(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セラミックス粒子100質量部に対して、前記バインダー樹脂を0.5〜30質量部および前記有機溶媒を10〜200質量部含有することを特徴とする、請求項2記載のセラミックス焼成用組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。
〔モノマー(A)〕
本発明で用いるモノマー(A)は、下記一般式(1)で示される。
【0015】
式(1)中、R
1は、水素原子またはメチル基である。
R
2は水素原子、メチル基またはエチル基を示すが、アミンまたはアルコールとの反応性の観点からは、水素原子が特に好ましい。
R
3は、炭素数1〜18のアルキル基である。炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基などが挙げられ、合成のしやすさとチクソ性の観点から、R
3の炭素数は2〜12が好ましく、3〜6がより好ましい。
【0016】
XとYは、酸素原子(−O−)あるいはNH基であり、強度の観点から、XとYとの少なくとも一方がNH基である。XおよびYが両方ともNH基であることが更に好ましい。
モノマー(A)は一種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0017】
重合体を構成するモノマー全体を100モル%としたとき、モノマー(A)のモル比は、10モル%以上とする。モノマー(A)のモル比が低すぎると、強度が低下するおそれがあるので、10mol%以上とするが、15mol%以上が好ましく、20mol%以上が更に好ましい。
【0018】
また、重合体を構成するモノマー全体を100モル%としたとき、モノマー(A)のモル比は、
50モル%以下とする。モノマー(A)のモル比を50mol%以下とすることにより、重合体の熱分解性が更に向上するが、この観点からは、40モル%以下とすることが更に好ましい。
【0019】
[モノマー(B)]
モノマー(B)は、モノマー(A)と共重合可能なビニル系モノマーであり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物や芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、アクリルアミド化合物などを挙げることができる。
【0020】
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0021】
芳香族アルケニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどを挙げることができる。
【0022】
シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを挙げることができる。
【0023】
アクリルアミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミドなどを挙げることができる。
その中でも、樹脂強度と熱分解性の観点から、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好まししく、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレートがさらに好ましい。
【0024】
モノマー(B)は、一種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよいが、2種類以上を併用する方が好ましい。その場合、モノマー(A)とモノマー(B)の合計量を100モル%としたとき、メチルメタクリレートを5〜25モル%を用いることが特に好ましい。
【0025】
また、モノマー(A)とモノマー(B)の合計量を100モル%とするので、モノマー(B)のモル比は、モノマー(A)の残部であり、すなわち
50〜90モル%となる。
【0026】
[重合体]
本発明の重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めることができ、10,000〜1,000,000であり、好ましくは30,000〜800,000、より好ましくは50,000〜500,000である。重合体の重量平均分子量が低すぎると、シート強度が不足し、重量平均分子量が高すぎると、スラリーが増粘し、塗布性に悪影響が生じるおそれがある。
【0027】
〔モノマー(A)の製造方法〕
本発明のモノマー(A)は、ウレア結合もしくはウレタン結合を有するモノマーである。
【0028】
上記モノマー(A)は例えば、イソシアネート基含有モノマーとアミン化合物もしくはアルコール化合物の反応や、ヒドロキシ基含有モノマーとアルキルイソシアネートの反応によって得ることができる。
【0029】
前記イソシアネート基含有モノマーとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが好ましく、重合安定性の観点から、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートがより好ましい。
【0030】
前記アミン化合物は、1級アミン化合物又は2級アミン化合物であることが好ましく、1級アミン化合物であることがさらに好ましい。
上記1級アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、バインダー樹脂組成物のシート強度の観点から、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミンが好ましく、n−ブチルアミンがさらに好ましい。
【0031】
また、前記2級アミン化合物としては、例えば、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジオクチルアミン(ジ−n−オクチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0032】
また、前記アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、反応時の安定性の観点から、上記アルコール化合物が、炭素数2〜8のアルコールであることが好ましい。該炭素数2〜8のアルカノールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール等が挙げられ、なかでもエタノール、プロパノール、ブタノールが好ましい。
【0033】
前記ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物が挙げられる。その中でも、イソシアネート基との反応性の観点から、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
【0034】
前記アルキルイソシアネートとしては、例えば、エチルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、iso−ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、n−オクチルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネートなどが挙げられるが、共重合体のシート強度の観点から、n−ブチルイソシアネートが好ましい。
【0035】
前記イソシアネート基含有モノマーとアミン化合物もしくはアルコール化合物との反応および、ヒドロキシ基含有モノマーとアルキルイソシアネートの反応は、両者を混合し、所望により温度を上げ、公知の方法で実施することができる。また必要に応じて、触媒を添加してもよく、例えば、スタナスオクトエート、ジブチルスズジラウリレートなどのスズ系触媒、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒など公知の触媒を用いることができる。この反応は5〜100℃、好ましくは20〜80℃の温度で行うことが望ましい。また、上記反応は溶剤を使用してもよく、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等の存在下で行うことができる。
【0036】
〔重合体の製造方法〕
次に、本発明の重合体を製造する方法について説明する。
本発明における重合体は、モノマー(A)を少なくとも含有するモノマー混合物をラジカル重合させることにより得ることができる。重合は公知の方法で行うことができる。例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられるが、共重合体の重量平均分子量を上記範囲内に調整しやすいという面で、溶液重合や懸濁重合が好ましい。
【0037】
重合開始剤は、公知のものを使用することができる。例えば、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系重合開始剤などを挙げることができる。これらの重合開始剤は1種類のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、用いるモノマーの組み合わせや、反応条件などに応じて適宜設定することができる。
【0038】
なお、重合開始剤を投入するに際しては、例えば、全量を一括仕込みしてもよいし、一部を一括仕込みして残りを滴下してもよく、あるいは全量を滴下してもよい。また、前記モノマーとともに重合開始剤を滴下すると、反応の制御が容易となるので好ましく、さらにモノマー滴下後も重合開始剤を添加すると、残存モノマーを低減できるので好ましい。
【0039】
溶液重合の際に使用する重合溶媒としては、モノマーと重合開始剤が溶解するものを使用することができ、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを挙げることができる。
【0040】
重合溶媒に対するモノマー(合計量)の濃度は、10〜60質量%が好ましく、特に好ましくは20〜50質量%である。モノマー混合物の濃度が低すぎると、モノマーが残存しやすく、得られる共重合体の分子量が低下するおそれがあり、モノマーの濃度が高すぎると、発熱を制御し難くなるおそれがある。
【0041】
モノマーを投入するに際しては、例えば、全量を一括仕込みしても良いし、一部を一括仕込みして残りを滴下しても良いし、あるいは全量を滴下しても良い。発熱の制御しやすさから、一部を一括仕込みして残りを滴下するか、または全量を滴下するのが好ましい。
【0042】
重合温度は、重合溶媒の種類などに依存し、例えば、50℃〜110℃である。重合時間は、重合開始剤の種類と重合温度に依存し、例えば、重合開始剤としてジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートを使用した場合、重合温度を70℃として重合すると、重合時間は6時間程度が適している。
【0043】
以上の重合反応を行なうことにより、本発明の樹脂組成物に係る共重合体が得られる。得られた共重合体は、そのまま用いてもよいし、重合反応後の反応液に、ろ取や精製を施して単離してもよい。
【0044】
[セラミックス組成物]
本発明の重合体は、セラミックス組成物用のバインダー樹脂として特に好適である。セラミックス組成物は、本発明の重合体の他、セラミックス粒子および有機溶媒を含有する。
【0045】
こうしたセラミックス粒子としては、アルミナやチタン酸バリウムなどの金属酸化物や窒化ケイ素や窒化アルミニウムなどの窒化物を例示できる。
セラミックス粒子の中心粒径(D50)、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50は、0.05μm〜50.0μmであるのが好ましい。
【0046】
また、有機溶媒としては、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶媒、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒などを挙げることができ、これらを単体で、又は2種以上混合して用いることができる。
【0047】
セラミックス組成物中での本発明のバインダー樹脂の含有量は、セラミックス粒子の重量を100質量部としたとき、0.5〜30質量部が好ましい。また、セラミックス組成物中での溶媒の含有量は、セラミックス粒子の重量を100質量部としたとき、10〜200質量部が好ましい。また、この他に必要に応じて界面活性剤や酸化防止剤等の他の成分を配合することができる。
【0048】
これらの混合物を、撹拌、分散して、セラミックス組成物を得る。撹拌は、特に制限無く公知の手段を使用することができ、好ましくは例えばボールミルやビーズミル、あるいは遊星式混練機などを使用することができ、特に好ましくはボールミルが使用される。
【0049】
セラミックス組成物は好ましくはスラリーの形態であり、スラリーをドクターブレード法などの方法によりキャリアフィルム上に成型することで、セラミックスグリーンシートが得られる。しかし、セラミックス組成物をキャスト成形、プレス成形などによってシート状等に成形することで成形体を得ることもできる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
下記の表1に、モノマー(A)の構造と略号を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
(合成例1:モノマーA1)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)51.2g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ブチルアミン24.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA1を得た(収率92%)。
【0053】
(合成例2:モノマーA2)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)51.2g、メトキノン0.012g、ジブチルスズジラウレート0.034gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を60℃に保持しながら、n−ブタノールを1時間かけて滴下した。その後、80℃に昇温し、6時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA2を得た(収率95%)。
【0054】
(合成例3:モノマーA3)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(日油株式会社製「ブレンマーE」)、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を60℃に保持しながら、n−ブチルイソシアネートを1時間かけて滴下した。その後、80℃に昇温し、6時間熟成させたのち、40℃まで冷却後、イオン交換水100mLを加え、撹拌、静置した。下層のモノマーA3層を抜き取り、80℃で減圧し、脱水し、モノマーA3を得た(収率70%)。
【0055】
(合成例4:モノマーA4)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズAOI」)46.6g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ブチルアミン24.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA4を得た(収率90%)。
【0056】
(合成例5:モノマーA5)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−クリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズAOI」)46.6g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ドデシルアミン61.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA5を得た(収率90%)。
【0057】
(重合例1:共重合体A)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、イソプロパノール250gを仕込み、フラスコ内を窒素置換して、窒素雰囲気下にした。イソブチルメタクリレート(iBMA:製品名:アクリエステルIB(三菱レイヨン(株)製))212.1g、メチルメタクリレート(MMA:製品名:アクリエステルM(三菱レイヨン(株)製)と19.9gモノマーA1
68.0gを混合したモノマー溶液、及びイソプロパノール50gと2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(製品名:V−65(和光純薬工業(株)製))0.3gを混合した重合開始剤溶液をそれぞれ調製した。
【0058】
反応容器内を75℃まで昇温し、モノマー溶液及び重合開始剤溶液を同時にそれぞれ3時間かけて滴下した。その後、75℃で3時間反応させ共重合体Aのイソプロパノール溶液を得た。ついで、60℃減圧下で180分かけ脱溶剤し、共重合体Aを得た。
【0059】
(重合例2:共重合体B)
イソブチルメタクリレートの使用量を156.3g、メチルメタクリレートの使用量を18.3g、モノマーA1の使用量を125.3gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Bを得た。
【0060】
(重合例3:共重合体C)
イソブチルメタクリレートの使用量を94.3g、メチルメタクリレートの使用量を16.6g、モノマーA1の使用量を189.1gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Cを得た。
【0061】
(重合例4:共重合体D)
イソブチルメタクリレートの使用量を155.8g、メチルメタクリレートの使用量を18.3g、モノマーA1をモノマーA2に変え、126.0g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Dを得た。
【0062】
(重合例5:共重合体E)
モノマーA2をモノマーA3に変えたこと以外は重合例4と同様の手法で共重合体Eを得た。
【0063】
(重合例6:共重合体F)
イソブチルメタクリレートの使用量を160.4g、メチルメタクリレートの使用量を18.8g、モノマーA1をモノマーA4に変え、120.8g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Fを得た。
【0064】
(重合例7:共重合体G)
イソブチルメタクリレートの使用量を132.4g、メチルメタクリレートの使用量を15.5g、モノマーA1をモノマーA5に変え、152.0g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Gを得た。
【0065】
(重合例8:共重合体H)
イソブチルメタクリレートの使用量を133.7g、メチルメタクリレートの使用量を37.7g、モノマーA1の使用量を128.6gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Hを得た。
【0066】
(重合例9:共重合体I)
イソブチルメタクリレートの使用量を109.3g、メチルメタクリレートの使用量を19.2g、モノマーA1の使用量を131.4gに変更し、スチレンを40.0g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Iを得た。
【0067】
(重合例10:共重合体J)
イソブチルメタクリレートの使用量を137.8g、メチルメタクリレートの使用量を19.4g、モノマーA1の使用量を132.5gに変更し、アクリロニトリルを10.3g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Jを得た。
【0068】
(重合例11:共重合体K)
イソブチルメタクリレートの使用量を136.2g、メチルメタクリレートの使用量を19.2g、モノマーA1の使用量を131.0gに変更し、アクリルアミドを13.6g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Kを得た。
【0069】
(重合例12:共重合体L)
イソブチルメタクリレートの使用量を276.6g、モノマーA1の使用量を23.4gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Lを得た。
【0070】
(重合例13:共重合体M)
イソブチルメタクリレートの使用量を215.5g、モノマーA1の代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を84.5g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Mを得た。
【0071】
〔重量平均分子量の測定〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件により、共重合体A〜Mの重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)社製、HLC−8220
カラム:shodex社製、LF−804
標準物質:ポリスチレン
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
検出器:RI(示差屈折率検出器)
【0072】
〔樹脂強度の評価〕
バインダー樹脂を30質量部に対し、トルエン35質量部、エタノール35質量部の混合溶媒に溶解させた溶液を、PETフィルム上にバーコーターNo.32にて塗工し、100℃、1時間乾燥後、剥離させ、厚さ30μmの樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを1cm×5cmのサイズに切り取り、引張試験機にて、引張り速度10mm/minで樹脂強度を測定し、5回測定した平均値を使用した。
【0073】
〔シート強度の評価〕
チタン酸バリウム粒子(堺化学製:BT-03)100質量部に対し、高分子ポリカルボン酸系分散剤(日油製:マリアリムAKM-0531)を0.8質量部、トルエン18質量部、エタノール18質量部、粒径1mmのジルコニアボール100質量部をボールミルに入れ、8時間混合後、バインダー樹脂を8質量部、トルエン10質量部、エタノール10質量部を加えさらに12時間混合したのち、ジルコニアボールをろ別し、セラミックスラリーを調製した。そして、セラミックスラリーをドクターブレード法によってキャリアシートであるPETフィルム上に厚さ20μmのシート状に塗布後、90℃、10分間乾燥させ、グリーンシートを作製した。作製したグリーンシートを引張試験機にて、引張り速度10mm/minで強度を測定し、5回測定した平均値を使用した。
【0074】
〔熱分解性の評価〕
共重合体5mgをアルミパンにいれ、TG/DTAにて、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分で500℃まで昇温し、サンプルの残存量を測定した。
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
実施例1〜11では、セラミックスグリーンシートのシート強度が高くなり、また、加熱残分が少なくなった。
【0079】
比較例1では、モノマーA1の比率が10モル%未満であるが、加熱残分は少なくなったが、シート強度が低くなった。
比較例2では、本発明のモノマー(A)を含有しない共重合体を用いたが、加熱残分は少なくなったが、シート強度が低くなった。
比較例3では、ポリビニルブチラール樹脂を使用し、シート強度は高いが、加熱残分が多くなった。