を許可する搭載許可姿勢を取っているかを好適に判定することができる。
【0118】
<部品実装装置の部品搭載動作について>
次に、
図19のフローチャートを参照して、部品実装装置1の部品搭載動作について説明する。
【0119】
部品実装装置1は、基板Pに対する部品Eの部品搭載動作を開始する指令信号がオペレーターの操作により入力されると、その部品搭載動作を開始する。まず、基板Pがコンベア3上を搬送されて、所定の部品搭載位置に位置決めされる。そして、部品供給制御部12は、部品供給装置5を制御する。部品供給装置5は、部品収納テープ100を間欠的に送出することにより、部品Eを部品供給位置P1に供給する。
【0120】
次に、ヘッド駆動制御部13は、第1駆動機構7及び第2駆動機構8によるヘッドユニット6のX方向及びY方向に関する水平面上の移動を制御する。第1駆動機構7及び第2駆動機構8は、吸着ノズル63が部品供給位置P1の真上に位置するように、ヘッドユニット6を移動させる。次に、ヘッド駆動制御部13は、ノズル昇降駆動機構67による吸着ノズル63の昇降動作を制御する。ノズル昇降駆動機構67は、吸着ノズル63を下降させる。下降された吸着ノズル63は、部品供給位置P1に供給された部品Eを吸着保持する(ステップb1)。吸着ノズル63が部品Eを保持すると、ヘッド駆動制御部13は、吸着ノズル63を上昇させる。このとき、第2撮像部92は、吸着ノズル63に保持された部品Eを側方から撮像して第2撮像画像G2を取得する(ステップb2)。
【0121】
次に、ヘッド駆動制御部13は、第1駆動機構7及び第2駆動機構8によるヘッドユニット6のX方向及びY方向に関する水平面上の移動を制御する。第1駆動機構7及び第2駆動機構8は、吸着ノズル63がコンベア3上の基板Pにおける部品搭載位置の真上に位置するように、ヘッドユニット6を移動させる。このとき、第1撮像部91は、吸着ノズル63に保持された部品Eを下方から撮像して第1撮像画像G1を取得する(ステップb2)。
【0122】
第1撮像部91が第1撮像画像G1を取得し、第2撮像部92が第2撮像画像G2を取得すると、特徴量算出部141は、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2に基づき、部品姿勢に関する特徴量を、判定指標ごとに算出する(ステップb3)。
【0123】
次に、判定部142は、判定条件記憶部144に記憶された判定条件情報D2に含まれる判定条件D23を読み出す(ステップb4)。判定部142は、吸着ノズル63に保持された部品Eに対応した判定条件D23を読み出す。そして、判定部142は、特徴量算出部141により算出された特徴量と、判定条件D23に含まれる判定基準値D232とを判定指標D231ごとに比較することによって、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が、搭載許可姿勢又は搭載不許可姿勢のいずれの姿勢であるかを判定する(ステップb5、ステップb6)。判定部142は、全ての判定指標D231において特徴量が判定基準値D232を満たす場合に、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が搭載許可姿勢であると判定し、搭載許可情報J141を出力する(ステップb7)。一方、少なくとも1つの判定指標D231において特徴量が判定基準値D232を満たさない場合には、判定部142は、吸着ノズル63に保持された部品Eの姿勢が搭載不許可姿勢であると判定し、搭載不許可情報J142を出力する(ステップb9)。
【0124】
判定部142から搭載許可情報J141が出力されると、ヘッド駆動制御部13は、部品搭載位置の真上に配置され、部品Eを保持した吸着ノズル63を下降させて、基板Pへの部品Eの部品搭載動作を実行する(ステップb8)。このようにして、部品Eを基板Pに搭載することができる。一方、判定部142から搭載不許可情報J142が出力されると、ヘッド駆動制御部13は、吸着ノズル63に保持された部品Eを廃棄する部品廃棄動作を実行するように、ヘッドユニット6の動作を制御する(ステップb10)。このようにして、搭載不許可姿勢を取った部品Eを廃棄することにより、基板Pに対する部品Eの搭載不良の発生を低減することができる。