特許第6899770号(P6899770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6899770香味組成物およびそれを含有するペットフード製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899770
(24)【登録日】2021年6月17日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】香味組成物およびそれを含有するペットフード製品
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/23 20160101AFI20210628BHJP
   A23L 27/21 20160101ALI20210628BHJP
   A23K 50/40 20160101ALI20210628BHJP
   A23K 20/153 20160101ALI20210628BHJP
   A23K 20/142 20160101ALI20210628BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20210628BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20210628BHJP
【FI】
   A23L27/23 Z
   A23L27/21 Z
   A23K50/40
   A23K20/153
   A23K20/142
   !C12N15/12ZNA
   !C07K14/705
【請求項の数】16
【全頁数】251
(21)【出願番号】特願2017-527619(P2017-527619)
(86)(22)【出願日】2015年12月10日
(65)【公表番号】特表2018-503359(P2018-503359A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】US2015065036
(87)【国際公開番号】WO2016094682
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年12月10日
(31)【優先権主張番号】62/090,138
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390037914
【氏名又は名称】マース インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】マクグレイン,スコット ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,アンドリュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファイン,リチャード マステン
(72)【発明者】
【氏名】スキルズ,ジェリー ウォレス
【審査官】 中野 あい
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−530020(JP,A)
【文献】 特表2007−517493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/00−27/40、27/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS/AGRICOLA/FSTA/BIOTECHNO/CABA/SCISEARCH/TOXCENTER(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩、
N−ベンジル−D−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩、
ベンジル−L−ロイシンメチルエステル塩酸メチル、
2−ベンジルアミノ−2−フェニル酢酸メチル、
L−フェニルアラニンベンジルエステル塩酸塩
およびそれらの組合せからなる群より選択される化合物を含む香味組成物。
【請求項2】
前記化合物が、
【化1】
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およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の香味組成物。
【請求項3】
グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、イノシン一リン酸(IMP)、イノシン二リン酸(IDP)、イノシン三リン酸(ITP)、ウリジン(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、キサントシン一リン酸(XMP)、キサントシン二リン酸(XDP)、キサントシン三リン酸(XTP)、およびそれらの組合せからなる群より選択されるヌクレオチドをさらに含む、請求項1または2に記載の香味組成物。
【請求項4】
前記ヌクレオチドが、グアノシン一リン酸(GMP)、イノシン一リン酸(IMP)、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項3に記載の香味組成物。
【請求項5】
トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン、グリシン、システイン、アラニン、チロシン、セリン、メチオニン、アスパラギン、ロイシン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるアミノ酸をさらに含む、請求項1から4いずれか1項記載の香味組成物。
【請求項6】
アスパラギン、トレオニン、イソロイシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒドロキシルプロリン、アルギニン、シスチン、グルタミン、リシン、バリン、オルニチン、グルタミン酸ナトリウム、タウリン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるアミノ酸をさらに含む、請求項1から5いずれか1項記載の香味組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の第1のアミノ酸、および請求項6に記載の第2のアミノ酸をさらに含む、請求項1または2に記載の香味組成物。
【請求項8】
【化2-1】
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【化2-2】
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【化2-3】
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【化2-4】
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【化2-5】
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およびそれらの組合せからなる群より選択されるヌクレオチド誘導体をさらに含む、請求項1から8いずれか1項記載の香味組成物。
【請求項9】
アラニンおよびグアノシン一リン酸(GMP)をさらに含む、請求項1または2に記載の香味組成物。
【請求項10】
アラニンおよびイノシン一リン酸(IMP)をさらに含む、請求項1または2に記載の香味組成物。
【請求項11】
請求項1から10いずれか1項記載の香味組成物を含む食品であって、前記香味組成物中の前記化合物がN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩、N−ベンジル−D−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩、ベンジル−L−ロイシンメチルエステル塩酸メチルまたは2−ベンジルアミノ−2−フェニル酢酸メチルであるとき、該化合物が前記食品の0.01−1mMの濃度で、前記化合物がL−フェニルアラニンベンジルエステル塩酸塩であるとき、該化合物が前記食品の0.01−0.1mMの濃度で存在する食品。
【請求項12】
食品における旨味強度を増加させる方法であって、食品を請求項1から10いずれか1項記載の香味組成物と混合する工程を有してなり、その混合物中、該香味組成物中の前記化合物がN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩、N−ベンジル−D−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩、ベンジル−L−ロイシンメチルエステル塩酸メチルまたは2−ベンジルアミノ−2−フェニル酢酸メチルであるとき、該化合物が0.01−1mMの濃度で、前記化合物がL−フェニルアラニンベンジルエステル塩酸塩であるとき、該化合物が0.01−0.1mMの濃度で存在する、方法。
【請求項13】
前記食品がペットフード製品を含む、請求項11に記載の食品。
【請求項14】
前記ペットフード製品がネコまたはイヌ用ペットフード製品である、請求項13に記載の食品。
【請求項15】
前記ペットフード製品がウェットタイプまたはドライタイプのペットフード製品である、請求項13または14に記載の食品。
【請求項16】
前記食品がヒト用食品を含む、請求項11に記載の食品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容がここに引用され、その優先権が主張される、2014年12月10日に出願された米国仮特許出願第62/090138号に優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
これより開示される主題は、旨味受容体の活性を調節する化合物、およびそのような化合物を少なくとも1種類含む香味組成物、並びにそのような化合物を同定する方法に関する。その香味組成物は、ペットフード製品の美味しさ、味質および/または香味を向上させるまたは変えるために使用できる。その香味組成物は、化合物の組合せを含有し得、様々な送達系フォーマットでペットフード製品に添加することができる。旨味受容体の活性を調節する化合物は、1種類以上の膜貫通化合物、ヌクレオチド誘導体、ヌクレオチド、第1のアミノ酸、第2のアミノ酸、またはそれらの組合せを含み得る。
【背景技術】
【0003】
食用組成物の味のプロファイルは、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味およびコク味などの基本の味を含む。味のプロファイルは、遊離脂肪酸味を含むとも表現されてきた。これらの味を引き出す化合物は、しばしば味物質(tastant)と称される。味物質は、口内および咽喉内にある、信号を脳に伝達する味覚受容体により感知され、脳で味物質および結果として生じる味のプロファイルが示されると仮定される。味覚受容体は、味覚受容体として機能するヘテロ二量体として相互作用する、T1R1、T1R2、およびT1R3などのT1Rファミリーの味覚受容体を含む。例えば、T1R2/T1R3は甘味刺激に反応し、T1R1/T1R3ヘテロ二量体は旨味を認識する。ネコ科のネコと構成員は、機能性T1R2単量体を発現できず、ネコにおける主要な機能性T1Rファミリーの味覚受容体は、旨味受容体のT1R1/T1R3であることを示す。さらに、ネコは、旨味のある食品組成物の優先傾向を示してきた。
【0004】
ヒトT1R1/T1R3受容体とネコT1R1/T1R3受容体との間には、いくつかの顕著な違いがある。例えば、ヒトT1R1/T1R3は、作用薬としてのアミノ酸のグルタミン酸、および正のアロステリック調節因子としてのヌクレオチド、特に、IMPおよびGMPに反応する。ヒトT1R1/T1R3は、その受容体の膜貫通領域に結合する化合物にも反応する。例えば、その受容体の正のアロステリック調節因子である、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドが、ドメイン交換実験によりヒトT1R1膜貫通領域に結合することが示された(非特許文献1)。その膜貫通領域に結合するアロステリック調節因子は、mGluR受容体およびCaSR受容体を含むクラスIIIのGPCRの多数の構成員の活性を調節することも知られている。しかしながら、ヒトおよびネコT1R1/T1R3は、ヌクレオチドおよびアミノ酸の組合せに相乗的に反応する。
【0005】
ペットフードの製造業者には、高い栄養価を持つペットフード製品を提供するという積年の願望がある。その上、特にキャットフードおよびドッグフードに関して、ペットフードの製造業者は、ペットがペットフードから完全な栄養面での恩恵を享受できるように高いレベルの美味しさを望んでいる。家畜、特にネコは、しばしば、その食品の好みに悪名高く気まぐれであり、しばらくの間受け入れてきたペットフード製品を食べるのを拒んだり、またはペットフード製品の最小量よりも少しでも多く食べるのを拒んだりする。その結果、ペットの飼い主は、そのペットを健康で満足した状態に維持するために、ペットフードのタイプやブランドを頻繁に変える。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Zhang et.al. Proc Natl Acad Sci USA. 105(52):20930-4, 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
味覚と香味の技術において近年進歩があるが、ペットフード製品の味、テキスチャーおよび/または香味のプロファイルを向上させるまたは変えることによって、ペットフード製品の美味しさを向上させられるまたは変えられる化合物が依然として必要とされている。その向上または変更は、所望の属性の強度を増加させるため、ペットフード製品中に存在しないまたはどういうわけか失われた所望の属性を交換するため、または望ましくない属性の強度を減少させるためであり得る。特に、ペットフード製品中の味物質の強度を増加させることが望ましい。したがって、ペットフード製品の美味しさおよび/または旨味を向上させるための組成物が、依然として当該技術分野に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これより開示される主題は、香味組成物、並びに多種多様なペットフード製品に亘りそのような組成物を製造する方法および改良する方法に関する。詳しくは、本開示は、旨味受容体のT1R1/T1R3の活性を向上させる、増加させる、および/または調節する1種類以上の膜貫通化合物および/またはヌクレオチド誘導体を含む組成物に関する。
【0009】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−1:
【0010】
【化1】
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【0011】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1-7、X1およびn1は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−1の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0012】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0013】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0014】
を有する式Tm−2の化合物を含み、式中、R4、R5、R6、R7、X1、およびn1は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−2の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0015】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されるような、式Tm−20からTm−40の1種類以上の膜貫通化合物を含む。
【0016】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−3:
【0017】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0018】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1-5、X1およびn1は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−3の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0019】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−4:
【0020】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0021】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1-2、X1およびn1は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−4の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0022】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されるような、式Tm−41からTm−55の1種類以上の膜貫通化合物を含む。
【0023】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−5:
【0024】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0025】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1、R2、およびX1-3は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−5の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0026】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−6:
【0027】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0028】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1およびR2は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−6の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0029】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−7:
【0030】
【化7】
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【0031】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1およびR2は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−7の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0032】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されるような、Tm−56からTm−74の1種類以上の膜貫通化合物を含む。
【0033】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−8:
【0034】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0035】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1、R2、X1-4およびn1は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−8の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0036】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されるような、式Tm−76の膜貫通化合物を含む。
【0037】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−13:
【0038】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0039】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1〜R3、YおよびX1-4は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−13の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0040】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、式Tm−12:
【0041】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0042】
の膜貫通化合物を含み、式中、R1〜R3、YおよびX1-3は、下記に記載されている。本開示は、式Tm−12の化合物の塩および立体異性体を提供する。
【0043】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されるような、式Tm−75の膜貫通化合物を含む。
【0044】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されるような、式Tm−77からTm−104の1種類以上の膜貫通化合物を含む。
【0045】
特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも1種類のヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体をさらに含み得る。ヌクレオチドの非限定的例としては、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、イノシン一リン酸(IMP)、イノシン二リン酸(IDP)、イノシン三リン酸(ITP)、ウリジン(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、キサントシン一リン酸(XMP)、キサントシン二リン酸(XDP)、キサントシン三リン酸(XTP)、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0046】
1つの実施の形態において、前記香味組成物は、グアノシン一リン酸(GMP)、イノシン一リン酸(IMP)、およびそれらの組合せからなる群より選択されるヌクレオチドをさらに含み得る。
【0047】
特定の実施の形態において、前記香味組成物は、1種類以上の第1のアミノ酸および/または1種類以上の第2のアミノ酸をさらに含む。特定の実施の形態において、その香味組成物は、少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第1のアミノ酸および/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第2のアミノ酸をさらに含む。特定の実施の形態において、その香味組成物は、少なくとも1種類の第1のアミノ酸および/または少なくとも1種類の第2のアミノ酸をさらに含む。特定の実施の形態において、その香味組成物は、少なくとも2種類の第1のアミノ酸および/または少なくとも1種類の第2のアミノ酸を含む。特定の実施の形態において、その香味組成物は、少なくとも1種類の第1のアミノ酸および/または少なくとも2種類の第2のアミノ酸をさらに含む。特定の実施の形態において、その香味組成物は、少なくとも2種類の第1のアミノ酸および/または少なくとも2種類の第2のアミノ酸をさらに含む。
【0048】
第1のアミノ酸の非限定的例としては、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン、グリシン、システイン、アラニン、チロシン、セリン、メチオニン、アスパラギン、ロイシン、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0049】
第2のアミノ酸の非限定的例としては、アスパラギン、トレオニン、イソロイシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒドロキシルプロリン、アルギニン、シスチン、グルタミン、リシン、バリン、オルニチン、グルタミン酸ナトリウム、タウリン、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0050】
特定の実施の形態において、前記香味組成物はアラニンをさらに含む。
【0051】
特定の実施の形態において、前記香味組成物はグリシンをさらに含む。
【0052】
特定の実施の形態において、前記香味組成物はヒスチジンをさらに含む。
【0053】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されるような、式Nt−1からNt−55の1種類以上のヌクレオチド誘導体を含む。
【0054】
他の実施の形態において、前記香味組成物は、アラニンおよびグアノシン一リン酸(GMP)をさらに含む。
【0055】
さらに他の実施の形態において、前記香味組成物は、アラニンおよびイノシン一リン酸(IMP)をさらに含む。
【0056】
特定の実施の形態において、本開示は、ここに記載されたような香味組成物を含む食品であって、その香味組成物が、その食品の約0.0001質量%から約10質量%の濃度で存在する食品を提供する。他の実施の形態において、その香味組成物は、その食品の約0.001ppmから約1,000ppmの濃度で存在する。さらに他の実施の形態において、その香味組成物は、その食品の約1pMから約1M、または約1μMから約1Mの濃度で存在する。
【0057】
特定の実施の形態において、前記香味組成物は、味覚試験者のパネルにより決定して、前記食品の美味しさを増すのに効果的な量で存在する。
【0058】
他の実施の形態において、本開示は、食品における旨味強度を増加させる方法であって、食品をここに記載された香味組成物と混合する工程を有してなり、その香味組成物がその混合物の約0.0001質量%から約10質量%の濃度で存在する、方法を提供する。他の実施の形態において、その香味組成物は、その混合物の約0.001ppmから約1,000ppmの濃度で存在する。さらに他の実施の形態において、その香味組成物は、その混合物の約1pMから約1M、または約1μMから約1Mの濃度で存在する。
【0059】
他の実施の形態において、本開示は、食品における旨味強度を増加させる方法であって、食品をここに記載された香味組成物と混合する工程を有してなり、その香味組成物が、味覚試験者のパネルにより決定して、前記食品の美味しさを増すのに効果的な量で存在する、方法を提供する。特定の実施の形態において、旨味強度の増加は、旨味の後味の増加を含む。
【0060】
本開示は、ここに記載された香味組成物を含む食品を調製する方法であって、食品前駆体の熱加工を含み、その香味組成物は、その熱加工中に生成される、方法も提供する。熱加工の例としては、例えば、殺菌、レトルト加工、押出し、射出成形またはそれらの組合せが挙げられる。
【0061】
特定の実施の形態において、ここに記載された食品は、ペットフード製品、例えば、ウェットおよび/またはドライタイプのネコ用ペットフード製品などのネコ用ペットフード製品を含む。他の例において、そのペットフード製品は、ウェットおよび/またはドライタイプのイヌ用ペットフード製品などのイヌ用ペットフード製品を含む。
【0062】
他の実施の形態において、ここに記載された食品は、ヒト用食品を含む。
【0063】
前述したことは、以下の詳細な説明がよりよく理解されるように、本出願の特徴および技術的利点の要点をかなり広く述べている。本出願の請求項の主題を形成する、本出願の追加の特徴および利点が、以下に記載される。開示された概念および特別な実施の形態は、本出願の同じ目的を実施するための他の構造を改良または設計するための基礎として容易に使用できることが当業者に認識されるはずである。そのような同等の構造は、付随する特許請求の範囲に述べられたような本出願の精神および範囲から逸脱しないことも当業者は気付くはずである。本出願の特性と考えられる新規の特徴は、その構成および作動方法の両方に関して、さらなる目的および利点と共に、以下の説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1図1は、ネコT1R1/T1R3旨味受容体をインビトロで活性化させるための試験化合物としてのグアノシン一リン酸(GMP)の用量反応曲線を示す。この図(並びに、図2〜12、14、および38〜45)において、4つの曲線が示されている:緩衝剤中の試験化合物、20mMのアラニンを含む緩衝剤中の試験化合物、0.2mMのIMPを含む緩衝剤中の試験化合物、および20mMのアラニンと0.2mMのIMPを含む緩衝剤中の試験化合物。水平軸はmMで表された試験化合物の濃度である。垂直軸は、蛍光分析においてΔF/Fとして、または発光分析においてLumとして測定された受容体反応である。
図2図2は、2’−デオキシアデノシン−3’,5’−O−ビスリン酸の用量反応曲線を示す。
図3図3は、イノシン5’−二リン酸(IDP)ナトリウム塩の用量反応曲線を示す。
図4図4は、2’−/3’−O−(2−アミノエチルカルバモイル)アデノシン−5’O−一リン酸の用量反応曲線を示す。
図5図5は、2’−/3’−O−(2−アミノエチルカルバモイル)グアノシン−5’O−一リン酸の用量反応曲線を示す。
図6図6は、イノシン三リン酸(ITP)三ナトリウム塩の用量反応曲線を示す。
図7図7は、N6−ベンゾイルアデノシン−5’−O−一リン酸の用量反応曲線を示す。
図8図8は、アデノシン5’−O−チオ一リン酸二リチウム塩の用量反応曲線を示す。
図9図9は、アデノシン3’,5’−二リン酸ナトリウム塩およびアラニン(1:1000)の用量反応曲線を示す。
図10図10は、アデノシン3’,5’−二リン酸ナトリウム塩およびアラニン(1:100)の用量反応曲線を示す。
図11図11は、アデノシン3’,5’−二リン酸ナトリウム塩およびアラニン(1:10)の用量反応曲線を示す。
図12図12は、アデノシン3’,5’−二リン酸ナトリウム塩の用量反応曲線を示す。
図13図13は、ネコT1R1/T1R3を活性化させるためのイノシン一リン酸(IMP)の用量反応曲線を示す。IMPは、図1〜13および38〜45に記載された実験の対照として使用した。
図14図14は、IMPおよびL−アラニンに結合したネコT1R1/T1R3のVFT領域の全体の構造モデルを示す。L−アラニンおよびIMPは、VFT領域の上側球体と下側球体の間の活性部位に結合しているのが示されている。
図15図15は、L−アラニンに結合したネコT1R1 VFTのモデルを示している。L−アラニンはVFT領域のヒンジ区域に結合している。推定水素結合、塩橋、およびπカチオンの相互作用が、L−アラニンと以下のT1R1アミノ酸との間に示されている:Thr149、Ser172、Tyr220、Thr148、Glu170、およびAsp302。相互作用が点線で示されている。Glu170、およびAsp302は、ヒトの旨味受容体の天然リガンドであるL−グルタミン酸塩およびL−アスパラギン酸の結合を静電気的にきらいながら、結合したアミノ酸の両性イオン窒素と配位する。
図16図16は、GMPに結合したネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。推定水素結合および塩橋の相互作用が、GMPのリン酸塩と、His47、His71、Arg277、およびAsn69との間;GMPの糖と、Asp302およびSer306との間;並びにGMP塩基と、Ser384、His308、およびAla380との間に点線で示されている。
図17図17は、T1R1のAsp302が、結合アミノ酸の両性イオン主鎖窒素(左側にアラニン)および結合ヌクレオチドの糖分子(右側にGMP)に同時に配位するであろうことを示すネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図18図18は、T1R1と結合3’5’−二リン酸の間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図19図19は、T1R1と結合XMPの間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図20図20は、T1R1と結合N−アセチル−5’−GMPの間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図21図21は、T1R1と結合2’−3’AEC−5’−AMPの間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図22図22は、T1R1と結合5’d−GMPSの間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図23図23は、T1R1と結合5’−O−2−チオ二リン酸の間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図24図24は、T1R1と結合6−チオグアノシン−5’−O−一リン酸の間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図25図25は、T1R1と結合CMPの間の推定相互作用を示す、ネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。
図26図26は、アデノシン3’5’二リン酸に結合したネコT1R1 VFTのコンピュータモデルを示す。推定水素結合および塩橋の相互作用が、アデノシン3’5’二リン酸のリン酸基と、His71、His47、Asn69、Arg281、Arg277、His308、およびIle309との間;アデノシン3’5’二リン酸の糖と、Asp302、およびSer306との間;並びにアデノシン3’5’二リン酸塩基と、Ser384との間に点線で示されている。
図27図27は、ネコT1R1膜貫通領域のコンピュータモデルを示す。膜貫通化合物であるN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルが、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしているのが示されている。
図28図28は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしているN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルのコンピュータモデルを示す。
図29図29は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている2−アミノ−N−フェネチルベンズアミドのコンピュータモデルを示す。
図30図30は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしているN−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)ニコチンアミドのコンピュータモデルを示す。
図31図31は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている1−ベンジル−3−(2−(5−クロロチオフェン−2−イル)2−オキソエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンのコンピュータモデルを示す。
図32図32は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている(2,2−ジフェニルアセチル)カルバミン酸エチルのコンピュータモデルを示す。
図33図33は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている2−((3,5−ジクロロフェニル)カルバモイル)シクロヘキサンカルボン酸のコンピュータモデルを示す。
図34図34は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしているN−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドのコンピュータモデルを示す。
図35図35は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンのコンピュータモデルを示す。
図36図36は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン誘導体化合物のコンピュータモデルを示す。
図37図37は、1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンの用量反応曲線を示す。
図38図38は、1−(2−ブロモフェニル)−3−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)尿素の用量反応曲線を示す。
図39図39は、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−プロピルペンタンアミドの用量反応曲線を示す。
図40図40は、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドの用量反応曲線を示す。
図41図41は、N−(2−アミノ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3−クロロ−4,5−ジメトキシベンズアミドの用量反応曲線を示す。
図42図42は、(E)−3−(4−メトキシフェニル)−N−(ペンタン−3−イル)アクリルアミドの用量反応曲線を示す。
図43図43は、2−((5−(4−(メチルチオ)フェニル)−2H−テトラゾール−2−イル)メチル)ピリジンの用量反応曲線を示す。
図44図44は、GMPおよびフェニルアラニンの存在下でのN−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドの用量反応曲線を示す。
図45図45は、GMPおよびフェニルアラニンの存在下でのN−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドのΔF/F0値をプロットしたグラフを示す。
図46-1】図46−1は、図1〜14および38〜45により記載された実験に関するネコT1R1/T1R3を活性化する上での正と負の対照の用量反応曲線を示す。アミノ酸の用量反応曲線は、0.2mMのIMPの存在下で決定した。ヌクレオチドの用量反応曲線は、20mMのアラニンの存在下で決定した。
図46-2】図46−2は図46−1の続きである。
図47図47は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図48図48は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図49図49は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図50図50は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図51図51は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図52図52は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図53図53は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図54図54は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図55図55は、T1R1の膜貫通領域内にドッキングしている、開示された主題の1つの例示の実施の形態による膜貫通化合物のコンピュータモデルを示す。
図56a図56aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での1,3−ジベンジルピリミジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図56b図56bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での1,3−ジベンジルピリミジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図57a図57aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での4−ベンジル−3−ブチル−1−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図57b図57bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での4−ベンジル−3−ブチル−1−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図58a図58aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での2−((3,5−ジクロロフェニル)カルバモイル)シクロヘキサンカルボン酸によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図58b図58bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での2−((3,5−ジクロロフェニル)カルバモイル)シクロヘキサンカルボン酸によるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図59a図59aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での4−アセトアミド−N−(1−(2−ヒドロキシエチル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図59b図59bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での4−アセトアミド−N−(1−(2−ヒドロキシエチル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図60a図60aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での(ジフェニルアセチル)−カルバミン酸エチルエステルによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図60b図60bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での(ジフェニルアセチル)−カルバミン酸エチルエステルによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図61a図61aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下でのN,N’−(ブタン−1,4−ジイル)ジニコチンアミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図61b図61bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下でのN,N’−(ブタン−1,4−ジイル)ジニコチンアミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図62a図62aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下でのN−フェネチルニコチンアミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図62b図62bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下でのN−フェネチルニコチンアミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図63a図63aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での2−アミノ−N−フェネチルベンズアミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図63b図63bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での2−アミノ−N−フェネチルベンズアミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図64a図64aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下でのN−フェネチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図64b図64bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下でのN−フェネチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図65a図65aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下でのN−フェネチルベンズアミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図65b図65bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下でのN−フェネチルベンズアミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図66a図66aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下でのN−ベンゾイル−DL−ロイシンアミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図66b図66bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下でのN−ベンゾイル−DL−ロイシンアミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図67a図67aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下でのN−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)ニコチンアミドによるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図67b図67bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下でのN−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)ニコチンアミドによるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図68a図68aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下でのN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図68b図68bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下でのN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩によるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図69a図69aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での6−チオグアノシン−5’−O−二リン酸(6−T−GDP)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図69b図69bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での6−チオグアノシン−5’−O−二リン酸(6−T−GDP)によるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図70a図70aは、20mMのL−アラニンまたは0.2mMのIMPの存在下での6−クロロプリンリボシド−5’−O−三リン酸(6−Cl−PuTP)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図70b図70bは、緩衝剤中単独の、もしくは20mMのL−アラニン、0.2mMのIMP、または20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPの両方の存在下での6−クロロプリンリボシド−5’−O−三リン酸(6−Cl−PuTP)によるT1R1/T1R3の活性化の用量反応曲線を示す。
図71-1】図71−1は、図57〜75により記載された実験に関するネコT1R1/T1R3を活性化する上での正と負の対照の用量反応曲線を示す。アミノ酸の用量反応曲線は、0.2mMのIMPの存在下で決定した。ヌクレオチドの用量反応曲線は、20mMのアラニンの存在下で決定した。
図71-2】図71−2は図71−1の続きである。
図71-3】図71−3は図71−2の続きである。
図72a図72aは、膜貫通化合物である、1−ベンジル−3−(2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル)−2−オキソエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンのみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1Rの活性化を示す。
図72b図72bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、1−ベンジル−3−(2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル)−2−オキソエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオン(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1Rの活性化を示す。
図72c図72cは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、1−ベンジル−3−(2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル)−2−オキソエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオン(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1Rの活性化を示す。
図72d図72dは、図72aおよび図72b両方からのデータのグラフ表示を示す。この膜貫通化合物はPAM活性を示した。
図73a図73aは、膜貫通化合物である、1−ベンジル−3−(2−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンのみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図73b図73bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、1−ベンジル−3−(2−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオン(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図73c図73cは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、1−ベンジル−3−(2−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオン(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図73d図73dは、図73aおよび図73b両方からのデータのグラフ表示を示す。
図73e図73eは、T1R1/T1R3を発現する細胞(誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。
図73f図73fは、T1R1を発現しなかった模擬対照細胞(非誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。この膜貫通化合物はPAM活性を示した。
図74a図74aは、膜貫通化合物である、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドのみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図74b図74bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミド(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図74c図74cは、図74aおよび図74b両方からのデータのグラフ表示を示す。
図74d図74dは、T1R1/T1R3を発現する細胞(誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。
図74e図74eは、T1R1を発現しなかった模擬対照細胞(非誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。この膜貫通化合物は作用薬およびPAM活性を示した。
図75a図75aは、膜貫通化合物である、N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩のみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図75b図75bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図75c図75cは、図75aおよび図75b両方からのデータのグラフ表示を示す。
図75d図75dは、T1R1/T1R3を発現する細胞(誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。
図75e図75eは、T1R1を発現しなかった模擬対照細胞(非誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。この膜貫通化合物は作用薬およびPAM活性を示した。
図76a図76aは、膜貫通化合物である、N−ベンジル−D−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩のみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図76b図76bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、N−ベンジル−D−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図76c図76cは、図76aおよび図76b両方からのデータのグラフ表示を示す。
図76d図76dは、T1R1/T1R3を発現する細胞(誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。
図76e図76eは、T1R1を発現しなかった模擬対照細胞(非誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。この膜貫通化合物は作用薬およびPAM活性を示した。
図77a図77aは、膜貫通化合物である、ベンジル−L−ロイシンメチルエステル塩酸塩のみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図77b図77bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、ベンジル−L−ロイシンメチルエステル塩酸塩(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図77c図77cは、図77aおよび図77b両方からのデータのグラフ表示を示す。
図77d図77dは、T1R1/T1R3を発現する細胞(誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。
図77e図77eは、T1R1を発現しなかった模擬対照細胞(非誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。この膜貫通化合物は作用薬およびPAM活性を示した。
図78a図78aは、膜貫通化合物である、2−ベンジルアミノ−2−フェニル酢酸メチルのみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図78b図78bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、2−ベンジルアミノ−2−フェニル酢酸メチル(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図78c図78cは、図78aおよび図78b両方からのデータのグラフ表示を示す。
図78d図78dは、T1R1/T1R3を発現する細胞(誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。
図78e図78eは、T1R1を発現しなかった模擬対照細胞(非誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。この膜貫通化合物は作用薬およびPAM活性を示した。
図79a図79aは、膜貫通化合物である、L−フェニルアラニンベンジルエステル塩酸塩のみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図79b図79bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、L−フェニルアラニンベンジルエステル塩酸塩(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図79c図79cは、図79aおよび図79b両方からのデータのグラフ表示を示す。
図79d図79dは、T1R1/T1R3を発現する細胞(誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。
図79e図79eは、T1R1を発現しなかった模擬対照細胞(非誘発)における、GMP濃度を一定に維持し、Ala濃度を変えたとき、およびAla濃度を一定に維持し、GMP濃度を変えたときの、前記膜貫通化合物の用量反応曲線を示す。この膜貫通化合物は作用薬およびPAM活性を示した。
図80a図80aは、膜貫通化合物である、1,3−ジベンジルピリミジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンのみ(作用薬プロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。
図80b図80bは、GMPおよびアラニンの存在下での、膜貫通化合物である、1,3−ジベンジルピリミジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(PAMプロファイル評価)によるT1R1/T1R3の活性化を示す。この膜貫通化合物は作用薬活性を示した。
図81-1】図81−1は、ネコT1R1受容体核酸配列(配列番号1)を示す。
図81-2】図81−2は図81−1の続きである。
図82図82は、ネコT1R1受容体アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
図83-1】図83−1は、ネコT1R3受容体核酸配列(配列番号3)を示す。
図83-2】図83−2は図83−1の続きである。
図84図84は、ネコT1R3受容体アミノ酸配列(配列番号4)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
今まで、様々なネコ用ペットフード製品の美味しさを増加させる、および/または向上させるための所望のレベルの旨味香味料を提供するできる香味調整剤が引き続き必要とされている。本出願は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を含む香味組成物に関する。この香味組成物は、栄養的に完全なペットフードなどの様々なペットフード製品の美味しさを増加させる、および/または味を向上させるまたは調整するために使用できる。特定の実施の形態において、その香味組成物は、ペットフード製品の旨味を増加させるために使用できる。その香味組成物は、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸を含む化合物の組合せをさらに含み得、様々な送達系フォーマットでペットフード製品に添加することができる。
【0066】
1.定義
本明細書に使用される用語は、概して、本発明の文脈内であり、各用語が使用される特定の文脈において、当該技術分野における通常の意味を有する。本発明の組成物および方法、並びにそれらをどのように製造し使用するかの説明において、追加の指針を当業者に与えるために、特定の用語が、下記、または明細書の他の場所に論じられている。
【0067】
ここに用いたように、名詞が、特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語と共に使用されている場合、「1つ」の対照を指すことがあるが、また、「1つ以上」、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の意味とも矛盾しない。さらにまた、「有する」、「含む」、「含有する」、および「備える」という用語は交換可能であり、当業者は、これらの用語は制約がない用語であることを認識している。
【0068】
「約」または「おおよそ」という用語は、当業者が決定するような特定の値に関する許容される誤差範囲内を意味し、これは、一部には、その値がどのように測定または決定されるか、すなわち、測定システムの制限に依存する。例えば、「約」は、当該技術分野の慣例により、3以内または3を超える標準偏差を意味し得る。あるいは、「約」は、所定の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらにより好ましくは1%までの範囲を意味し得る。あるいは、特に生物系または生物学的過程に関して、その用語は、ある値の10倍以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0069】
ここに用いたように、「味」は、対象の口腔内の受容体細胞の活性化または阻害により生じる知覚を称する。特定の実施の形態において、味は、甘味、酸味、塩味、苦味、コク味および旨味からなる群より選択され得る。特定の実施の形態において、「味」は遊離脂肪酸の味を含み得る。例えば、その内容がここに引用される、Cartoni et al., J. of Neuroscience, 30(25): 8376-8382 (2010)を参照のこと。特定の実施の形態において、味は、対象において、「味物質」により引き出される。特定の実施の形態において、味物質は合成味物質である。特定の実施の形態において、その味物質は天然源から調製される。
【0070】
ここに用いたように、「味のプロファイル」は、例えば、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、コク味および遊離脂肪酸味の味の1種類以上などの味の組合せを称する。特定の実施の形態において、味のプロファイルは、同じまたは異なる濃度で組成物中に存在する1種類以上の味物質により生成される。特定の実施の形態において、味のプロファイルは、味または味の組合せ、例えば、対象または当該技術分野に公知の任意の試験法により検出されるような、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、コク味および遊離脂肪酸味の強度を称する。特定の実施の形態において、味のプロファイルにおいて味物質の組合せを調整する、変更する、または変動させると、対象の知覚体験を変えることができる。
【0071】
特定の実施の形態において、「後味」は、食品が口または口腔から除去された後に知覚される、食品の味覚強度を称する。
【0072】
ここに用いたように、「香味」は、例えば、味(味覚)、匂い(嗅覚)、接触(触感)および温度(熱)刺激の1つ以上などの1つ以上の知覚刺激を称する。特定の非限定的実施の形態において、香味に曝された対象の知覚体験は、特定の香味の特徴的体験として分類できる。例えば、香味は、対象により、以下に限られないが、花、柑橘類、ベリー類、木の実、カラメル、チョコレート、胡椒、いぶした、チーズ、肉などの香味と同定され得る。ここに用いたように、香味組成物は、液体、溶液、乾燥粉末、スプレイ、ペースト、懸濁液、およびそれらの任意の組合せから選択できる。香味料は、天然組成物、人工組成物、天然同一、またはそれらの任意の組合せであり得る。
【0073】
ここに交換可能に使用されるように、「芳香」および「匂い」は、刺激に対する嗅覚応答を称する。例えば、限定するものではなく、芳香は、嗅覚系の匂い受容器により知覚される芳香物質により生成され得る。
【0074】
ここに用いたように、「香味のプロファイル」は、知覚刺激、例えば、甘味、酸味、苦味、塩味、旨味、コク味、および遊離脂肪酸の味などの味、および/または嗅覚、触覚および/または熱刺激の組合せを称する。特定の実施の形態において、香味のプロファイルは、対象の知覚体験に寄与する1種類以上の香味を含む。特定の実施の形態において、香味のプロファイルにおける刺激の組合せを調整する、変更する、または変動させると、対象の知覚体験を変えることができる。
【0075】
ここに用いたように、「混合する」、例えば、「本出願の香味組成物またはその組合せを食品と混合する」とは、香味組成物、または香味組成物の個々の成分が、完成製品と混ぜられる、またはそれに加えられる、もしくは製品の形成中に製品の成分のいくつかまたは全てと混ぜられる過程、またはこれらの工程のいくつかの組合せを称する。混合の文脈で使用される場合、「製品」という用語は、製品またはその成分のいずれかを称する。この混合工程は、製品に香味組成物を添加する工程、製品上に香味組成物を吹き付ける工程、製品上に香味組成物を被覆する工程、製品を香味組成物中に懸濁させる工程、製品上に香味組成物を塗る工程、製品上に香味組成物を貼り付ける工程、製品を香味組成物で被包する工程、香味組成物を製品と混ぜる工程、およびそれらの任意の組合せの工程から選択される過程を含み得る。香味組成物は、溶液、液体、乾燥粉末、スプレイ、ペースト、懸濁液およびそれらの任意の組合せであり得る。
【0076】
特定の実施の形態において、ペットフード製品の熱加工、例えば、殺菌、レトルト処理、射出成形および/または押出しの最中に、ペットフード製品中に存在する前駆体化合物から、香味組成物のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を生成することができる。特定の実施の形態において、香味組成物のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、ペットフード製品の加工中に生成することができ、香味組成物の追加の成分、例えば、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸は、混合によって、ペットフード製品に添加することができる。
【0077】
ここに用いたように、「ppm」は、百万分率を意味し、質量相対パラメータである。百万分率は、10ppmで存在する成分が、凝集混合物の1グラム当たり、10マイクログラムの特定の成分で存在するような、グラム当たりのマイクログラムである。
【0078】
ここに用いたように、「美味しさ(palatability)」は、ヒトまたは非ヒト動物、例えば、コンパニオン動物の特定の食品を食べる全体的な意欲を称し得る。食品の「美味しさ」が増すと、ヒトまたは非ヒト動物による食品の楽しみおよび支持が増し、ヒトまたは非ヒト動物がその食品を「健康的な量」食べることを確実にすることができる。ここに用いた食品の「健康的な量」という用語は、例えば、「Mars Petcare Essential Nutrient Standards」に述べられたような、微量栄養素、主要栄養素およびカロリーに関して一般的な健康全般に寄与する摂取量をヒトまたは非ヒト動物が維持するまたは達成することのできる量を称する。特定の実施の形態において、「美味しさ」は、ある食品の別の食品を上回るヒトまたは非ヒト動物の相対的な優先傾向を意味し得る。例えば、ヒトまたは非ヒト動物が2つ以上の食品の内の1つに関して優先傾向を示す場合、その優先された食品は、より「美味しく」、「向上した美味しさ」を有する。特定の実施の形態において、ある食品の、1つ以上の他の食品と比べた相対的な優先傾向は、例えば、隣り合った比較、自由選択比較で、例えば、食品の相対的な摂取、または美味しさを表す優先傾向の他の適切な尺度によって、決定することができる。美味しさは、その動物が、「トゥー・ボウル・テスト(two-bowl test)」または「対比試験」と呼ばれる試験などの、両方の食品に対する等しいアクセスを有する標準試験プロトコルによって決定できる。そのような優先傾向は、動物の知覚のいずれかから生じ得るが、とりわけ、味、後味、匂い、食感、および/またはテキスチャーに関連し得る。
【0079】
「ペットフード」または「ペットフード製品」という用語は、ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ、トリおよびウマなどのコンパニオン動物による摂取を目的とする製品または組成物を意味する。例えば、制限するものではなく、コンパニオン動物は、イエネコなどの「ヒトに慣れた」ネコであり得る。特定の実施の形態において、コンパニオン動物は、「ヒトに慣れた」イヌ、例えば、イエイヌであり得る。「ペットフード」または「ペットフード製品」は、いずれの食品、餌、スナック、栄養補助食品、液体、飲料、おやつ、おもちゃ(チュアブルおよび/または摂取できるおもちゃ)、食餌代用品または食餌代替品も含む。
【0080】
「ヒトの食料」または「ヒトの食品」という用語は、ヒトの摂取を目的とする製品または組成物を意味する。「ヒトの食料」または「ヒトの食品」は、いずれの食品、食事、スナック、栄養補助食品、液体、飲料、おやつ、おもちゃ(チュアブルおよび/または摂取できるおもちゃ)、食餌代用品または食餌代替品も含む。
【0081】
特定の実施の形態において、「食品」は、ヒトの食品および/またはペットフード製品を含む。
【0082】
ここに用いたように、「栄養的に完全」は、例えば、コンパニオン動物の栄養の分野における第一人者または関連当局の推奨に基づいて適切な量および比率で、その食品の目的とする受容者にとって全ての公知の要求される栄養素を含有する食品、例えば、ペットフード製品を称する。したがって、そのような食品は、補給栄養源を添加せずに、生命を維持するための食事摂取の唯一の供給源として働くことができる。
【0083】
ここに用いたように、「香味組成物」は、動物またはヒトにおいて、天然または合成味物質、香料添加剤、味のプロファイル、香味のプロファイルおよび/またはテキスチャーのプロファイルの味、匂い、香味および/またはテキスチャーを向上させる、乗じる、強化する、減少させる、抑制する、または誘発させることを含む、調節する少なくとも1種類の化合物または生物学的に許容されるその塩を称する。特定の実施の形態において、香味組成物は、化合物または生物学的に許容されるその塩の組合せを含む。特定の実施の形態において、その香味組成物は、1種類以上の賦形剤を含む。
【0084】
ここに用いたように、「作用薬」は、それが結合するまたは他の様式で相互作用する受容体の活性を向上させる、乗じる、強化する、または誘発することを含む、調節する少なくとも1種類の化合物または生物学的に許容されるその塩を称する。特定の実施の形態において、その用語は、その受容体を活性化させるために単独で作用する化合物を記述するため、または他の作用薬の作用をプラスに向上させる、「正のアロステリック調節因子」(「PAM」としても知られている)化合物を記述するために使用される。
【0085】
ここに用いたように、「相乗作用」、「相乗的に」または「相乗効果」は、組合せで使用された場合、これらの成分により生じる全効果が、単独で作用する各成分の個々の効果の合計よりも大きい、2つ以上の個々の成分により生じる効果を称する。ここに用いたように、「相乗的に効果的」という用語は、ペットフード製品の増加した美味しさまたはT1R1/T1R3受容体の相乗的活性化を示す、任意の合計量のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物、並びに追加の化合物(例えば、アミノ酸、ヌクレオチド、もしくはT1R1またはT1R3の膜貫通領域に結合する化合物(例えば、Zhang et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2008 Dec 30;105(52):20930-4, Epub 2008 Dec 22を参照のこと))を称する。
【0086】
「アルキル」という用語は、炭素および水素原子のみからなり、不飽和を含まず、単結合により分子の残りに結合した、直鎖または分岐鎖C1〜C20(好ましくは、C1〜C6)炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)を称する。
【0087】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、直鎖または分岐鎖であることがある、C2〜C20(好ましくは、C2〜C12)脂肪族炭化水素基、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルを称する。
【0088】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、直鎖または分岐鎖であることがある、C2〜C20(好ましくは、C2〜C12)脂肪族炭化水素基、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニルを称する。
【0089】
「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの飽和、非芳香族単環または多環炭化水素環系(例えば、C3〜C6を含有する)を意味する。多環式シクロアルキル基(例えば、C6〜C15を含有する)の例としては、ペルヒドロナフチル、アダマンチル、およびノルボルニル基架橋環状基またはスピロ二環式基、例えば、スピロ(4,4)ノン−2−イルが挙げられる。
【0090】
「シクロアルカルキル」という用語は、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、またはシクロペンチルエチルなどの安定構造の形成をもたらす、先に定義されたようなアルキル基に直接結合した先に定義されたようなシクロアルキルを称する。
【0091】
「エーテリアル(ethereal)」という用語は、アルキル鎖に含まれた少なくとも1つの酸素を有する、先に定義されたようなアルキル基またはシクロアルキル基、例えば、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランを称する。そのような基は、アルコキシアルキルまたはアルコキシシクロアルキル基と記述することもできる。
【0092】
「アミノアルキル」という用語は、少なくとも1つの窒素原子を有する、先に定義されたようなアルキル基またはシクロアルキル基、例えば、n−ブチルアミンおよびテトラヒドロオキサジンを称する。
【0093】
「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニルなどの、約6から約14の範囲で炭素原子を有する芳香族ラジカルを称する。
【0094】
「アリールアルキル」という用語は、先に定義されたようなアルキル基に直接結合した、先に定義されたようなアリール基、例えば、−CH265、および−C2465を称する。
【0095】
「複素環」という用語は、炭素原子および1つ以上、例えば、1から5の、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子からなる、安定な3から15員環のラジカルを称する。本出願の目的に関して、複素環ラジカルは、縮合または架橋環系を含んでもよい、単環または二環系であることがあり、その複素環ラジカル中の窒素、炭素、酸素、または硫黄原子は、様々な酸化状態に必要に応じて酸化されていてもよい。その上、窒素原子は、必要に応じて第四級化されていてもよく;その環ラジカルは、部分的または完全に飽和していてもよい、またはその環ラジカルは、完全に不飽和であってもよい(すなわち、ヘテロ芳香族またはヘテロアリール芳香族)。複素環ラジカルは、安定構造の形成をもたらす、どのヘテロ原子または炭素原子で主要構造に結合していてもよい。
【0096】
「ヘテロアリール」という用語は、環が芳香族である複素環を称する。
【0097】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、アルキル基に直接結合した、先に定義されたようなヘテロアリール環ラジカルを称する。そのヘテロアリールアルキルラジカルは、安定構造の形成をもたらす、アルキル基からのどの炭素原子で主要構造に結合していてもよい。
【0098】
「ヘテロシクリル」という用語は、先に定義されたような複素環ラジカルを称する。そのヘテロシクリル環ラジカルは、安定構造の形成をもたらすどのヘテロ原子または炭素原子で主要構造に結合していてもよい。
【0099】
特定の実施の形態において、「旨味受容体」という用語は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、例えば、T1R1/T1R3 GPCRを称する。旨味受容体は、例えば、ネコ、イヌ、ヒトまたは非ヒト動物の旨味受容体であって差し支えない。
【0100】
特定の実施の形態において、ネコT1R1は、配列番号2に示されたようなアミノ酸配列、もしくはそれに対して少なくとも99、98、97、96、95、90、85または80パーセントが相同の配列(相同性は、ここに用いたように、BLASTまたはFASTAなどの標準ソフトウェアを使用して測定されるであろう)を有するタンパク質であり、例えば、配列番号1に示されたような配列、もしくはそれに対して少なくとも99、98、97、96、95、90、85または80パーセントが相同の配列(相同性は、ここに用いたように、BLASTまたはFASTAなどの標準ソフトウェアを使用して測定されるであろう)を有する核酸によって、コードされる。
【0101】
特定の実施の形態において、ネコT1R3は、配列番号4に示されたようなアミノ酸配列、もしくはそれに対して少なくとも99、98、97、96、95、90、85または80パーセントが相同の配列(相同性は、ここに用いたように、BLASTまたはFASTAなどの標準ソフトウェアを使用して測定されるであろう)を有するタンパク質であり、例えば、配列番号3に示されたような配列、もしくはそれに対して少なくとも99、98、97、96、95、90、85または80パーセントが相同の配列(相同性は、ここに用いたように、BLASTまたはFASTAなどの標準ソフトウェアを使用して測定されるであろう)を有する核酸によって、コードされる。
【0102】
2.ヌクレオチド誘導体
本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体を含む香味組成物に関する。特定の実施の形態において、そのヌクレオチド誘導体は、旨味向上化合物である。ここに開示されたヌクレオチド誘導体は、ネコT1R1/T1R3受容体(「旨味受容体」)の結合ポケット内のヌクレオチド誘導体のコンピュータモデルにより同定した。その香味組成物は、ペットフード製品の美味しさ、味、または香味を向上させるまたは調整するために使用できる。その香味組成物は、ここに記載したような、化合物の組合せ、例えば、1種類以上のヌクレオチド誘導体および/または1種類以上のアミノ酸および/または1種類以上のヌクレオチドおよび/または1種類以上の膜貫通化合物を含み得、様々な送達系フォーマットでペットフード製品組成物に添加することができる。
【0103】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、下記の表2および5〜13に列挙された化合物であって差し支えない。
【0104】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0105】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0106】
を有する式Nt−1の化合物を含み、式中、
1は、非置換または置換プリンもしくは非置換または置換ピリミジンからなる群より選択され、
2は、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、OP(W)(OH)2、−OP(W)(OH)OP(W)(OH)2、−OP(W)(OH)OP(W)(OH)OP(W)(OH)2、−OS(O)2アリール(H)、−OS(O)2アリール(CH3)、−P(W)(OH)2、−OP(W)(OH)OS(O)2(OH)、−OP(W)(OH)Z、−P(W)(OH)OP(W)(OH)2、−O(CH21-4OP(W)(OH)2、−OS(W)(OH)2、−OP(W)(OH)CH2OP(W)(OH)2、−OP(W)(OH)OP(W)O(CH21-418、−(CH20-4COOH、−(CH20-4S(O)(OH)2、−(CH20-4C(O)NHOH、および−(CH20-4B(OH)2から選択され、
Xは、O、S、N(R3)およびCH2から選択され、
Wは、OおよびSから選択され、
3は、HおよびCH3から選択され、
4、R5、R14、R15、R18は、H、OH、SH、CH2、CH3、OR6、SR6、CH2CH3、低級アルキル分岐および非分岐(C1〜C6)、XC(O)低級アルキル、−XC(O)CH2Ph、−P(W)(OH)2、−XC(O)PhR11、−OP(O)(OH)O、OCH3、N(R11、R17)、−O(C)nR11、R17O−、N(Hまたは独立して低級アルキル)2-3、およびOCCR11、−OC(W)NH(CH21-6NH2、−OC(W)NH(CH21-644から独立して選択され、
44は、H、OH、SH、CH2、CH3、OR6、SR6、CH2CH3、低級アルキル分岐および非分岐(C1〜C6)、XC(O)低級アルキル、−XC(O)CH2Ph、−P(W)(OH)2、−XC(O)PhR11、−OP(O)(OH)O、OCH3、N(R11、R17)、−O(C)nR11、R17O−、N(Hまたは独立して低級アルキル)2-3、またはOCCR11、−OC(W)NH(CH21-6NH2であり、
Zは、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、N−メチル−ピペラジン、N(R16)(R17)から選択され、
6、R11、R16、およびR17は、H、OH、SH、CH2、CH3、OCH3、COOR、N(R16)(R17)、CH2CH3、低級アルキル分岐および非分岐(C1〜C6)、XC(O)低級アルキル、−XC(O)CH2Ph、−P(W)(OH)2、−XC(O)PhR12、−OP(O)(OH)O、OCH3、N(R12、R13)、−O(C)nR12、R13O−、N(Hまたは独立して低級アルキル)2-3、およびOCCR12から独立して選択され、
12およびR13は、H、OH、SH、CH2、CH3、OCH3、およびCH2CH3から独立して選択される。
【0107】
特定の実施の形態において、式Nt−1におけるR1は、
【0108】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
から選択される。
【0110】
特定の実施の形態において、式Nt−1におけるR1は、表1に列挙された化合物から選択される。
【0111】
【表1-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
【表1-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
【表1-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
【表1-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0116】
ここに記載された置換基、例えば、「置換アルキル」、「置換アリール」、「置換フラン」、「置換チオフェン」、「置換アルキル」、「置換フェニル」、「置換ピリミジン」、または「置換ナフタレン」における置換基は、同じであっても、異なってもよく、本出願に記載された基、並びに水素、ハロゲン、メチル、アミド、アセチル、ニトロ(−NO2)、ヒドロキシ(−OH)、オキソ(=O)、チオ(=S)、OCH3、メチレンジオキシ、CN、NO2、COOH、SO3H、S(O)1-2CH3、S(O)1-2アリール、SCH3、OH、N(R)1-2、COOCH3、OC(O)CH3、SH、スルホニル、スルホンアミド、硫酸基、シアノ、アジド、トリフルオロメチル(−CF3)、メトキシ(−OCH3)、tert−ブチルカルバメート(−Boc)、もしくはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、エーテリアル、カルボキシ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホニル、および複素環から、1つ以上が選択されてよい。「置換」官能基は、1つまたは複数の置換基を有してもよい。
【0117】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0118】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0119】
を有する式Nt−2の化合物を含む。
【0120】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0121】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
を有する式Nt−3の化合物を含む。
【0123】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0124】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0125】
を有する式Nt−4の化合物を含む。
【0126】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0127】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0128】
を有する式Nt−5の化合物を含む。
【0129】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0130】
【化17】
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【0131】
を有する式Nt−6の化合物を含む。
【0132】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0133】
【化18】
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【0134】
を有する式Nt−7の化合物を含む。
【0135】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0136】
【化19】
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【0137】
を有する式Nt−8の化合物を含む。
【0138】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0139】
【化20】
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【0140】
を有する式Nt−9の化合物を含む。
【0141】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0142】
【化21】
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【0143】
を有する式Nt−10の化合物を含む。
【0144】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0145】
【化22】
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【0146】
を有する式Nt−11の化合物を含む。
【0147】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0148】
【化23】
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【0149】
を有する式Nt−12の化合物を含む。
【0150】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0151】
【化24】
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【0152】
を有する式Nt−13の化合物を含む。
【0153】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0154】
【化25】
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【0155】
を有する式Nt−14の化合物を含む。
【0156】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0157】
【化26】
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【0158】
を有する式Nt−15の化合物を含む。
【0159】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0160】
【化27】
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【0161】
を有する式Nt−16の化合物を含む。
【0162】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0163】
【化28】
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【0164】
を有する式Nt−17の化合物を含む。
【0165】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0166】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0167】
を有する式Nt−18の化合物を含む。
【0168】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0169】
【化30】
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【0170】
を有する式Nt−19の化合物を含む。
【0171】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0172】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0173】
を有する式Nt−20の化合物を含む。
【0174】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0175】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
を有する式Nt−21の化合物を含む。
【0177】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0178】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0179】
を有する式Nt−22の化合物を含む。
【0180】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0181】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0182】
を有する式Nt−23の化合物を含む。
【0183】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0184】
【化35】
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【0185】
を有する式Nt−24の化合物を含む。
【0186】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0187】
【化36】
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【0188】
を有する式Nt−25の化合物を含む。
【0189】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0190】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0191】
を有する式Nt−26の化合物を含む。
【0192】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0193】
【化38】
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【0194】
を有する式Nt−27の化合物を含む。
【0195】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0196】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
を有する式Nt−28の化合物を含む。
【0198】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0199】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
を有する式Nt−29の化合物を含む。
【0201】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0202】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0203】
を有する式Nt−30の化合物を含む。
【0204】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0205】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0206】
を有する式Nt−31の化合物を含む。
【0207】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0208】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0209】
を有する式Nt−32の化合物を含む。
【0210】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0211】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0212】
を有する式Nt−33の化合物を含む。
【0213】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0214】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0215】
を有する式Nt−34の化合物を含む。
【0216】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0217】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0218】
を有する式Nt−35の化合物を含む。
【0219】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0220】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0221】
を有する式Nt−36の化合物を含む。
【0222】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0223】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0224】
を有する式Nt−37の化合物を含む。
【0225】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0226】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0227】
を有する式Nt−38の化合物を含む。
【0228】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0229】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
を有する式Nt−39の化合物を含む。
【0231】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0232】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0233】
を有する式Nt−40の化合物を含む。
【0234】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0235】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0236】
を有する式Nt−41の化合物を含む。
【0237】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0238】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0239】
を有する式Nt−42の化合物を含む。
【0240】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0241】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
を有する式Nt−43の化合物を含む。
【0243】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0244】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
を有する式Nt−44の化合物を含む。
【0246】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0247】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
を有する式Nt−45の化合物を含む。
【0249】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0250】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
を有する式Nt−46の化合物を含む。
【0252】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0253】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
を有する式Nt−47の化合物を含む。
【0255】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0256】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
を有する式Nt−48の化合物を含む。
【0258】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0259】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
を有する式Nt−49の化合物を含む。
【0261】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0262】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
を有する式Nt−50の化合物を含む。
【0264】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0265】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
を有する式Nt−51の化合物を含む。
【0267】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0268】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
を有する式Nt−52の化合物を含む。
【0270】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0271】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0272】
を有する式Nt−53の化合物を含む。
【0273】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0274】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
を有する式Nt−54の化合物を含む。
【0276】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、以下の構造:
【0277】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
を有する式Nt−55の化合物を含む。
【0279】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチド誘導体は、式Nt−1からNt−55の化合物の塩、立体異性体または食用形態および/または表2および6〜14に列挙された化合物であり得る。
【0280】
【表2-1】
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【0281】
【表2-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0282】
特定の実施の形態において、本開示のヌクレオチド誘導体は、ヌクレオチド誘導体の塩、例えば、以下に限られないが、酢酸塩またはギ酸塩を含む。特定の実施の形態において、そのヌクレオチド誘導体塩は、陽イオン(+)(例えば、以下に限られないが、Al3+、Ca2+、Na+、K+、Cu2+、H+、Fe3+、Mg2+、NH4+およびH3+)とイオン結合で結合した陰イオン(−)(例えば、以下に限られないが、Cl-、O2-、CO32-、HCO3-、OH-、NO3-、PO43-、SO42-、CH3COO-、HCOO-およびC242-)を含む。他の実施の形態において、そのヌクレオチド誘導体塩は、陰イオン(−)とイオン結合で結合した陽イオン(+)を含む。
【0283】
特定の実施の形態において、本出願のヌクレオチド誘導体は、ネコT1R1/T1R3受容体(「旨味受容体」)のコンピュータモデルにより同定され、本出願のヌクレオチド誘導体は、ネコT1R1/T1R3受容体の結合部位内に収まる構造を含む。
【0284】
特定の実施の形態において、本出願のヌクレオチド誘導体は、インビトロ試験により同定され、そのヌクレオチド誘導体は、インビトロで細胞により発現されたネコT1R1/T1R3受容体を活性化させる。特定の実施の形態において、そのヌクレオチド誘導体は、単独で、もしくはここに記載されたヌクレオチド、アミノ酸および膜貫通化合物などの他のT1R1/T1R3結合剤との組合せで、および/または1つ以上の他の受容体と結合するここに記載されたアミノ酸との組合せで、その受容体を活性化させる。特定の実施の形態において、そのインビトロ試験は、本出願の実施例の項目に記載されたインビトロ試験を含む。
【0285】
2.1 T1R1ヌクレオチド結合部位
本出願は、旨味受容体、例えば、T1R1/T1R3受容体を調節する組成物であって、その旨味受容体のVenus Flytrap領域における1種類以上のアミノ酸と相互作用する組成物も提供する。特定の実施の形態において、そのVenus Flytrap(VFT)領域はT1R1中に存在する。特定の実施の形態において、その組成物が相互作用するアミノ酸は、Thr449、Ser172、Glu170、Glu301、His71、His47、Arg277、His308、Asn69、Asn302、Ser306、Ser384、Asp302、Ser306、およびAla380の内の1つ以上を含む。
【0286】
1つの非限定的実施の形態において、前記組成物は、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体を含み、そのヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体は、T1R1のHis71、Arg277、His308、Ser306、Ser384、Ala380、His47、Asn69、およびAsp302の内の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つまたはそれより多くと相互作用する。
【0287】
別の非限定的実施の形態において、前記組成物は、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体を含み、そのヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体は、T1R1のMet383、Ser385、Ile309、Ser107、およびAsp49の内の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれより多くと相互作用する。
【0288】
前記VFTのアミノ酸残基は、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体と結合するときに、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体のリン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、ビスリン酸塩、リン酸塩模擬剤(例えば、COOH、SO3H、NHOHなどの酸性官能基)と配位することがあり、T1R1のHis71、His47、Arg277、His308、Ile309、Asn69、Ser107、およびAsp49の内の1つ以上を含む。
【0289】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体の少なくとも1つのリン酸塩は、T1R1のHis71、His47、Arg277、His308、およびAsn69の内の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれより多くと相互作用する。ある非限定的例において、前記VFTに対するヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体の結合は、VFTのリン酸塩結合領域にあるアミノ酸の負電荷基と、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体との間の相互作用を含む。
【0290】
前記VFTのアミノ酸残基は、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体(または、例えば、変性糖または糖代替物)の糖の原子と配位することがあり、T1R1のAsp302および/またはSer306を含み得る。
【0291】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体の少なくとも1つの糖分子は、T1R1のアミノ酸Asp302および/またはSer306と相互作用する。
【0292】
前記VFTのアミノ酸残基は、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体の窒素塩基と配位することがあり、T1R1のSer384、Ser385、Ala380、Met383、Glu170およびAsp302の1つ以上を含み得る。
【0293】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体の窒素塩基は、T1R1のSer384、His308、およびAla380の1つ、2つまたはそれより多くと相互作用する。
【0294】
他の非限定的実施の形態において、前記ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体の糖分子は前記VFTのAsp302と相互作用し、Asp302は、結合したアミノ酸の両性イオン主鎖の窒素およびそのヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の糖と同時に配位するように配向されている。
【0295】
特定の実施の形態において、前記組成物は、ここに記載された相互作用のいずれかの組合せ、例えば、それらの相互作用の1つ、2つ、3つまたはそれより多くによる旨味Venus Flytrap(VFT)領域と相互作用する。ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体とそのVFTとの間の相互作用は、そのVFTに対するそのヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体の相互作用エネルギーを増大させる追加の疎水性相互作用をさらに含むことがある。
【0296】
特定の実施の形態において、前記組成物と前記1種類以上のアミノ酸との間の相互作用は、1つ以上の水素結合、共有結合、非共有結合、塩橋、物理的相互作用、およびそれらの組合せを含む。その相互作用は、当該技術分野で公知のリガンド・受容体相互作用の特徴を示すどの相互作用であっても差し支えない。そのような相互作用は、例えば、部位特異的突然変異誘発法、X線結晶学、X線または他の分光法、核磁気共鳴(NMR)、架橋評価、質量分光測定法または電気泳動、公知の作用薬に基づく変位試験、構造決定、およびそれらの組合せによって決定できる。特定の実施の形態において、それらの相互作用は、コンピュータ内で、例えば、分子ドッキングを使用した前記VFT領域中への化合物のドッキング、分子モデリング、分子シミュレーション、または当業者に公知の他の手段などの理論的手段によって決定される。
【0297】
本出願は、旨味受容体、例えば、T1R1の活性を調節する化合物を同定する方法であって、その化合物が、T1R1のVFT領域中に存在するここに記載されたアミノ酸の1つ以上と相互作用する能力に基づいて同定される、方法も提供する。
【0298】
特定の実施の形態において、前記方法は、試験物質をネコT1R1旨味受容体と接触させる工程、その試験物質と、ネコT1R1旨味受容体のVFT相互作用部位内の1つ以上のアミノ酸との間の相互作用を検出する工程、およびそのアミノ酸の1つ以上と相互作用する試験物質を前記化合物として選択する工程を有してなる。
【0299】
3.膜貫通化合物
本開示は、少なくとも1種類の膜貫通化合物を含む香味組成物に関する。特定の実施の形態において、その膜貫通化合物は、旨味向上化合物である。ここに開示された膜貫通化合物は、ネコT1R1/T1R3受容体(「旨味受容体」)のT1R1の膜貫通領域内の推定作用薬のコンピュータモデルにより同定された。したがって、特定の実施の形態において、膜貫通化合物は、T1R1の膜貫通領域を含むT1R1の領域と相互作用する(例えば、結合する)化合物である。特定の実施の形態において、T1R1の膜貫通領域とのそのような相互作用は、T1R1/T1R3または旨味受容体をアゴナイズ(agonizes)する。他の実施の形態において、その膜貫通化合物は、他のT1R1作用薬または調節因子と相乗的に作用して、T1R1/T1R3または旨味受容体の活性を調節する。
【0300】
前記香味組成物を使用して、ペットフード製品の美味しさ、味または香味を向上させるまたは変更することができる。その香味組成物は、化合物の組合せ、例えば、膜貫通化合物、および/またはヌクレオチド、および/またはヌクレオチド誘導体および/またはアミノ酸の組合せを含み得、様々な送達系フォーマットでペットフード製品の組成物に添加することができる。
【0301】
3.1 アミン誘導体I
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0302】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0303】
を有する式Tm−1の化合物を含み、式中、
1は、OおよびSからなる群より選択され、
1は、1〜3であり、
2は、0〜4(ここで、nが0である場合、化学結合が存在する)であり、
4は、0〜3であり、
1、R2、およびR3は、H、=O、=S、分岐または非分岐および置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、およびR5からなる群より独立して選択され、
4は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C8)、および(CH2)n2アリールからなる群より選択され、
5は、H、CH3、CH(CH32、CH2CH(CH32、CH(CH3)CH2CH3、CH2CH2SCH3、CH2SH、CH2SeH、CH2OH、CH(OH)CH3、CH2C(O)NH2、CH2CH2(O)NH2、CH2CH2CH2NHC(NH)NH2、CH2(1H−イミダゾール−イル)、CH2(CH22CH2NH2、CH2COOH、CH2CH2COOH、CH265、CH2(4−ヒドロキシフェニル)、CH2[3−イル−(1H−インドール)]、CH2(シクロ−ペンチル)、CH2(シクロ−ヘキシル)、CH2(インダニル)、独立して分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C10)、(CH20-4PH、c−C35、c−C47、c−C59、c−C610、フェニル、ビアリール、(CH2)n2アリール、ピリジン、チオフェン、CH2Ph、CH2ピリジン、およびCH2チオフェンからなる群より選択され、
前記アリールおよびアルキル(分岐および非分岐の両方)基は、必要に応じて、メチル、OH、SH、OCH3、SCH3、COOH、COOR13、S(O)n41、C(O)R11、C(O)NR1112、CN、NR1112、NR11C(O)R12、アリール、メチレンジオキシ、アルキル(C1〜C5)、CH2SSCH2CH(COOH)(NH2)、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、NO2、NHC(=NH)NH2、CHO、CF3、P(=X1)(OR12、OP(=X1)(OR12により置換されていてよく、
5およびR6は、結合されて、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチル(すなわち、スピロ環)などのシクロ環を形成してもよく、
6は、H、および分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C4)からなる群より選択され、
7は、H、AA、OH、O、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、O(CH2)n1アリール、NR1112、N(R14)OH、C(R8)(R9)、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、
8およびR9は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、アリール、アルキル−アリール、およびアルキル−ヘテロアリールからなる群より独立して選択され、
11およびR12は、H、CH3、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、フェニル、アリール、および(CH2)n1アリールからなる群より独立して選択され、
13は、H、CH3、CH2CH3、CH2アリール、およびtert−ブチルからなる群より選択され、
14は、HおよびCH3からなる群より選択され、
AAは、天然に存在するアルファアミノ酸もしくは(R)または(S)−立体配置(すなわち、タンパク新生アミノ酸)からなる群より選択される。
【0304】
1つの非限定的実施の形態において、ここに開示された式について、全ての非対称立体配置が考えられる。
【0305】
特定の実施の形態において、アリールは、標準的な化学的意味を有し、以下に限られないが、以下のPh、ピリジン、チオフェン、フラン、ナフチル、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、キノロン、イソキノリン、ピロール、N−(メチル)ピロール、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、イソキサゾール、オキサゾール、イソインドール、インドリジン、プリン、ピラジン、およびピリダジンを含んでよい。
【0306】
特定の実施の形態において、前記アリール基の接続は、当業者により理解されるであろうように、様々な炭素中心に置かれてもよい。
【0307】
他の非限定的実施の形態において、前記化合物が2つのアリール環(例えば、フェニル)を含む場合、いずれか一方または両方の環が、ビアリール環系により置換されてもよい。そのようなビアリール環系の例としては、フェニル−フェニル、フェニル−ピリジル、フェニル−チオフェン、チオフェン−チオフェン、およびフェニル−フランが挙げられる。
【0308】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0309】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0310】
を有する式Tm−2の化合物を含み、
式中、R4、R5、R6、R7、X1、およびn1は、式Tm−1について定義されたものである。
【0311】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0312】
【化69】
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【0313】
を有する式Tm−20の化合物を含む。
【0314】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0315】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0316】
を有する式Tm−21の化合物を含む。
【0317】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0318】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0319】
を有する式Tm−22の化合物を含む。
【0320】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0321】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0322】
を有する式Tm−23の化合物を含む。
【0323】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0324】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0325】
を有する式Tm−24の化合物を含む。
【0326】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0327】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0328】
を有する式Tm−25の化合物を含む。
【0329】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0330】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0331】
を有する式Tm−26の化合物を含む。
【0332】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0333】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0334】
を有する式Tm−27の化合物を含む。
【0335】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0336】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0337】
を有する式Tm−28の化合物を含む。
【0338】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0339】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0340】
を有する式Tm−29の化合物を含む。
【0341】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0342】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0343】
を有する式Tm−30の化合物を含む。
【0344】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0345】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0346】
を有する式Tm−31の化合物を含む。
【0347】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0348】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
を有する式Tm−32の化合物を含む。
【0350】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0351】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0352】
を有する式Tm−33の化合物を含む。
【0353】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0354】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0355】
を有する式Tm−34の化合物を含む。
【0356】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0357】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0358】
を有する式Tm−35の化合物を含む。
【0359】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0360】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0361】
を有する式Tm−36の化合物を含む。
【0362】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0363】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
を有する式Tm−37の化合物を含む。
【0365】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0366】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
を有する式Tm−38の化合物を含む。
【0368】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0369】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0370】
を有する式Tm−39の化合物を含む。
【0371】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0372】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
を有する式Tm−40の化合物を含む。
【0374】
3.2 アミン誘導体II
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0375】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0376】
を有する式Tm−3の化合物を含み、式中、
1は、OおよびSからなる群より選択され、
1およびn2は、0〜4であり(n1および/またはn2が0である場合、化学結合が存在する)、
1は、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C10)、(CH2)n2Ph、c−C35、c−C47、c−C59、c−C610、フェニル、(CH2)n2アリール、Ph、ピリジン、チオフェン、CH2Ph、CH2ピリジン、CH2チオフェン、O−アリール、Ph、ピリジン、チオフェン、フラン、ナフチル、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、キノロン、イソキノリン、ピロール、N−(メチル)ピロール、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、イソキサゾール、オキサゾール、イソインドール、インドリジン、プリン、ピラジン、ピリダジン、O−アルキル(C1〜C6)、ビアリール、またはOR1(例えば、カルバメート)からなる群より選択され、
前記アリールおよびアルキル(分岐および非分岐の両方)基は、必要に応じて、メチル、OH、SH、OCH3、SCH3、COOH、COOR13、S(O)n41、C(O)R11、C(O)NR1112、CN、NR1112、NR11C(O)R12、アリール、メチレンジオキシ、アルキル(C1〜C5)、CH2SSCH2CH(COOH)(NH2)、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、NO2、NHC(=NH)NH2、CHO、CF3、P(=X1)(OR12、またはOP(=X1)(OR12により置換されていてよく、
2は、H、CH3、(CH2)、およびアリールからなる群より選択され、
3、R4、およびR5は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C8)、(CH2)n2アリール、およびR1からなる群より独立して選択され、
11およびR12は、H、CH3、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、フェニル、アリール、および(CH2)n1アリールからなる群より独立して選択され、
13は、H、CH3、CH2CH3、CH2アリール、およびtert−ブチルからなる群より選択される。
【0377】
特定の実施の形態において、アリールは、標準的な化学的意味を有し、以下に限られないが、以下のPh、ピリジン、チオフェン、フラン、ナフチル、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、キノロン、イソキノリン、ピロール、N−(メチル)ピロール、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、イソキサゾール、オキサゾール、イソインドール、インドリジン、プリン、ピラジン、およびピリダジンを含んでよい。
【0378】
特定の実施の形態において、前記アリール基の接続は、当業者により理解されるであろうように、様々な炭素中心に置かれてもよい。
【0379】
特定の実施の形態において、非対称中心は、当業者により理解されるであろうように、(R)または(S)いずれか立体配置のものであってよい。
【0380】
1つの非限定的実施の形態において、ここに開示された式について、全ての非対称立体配置が考えられる。
【0381】
他の非限定的実施の形態において、前記化合物が2つのアリール環(例えば、フェニル)を含む場合、いずれか一方または両方の環が、ビアリール環系により置換されてもよい。そのようなビアリール環系の例としては、フェニル−フェニル、フェニル−ピリジル、フェニル−チオフェン、チオフェン−チオフェン、およびフェニル−フランが挙げられる。
【0382】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0383】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0384】
を有する式Tm−4の化合物を含み、式中、
1およびR2は、アリール、シクロ−アルキル(例えば、シクロ−プロピル、シクロ−ブチル、シクロ−ペンチル、シクロ−ヘキシル、シクロ−ヘプチル)、およびヘテロアリール(例えば、以下に限られないが、Ph、ピリジン、チオフェン、フラン、ナフチル、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、キノロン、イソキノリン、ピロール、N−(メチル)ピロール、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、イソキサゾール、オキサゾール、イソインドール、インドリジン、プリン、ピラジン、およびピリダジン)からなる群より独立して選択され、
前記アリール基またはシクロ−アルキル基は、必要に応じて、メチル、OH、SH、OCH3、SCH3、COOH、COOR13、S(O)n41、C(O)R11、C(O)NR1112、CN、NR11C(O)R12、アリール、メチレンジオキシ、アルキル(C1〜C5)、CH2SSCH2CH(COOH)(NH2)、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、NO2、NHC(=NH)NH2、CHO、CF3、P(=X1)(OR12、またはOP(=X1)(OR12により置換されていてよく、
前記シクロ−アルキル基は、必要に応じて、環内にヘテロ原子(例えば、O、Nおよび/またはS)を含有してもよく、例えば、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロチオフェン、ピラン、ピロリジン、またはテトラヒドロフランであってよく、
1=0〜4、
11、R12、R13、およびX1は、ここに定義されたものであり、
4=0〜4。
【0385】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0386】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0387】
を有する式Tm−41の化合物を含む。
【0388】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0389】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0390】
を有する式Tm−42の化合物を含む。
【0391】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0392】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0393】
を有する式Tm−43の化合物を含む。
【0394】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0395】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
を有する式Tm−44の化合物を含む。
【0397】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0398】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
を有する式Tm−45の化合物を含む。
【0400】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0401】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
を有する式Tm−46の化合物を含む。
【0403】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0404】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0405】
を有する式Tm−47の化合物を含む。
【0406】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0407】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0408】
を有する式Tm−48の化合物を含む。
【0409】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0410】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
を有する式Tm−49の化合物を含む。
【0412】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0413】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0414】
を有する式Tm−50の化合物を含む。
【0415】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0416】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
を有する式Tm−51の化合物を含む。
【0418】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0419】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0420】
を有する式Tm−52の化合物を含む。
【0421】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0422】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0423】
を有する式Tm−53の化合物を含む。
【0424】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0425】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
を有する式Tm−54の化合物を含む。
【0427】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0428】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0429】
を有する式Tm−55の化合物を含む。
【0430】
3.3 パラバン酸誘導体
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0431】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
を有する式Tm−6の化合物を含み、式中、
1またはR2は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、ヒドロキシル、水素、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換インデニル、もしくは置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択される。
【0433】
特定の実施の形態において、R1またはR2は、以下の構造:
【0434】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0435】
を含み得、式中、
3、R4、R5、R6およびR7は、水素、ハロゲン、シアノ、アジド、ヒドロキシル、置換または非置換スルホニル、置換または非置換スルホンアミド、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アミド、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換カルボキシ、置換または非置換アシル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換ヘテロアレニル、もしくは置換または非置換インデン、もしくは置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択される。特定の実施の形態において、R3、R4、R5、R6およびR7の2つ以上が一緒になって、環を形成してもよく、その環は、複素環(すなわち、1つ以上のヘテロ原子を含有する)であって差し支えなく、または完全に炭素環であり得、独立して、飽和または不飽和であり得る。
【0436】
ここに記載された置換基、例えば、「置換エーテリアル」、「置換カルボキシ」、「置換アシル」、「置換スルホニル」、「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルカルキル」、「置換アリールアルキル」、「置換アリール」、「置換複素環」、「置換ヘテロアリールアルキル」、「置換ヘテロアリール」、「置換ナフチル」、「置換フェニル」、「置換チエニル」、「置換ベンゾチエニル」、「置換ピリジル」、「置換インドリル」、「置換イソキノリル」、「置換キノリル」、「置換ベンゾチアゾリル」、「置換ヘテロアリール」、「置換インデニル」、または「置換インダニル」における置換基は、同じであっても、異なってもよく、本出願に記載された基、並びに水素、ハロゲン、メチル、アミド、アセチル、ニトロ(−NO2)、ヒドロキシ(−OH)、オキソ(=O)、チオ(=S)、スルホニル、スルホンアミド、硫酸基、チオ、シアノ、アジド、トリフルオロメチル(−CF3)、メトキシ(−OCH3)、tert−ブチルカルバメート(−Boc)、もしくはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、エーテリアル、カルボキシ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホニル、および複素環から、1つ以上が選択されてよい。「置換」官能基は、1つまたは複数の置換基を有してもよい。
【0437】
1つの非限定的実施の形態において、R1およびR2は非置換フェニル基である。
【0438】
1つの非限定的実施の形態において、R1は非置換フェニル基であり、R2は置換フェニル基である。
【0439】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0440】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0441】
を有する式Tm−7の化合物を含み、式中、
1およびR2は、式Tm−6について先に定義されたものである。
【0442】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0443】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0444】
を有する式Tm−5の化合物を含み、式中、
1は、O、N(R3)、Sからなる群より選択され、
2およびX3は、OおよびSからなる群より独立して選択され、
3は、H、および分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C4)からなる群より選択され、
1およびR2は、式Tm−6について先に定義されたものであり、(CH2)nC(=X1)R1、(CH2)nC(=X1)R2、であってもよく、X1はOまたはSであり、nは0〜4である。
【0445】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0446】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0447】
を有する式Tm−9の化合物を含み、式中、
1-5は、OおよびSからなる群より独立して選択され、R1およびR2は、式Tm−6について先に定義されたものである。
【0448】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0449】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
を有する式Tm−10の化合物を含み、式中、
1-5は、OおよびSからなる群より独立して選択され、R1およびR2は、式Tm−6について先に定義されたものである。
【0451】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0452】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0453】
を有する式Tm−11の化合物を含み、式中、
1-3は、OおよびSからなる群より独立して選択され、R1およびR2は、式Tm−6について先に定義されたものである。
【0454】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0455】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
を有する式Tm−56の化合物を含む。
【0457】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0458】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
を有する式Tm−57の化合物を含む。
【0460】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0461】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
を有する式Tm−58の化合物を含む。
【0463】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0464】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0465】
を有する式Tm−59の化合物を含む。
【0466】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0467】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0468】
を有する式Tm−60の化合物を含む。
【0469】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0470】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【0471】
を有する式Tm−61の化合物を含む。
【0472】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0473】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【0474】
を有する式Tm−62の化合物を含む。
【0475】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0476】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【0477】
を有する式Tm−63の化合物を含む。
【0478】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0479】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【0480】
を有する式Tm−64の化合物を含む。
【0481】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0482】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0483】
を有する式Tm−65の化合物を含む。
【0484】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0485】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0486】
を有する式Tm−66の化合物を含む。
【0487】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0488】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0489】
を有する式Tm−67の化合物を含む。
【0490】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0491】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0492】
を有する式Tm−68の化合物を含む。
【0493】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0494】
【化127】
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【0495】
を有する式Tm−69の化合物を含む。
【0496】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0497】
【化128】
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【0498】
を有する式Tm−70の化合物を含む。
【0499】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0500】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0501】
を有する式Tm−71の化合物を含む。
【0502】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0503】
【化130】
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【0504】
を有する式Tm−72の化合物を含む。
【0505】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0506】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0507】
を有する式Tm−73の化合物を含む。
【0508】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0509】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0510】
を有する式Tm−74の化合物を含む。
【0511】
3.4 イミダゾピリジノン誘導体
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0512】
【化133】
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【0513】
を有する式Tm−19の化合物を含み、式中、
1またはR2は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、ヒドロキシル、水素、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換インデニル、もしくは置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択される。
【0514】
特定の実施の形態において、R1またはR2は、以下の構造:
【0515】
【化134】
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【0516】
を含み得、式中、
3、R4、R5、R6およびR7は、水素、ハロゲン、シアノ、アジド、ヒドロキシル、置換または非置換スルホニル、置換または非置換スルホンアミド、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アミド、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換カルボキシ、置換または非置換アシル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換ヘテロアレニル、もしくは置換または非置換インデン、もしくは置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択される。特定の実施の形態において、R3、R4、R5、R6およびR7の2つ以上が一緒になって、環を形成してもよく、その環は、複素環(すなわち、1つ以上のヘテロ原子を含有する)であって差し支えなく、または完全に炭素環であり得、独立して、飽和または不飽和であり得る。
【0517】
ここに記載された置換基、例えば、「置換エーテリアル」、「置換カルボキシ」、「置換アシル」、「置換スルホニル」、「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルカルキル」、「置換アリールアルキル」、「置換アリール」、「置換複素環」、「置換ヘテロアリールアルキル」、「置換ヘテロアリール」、「置換ナフチル」、「置換フェニル」、「置換チエニル」、「置換ベンゾチエニル」、「置換ピリジル」、「置換インドリル」、「置換イソキノリル」、「置換キノリル」、「置換ベンゾチアゾリル」、「置換ヘテロアリール」、「置換インデニル」、または「置換インダニル」における置換基は、同じであっても、異なってもよく、本出願に記載された基、並びに水素、ハロゲン、メチル、アミド、アセチル、ニトロ(−NO2)、ヒドロキシ(−OH)、オキソ(=O)、チオ(=S)、スルホニル、スルホンアミド、硫酸基、チオ、シアノ、アジド、トリフルオロメチル(−CF3)、メトキシ(−OCH3)、tert−ブチルカルバメート(−Boc)、もしくはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、エーテリアル、カルボキシ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホニル、および複素環から、1つ以上が選択されてよい。「置換」官能基は、1つまたは複数の置換基を有してもよい。
【0518】
1つの非限定的実施の形態において、R1およびR2は非置換フェニル基である。
【0519】
1つの非限定的実施の形態において、R1は非置換フェニル基であり、R2は置換フェニル基である。
【0520】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0521】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0522】
を有する式Tm−12の化合物を含み、式中、
Yは、O、SおよびN(R4)からなる群より選択され、
1-3は、C、O、NおよびSからなる群より独立して選択され、
3は、置換または非置換芳香族置換基であり、その置換基は、例えば、H、OR4、S(O)nR4、N(R4)(R5)、CN、COOH、COOR、C(O)N(R4)(R5)、SO2N(R4)(R5)、ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、I)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、アリール、ビアリール、P(O)(OH)2、NHOH、B(OH)2、C(=NH)NH2、NHC(=NH)NH2、NO2、CF3、−OCH2O−(すなわち、メチレンジオキシ)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキン(C2〜C6)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルケン(C2〜C6)、(CH2)nアリールであり、
4およびR5は、独立して、H、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキン(C2〜C6)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルケン(C2〜C6)、アリール、(CH2)nアリールであり、
nは0〜4であり、
1およびR2は、式Tm−19について記載されたようなものである。
【0523】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0524】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0525】
を有する式Tm−13の化合物を含み、式中、
Yは、O、SおよびN(R4)からなる群より選択され、
1-4は、C、O、NおよびSからなる群より独立して選択され、
3は、置換または非置換芳香族置換基であり、その置換基は、例えば、H、OR4、S(O)nR4、N(R4)(R5)、CN、COOH、COOR、C(O)N(R4)(R5)、SO2N(R4)(R5)、ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、I)、H、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、アリール、ビアリール、P(O)(OH)2、NHOH、B(OH)2、C(=NH)NH2、NHC(=NH)NH2、NO2、CF3、−OCH2O−(すなわち、メチレンジオキシ)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキン(C2〜C6)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルケン(C2〜C6)、(CH2)nアリールであり、
4およびR5は、独立して、H、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキン(C2〜C6)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルケン(C2〜C6)、アリール、(CH2)nアリールであり、
nは0〜4であり、
1およびR2は、式Tm−19について記載されたようなものである。
【0526】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0527】
【化137】
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【0528】
を有する式Tm−14の化合物を含み、式中、
Xは、C、O、NおよびSからなる群より選択され、
1-3は、式Tm−19、Tm−12およびTm−13について記載されたようなものである。
【0529】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0530】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0531】
を有する式Tm−15の化合物を含み、式中、
1-2は、式Tm−19、Tm−12およびTm−13について記載されたようなものである。
【0532】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0533】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0534】
を有する式Tm−16の化合物を含み、式中、
Xは、C、O、NおよびSからなる群より選択され、
1-2は、式Tm−19、Tm−12およびTm−13について記載されたようなものである。
【0535】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0536】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0537】
を有する式Tm−17の化合物を含み、式中、
1-2は、式Tm−19、Tm−12およびTm−13について記載されたようなものである。
【0538】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0539】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
【0540】
を有する式Tm−18の化合物を含み、式中、
2は、式Tm−19、Tm−12およびTm−13について記載されたようなものである。
【0541】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0542】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0543】
を有する式Tm−75の化合物を含む。
【0544】
3.5 ピリミジン−2,4,6−トリオン誘導体
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0545】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0546】
を有する式Tm−8の化合物を含み、式中、
1は、O、N(R12)およびSからなる群より選択され、
2およびX3は、OおよびSからなる群より独立して選択され、
4は、NH、N(R7)、およびC(R8、R9)からなる群より選択され、
1は0〜1であり、n1が0の場合、X2およびX3を担持する2つの炭素間に化学結合があり、
7、R8、およびR9は、H、置換または非置換分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C20)、アリール、ヘテロアリール、シクロ−アルキル(C3〜C7)、および置換、非置換、分岐、または非分岐C(CH2)n2アリールからなる群より独立して選択され、
アルキル基およびアリール基上の置換基としては、OH、NH2、ハロゲン、SH、ニトロ、アリール、アルケン、COOH、COOR、C(O)N(R4)(R5)、SO2N(R4)(R5)、NO2、P(O)(OH)2、NHOH、B(OH)2、C(=NH)NH2、NHC(=NH)NH2、NO2、およびCF3などの当業者にとっての官能基が挙げられ、
4およびR5は、独立して、H、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキン(C2〜C6)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルケン(C2〜C6)、アリール、(CH2)nアリールであり、
2は0〜10であり、
12は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C4)からなる群より選択され、
1またはR2は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、ヒドロキシル、水素、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換インデニル、もしくは置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択される。
【0547】
特定の実施の形態において、R1および/またはR2は、以下の構造:
【0548】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0549】
を含み得、式中、
3、R4、R5、R6およびR7は、水素、ハロゲン、シアノ、アジド、ヒドロキシル、置換または非置換スルホニル、置換または非置換スルホンアミド、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アミド、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換カルボキシ、置換または非置換アシル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換ヘテロアレニル、もしくは置換または非置換インデン、もしくは置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択される。特定の実施の形態において、R3、R4、R5、R6およびR7の2つ以上が一緒になって、環を形成してもよく、その環は、複素環(すなわち、1つ以上のヘテロ原子を含有する)であって差し支えなく、または完全に炭素環であり得、独立して、飽和または不飽和であり得る。
【0550】
1つの非限定的実施の形態において、R1およびR2は、非置換フェニル基である。
【0551】
1つの非限定的実施の形態において、R1は非置換フェニル基であり、R2は置換フェニル基である。
【0552】
1つの非限定的実施の形態において、R1およびR2は、式Tm−6、Tm−19、Tm−12およびTm−13について先に定義されたものであり、(CH2)nC(=X1)R1、(CH2)nC(=X1)R2であってもよく、X1はOまたはSであり、nは0〜4である。
【0553】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0554】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
【0555】
を有する式Tm−76の化合物を含む。
【0556】
3.6 追加の膜貫通化合物
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0557】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
【0558】
を有する式Tm−77の化合物を含む。
【0559】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0560】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
【0561】
を有する式Tm−78の化合物を含む。
【0562】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0563】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【0564】
を有する式Tm−79の化合物を含む。
【0565】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0566】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【0567】
を有する式Tm−80の化合物を含む。
【0568】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0569】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【0570】
を有する式Tm−81の化合物を含む。
【0571】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0572】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【0573】
を有する式Tm−82の化合物を含む。
【0574】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0575】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【0576】
を有する式Tm−83の化合物を含む。
【0577】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0578】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0579】
を有する式Tm−84の化合物を含む。
【0580】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0581】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0582】
を有する式Tm−85の化合物を含む。
【0583】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0584】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0585】
を有する式Tm−86の化合物を含む。
【0586】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0587】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0588】
を有する式Tm−87の化合物を含む。
【0589】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0590】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0591】
を有する式Tm−88の化合物を含む。
【0592】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0593】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0594】
を有する式Tm−89の化合物を含む。
【0595】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0596】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0597】
を有する式Tm−90の化合物を含む。
【0598】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0599】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0600】
を有する式Tm−91の化合物を含む。
【0601】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0602】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【0603】
を有する式Tm−92の化合物を含む。
【0604】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0605】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0606】
を有する式Tm−93の化合物を含む。
【0607】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0608】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
を有する式Tm−94の化合物を含む。
【0610】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0611】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0612】
を有する式Tm−95の化合物を含む。
【0613】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0614】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0615】
を有する式Tm−96の化合物を含む。
【0616】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0617】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【0618】
を有する式Tm−97の化合物を含む。
【0619】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0620】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【0621】
を有する式Tm−98の化合物を含む。
【0622】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0623】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【0624】
を有する式Tm−99の化合物を含む。
【0625】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0626】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0627】
を有する式Tm−100の化合物を含む。
【0628】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0629】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0630】
を有する式Tm−101の化合物を含む。
【0631】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0632】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0633】
を有する式Tm−102の化合物を含む。
【0634】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0635】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
【0636】
を有する式Tm−103の化合物を含む。
【0637】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、以下の構造:
【0638】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【0639】
を有する式Tm−104の化合物を含む。
【0640】
本開示の特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、下記の表3に記載された化合物を含む。
【0641】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0642】
3.7 膜貫通化合物塩
特定の実施の形態において、本開示の膜貫通化合物は、その膜貫通化合物の塩、例えば、以下に限られないが、酢酸塩、TFA塩、またはギ酸塩を含む。特定の実施の形態において、その膜貫通化合物塩は、陽イオン(+)(例えば、以下に限られないが、Al3+、Ca2+、Na+、K+、Cu2+、H+、Fe3+、Mg2+、Ag+、NH4+、H3+、Hg22+)とイオン結合で結合した陰イオン(−)(例えば、以下に限られないが、Cl-、F-、Br-、O2-、CO32-、HCO3-、OH-、NO3-、PO43-、SO42-、CH3COO-、HCOO-、C242-、およびCN-)を含む。他の実施の形態において、その膜貫通化合物塩は、陰イオン(−)とイオン結合で結合した陽イオン(+)を含む。
【0643】
特定の実施の形態において、前記膜貫通化合物は、ここに記載された膜貫通化合物、例えば、式Tm−1からTm−104の化合物の塩、立体異性体または食用形態であり得る。
【0644】
3.8 T1R1膜貫通化合物結合部位
本出願は、旨味受容体、例えば、T1R1/T1R3受容体の活性を調節する組成物であって、その旨味受容体の膜貫通領域、例えば、T1R1における7回膜貫通領域(7TM)内の1つ以上のアミノ酸と相互作用する組成物を提供する。特定の実施の形態において、その組成物が相互作用するアミノ酸は、Ala795、Ala796、Asn792、Trp773、Phe776、Ala731、Phe728、Leu730、Phe732、Asn735、Ala689、Ser686、Gln690、Ile693、Cys694、Leu695、Arg634、Gln635、Phe642、Ala639、Ala643、およびLeu638の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれより多くを含む。
【0645】
特別な非限定的実施の形態において、前記組成物が相互作用するアミノ酸は、Asn735および/またはSer686を含む。
【0646】
他の非限定的実施の形態において、前記組成物が相互作用するアミノ酸は、Trp773、Phe776、Phe732、Phe728、Leu730、Leu695、Leu638、およびPhe642の内の1、2、3、4、5、6、7またはそれより多くを含む。
【0647】
さらに他の非限定的実施の形態において、前記組成物が相互作用するアミノ酸は、Trp773、Phe776、Phe732、Phe728、およびPhe642の内の1、2、3、4またはそれより多くを含む。非限定的例において、前記組成物と相互作用するアミノ酸は、結合した組成物に対して環スタッキング相互作用を経験する。
【0648】
特定の実施の形態において、前記組成物は、ここに記載された相互作用、例えば、前記相互作用の内の1つ、2つ、3つまたはそれより多くのいずれかの組合せによる旨味7TM領域と相互作用する。その組成施物と7TMとの間の交互作用は、7TMに対する組成物の相互作用エネルギーを増大させる追加の疎水性相互作用をさらに含むことがある。
【0649】
特定の実施の形態において、組成物と前記1つ以上のT1R1 7TM領域のアミノ酸との間の相互作用は、1つ以上の水素結合、共有結合、非共有結合、塩橋、物理的相互作用、およびそれらの組合せを含む。その相互作用は、当該技術分野で公知のリガンド・受容体相互作用の特徴を示すどの相互作用であっても差し支えない。そのような相互作用は、例えば、部位特異的突然変異誘発法、X線結晶学、X線または他の分光法、核磁気共鳴(NMR)、架橋評価、質量分光測定法または電気泳動、低温顕微鏡法、公知の作用薬に基づく変位試験、構造決定、およびそれらの組合せによって決定できる。特定の実施の形態において、それらの相互作用は、コンピュータ内で、例えば、分子ドッキングを使用したT1R1 7TM領域中への化合物のドッキング、分子モデリング、分子シミュレーション、または当業者に公知の他の手段などの理論的手段によって決定される。
【0650】
本出願は、旨味受容体、例えば、T1R1の活性を調節する化合物を同定する方法であって、その化合物が、T1R1の7TM領域中に存在するここに記載されたアミノ酸の1つ以上と相互作用する能力に基づいて同定される、方法も提供する。
【0651】
特定の実施の形態において、前記方法は、試験物質をネコT1R1旨味受容体と接触させる工程、その試験物質と、ネコT1R1旨味受容体の7TM相互作用部位内の1つ以上のアミノ酸との間の相互作用を検出する工程、およびそのアミノ酸の1つ以上と相互作用する試験物質を前記化合物として選択する工程を有してなる。
【0652】
4. 香味組成物
特定の実施の形態において、本開示の香味組成物は、キャットフード製品などのペットフード製品の旨味を向上させる、および/または美味しさを増加させるために使用できる。その香味組成物は、化合物の組合せを含むことができ、様々な送達系でペットフード製品に添加できる。
【0653】
特定の実施の形態において、本開示は、ペットフード製品の旨味を調節する方法であって、a)少なくとも1種類のペットフード製品、またはその前駆体を用意する工程、およびb)向上したペットフード製品を形成するように、そのペットフード製品、またはその前駆体を、例えば、1種類以上のヌクレオチド誘導体および/または1種類以上の膜貫通化合物、もしくはその食用的に許容される塩を含む、少なくとも旨味を調節する量の少なくとも1種類の香味組成物と組み合わせる工程を有してなる方法に関する。
【0654】
特定の実施の形態において、本開示の香味組成物は、例えば、ウェットタイプのペットフード製品、ドライタイプのペットフード製品、モイストタイプのペットフード製品、ペット用飲料製品、および/またはスナックタイプのペットフード製品などのペットフード製品の旨味および/または美味しさを向上させることができる。
【0655】
特定の実施の形態において、本開示の香味組成物の1種類以上は、ペットフード製品の味または味のプロファイルを変更する、向上させる、または他の様式で変えるのに効果的な量で、ペットフード製品に添加できる。その変更の例としては、当該技術分野に公知の手法により、動物、例えば、ネコおよび/またはイヌにより決定される、もしくは配合試験の場合には、動物味覚試験者のパネル、例えば、ネコおよび/またはイヌにより決定される、ペットフード製品の旨味の増加または向上が挙げられる。
【0656】
本開示の特定の実施の形態において、例えば、旨味なとの所望の味を有するペットフード製品を製造するために、ヌクレオチド誘導体、例えば、式Nt−1の化合物を含む、ここに記載された少なくとも1種類の香味組成物を十分な量で含有するペットフード製品を製造することができる。
【0657】
本開示の特定の実施の形態において、例えば、旨味などの所望の味を有するペットフード製品を製造するために、膜貫通化合物、例えば、式Tm−1からTm−19の化合物を含む、ここに記載された少なくとも1種類の香味組成物を十分な量で含有するペットフード製品を製造することができる。
【0658】
本開示の特定の実施の形態において、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多くのヌクレオチド誘導体を含む香味組成物を十分な量で含有するペットフード製品を製造することができる。
【0659】
本開示の特定の実施の形態において、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多くの膜貫通化合物を含む香味組成物を十分な量で含有するペットフード製品を製造することができる。
【0660】
特定の実施の形態において、本開示の香味組成物の1種類以上を調節量でペットフード製品に添加し、よって、そのペットフード製品が、香味組成物を用いずに調製されたペットフード製品と比べて、当該技術分野で公知の手法により、動物、例えば、ネコおよび/またはイヌにより決定される、もしくは配合試験の場合には、動物味覚試験者のパネルにより決定される、増加した美味しさを有する。
【0661】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ペットフード製品の美味しさを増加させる、向上させる、および/または変更するのに効果的な量でペットフード製品に添加される。
【0662】
ペットフード製品の美味しさおよび/または旨味を調節する、および/または改善するためにペットフード製品と混合される香味組成物の濃度は、例えば、ペットフード製品の特定のタイプ、ペットフード製品中の何の旨味化合物がすでに存在するか、およびその濃度、並びにそのような旨味化合物に対する特定の香味組成物の強化効果などの変数に応じて、様々であり得る。
【0663】
そのような旨味および/または美味しさの変更を与えるために、前記香味組成物を幅広い範囲の濃度で用いることができる。本出願の特定の実施の形態において、その香味組成物はペットフード製品と混合され、その香味組成物は、約0.001ppmから約1,000ppmの量で存在する。例えば、制限するものではなく、その香味組成物は、約0.001ppmから約750ppm、約0.001ppmから約500ppm、約0.001ppmから約250ppm、約0.001ppmから約150ppm、約0.001ppmから約100ppm、約0.001ppmから約75ppm、約0.001ppmから約50ppm、約0.001ppmから約25ppm、約0.001ppmから約15ppm、約0.001ppmから約10ppm、約0.001ppmから約5ppm、約0.001ppmから約4ppm、約0.001ppmから約3ppm、約0.001ppmから約2ppm、約0.001ppmから約1ppm、約0.01ppmから約1000ppm、約0.1ppmから約1000ppm、約1ppmから約1000ppm、約2ppmから約1000ppm、約3ppmから約1000ppm、約4ppmから約1000ppm、約5ppmから約1000ppm、約10ppmから約1000ppm、約15ppmから約1000ppm、約25ppmから約1000ppm、約50ppmから約1000ppm、約75ppmから約1000ppm、約100ppmから約1000ppm、約150ppmから約1000ppm、約250ppmから約1000ppm、約250ppmから約1000ppm、約500ppmから約1000ppm、または約750ppmから約1000ppm、およびそれらの間の値の量で存在し得る。
【0664】
特定の実施の形態において、前記香味組成物は、約0.001ppm超、約0.01ppm超、約0.1ppm超、約1ppm超、約2ppm超、約3ppm超、約4ppm超、約5ppm超、約10ppm超、約25ppm超、約50ppm超、約75ppm超、約100ppm超、約250ppm超、約500ppm超、約750ppm超、または約1000ppm超、およびそれらの間の値の量でペットフード製品中に存在する。
【0665】
特定の実施の形態において、本開示のヌクレオチド誘導体は、旨味受容体、例えば、T1R1/T1R3受容体を調節する、活性化させる、および/または向上させるのに十分な量で食品中に存在する。例えば、制限するものではなく、ヌクレオチド誘導体は、約1pMから約1M、約1nMから約1M、約1μMから約1M、約1mMから約1M、約10mMから約1M、約100mMから約1M、約250mMから約1M、約500mMから約1M、約750mMから約1M、約0.001μMから約1M、約0.001μMから約750mM、約0.001μMから約500mM、約0.001μMから約250mM、約0.001μMから約100mM、約0.001μMから約50mM、約0.001μMから約25mM、約0.001μMから約10mM、約0.001μMから約1mM、約0.001μMから約100μM、または約0.001μMから約10μM、およびそれらの間の量で食品中に存在し得る。
【0666】
特定の実施の形態において、本開示の膜貫通化合物は、旨味受容体、例えば、ネコT1R1/T1R3受容体を調節する、活性化させる、または向上させるのに十分な化合物の量で存在する。例えば、制限するものではなく、膜貫通化合物は、約1pMから約10M、約1pMから約1M、約1nMから約1M、約1μMから約1M、約1mMから約1M、約10mMから約1M、約100mMから約1M、約250mMから約1M、約500mMから約1M、約750mMから約1M、約1μMから約1M、約1μMから約750mM、約1μMから約500mM、約1μMから約250mM、約1μMから約100mM、約1μMから約50mM、約1μMから約25mM、約1μMから約10mM、約1μMから約1mM、約1μMから約100μM、または約1μMから約10μM、およびそれらの間の量で食品中に存在し得る。
【0667】
本出願の特定の実施の形態において、前記香味組成物は食品と混合され、この香味組成物は、その食品の約0.0001から約10%質量/質量(w/w)の量で存在する。例えば、制限するものではなく、その香味組成物は、約0.0001%から約10%、約0.0001%から約1%、約0.0001%から約0.1%、約0.0001%から約0.01%、約0.0001%から約0.001%、約0.001%から約10%、約0.001%から約1%、約0.01%から約1%、または約0.1%から約1%、およびそれらの間の値の量で存在し得る。
【0668】
特定の実施の形態において、本出願のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、様々な香味組成物を形成するために、様々な比率で一緒にブレンドされるか、または他の化合物、例えば、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸および/またはフラノンと一緒にブレンドされる。ヌクレオチド、アミノ酸、およびフラノンの非限定的例が、ここに全てを引用する、国際特許出願第PCT/EP2013/072788号、同第PCT/EP2013/072789号、同第PCT/EP2013/072790号、および同第PCT/EP2013/072794号に開示されている。特定の実施の形態において、他の化合物とブレンドされるヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、式Nt−1からNt−55の1種類以上の化合物および/または式Tm−1からTm−104の1種類以上の化合物である。
【0669】
特定の実施の形態において、他の化合物とブレンドされるヌクレオチド誘導体としては、式Nt−1からNt−55並びに表2および6〜14のヌクレオチド誘導体が挙げられる。
【0670】
特定の実施の形態において、他の化合物とブレンドされる膜貫通化合物としては、式Tm−1からTm−104の膜貫通化合物が挙げられる。
【0671】
4.1 ヌクレオチド
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体および/または少なくとも1種類の膜貫通化合物、およびここに記載されたような少なくとも1種類のヌクレオチドを含む。
【0672】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されたようなヌクレオチドを少なくとも2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多く含む。ヌクレオチドの非限定的例としては、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、イノシン一リン酸(IMP)、イノシン二リン酸(IDP)、イノシン三リン酸(ITP)、ウリジン(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、キサントシン一リン酸(XMP)、キサントシン二リン酸(XDP)、およびキサントシン三リン酸(XTP)、または式Nt−1により記載されるようないずれかのヌクレオチド誘導体が挙げられる。
【0673】
特定の実施の形態において、前記香味組成物は、食品中に存在するヌクレオチドを含み得、そのヌクレオチドは、約1pMから約1M、約1nMから約1M、約1μMから約1M、約1mMから約1M、約10mMから約1M、約100mMから約1M、約250mMから約1M、約500mMから約1M、約750mMから約1M、約1μMから約1M、約1μMから約750mM、約1μMから約500mM、約1μMから約250mM、約1μMから約100mM、約1μMから約50mM、約1μMから約25mM、約1μMから約10mM、約1μMから約1mM、約1μMから約100μM、または約1μMから約10μM、およびそれらの間の値の量で存在し得る。
【0674】
特定の実施の形態において、前記ヌクレオチドは、前記ペットフード製品の約1mM超または約2.5mM超の量で存在し得る。特定の非限定的実施の形態において、そのヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体は、ペットフード製品の約100mM未満、約50mM未満、約20mM未満、または約10mM未満の量で存在し得る。特定の非限定的実施の形態において、そのヌクレオチドは、ペットフード製品の約5mMの量で存在する。
【0675】
特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも1種類の膜貫通化合物および、IMP、GMPまたはその混合物であり得る、少なくとも1種類のヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体を含む。特定の実施の形態において、その少なくとも1種類のヌクレオチドは、約1%から約99%のGMPと約1%から約99%のIMP、または約20%から約80%のGMPと約20%から約80%のIMP、または約50%のGMPと約50%のIMP、または約10%のGMPと約90%のIMP、または約20%のGMPと約80%のIMP、または約30%のGMPと約70%のIMP、または約40%のGMPと約60%のIMP、または約60%のGMPと約40%のIMP、または約70%のGMPと約30%のIMP、または約80%のGMPと約20%のIMP、または約10%のGMPと約90%のIMPを含む、GMPおよびIMPの組合せであり得る。
【0676】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されたような少なくとも1種類のアミノ酸をさらに含む。
【0677】
4.2 アミノ酸
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体および/または少なくとも1種類の膜貫通化合物、およびここに記載されたような少なくとも1種類のアミノ酸を含む。特定の実施の形態において、その香味組成物は、ここに記載されたようなアミノ酸を少なくとも2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多く含む。
【0678】
特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第1のアミノ酸および/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第2のアミノ酸を含む。
【0679】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも1種類の第1のアミノ酸および少なくとも1種類の第2のアミノ酸を含む。
【0680】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも2種類の第1のアミノ酸および少なくとも1種類の第2のアミノ酸を含む。
【0681】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも1種類の第1のアミノ酸および少なくとも2種類の第2のアミノ酸を含む。
【0682】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、少なくとも2種類の第1のアミノ酸および少なくとも2種類の第2のアミノ酸を含む。
【0683】
本開示の特定の実施の形態において、前記香味組成物は、ここに記載されたようなヌクレオチドを少なくとも1種類さらに含む。
【0684】
第1のアミノ酸の非限定的例としては、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン、グリシン、システイン、アラニン、チロシン、セリン、メチオニン、アスパラギン、ロイシン、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0685】
第2のアミノ酸の非限定的例としては、アスパラギン、トレオニン、イソロイシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒドロキシルプロリン、アルギニン、シスチン、グルタミン、リシン、バリン、オルニチン、タウリン、グルタミン酸ナトリウム(MSG)、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0686】
特定の実施の形態において、前記少なくとも1種類の第1のアミノ酸および/または第2のアミノ酸は、単独または組合せで、ペットフード製品の約1mMから約1M、または約250mMから約1M、または約5mMから約500mM、または約10mMから約100mM、または約15mMから約50mM、または約20mMから約40mMの量で存在し得る。特定の実施の形態において、そのアミノ酸は、ペットフード製品の約1M未満、約200mM未満、約100mM未満、約50mM未満、約20mM未満、または約10mM未満の量で存在し得る。特定の実施の形態において、第1のアミノ酸および/または第2のアミノ酸は、単独または組合せで、ペットフード製品の約25mMの量で存在し得る。
【0687】
4.2.1 T1R1アミノ酸結合部位
旨味受容体、例えば、T1R1/T1R3受容体を調節するここに記載された組成物のアミノ酸は、その旨味受容体のVenus Flytrap領域内の1種類以上のアミノ酸と相互作用し得る。特定の実施の形態において、そのVenus Flytrap(VFT)領域は、T1R1内に存在する。特定の実施の形態において、その組成物が相互作用するVFTアミノ酸は、Thr149、Tyr220、Thr148、Thr449、Ser172、Glu170、Glu301、His71、His47、Arg277、His308、Asn69、Asn302、Ser306、Ser384、Asp302、Ser306、およびAla380の1つ以上を含む。
【0688】
1つの非限定的実施の形態において、前記組成物はアミノ酸を含み、そのアミノ酸は、T1R1のSer172、Thr149、Thr148、Glu301、Tyr220、Glu170およびAsp302の内の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多くと相互作用する。
【0689】
他の非限定的実施の形態において、前記組成物は、Thr149、Ser172、Tyr220、Thr148、Glu170、および/またはAsp302の内の1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれより多くと相互作用し、その相互作用は、例えば、水素結合、塩橋、および/またはπカチオン相互作用を含み得る。
【0690】
非限定的例において、前記組成物は、VFT領域のGlu170および/またはAsp302と相互作用し、その組成物は、L−グルタミン酸塩またはL−アスパラギン酸を含まない。1つの実施の形態において、Glu170およびAsp302は、T1R1の活性部位を収めるその組成物のアミノ酸リガンドの両性イオン窒素と配位するのに役立つのと同時に、L−グルタミン酸塩およびL−アスパラギン酸を結合させるのに不適な静電気環境を確立する。
【0691】
特定の実施の形態において、前記組成物は、ここに記載された相互作用のいずれかの組合せ、例えば、前記相互作用の内の1つ、2つ、3つまたはそれより多くにしたがって、VFTと相互作用する。アミノ酸とVFTとの間の相互作用は、VFTに対するアミノ酸の相互作用エネルギーを増大させる追加の疎水性相互作用をさらに含むことがある。
【0692】
特定の実施の形態において、前記組成物と前記1種類以上のVFTアミノ酸との間の相互作用は、1つ以上の水素結合、共有結合、非共有結合、塩橋、物理的相互作用、およびそれらの組合せを含む。その相互作用は、当該技術分野で公知のリガンド・受容体相互作用の特徴を示すどの相互作用であっても差し支えない。そのような相互作用は、例えば、部位特異的突然変異誘発法、X線結晶学、X線または他の分光法、核磁気共鳴(NMR)、架橋評価、質量分光測定法または電気泳動、公知の作用薬に基づく変位試験、構造決定、およびそれらの組合せによって決定できる。特定の実施の形態において、それらの相互作用は、コンピュータ内で、例えば、分子ドッキングを使用した前記VFT領域中への化合物のドッキング、分子モデリング、分子シミュレーション、または当業者に公知の他の手段などの理論的手段によって決定される。
【0693】
本出願は、旨味受容体、例えば、T1R1の活性を調節する化合物を同定する方法であって、その化合物が、T1R1のVFT領域中に存在するここに記載されたアミノ酸の1つ以上と相互作用する能力に基づいて同定される、方法も提供する。
【0694】
特定の実施の形態において、前記方法は、試験物質をネコT1R1旨味受容体と接触させる工程、その試験物質と、ネコT1R1旨味受容体のVFT相互作用部位内の1つ以上のアミノ酸との間の相互作用を検出する工程、およびそのアミノ酸の1つ以上と相互作用する試験物質を前記化合物として選択する工程を有してなる。
【0695】
5. 送達系
特定の実施の形態において、本出願の香味組成物は、ペットフード製品に使用するための送達系に含ませることができる。送達系は、液体または固体、水性または非水性であり得る。送達系は、一般に、香味組成物および/またはその香味組成物が中に含まれるペットフード製品の必要性を満たすように適合される。
【0696】
前記香味組成物は、液体形態、乾燥形態および/または固体形態で用いることができる。乾燥形態で使用される場合、噴霧乾燥などの適切な乾燥手段を使用することができる。あるいは、香味組成物は、以下に限られないが、セルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアゴムなどの材料を含む水溶性材料に被包され得る、または吸収され得る。そのような乾燥形態を調製するための実際の技法は、当該技術分野で周知であり、現在開示されている主題に適用することができる。
【0697】
現在開示されている主題の香味組成物は、味、香味および/またはテキスチャーの初期バースト;および/または味、香味および/またはテキスチャーの長持ちする知覚を提供するために、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で使用できる。制限するものではなく、そのような物理的形態としては、噴霧乾燥、粉末化、およびビーズ形態の遊離形態、および被包形態、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0698】
特定の実施の形態において、香味組成物の前記ヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、ペットフードの加工中に生成することができる。例えば、制限するものではなく、そのヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、ペットフードの熱加工、例えば、レトルト処理、押出し、および/または殺菌の最中に、前駆体化合物から生成することができる。
【0699】
特定の実施の形態において、上述したように、被包技術を使用して、香味系を変更することができる。特定の実施の形態において、香味化合物、香味成分または香味組成物全体を完全にまたは部分的に被包することができる。被包材料および/または技術を選択して、香味系の変更のタイプを決定することができる。
【0700】
特定の実施の形態において、前記被包材料および/または技術を選択して、香味化合物、香味成分または香味組成物の安定性を改良し;一方で、他の実施の形態において、被包材料および/または技術を選択して、香味組成物の放出特性を変更する。
【0701】
適切な被包材料としては、以下に限られないが、アルギン酸塩、ペクチン、寒天、グアーガム、セルロースなどの親水コロイド、タンパク質、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリビニルアセトフタレート、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体など、およびそれらの組合せが挙げられる。適切な被包技術としては、以下に限られないが、成分を被包材料で被包するために、吹き付け塗り、噴霧乾燥、噴霧冷却、吸収、吸着、包接錯体形成(例えば、香味料/シクロデキストリン錯体の形成)、液滴形成、流動床被覆または他の過程が挙げられる。
【0702】
香味剤または甘味剤のための被包送達系は、甘味剤または香味剤のコアを取り囲む脂肪またはワックスの疎水性マトリクスを含有し得る。その脂肪は、脂肪酸、グリセリドまたはポリグリセロールエステル、ソルビトールエステル、およびそれらの混合物などのいくつの従来の材料から選択することもできる。脂肪酸の例としては、以下に限られないが、ヤシ油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、ぬか油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、サフラワー油、およびそれらの組合せなどの硬化または半硬化植物油が挙げられる。グリセリドの例としては、以下に限られないが、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドが挙げられる。
【0703】
ワックスは、天然および合成ワックスおよびそれらの組合せからなる群より選択されるから選択することができる。非限定的例としては、パラフィンワックス、ワセリン、CARBOWAX(商標)、微結晶ワックス、蜜蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、ラノリン、ベーベリー蝋、サトウキビ蝋、鯨蝋、ライスワックス、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0704】
前記脂肪およびワックスは、被包系の約10質量%から約70質量%の様々な量、あるいは、約30質量%から約60質量%の量で、個別にまたは組合せで使用できる。組合せで使用される場合、その脂肪およびワックスは、それぞれ、約70:10から85:15の比率で存在し得る。
【0705】
典型的な被包された香味組成物、香味剤、または甘味剤の送達系が、その開示がここに全て引用される、米国特許第4597970号および同第4722845号の各明細書に開示されている。
【0706】
液体送達系としては、以下に限られないが、炭水化物シロップおよび/またはエマルション中などの、本出願の香味組成物の分散に関する系が挙げられる。液体送達系としては、ヌクレオチド誘導体、膜貫通化合物、および/または香味組成物が溶媒中で可溶化されている抽出物も挙げられる。固体送達系は、噴霧乾燥、吹き付け塗り、噴霧冷却、流動床乾燥、吸収、吸着、液滴形成、錯体形成、またはいずれか他の標準技術により形成することができる。いくつかの実施の形態において、その送達系は、食用組成物に適合するように、または食用組成物中で機能するように選択できる。特定の実施の形態において、その送達系は、脂肪または油などの油性物質を含む。特定の実施の形態において、その送達系は、ココアバター、ココアバター代替品、ココアバター代用品、またはココアバター同等物などの製菓用油脂を含む。
【0707】
乾燥形態で使用される場合、噴霧乾燥などの適切な乾燥手段を使用してよい。あるいは、香味組成物を、セルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアゴムなどの水溶性材料などの基質に吸着または吸収させてもよく、被包されてもよい。そのような乾燥形態を調製するための実際の技術は、当該技術分野で周知である。
【0708】
6. ペットフード製品
現在開示されている主題の香味組成物は、多種多様なペットフード製品に使用できる。適切なペットフード製品の非限定的例としては、ウェットタイプの食品、ドライタイプの食品、モイストタイプの食品、ペットフード栄養補助食品(例えば、ビタミン)、ペット用飲料製品、スナックおよびおやつ、並びにここに記載されたペットフードの部類が挙げられる。
【0709】
現在開示されている主題の香味組成物と、ペットフード製品および所望の場合、随意的な成分との組合せは、予期せぬ味を有し、例えば、旨味および/または美味しい味の知覚体験を与える香味剤を提供する。ここに開示された香味組成物は、ペットフード製品の配合処理または包装の前、最中または後に加えることができ、香味組成物の成分を連続してまたは同時に加えることができる。特定の実施の形態において、ここに開示された香味組成物の成分の1種類以上は、ペットフード製品の製造中に、例えば、熱食品加工中に、前駆体化合物から生成することができる。例えば、制限するものではなく、香味組成物のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、ペットフード製品の製造中に生成することができ、香味組成物の追加の成分は、そのペットフード製品の配合処理または包装の前、最中、または後に加えることができる。
【0710】
特定の実施の形態において、前記ペットフード製品は、栄養的に完全なドライタイプの食品である。ドライタイプまたは低水分含有の栄養的に完全なペットフード製品は、約15%未満の水分を含み得、約10%から約60%の脂肪、約10%から約70%のタンパク質、および約30%から約80%の炭水化物、例えば、食物繊維および灰分を含む。
【0711】
特定の実施の形態において、前記ペットフード製品は、栄養的に完全なウェットタイプの食品である。ウェットタイプまたは高水分含有の栄養的に完全なペットフード製品は、約50%超の水分を含み得る。特定の実施の形態において、ウェットタイプのペットフード製品は、約40%からの脂肪、約50%からのタンパク質、および約10%からの炭水化物、例えば、食物繊維および灰分を含む。
【0712】
特定の実施の形態において、前記ペットフード製品は、栄養的に完全なモイストタイプのペットフード製品である。モイストタイプ、例えば、セミモイストまたはセミドライまたはソフトドライまたはソフトモイストまたは中間または中程度の水分を含有する栄養的に完全なペットフード製品は、約15%から約50%の水分を含む。
【0713】
特定の実施の形態において、前記ペットフード製品は、ペットフードスナック製品である。ペットフードスナック製品の非限定的例としては、スナックバー、ペットの噛み物、サクサクしたおやつ、シリアルバー、スナック、ビスケット、およびお菓子製品が挙げられる。
【0714】
特定の実施の形態において、前記タンパク質源は、ルピナスタンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質およびそれらの組合せなどの植物源に由来し得る。それに代えて、またはそれに加え、そのタンパク質源は、様々な動物源に由来し得る。動物性タンパク質の非限定的例としては、例えば、筋肉の肉、肉副産物、肉粉または魚粉を含む、牛肉、豚肉、家禽の肉、羊肉、または魚類が挙げられる。
【0715】
7. 味覚特性を測定する方法
本開示の特定の実施の形態において、ペットフード製品の味、香味および/または美味しさ特性は、ここに記載されたように、香味組成物をペットフード製品と混合することにより変更することがでる、または食品調製条件下で生成できる。特定の実施の形態において、その特性は、ペットフード製品と混合されるまたはそれにより生成される香味組成物の濃度を増加または減少させることによって、向上または減少させることができる。特定の実施の形態において、変更されたペットフード製品の味特性は、ここに記載されたように評価することができ、ペットフード製品と混合されるまたはそれにより生成される香味組成物の濃度は、その評価の結果に基づいて、増加または減少させることができる。
【0716】
本開示の特定の実施の形態において、味および/または美味しさ特性は、インビトロ試験を使用して測定することができ、異なる濃度でインビトロにおいて細胞により発現されるネコの旨味受容体を活性化させる化合物の能力が測定される。特定の実施の形態において、その受容体の活性化の増加は、その化合物の味および/または美味しさ特性の増加と相間する。特定の実施の形態において、その化合物は、単独で、または他の化合物との組合せで、測定される。特定の実施の形態において、インビトロ試験は、本出願の実施例の項目に記載されたインビトロ試験を含む。いくつかの実施の形態において、そのインビトロ試験は、細胞に導入される核酸(例えば、外因性核酸)によりコードされた旨味受容体を発現する組換え細胞を含む。他の非限定的実施の形態において、そのインビトロ試験は、細胞に特有の旨味受容体を発現する細胞を含む。天然の旨味受容体を発現するそのような細胞の例としては、以下に限られないが、ネコおよび/またはイヌの味覚細胞が挙げられる。特定の実施の形態において、旨味受容体を発現するネコおよび/またはイヌの味覚細胞は、ネコおよび/またはイヌから単離され、インビトロで培養される。
【0717】
本開示の特定の実施の形態において、味および/または美味しさ特性は、味覚試験者のパネリストを使用して測定できる。例えば、制限するものではなく、そのパネルは、ネコのパネリストを含み得る。特定の実施の形態において、そのパネルは、イヌのパネリストを含み得る。特定の実施の形態において、ペットフード製品の美味しさは、香味組成物を含有するペットフード製品のみの消費(例えば、ワン・ボウル・テスト(one bowl test)、単項順位法)により決定できる。特定の実施の形態において、ペットフード製品の美味しさは、ここに開示された香味組成物を含有するペットフード製品の、その香味組成物を含有しない、または別の香味組成物を含有するペットフード製品に対する優先的消費(例えば、優先傾向、差異および/または選択を試験するためのトゥー・ボウル・テスト)により決定できる。
【0718】
特定の実施の形態において、香味組成物の美味しさおよび/または旨味は、ここに開示された香味組成物を含有する水溶液の、その香味組成物を含有しない、または異なる香味組成物を含有する水溶液に対する優先的消費(トゥー・ボトル・テスト)により決定できる。例えば、溶液パネルを使用して、単項暴露におけるある範囲の濃度の化合物の美味しさを比較することができる。特定の実施の形態において、その溶液は、ベースラインの溶液の摂取を増加させるための摂食/正の味物質としての美味しさ向上剤、例えば、L−ヒスチジンを含有することができ、したがって、試験化合物の潜在的な負の影響の特定を可能にする。
【0719】
各ペットフード製品または水溶液の摂取比は、消費された1つの配給量を測定し、全消費量で割ることによって決定できる。次いで、消費比率(CR)を計算して、一方の配給量の他方の配給量に関する消費を比較して、一方のペットフード製品または水溶液の他方を上回る優先的消費を決定することができる。それに代えてまたはそれに加え、摂取量の差(g)を使用し、選択された有意水準で、例えば、5%の有意水準で、トゥー・ボトル・テストにおける2つの溶液間における、またはトゥー・ボウル・テストにおける2つのペットフード製品間における摂取量の平均差を評価して、95%の信頼区間で摂取量の平均差を決定することができる。しかしながら、どの有意水準、例えば、1、2、3、4、5、10、15、20、25、または50%の有意水準を使用してもよい。特定の実施の形態において、百分率優先傾向スコア、例えば、ある動物による1つの溶液または食品に関する百分率優先傾向は、そのテスト中に摂取される全液体または食品に対するその溶液または食品が占める百分率である。
【0720】
8. 生成方法
特定の実施の形態において、本開示のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、標準的な化学合成過程を使用して生成できる。特定の実施の形態において、その化学合成過程は、少なくとも99.999%、または少なくとも99%、または少なくとも95%、または少なくとも90%、または少なくとも85%、または少なくとも80%の純度を有するヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を提供する。特定の実施の形態において、そのヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、酸、酵素、または酸と酵素の組合せを使用したものなどの、標準的な加水分解過程を使用して調製できる。
【0721】
本開示のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、食品調製条件下でも、例えば、ペットフード製品の製造中に、製造できる。例えば、制限するものではなく、本開示のヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、熱食品加工、例えば、殺菌、レトルト加工および/または押出し中に、ペットフード中に存在する前駆体化合物から生成できる。特定の実施の形態において、液体および/または粉末味物質を、例えば、ドライタイプのペットフード製品に添加して、ペットフードの味を向上させ、ペットフードの美味しさを増加させることもできる。その味物質は、肉(例えば、肝臓)の消化物および/または野菜の消化物であり得、必要に応じて、当該技術分野で公知の他の味物質を含んでも差し支えない。特定の実施の形態において、そのヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、液体および/または粉末味物質と、ペットフード製品へのその添加前に、、混合しても、その中で生成しても差し支えない。それに代えて、またはそれに加え、そのヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物は、その液体および/または粉末味物質と、ペットフード製品へのその添加後に、混合しても、その中で生成しても差し支えない。
【0722】
特定の実施の形態において、本開示の香味組成物は、式Tm−1からTm−104の1種類以上の膜貫通化合物を含む。特定の実施の形態において、そのような化合物は、制限するものではなく、当該技術分野で公知のどの手段により合成しても差し支えない。特定の実施の形態において、パラバン酸誘導体膜貫通化合物は、以下の合成スキームにしたがって合成できる:
【0723】
【化174】
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【0724】
9. 本開示の香味組成物の非限定的例
ここに記載されるように、小分子および/または化合物の結合を可能にする少なくとも3つの異なる結合部位が、ネコT1R1/T1R3受容体(すなわち、旨味受容体)上に存在する。ネコT1R1/T1R3受容体上に存在する結合部位の内の1つは、ここに記載されたようなヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体に結合できる。ネコT1R1/T1R3受容体上に存在する第2の結合部位は、ここに記載されたような第1群のアミノ酸に結合でき、ネコT1R1/T1R3受容体(すなわち、T1R1 7TM領域)上に存在する第3の結合部位は、ここに記載されたような膜貫通化合物に結合できる。どの特定の理論にも束縛されずに、ここに開示されたような第1群のアミノ酸の結合は、ネコT1R1/T1R3受容体の立体配座を変えて、結合したヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体との接触をより大きくすることができ、その旨味受容体の相乗的活性化をもたらす。ここに開示された第2群のアミノ酸は、1種類以上の他の受容体と相互作用することができ、その旨味受容体への結合に関して、第1群のアミノ酸とは競合しない。第2群のアミノ酸を香味組成物に添加すると、その組成物の香味の知覚を向上させることができる。ここに記載されたような、前記受容体への膜貫通化合物の結合は、その受容体をさらに活性化させ、それによって、そのような化合物を含む食品の美味しさを向上させるまたは変更する。
【0725】
特定の実施の形態において、本開示は、前記旨味受容体上の第1の結合部位に結合する少なくとも1種類のヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド誘導体および/または前記旨味受容体上の第2の結合部位に結合する少なくとも1種類の第1群のアミノ酸および/または前記旨味受容体上の第3の結合部位(例えば、旨味受容体の7TM領域内にある)に結合する少なくとも1種類の膜貫通化合物および/または異なる受容体に結合する少なくとも1種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0726】
現在開示されている主題は、少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くのヌクレオチド誘導体および/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くのヌクレオチドおよび/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの膜貫通化合物および/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第1群のアミノ酸および/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0727】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および表4から選択される、少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第1群のアミノ酸および/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0728】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体および表4から選択される少なくとも1種類の第1群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0729】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体および表4から選択される少なくとも1種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0730】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および表4から選択される少なくとも1種類の第1群のアミノ酸と少なくとも1種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0731】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および表4から選択される少なくとも2種類の第1群のアミノ酸と少なくとも1種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0732】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および表4から選択される少なくとも1種類の第1群のアミノ酸と少なくとも2種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0733】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および表4から選択される少なくとも2種類の第1群のアミノ酸と少なくとも2種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0734】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および少なくとも1種類のヌクレオチドと表4から選択される少なくとも1種類の第1群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0735】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および少なくとも1種類のヌクレオチドと表4から選択される少なくとも1種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0736】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、および少なくとも1種類のヌクレオチドと、表4から選択される、少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第1群のアミノ酸および/または少なくとも1種類、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれより多くの第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0737】
特定の実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、少なくとも1種類のヌクレオチド、および表4から選択される、少なくとも1種類の第1群のアミノ酸と少なくとも1種類の第2群のアミノ酸を含む香味組成物を提供する。
【0738】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0739】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、ヒスチジンおよびプロリンを含む香味組成物を提供する。
【0740】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、アラニンおよびプロリンを含む香味組成物を提供する。
【0741】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、グリシンおよびプロリンを含む香味組成物を提供する。
【0742】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、フェニルアラニンおよびプロリンを含む香味組成物を提供する。
【0743】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、トリプトファンおよびプロリンを含む香味組成物を提供する。
【0744】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、チロシンおよびプロリンを含む香味組成物を提供する。
【0745】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、ヒスチジンおよびトレオニンを含む香味組成物を提供する。
【0746】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、アラニンおよびトレオニンを含む香味組成物を提供する。
【0747】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、グリシンおよびトレオニンを含む香味組成物を提供する。
【0748】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、フェニルアラニンおよびトレオニンを含む香味組成物を提供する。
【0749】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、トリプトファンおよびトレオニンを含む香味組成物を提供する。
【0750】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、チロシンおよびトレオニンを含む香味組成物を提供する。
【0751】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、ヒスチジンおよびグルタミン酸を含む香味組成物を提供する。
【0752】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、アラニンおよびグルタミン酸を含む香味組成物を提供する。
【0753】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、グリシンおよびグルタミン酸を含む香味組成物を提供する。
【0754】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、フェニルアラニンおよびグルタミン酸を含む香味組成物を提供する。
【0755】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、トリプトファンおよびグルタミン酸を含む香味組成物を提供する。
【0756】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、少なくとも1種類のヌクレオチド誘導体、チロシンおよびグルタミン酸を含む香味組成物を提供する。
【0757】
特定の実施の形態において、先に開示された香味組成物のいずれも、ここに記載されたように、少なくとも1種類のヌクレオチドおよび/または少なくとも1種類の膜貫通化合物をさらに含み得る。
【0758】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、アデノシン3’,5’−二リン酸およびアラニンを含む香味組成物を提供する。
【0759】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、6−チオグアノシン−5’−一リン酸およびアラニンを含む香味組成物を提供する。
【0760】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、2’−、3’−O−(N’−メチルアントラニロイル)グアノシン−5’−O−一リン酸およびアラニンを含む香味組成物を提供する。
【0761】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、2−アミノ−6−クロロプリンリボシド−5’−O−一リン酸およびアラニンを含む香味組成物を提供する。
【0762】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、6−クロロプリンリボシド−5’−O−一リン酸およびアラニンを含む香味組成物を提供する。
【0763】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、イノシン三リン酸(ITP)およびアラニンを含む香味組成物を提供する。
【0764】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、イノシン三リン酸(ITP)、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0765】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、1−(2−ブロモフェニル)−3−((1R、2S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)尿素、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0766】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−プロピルペンタンアミド、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0767】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミド、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0768】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、N−(2−アミノ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3−クロロ−4,5−ジメトキシベンズアミド、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0769】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、(E)−3−(4−メトキシフェニル)−N−(ペンタン−3−イル)アクリルアミド、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0770】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオン、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0771】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン、アラニンおよびIMPを含む香味組成物を提供する。
【0772】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミド、フェニルアラニンおよびGMPを含む香味組成物を提供する。
【0773】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドの、下記に記載されるような、第1のアミノ酸(A群のアミノ酸)、第2のアミノ酸(B群のアミノ酸)および1種類以上のヌクレオチドとの組合せを含む香味組成物を提供する。
【0774】
【表5-1】
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【0775】
【表5-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0776】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ここに記載されたような香味組成物を含むペットフード製品であって、その香味組成物が約0.001ppmから約1,000ppmの量で存在する、ペットフード製品を提供する。
【0777】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ここに記載されたような香味組成物を含むペットフード製品であって、その香味組成物が、このペットフード製品の約0.0001質量%から約10質量%の濃度で存在する、ペットフード製品を提供する。
【0778】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ここに記載されたような香味組成物を含むペットフード製品であって、その香味組成物が約1ppm超の量で存在する、ペットフード製品を提供する。
【0779】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ここに記載されたような香味組成物を含むペットフード製品であって、その香味組成物が約10ppm超の量で存在する、ペットフード製品を提供する。
【0780】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ここに記載されたような香味組成物を含むペットフード製品であって、その香味組成物が約100ppm超の量で存在する、ペットフード製品を提供する。
【0781】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ここに記載されたようなヌクレオチド誘導体を含むペットフード製品であって、そのヌクレオチド誘導体が約1pMから約1Mの量で存在する、ペットフード製品を提供する。
【0782】
10. 本開示の方法の非限定的例
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ペットフード製品の美味しさを増加させる方法において、そのペットフード製品を、ここに記載されたようなヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を含む香味組成物と混合する工程を有してなり、そのヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物が、その混合物中に、約1pMから約10M、または約1pMから約1Mの濃度で存在する、方法を提供する。
【0783】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ペットフード製品の美味しさを増加させる方法において、ここに記載されたようなヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を含む香味組成物を有するペットフード製品を製造する工程を有してなり、そのヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物が、その製品中に、約1pMから約10M、または約1pMから約1Mの濃度で存在する、方法を提供する。
【0784】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ペットフード製品の旨味を増加させる方法において、そのペットフード製品を、ここに記載されたようなヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を含む香味組成物と混合する工程を有してなり、そのヌクレオチド誘導体が、その混合物中に、0.001ppmから1,000ppmの濃度で存在する、方法を提供する。
【0785】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ペットフード製品の美味しさを増加させる方法において、そのペットフード製品を、ここに記載されたようなヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を含む香味組成物と混合する工程を有してなり、その香味組成物が、その混合物中に、約0.001ppmから1,000ppmの濃度で存在する、方法を提供する。
【0786】
特定の非限定的実施の形態において、本開示は、ペットフード製品の旨味を増加させる方法において、そのペットフード製品を、ここに記載されたようなヌクレオチド誘導体および/または膜貫通化合物を含む香味組成物と混合する工程を有してなり、その香味組成物が、その混合物中に、約0.0001質量%から約10質量%の濃度で存在する、方法を提供する。
【実施例】
【0787】
11. 実施例
現在開示されている主題は、本発明の例示として与えられ、制限としてではない、以下の実施例を参照することによって、よりよく理解される。
【0788】
実施例1−ヌクレオチド誘導体によるT1R1/T1R3受容体の活性化
本実施例は、インビトロでのヌクレオチド誘導体によるネコT1R1/T1R3受容体の活性化を記載する。
【0789】
T1R1/T1R3活性剤として機能することがあるヌクレオチド誘導体を、旨味ネコ受容体のT1R1/T1R3のコンピュータモデルによって同定し、さらなるインビトロでの試験のために選択した。選択されたヌクレオチド誘導体のインビトロ機能的特性化を使用して、単独と、アミノ酸および/またはヌクレオチドとの組合せで、T1R1/T1R3受容体を活性化させる上でのヌクレオチド誘導体の有効性を評価した。
【0790】
方法:T1R3を安定に発現し、T1R1を誘導的に発現するHEK293細胞をヌクレオチド誘導体のみに暴露して、旨味受容体を活性化させた。T1R1/T1R3受容体の活性化は、カルシウム感受性蛍光染料を使用して、細胞間カルシウムレベルの変化によって、検出した。T1R3を発現するが、T1R1は発現しない細胞を対照として使用した。データ収集に、FLIPR(登録商標)TetraまたはFlexStation(登録商標)3を使用した。
【0791】
各ヌクレオチド誘導体について、用量反応曲線を作成し、以下の特性を決定した:ヌクレオチド誘導体のみのEC50;20mMのアラニンと一緒のヌクレオチド誘導体のEC50;0.2mMのIMPと一緒のヌクレオチド誘導体のEC50;および20mMのアラニンと0.2mMのIMPと一緒のヌクレオチド誘導体のEC50
【0792】
半数最大有効濃度(EC50)という用語は、ベースラインと、規定の暴露時間後の最大値との間の中程の反応を誘発する化合物の濃度を称する。各実験において、ヌクレオチド誘導体の0.1mM、1mMまたは10mMまでの段階希釈物をT1R1/T1R3発現細胞に加えた。
【0793】
結果:T1R1/T1R3受容体を発現するHEK293細胞の、単独(例えば、緩衝剤中)、または20mMのアラニンとの組合せでの、2’−デオキシアデノシン−3’,5’−O−ビスリン酸による処理により、細胞間カルシウムレベルの変化(ΔF/F0)により示されるように、T1R1/T1R3受容体の活性化が行われた。アラニンの存在下、または緩衝剤中で、2’−デオキシアデノシン−3’,5’−O−ビスリン酸により、0.02mMの測定EC50値が生じた(表6および図2)。これらの結果は、2’−デオキシアデノシン−3’,5’−O−ビスリン酸は、T1R1/T1R3受容体の正の活性剤であることを示した。
【0794】
ヌクレオチド誘導体のアデノシン5’−O−チオ一リン酸二リチウム塩は、単独で、T1R1/T1R3の活性剤として機能することが観察された(図8および表6)。単独で13.6mMのEC50値を有する、20mMのアラニンの存在下で、アデノシン5’−O−チオ一リン酸の二リチウム塩形態のEC50は、1mM超から0.06mMに減少し、ΔF/F0は、著しく高く伸びた(図8および表6)。これらの結果は、アラニンおよびヌクレオチド誘導体、例えば、アデノシン5’−O−チオ一リン酸は、T1R1/T1R3を活性化させるように相乗的に働くことを示唆している。
【0795】
特定の理論に束縛されずに、これらの結果は、単独で、またはアミノ酸、例えば、アラニンとの組合せでのヌクレオチド誘導体は、T1R1/T1R3受容体の正の調節因子として機能できることを示している。
【0796】
【表6-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0797】
【表6-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0798】
【表6-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0799】
【表6-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0800】
実施例2−アミノ酸との組合せでのヌクレオチド誘導体化合物によるT1R1/T1R3受容体の活性化
本実施例は、インビトロでのアミノ酸との組合せでのヌクレオチド誘導体によるネコT1R1/T1R3受容体の活性化を記載する。
【0801】
ヌクレオチド誘導体を評価して、1種類以上のヌクレオチドおよび/または1種類以上のアミノ酸との組合せでの、T1R1/T1R3受容体を活性化させる際のヌクレオチド誘導体の有効性を決定した。
【0802】
方法:T1R3を安定に発現し、T1R1を誘導的に発現するHEK293細胞を、単独で、または1種類以上のアミノ酸および/または1種類以上のヌクレオチドとの組合せで、ヌクレオチド誘導体に暴露して、旨味受容体を活性化させた。T1R1/T1R3受容体の活性化は、カルシウム感受性蛍光染料および/または発光レポーター系を使用して、細胞間カルシウムレベルの変化によって、検出した。T1R3を発現するが、T1R1は発現しない細胞を対照として使用した。データ収集に、「FLIPR」Tetraまたは「FlexStation」3を使用した。
【0803】
各ヌクレオチド誘導体について、用量反応曲線を作成し、20mMのアラニンの存在下で、以下の特性を決定した:ヌクレオチド誘導体のEC50、ヌクレオチド誘導体の存在下での受容体の最大反応、IMPの存在下での受容体の反応に関連するヌクレオチド誘導体の存在下での受容体の最大反応、およびT1R1/T1R3受容体の活性化を生じるヌクレオチド誘導体の閾値。使用した正と負の対照のEC50値が、表16に纏められている。
【0804】
結果:T1R1/T1R3の活性化において試験した全てのヌクレオチド誘導体の効果が、表15に示されている。T1R1/T1R3受容体を発現するHEK293細胞の、20mMのアラニンと組み合わせた、ヌクレオチド誘導体であるアデノシン3’,5’−二リン酸ナトリウム塩(ADP)による処理によって、細胞間カルシウムレベルの最大変基(ΔF/F0)および0.001mMの測定EC50値により示されるように、T1R1/T1R3受容体の活性化が生じた。対照的に、20mMのアラニンの存在下でのヌクレオチドのアデノシン一リン酸(AMP)は、0.011mMの測定EC50値が生じた(表7)。これらの結果は、アデノシン系のヌクレオチド誘導体は、それが誘導された標準的なヌクレオチドと比べて、T1R1/T1R3受容体の活性化に対して改善された活性を示したことを示す。2’−/3’−−O−(N’−メチル−アントラニロイル)アデノシン−5’−O−一リン酸ナトリウム塩についても、同様の結果が観察された(表7)。それに加え、そのアデノシン系ヌクレオチド誘導体は、AMPと比べて、その受容体を活性化させるためのより低い閾値も示した(表7)。
【0805】
グアノシン系のヌクレオチド誘導体の6−チオグアノシン−5’−O−一リン酸、2’−デオキシグアノシン−5’−O−モノホスホロチオエート(ナトリウム塩);2’−/3’−O−(N’−メチルアントラニロイル)グアノシン−5’−O−一リン酸;グアノシン−5’−モノホスホロチオエート(ナトリウム塩);2’−デオキシ−3’−O−(N’−メチルアントラニロイル)グアノシン−5’−O−一リン酸;グアノシン−5’−O−(2−チオ二リン酸)、2’−デオキシグアノシン−3’,5’−O−ビスリン酸;および2’−デオキシグアノシン−5’−O−モノホスホロチオエートは、アラニンの存在下で、T1R1/T1R3の活性剤として機能することが観察された(表8)。表8に示されるように、これらのグアノシン系のヌクレオチド誘導体は、標準的なヌクレオチドのグアノシン一リン酸(GMP)と比べて、改善された活性を示した。例えば、6−チオグアノシン−5’−O−一リン酸は、アラニンの存在下で、0.0009mMのEC50値および0.0002mMの閾値を示した;それに対して、GMPは、0.02mMのEC50値および0.008mMの閾値を示した(表8および図1)。
【0806】
プリン系のヌクレオチド誘導体の2−アミノ−6−クロロプリンリボシド−5’−O−一リン酸(2−NH2−6−Cl−5’−PuMP)および6−クロロプリンリボシド−5’−O−一リン酸も、T1R1/T1R3受容体の活性剤として機能することが観察された(表9)。例えば、2−アミノ−6−クロロプリンリボシド−5’−O−一リン酸は、アラニンの存在下で、0.0005mMのEC50値および0.00013mMの閾値を示し、6−クロロプリンリボシド−5’−O−一リン酸は、アラニンの存在下で、0.002mMのEC50値および0.0005mMの閾値を示した(表9)。対照的に、プリンリボシド−5’−O−一リン酸(5’−PuMP)は、アラニンの存在下で、0.02mMのEC50値および0.005mMの閾値を示し、これらプリン系のヌクレオチドが、標準的なヌクレオチドの5’−PuMPと比べて、より低い濃度でネコの旨味受容体を活性化したことを示した(表9)。
【0807】
イノシン系のヌクレオチド誘導体は、アラニンの存在下で前記受容体を活性化することが観察された(表11)。6−チオイノシンリン酸は、アラニンの存在下で、0.02mMのEC50値を示し、イノシン三リン酸(ITP)は、アラニンの存在下で、0.08mMのEC50値を示した(表11および図6)。標準的なヌクレオチドのイノシン一リン酸(IMP)は、0.07mMのEC50値を示し、6−チオイノシンリン酸が、IMPと比べて、増加した活性を示したことを示した。ウリジン系のヌクレオチド誘導体についても、同様の結果が観察され、そのヌクレオチド誘導体は、ウリジン一リン酸(UMP)と比べて改善された活性を示した。例えば、ウリジン系のヌクレオチド誘導体のウリジン5’−モノホスホモルホリデート4−モルホリン−N,N’−ジシクロヘキシルカルボキサミジンは、UMPの30mM超のEC50値と比べて、3mM超のEC50値を示した(表12)。
【0808】
特定の理論に束縛されずに、これらの結果は、ヌクレオチド誘導体は、T1R1/T1R3受容体の正の調節因子として機能し、標準的なヌクレオチドと比べて、改善された活性を示すことを示している。
【0809】
【表7-1】
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【0810】
【表7-2】
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【0811】
【表7-3】
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【0812】
【表7-4】
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【0813】
【表7-5】
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【0814】
【表7-6】
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【0815】
【表8-1】
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【0816】
【表8-2】
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【0817】
【表8-3】
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【0818】
【表8-4】
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【0819】
【表8-5】
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【0820】
【表8-6】
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【0821】
【表9】
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【0822】
【表10】
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【0823】
【表11-1】
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【0824】
【表11-2】
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【0825】
【表12】
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【0826】
【表13】
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【0827】
【表14-1】
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【0828】
【表14-2】
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【0829】
【表15-1】
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【0830】
【表15-2】
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【0831】
【表15-3】
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【0832】
【表15-4】
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【0833】
【表15-5】
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【0834】
【表15-6】
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【0835】
【表15-7】
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【0836】
【表15-8】
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【0837】
【表16】
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【0838】
実施例3−T1R1ヌクレオチドおよびアミノ酸相互作用領域の同定
本実施例は、ヌクレオチドと相互作用するT1R1内のアミノ酸およびT1R1と結合するアミノ酸のコンピュータによる同定を記載する。
【0839】
方法:ネコT1R1は、T1R3と錯体を形成して、旨味受容体ヘテロ二量体を形成する、C群のGタンパク質共役受容体(GPCR)である。ネコT1R1 Venus Flytrap領域(VFT領域)のモデルを、別のC群GPCRである代謝型グルタミン酸受容体1EWT(タンパク質データバンクから入手できる(Berman et al., Nucleic Acids Research, 28: 235-242 (2000)))の結晶構造を使用して構築した(Kunishima et al., Nature 407: 971-977 (2000))。代謝型グルタミン酸受容体のmGluR1、mGluR3、mGluR5、およびmGluR7を含む、C群のGPCRのVFTの結晶構造は、そのVFTの活性部位の裂け目に結合するリガンドの著しく類似のモードを示す。これらのリガンド結合モードを使用して、代謝型グルタミン酸受容体の配列プロファイルにネコT1R1 VFT配列を手動で揃えた。その結果、この整列を使用して、Modellerソフトウェアパッケージを使用したホモロジーモデル化を行った(Eswar et al., Curr Protoc Bioinformatics, John Wiley & Sons, Inc., Supplement 15, 5.6.1-5.6.30 (2006))。
【0840】
T1R1の活性部位へのアミノ酸のモデル化:mGluR結晶構造内へのグルタミン酸の両性イオン主鎖の配置後に、アラニン(L−アラニン)をネコT1R1 VFTモデルの活性部位に最初に置いた。分子動力学およびエネルギー最小化を使用して、得られた錯体を修正した。水の連続体モデルを使用して、その錯体の計算エネルギーと、単離したリガンドおよびアポタンパク質の計算エネルギーとの間の差を計算することによって、結合エネルギーを予測した。他のアミノ酸を、Discovery Studio(米国、カリフォルニア州、サンディエゴ所在のBIOVIA Corp.のDassault Systemes)を使用して、結合アラニン足場上に構築し、分子動力学およびエネルギー最小化を使用して修正した(Brooks et al., J Comput Chem. 30(10):545-614 (2009))。その計算結合エネルギーがアラニンのものに匹敵し、mGluR結晶構造内で観察されたヒンジに対する保存相互作用も保有したものとして、アミノ酸の最終モデルを選択した。
【0841】
T1R1の活性部位へのヌクレオチドのモデル化:Zhang等(Zhang et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 105(52):20930-4 (2008))により記載されたような、ヒトT1R1へのIMPの以前に公表されたモデル化にしたがって、IMPおよびGMPをネコT1R1 VFTの活性部位に置いた。ヌクレオチドねじれ結合を変え、分子動力学およびエネルギー最小化を使用して、得られたモデルを修正した。その結合エネルギーがGMPのものに匹敵し、部位特異的突然変異誘発法によるヒトT1R1に対するIMP結合にとって重要であると確立した保存残基に対するヌクレオチド相互作用も示したものとして、最終モデルを選択した(Zhang et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 105(52):20930-4 (2008))。他のヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を、IMPおよびGMPと最初に重複させ、次いで、IMPおよびGMPについて記載されたのと同じ修正、評価、および選択手順を行った。
【0842】
結果:ネコT1R1 VFT領域は、図14に示されるような2つのローブからなる。上側ローブおよび下側ローブは、ヒンジと呼ばれるタンパク質の3つのストランドにより接続されている。図14において、上側ローブは図面の上部にあり;下側ローブは図面の下部にある。ヒンジは左側にある。そのFlytrap領域は、作用薬結合で開から閉の立体配座に移行する。活性アミノ酸およびヌクレオチドは、2つのローブの間のVFT領域に結合する(図14参照)。アミノ酸は、ヒンジ近くの領域に結合する(図14参照:アラニンが、図の左側に表示されたCPK空間充填に示されている)。ヌクレオチドは、そのヒンジに対してより遠位であるが、Flytrapのローブ間にまだ位置している領域に結合する(図14参照:IMPが、図の右側に表示されたCPK空間充填に示されている)。
【0843】
アミノ酸結合:アミノ酸リガンドは、図14に示されるようなVFTのヒンジ領域に結合し、ヒンジ近くの相互作用によって十分に調整される。図15は、Thr149、Ser172、Tyr220、Thr148、Glu170、およびAsp302に対する、可能性のある水素結合、塩橋相互作用、およびπカチオン相互作用を示す、L−アラニンに関する例示の結合モードを示している。これらの相互作用は、点線として示されている。
【0844】
Thr149、Ser172、およびTyr220残基は、部位特異的突然変異誘発法によるヒトの旨味受容体におけるL−グルタミン酸塩結合にとって重要であると確立された(Zhang et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 105(52):20930-4 (2008))。ネコにおけるThr148に相当するマウスAsn149が、マウスにおけるアミノ酸結合にとって重要であることが示された(Toda et. al., J. Biol. Chem 288:36863-36877 (2013))。Glu170およびAsp302は、ネコおよびマウスT1R1中に存在するが、ヒトには存在しない。ヒトにおいて、これらの位置でのアミノ酸はアラニンである。ヒトT1R1/T1R3は、L−グルタミン酸塩およびL−アスパラギン酸にとって選択性が高い。対照的に、ネコおよびマウスT1R1/T1R3は、幅広いアミノ酸に反応する。本実施例により記載されたモデルにおいて、Glu170およびAsp302は、T1R1の活性部位を収めるアミノ酸リガンドの両性イオン窒素と配位するのに役立つ一方で、同時に、L−グルタミン酸塩およびL−アスパラギン酸に結合するのに不適な静電気環境を確立する。部位特異的突然変異誘発法を使用して、Toda等は、Glu170およびAsp302が、ネコとヒトの間のアミノ酸リガンド優先傾向において観察される違いに関与することを示した(Toda et. al., J. Biol. Chem 288:36863-36877 (2013))。
【0845】
ヌクレオチド結合:ヌクレオチドは、図14に示されるように、アミノ酸よりも、ヒンジに対してより遠位にある位置に結合する。図16は、GMPに関する例示の結合モードを示している。GMPのリン酸と、T1R1 His47、His71、Arg277、およびAsn69;GMPの糖と、T1R1 Asn302およびSer306;並びにGMP塩基と、T1R1 Ser384、His308、およびAla380に対する可能性のある水素結合および塩橋相互作用。これらの相互作用が点線として示されている。
【0846】
His308は、GMPの塩基と配位することが示されているが、GMPのリン酸と配位するように振れることもある。VFTに対するリガンドの相互作用エネルギーを増大させる追加の疎水性相互作用も存在し、異なる結合部位の柔軟性は変動し得る(データは示さず)。異なるヌクレオチドは、T1R1との異なる相互作用を示すことがあるが、GMPについてここに記載された相互作用と重複するかもしれない。構造−活性相関(SAR)およびT1R1モデルは、T1R1のリン酸結合領域における負の電荷を帯びた基の存在が、T1R1に対するヌクレオチドの結合にとって重要であることを示唆する。SARおよびそのモデルは、ヌクレオチド塩基、延長塩基、置換塩基、またはT1R1のヌクレオチド塩基結合領域において相互作用を形成し得るヌクレオチド塩基の他の生物学的等価性置換の存在も、結合にとって重要であることを示唆する(塩基の例について、Limbach et.al., Nucleic Acids Research 22(12): 2183 -2196 (1994)を参照のこと)。
【0847】
同様に、SARおよびモデル化は、ヌクレオチド糖(または糖置換分子)の間の相互作用は、T1R1に対するヌクレオチドのうまくいく結合にとって重要であることを示唆する。その糖は、適切な負の電荷を帯びた基を配向して、T1R1とヌクレオチドのリン酸領域およびヌクレオチド塩基領域との間の相互作用を確立するのにも役立ち得る。
【0848】
異なるヌクレオチドはT1R1との異なる相互作用を示すであろうが、そのような相互作用は、大半は、可能性のあるこの一連の相互作用に対して適合しそうである。
【0849】
アミノ酸とヌクレオチド結合の間の架橋相互作用:Asp302は、ネコおよびマウスを含む多数の種におけるT1R1のVFTに存在する残基である。しかしながら、ヒトにおいて、この位置のアミノ酸はアラニンである。Asp302は、結合アミノ酸リガンドの両性イオン窒素または側鎖と配位するように配向する(図15)、あるいは、結合ヌクレオチドの糖に配位するように配位する(図16)ことがある柔軟な側鎖を有する。さらに、Asp302は、結合アミノ酸の両性イオン主鎖窒素、およびヌクレオチドの糖に同時に配位するように配向されることもある(図17)。この架橋相互作用は、結合アミノ酸および結合ヌクレオチドの間の相乗効果を強化することがある。ヒトにおけるこの位置のアミノ酸はアラニンであるので、そのような架橋相互作用は、ヒトにおいては可能ではない。ヌクレオチド塩基の代わりの立体配座は、Glu170と選択されたヌクレオチド塩基との間のさらに別の架橋相互作用を確立することがある(データは示さず)。
【0850】
実施例4−膜貫通化合物のコンピュータによる同定
本実施例は、推定膜貫通化合物を同定するためのT1R1/T1R3受容体の計算論的モデル化を記載する。
【0851】
T1R1の三次元構造を解析して、T1R1/T1R3受容体を選択的に活性化させるために利用できる膜貫通化合物を同定するために、計算論的アプローチを使用した。ネコT1R1の結晶構造は決定されていないが、ヒトGPCR代謝型グルタミン酸受容体1(mGluR1)(Wu et al., 2014 Science Vol. 344, p. 58-64)とヒトGPCR代謝型グルタミン酸受容体5(mGluR5)(Dore et al., Nature. 2014 Jul 31;511(7511):557-62. Epub 2014 Jul 6)の結晶構造に基づいて、T1R1の膜貫通領域の構造モデルを作成した。次いで、T1R1/T1R3受容体のT1R1単量体の膜貫通領域と潜在的に相互作用できる小さい化合物を同定するために、「コンピュータ(in silico)」モデルを使用した。
【0852】
図28は、T1R1とのN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルの相互作用を示している。そのリガンドのエステルと相互作用するT1R1膜貫通領域のアスパラギン(Asn)735が、見える。図面の右側のリガンドのフェニル基に対して環スタッキング相互作用を形成することによって、そのリガンドと配位できる活性部位に、アリール残基のクラスターが位置している。図35は、T1R1の膜貫通領域内にある1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンのモデルを示している。Helix 6のPhe642およびHelix 2のPhe776が、1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンのフェニル環と相互作用し、Helix 6のAsn792が水素結合によりカルボニル基と相互作用する(図35)。T1R1の膜貫通領域内の1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オンのモデルは、T1R1の膜貫通領域のAsn735と1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オンの間の水素結合を示している(図36)。
【0853】
実施例5−膜貫通化合物によるT1R1/T1R3受容体の活性化
本実施例は、インビトロでの膜貫通化合物によるT1R1/T1R3受容体の活性化を記載する。
【0854】
実施例4に記載されたコンピュータモデルに基づいて、推定T1R1/T1R3膜貫通化合物を同定し、インビトロのさらに別の試験のために選択した。単独で、または1種類以上のヌクレオチドおよび/または1種類以上のアミノ酸との組合せで、T1R1/T1R3受容体を活性化させる上での推定膜貫通化合物の有効性を評価するために、選択された化合物のインビトロの機能的特性化を使用した。
【0855】
方法:T1R3を安定に発現し、T1R1を誘導的に発現するHEK293細胞を、単独で、または1種類以上のアミノ酸および/または1種類以上のヌクレオチドとの組合せで、膜貫通化合物に暴露して、旨味受容体を活性化させた。T1R1/T1R3受容体の活性化は、カルシウム感受性蛍光染料を使用して、細胞間カルシウムレベルの変化によって、検出した。T1R3を発現するが、T1R1は発現しない細胞を対照として使用した。データ収集に、「FLIPR」Tetraまたは「FlexStation」3を使用した。
【0856】
各膜貫通化合物について、用量反応曲線を作成し、以下の特性を決定した:膜貫通化合物のみのEC50、20mMのアラニンと一緒の膜貫通化合物のEC50、0.2mMのIMPと一緒の膜貫通化合物のEC50、および20mMのアラニンおよび0.2mMのIMPと一緒の膜貫通化合物のEC50。半数最大有効濃度(EC50)という用語は、ベースラインと、規定の暴露時間後の最大値との間の中程の反応を誘発する化合物の濃度を称する。各実験において、膜貫通化合物の10mMまでの段階希釈物をT1R1/T1R3発現細胞に加えた。
【0857】
結果:T1R1/T1R3受容体を発現するHEK293細胞の、単独(例えば、緩衝剤中)、または20mMのアラニンとの組合せでの、1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンによる処理により、細胞間カルシウムレベルの変化(ΔF/F0)により示されるように、T1R1/T1R3受容体の活性化が行われ、1mM超の測定EC50値が得られた。対照的に、0.2mMのIMPの存在下、または20mMのアラニンおよび0.2mMのIMPの存在下での、1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンにより、EC50値が、それぞれ、0.32±0.05mMおよび0.33±0.04mMに減少した(図37および表17)。これらの結果は、IMPは、膜貫通化合物の1−ベンジル−3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)イミダゾリジン−2,4,5−トリオンの正のアロステリック調節因子であること、すなわち、その化合物が、T1R1/T1R3に対して相乗効果があることを示す。
【0858】
化合物のN−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−プロピルペンタンアミドが、単独でT1R1/T1R3の作用薬として機能することが観察された(図39および表17)。IMPまたはIMPおよびアラニンの存在下で、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−プロピルペンタンアミドのEC50が減少し、ΔF/F0が著しく高く伸びた(図39および表17)。これらの結果は、アラニンおよびIMPが、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−プロピルペンタンアミドと相乗的に作用して、T1R1/T1R3を活性化させることを示唆する。同様の結果が、膜貫通化合物のN−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドについて観察された(図40および表17)。IMPは、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドの正のアロステリック調節因子として機能した。
【0859】
推定膜貫通化合物のN−(2−アミノ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3−クロロ−4,5−ジメトキシベンズアミドは、単独でT1R1/T1R3を活性化できなかった;しかしながら、IMPまたはIMPおよびアラニンの存在下で、N−(2−アミノ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3−クロロ−4,5−ジメトキシベンズアミドは、より低濃度でのΔF/F0の増加およびEC50の減少により示されるように、T1R1/T1R3を活性化させた(図41および表17)。同様の結果が、2−((5−(4−(メチルチオ)フェニル)−2H−テトラゾール−2−イル)メチル)ピリジンについて観察された(図43および表17)。
【0860】
化合物の(E)−3−(4−メトキシフェニル)−N−(ペンタン−3−イル)アクリルアミドは、0.45±0.01のEC50で、T1R1/T1R3の膜貫通化合物として機能する。IMPまたはIMPおよびアラニンの存在下で、(E)−3−(4−メトキシフェニル)−N−(ペンタン−3−イル)アクリルアミドの活性は大幅に向上し、それぞれ、0.15±0.02および0.08±0.01のEC50となり、IMPおよびアラニンが、(E)−3−(4−メトキシフェニル)−N−(ペンタン−3−イル)アクリルアミドのアロステリック調節因子として機能することを示す(図42および表17)。
【0861】
膜貫通化合物のN−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドをさらに解析した。図44は、GMPおよびフェニルアラニン;GMP、フェニルアラニンおよびアラニン;GMP、フェニルアラニンおよびIMP;またはGMP、フェニルアラニン、アラニンおよびIMPの存在下でのN−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドの用量反応曲線を示す。アラニンおよびIMPの存在により、フェニルアラニンおよびGMPの存在下、またはIMPのみの存在下での、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドのEC50値と比べて、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドのEC50値が著しく減少した(表19)。上述したように、IMPは、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドの作用薬活性のアロステリック調節因子として機能する;しかしながら、これらの結果は、IMPおよびアラニンの組合せにより、EC50値がより低下し、IMPのみよりもΔF/F0がより高くシフトすることを示し、この組合せが、T1R1/T1R3の活性化において、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミドとの相乗効果を示したことを示す(図44および表19)。それに加え、ΔF/F0は、その作用薬の不在下でのフェニルアラニンおよびGMPの組合せと比べて、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミド、フェニルアラニンおよびGMPの三成分混合物の存在下で約10倍高い(図45)。
【0862】
図46は、使用した正と負の対照に関する用量反応曲線を示しており、活性化合物に関する結果が、表17に纏められている。表18は、試験した全ての化合物の結果を示している。正と負の対照について、アミノ酸に関する用量反応曲線を、0.2mMのIMPの存在下で決定した。ヌクレオチドに関する用量反応曲線を、20mMのアラニンの存在下で決定した。
【0863】
特定の理論に束縛されずに、これらの結果は、ヌクレオチド単独、例えば、IMP、またはヌクレオチドとアミノ酸の組合せ、例えば、IMPとアラニンの組合せは、開示された膜貫通化合物の正の調節因子として機能し、それによって、T1R1/T1R3受容体を十分に活性化させるのに必要な作用薬の量が減少することを示す。
【0864】
【表17-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0865】
【表17-2】
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【0866】
【表17-3】
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【0867】
【表17-4】
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【0868】
【表17-5】
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【0869】
【表17-6】
[この文献は図面を表示できません]
【0870】
【表18-1】
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【0871】
【表18-2】
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【0872】
【表18-3】
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【0873】
【表18-4】
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【0874】
【表18-5】
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【0875】
【表18-6】
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【0876】
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0877】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0878】
実施例6−膜貫通化合物によるT1R1/T1R3受容体の活性化
本実施例は、インビトロでの膜貫通化合物によるT1R1/T1R3受容体の活性化を記載する。
【0879】
実施例4に記載されたコンピュータモデルに基づいて、推定T1R1/T1R3膜貫通化合物を同定し、インビトロのさらに別の試験のために選択した。単独で、または1種類以上のヌクレオチドおよび/または1種類以上のアミノ酸との組合せで、T1R1/T1R3受容体を活性化させる上での推定膜貫通化合物の有効性を評価するために、選択された化合物のインビトロの機能的特性化を使用した。
【0880】
方法:選択された化合物のインビトロの機能的特性化は、実施例5により記載されたように行った。
【0881】
結果:表21に示されるように、T1R1/T1R3受容体を発現するHEK293細胞の、N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルHCl単独(例えば、緩衝剤中)による処理により、0.03±0.002mMのEC50でT1R1/T1R3受容体が活性化された。その化合物を20mMのL−アラニンと組み合わせると、EC50が0.05±0.001mMに増加した。0.2mMのIMPと組み合わせると、EC50は0.02±0.001mMに低下し、20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPと組み合わせると、EC50は0.02±0.021mMに低下した。
【0882】
【表21】
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【0883】
表22に示されるように、T1R1/T1R3受容体を発現するHEK293細胞の、N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)ニコチンアミド単独(例えば、緩衝剤中)による処理により、0.15±0.03mMのEC50でT1R1/T1R3受容体が活性化された。その化合物を20mMのL−アラニンと組み合わせると、EC50が0.1mM超に増加した。0.2mMのIMPと組み合わせると、EC50は0.05±0.01mMに低下し、20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPと組み合わせると、EC50は0.04±0.01mMに低下した。
【0884】
【表22】
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【0885】
表23に示されるように、T1R1/T1R3受容体を発現するHEK293細胞の、2−アミノ−N−フェネチルベンズアミド単独(例えば、緩衝剤中)による処理により、0.42±0.01mMのEC50でT1R1/T1R3受容体が活性化された。その化合物を20mMのL−アラニンと組み合わせると、EC50が0.48±0.01mMに増加した。0.2mMのIMPと組み合わせると、EC50は0.14±0.03mMに低下し、20mMのL−アラニンおよび0.2mMのIMPと組み合わせると、EC50は0.09±0.01mMに低下した。
【0886】
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0887】
特定の理論に束縛されずに、これらの結果は、ヌクレオチド単独、例えば、IMP、またはヌクレオチドとアミノ酸の組合せ、例えば、IMPとアラニンの組合せは、開示された膜貫通化合物の正の調節因子として機能し、それによって、T1R1/T1R3受容体を十分に活性化させるのに必要な作用薬の量が減少することを示す。
【0888】
実施例7−膜貫通化合物およびヌクレオチド誘導体によるT1R1/T1R3受容体の活性化
本実施例は、インビトロでの膜貫通化合物およびヌクレオチド誘導体によるT1R1/T1R3受容体の活性化を記載する。
【0889】
実施例4に記載されたコンピュータモデルに基づいて、推定T1R1/T1R3膜貫通化合物を同定し、インビトロのさらに別の試験のために選択した。単独で、または1種類以上のヌクレオチドおよび/または1種類以上のアミノ酸との組合せで、T1R1/T1R3受容体を活性化させる上での推定膜貫通化合物の有効性を評価するために、選択された化合物のインビトロの機能的特性化を使用した。選択されたヌクレオチド誘導体も、単独で、または1種類以上のヌクレオチドおよび/または1種類以上のアミノ酸との組合せで、試験した。
【0890】
方法:選択された化合物のインビトロの機能的特性化は、実施例1、2および5により記載されたように行った。
【0891】
結果:T1R1/T1R3を活性化させる上で試験した全ての膜貫通化合物およびヌクレオチド誘導体の効果が、表26に示されている。T1R1/T1R3受容体を発現するHEK293細胞の、緩衝剤中単独の膜貫通化合物のいくつかによる処理により、表24A〜Oに示されるように、細胞間カルシウムレベルの変化(ΔF/F0)により示されるように、T1R1/T1R3が活性化された。これらの化合物を0.2mMのIMP、または0.2mMのIMPおよび20mMのアラニンの混合物と組み合わせた場合、膜貫通化合物のEC50濃度の減少でも分かるように、その膜貫通化合物は、T1R1/T1R3を活性化させる上でより効果的であった(表24A〜Oおよび図58〜75)。表24A〜Oは、活性膜貫通化合物単独(緩衝剤中)およびL−アラニン、IMP、およびL−アラニン+IMPの存在下の各々に関するEC50を示す。表25および図71は、対照化合物(0.2mMのIMPの存在下での20mMのアミノ酸)に関するEC50および用量反応曲線を示す。特定の理論に束縛されずに、これらの結果は、ヌクレオチド単独、例えば、IMP、またはヌクレオチドとアミノ酸の組合せ、例えば、IMPとアラニンの組合せは、開示された膜貫通化合物の正の調節因子として機能し、それによって、T1R1/T1R3受容体を十分に活性化させるのに必要な膜貫通化合物の量が減少することを示す。
【0892】
表24A〜O.T1R1/T1R3を活性化させる上での膜貫通化合物のEC50
【0893】
【表24A】
[この文献は図面を表示できません]
【0894】
【表24B】
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【0895】
【表24C】
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【0896】
【表24D】
[この文献は図面を表示できません]
【0897】
【表24E】
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【0898】
【表24F】
[この文献は図面を表示できません]
【0899】
【表24G】
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【0900】
【表24H】
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【0901】
【表24I】
[この文献は図面を表示できません]
【0902】
【表24J】
[この文献は図面を表示できません]
【0903】
【表24K】
[この文献は図面を表示できません]
【0904】
【表24L】
[この文献は図面を表示できません]
【0905】
【表24M】
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【0906】
【表24N】
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【0907】
【表24O】
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【0908】
【表25】
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【0909】
【表26-1】
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【0910】
【表26-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0911】
【表26-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0912】
【表26-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0913】
【表26-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0914】
【表26-6】
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【0915】
【表26-7】
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【0916】
【表26-8】
[この文献は図面を表示できません]
【0917】
【表26-9】
[この文献は図面を表示できません]
【0918】
【表26-10】
[この文献は図面を表示できません]
【0919】
【表26-11】
[この文献は図面を表示できません]
【0920】
【表26-12】
[この文献は図面を表示できません]
【0921】
【表26-13】
[この文献は図面を表示できません]
【0922】
【表26-14】
[この文献は図面を表示できません]
【0923】
【表26-15】
[この文献は図面を表示できません]
【0924】
【表26-16】
[この文献は図面を表示できません]
【0925】
【表26-17】
[この文献は図面を表示できません]
【0926】
【表26-18】
[この文献は図面を表示できません]
【0927】
実施例8−膜貫通化合物によるT1R1/T1R3受容体の活性化
本実施例は、インビトロでの、受容体作用薬および/または正のアロステリック調節因子(PAM)として機能する膜貫通化合物によるT1R1/T1R3受容体の活性化を記載する。その膜貫通化合物は、PAMとして機能する場合、受容体の活性に対するヌクレオチドおよびアミノ酸の効果を増加させる。
【0928】
実施例4に記載されたコンピュータモデルに基づいて、推定T1R1/T1R3膜貫通化合物を同定し、受容体作用薬および/またはPAMとしてのインビトロのさらに別の試験のために選択した。T1R1/T1R3受容体を活性化させる上での作用薬および/またはPAMとしての推定膜貫通化合物の有効性を評価するために、選択された化合物のインビトロの機能的特性化を使用した。
【0929】
作用薬スクリーニング方法:T1R3を安定に発現し、T1R1を誘導的に発現するHEK293細胞を膜貫通化合物に暴露した。T1R1/T1R3受容体の活性化は、カルシウム感受性蛍光染料および/または蛍光レポーター系を使用して、細胞間カルシウムレベルの変化によって、検出した。T1R1/T1R3受容体を発現しない細胞を対照として使用した。データ収集に、「FLIPR」Tetraまたは「FlexStation」3を使用した。
【0930】
各膜貫通化合物を、0.01mM、0.1mM、および1mMの濃度で試験した。T1R1/T1R3を活性化させた各膜貫通化合物について、用量反応曲線を作成した。用量反応曲線を作成するために、その膜貫通化合物を、GMPおよびAlaの存在下において、0.0001mMと1.0mMの間の濃度で試験した。Alaを20mMで一定に保持し、GMPを0.001から1mM(具体的には、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、0.6、および1mM)に増加させたときの、用量反応曲線を作成した。同様に、GMPを1mMで一定に保持し、Alaの濃度を、0.1mMと100mMの間(具体的には、0.1、0.3、1、3、10、30、60、および100mM)で変動させた。
【0931】
PAMスクリーニング方法:前記旨味受容体を活性化させるために、T1R3を安定に発現し、T1R1を誘導的に発現するHEK293細胞を、単独で、またはAlaおよびGMPの組合せで、膜貫通化合物に暴露した。T1R1/T1R3受容体の活性化は、カルシウム感受性蛍光染料および/または蛍光レポーター系を使用して、細胞間カルシウムレベルの変化によって、検出した。T1R1/T1R3受容体を発現しない細胞を対照として使用した。データ収集に、「FLIPR」Tetraまたは「FlexStation」3を使用した。
【0932】
0(緩衝剤のみ)、0.01、0.1、および1mMの濃度で各膜貫通化合について用量反応曲線を作成し、ここで、膜貫通化合物の3つの濃度の各々を、0.03mMのGMP+100mMのAla(T1);0.6mMのGMP+10mMのAla(T2);0.1mMのGMP+60mMのAla(T3);および0.3mMのGMP+60mMのAla(T4)との組合せで試験した。T4混合物は、2倍希釈系列でも試験した(T4(×)濃度)。これらの実験において、最初の試験濃度はT4濃度の2×(2倍)であった。その後の試験濃度は、それからの2倍希釈(1×、0.5×など)であった。この希釈系列を、一定の0.3mM濃度での試験化合物の添加を行う場合と行わない場合で試験した。
【0933】
「最大」旨味受容体活性化レベルを生成するために、1mMのGMP+100mMのAlの存在下でも、その旨味受容体の活性化を決定した。化合物+Ala+GMPのいずれかの組合せに対する反応が、その化合物のみに対する反応、およびGMP+アラニンのみに対する反応の合計よりも大きい場合、その化合物をPAMと分類した。
【0934】
結果:表27に示されるように、24種類の異なる膜貫通化合物を試験し、9つを、T1R1/T1R3作用薬、PAM、またはその両方として同定した。
【0935】
【表27-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0936】
【表27-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0937】
表27に記載されたように、試験した化合物の内の9つが、T1R1/T1R3作用薬および/またはPAMとして活性であった。図72〜80は、T1R1/T1R3作用薬および/またはPAMとして同定された各化合物に関する作用薬プロファイリングおよびPAMプロファイリングに関する用量反応曲線を示す。
【0938】
特定の理論に束縛されずに、これらの結果は、膜貫通化合物は、単独で、作用薬としてT1R1/T1R3を活性化することができ、T1R1/T1R3のGMPおよびAla活性化の正のアロステリック調節因子としても機能でき、それによって、T1R1/T1R3受容体を十分に活性化させるのに必要な作用薬の量が減少することを示す。
【0939】
実施例9−T1R1膜貫通化合物相互作用残基の同定
本実施例は、T1R1に結合する膜貫通化合物と相互作用するT1R1内のアミノ酸のコンピュータによる同定を記載する。
【0940】
方法:ネコT1R1は、T1R2、T1R3、CaSR、GabaB、およびmGluのように、C群のGタンパク質共役受容体(GPCR)である。C群のGPCRは、(1)Venus Flytrap(VFT)領域と呼ばれる大きい外部領域、(2)7回膜貫通領域(7TM)、および(3)VFTおよび7TMを接続するシステインが豊富な領域を含む。ネコT1R1 7TM領域のホモロジーモデルは、タンパク質データバンクからの結晶構造4OR2および4OO9に基づいて構築した(Berman et al., Nucleic Acids Research, 28: 235-242 (2000))。4OR2および4OO9は、C群のGPCRである2種類の代謝型グルタミン酸受容体の部分の結晶構造である。4OR2は、負のアロステリック調節因子(NAM)が結合したmGluR1の膜貫通領域の結晶構造である(Wu et al., Science. 2014 Apr 4;344(6179):58-64. Epub 2014 Mar 6.)。4OO9は、NAMが結合したmGluR5の膜貫通領域の結晶構造である(Dore et al., Nature. 2014 Jul 31;511(7511):557-62. Epub 2014 Jul 6)。これらのモデルは、I−TASSER Suiteのプログラム(Yang et al., Nature Methods, 12: 7-8 (2015))および米国カリフォルニア州サンディエゴ所在のBIOVIA Corp.のDassault SystemsからのDiscoveryStudio(DS)suitのプログラムの一部である、Modellerソフトウェアパッケージ(Eswar et al., Curr Protoc Bioinformatics, John Wiley & Sons, Inc., Supplement 15, 5.6.1-5.6.30 (2006))を使用して構築した。mGluR1とネコT1R1 7TM領域との間に約25%の配列同一性がある。BioPredict,Inc.(米国ニュージャージー州オラデル所在)からのドッキングプログラムBioDockを使用して、T1R1モデル内のネコT1R1 7TMのアロステリック部位中に、N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチ
ルエステルをドッキングさせた。VFT領域にアミノ酸およびヌクレオチドをドッキングさせるために、VFT領域とのヌクレオチドドッキングのモデル化について記載されたものと同様のプロトコルを使用した。
【0941】
結果:ドッキングモデルにおいて、N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルは、ネコT1R1のアロステリック7TM結合部位の以下のアミノ酸と相互作用する:7TMのらせん7上にある、Ala795、Ala796、およびAsn792;7TMのらせん6上にある、Trp773およびPhe776;7TMのらせん5上にある、Ala731、Phe728、Leu730、Phe732、およびAsn735;7TMのらせん4上にある、Ala689、Ser686、Gln690、Ile693、Cys694およびLeu695;並びに7TMのらせん3上にある、Arg634、Gln635、Phe642、Ala639、Ala643、およびLeu638(図28)。N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルのエステル基は、Asn735に対して水素結合を形成する。他の膜貫通化合物のモデルは、そのリガンドが、Asn735、Ser686、またはその両方に対する水素結合相互作用を形成するかもしれないことを示している。
【0942】
N−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルと、T1R1の7TM領域との間の疎水性相互作用の大半は、そのリガンドと、Trp773、Phe776、Phe732、Phe728、Leu730、Leu695、Leu638、およびPhe642との間で起こる。これらのアミノ酸は、他のT1R1膜貫通リガンドと、T1R1膜貫通領域との間の疎水性相互作用の大半も与える。
【0943】
T1R1活性部位の顕著な特色は、結合したリガンドに対する環スタッキング相互作用を経験できる残基の数である。T1R1 7TMに結合したN−ベンジル−L−フェニルアラニンメチルエステルのモデルは、ベンジル基から膜貫通領域への環スタッキング相互作用を示す。この特徴は、T1R1 7TMに結合した他の活性膜貫通化合物のモデルに共通している。これらは、そのT1R1/T1R3活性立体配座の結合および安定化の両方に寄与するであろう。そのような相互作用を形成できるT1R1 7TMアミノ酸に、Trp773、Phe776、Phe732、Phe728、およびPhe642がある。
【0944】
現在開示されている主題およびその利点を詳細に記載してきたが、付随の特許請求の範囲により定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱せずに、ここに様々な変更、置換および修正を行えることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲は、明細書に記載された過程、装置、製造、および物質の組成、手段、方法および工程の特定の実施の形態に限定されることは意図されていない。ここに記載された対応する実施の形態と実質的に同じ機能を果たすまたは実質的に同じ結果を達成する、既存のまたは後に開発される、過程、装置、製造、物質の組成、手段、方法、または工程を、現在開示されている主題にしたがって利用してよいことが、当業者により、現在開示されている主題の開示から認識される。したがって、付随の特許請求の範囲は、その範囲に、そのような過程、装置、製造、物質の組成、手段、方法、または工程を含むことが意図されている。
【0945】
本出願を通じて、特許、特許出願、刊行物、製品の説明およびプロトコルが引用されており、その開示は、全ての目的にとって完全に引用によりここに含まれる。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
構造:
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Tm−1の化合物を含む香味組成物:
式中、
1は、OおよびSからなる群より選択され、
1は、1〜3であり、
2は、0〜4であり、
4は、0〜3であり、
1、R2、およびR3は、H、=O、=S、分岐または非分岐および置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、およびR5からなる群より独立して選択され、
4は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C8)、および(CH2)n2アリールからなる群より選択され、
5は、H、CH3、CH(CH32、CH2CH(CH32、CH(CH3)CH2CH3、CH2CH2SCH3、CH2SH、CH2SeH、CH2OH、CH(OH)CH3、CH2C(O)NH2、CH2CH2(O)NH2、CH2CH2CH2NHC(NH)NH2、CH2(1H−イミダゾール−イル)、CH2(CH22CH2NH2、CH2COOH、CH2CH2COOH、CH265、CH2(4−ヒドロキシフェニル)、CH2[3−イル−(1H−インドール)]、CH2(シクロ−ペンチル)、CH2(シクロ−ヘキシル)、CH2(インダニル)、独立して分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C10)、(CH20-4PH、c−C35、c−C47、c−C59、c−C610、フェニル、ビアリール、(CH2)n2アリール、ピリジン、チオフェン、CH2Ph、CH2ピリジン、およびCH2チオフェンからなる群より選択され、
前記アリールおよびアルキル(分岐および非分岐の両方)基は、必要に応じて、メチル、OH、SH、OCH3、SCH3、COOH、COOR13、S(O)n41、C(O)R11、C(O)NR1112、CN、NR1112、NR11C(O)R12、アリール、メチレンジオキシ、アルキル(C1〜C5)、CH2SSCH2CH(COOH)(NH2)、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、NO2、NHC(=NH)NH2、CHO、CF3、P(=X1)(OR12、OP(=X1)(OR12により置換されていてよく、
5およびR6は、必要に応じて結合されて、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルなどのシクロ環を形成してもよく、
6は、H、および分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C4)からなる群より選択され、
7は、H、AA、OH、O、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、O(CH2)n1アリール、NR1112、N(R14)OH、C(R8)(R9)、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、
8およびR9は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、アリール、アルキル−アリール、およびアルキル−ヘテロアリールからなる群より独立して選択され、
11およびR12は、H、CH3、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、フェニル、アリール、および(CH2)n1アリールからなる群より独立して選択され、
13は、H、CH3、CH2CH3、CH2アリール、およびtert−ブチルからなる群より選択され、
14は、HおよびCH3からなる群より選択され、
AAは、天然に存在するアルファアミノ酸または(R)または(S)−立体配置からなる群より選択される。
実施形態2
前記組成物が、構造:
【化176】
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を有する式Tm−2の化合物を含み、
式中、R4、R5、R6、R7、X1、およびn1が、実施形態1により定義されたものである、実施形態1記載の香味組成物。
実施形態3
前記化合物が、
【化177】
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およびそれらの組合せからなる群より選択される、実施形態1または2記載の香味組成物。
実施形態4
前記化合物が、
【化178-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化178-2】
[この文献は図面を表示できません]
およびそれらの組合せからなる群より選択される、実施形態1または2記載の香味組成物。
実施形態5
構造:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Tm−3の化合物を含む香味組成物:
式中、
1は、OおよびSからなる群より選択され、
1、n2およびn4は、0〜4であり、
1は、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C10)、(CH2)n2Ph、c−C35、c−C47、c−C59、c−C610、フェニル、(CH2)n2アリール、Ph、ピリジン、チオフェン、CH2Ph、CH2ピリジン、CH2チオフェン、O−アリール、Ph、ピリジン、チオフェン、フラン、ナフチル、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、キノロン、イソキノリン、ピロール、N−(メチル)ピロール、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、イソキサゾール、オキサゾール、イソインドール、インドリジン、プリン、ピラジン、ピリダジン、O−アルキル(C1〜C6)、ビアリール、またはOR1からなる群より選択され、
前記アリールおよびアルキル(分岐および非分岐の両方)基は、必要に応じて、メチル、OH、SH、OCH3、SCH3、COOH、COOR13、S(O)n41、C(O)R11、C(O)NR1112、CN、NR1112、NR11C(O)R12、アリール、メチレンジオキシ、アルキル(C1〜C5)、CH2SSCH2CH(COOH)(NH2)、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、NO2、NHC(=NH)NH2、CHO、CF3、P(=X1)(OR12、またはOP(=X1)(OR12により置換されていてよく、
2は、H、CH3、(CH2)、およびアリールからなる群より選択され、
3、R4、およびR5は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C8)、(CH2)n2アリール、およびR1からなる群より独立して選択され、
11およびR12は、H、CH3、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C6)、フェニル、アリール、および(CH2)n1アリールからなる群より独立して選択され、
13は、H、CH3、CH2CH3、CH2アリール、およびtert−ブチルからなる群より選択される。
実施形態6
前記組成物が、構造:
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Tm−4の化合物を含み、式中、
1およびR2は、アリール、シクロ−アルキル、およびヘテロアリールからなる群より独立して選択され、
前記アリール基またはシクロ−アルキル基は、必要に応じて、メチル、OH、SH、OCH3、SCH3、COOH、COOR13、S(O)n41、C(O)R11、C(O)NR1112、CN、NR11C(O)R12、アリール、メチレンジオキシ、アルキル(C1〜C5)、CH2SSCH2CH(COOH)(NH2)、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、NO2、NHC(=NH)NH2、CHO、CF3、P(=X1)(OR12、またはOP(=X1)(OR12により置換されていてよく、
前記シクロ−アルキル基は、必要に応じて、環内にヘテロ原子を含有してもよく、
11、R12、R13、n1、n4およびX1は、実施形態5に定義されたものである、実施形態5記載の香味組成物。
実施形態7
前記化合物が、
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
である、実施形態5または6記載の香味組成物。
実施形態8
前記化合物が、
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
である、実施形態5または6記載の香味組成物。
実施形態9
前記化合物が、
【化183】
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およびそれらの組合せからなる群より選択される、実施形態5または6記載の香味組成物。
実施形態10
構造:
【化184】
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を有する式Tm−5の化合物を含む香味組成物:
式中、
1は、O、N(R3)、Sからなる群より選択され、
2およびX3は、OおよびSからなる群より独立して選択され、
3は、H、および分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C4)からなる群より選択され、
1およびR2は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、ヒドロキシル、水素、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換インデニル、置換または非置換インダニル、(CH2)nC(=X1)R1、および(CH2)nC(=X1)R2からなる群より独立して選択され、
1はOまたはSであり、
nは0〜4である。
実施形態11
前記組成物が、構造:
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Tm−6の化合物を含み、式中、
1またはR2が、実施形態10に定義されたものである、実施形態10記載の香味組成物。
実施形態12
前記組成物が、構造:
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Tm−7の化合物を含み、式中、
1またはR2が、実施形態10に定義されたものである、実施形態10記載の香味組成物。
実施形態13
前記化合物が、
【化187】
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である、実施形態10または11記載の香味組成物。
実施形態14
前記化合物が、
【化188-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化188-2】
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およびそれらの組合せからなる群より選択される、実施形態10または11記載の香味組成物。
実施形態15
構造:
【化189】
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を有する式Tm−8の化合物を含む香味組成物:
式中、
1は、O、N(R12)およびSからなる群より選択され、
2およびX3は、OおよびSからなる群より独立して選択され、
4は、NH、N(R7)、およびC(R8、R9)からなる群より選択され、
1は0〜1であり、n1が0の場合、X2およびX3を担持する2つの炭素間に化学結合があり、
7、R8、およびR9は、H、置換または非置換分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C20)、アリール、ヘテロアリール、シクロ−アルキル(C3〜C7)、および置換、非置換、分岐、または非分岐C(CH2)n2アリールからなる群より独立して選択され、
2は0〜10であり、
12は、H、分岐または非分岐低級アルキル(C1〜C4)からなる群より選択され、
1またはR2は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、ヒドロキシル、水素、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換インデニル、および置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択される。
実施形態16
前記化合物が、
【化190】
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である、実施形態15記載の香味組成物。
実施形態17
構造:
【化191】
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を有する式Tm−13の化合物を含む香味組成物:
式中、
1またはR2は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換シクロアルカルキル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、ヒドロキシル、水素、置換または非置換エーテリアル、置換または非置換ベンゾチアゾリル、置換または非置換ピリジル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換チエニル、置換または非置換ベンゾチエニル、置換または非置換インドリル、置換または非置換イソキノリル、置換または非置換キノリル、置換または非置換インデニル、もしくは置換または非置換インダニルからなる群より独立して選択され、
Yは、O、SおよびN(R4)からなる群より選択され、
1-4は、C、O、NおよびSからなる群より独立して選択され、
3は、置換または非置換芳香族置換基であり、
4は、H、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキル(C1〜C8)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルキン(C2〜C6)、分岐または非分岐置換または非置換低級アルケン(C2〜C6)、アリール、(CH2)nアリールであり、
nは0〜4である。
実施形態18
構造:
【化192】
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を有する式Tm−12の化合物を含む香味組成物:
式中、R1、R2、R3、X1-3およびYは、実施形態17に定義されたものである。
実施形態19
前記化合物が、
【化193】
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である、実施形態17記載の香味組成物。
実施形態20
【化194-1】
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【化194-2】
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【化194-3】
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およびそれらの組合せからなる群より選択される化合物を含む香味組成物。
実施形態21
グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、イノシン一リン酸(IMP)、イノシン二リン酸(IDP)、イノシン三リン酸(ITP)、ウリジン(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、キサントシン一リン酸(XMP)、キサントシン二リン酸(XDP)、キサントシン三リン酸(XTP)、およびそれらの組合せからなる群より選択されるヌクレオチドをさらに含む、実施形態1から20いずれか1つに記載の香味組成物。
実施形態22
前記ヌクレオチドが、グアノシン一リン酸(GMP)、イノシン一リン酸(IMP)、およびそれらの組合せからなる群より選択される、実施形態21記載の香味組成物。
実施形態23
トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン、グリシン、システイン、アラニン、チロシン、セリン、メチオニン、アスパラギン、ロイシン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるアミノ酸をさらに含む、実施形態1から22いずれか1つに記載の香味組成物。
実施形態24
前記アミノ酸がアラニンである、実施形態23記載の香味組成物。
実施形態25
前記アミノ酸がグリシンである、実施形態23記載の香味組成物。
実施形態26
前記アミノ酸がヒスチジンである、実施形態23記載の香味組成物。
実施形態27
アスパラギン、トレオニン、イソロイシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒドロキシルプロリン、アルギニン、シスチン、グルタミン、リシン、バリン、オルニチン、グルタミン酸ナトリウム、タウリン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるアミノ酸をさらに含む、実施形態1から26いずれか1つに記載の香味組成物。
実施形態28
実施形態23記載の第1のアミノ酸、および実施形態27記載の第2のアミノ酸をさらに含む、実施形態1から20いずれか1つに記載の香味組成物。
実施形態29
【化195-1】
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【化195-2】
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【化195-3】
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【化195-4】
[この文献は図面を表示できません]
【化195-5】
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およびそれらの組合せからなる群より選択されるヌクレオチド誘導体をさらに含む、実施形態1から28いずれか1つに記載の香味組成物。
実施形態30
アラニンおよびグアノシン一リン酸(GMP)をさらに含む、実施形態1から20いずれか1つに記載の香味組成物。
実施形態31
アラニンおよびイノシン一リン酸(IMP)をさらに含む、実施形態1から20いずれか1つに記載の香味組成物。
実施形態32
実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物を含む食品であって、前記香味組成物が、前記食品の約0.0001質量%から約10質量%の濃度で存在する食品。
実施形態33
実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物を含む食品であって、前記香味組成物が、前記食品の約0.001ppmから約1,000ppmの濃度で存在する食品。
実施形態34
実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物を含む食品であって、前記香味組成物が、前記食品の約1μMから約10Mの濃度で存在する食品。
実施形態35
実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物を含む食品であって、前記香味組成物が、味覚試験者のパネルにより決定して、前記食品の美味しさを増加させるのに効果的な量で存在する食品。
実施形態36
食品における旨味強度を増加させる方法であって、食品を実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物と混合する工程を有してなり、該香味組成物がその混合物の約0.0001質量%から約10質量%の濃度で存在する、方法。
実施形態37
食品における旨味強度を増加させる方法であって、食品を実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物と混合する工程を有してなり、該香味組成物がその混合物の約0.001ppmから約1,000ppmの濃度で存在する、方法。
実施形態38
食品における旨味強度を増加させる方法であって、食品を実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物と混合する工程を有してなり、該香味組成物がその混合物の約1μMから約1Mの濃度で存在する、方法。
実施形態39
食品における旨味強度を増加させる方法であって、食品を実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物と混合する工程を有してなり、該香味組成物が、味覚試験者のパネルにより決定して、前記食品の美味しさを増加させるのに効果的な量で存在する、方法。
実施形態40
前記旨味強度の増加が、旨味の後味の増加を含む、実施形態36から39いずれか1つに記載の方法。
実施形態41
実施形態1から31いずれか1つに記載の香味組成物を含む食品を調製する方法であって、該方法が、食品前駆体の熱加工を含み、前記香味組成物が該熱加工中に生成される、方法。
実施形態42
前記熱加工が、殺菌、レトルト加工、押出し、射出成形またはそれらの組合せを含む、実施形態41記載の方法。
実施形態43
前記食品がペットフード製品を含む、実施形態32から35いずれか1つに記載の食品。
実施形態44
前記ペットフード製品がネコ用ペットフード製品である、実施形態43記載の食品。
実施形態45
前記ネコ用ペットフード製品がウェットタイプのネコ用ペットフード製品である、実施形態44記載の食品。
実施形態46
前記ネコ用ペットフード製品がドライタイプのネコ用ペットフード製品である、実施形態44記載の食品。
実施形態47
前記ペットフード製品がイヌ用ペットフード製品である、実施形態43記載の食品。
実施形態48
前記イヌ用ペットフード製品がウェットタイプのイヌ用ペットフード製品である、実施形態47記載の食品。
実施形態49
前記イヌ用ペットフード製品がドライタイプのイヌ用ペットフード製品である、実施形態47記載の食品。
実施形態50
前記食品がヒト用食品を含む、実施形態32から35いずれか1つに記載の食品。
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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図12
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図13
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図14
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図15
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図16
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図17
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図18
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図19
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図20
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図21
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図22
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図23
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図24
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図25
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図26
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図27
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図28
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図29
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図30
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図31
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図32
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図33
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図34
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図35
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図36
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図37
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図41
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図44
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図45
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図46-1】
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図46-2】
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図47
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図48
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図49
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図50
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図55
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図56a
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図56b
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図57a
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図58a
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図58b
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図59a
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図59b
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図60a
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図60b
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図61a
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図61b
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図62a
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図62b
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図63a
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図63b
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図64a
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図64b
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図65a
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図65b
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図66a
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図66b
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図67a
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図67b
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図68a
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図68b
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図69a
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図69b
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図70a
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図70b
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図71-1】
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図71-2】
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図71-3】
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図72a
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図72b
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図72c
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図72d
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図73a
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図73b
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図73c
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図73d
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図73e
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図73f
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図74a
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図74c
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図75a
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図76a
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図76b
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図76c
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図76d
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図76e
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図77a
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図77b
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図77c
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図77e
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図78a
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図78e
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図79a
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図79b
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図79c
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図79e
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図80a
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図80b
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図81-1】
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図81-2】
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図82
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図83-1】
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図83-2】
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図84
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]